JP4131682B2 - ガス化装置の監視システム - Google Patents

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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば石炭ガス化システムにおいて、ガス化ガス及び排ガス及び排水中の状態を常に把握することができるガス化装置の監視システムに関する。
【0002】
【背景の技術及び発明が解決しようとする課題】
石炭ガスを使用した火力発電では、石炭ガス化炉にて生成される生成ガスを燃料として、ガスタービン等の発電設備に導いて使用している。発電設備では、目標とする発電量が設定されており、それに応じて生成ガスの発熱量を制御することが重要である。そして、それに対応して、ガス化炉において生成ガスの発熱量(組成)が許容範囲に入るように制御することが、非常に重要である。
発電所の発電目標設定値は、常に一定ではなく、電力の使用量の変化や、時間帯等により短時間で変更されることも多い。従って、それに応じて、ガス化炉において生成される生成ガスの発熱量も迅速に制御される必要がある。
【0003】
従来の生成ガス発熱量の制御では、発熱量は生成ガスを分析し、その分析結果を解析することで制御を行っていた。
図13を参照して、ガス化炉1における発熱量制御について説明する。ガス化炉01、生成ガス02、サンプリング管03、前処理部04、ガスクロマトグラフ05、計算部06、制御部07、燃料供給弁08、空気供給弁09、配管010、ガスタービン011からなる。ガス化炉01は、燃料(石炭)供給弁08及び空気供給弁09を経由して石炭及び空気の供給を受け、ガスタービン011用の高温・高圧(例えば400℃、30気圧)の生成ガス02を生成する。生成ガス02は、ガスタービン011に送られる配管010の途中で、その一部が、サンプリング管03によりサンプリングされ、発熱量を測定する測定系へ流入する。サンプリングガスは、前処理部04において、降圧、冷却、除塵、除湿等の前処理を行い、常圧・常温で乾燥し、かつ塵を含まない状態にする。
その後、サンプリングガスをガスクロマトグラフ05へ送る。ガスクロマトグラフ05では、サンプリングガスである生成ガス02が分析され、ガスの組成が測定される。
【0004】
ここで通常、石炭ガス化生成ガスの場合は、およそ一酸化炭素(CO)10〜30%、水素(H2)4〜10%、メタン(CH4)0.1〜1%、二酸化炭素(CO2)5〜10%、窒素(N2)55〜70%の範囲の体積分率を有する。そして、前記分析結果に基づいて、計算部06において、単位体積当たりの発熱量Q(kcal/Nm3)が計算される。生成ガス02の発熱量Qの計算結果は、制御部07へ出力される。そして、この結果とその時点での発熱量目標値との相違に基づいて、ガス化炉01内へ投入される石炭量、空気量が設定される。設定に基づき、それぞれ燃料供給弁08及び空気供給弁09により石炭及び空気の供給量が制御され、生成ガス02の発熱量が常に許容範囲に入るように制御される。
【0005】
このように従来の石炭ガス化による発電においては、ガス化炉01による生成ガス02の発熱量をガスクロマトグラフ05で測定し、その値によってガス化炉01を制御していた。しかし、ガスクロマトグラフ05では、分析に要する時間が5分程度以上必要とされるため速やかな制御が出来なかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−173989号公報
【0007】
これに対し、近年の火力発電では、昼間と夜間との使用電力が大幅に違うため、従来に比べて負荷(発電量)の時間的変動が大きくなっており、これに対処するため最大負荷を100%とすると、少なくとも1分間当たり3%程度の負荷を増減できる制御速度が要求されている。従って、この速度に対応できるガス化炉が必要であり、これに組み合わせるガス発熱量測定装置が要求されている。また、前処理部04において、降圧、冷却、除塵、除湿時にトラブルが起きる場合があり、メインテナンスに労力を要していた。
【0008】
また、前処理部04において、除湿しているので、熱交換器等の漏洩があった場合に、迅速に水蒸気の測定をすることができない、という問題がある。
【0009】
また、ガス中のダスト濃度を計測する場合には、図14に示すように、レーザ光などの一定波長の光を照射可能な光源装置020からの光021を光検出器022で検出し、光吸収法によりそのダスト量を計測していた。
【0010】
また、生成ガス中には炭化水素が含まれており、これが冷却された場合に、下流側の装置(例えば脱硝装置、脱硫装置、脱塵装置等)の配管内部にタール分として付着し、配管の劣化を加速するという問題がある。
よって、適正なガス化条件の確認のために炭化水素量を迅速に計測したいという要望がある。
【0011】
