JP2002284199A - ノズル付き液体収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック製フィルム又はシートの上辺
部、左右の側辺部および底部を巡る周辺部をシールして
内部に液体収納部を形成し、前記上辺部の一方コーナ部
に液体注出用ノズルを形成した立て置き式のノズル付き
液体収納容器において、注出口に開く作用力を与えるた
めに、ノズル部に谷折り線、山折り線等の複雑な折れ線
を形成している。このため、加工工程が増えるたり、ノ
ズル部分に皺が寄った状態で見栄えが悪くなる等の問題
がある。 【解決手段】 ノズルは、その横に縦方向に延びたシー
ル部と上辺部に形成された上方へＶ字状に開いた窪みと
によって上部コーナ部に斜め上方に向くように区画形成
され、注出口部又はその近傍からノズルの根元部方向へ
前記窪みのノズル側の壁に沿って直線状に延び、且つ窪
みと液体レベルとの間の位置において窪みの底下方へ曲
がって注出口部に開口性を与える折れ筋を形成したこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、袋状に形成したノ
ズル付き液体収納容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】液体注出部付き液体収納容器の一種類と
して、液体洗剤、液体柔軟剤、液体石鹸等の詰め替え用
内容物に使用される袋状柔軟性包装体（パウチ）が数々
市場に提供されている。その中で、スタンディングパウ
チ、即ち、立て置き式液体収納容器において、詰め替え
時の注ぎ易さを改良した技術として、特開２０００−１
７７７５６号がある。

【０００３】これは、プラスチックフィルムをヒートシ
ールして形成したノズル部を有する注出機能付き包装袋
において、ノズル部に膨らみ部５を設け、ノズル部５の
両側の下端部、或いはその近傍から包装袋の内方に向か
う第１谷折り線６を設け、第１谷折り線６の交点或いは
その近傍から下方に第２谷折り線７を設けると共に、第
２谷折り線７の両側に山折り線８を設けた構成である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これはそれ以前のもの
からすれば、ノズル部の開口状態の改善は見られるが、
ノズル部の開口を十分に保つという観点から、第１谷折
り線６、第２谷折り線７、山折り線８はかなり深く形成
され、各折り線部分での破損防止のために、包装袋のフ
ィルムを厚くする等の改善とそれに伴うコストアップ等
の問題がある。また山折れ線と谷折れ線の複数の折り線
形成のために加工が複雑である。更に、各折り線部分が
際立って目立ち、包装袋のノズル部分に皺が寄った状態
になって見栄えが悪くなる問題がある。

【０００５】本発明は、このような点に鑑みて、特定さ
れた単純な折れ線によって、特別に厚いプラスチック製
フィルム又はシートでなくても、ノズル部が良好に開
き、外観上も良好なノズル付き液体収納容器を提供する
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の立て置き式のノ
ズル付き液体収納容器は、プラスチック製フィルム又は
シートの上辺部、左右の側辺部および底部を巡る周辺部
をシールして内部に下部が膨らみ上部が窄んだ液体収納
部を形成し、上辺部の一方コーナ部に液体注出用ノズル
を形成した立て置き式液体収納容器において、前記ノズ
ルは、先端部に切断によって形成される注出口部を有し
て、前記側辺部に縦方向に延びたシール部と前記上辺部
に形成された上方へＶ字状に開いた窪みとによって前記
コーナ部に斜め上方に向くように区画形成され、前記液
体収納容器の表面および裏面の相対する同じ位置には、
前記注出口部またはその近傍から前記ノズルの根元部方
向へ前記窪みの前記ノズル側の壁に沿って直線状に延
び、前記窪みの底下方へ緩いカーブ又は折れ曲がりによ
って曲がった前記注出口部に開口性を与える折れ筋を形
成したものである。

【０００７】このため、液体が充填された立て置き状態
において、前記液体収納容器の表面と裏面には、膨らみ
部と傾斜部との境をなすＵ字状の折れ筋が自然に形成さ
れるが、前記ノズルは、前記コーナ部に斜め上方に向く
ように形成されているため、前記注出口部に開口性を与
える折れ筋は、このＵ字状の折れ筋よりもかなり上方位
置となり、立て置き状態における液体レベルよりも高い
位置に形成される。これによって、前記ノズルは、液体
注出時に前記注出口部に向けて重力によって移動する液
体による力が前記注出口部に作用し、前記窪みを取り囲
むように傾斜部が形成され、前記注出口部が良好に開
く。

