JP2002286099A - 無段変速機用ベルト - Google Patents

無段変速機用ベルト

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JP2002286099A
JP2002286099A JP2001087217A JP2001087217A JP2002286099A JP 2002286099 A JP2002286099 A JP 2002286099A JP 2001087217 A JP2001087217 A JP 2001087217A JP 2001087217 A JP2001087217 A JP 2001087217A JP 2002286099 A JP2002286099 A JP 2002286099A
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ring
neck
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JP2001087217A
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Kazuhiro Mizumiya
一浩 水宮
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボディ部の肩部に相当するサドル面とベルト
本体として機能するリングとの接触部において、リング
側での局部的な面圧上昇を回避し、ベルトの耐久性を高
める。 【解決手段】 ネック部8とサドル面10とのなすコー
ナー部においてネック部8側に入り込む逃げ溝を13を
形成したものを第1のエレメント3とする。同様に、同
じコーナー部においてネック部8側でなくサドル面10
側の入り込む逃げ溝15を形成したものを第2のエレメ
ント4とする。これら第1のエレメント3と第2のエレ
メント4とが規則性をもって混在するように共通のリン
グ2に組み付けて無段変速機用ベルト1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機用ベル
トに関し、特にベルト式無段変速機(Continuo
usly Variable Transmissio
n)用ベルトとして無端状の金属製リングと多数の駒状
のエレメントとを組み合わせてなる無段変速機用ベルト
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ベルト式無段変速機の巻
き掛け伝達要素として用いられるベルト(CVTベル
ト)は、略駒状をなす数百個の金属製のエレメントをベ
ルト本体として機能する無端状の金属製リングにて連結
したものが主流を占めている。そして、本発明の実施の
形態を示している図1の(B)を借りて上記ベルトの基
本構造を説明すると、同図に示すようにエレメント4
は、左右一対の傾斜したトルク伝達面5aが形成された
ボディ部5と、その上方のイヤー部6を含むヘッド部7
と、上記ボディ部5とヘッド部7とを幅方向中央部にて
相互に接続するネック部8とを備え、そのネック部8の
両側に上記三者によって取り囲まれるようにしてリング
受容溝9が形成された板状のものであって、各リング受
容溝9に薄板状のリング素片2aを幾重にも積層してな
るベルト本体としてのリング2をはめ合わせることによ
り、数百個のエレメント4,4…がつながれて金属製の
ベルト1として機能することになる。
【0003】したがって、各エレメント4,4…のうち
ボディ部5がCVTベルト1の内周側となり、ヘッド部
7がCVTベルト1の外周側となる。そして、リング受
容溝9のうちネック部8に近い部分に応力集中の緩和を
目的としてフィレット(逃げ溝)11,15を形成し、
このフィレット11,15をアール面取り部12もしく
は16をもってイヤー部6またはサドル面10に滑らか
に連続させてある。なお、この構造は実開昭63−11
5653号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構造
では、特にサドル面10側にフィレット15があること
によってリング2の一部がそのサドル面10から外れる
ことになり、各エレメント4,4…との間の有効接触面
積が減少するほか、サドル面10とフィレット15とを