また、ガス化システムのプラントの制御性の向上及び健全性を維持するには、ガス化ガス及び排ガス及び排水中の状態を常に把握する必要があり、さらに迅速性が要望されているが、未だ実現されていないのが現状である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の発明は、燃料及び空気を供給し生成ガスを得るガス化炉と、生成した生成ガス中の微粒子を除去するフィルタと、生成ガスを利用する燃料利用設備とを具備するガス化装置において、生成ガス中のガス成分及びダスト量及び水蒸気量及び炭化水素量を計測する計測装置を具備するガス化装置の監視システムにおいて、前記フィルタは並列に接続される複数のフィルタブロックからなり、該フィルタブロックは煤塵の漏洩があったときに順次遮断されることを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の発明は、燃料及び空気を供給し生成ガスを得るガス化炉と、生成した生成ガス中の微粒子を除去するフィルタと、生成ガスを利用する燃料利用設備とを具備するガス化装置の発明において、生成ガス中のガス成分及びダスト量及び水蒸気量及び炭化水素量を計測する計測装置を具備することを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、ガス化装置に生成ガスを脱硫する脱硫装置を具備してなり、脱硫装置の前流側に設けられ、ガス中のH2S、CO、CO2、H2Oを計測する半導体レーザ装置を設けたことを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、ガス化装置からの脱硫された生成ガスを燃料とし、ガスタービンで膨張させる燃焼ガスを生成する燃焼器と、ガスタービンの排熱を回収する排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで発生した蒸気で発電する蒸気タービンとを具備してなり、排ガス又は排水中のアルカリ成分及び重金属類を計測するレーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置を設けたことを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0016】
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一の発明において、システム全体のガス漏洩を計測する半導体レーザ装置を具備することを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0017】
第5の発明は、第1の発明において、前記計測装置が、計測場内の被測定ガスにレーザー光などの一定波長の光を照射可能な光源手段と、前記光の照射により前記ガスから生じるラマン散乱光により波長毎の強度の計測を行う分光器と、前記光の照射により前記ガス中のダストから生じるミー散乱光の計測を行う第1の光検出器と、前記光の照射により前記ガス中の炭化水素から生じる蛍光の計測を行う第2の光検出器と、前記計測の結果から前記ガスの発熱量及びダスト量及び炭化水素量を算出する計算部と、を具備することを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0018】
第6の発明は、第2の発明において、前記半導体レーザ装置が、ガスの供給・排出ラインを備えたセルと、該セル内に供給されたガスにレーザ光を照射するレーザ照射手段と、上記レーザ光照射による吸収スペクトルからH2S、CO、CO2、H2Oの各濃度を求める検出手段とを具備することを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0019】
第7の発明は、第3の発明において、前記レーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置が、ガスにレーザを照射してプラズマ化させるレーザ装置と、該プラズマから発生するプラズマ光を計測する分光器とを具備することを特徴とするガス化装置の監視システムにある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明であるガス化装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例においては、発電用ガスタービンに用いられるガス化装置を例に示して説明するが、他の用途に用いられるガス化装置においても、適用可能である。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態にかかるガス化装置の概略図である。
図1に示すように、燃料201及び空気201を供給し生成ガス101を得るガス化炉102と、生成した生成ガス102中の微粒子を除去するフィルタ120と、生成ガスを利用する燃料利用設備である燃焼器を備えたガスタービン111とを具備するガス化装置において、生成ガス中のガス成分及びダスト量及び水蒸気量及び炭化水素(HC)量を計測するレーザ計測装置100とを具備するものである。
本実施の形態では燃料利用設備としてガスタービンを例示するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