【０００８】また、液体注出の促進のために、液体収納
容器の底部あるいは中間部を押し潰すとき、前記側辺部
に縦方向に延びたシール部が比較的強いツッパリ部とし
て作用し、且つ前記窪みがそのＶ字状開口を狭めつつ底
方向へ移動することに伴って前記注出口部が前記窪み側
へ傾き、前記注出口部を開く強い作用力が働き、前記注
出口部が大きく開く。

【０００９】また本発明のノズル付き液体収納容器は、
前記折れ筋の下部が、前記立て置き状態における液体レ
ベルと前記窪みとの間の位置において、前記窪みの底下
方側へ曲がったことを特徴とする。このため、前記折れ
筋とその延長部分を境界として、前記窪みを取り囲むよ
うに前記窪みへ向けて下降する急な傾斜面の形成が良好
となり、ノズル先端部の注出口部が良好に開くことにな
る。

【００１０】また本発明のノズル付き液体収納容器は、
前記窪みの前記ノズル側の壁と前記注出口部に開口性を
与える折れ筋との間に、この折れ筋に沿って延びて下部
が前記窪みの底下方へ曲がった谷折れ筋を形成したこと
を特徴とする。この谷折れ筋によって、前記窪みがその
Ｖ字状開口を狭めつつ前記窪みの前記ノズル側の壁がノ
ズル側へ移動しやすくなり、前記注出口部に開口性を与
える折れ筋がノズルの長さ方向の山の折れ筋として機能
して、ノズルを良好に開くことができる。

【００１１】また本発明のノズル付き液体収納容器は、
前記ノズルの横に縦方向に形成されるシール部分には、
前記ノズルが挿入される容器の口縁部に当接して前記ノ
ズルの挿入深さを制限する段部を形成している。これに
よって、ノズルが容器の口へ入り込む深さが制限され、
ノズルが深く入り込むことによって生じるノズルの潰れ
が防止できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図
１は本発明の第１実施形態のノズル付き液体収納容器が
立て置き状態にある斜視図、図２は本発明の第１実施形
態のノズル付き液体収納容器の表面または裏面を表す
図、図３は本発明の第１実施形態のノズル付き液体収納
容器の液体詰め替え状態説明図、図４は本発明の第２実
施形態のノズル付き液体収納容器が立て置き状態にある
斜視図、図５は本発明の第３実施形態のノズル付き液体
収納容器が立て置き状態にある斜視図、図６は本発明の
第４実施形態のノズル付き液体収納容器が立て置き状態
にある斜視図、図７は本発明の第５実施形態のノズル付
き液体収納容器が立て置き状態にある斜視図、図８は立
て置き状態にある図５乃至図７のノズル部の膨らみ状態
を断面で表す説明用図、図９は図５乃至図７のノズル部
の液体注出時の膨らみ状態を断面で表す説明用図、図１
０は図５乃至図７のノズル部に液体注出時に強い作用力
を与えた時の膨らみ状態を断面で表す説明用図である。

【００１３】図１乃至図３に示す第１の実施形態につい
て説明する。液体収納容器１は、その中に充填される液
体内容物としては、液体洗剤、液体柔軟剤、液体石鹸、
その他があり、他のボトルなどの容器へこの内容物を詰
め替える詰め替え用として収納する袋状柔軟性包装体
（パウチ）であり、底部を下にしてテーブル等の上に立
てて置くことができる、スタンディングパウチと称され
る立て置き式のノズル付き液体収納容器である。この液
体収納容器１は、面対応に位置された一対のプラスチッ
ク製フィルム又はシートの周辺部をシールして一部分に
液体注出用ノズルを形成した構成である。その具体的な
構成は、面対応に位置された表面材２と裏面材３及び底
面材４を後述のように周辺部でヒートシールして下部が
膨らみ上部が窄んだ袋状に構成したものであり、表面材
２、裏面材３及び底面材４はそれぞれ透明材、不透明
材、半透明材のいずれかのプラスチック製フィルム又は
シートで構成される。