アール面取り部16をもって滑らかに連続させてあった
としても、そのアール面取り部16の頂部がリング2の
うち最内層のリング素片2aと接触することになるた
め、その部分では他の部位に比べて同図に示すように相
対的に面圧が高くなり、特に最内層のリング素片2aが
摩耗しやすくベルト破損の原因となる。
【0005】本発明はこのような従来技術のもつ課題に
着目してなされたもので、とりわけリングの局部的な面
圧上昇による摩耗を抑制して強度向上と長寿命化を図っ
た無段変速機用ベルトを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ベルト本体として機能するリングにこれを包み込む
ようにして多数の板状のエレメントを相互接触状態とな
るように整列して組み付けることにより構成された無段
変速機用ベルトであることを前提としている。
【0007】そして、上記エレメントは、両側端面にテ
ーパ状のトルク伝達面が形成されて無段変速機用ベルト
の内周側となるボディ部と、同じく無段変速機用ベルト
の外周側となるヘッド部と、上記ボディ部とヘッド部と
を幅方向中央部にて相互に連結するネック部と、そのネ
ック部の両側に該ネック部とボディ部およびヘッド部と
によって囲繞されるようにして左右対称に形成されて上
記リングを受容することになるリング受容溝と、を備え
ていて、上記ボディ部側のリング接触面とネック部との
なすコーナー部にネック部領域側に入り込むように逃げ
を形成したことを特徴としている。
【0008】上記逃げは、基本的には従来のフィレット
と同様にボディ部とネック部となすコーナー部での応力
集中を緩和する役目をする。
【0009】したがって、この請求項1に記載の発明で
は、上記逃げをネック部領域側に入り込むように形成し
てあるため、従来と同様にボディ部とネック部とのなコ
ーナー部での応力集中が緩和される。同時に、ボディ部
側のリング接触面には従来のようなアール面取り部の頂
部が存在しないため、その全てが滑らかなリング接触面
として機能して、リングの全面が均等にリング接触面に
接触するかたちとなり、従来のような局部的な面圧上昇
を招かないで済むことになる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明を前提とした上で、上記ネック部領域側に入り込
むように逃げを形成したエレメントを第1のエレメント
とし、上記ネック部領域側に入り込むような逃げを形成
しないエレメントを第2のエレメントとして、これら第
1,第2のエレメントを混在させてリングに組み付けた
ことを特徴としている。
【0011】第1,第2のエレメントを混在させるに
は、例えばそれらの第1,第2のエレメントを複数個ず
つ交互に規則性をもって並べるようにする。
【0012】ここで、上記請求項1に記載の発明のよう
に、ネック部領域側に入り込むような逃げを形成したエ
レメントを使ってベルトを構成した場合、例えばリング
を形成しているリング素片同士が幅方向にずれを生じた
場合には一部のリング素片が上記逃げにはまり込み、そ
の一部のリング素片に無理な力が加わる可能性があるこ
とは否めない。
【0013】このような不具合に着目したのが上記請求
項2に記載の発明であって、この請求項2に記載の発明
では、ネック部領域側に入り込むような逃げを形成した
エレメントだけについてみると、上記のようにリングを
形成しているリング素片同士が幅方向にずれを生じた場
合には一部のリング素片が上記逃げにはまり込もうとす
るものの、第1のエレメントと混在している第2のエレ
メントにはネック部領域側に入り込むような逃げが形成
されていないので一部のリング素片が上記逃げにはまり
込むのを許容することはなく、したがってリングを形成
している一部のリング素片が逃げにはまり込むのを確実
に防止できるようになる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明を前提とした上で、上記第1,第2のエレメント
同士の混在比率として、第1のエレメントの割合を50
〜95%としたことを特徴としている。
【0015】この場合、エレメント全体数に対する第1
のエレメントの割合を50〜95%とした上で、第2の
エレメントを所定間隔で均等に配置する。また、第1の
エレメントの割合を50〜95%としているのは、95