図2は、本実施の形態にかかる計測装置100の概略図である。
図2に示すように、本実施の形態にかかる計測装置100は、計測場10内の被測定ガス11にレーザ光などの一定波長の光12を照射可能な光源手段13と、前記光12の照射により前記ガス11から生じるラマン散乱光14により波長毎の強度の計測を行う分光器15と、前記光12の照射により前記ガス11中のダストから生じるミー散乱光16の計測を行う第1の光検出器17と、前記光12の照射により前記ガス11中の炭化水素から生じる蛍光18の計測を行う第2の光検出器19と、前記計測の結果から前記ガス11の発熱量及びダスト量及び炭化水素量を算出する計算部であるデータ処理手段20とを具備するものである。
【0023】
また、図2に示すように、計測装置100は、レーザ光などの一定波長の光12を照射可能な光源手段13からの光12をミラー21を介して反射させて、集光手段22により集光し、次いで計測窓23a,23bを透過した後、計測場10内に入射させ、被測定ガス11へ照射する機能を有する。
計測場10は被測定ガス11を内部に保持又は流通させる機能を有する。
本実施の形態では、ガス火炉からの生成ガスをタービンへ送給する送給管の一部を計測場としているが、送給管から分枝するようにしてもよい。
【0024】
また、分光器15はICCD(Intensified Charge Coupled Device)カメラ24を具備し、被測定ガス11からのラマン散乱光14を分光し、測定データとして取り出す機能を有する。
【0025】
また、第1の光検出器17は、被測定ガス11中の固体成分であるダストからのミー散乱光14をミラー25を介して反射させた後に分光し、測定データ(例えば図3参照)として取り出す機能を有する。
【0026】
また、第2の光検出器19は、被測定ガス11中の炭化水素からの蛍光18をミラー26を介して反射させた後に分光し、測定データ(例えば図3参照)として取り出す機能を有する。
【0027】
データ処理手段20は、測定データに基づいて、測定ガスの発熱量及びダスト濃度及び炭化水素量を計算する機能を有する。
よって、レーザ光などの一定波長の光12を用いた本計測装置100により、短時間に正確にガスの発熱量を計算することが可能である。これと同時に、ダスト量を計測することができる。さらに、ガス中の炭化水素濃度を計測することができる。
【0028】
また、ラマン散乱光14からの測定データ中の水分量を計測することで、図4に示すように、ガス火炉側に設けた熱交換器等の熱交換手段からの水蒸気の漏洩(チューブリーク)を同時に計測することができる。
【0029】
以下、ガス化装置の概要について説明する。
本実施の形態においては、燃料201及び空気202をガス化炉101へ供給し、生成した生成ガス102は、配管110を通り、該配管110に介装されるポーラスフィルタ120、脱硫手段121を通過し、ガスタービン111へ供給される。その際、ガスタービン111に供給する生成ガス102の発熱量を正確に制御する必要がある。その制御は、図2に示す計測装置100を使用して行う。そして、配管110の途中において、該配管110内を流れる生成ガス102のラマン散乱光及びミー散乱光の測定を行う。その測定結果に基づき、データ処理手段29にて生成ガス102の組成を計算する。計算から計算結果が出るまでの時間は非常に短時間である。そして、その計算値に基づいて、制御部107で、ガス化炉101に供給する燃料および空気を制御する。このようにして、本発明により、ガス化炉101において生成される生成ガス102の発熱量が正確に制御される。
【0030】
よって、計測装置100を用いることで、配管110の途中において、該配管110内を流れる生成ガス102のラマン散乱光及びミー散乱光の測定を行うことができる。その測定結果に基づき、データ処理手段29にて生成ガス102の組成を計算することができる。そして、その計算値に基づいて、制御部107で、ガス化炉101に供給する燃料および空気を制御する。このようにして、本発明により、ガス化炉101において生成される生成ガス102の発熱量が正確に制御される。
【0031】
また、蛍光の計測により、ガス中の炭化水素の量を計測することができ、ガス化条件の確認を迅速に行うことができる。
図5及び表1は実際のガス化ガスでの計測結果を示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004131682
【0033】
本発明であるガス化装置の構成について、詳細に説明する。
ガス化炉101は、燃料及び空気の供給を受け、燃料及び空気を理論空燃比を小さくして不完全燃焼させ、一酸化炭素(CO)、水素(H2)、メタン(CH4)等を生成させ、燃料ガスとして取り出すものである。本実施例では、燃料と
して石炭を用いている。
【0034】
生成ガス102は、ガス化炉101により生成したガスである。石炭ガス化の場合、生成ガス102は、およそ一酸化炭素(CO)10〜30%、水素(H2)4〜10%、メタン(CH4)0.1〜1%、二酸化炭素(CO2)5〜10%、窒素(N2)55〜70%の範囲の体積分率を有する。
