JP2002285429A - ポリフェニレンサルファイド繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド繊維およびその製造方法

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JP2002285429A JP2001092296A JP2001092296A JP2002285429A JP 2002285429 A JP2002285429 A JP 2002285429A JP 2001092296 A JP2001092296 A JP 2001092296A JP 2001092296 A JP2001092296 A JP 2001092296A JP 2002285429 A JP2002285429 A JP 2002285429A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な繊維表面状態を有すると共に、バラツ
キが少ない安定した引張強度・伸度および結節強度・伸
度を有し、加工工程での工程通過性が優れたPPS繊維
およびこのPPS繊維を効率的に製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 PPS繊維の表面に存在する凹凸状の変
形部を減少させて極めて平滑にすることにより、各種産
業用資材の製造工程におけるトラブルを解消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリフェニレンサル
ファイド(以下、PPSという)繊維およびその製造方
法に関するものであり、さらに詳しくは、極めて良好な
繊維表面状態を有すると共に、バラツキが非常に少ない
安定した引張強度・伸度および結節強度・伸度を有する
ばかりか、加工工程において糸切れや糸割れなどの不具
合を生じることが少なく、抄紙ドライヤーカンバスや各
種フィルターなどの工業用織物用原糸、さらには電気絶
縁材用途、ブラシ用毛材などに好適に利用し得るPPS
繊維およびこのPPS繊維を効率的に製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】PPSは、耐熱性、耐薬品性および難燃
性などに優れているため、これら特性を必要とする各種
工業用部品、工業用織物や各種フィルターに用いる繊
維、電気絶縁部品およびフィルムなどさまざまな用途に
利用されている。
【0003】しかしながら、PPSからなる繊維は、ポ
リエステル繊維やポリアミド繊維に比較して、引張強度
や結節強度、さらには屈曲特性などの物理的特性が不十
分であるという問題を抱えており、これらの物理的特性
を向上させるため、これまでにも種々の提案がなされて
きている。
【0004】例えば、特開昭64−3961号公報に
は、PPS未延伸糸を自然延伸比以上の倍率で1段延伸
し、その後150〜260℃以上で、かつ1段目の延伸
温度以上で定長熱処理するか、同様の温度域で全延伸倍
率が1段目の延伸倍率の1〜2倍になるように2段延伸
することにより、PPS繊維の機械的特性や耐熱性、耐
薬品性が向上することが記載されている。
【0005】また、特開平1−229809号公報およ
び特開平1−239109号公報には、PPSを溶融紡
糸し、加熱体を用い1段延伸を行い、次いで100〜1
40℃の加熱体を用い熱セットした後、さらに表面温度
150℃以上融点以下の加熱体で熱セットを行なうこと
により、毛羽立ち、単糸切れが極めて少ないPPS繊維
を得る方法が開示されている。
【0006】さらに、特開平4−222217号公報に
は、PPSを溶融紡糸し得た未延伸糸を80〜260℃
で2〜7倍に延伸した後、285〜385℃の乾熱雰囲
気中で引き取り比0.8〜1.35倍で0.1〜30秒
間熱処理することにより、引張強度が3.5g/d以
上、結節強度が2.5g/d以上であり、屈曲摩耗や屈
曲疲労特性を改善したPPS繊維が得られることが開示
されている。
【0007】本発明者らも、メルトフローレートが20
0g/10分以下の直鎖状PPSを溶融紡糸し、60℃
以上の温水中で冷却し得た未延伸モノフィラメントを、
引き続き一時延伸倍率/全延伸倍率の比が0.88以下
の一時延伸した後、全延伸倍率が4倍以上になるように
多段延伸し、次いで、200〜280℃の空気浴中で弛
緩熱処理することにより、引張強度と結節強度が均衡し
て優れたPPSモノフィラメントを製造する方法(特開
昭62−299513号公報)、およびメルトフローレ
ートが20〜120g/10分のPPSを紡糸延伸して
なるPPSモノフィラメントであり、フリー状態で測定
した200℃の乾熱収縮率Sd200と、同じく140
℃で測定した乾熱収縮率Sd140との差の絶対値ΔS
dが3.0%以下、Sd200が15〜32%であり、
3.5g/d以上の特性を有する抄紙スパイラルカンバ
スなどに適した性能を有するPPSモノフィラメントお
よびその製造方法(特開平5−195318号公報)な
どを提案してきた。
【0008】しかしながら、これら従来技術は、繊維の
引張強度や結節強度の向上、屈曲耐久性の向上、繊維の
収縮特性や強伸度特性を制御することによる各種産業用
資材用途への展開などを図る上では、いずれも優れた技
術ではあるものの、得られたPPS繊維を実際に用いて
加工を行なう工程においては、依然としてPPS繊維の
工程通過性に問題を抱えており、こうした加工上での工
程通過性の改善が望まれているのが現状であった。
【0009】すなわち、PPS繊維やPPSモノフィラ
メントは、優れた耐熱性、耐蒸熱性および耐薬品性を有
することから、抄紙ドライヤーキャンバスやフィルター
などに代表される工業用織物や電気絶縁材などの用途に
好ましく用いられているが、これらPPS繊維を用いた
工業用織物は、製織される織機上において、経糸や緯糸
の糸切れ、およびこれら製織された織物の経糸と緯糸の
ナックル部分などでの繊維の糸割れなどの不具合が発生
するという問題があり、こうした加工工程における問題
を発生しないPPS繊維の実現が仕切りに望まれていた
のである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な状況に鑑み、従来技術における問題を解決すべく検討
した結果達成されたものである。
【0011】したがって、本発明の目的は、極めて良好
な繊維表面状態を有すると共に、バラツキが非常に少な
い安定した引張強度・伸度および結節強度・伸度を有す
るばかりか、加工工程において糸切れや糸割れなどの不
具合を生じることが少なく、抄紙ドライヤーカンバスや
各種フィルターなどの工業用織物用原糸、さらには電気
絶縁材用途、ブラシ用毛材などに好適に利用し得るPP
S繊維およびこのPPS繊維を効率的に製造する方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、工業用織物をは
じめとする各種産業用資材に用いられてきたPPS繊維
やPPSモノフィラメントの加工工程における糸切れ、
糸割れなどの問題は、単に繊維の強伸度特性や収縮特性
のバランスのみによるものではなく、PPS繊維の繊維
表面の状態に大きく支配されていること、およびPPS
繊維の表面状態を改質し、PPS繊維表面に存在する凹
凸状の変形部を減少させ極めて平滑にすることが、各種
産業用資材の製造工程におけるトラブルを解消して、こ
れら用途に非常に好適に利用され得るPPS繊維とする
ことにとって重要であることを見出し、本発明に到達し
た。
【0013】すなわち、本発明のPPS繊維は、実質的
にポリフェニレンサルファイドからなる繊維であって、
電子的糸条検査ボードを用いて測定した繊維のプロフィ
ールから読み取った繊維表面状態において、繊維軸に直
行して凹状に変形した陥没部のうち、任意の陥没部の最
陥没点を中心として繊維軸方向にそれぞれ左右1cm以
内に存在する繊維表面に凸状に変形した突出部のなかで
も、測定方向に対し陥没部の前方に存在する最も大きく
突出した最大突出部の頂点xと、測定方向に対し陥没部
の後方に存在する最も大きく突出した最大突出部の頂点
yを結んだ線分Pから、前記任意の陥没部の最陥没部に
向けて降ろした垂線Dの長さをD1とした時、この長さ
D1と前記線分Pの長さP1とが、式D1/P1>0.