%以上になるとベルトが所定の曲率をもって相手側プー
リに巻き付く部位では第2のエレメントが1個以下にな
る可能性があり、第2のエレメントの機能が十分に果た
せなくなるためである。
【0016】すなわち、一本のCVTベルトのエレメン
トの総数は300〜500個程度であり、上記相手側プ
ーリに巻き付く部位での最小個数は40〜50(エレメ
ント総数の約10%)となるのが通常である。そこで、
第2のエレメントがエレメント総数の5%以上で均等に
配置されていれば、相手側プーリに巻き付く部位におけ
る第2のエレメントは最低でも2個以上となり、先に述
べたような逃げへの一部のリング素片のはまり込みを十
分に規制することができるようになる。また、第1のエ
レメントが少なすぎても(第2のエレメントが多すぎて
も)所期の目的であるリング摩耗防止効果が小さくなる
ことから、第1のエレメントの割合は最低でも50%、
望ましくは第2のエレメントの数よりも多くする。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の発明を前提とした上で、上記ネック部領域側
に入り込むように逃げを形成した第1のエレメントに代
えて、上記ネック部領域側およびボディ領域側の双方に
入り込むように逃げを形成したエレメントを第1のエレ
メントとしたことを特徴としている。
【0018】ここで、請求項2または3に記載の発明に
おける第1のエレメントのようにネック部領域側に入り
込むように逃げを形成すると、少なからずネック部の有
効幅寸法が犠牲となり、ネック部の根元部の強度低下を
招きやすくなる。その一方、第2のエレメントのように
逃げを形成しないと、先にも述べたようにボディ部とネ
ック部とのなすコーナー部での応力集中の緩和効果が期
待できなくなる。
【0019】そこで、請求項4に記載の発明のように、
ネック部領域およびボディ部領域の双方に入り込むよう
な逃げを形成すると、ネック部領域およびボディ部領域
それぞれへの逃げの入り込み量が相対的に小さくなっ
て、ネック部の有効幅寸法の確保と、ボディ部とネック
部とのなすコーナー部での応力集中の緩和効果とを両立
できるようになる。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の
いずれかに記載の発明を前提とした上で、第2のエレメ
ントには、ボディ部側のリング接触面とネック部とのな
すコーナー部にボディ部領域側に入り込むように逃げを
形成したことを特徴としている。
【0021】第1のエレメントのようにネック部領域側
に入り込むように逃げを形成すると、少なからずネック
部の有効幅寸法が犠牲となり、逆に第2のエレメントの
ように逃げを形成しないとボディ部とネック部とのなす
コーナー部での応力集中の緩和効果が期待できなくなる
ことは前述した通りである。
【0022】そこで、上記請求項5に記載の発明のよう
に、第2のエレメントにはネック部領域側でなくボディ
領域側に入り込むような逃げを形成すれば、第1のエレ
メントと混在することになる少なくともその第2のエレ
メントについては、ネック部の有効幅寸法の確保と、ボ
ディ部とネック部とのなすコーナー部での応力集中の緩
和効果とを両立できるようになる。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明を前提とした上で、ボディ部側のリング接触面と
ネック部とのなす左右一対のコーナー部のうち一方のコ
ーナー部にはネック部領域側に入り込むように逃げを、
他方のコーナー部にはボディ部領域側に入り込むように
逃げをそれぞれ形成したエレメントを第1のエレメント
とし、上記左右一対のコーナー部における各逃げの配置
を逆にしたエレメントを第2のエレメントとして、これ
ら第1,第2のエレメントを混在させてリングに組み付
けたことを特徴としている。
【0024】したがって、この請求項6に記載の発明で
は、一つのエレメントにつき左右で上記逃げの配置を変
えて左右非対称形状としてこれを第1のエレメントと
し、この第1のエレメントに対し左右での逃げの配置を
逆にしたものを第2のエレメントとした上で、これら第
1,第2のエレメントを混在させるものであるから、結
果として請求項5に記載の発明と同様の機能が発揮され