【0035】
配管110は、ガス化炉101とガスタービン111を結ぶ配管であり、ガス化炉101で生成した生成ガス102のガスタービン111への流路である。
【0036】
ガスタービン111は、火力発電において、発電用に用いられるタービンである。生成ガス102の供給により運転している。
【0037】
制御部107は、データ処理手段20において計算された発熱量と、その時点で必要とされる発熱量(外部から入力)とを比較し、その差を計算する。そして、その結果に基づいて、生成ガス102の発熱量が必要とされる発熱量になるように、燃料供給弁108及び空気供給弁109の制御で燃料及び空気の増減を行う。燃料及び空気の増減量は、例えば、燃料及び空気の組成から生成ガスの組成を求め、発熱量を計算する方法において、燃料及び空気の組成を逐次代入する方法や、逆計算を行なう方法で計算できる。なお、制御部107の機能をデータ処理手段29に行わせることも可能である。
【0038】
燃料供給弁108及び空気供給弁109は、それぞれ燃料及び空気をガス化炉101へ供給するための弁であり、制御部107により制御される。
【0039】
前記計測装置100により算出された生成ガス102の発熱量は、制御部107へ送られる。そして、そこで、算出された発熱量と必要とされる発熱量とを比較する。そして、その結果に基づいて、所望の発熱量になるように、運転条件を変化させる。運転条件として、ここでは、燃料及び空気を増減させる。増減方法は、制御部107が前述の算出結果に基づいて計算した所望の供給量になるように、燃料供給弁108及び空気供給弁109の制御を行う。
なお、他の運転条件(ガス化炉101の運転温度、運転圧力等)の制御により、生成ガス102の成分を制御することも可能である。
【0040】
カラムを用いたガスクロマトグラフとは異なり、レーザ光などの一定波長の光を利用しているので、前処理の必要が無く、測定が迅速で応答性が非常に良い。また、配管110の生成ガス102を直接分析しているので、分析結果が非常に正確である。従って、正確な制御が必要なガスタービン111の生成ガス102の発熱量を、常に最適に制御することが可能となる。
【0041】
また、図4に示すように水蒸気の量を計測することで、ガス火炉101内の熱交換器からのヒビ割れ等による水蒸気の漏れを確認することができる。
【0042】
図6はポーラスフィルタ120の概略構成図である。図6(a)は通常運転状態を示す。 図6(b)はリーク時の運転状態を示す。図中、符号125はフィルタブロック、126は各フィルタブロックの各配管を開閉する遮断手段(バルブ)である。本実施の形態では、4本のフィルタブロック125a〜dとそれに対応するバルブ126a〜126dである。ポーラスフィルタ120の後流側には、煤塵計127が設けられている。
【0043】
生成ガス102はダストを含むので複数のフィルタブロック125a〜125nにより除塵される。そして、各運転ブロックは出口側に遮断バルブ126a〜126nが設けられている。
【0044】
そして、ダストの量が規定値以上となったときに、各ブロック125a〜125nを順次遮断し、煤塵濃度計127により煤塵の漏洩がどのブロックからかを特定し、例えばフィルタブロック125cの場合に漏れがあった場合には、バルブ126cでそのブロックを遮断する。
これにより、漏洩のあったフィルタブロックを迅速に特定でき、当該漏れがあるブロックの交換を迅速に行うことができる。
【0045】
また、ガス化ガスの圧力及びN2、CO2、CH4、H2O等のラマン散乱光の光量から窓汚れ効果を推定し、ダスト量を校正するようにしてもよい。
【0046】
また、ダスト量の変動より、ガス化システムのメンテナンス時期を推定するようにしてもよい。
【0047】
よって、本レーザ計測装置をガス化システムに適用することで、連続して安定したガス化システムを構築することができる。
【0048】
また、生成ガス中には含まれる炭化水素がある場合、これが冷却された場合に、下流側の装置(例えば脱硝装置、脱硫装置、脱塵装置等)の配管内部にタール分として付着し、配管の劣化を加速するという問題があるが、本発明により、生成ガス中の炭化水素の量を迅速に計測することで、適正なガス化条件とすることができる。
【0049】
[第2の実施の形態]
図1のガス化システムにおいて、脱硫装置121の前流側に半導体レーザ装置150を設け、脱硫装置に供給される生成ガスのH2S、CO2、H2Oの計測を行うようにしている。
【0050】
図7は半導体レーザ装置の概略図である。
図7に示すように、前記半導体レーザ装置150は、ガスの供給・排出ライン51を備えたセル52と、該セル52内に供給された生成ガス102にレーザ光53を照射するレーザ照射手段54と、上記レーザ光照射による吸収スペクトルからH2S、CO、CO2、H2Oの各濃度を求める検出手段55とを具備するものである。
【0051】
ここで、H2Sの場合には、吸収スペクトルを測定する際、1500〜1700nmの波長域で吸収スペクトルを求め、該吸収スペクトルからH2S濃度を求めるようにしている。