05の関係を満たす陥没部の数が、繊維長1m中に90
個以下であることを特徴とする。
【0014】ただし、繊維の表面状態の測定は、Law
son−Hemphill社製、“電子的糸条検査ボー
ド−エンタングルメントテスタ用 LH−482”を使
用して、次の条件で行うものとする。
【0015】繊維試料を約50m/分の速度で走行さ
せ、Profile−Modeにて繊維の外観形状・表
面状態(プロフィール)を測定する。次いで、この測定
結果の中から、任意の点1m分の測定部の結果を0〜1
0cm、10〜20cm、20〜30cm…90〜10
0cmとそれぞれ10cmごとに拡大した結果をA4サ
イズ用紙にプリントアウトする。この結果から繊維の陥
没部の大きさを計測する。なお、任意の陥没部の大きさ
の測定に関しては、図1(b)に記載の各記号部分を測
定したものである。
【0016】また、繊維1m中の陥没部の個数の計数
は、上記でプリントアウトした繊維表面状態の測定結果
から、繊維軸に直行して凹状に変形した陥没部を計数
し、計数に当たっては、10cmごとにA4サイズ用紙
にプリントアウトした測定結果プロフィールの上側に記
録された陥没部をそれぞれ計数し、この個数を合計した
ものである。
【0017】なお、図1(b)は電子的糸条検査ボード
を用いて測定したPPS繊維1mの表面状態の測定結果
を10cm毎に拡大してプリントアウトしたプロフィー
ル結果の一例から、繊維長1mの結果を抜粋して示した
ものである。
【0018】本発明のPPS繊維においては、上記式D
1/P1>0.09の関係を満たす陥没部の数が、繊維
長1m中に60個以下であることがより好ましい。
【0019】さらに、本発明のPPS繊維を構成するP
PSについては、そのメルトフローレートが20〜25
0g/10分であることが好ましく、またPPS繊維の
繊度としては、0.5〜200000dtexの範囲で
あることが、産業用資材用途のPPS繊維としてはより
好ましい効果を発現する。
【0020】また、本発明のPPS繊維がモノフィラメ
ントの形態をとる場合には、抄紙ドライヤーカンバスや
フィルターなどの工業用織物用途に利用し得るPPS繊
維としては一層好ましい結果をもたらすことに繋がる。
【0021】さらにまた、本発明のPPS繊維は、繊維
30カ所の引張破断伸度測定を行ったとき、そのPPS
繊維30カ所の引張破断伸度のcv値が8以下であるこ
とが好ましく、この場合には産業用資材用途に好適に利
用し得るPPS繊維とすることができる。
【0022】そして、上記の特性を有する本発明のPP
S繊維の製造方法は、PPSを溶融押出紡糸し冷却する
までの工程において、口金ノズルから押出す溶融ポリマ
の温度を286℃〜330℃に調節すると共に、この溶
融ポリマが冷却槽に入るまでに通過するエアーギャップ
を3〜100cmとし、さらに前記口金ノズルから押出
した溶融ポリマを冷却槽に導いて冷却固化させる冷却工
程において、前記冷却槽に満たした冷却溶媒を、この冷
却槽に導いた半固化状態のポリマに向けて、送液速度
0.5〜12.0cm/秒の条件で連続的に送液しつつ
冷却することを特徴とする。
【0023】また、本発明のPPS繊維の製造方法にお
いては、冷却工程で用いる冷却溶媒として水を用いるこ
とが好ましく、さらには水温が50℃から95℃の温水
を用いることが最も好ましく、この場合には安定して本
発明のPPS繊維を製造することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0025】本発明のPPS繊維を構成するPPSは,
ポリマの繰り返し単位がp−フェニレンサルファイド単
位やm−フェニレンサルファイド単位からなるフェニレ
ンサルファイド単位を含有するポリマを意味するが、こ
れらの中でも、ポリマの繰り返し単位の90%以上がp
−フェニレンサルファイド単位からなるポリマが好まし
く用いられる。
【0026】本発明で特に好ましく用いることのできる
PPSポリマの製造方法としては、p−ジクロルベンゼ
ンに硫化ナトリウムを重縮合させて得る方法が挙げられ
るが、p−ジクロルベンゼンを分岐成分として共重縮合
させたポリマであってもよい。
【0027】さらに、本発明で用いるPPSは、AST
M D1238−86に準拠し、316℃、オリフィス
径2.095mm、オリフィス長さ8.00mm、荷重
5kgで測定した10分当たりの流出ポリマ量で示され
るメルトフローレート(以下、MFRという)が、20
から250g/10分のものが好ましく用いられ、さら
には、MFR70〜120g/10分のものが、PPS
繊維の強伸度バランス、耐摩耗性、製糸安定性および表
面平滑性の観点から最も好ましく用いることができる。
【0028】なお、市販品のなかで利用できるPPSポ
リマとしては、例えば、東レ(株)製PPSのE188
0、E2080、M2088、E2280、E248
0、E2481およびM2488などを挙げることがで
きる。
【0029】PPSポリマは、通常粉末で得られるもの
であるが、溶融紡糸に供する前に、エクストルダーなど
で粉末PPSを融点以上の温度に加熱し、溶融・混練し
た後、必要に応じフィルター類で異物を濾過除去し、ガ
ット状に押出して冷却、その後カッティングするなどの
方法でペレット状に加工して用いることができる。そし
て、PPS粉体あるいはPPSペレットは、概ね100
〜180℃で5〜24時間程度、減圧真空下で乾燥して
用いることが好ましい。
【0030】また、本発明のPPS繊維は、その所望特
性を疎外しない範囲で、酸化チタン、酸化ケイ素、チッ
化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸
などの各種無機粒子や架橋高分子粒子などのほか、従来
公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着
色防止剤、耐光剤、包接化合物、各種着色剤、ワックス
類、シリコーンオイル、各種界面活性剤、フッ素樹脂、
ポリエステル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類およ