【００１４】このフィルム又はシートの構成は、例え
ば、外側層がナイロンフィルム、内側層が線状低密度ポ
リエチレンフィルムからなる二層構造のもの、また外側
層が二軸延伸ナイロンフィルム、中間層が一軸延伸ポリ
オレフィンフィルム、内側層が線状低密度ポリオレフィ
ンからなる三層構造のもの、また外側層がナイロンフィ
ルム、中間層がアルミニウム真空蒸着ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、内側層が線状低密度ポリエチレン
フィルムからなる三層構造のもの、また、外側層が酸化
アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、中間層がナイロンフィルム、内側層が線状低密度ポ
リエチレンフィルムからなる三層構造のもの、また、外
側層がポリエチレンテレフタレートフィルム、外側中間
層がアルミニウム箔、内側中間層がナイロンフィルム、
内側層が線状低密度ポリエチレンフィルムからなる四層
構造等の構成である。

【００１５】表面材２と裏面材３相互の周辺接合部５
と、表面材２と裏面材３の各下部と底面材４の接合部６
とは、それぞれヒートシールされ、表面材２と裏面材３
の間には、底部が前後に広がった内容物充填用収納部７
を液体収納容器１の内部に形成している。外側層を透明
とし、中間層をアルミニウム又はその他の無機化合物を
真空蒸着法等の方法によって蒸着して無機化合物蒸着層
を設けたバリア性フィルムとして、外観が銀色等を呈す
る液体収納容器１とすることもできる。

【００１６】このように、液体収納容器１は、表面材２
と裏面材３を構成するプラスチック製フィルム又はシー
トの上辺部１０、左側辺部１１、右側辺部１２および底
部１３を巡る周辺部をシールして内部に下部が膨らみ上
部が窄んだ液体収納部７を形成し、上辺部の一方コーナ
部１５（図１では左コーナ部）に液体注出用ノズル８を
形成した立て置き式ノズル付き液体収納容器である。ノ
ズル８は、左側辺部１１または右側辺部１２（図１では
左側辺部１１）に縦方向に延びたシール部５Ａと、上辺
部１０に形成された上方へＶ字状に開いた窪み１４とに
よってコーナ部１５に斜め上方に向くように区画形成さ
れている。窪み１４は、その底部に丸みを持たせること
によって、この底部から裂けることを防止している。ま
たノズル８は、先端部に切断によって形成される注出口
部９を有している。注出口部９はシール部５Ａを切り込
んで形成したノッチ１６から表面材２と裏面材３を手で
引き裂くことによって形成でき、はさみ等の工具なしに
注出口部９を切断形成できる構成である。

【００１７】液体収納容器１は、上辺部１０、左側辺部
１１、右側辺部１２および底部１３を巡る周辺部をシー
ルして、底部が前後に広がった形状の内容物充填用収納
部７を形成するが、液体収納容器１内への液体の充填の
ために、図１の窪み１４の右側の上辺部１０の部分２０
を残して他の周辺部がシールされる。液体収納容器１内
への液体の充填は、通常、工場において、未シール部２
０に形成される表面材２と裏面材３間の開口へ液体注入
ノズルを挿入して行われる。この充填の後に、内容物充
填用収納部７の脱気を行い、未シール部２０はヒートシ
ールされる。

【００１８】このようにして液体が充填された液体収納
容器１は、立て置き状態において、底部が前後に膨らん
だ形状をし、上辺部は脱気によって表面材２と裏面材３
とが密着または接触状態となる。このため、表面材２と
裏面材３の上下中間部から左側辺部１１と右側辺部１２
とに向けて略Ｖ字状またはＵ字状に広がった形状の稜線
２１が自然に形成される。この稜線２１の内側は、膨ら
み部分から上方へ向けて傾斜する傾斜面２２となる。こ
のため、立て置き状態における液体レベルは１９で示す
位置である。この稜線２１の形状は、充填された液体の
量や、表面材２と裏面材３の材質などによって多少異な
るが、概ね図２に２１Ａまたは２１Ｂで示すように、表
面材２と裏面材３の上下中間部から左側辺部１１と右側
辺部１２とに向けて略Ｖ字状またはＵ字状に広がった形
状となる。