COの場合には、吸収スペクトルを測定する際、1500〜1700nmの波長域で吸収スペクトルを求め、該吸収スペクトルからCO濃度を求めるようにしている。
CO2の場合には、吸収スペクトルを測定する際、1400〜1700nmの波長域で吸収スペクトルを求め、該吸収スペクトルからCO2濃度を求めるようにしている。
2Oの場合には、吸収スペクトルを測定する際、1300〜1700nmの波長域で吸収スペクトルを求め、該吸収スペクトルからH2O濃度を求めるようにしている。
【0052】
この計測結果より、脱硫装置の運転の調整を行うことができる。例えば脱硫液相と気相との比率の調整や、H2Sの吸着再生塔の調整(温度等)である。
これにより、効率的な脱硫を連続して行うことができる。
【0053】
[第3の実施の形態]
図1のガス化システムにおいて、排熱回収ボイラ123の前流側又は後流側又は両方にレーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置160を設け、排ガス中の重金属類及びアルカリ類の計測を行うようにしている。
また、上記レーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置160を脱硫装置121からの排水124中の重金属類及びアルカリ類の計測も行うようにしている。
【0054】
図8はレーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置の概略図である。
前記レーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置は、生成ガス102にレーザ光161を照射してプラズマ162を発生させるレーザ装置163と、該プラズマ163から発生するプラズマ光を計測する分光器165とを具備するものである。分光器165はICCD(Intensified Charge Coupled Device)カメラ166を具備し、プラズマ光164を分光し、測定データとして取り出している。
【0055】
排ガス中のアルカリ濃度が高い場合には、ガスタービンの点検周期の見直しを調整する。特に、アルカリ濃度が高濃度の場合には、早期に点検する必要がある。なお、排水中のアルカリ濃度が高い場合には、排水処理の条件を調整する。
【0056】
また、排ガス又は排水中の重金属濃度が所定値異常の場合には、冷却塔や排水処理手段の温度を低くして処理効率を向上させるようにする。
【0057】
[第4の実施の形態]
図1のガス化システムにおいて、システム全体を監視するためのガス漏洩監視装置170を設けて有害ガスの監視を行うようにしている。
【0058】
図9はガス漏洩監視装置170の概略図である。
図9に示すように、ガス漏洩監視装置170は、半導体レーザ装置を用いている。
本実施の形態では、ガス化プラント200に対し、第1の半導体レーザ装置のレーザ照射手段152Aと第2の半導体レーザ装置のレーザ照射手段152Bとを設け、複数の検出手段155A〜155Eを設け、計測ユニット156で計測するようにしている。図9中、符号157は光ファイバ及び158は信号線を図示する。
これにより、ガス化プラント200のX−Y平面でのガスの漏洩を検知することができる。
また、レーザ装置をZ方向に移動することでシステム全体についてもガスの漏洩を検知することができる。
【0059】
図10はガス漏洩監視装置の他の実施の形態概略を示す。
図10に示すように、レーザ照射手段152Aとレーザ照射手段152Bとは同じ照射面に照射し、2台の第1の検出器155A,155Bを用いて、レーザ波長を分子線吸収線に同調しない画像計測を第1の検出器155Aで行うと共に、レーザ波長を分子線吸収線に同調した画像計測を第2の検出器155Aで行う。
【0060】
そして、図11(a)に示すように、分子線吸収線に同調しない画像計測では、プラント全体が鮮明に見ることができ、図11(b)に示すように、分子線吸収線に同調した画像計測では、ガスがある部分に影ができる。
そして、図11(c)に示すように、漏洩ガスの濃度を画像として求めることができる。
【0061】
この際、図12に示す画像計測タイミングとしている。
図12(a)はレーザ波長と時間との関係図であり、図12(b)はレーザ光強度と時間との関係図であり、図12(c)は透過レーザ光強度と時間との関係図であり、図12(d)は検出手段であるカメラのシャッタ時間と透過レーザ光強度とを合成した図である。
図12(d)に示すように、本実施の形態では、カメラ1とカメラ2とのシャッタ開放時間を異なるようにし、さらに、カメラ1でカメラ2とを挟むように、シャッタを同調してシャッタを切ることで、積算して引き算すれば、外乱光の影響を解消することができる。
【0062】
このガス漏洩監視装置により、漏洩部分を迅速に特定することができる。この結果、プラントの作業及び保守における安全性が向上する。