びポリスチレン類などが添加されたものであってもよ
い。
【0031】本発明のPPS繊維は、電子的糸条検査ボ
ードを用い測定した、PPS繊維のプロフィールから読
み取った繊維表面状態において、繊維軸に直行して凹状
に変形した任意の陥没部(以下、単に陥没部という)の
うちで、その陥没部の最陥没点を中心として繊維軸方向
にそれぞれ左右1cm以内に存在する繊維表面に凸状に
変形した突出部(以下、単に突出部という)のなかで
も、測定方向に対し陥没部の手前に存在する最も大きく
突出した最大突出部の頂点xと、測定方向に対し陥没部
の後方に存在する最も大きく突出した最大突出部の頂点
yを結んだ線分Pから、その最陥没部に向けて降ろした
垂線Dの長さをD1とした時、この長さD1と前記線分
Pの長さP1とが、式D1/P1>0.05の関係を満
たす陥没部の数が、繊維長1m中に90個以下であるこ
とを特徴とする。
【0032】なおここで、PPS繊維の表面状態の測定
は、Lawson−Hemphill社製、“電子的糸
条検査ボード−エンタングルメントテスタ用 LH−4
82”を用い、以下の条件で測定を行ったものである。
【0033】すなわち、繊維試料を約50m/分の速度
で走行させ、Profile−Modeにて繊維の外観
形状・表面状態(プロフィール)を測定する。次いで、
この測定結果の中から、任意の点1m分の測定部の結果
を0〜10cm、10〜20cm、20〜30cm…9
0〜100cmとそれぞれ10cmごとに拡大した結果
をA4サイズ用紙にプリントアウトする。この結果から
繊維の陥没部の大きさを計測する。
【0034】また、繊維1m中の陥没部の個数の計数
は、上記でプリントアウトした繊維表面状態の測定結果
から、繊維軸に直行して凹状に変形した陥没部を計数
し、計数に当たっては、10cmごとにA4サイズ用紙
にプリントアウトした測定結果チャートの上側に記録さ
れた陥没部をそれぞれ計数し、この個数を合計したもの
である。
【0035】ここで、上記の式D1/P1は、陥没変形
部の大きさやその深さを示す指数であるが、D1/P1
の値が大きいほどその繊維上に存在する陥没変形部が大
きいことを示す。
【0036】したがって、式D1/P1で表される指数
が大きい場合、つまり陥没部が大きい場合には、これが
PPS繊維の欠点となり、PPS繊維の強伸度バラツキ
を大きくする一つの要因となるばかりか、これを用い製
造される産業用資材の加工工程における工程トラブルを
引き起こす原因となるため、D1/P1>0.05であ
り、かつその陥没部の数が、繊維長1m中に90個以下
であることが重要な要件である。
【0037】すなわち、上記の要件を満たす場合には、
PPS繊維の表面は非常に平滑な状態であり、PPS繊
維の強伸度特性のバラツキも少なく、PPS繊維を利用
する産業用資材の加工工程におけるトラブルの発生もな
く非常に好適に利用できるPPS繊維となすことができ
る。
【0038】しかるに、上記式D1/P1で表される繊
維上に存在する陥没部は本来、繊維上に存在しないこと
が最も望ましいが、D1/P1<0.05であれば、P
PS繊維の強伸度特性に与える影響や、産業用資材の加
工工程でのトラブルの原因となることもないため、0.
05未満であれば問題がない。
【0039】なお、本発明のPPS繊維は、電子的糸条
検査ボードを用い測定した、繊維のプロフィールから読
み取った繊維表面の状態において、陥没部が繊維軸に直
行する方向にいずれか一方の繊維表面に凹状に陥没する
のみならず、この陥没部と相対する他方の繊維表面が凸
状に変形した突出部を有することになる場合があるが、
このように単に繊維表面の片側のみが陥没するように変
形するのではなく、この陥没部と相対する繊維表面が押
し出されるように突出するよう変形したPPS繊維であ
った場合であっても、その繊維表面のうちいずれか一方
に存在する陥没部が本発明の範囲内であれば、産業用資
材用途に利用するPPS繊維として好適に利用できる。
【0040】なお、本発明のPPS繊維においては、上
記P1とD1とが、式D1/P1>0.09の関係を満
たす陥没部の数が、繊維長1m中に60個以下であるこ
とがさらに好ましく、この場合にはより優れた結果の発
現に繋がる。
【0041】すなわち、PPS繊維上に存在する陥没部
が式D1/P1>0.09を満たす場合、その陥没部
は、繊維軸に直行し非常に深く、また、大きく変形して
いることを示すものである。こうした大きな陥没部は、
特にPPS繊維の強伸度特性のバラツキや、PPS繊維
を用いた産業用資材の加工工程での工程通過性を左右す
る大きな特性であり、本発明のPPS繊維は、その表面
状態が平滑で欠点が少ない特徴を有するため、引張破断
強伸度測定を行ったとき、その引張強伸度のバラツキが
極めて少なくなる効果をもたらし、PPS繊維の表面状
態が極めて良好であることと合わせ、PPS繊維を利用
した産業用資材への安定した加工性を実現するのであ
る。
【0042】そして、本発明のPPS繊維は、繊度が
0.5〜200000dtex、さらに30〜9500
0dtex、より好ましくは100〜45000dte
xの範囲にある場合に、産業用資材用途のPPS繊維と
して極めて好適に利用され得る。
【0043】また、本発明のPPS繊維は、モノフィラ
メントの形態をとる場合に、抄紙ドライヤーカンバス、
工業用フィルター、電気絶縁材およびブラシ用毛材など
の産業用資材に用いられるPPS繊維として極めて好ま
しい効果を発現する。
【0044】なお、本発明のPPS繊維の繊維軸方向に
垂直な断面の形状は、円、楕円、扁平、半月形、三角
形、正方形、またそれ以上の多角形、多葉形状、中空お
よび繭型などあらゆる形状を有していてもよい。
【0045】かくしてなる、本発明のPPS繊維は、極
めて平滑な表面状態を有し、さらには安定した強伸度特
性を兼ね備えるものである。特に、その強伸度特性のう
ち、PPS繊維30カ所の引張破断伸度測定を行ったと
き、そのPPS繊維30カ所の引張破断伸度のバラツキ
を示す標準偏差σを30カ所の引張破断伸度測定結果の