【００１９】本発明の液体収納容器１は、その表面材２
および裏面材３の相対する同じ位置に、略し字状の折れ
筋２３をノズル８の中央部に形成している。この折れ筋
２３は、ノズル８の中央部を注出口部９またはその近傍
からノズル８の根元部１７方向へ向けて、窪み１４のノ
ズル側の壁１８（この壁を形成するシール部分に相当す
る）に平行状態に沿って延び、且つ窪み１４と立て置き
状態における液体レベル１９との間の位置において略窪
み１４の底下方側へカーブしている。この折れ筋２３
は、ノズル８が表面材２および裏面材３を外方へ膨らま
せるように、外方へ凸状となる山折れ線（または罫線と
もいう）を表面材２および裏面材３に型押しにて形成し
ている。壁１８が直線である場合には、この折れ筋２３
は壁１８に平行状態の直線をなし、下方において窪み１
４側へカーブする。

【００２０】本発明の液体収納容器１のノズル８は、左
側辺部１１または右側辺部１２（図１では左側辺部１
１）に縦方向に延びたシール部５Ａと、上辺部１０に形
成された上方へＶ字状に開いた窪み１４とによって、コ
ーナ部１５に斜め上方に向くように区画形成されてい
る。このため、液体収納容器１から他の容器２７へ液体
を注ぐときにノズル８を良好に膨らませるための折れ筋
２３は、液体収納容器１を立て置き状態において液体収
納容器１の表面に自然に形成される稜線２１（２１Ａま
たは２１Ｂ）の延長上ではない。

【００２１】これは、ノズル８の向きがコーナ部１５に
斜め上方に向くように形成されているために、ノズル８
の向きが稜線２１（２１Ａまたは２１Ｂ）の延長上に位
置しないためである。このため、折れ筋２３は、ノズル
８の略中央部をノズル８の向きに延びてＶ字状に開いた
窪み１４の下方部において略窪み１４の底下方に向かっ
て緩くカーブしている。

【００２２】折れ筋２３は、ノズル８の先端部（注出口
部９またはその近傍）からノズル８の根元部１７方向へ
向けて全体が直線状に延びるものも考えられるが、後述
のように窪み１４を取り囲むように傾斜面２４を形成し
てノズル８に十分な膨らみを持たせるためには、図のよ
うに窪み１４のノズル８側の壁１８に沿って直線状に延
びて下部で窪み１４側へカーブするか、または、ノズル
８の先端部（注出口部９またはその近傍）からノズル８
の根元部１７方向へ向けて、全体を図１の点線の如く、
左側へ膨らみつつ窪み１４側へ緩やかにカーブした形状
にするものでもよい。

【００２３】折れ筋２３の下部が、窪み１４と立て置き
状態における液体レベル１９との間の位置において、略
窪み１４の底下方側へカーブしていることによって、後
述のように、折れ筋２３とその延長部分を境界２５とし
て窪み１４を取り囲むように窪み１４へ向けて下降する
急な傾斜面２４が良好に形成される。

【００２４】このような構成によって、液体収納容器１
から他の容器２７へ液体を注ぐときノズル部８へ向けて
移動する液体による力が注出口部９に作用し、図１の左
辺１１のシール部５Ａのツッパリ作用を受けてノズル部
８の倒れこみが抑制された状態で、図２および図３に示
すように、折れ筋２３とその延長部分を境界２５として
窪み１４を取り囲むように窪み１４へ向けて下降する急
な傾斜面２４が形成され、ノズル部８の先端部の注出口
部９が良好に開くことになる。

【００２５】液体収納容器１から他の容器２７へ液体を
注ぐとき、液体収納容器１の底部あるいは中間部を押圧
すると、左辺１１のシール部５Ａのツッパリ作用を受け
てノズル部８の倒れこみが抑制されつつ、窪み１４は、
図２および図３に示すように、そのＶ字状開口を狭めつ
つ底方向へ一点鎖線２６のように移動することに伴って
注出口部９が窪み１４側へ傾き、注出口部９を開く強い
作用力が働き、注出口部９が大きく開く。なお、前述の
ように、液体収納容器１の底部あるいは中間部を強く押
圧すると、傾斜面２４を形作る境界２５は、図２および
図３の２５Ａで示すように途中で折れ曲がる状態になる
場合がある。