また、所定値異常のガスの漏洩の場合には、即時にプラントを停止し、迅速な対応を図ることができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明により、燃料及び空気を供給し生成ガスを得るガス化炉と、生成した生成ガス中の微粒子を除去するフィルタと、生成ガスを利用する燃料利用設備とを具備するガス化装置において、生成ガス中のガス成分及びダスト量及び水蒸気量及び炭化水素量を計測するレーザ計測装置とを具備するので、例えばガス火炉からの生成ガスの発熱量及びダスト量及び炭化水素量を高速、正確に分析することが可能となる。
【0064】
また、本発明により、複合型発電設備を備えた石炭ガス化システムにおいて、プラントの作業及び保守における安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかるガス化装置の概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるレーザ計測装置の概略構成図である。
【図3】ラマン散乱光及びミー散乱光及び蛍光の測定例を示す図である。
【図4】ラマン散乱光による水蒸気の漏洩の測定例を示す図である。
【図5】計測対称ガスからの蛍光強度と波長との関係図である。
【図6】ガス化装置のフィルタの概略構成図である。
【図7】第2の実施の形態にかかる半導体レーザ計測装置の概略図である。
【図8】第3の実施の形態にかかるLIBS計測装置の概略図である。
【図9】ガス漏洩監視装置の概略図である。
【図10】ガス化プラントの概略図である。
【図11】測定画像の概念図である。
【図12】画像計測のタイミング図である。
【図13】従来のガス化装置の形態を示す構成図である。
【図14】レーザによるダスト計測の概略図である。
【符号の説明】
100 計測装置
101 生成ガス
102 ガス化炉
111 ガスタービン
120 フィルタ
202 燃料
202 空気
150 レーザ計測装置
160 レーザ計測装置
170 レーザ計測装置
10 計測場
11 被測定ガス
12 光
13 光源手段
14 ラマン散乱光
15 分光器
16 ミー散乱光
17 第1の光検出器
18 蛍光
19 第2の光検出器
20 データ処理手段
31 ミラー
32a,32b 計測窓
33 集光手段
34 ICCDカメラ

Claims (7)

  1. 燃料及び空気を供給し生成ガスを得るガス化炉と、生成した生成ガス中の微粒子を除去するフィルタと、生成ガスを利用する燃料利用設備とを具備するガス化装置において、生成ガス中のガス成分及びダスト量及び水蒸気量及び炭化水素量を計測する計測装置を具備するガス化装置の監視システムにおいて、前記フィルタは並列に接続される複数のフィルタブロックからなり、該フィルタブロックは煤塵の漏洩があったときに順次遮断されることを特徴とするガス化装置の監視システム。
  2. 請求項1において、ガス化装置に生成ガスを脱硫する脱硫装置を具備してなり、脱硫装置の前流側に設けられ、ガス中のH2S、CO、CO2、H2Oを計測する半導体レーザ装置を設けたことを特徴とするガス化装置の監視システム。
  3. 請求項2において、ガス化装置からの脱硫された生成ガスを燃料とし、ガスタービンで膨張させる燃焼ガスを生成する燃焼器と、ガスタービンの排熱を回収する排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで発生した蒸気で発電する蒸気タービンとを具備してなり、排ガス又は排水中のアルカリ成分及び重金属類を計測するレーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置を設けたことを特徴とするガス化装置の監視システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、システム全体のガス漏洩を計測する半導体レーザ装置を具備することを特徴とするガス化装置の監視システム。
  5. 請求項1において、前記計測装置が、計測場内の被測定ガスにレーザー光などの一定波長の光を照射可能な光源手段と、前記光の照射により前記ガスから生じるラマン散乱光により波長毎の強度の計測を行う分光器と、前記光の照射により前記ガス中のダストから生じるミー散乱光の計測を行う第1の光検出器と、前記光の照射により前記ガス中の炭化水素から生じる蛍光の計測を行う第2の光検出器と、前記計測の結果から前記ガスの発熱量及びダスト量及び炭化水素量を算出する計算部と、を具備することを特徴とするガス化装置の監視システム。
  6. 請求項2において、前記半導体レーザ装置が、ガスの供給・排出ラインを備えたセルと、該セル内に供給されたガスにレーザ光を照射するレーザ照射手段と、上記レーザ光照射による吸収スペクトルからH2S、CO、CO2、H2Oの各濃度を求める検出手段とを具備することを特徴とするガス化装置の監視システム。
  7. 請求項3において、前記レーザ誘起ブレークダウン(LIBS)装置が、ガスにレーザを照射してプラズマ化させるレーザ装置と、該プラズマから発生するプラズマ光を計測する分光器とを具備することを特徴とするガス化装置の監視システム。
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