ることになる。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明を前提とした上で、ボディ部側のリング接触面と
ネック部とのなす左右一対のコーナー部のうち一方のコ
ーナー部にはボディ部領域側およびネック部領域側の双
方に入り込むように逃げを、他方のコーナー部にはボデ
ィ部領域側に入り込むように逃げをそれぞれ形成したエ
レメントを第1のエレメントとし、上記左右一対のコー
ナー部における各逃げの配置を逆にしたエレメントを第
2のエレメントとして、これら第1,第2のエレメント
を混在させてリングに組み付けたことを特徴としてい
る。
【0026】したがって、この請求項7に記載の発明で
は、請求項6に記載の発明と同様に、一つのエレメント
につき左右で上記逃げの配置を変えて左右非対称形状と
してこれを第1のエレメントとし、この第1のエレメン
トに対し左右での逃げの配置を逆にしたものを第2のエ
レメントとした上で、これら第1,第2のエレメントを
混在させるものであるから、結果として請求項7に記載
の発明と同様の機能が発揮されることになる。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、逃げが
あることによってボディ部側に接触するリングの面圧が
局部的に高くなるようなことがなく、リングはその全面
において面圧が均一となることから、従来のようにリン
グの局部的な摩耗が促進されることがなくなり、ベルト
本体として機能するリングの強度向上によってベルト全
体の耐久性向上と長寿命化を達成できるようになる。
【0028】請求項2に記載の発明によれば、ネック部
領域側に入り込むような逃げが形成された第1のエレメ
ントと上記逃げが形成されていない第2のエレメントと
を混在させたものであるから、第1のエレメントについ
てその逃げ側に入り込もうとするリング側の一部のリン
グ素片の動きを第2のエレメントで確実に規制できるよ
うになり、請求項1に記載の発明と同様の効果に加え
て、上記リングを形成している一部のリング素片に無理
な力が加わるのを未然に防止できる効果がある。
【0029】請求項3に記載の発明によれば、上記第
1,第2のエレメントの混在比率を特定の割合に限定し
たものであるから、第1のエレメントの機能と第2のエ
レメントの機能とがそれぞれ効果的に発揮されて、それ
らの相乗効果によりCVTベルトのより一層の強度向上
と長寿命化が図れるようになる。
【0030】請求項4に記載の発明によれば、第1のエ
レメントとして、ネック部領域側およびボディ領域側の
双方に入り込むように逃げを形成したものを採用したこ
とから、先に述べたリング側の摩耗抑制効果はわずかに
劣ることになるものの、逃げ本来の応力集中緩和効果を
確保できるとともに、逃げを形成したことに伴うネック
部の有効幅寸法の減少を最小限に抑えることができ、第
1のエレメントの強度向上に貢献できるようになる。
【0031】請求項5に記載の発明によれば、第2のエ
レメントについてボディ部領域側に入り込むような逃げ
を形成したものであるから、請求項2〜4のいずれかに
記載の発明と同様の効果に加えて、その第2のエレメン
トについても逃げ本来の応力集中緩和効果を確保できる
とともに、逃げを形成したことに伴うネック部の有効幅
寸法への影響をなくすことができ、特に第2のエレメン
トの強度向上に貢献できるようになる。
【0032】請求項6に記載の発明によれば、一つのエ
レメントについて左右で逃げの形態を異ならせたものを
第1のエレメントとし、その左右の逃げの配置を逆にし
たものを第2のエレメントとして、その双方のエレメン
トを混在させるようにしたものであるから、CVTベル
ト全体として請求項5に記載のものと同様の機能が発揮
され、その強度および耐久性の向上に貢献できるように
なる。
【0033】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
に記載の発明と同様に、一つのエレメントについて左右
で逃げの形態を異ならせたものを第1のエレメントと
し、その左右の逃げの配置を逆にしたものを第2のエレ
メントとして、その双方のエレメントを混在させるよう
にしたものであるから、請求項1に記載の発明と同様の
効果に加えて、CVTベルト全体の強度および耐久性の
向上に貢献できるようになる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1〜4は本発明に係る無段変速