【００２６】上記のように、液体が充填された立て置き
状態において、底部が前後に膨らんだ形状をし、上辺部
は脱気によって表面材２と裏面材３とが密着または接触
状態となった液体収納容器１には、膨らみ部分から上方
へ向けて傾斜する傾斜面２２が表面材２と裏面材３の上
下中間部に形成され、この膨らみ部分と傾斜面２２との
境に略Ｖ字状またはＵ字状に広がった形状の稜線２１が
自然に形成される。

【００２７】このような液体収納容器１において、本発
明の特徴は、ノズル８が上部コーナ部１５において斜め
上方に向くように形成されていること、そして、折れ筋
２３は、前記Ｕ字状の折れ筋（稜線）２１とは異なる上
方の位置で、窪み１４よりも下方で略窪み１４の底下方
へ曲がっていることである。これによって、ノズル８
は、液体注出時に注出口部９に向けて重力によって移動
する液体による力が注出口部９に作用し、し字状の折れ
筋２３に沿って窪み１４を取り囲むように窪み１４に向
けて下降する傾斜部２４が形成され、それによって注出
口部９が良好に開く効果がある。この効果は、液体収納
容器１の底部あるいは中間部を押圧することによって、
一層助長される。

【００２８】図４には、本発明のもう一つの実施形態を
示す。図４において、図１乃至図３と同符号は同じ機能
部を示すものであり、その説明は図１乃至図３において
記載したことと同じであり、ここでは省略する。図１乃
至図３と異なるところは、折れ筋２３の形状が、下部に
おいて略く字状に窪み１４側へ折れ曲がっていることで
ある。この場合も、折れ筋２３の下部が、窪み１４と立
て置き状態における液体レベル１９との間の位置におい
て、略窪み１４の底下方側へ略く字状に折れ曲がってい
ることによって、前述のように、折れ筋２３とその延長
部分を境界２５として窪み１４を取り囲むように窪み１
４へ向けて下降する急な傾斜面２４が良好に形成され
る。

【００２９】この構成によって、液体収納容器１から他
の容器２７へ液体を注ぐときノズル部８へ向けて移動す
る液体による力が注出口部９に作用し、図４の左辺１１
のシール部５Ａのツッパリ作用を受けてノズル部８の倒
れこみが抑制された状態で、折れ筋２３とその延長部分
を境界として、図３に２５Ａで示したような境界によっ
て窪み１４を取り囲む急な傾斜面２４が形成され、ノズ
ル部８の先端部の注出口部９が良好に開くことになる。

【００３０】図５乃至図１０には、更に向上した効果を
奏する実施形態を開示している。これらは、窪み１４の
ノズル８側の壁１８と折れ筋２３との間に、折れ筋２３
に沿って延びて下部が窪み１４の底下方へ曲がった谷折
れ筋４０を、表面材２および裏面材３の相対する同じ位
置に、内方へ凹状となる折れ線（または罫線ともいう）
を型押しにて形成している。

【００３１】図５は図１の実施形態において、窪み１４
のノズル８側の壁１８とし字状の折れ筋２３との間に、
折れ筋２３に沿って延びて下部が窪み１４の底下方へ曲
がった、し字状の谷折れ筋４０を形成している。

【００３２】図６は図４の実施形態において、窪み１４
のノズル８側の壁１８とく字状の折れ筋２３との間に、
折れ筋２３に沿って延びて下部が窪み１４の底下方へ、
く字状に折れ曲がった谷折れ筋４０を形成している。

【００３３】図７は図４の実施形態において、窪み１４
のノズル８側の壁１８とく字状の折れ筋２３との間に、
折れ筋２３に沿って延びて下部が窪み１４の底下方へ緩
くカーブした、し字状の谷折れ筋４０を形成している。

【００３４】図５乃至図７におけるノズル８の膨らみ状
態を図８乃至図１０に示す。液体収納容器が立て置き状
態にあるとき、ノズル８は、略図８のように表面材２と
裏面材３とが若干離れた自然の膨らみ状態である。

【００３５】ノズル８を下にして液体を注出する時の膨
らみ状態は、略図９の状態である。即ち、液体収納容器
１から他の容器２７へ液体を注ぐときノズル８へ向けて
移動する液体による力が注出口部９に作用し、左辺１１
のシール部５Ａのツッパリ作用を受けてノズル８の倒れ
こみが抑制された状態で、谷折れ筋４０の部分が内側方
向へ曲がり、窪み１４のノズル８側の壁１８がシール部
５Ａ側へ寄ることによって、折れ筋２３の部分の山が高
くなり、前述のように、折れ筋２３とその延長部分を境
界２５として窪み１４を取り囲むように窪み１４へ向け
て下降する急な傾斜面２４が形成され、ノズル部８の先
端部の注出口部９が良好に開くことになる。