平均値で除して求められるcv値が8以下である場合に
は、PPS繊維を利用した各種産業用資材に加工される
工程で、従来から大きな問題とされていた加工工程での
糸切れ、また加工された産業用資材中でのPPS繊維の
糸割れなどの発生を極端に軽減し、産業用資材用途に極
めて良好に利用されるPPS繊維と成すことができるの
である。
【0046】次に、本発明のPPS繊維の製造方法につ
いて説明する。
【0047】PPS繊維を製造するに際しては、通常は
エクストルダーなどの紡糸機を使用して、PPSポリマ
をその融点より20〜80℃以上高い温度で溶融し、溶
融したPPSポリマを紡糸機の先端部に取り付けられた
ノズルから押出し、さらに押出されたPPS溶融ポリマ
を、空気、各種不活性ガス、ポリエチレングリコール、
水、グリセリン、シリコーンワックスおよびアルコール
などの冷却媒体中で、ガラス転移温度以下、具体的には
ガラス転移温度〜(ガラス転移温度−70℃)の範囲の
温度で冷却固化させる。
【0048】そして、冷却固化して得られたPPS未延
伸糸を、一旦ロールに巻き取った後に延伸するか、また
はロールに巻き取ることなく連続して延伸することによ
り配向させる。なお、PPS未延伸糸の延伸は、1段、
または2段以上の多段延伸のいずれの方法を採用するこ
ともでき、その延伸倍率としては2〜8倍、好ましくは
4〜6倍の範囲が採用される。さらには、延伸後のPP
S繊維については、収縮率の調整や破断強伸度などを調
整する目的で、延伸工程を通過した後引き続いて100
〜280℃程度の温度雰囲気下で0.8〜1.0倍の熱
セットを行なうことが望ましい。
【0049】本発明のPPS繊維の製造方法おいては、
ポリフェニレンサルファイドを溶融押出紡糸し冷却する
までの工程において、口金ノズルから押出す溶融ポリマ
の温度を286℃〜330℃に調節すると共に、この溶
融ポリマが冷却槽に入るまでに通過するエアーギャップ
を3〜100cmとし、さらに前記口金ノズルから押出
した溶融ポリマを冷却槽に導いて冷却固化させる冷却工
程において、前記冷却槽に満たした冷却溶媒を、この冷
却槽に導いた半固化状態のポリマに向けて、送液速度
0.5〜12.0cm/秒の条件で連続的に送液しつつ
冷却することが重要な要件であり、これにより目的とす
る表面状態の優れたPPS繊維を得ることができる。
【0050】すなわち、本発明のPPS繊維の製造方法
における第1の特徴は、口金ノズルから押出す溶融ポリ
マの温度を286℃〜330℃に調節することにある。
従来の一般的なPPS繊維の製造方法においては、エク
ストルダーなどの紡糸機における溶融温度を、PPSポ
リマの融点より20〜80℃以上高い温度、具体的には
およそ300〜350℃前後の非常に高い温度で行なっ
ていた。
【0051】しかし、極めて平滑な表面状態を有するP
PS繊維となすためには、口金ノズルから押出す溶融ポ
リマの温度はできる限り低い温度に調節することが重要
であり、本発明においては、上記286℃〜330℃の
温度範囲であれば、表面性を良好にしたPPS繊維の製
造を可能とするが、好ましくは287℃〜320℃、さ
らに好ましくは289℃〜315℃、より好ましくは2
90〜305℃の範囲に調節することが望ましい。
【0052】次いで、溶融されたPPSポリマは、ノズ
ルから押出し、冷却溶媒を満たした冷却槽に導かれが、
その押出された直後の溶融ポリマは、依然として200
℃以上の高温状態のままであり、こうした非常に高い温
度のPPS溶融ポリマは、冷却槽内の冷却溶媒との界面
で、冷却溶媒の沸騰や揮発などにより気泡を多量に生じ
させてしまう。
【0053】そして、ここで発生した気泡は、まだ十分
に固化していない半溶融状態のPPSポリマの表面に付
着、あるいは冷却槽内を通過する半固化状態のPPSポ
リマに沿って移動し、さらにはPPS溶融ポリマが冷却
槽に進入した直後、その冷却溶媒の表層部で突沸(ポリ
マが冷却槽に進入した直後に、冷却溶媒の表層部とポリ
マとの界面で気泡が爆発状に弾ける状態をいう)するこ
となどに起因して、あたかも痘痕状の凹凸が生じてしま
い、この状態のまま完全に冷却固化されたPPS未延伸
糸は、その表面状態が非常に荒れた状態となり、この未
延伸糸を延伸して得られるPPS繊維も同様に、表面状
態が非常に悪く、実用上問題が生じることが頻繁に見ら
れた。
【0054】そこで、本発明のPPS繊維の製造方法に
おける第2の特徴は、PPSポリマを溶融押出紡糸し、
冷却するまで工程において、口金ノズルから押出された
溶融ポリマが冷却溶媒を満たした冷却槽に至るまでのエ
アーギャップを3〜100cmの範囲にすることであ
る。
【0055】ここで、冷却槽に至るまでのエアーギャッ
プは、上記の範囲であれば特に問題ないが、冷却槽内で
のPPS未延伸糸の走行状態の安定性や縦方向の線径バ
ラツキを小さくするために、好ましくは5〜50cm、
さらに好ましくは8〜30cmであることが望ましい。
【0056】ここで、例え口金ノズルから押出す溶融ポ
リマの温度を287℃〜330℃に調節したとしても、
エアーギャップが上記の範囲以下ではノズルから押出さ
れた溶融ポリマの冷却が不十分となり、溶融ポリマが冷
却槽内に進入する以前に十分冷却されず高温状態のた
め、溶融ポリマと冷却溶媒との界面で、沸騰や揮発など
による気泡が多量に生じ、半固化状態のPPS未延伸糸
がこれら気泡の発生によりダメージを受け、凹凸状の変
形を生じるため好ましくない。逆にエアーギャップが上
記の範囲を越えると、ノズルから押出された溶融ポリマ
は十分に冷却されるものの、ロールによる未延伸糸の引
取りバランスが崩れやすく、安定した製糸性が得られな
いばかりか、その長すぎるエアーギャップに起因して、
空気の流れなどの外部からの影響を受けやすくなり、そ
の結果、線径不良などを招く結果に繋がるため好ましく
ない。
【0057】また、本発明のPPS繊維の製造方法にお
ける第3の特徴は、口金ノズルから押出した溶融ポリマ
を冷却槽に導いて冷却固化させる冷却工程において、前
記冷却槽に満たした冷却溶媒を、この冷却槽に導いた半