機用ベルトの好ましい第1の実施の形態を示す図であ
る。なお、本実施の形態は、請求項1〜3に記載の発明
のほか請求項5に記載の発明に対応している。
【0035】本実施の形態では、ベルト本体として機能
することになる左右一対のリング2に形状の異なる第
1,第2の二種類のエレメント3,4を混在させて組み
付けることで無段変速機用ベルト1が形成されている。
【0036】より詳しくは、第1のエレメント3は、図
1の(A)および図2に示すように、左右一対の傾斜し
たトルク伝達面5aが形成されたボディ部5のほか、そ
のボディ部5の上方にあって左右のイヤー部6を含むヘ
ッド部7と、上記ボディ部5とヘッド部7とを幅方向中
央部にて相互に接続しているネック部8とを備え、その
ネック部8の両側に上記三者によって取り囲まれるよう
にしてリング受容溝9が形成されている。そして、リン
グ受容溝9には上記リング2がはめ合わされていて、ボ
ディ部5側の肩部であるサドル面10がリング接触面と
して機能してこれがリング2と接触している。なお、リ
ング2は基本的には従来と同様に複数のリング素片2
a,2a…の積層体によって形成されている。
【0037】ここで、図1の(A)から明らかなよう
に、ネック部8とイヤー部6とのなす左右一対のコーナ
ー部にはそのネック部8の直近位置にてイヤー部6側に
入り込むような略円弧状の逃げ溝11が形成されてい
て、各逃げ溝11の始終端部はアール面取り部12をも
ってイヤー部6もしくはネック部8に滑らかに連続させ
てある。同様に、ネック部8とサドル面10とのなす同
じく左右一対のコーナー部にはそのネック部8の直近位
置にて当該ネック部8に入り込むような略円弧状の逃げ
溝13が形成されていて、各逃げ溝13の始終端部はア
ール面取り部14をもってネック部8もしくはサドル面
10に滑らかに連続させてある。
【0038】他方、第2のエレメント4は、図1の
(B)および図2に示すように基本的には従来のものと
同様であって、その輪郭形状は同図(A)に示したもの
と共通形状となっているものの、ネック部8とイヤー部
6とのなす左右一対のコーナー部にはそのネック部8の
直近位置にてイヤー部6側に入り込むような略円弧状の
逃げ溝11が形成されているとともに、ネック部8とサ
ドル面10とのなす左右一対のコーナー部にはそのネッ
ク部8の直近位置にてサドル面10側に入り込むような
略円弧状の逃げ溝15が形成されていて、これらの逃げ
溝11および15ともにそれらの始終端部はアール面取
り部14もしくは16をもってネック部8もしくはイヤ
ー部6またはサドル面10にそれぞれに滑らかに連続さ
せてある。
【0039】そして、これら第1,第2の各エレメント
3,4は、例えば複数個の第1のエレメント3,3…を
並べたならばその次に複数もしくは単数の第2のエレメ
ント4が位置するように、第1のエレメント3,3…の
所定間隔ごとに第2のエレメント4が規則性をもって均
等に位置して相互接触状態となるように共通のリング2
に対して混在するかたちで組み付けられる。なお、第1
のエレメント3と第2のエレメント4とを重ね合わせた
状態を図3に示してある。ただし、第1のエレメント3
と第2のエレメント4との割合すなわち混在比率は、第
1のエレメント3の割合を50〜95%とし、残部を第
2のエレメント4とするものとし、より望ましくは第1
のエレメント4の数を第2のエレメントのそれよりも多
くする。
【0040】その理由は、第1のエレメント3,3…の
割合が95%を越えると、ベルト1が所定の曲率をもっ
て相手側プーリに巻き付く部位では第2のエレメント4
が1個以下になる可能性があり、その第2のエレメント
4の機能が十分に果たせなくなるためである。すなわ
ち、一本の無段変速機用ベルト1を構成する第1,2の
エレメント3,4の総数は300〜500個程度であ
り、上記相手側プーリに巻き付く部位での最小個数は4
0〜50個(エレメント総数の約10%)となるのが通
常である。そこで、第2のエレメント4が最低でもエレ
メント総数の5%の個数をもって第1のエレメント3,
3…内に均等に配置されていれば、相手側プーリに巻き
付く部位における第2のエレメント4は最低でも2個以
上となる。また、第1のエレメント3,3…が少なすぎ
ても(第2のエレメント4,4…が多すぎても)所期の