【００３６】液体収納容器１から他の容器２７へ液体を
注ぐとき、液体収納容器１の底部あるいは中間部を押圧
すると、左辺１１のシール部５Ａのツッパリ作用を受け
てノズル部８の倒れこみが抑制されつつ、図１０のよう
に、図９の状態よりも更に窪み１４のノズル８側の壁１
８がシール部５Ａ側へ寄るため、これによって、折れ筋
２３の部分の山が更に高くなり、前述のように、折れ筋
２３とその延長部分を境界２５として窪み１４を取り囲
むように窪み１４へ向けて下降する急な傾斜面２４が形
成され、ノズル部８の先端部の注出口部９が、より良好
に開くことになる。

【００３７】このように、谷折れ筋４０の形成によっ
て、窪み１４がそのＶ字状開口を狭めつつ窪み１４のノ
ズル８側の壁１８がノズル８側へ移動しやすくなり、折
れ筋２３がノズル８の長さ方向の山折れ筋として機能
し、ノズル８とその注出口部９を良好に開くことができ
る。

【００３８】本発明はもう一つの特徴を有する。即ち、
本発明の液体収納容器１は、他の容器２７へ液体を注ぐ
とき、図３のように容器２７の口２８へノズル８を挿入
して行うが、この場合、ノズル８の横に位置する側辺部
１１に縦方向に延びたシール部５のうち、ノズル８に対
する部分５Ａには、容器２７の口２８の縁部に当接する
段部２９を窪ませて形成している。これによって、ノズ
ル８が容器２７の口２８へ入り込む深さが制限され、ノ
ズル８が深く入り込むことによって生じるノズル８の潰
れが防止できる特徴がある。

【００３９】前述のようにノズル８の倒れこみ防止のた
めに、シール部５にはツッパリ強度を維持することが必
要である。シール部５には段部２９を窪ませて形成して
いるが、シール部５は、下部よりも上部のシール幅を大
きくしており、この大きいシール幅部分に段部２９を形
成することによって、前述のツッパリ強度は維持されて
いる。

【００４０】ノッチ１６部分から手で破断することによ
って注出口部９が開口するが、この破断を容易にするた
めに、ノッチ１６の上部には指で掴み易い掴み部３０を
形成している。この構成によって、ノズル８の横のシー
ル部５Ａには、ノッチ１６と段部２９とが上下に離れて
形成された凹部３１が存在する形状である。

【００４１】上記実施形態では、ノズル８を液体収納容
器１の左上隅に斜め上方へ向くように形成したが、これ
とは対象に、ノズル８を液体収納容器１の右上隅に斜め
上方へ向くように形成してもよい。

【００４２】本発明は、上記実施形態に限定されず、本
発明の技術的範囲を逸脱しない限り種種の変更が考えら
れ、それに係る種種の実施形態を包含するものである。

【００４３】

【発明の効果】請求項１の発明によると、前記ノズル
は、液体注出時に前記注出口部に向けて重力によって移
動する液体による力が前記注出口部に作用し、前記し字
状の折れ筋が外側方向へ向く共に前記窪みを取り囲むよ
うに傾斜部が形成され、前記注出口部が良好に開く。ま
た、液体注出の促進のために、液体収納容器の底部ある
いは中間部を押し潰すとき、前記側辺部に縦方向に延び
たシール部が比較的強いツッパリ部として作用し、且つ
前記窪みがそのＶ字状開口を狭めつつ底方向へ移動する
ことに伴って前記注出口部が前記窪み側へ傾き、前記注
出口部を開く強い作用力が働き、前記注出口部がより大
きく開く。

【００４４】請求項２の発明によると、前記折れ筋によ
って、前記折れ筋とその延長部分を境界として、前記窪
みを取り囲むように前記窪みへ向けて下降する急な傾斜
面の形成が良好となり、ノズル先端部の注出口部が良好
に開くことになる。