固化状態のポリマに向けて、送液速度0.5〜12.0
cm/秒の条件で連続的に送液しつつ冷却することであ
る。
【0058】すなわち、上述したように、PPS溶融ポ
リマのを冷却は、PPSのガラス転移温度〜(ガラス転
移温度−70℃)の範囲の温度の冷却媒体中でPPSポ
リマを冷却固化させることにより行なうが、この場合に
PPS繊維の線径バラツキや繊度斑を抑制するという観
点からは、できるだけPPSのガラス転移温度に近い高
い温度の冷却媒体を用いて冷却を行うことが有利な傾向
になる。このため、冷却媒体に液体を使用する場合に
は、物質によっては非常に沸点に近いような高い温度で
の冷却温度を採用する必要が生じてくることになる。
【0059】ではここで、冷却液の沸点付近の非常に高
い温度の冷却液温度を採用した場合には、高温の冷却液
よりもさらに高い温度のPPSポリマが冷却液を満たし
た冷却槽内に導かれてくる。その結果、このPPS溶融
ポリマの温度の影響により、この溶融ポリマ付近に存在
する冷却液はさらに温度が上昇し、ついには液体の沸点
に到達して、冷却液とPPSポリマとの界面に気泡が発
生してしまう。すると、この気泡はまだ十分に固化して
いない半溶融状態のPPSポリマの表面に付着するか、
あるいは冷却槽内を通過するPPSポリマに沿って移動
するような状況が起こるため、この影響によって半固化
状態のPPS未延伸ポリマの表面が陥没してしまうこと
になる。
【0060】また、こればかりではなく、上述した気泡
の発生の状態がひどくなってきた場合には、PPS溶融
ポリマが冷却槽に進入した直後に冷却液の表層部で突沸
現象が起こり、半固化状態のPPS未延伸ポリマの表面
に非常に大きな陥没部を生じさせる原因となってしま
う。
【0061】しかるに、本発明の製造方法によれば、冷
却槽内に満たした冷却液を半固化状態のPPSポリマに
向けて送液することで、冷却液とPPSポリマ界面で発
生した気泡が半溶融状態のPPSポリマの表面に付着す
ることを防止し、さらには上記突沸現象をも防止するこ
とが可能となり、この結果、繊維表面の陥没を抑制する
ことに繋がるのである。
【0062】さらに、本発明における上記冷却液の送液
は、ポリマが進入する近傍へ冷却液を送液して冷却液に
動きを与えることにより、冷却液の温度が局部的に上昇
するのを防止すると共に、ノズルから押出された溶融ポ
リマが冷却槽に進入した際に、そのポリマが進入した近
傍に存在する冷却液が局部的に加熱され、沸点以上へ上
昇してしまうことを防止することをも目的の1つとする
ものである。
【0063】なお、本発明においては、冷却溶媒の送液
速度も重要であり、単に溶融ポリマが冷却槽に進入した
際に送液すればよいのではなく、上記の送液速度範囲に
規制することが重要である。ここで、冷却溶媒の送液速
度は0.5〜12.0cm/秒の範囲であれば問題はな
いが、好ましくは1〜8cm/秒、さらに好ましくは3
〜6cm/秒である場合に、特に好適な効果の発現を期
待することができる。
【0064】すなわち、冷却溶媒の送液速度が上記の範
囲以下の場合には、送液による効果が小さく、PPS繊
維の表面性改善効果が不十分となり、また、逆に上記の
範囲を越える場合には、未延伸糸同士の接触による糸切
れを誘発する原因となり、安定した製糸性を欠く結果を
もたらすため好ましくない。
【0065】ここで、冷却に用いる冷却溶媒としては特
に制限はなく、例えばポリエチレングリコール、水、グ
リセリン、シリコーンワックスおよびアルコールなどが
挙げられるが、製造コストの低減や、系外への冷却溶媒
の流出など環境面への悪影響を考慮した場合には、水を
用いるのが好ましく、ここで用いる水としては50〜9
5℃、さらには70〜90℃の温水を用いることが、特
に好ましい結果の発現に繋がる。
【0066】また、本発明において、冷却槽に満たした
冷却液を、この冷却槽に導いた半固化状態のポリマに向
けて連続的に送液する方法としては、前記冷却液を冷却
槽外部に設置した循環ポンプなどにより冷却槽内から汲
み上げ、汲み上げた冷却液を配管などを用いて、口金ノ
ズルから押出した溶融ポリマを冷却液中へ導く冷却槽の
近傍へ移送する方法が好適である。なお、この配管の途
中にオリフィスやバルブなどを設け、冷却液の移送中に
送液速度が本発明の範囲内に調節することが望ましい。
【0067】次いで、移送した前記冷却液を溶融ポリマ
へ送液する方法としては、例えば、溶融ポリマが冷却液
中へ導かれる近傍に円形状の送液ノズルを設置し、この
円形状の送液ノズルの外周方向から内周方向へ向けて、
前記の方法により移送した冷却液を送液する方法が挙げ
られる。また、溶融ポリマがローラーにより引き取られ
る方向または反引き取り方向からの送液が可能となるよ
うに、溶融ポリマが前記冷却槽に導かれる近傍の溶融ポ
リマの引き取り方向の後方側、または前方側に送液ノズ
ルを設置して送液する方法も採用することができる。こ
こで用いられる送液ノズルの形状については、直線、円
弧、半円状およびコの字型などあらゆる形状の送液ノズ
ルが利用できる。また、これら送液ノズルの送液孔のサ
イズには特に制限はないが、前記溶融ポリマに送液する
冷却液が層流となるように配慮することが重要である。
【0068】さらに、これらの送液ノズルを前記冷却液
を満たした冷却槽に設置する位置としては、前記冷却槽
に満たした冷却液の表層〜30cm程度の深さとするこ
とが、それによる効果を特に顕著にすることに繋がる。
などが挙げられる。
【0069】また、本発明のPPS繊維の製造方法にお
いては、口金ノズルから押出した溶融ポリマが冷却槽に
入るまでに通過するエアーギャップを3〜100cmと
するが、口金ノズルから溶融押し出しされた溶融ポリマ
が冷却行程に至るまでのエアーギャップ間に口金直下か
ら伸長する筒状体を設置してもよく、さらに、この筒状
体に窒素ガスを流入させる場合には、さらに安定して高
品質、つまり表面状態が非常に平滑であり、繊度斑が少
なく、バラツキの極めて少ない強伸度特性を具備するP
PS繊維となすことができる。
【0070】すなわち、口金直下に筒状体を設けること