目的であるリング摩耗防止効果が小さくなることから、
第1のエレメント3,3…の割合は最低でも50%とす
る。
【0041】したがって、本実施の形態によれば、図4
に示すように第1のエレメント3だけに着目してみる
と、無段変速機用ベルト1が巻き掛け伝達要素として機
能している場合にリング2を形成しているリング素片2
a,2a同士の間でずれが生ずると、同図のQ部のよう
にそのリング素片2aの一部がネック部8側の逃げ溝1
3にはまり込み、その逃げ溝13との接触によって一部
のリング素片2aに無理な力が加わる可能性がある。そ
の一方、第2のエレメント4についてみると、図3に示
すように、その第2のエレメント4にはサドル面10側
に入り込む逃げ溝15はあってもネック部8側には逃げ
溝13がないために図4に示すようなリング素片2a,
2a相互間の大きなずれの発生が規制される。これによ
り、ベルト1全体としてみれば図4のようなネック部8
側の逃げ溝13へのリング素片2aのはまり込みは全く
発生せず、図3のような正規状態を維持できることにな
る。
【0042】その一方、第2のエレメント4では、先に
述べたネック部8側の逃げ溝13に代わってサドル面1
0側に逃げ溝15が形成されているために、図1の
(B)に示すように従来と同様にリング2との間の幅方
向での有効接触面積が減少して、少なからずアール面取
り部16の頂部に相当する部分で局部的な面圧上昇が発
生する。しかしながら、先に述べたように一本の無段変
速機用ベルト1に含まれる第2のエレメント4,4…の
個数は最大でもエレメント総数の50%で、残りは図1
の(A)に示したようにリング2の幅方向の全面にてサ
ドル面10と接触することになる第1のエレメント3,
3…であり、この第1のエレメント3,3…では上記の
ように全面接触のかたちとなって同図(B)のような局
部的な面圧上昇が発生しない。その結果、一本の無段変
速機用ベルト1を形成しているエレメント3,4全体に
ついてみれば局部的な面圧上昇部位が減少して、無段変
速機用ベルト1としての強度および耐久性が向上するこ
とになる。
【0043】ここで、上記第1のエレメント3と第2の
エレメント4との間でその板厚を0.1mm程度相互に
異ならせると、エレメント3,4相互間の隙間調整を容
易に行えるようになって、ベルト性能の向上の上でより
好ましいものとなる。
【0044】図5,6は本発明の第2の実施の形態を示
す図で、図1に示した第1の実施の形態と比較すると明
らかなように第2のエレメント4については共通とする
も、第1のエレメント23のみその形状を異ならせたも
のである。なお、本実施の形態は、請求項1〜5に記載
の発明に対応している。
【0045】すなわち、第1のエレメント23は、その
輪郭形状等の基本形状は第1の実施の形態のものと同様
とした上で、ネック部8とボディ側5のサドル面10と
のなす左右一対のコーナー部において、ネック部8側お
よびサドル面10側の双方に食い込むような斜め方向を
指向する略円弧状の逃げ溝21を形成し、その始終端部
はアール面取り部24,25をもってネック部8もしく
はサドル面10に滑らかに連続させてある。なお、第
1,第2のエレメント23,4同士の混在比率は先の第
1の実施の形態のものと同様とする。
【0046】したがって、この第2の実施の形態では、
第1のエレメント23における逃げ溝21がサドル面1
0側にも一部入り込むことでリング2との有効接触面積
が減少して、そのサドル面10における逃げ溝21の始
端部のアール面取り部25が局部的な面圧上昇を発生さ
せることになるものの、ネック部8の最小幅寸法Mとし
ては逃げ溝21を傾斜させた分だけ第1の実施の形態の
ものより大きく確保することができ、特に第1のエレメ
ント23のネック部8の強度向上の上では有利となる。
【0047】図7,8は本発明の第3の実施の形態を示
す図で、先の第1の実施の形態と共通する部分には同一
符号を付してある。なお、本実施の形態は、請求項1,
6に記載の発明の対応している。
【0048】この第3の実施の形態では、図7の(A)
に示すようにネック部8とボディ部5側のサドル面10
とのなす左右一対のコーナー部のうち、一方のコーナー
部にはネック部8側に入り込む逃げ溝13を形成すると
ともに、他方のコーナー部にはネック部8側でなくサド
ル面10側に入り込む逃げ溝15を形成して、この左右