【００４５】請求項３の発明によると、谷折れ筋によっ
て、前記窪みがそのＶ字状開口を狭めつつ前記窪みの前
記ノズル側の壁がノズル側へ移動しやすくなり、前記注
出口部に開口性を与える折れ筋がノズルの長さ方向の山
の折れ筋として機能して、ノズルを良好に開くことがで
きる。

【００４６】請求項４の発明によると、前記ノズルの横
に縦方向に形成されるシール部分には、前記ノズルが挿
入される容器の口縁部に当接する段部を形成している。
これによって、ノズルが容器の口へ入り込む深さが制限
され、ノズルが深く入り込むことによって生じるノズル
の潰れが防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態のノズル付き液体収納容
器が立て置き状態にある斜視図である。

【図２】本発明の第１実施形態のノズル付き液体収納容
器の表面または裏面を表す図である。

【図３】本発明の第１実施形態のノズル付き液体収納容
器の液体詰め替え状態説明図である。

【図４】本発明の第２実施形態のノズル付き液体収納容
器が立て置き状態にある斜視図である。

【図５】本発明の第３実施形態のノズル付き液体収納容
器が立て置き状態にある斜視図である。

【図６】本発明の第４実施形態のノズル付き液体収納容
器が立て置き状態にある斜視図である。

【図７】本発明の第５実施形態のノズル付き液体収納容
器が立て置き状態にある斜視図である。

【図８】立て置き状態にある図５乃至図７のノズル部の
膨らみ状態を断面で表す説明用図である。

【図９】図５乃至図７のノズル部の液体注出時の膨らみ
状態を断面で表す説明用図である。

【図１０】図５乃至図７のノズル部に液体注出時に強い
作用力を与えた時の膨らみ状態を断面で表す説明用図で
ある。

【符号の説明】

１……液体収納容器 ２……表面材 ３……裏面材 ４……底面材 ５Ａ……ノズルの横に縦方向に延びたシール部 ７……液体収容部 ８……ノズル部 ９……注出口部 １４…窪み １５…コーナ部 １６…ノッチ １７…ノズルの根元部 １８…窪みのノズル側の壁 １９…液体レベル １９…略Ｖ字状の傾斜面 ２１…稜線 ２２…傾斜部 ２３…し字状の折れ筋 ２４…傾斜部 ２５…境界 ２７…他の容器 ２８…容器の口縁部 ２９…段部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E064 AB23 BA17 BA26 BA36 BA55 BB03 BC08 BC18 EA12 EA21 EA23 FA04 GA02 HF09 HG01 HM01 HN05 HP01 HS05

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチック製フィルム又はシートの上
   辺部、左右の側辺部および底部を巡る周辺部をシールし
   て内部に下部が膨らみ上部が窄んだ液体収納部を形成
   し、前記上辺部の一方コーナ部に液体注出用ノズルを形
   成した立て置き式のノズル付き液体収納容器において、
   前記ノズルは、先端部に切断によって形成される注出口
   部を有して、前記側辺部に縦方向に延びたシール部と前
   記上辺部に形成された上方へＶ字状に開いた窪みとによ
   って前記コーナ部に斜め上方に向くように区画形成さ
   れ、前記液体収納容器の表面および裏面の相対する位置
   には、前記注出口部またはその近傍から前記ノズルの根
   元部方向へ前記窪みの前記ノズル側の壁に沿って直線状
   に延び、前記窪みの底下方へ曲がった前記注出口部に開
   口性を与える折れ筋を形成したことを特徴とするノズル
   付き液体収納容器。
2. 【請求項２】 前記折れ筋の下部が、前記立て置き状態
   における液体レベルと前記窪みとの間の位置において、
   前記窪みの底下方側へ曲がったことを特徴とする請求項
   １に記載のノズル付き液体収納容器。
3. 【請求項３】 前記窪みの前記ノズル側の壁と前記折れ
   筋との間に、前記折れ筋に沿って延びて下部が前記窪み
   の底下方へ曲がった谷折れ筋を形成したことを特徴とす
   る請求項１又は２に記載のノズル付き液体収納容器。
4. 【請求項４】 前記ノズルの横に縦方向に形成されるシ
   ール部分には、前記ノズルが挿入される容器の口縁部に
   当接して前記ノズルの挿入深さを制限する段部を形成し
   たことを特徴とする請求項１乃至３の何れかに記載のノ
   ズル付き液体収納容器。