により、エアーギャップを長くとった場合でも、空気の
流れなどによる外乱を受けることがなく、繊度斑が非常
に少なく、かつ繊維の真円度のきわめて優れたPPS繊
維とすることができる。さらに、この筒状体に窒素ガス
を流入する場合には、口金直下の雰囲気が窒素ガスによ
りシールされた状態が形成され、これにより紡糸口金に
設けられた口金孔の周辺部に付着する汚れ物(いわゆる
口金汚れ)が顕著に抑制され、安定して長時間のPPS
繊維の製造が可能となるなど、非常に好ましい結果の発
現に繋がる。
【0071】かくして得られる本発明のPPS繊維は、
極めて良好な繊維表面状態を有する上に、バラツキの非
常に少ない安定した引張強伸度や結節強伸度特性を備え
ることから、抄紙ドライヤーカンバスや各種フィルター
などの工業用織物用原糸、さらには電気絶縁材用途、ブ
ラシ用毛材などに利用することができ、特にPPS繊維
がモノフィラメントの形態をとる場合においては、表面
状態が極めて良好であり、さらに強伸度特性にバラツキ
が少ないため、産業用資材用途に利用する際に、従来か
ら問題とされていた加工工程でのPPS繊維の切断や、
産業用資材に加工後のPPS繊維の糸割れなどの諸問題
が改善されるなど、極めて優れた効果を発揮するもので
ある。
【0072】
【実施例】以下、本発明のPPS繊維の実施例に関しさ
らに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0073】なお、上記および下記に記載の本発明のP
PS繊維の物性などは以下の方法により測定した値であ
る。 [PPS繊維の表面状態の測定]:Lawson−He
mphill社製、電子的糸検査ボード−エンタングル
メントテスタ用 LH482を使用し、PPS繊維試料
を約50m/分の速度で走行させ、Profile−M
odeにてPPS繊維の外観形状・表面状態(プロフィ
ール)を測定した。 [陥没部の計測]:上記で測定したPPS繊維の表面状
態の測定結果の中から、任意の点1m分の測定部の結果
を取り出し、これを各々0〜10cm、10〜20c
m、20〜30cm…90〜100cmとそれぞれ10
cmごとに拡大した結果をA4サイズ用紙にプリントア
ウトし、このプロフィール結果からPPS繊維の陥没部
の大きさの計測を行った。 [陥没部の個数の計数]:PPS繊維1m中の陥没部の
個数の計数にあたっては、上記でプリントアウトした繊
維表面状態のプロフィール測定結果から、繊維軸に直行
して凹状に変形した陥没部を計数した。なお、計数した
陥没部は、10cmごとにA4サイズ用紙にプリントア
ウトした測定結果プロフィールの上側に記録された陥没
部をそれぞれ計数し、この個数を合計したものである。 [繊度(dtex)]:長さ50cmにカットしたPP
S繊維4本を、メトラー・トレド(株)製メトラー分析
用上皿天びん(AE240)を用いて重量測定を行い、
このPPS繊維の重量から繊度(dtex)を算出し
た。 [引張強力(N)、引張伸度(%)および引張強力・伸
度の標準偏差(σ)]:JIS L1013 7.5項
に準じて行った。すなわち、PPS繊維30mを綛状に
取り、これを20℃、65%RHの温湿度調整室内で2
4時間以上エージングする。このサンプルを長さ約50
cmにカットし、この中から任意に30本を取りだし同
条件の温湿度調整室内で、(株)オリエンテック製“テ
ンシロン”UTM−4−100型引張試験機を用い、試
長:250mm、引張速度:300mm/分の条件で引
張強力(N)および引張伸度(%)を測定し、その平均
値を引張強力・伸度とした。また、これら引張強力およ
び引張伸度の測定結果30点から、各々の測定値のバラ
ツキを示す標準偏差(σ)を算出した。 [引張破断強力・引張破断伸度cv値]:上記で求めた
PPS繊維30カ所の引張破断強力・引張破断伸度の標
準偏差σとPPS繊維30カ所の引張破断強力・引張破
断伸度測定結果の平均値から次式により算出した。
【0074】引張破断強力cv値=(引張破断強力標準
偏差σ(N)/引張破断強力平均値(N))×100 引張破断伸度cv値=(引張破断伸度標準偏差σ(%)
/引張破断伸度平均値(%))×100 [溶融ポリマ温度(℃)]:(株)日本製鋼所製 P5
0−25A型押出機(スクリュー外径50mmφ)を用
いてPPSポリマを溶融し、この押出機のダイ部に取り
付けた熱電対により測定した。 [製糸性]:12時間以上の連続製糸を行い、次の3基
準で判定した。
【0075】 ○(良好)…冷却および延伸工程での糸切れなどが皆無
であり、何ら問題なく製糸ができた。
【0076】 △(やや不良)…冷却工程における不具合で、12時間
以内に1回の未延伸糸の糸切れが発生した。
【0077】 ×(不良)…冷却工程における不具合で、12時間以内
に2回以上の未延伸糸の糸切れが発生した。または、延
伸工程で12時間以内に2回以上の糸切れが発生した。 [実施例1]PPS原料として、東レ製E2080を準
備し、これを150℃で15時間、真空条件下で乾燥を
行った。このPPS原料を(株)日本製鋼所製50mm
φエクストルダー型紡糸機(P50−25A)へ供給
し、紡糸温度330℃にて溶融混練し、その後、口金ノ
ズルへ原料ポリマを移送する課程で徐々に紡糸温度を下
げ、ポリマ温度が296±2℃となるようにコントロー
ルさせた。ポリマ温度をコントロール後、円形紡糸口金
ノズル(口金孔径:3.0mmφ×8ホール)から溶融
ポリマを押し出した。押し出した溶融ポリマは、続いて
12cmのエアーギャップを通過させた後、80℃の温
水を満たした冷却槽へ導き冷却固化させた。なお、この
冷却固化させる課程で、この冷却槽に満たした冷却溶媒
である80℃の温水を、送液速度5cm/秒でPPS溶
融ポリマへ送液し、表面改質PPS未延伸糸を得た。
【0078】引き続き、上記PPS未延伸糸をゲージ圧
0.98KPaの加圧飽和水蒸気雰囲気下で3.80倍
に一次延伸を行い、次いで、150℃の熱風雰囲気下で
1.15倍で二次延伸を行った。延伸工程を通過させた
PPS延伸糸は、続いて180℃の熱風雰囲気下で0.