非対称形状のエレメントを第1のエレメント33とす
る。同様に、同図(B)に示すように上記第1のエレメ
ント33における二つの逃げ溝13,15の配置関係を
左右で反転させた左右非対称形状のものを第2のエレメ
ント34として、これら第1,第2のエレメント33,
34を相互に混在させるべく第1,第2のエレメント3
3,34を複数個ずつ交互に均等に配置して無段変速機
用ベルト1としてある。なお、第1のエレメント33と
第2のエレメント34とを重ね合わせた状態を図8に示
してある。
【0049】したがって、この第3の実施の形態によれ
ば、先の第1の実施の形態では第1,第2のエレメント
3,4に分かれていた二つの逃げ溝13,15の機能を
左右非対称形状でありながら一つのエレメントに集約化
しつつ左右勝手違いの第1,第2の二種類のエレメント
33,34とし、この左右非対称形状の第1,第2のエ
レメント33,34を混在させるようにしたものである
から、基本的には第1の実施の形態と同様の機能が発揮
されることになる。
【0050】その上、この第3の実施の形態では、各エ
レメント33,34のネック部8の最小幅寸法Nとして
図1に示したものより大きく確保できることから、第
1,第2のエレメント33,34単体でのネック部8の
強度が高くなる利点がある。
【0051】図9,10は本発明の第4の実施の形態を
示す図で、先の第1の実施の形態と共通する部分には同
一符号を付してある。なお、本実施の形態は、請求項
1,7に記載の発明に対応している。
【0052】この第4の実施の形態では、図9の
(A),(B)に示すようにネック部8とボディ部5側
のサドル面10とのなす左右一対のコーナー部のうち、
一方のコーナー部にはネック部8側およびサドル面10
側の双方に入り込むように斜め方向を指向する逃げ溝2
1を形成するとともに、他方のコーナー部にはサドル面
側にのみ入り込む逃げ溝15を形成して、この左右非対
称形状のエレメントを第1のエレメント43とする。同
様に、上記第1のエレメント43における二つの逃げ溝
21,15の配置関係を左右で反転させた左右非対称形
状のものを第2のエレメント44として、これら第1,
第2のエレメント43,44を相互に混在させるべく第
1,第2のエレメント43,44を複数個ずつ交互に均
等に配置して無段変速機用ベルト1としてある。
【0053】したがって、この第4の実施の形態によれ
ば、先の第1の実施の形態では第1,第2のエレメント
3,4に分かれていた二つの逃げ溝15,21の機能を
左右非対称形状でありながら一つのエレメントに集約化
しつつ左右勝手違いの第1,第2の二種類のエレメント
43,44とし、この左右非対称形状の第1,第2のエ
レメント43,44を混在させるようにしたものである
から、基本的には第1の実施の形態と同様の機能が発揮
されることになる。
【0054】その上、この第4の実施の形態では、ネッ
ク部8の最小幅寸法Pとして図1に示したものより大き
く確保できることから、第1,第2のエレメント43,
44単体でのネック部の強度が高くなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無段変速機用ベルトの第1の実施
の形態を示す図で、(A)は第1のエレメントの詳細を
示す断面説明図、(B)は第2のエレメントの詳細を示
す断面説明図。
【図2】図1に示す第1,第2のエレメントの右側面
図。
【図3】図1に示す第1,第2のエレメントを重ね合わ
せた状態を示す断面説明図。
【図4】図1に示す第1のエレメントでのリング素片の
はまり込み状態を示す断面説明図。
【図5】本発明に係る無段変速機用ベルトの第2の実施
の形態を示す図で、(A)は第1のエレメントの詳細を
示す断面説明図、(B)は第2のエレメントの詳細を示
す断面説明図。
【図6】図5に示す第1,第2のエレメントを重ね合わ
せた状態を示す断面説明図。
【図7】本発明に係る無段変速機用ベルトの第3の実施
の形態を示す図で、(A)は第1のエレメントの詳細を
示す断面説明図、(B)は第2のエレメントの詳細を示
す断面説明図。
【図8】図7に示す第1,第2のエレメントを重ね合わ
せた状態を示す断面説明図。
【図9】本発明に係る無段変速機用ベルトの第4の実施
の形態を示す図で、(A)は第1のエレメントの詳細を