97倍の弛緩熱処理を行い、6770dtex(直径
0.80mm)のPPSモノフィラメントを得た。
【0079】得られたPPSモノフィラメントの繊維表
面に存在する陥没部のサイズ(D1/P1)と個数、引
張強力および引張伸度の測定結果、強伸度特性のバラツ
キ程度(cv)および製糸性の結果を表1に示す。ま
た、電子的糸条検査ボードを用い測定した、PPS繊維
10cmのプロフィール結果を図2に示す。 [実施例2,3、比較例3,4]実施例1と同様な製糸
条件により、口金ノズルから冷却槽へ至るエアーギャッ
プ距離を変更して得たPPSモノフィラメントの繊維表
面に存在する陥没部のサイズ(D1/P1)と個数、引
張強力および引張伸度の測定結果、強伸度特性のバラツ
キ程度(cv)および製糸性の結果を表1および表2に
示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】 表1の結果から明らかなよう、エアーギャップが本発明
内の実施例2および3のPPS繊維は、非常に良好な繊
維表面状態ならびに極めてバラツキの少ない強伸度特性
を有していることがわかる。一方、本発明で規定された
範囲外のエアーギャップを採用して得られたPPS繊維
は、表2の結果から明らかなよう、エアーギャップが長
すぎた比較例3では、その長すぎるエアーギャップのた
めに、口金ノズルから押し出した溶融ポリマをローラー
で引き取る際、安定した未延伸糸の引き取りが困難とな
り、冷却工程で糸の蛇行が発生して、糸切れが多発する
結果を招き、製糸性が不十分であった。また、エアーギ
ャップが短すぎた比較例4では、エアーギャップ間での
溶融ポリマの冷却が不十分となった結果、冷却工程で冷
却溶媒を送液しても十分なPPS繊維の表面改善効果が
見られず、D1/P1>0.05で示される陥没部が本
発明の規定範囲外となり、その結果、引張強伸度特性の
バラツキも大きくなるなど、好ましくない結果を招いて
しまった。 [実施例4、実施例8,9、比較例1,2]実施例4
は、実施例1と同様な製糸条件で、冷却溶媒を水からポ
リエチレングリコールへ変更したが、表1に示すよう優
れた表面性と強伸度特性、製糸性を示すものであった。
【0082】また、実施例1に準じ、送液速度を変更し
た実施例8,9および比較例1,2では、変更範囲が本
発明の規定範囲内である実施例8,9で得られたPPS
繊維は、表1の結果からもわかるように、良好な表面
性、強伸度特性、製糸性を示す。
【0083】一方、表2に示したように、本発明の規定
範囲外の比較例1,2において、送液をしなかった比較
例1は、製糸性には問題がないものの、陥没部サイズ・
個数が本発明の規定範囲外となってしまった。また、送
液速度が本発明の規定範囲より速すぎる比較例2は、P
PS繊維の表面性、強伸度特性は良好であるものの、送
液速度が速すぎるため、冷却工程で溶融ポリマ同士が接
触し、冷却工程での糸切れが多発する結果となってしま
った。
【0084】なお、比較例1のPPS繊維の電子的糸条
検査ボードを用い測定した、PPS繊維10cmのプロ
フィール結果を図3に示す。 [実施例5,6、比較例5]実施例1と同様な製糸条件
でPPS原料ポリマのMFRを変更した結果、MFRの
高すぎるPPS原料を用いた比較例5では、表2に示し
たように、本発明の規定範囲内ではあるもののPPS繊
維の表面性が悪化傾向となり、またそればかりか、溶融
ポリマの粘性の低さのため、ロールによる引き取りが安
定せず、冷却工程での糸切れが発生する結果を招いてし
まった。また、PPS原料ポリマのMFRが本発明の規
定範囲内にある実施例5および6の場合は、表1に示し
たように、PPS繊維の表面性、強伸度特性、製糸性と
も良好な結果が得られた。 [実施例5、比較例6,7]エクストルダー紡糸機にお
ける溶融ポリマ温度を変更した際に、本発明の規定範囲
より温度が高すぎる比較例6では、表2に示したよう
に、PPS繊維の表面性が不十分であった。一方、低す
ぎる比較例7では、282℃と溶融ポリマ温度を低くし
すぎたため、冷却工程を経たPPS未延伸糸が白濁する
状況となってしまった。さらに、この白濁したPPS未
延伸糸を引き続き連続して延伸したが、延伸切れが多発
する結果となり、紡糸不能の状況となってしまった。 [比較例8,9]冷却溶媒温度を本発明の範囲外とした
結果、冷却温度が低すぎた比較例8では、冷却工程で未
延伸糸の蛇行が大きくなり、安定した引き取りが不可能
な状況となり製糸不能であった。また、高すぎた比較例
9では、冷却槽液面で溶融ポリマと冷却溶媒である水と
の突沸現象が発生してしまい、表2に示したように、表
面性の改善が図れない結果を招き好ましくないものであ
った。 [実施例10]実施例1と同様なPPS原料ポリマ、紡
糸機を用い、繊度を変更した実施例10は、表1の結果
から明らかなように、優れた特性を有するものであっ
た。
【0085】表1の結果から明らかなよう、本発明によ
るPPS繊維は、極めて優れた表面平滑性を有し、また
この優れた表面平滑性によってバラツキの少ない安定し
た強伸度特性を兼ね備えるものであった。
【0086】一方、表2の結果から明らかなよう、本発
明の条件を満たさないPPS繊維では、PPS繊維の表
面性が優れていても、安定した製糸性が得られない、ま
た、表面平滑性が不十分であるため、強伸度特性のバラ
ツキが大きくなるなど産業用資材用途のPPS繊維とし
てはいずれも不十分なものであった。 [実施例11]産業用資材用途の例として、実施例1で
得たPPS繊維を経糸および緯糸に用いた、二重織りの
抄紙ドライヤーキャンバスを作製した。得られたドライ
ヤーキャンバス中には、経糸および緯糸とも糸割れもな
く非常に良好なものであった。また、製織工程における
糸切れも皆無であり、優れた工程通過性をも持ち合わせ
るものであった。 [比較例10]実施例11と同様に、比較例1で得たP
PS繊維を経糸および緯糸に用いた、二重織りの抄紙ド
ライヤーキャンバスを作製した。このドライヤーキャン
バスを確認したところ、経糸が緯糸と重なった稜部の経
糸の糸割れが、ドライヤーキャンバス100m2 中あた
り13カ所存在した。また、製織工程でも、製織時に緯
糸切れが2回発生するなど、工程通過性にも問題が残る
結果であった。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のPPS繊
維は、極めて優れた表面平滑性を有することで、非常に
安定した強伸度特性を具現し、これら卓越した表面性お
よび強伸度特性を兼ね備えることで、従来からのPPS
繊維で問題とされていた、産業用資材用途への加工工程
における工程通過性を改善し、さらには加工製品に散見
されたPPS繊維の糸割れの改善をももたらすなど、優
れた効果を発揮するものである。
【0088】さらに、本発明のPPS繊維がモノフィラ
メントの形態をとる場合は、抄紙ドライヤーキャンバス
などに代表されるPPS繊維を利用した工業用織物用原
糸として特に産業上の利用価値を高める結果をもたらす
ものである。
【0089】また、本発明のPPS繊維の製造方法によ
れば、極めて表面平滑性に優れ、また強伸度特性バラツ
キの少ないPPS繊維を効率的に製造することが可能と
なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、電子的糸条検査ボードを用いて測定し
たPPS繊維1mの表面状態の結果をそれぞれ10cm
毎に拡大してプリントアウトした結果のうち、繊維長約
6cmを抜粋したチャート結果(a)およびそのプロフ
ィール結果(b)の一例である。
【図2】図2は、実施例1で得られたPPS繊維につい
て、電子的糸条検査ボードを用い測定した繊維10cm
を示すチャート結果およびプロフィール結果である。
【図3】図3は、比較例1で得られたPPS繊維につい
て、電子的糸条検査ボードを用い測定した繊維10cm
を示すチャート結果およびプロフィール結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山上 隆之 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内 Fターム(参考) 4L035 BB31 BB57 BB58 BB79 BB80 BB81 BB91 CC02 CC07 DD13 DD14 EE08 EE20 FF01 HH10 MF02 4L048 AA19 AA32 AA34 AA46 AA48 AA49 AB10 BA02 BA09 CA00 CA01 DA24 DA39 DA40 4L055 CF30 EA15 EA16 EA19 EA29 FA23 FA30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にポリフェニレンサルファイドか
    らなる繊維であって、電子的糸条検査ボードを用いて測
    定した繊維のプロフィールから読み取った繊維表面状態
    において、繊維軸に直行して凹状に変形した陥没部のう
    ち、任意の陥没部の最陥没点を中心として繊維軸方向に
    それぞれ左右1cm以内に存在する繊維表面に凸状に変
    形した突出部のなかでも、測定方向に対し陥没部の前方
    に存在する最も大きく突出した最大突出部の頂点xと、
    測定方向に対し陥没部の後方に存在する最も大きく突出
    した最大突出部の頂点yを結んだ線分Pから、前記任意
    の陥没部の最陥没部に向けて降ろした垂線Dの長さをD
    1とした時、この長さD1と前記線分Pの長さP1と
    が、式D1/P1>0.05の関係を満たす陥没部の数
    が、繊維長1m中に90個以下であることを特徴とする
    ポリフェニレンサルファイド繊維。(ただし、繊維の表
    面状態の測定は、Lawson−Hemphill社
    製、“電子的糸条検査ボード−エンタングルメントテス
    タ用 LH−482”を使用して、次の条件で行うもの
    とする。繊維試料を約50m/分の速度で走行させ、P
    rofile−Modeにて繊維の外観形状・表面状態
    (プロフィール)を測定する。次いで、この測定結果の
    中から、任意の点1m分の測定部の結果を0〜10c
    m、10〜20cm、20〜30cm…90〜100c
    mとそれぞれ10cmごとに拡大した結果をA4サイズ
    用紙にプリントアウトする。この結果から繊維の陥没部
    の大きさを計測する。なお、陥没部の大きさの測定に関
    しては、本文中に記載の各記号部分を測定したものであ
    る。また、繊維1m中の陥没部の個数の計数は、上記で
    プリントアウトした繊維表面状態の測定結果から、繊維
    軸に直行して凹状に変形した陥没部を計数し、計数に当
    たっては、10cmごとにA4サイズ用紙にプリントア
    ウトした測定結果プロフィールの上側に記録された陥没
    部をそれぞれ計数し、この個数を合計したものであ
    る。)
  2. 【請求項2】 前記式D1/P1>0.09の関係を満
    たす陥没部の数が、繊維長1m中に60個以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンサルフ
    ァイド繊維。
  3. 【請求項3】 前記繊維が、ASTM D1238−8
    6に準拠し、316℃、オリフィス径2.095mm、
    オリフィス長さ8.00mm、荷重5kgで測定した1
    0分当たりの流出ポリマ量で示されるメルトフローレー
    トが20〜250g/10分のポリフェニレンサルファ
    イドからなることを特徴とする請求項1または2に記載
    のポリフェニレンサルファイド繊維。
  4. 【請求項4】 前記繊維の繊度が0.5〜200000
    dtexであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
  5. 【請求項5】 前記繊維がモノフィラメントであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリ
    フェニレンサルファイド繊維。
  6. 【請求項6】 前記繊維について、JIS L1013
    7.5項に準じて測定した30カ所の引張破断伸度測
    定結果において、下式で表される繊維の引張破断伸度の
    cv値が8以下であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊
    維。 cv値=(引張破断伸度標準偏差σ(%)/引張破断伸
    度平均値(%))×100
  7. 【請求項7】 ポリフェニレンサルファイドを溶融押出
    紡糸し冷却するまでの工程において、口金ノズルから押
    出す溶融ポリマの温度を286℃〜330℃に調節する
    と共に、この溶融ポリマが冷却槽に入るまでに通過する
    エアーギャップを3〜100cmとし、さらに前記口金
    ノズルから押出した溶融ポリマを冷却槽に導いて冷却固
    化させる冷却工程において、前記冷却槽に満たした冷却
    溶媒を、この冷却槽に導いた半固化状態のポリマに向け
    て、送液速度0.5〜12.0cm/秒の条件で連続的
    に送液しつつ冷却することを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記冷却工程において使用する冷却溶媒
    が水であることを特徴とする請求項7に記載のポリフェ
    ニレンサルファイド繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記冷却工程において使用する冷却溶媒
    が、50℃から95℃の温水であることを特徴とする請
    求項8に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の製造
    方法。
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