示す断面説明図、(B)は第2のエレメントの詳細を示
す断面説明図。
【図10】図9に示す第1,第2のエレメントを重ね合
わせた状態を示す断面説明図。
【符号の説明】
1…無段変速機用ベルト 2…ベルト本体としてのリング 2a…リング素片 3…第1のエレメント 4…第2のエレメント 5…ボディ部 5a…トルク伝達面 6…イヤー部 7…ヘッド部 8…ネック部 9…リング受容溝 10…リング接触面としてのサドル面 13…逃げ溝 15…逃げ溝 21…逃げ溝 23…第1のエレメント 24…第2のエレメント 33…第2のエレメント 34…第2のエレメント 43…第1のエレメント 44…第2のエレメン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト本体として機能するリングにこれ
    を包み込むようにして多数の板状のエレメントを相互接
    触状態となるように整列して組み付けることにより構成
    された無段変速機用ベルトであって、 上記エレメントは、 両側端面にテーパ状のトルク伝達面が形成されて無端変
    速機用ベルトの内周側となるボディ部と、 同じく無段変速機用ベルトの外周側となるヘッド部と、 上記ボディ部とヘッド部とを幅方向中央部にて相互に連
    結するネック部と、 そのネック部の両側に該ネック部とボディ部およびヘッ
    ド部とによって囲繞されるようにして形成されて上記リ
    ングを受容することになるリング受容溝と、 を備えていて、 上記ボディ部側のリング接触面とネック部とのなすコー
    ナー部にネック部領域側に入り込むように逃げを形成し
    たことを特徴とする無段変速機用ベルト。
  2. 【請求項2】 上記ネック部領域側に入り込むように逃
    げを形成したエレメントを第1のエレメントとし、上記
    ネック部領域側に入り込むような逃げを形成しないエレ
    メントを第2のエレメントとして、これら第1,第2の
    エレメントを混在させてリングに組み付けたことを特徴
    とする請求項1に記載の無段変速機用ベルト。
  3. 【請求項3】 上記第1,第2のエレメント同士の混在
    比率として、第1のエレメントの割合を50〜95%と
    したことを特徴とする請求項2に記載の無段変速機用ベ
    ルト。
  4. 【請求項4】 上記ネック部領域側に入り込むように逃
    げを形成した第1のエレメントに代えて、上記ネック部
    領域側およびボディ領域側の双方に入り込むように逃げ
    を形成したエレメントを第1のエレメントとしたことを
    特徴とする請求項2または3に記載の無段変速機用ベル
    ト。
  5. 【請求項5】 上記第2のエレメントには、ボディ部側
    のリング接触面とネック部とのなすコーナー部にボディ
    部領域側に入り込むように逃げを形成したことを特徴と
    する請求項2〜4のいずれかに記載の無段変速機用ベル
    ト。
  6. 【請求項6】 ボディ部側のリング接触面とネック部と
    のなす左右一対のコーナー部のうち一方のコーナー部に
    はネック部領域側に入り込むように逃げを、他方のコー
    ナー部にはボディ部領域側に入り込むように逃げをそれ
    ぞれ形成したエレメントを第1のエレメントとし、上記
    左右一対のコーナー部における各逃げの配置を逆にした
    エレメントを第2のエレメントとして、これら第1,第
    2のエレメントを混在させてリングに組み付けたことを
    特徴とする請求項1に記載の無段変速機用ベルト。
  7. 【請求項7】 ボディ部側のリング接触面とネック部と
    のなす左右一対のコーナー部のうち一方のコーナー部に
    はボディ部領域側およびネック部領域側の双方に入り込
    むように逃げを、他方のコーナー部にはボディ部領域側
    に入り込むように逃げをそれぞれ形成したエレメントを
    第1のエレメントとし、上記左右一対のコーナー部にお
    ける各逃げの配置を逆にしたエレメントを第2のエレメ
    ントとして、これら第1,第2のエレメントを混在させ
    てリングに組み付けたことを特徴とする請求項1に記載
    の無段変速機用ベルト。
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