JP2002283443A - プラスチック気泡シートの製造方法および製造装置 - Google Patents
プラスチック気泡シートの製造方法および製造装置Info
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Abstract
のダイリップ、押し出された2枚のフィルムの一方を真
空成形によりキャップフィルムとするための、多数の凹
みと真空吸引手段をそなえた成形ロール、2枚のフィル
ムの他方を、キャップフィルムのキャップの底面にバッ
クフィルムとして貼り付けるための加圧ロール、および
製品気泡シートの剥離ロールを備えたプラスチック気泡
シートの製造装置において、T−ダイを出る2枚の溶融
フィルムが成形ロールに向かう角度を適切に選ぶことが
でき、ダイリップから成形ロールまでのエアギャップが
短く、かつ、成形ロールの表面温度を従来より低くする
ことができ、それによって生産性を向上させることが容
易な気泡シートの製造装置を提供すること。 【解決手段】 2本のダイリップを1個のダイヘッドに
設け、ダイヘッドの形状を、その成形ロールに近接した
側を削った形とすることにより、T−ダイのダイリップ
を成形ロールに関して最適の位置に開口できるようにし
た装置。2本のダイリップを、溶融プラスチックの吐出
方向に関して高低差をもって設けることが有利である。
Description
シートの製造方法および製造装置に関する。
を材料とし、真空成形により多数のキャップを形成した
キャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを貼り合
わせ、多数の密閉された空気室を形成したプラスチック
気泡シート(以下単に「気泡シート」という)が、主と
して緩衝包装の分野で、また一部は断熱材として使用さ
れている。
の概要を示すように、2台の押出機(1A,1B)と2
本のT−ダイ(2A,2B)とを使用し、それらから出
る溶融プラスチックフィルムの一方をキャップフィルム
用フィルム(8A)、他方をバックフィルム用フィルム
(8B)とし、キャップフィルム用フィルムを真空成形
用の多数の凹みと真空吸引手段とを有する真空成形ロー
ル(4)によりキャップフィルムに成形し、その裏面す
なわちキャップの底面にバックフィルム用フィルムをバ
ックフィルムとして貼り合わせ、加圧ロール(5)で完
全に一体にして、製造されたプラスチック気泡シート
(9)を剥離ロール(6)で真空成形ロールから剥がし
取って製品を得る、という手順によっている。
を設置するため、それら同士の、またはそれらと真空成
形ロールとの取り合いの問題があって、ダイリップの開
口を最適の位置に置くことは困難である。ダイリップは
真空成形ロールから相当離れた位置にあって、「エアギ
ャップ」が長く、フィルムが加工を受けるまでに冷えて
しまうので、T−ダイを出る樹脂温度は、それを見込ん
で若干高くする必要がある。プラスチックの塑性加工に
おいて、樹脂温度は必要な限度で低い方がよいことは、
いうまでもない。
あると、それらから出る2枚の溶融フィルムが真空成形
ロールに向かうときになす角度は、大きくならざるを得
ない。結果として、バックフィルムがキャップフィルム
にくらべて、必要以上に早く真空成形ロールに触れてし
まい、その裏面にバックフィルムが接触するまでの回転
角が大きく、従ってその間に経過する時間が、必要以上
に長くなる。真空成形ロールはなるべく低い温度で操業
したいが、そうすると、キャップフィルムにバックフィ
ルムが接触するときにキャップフィルムが冷えすぎてし
まうため、相互の融着が不完全になりがちである。いき
おい真空成形ロールを保温して、その表面温度を高温
に、ポリエチレンを材料とする場合には80℃程度にせ
ざるを得ないが、そうすると真空成形ロールからの製品
気泡シートの剥離が悪くなり、高速で運転することがで
きない。
PEを材料とする気泡シートの製造において、キャップ
フィルムをいったん冷却して延伸し、再度加熱して塑性
を回復させてから成形に向ける、「冷却再加熱法」を開
発して実施してきた。これにより、フィルムの強度を高
め、剛性のある(腰の強い)気泡シートを製造すること
ができる。上記した従来技術は、冷却再加熱法との対比
において「ダイレクト法」と呼ばれる。
Eやメタロセン触媒を用いたポリエチレンなどが台頭
し、延伸を施さなくても十分な強度をもった製品が得ら
れるようになった。そこで、冷却再加熱法にくらべてエ
ネルギー消費の少ないダイレクト法の採用が、再度注目
されるようになった。
さと気泡の圧縮強度との関係について調べ、現在、常法
により製造されている気泡シートは、材料として押し出
されたキャップフィルム用フィルムが本来有すべき強度
より、はるかに低い強度しか示していないことを知っ
た。そしてこの点を改善する策として、キャップシート
とするプラスチック材料に結晶性のポリオレフィンを使
用し、押し出された溶融フィルムを冷却して結晶化温度
領域内の温度にし、この温度領域で真空成形を行なって
キャップシートを得る、という製造方法を開発し、すで
に提案した(特願2001−170624号)。
は、気泡シートの製造技術に関する上記の変遷、すなわ
ち加熱・冷却法からダイレクト法への回帰に対応し、従
来のダイレクト法がもっていた欠点を解消し、フィルム
を供給するT−ダイのダイリップを真空成形ロールに関
して最適の位置に開口させることができ、したがってダ
イリップから真空成形ロールまでのエアギャップを短く
でき、樹脂温度をあまり高くする必要がなく、2枚の溶
融フィルムが真空成形ロールに向かう角度を適切に選ぶ
ことができ、かつ、真空成形ロールの表面温度を従来よ
り低くすることができ、それによって生産性を向上させ
ることが容易な気泡シートの製造方法および製造装置を
提供することにある。
発した気泡シートの改良技術を、上記の一般的な目的を
達成する技術に適用し、同じフィルム厚さならより強度
が高く、同じ強度でよければより薄いフィルムで間に合
う気泡シートの製造技術を確立することにある。
達成するプラスチック気泡シートの製造方法は、図2に
示すように、2本のダイリップからプラスチックを溶融
押出しし、押出されてできた2枚のフィルムの一方をキ
ャップフィルム用フィルム(8A)とし、他方をバック
フィルム用フィルム(8B)とし、キャップフィルム用
フィルを、真空吸引される多数の凹みをそなえた真空成
形ロール(4)で成形して多数のキャップをもったキャ
ップフィルムとし、バックフィルム用フィルムを、真空
成形ロール(4)上にあるキャップフィルムに加圧ロー
ル(5)により貼りつけて、多数の密閉された空気室を
形成することからなるプラスチック気泡シートの製造方
法において、1個のダイヘッド(3)に設けられ、小さ
な距離をおいて平行に走る2本のダイリップ(31A,
31B)が真空成形ロール(4)に近接した位置に開口
する装置を使用すること、図3にみるように、加圧ロー
ル(5)を真空成形ロールのほぼ真横から接触させる
が、キャップフィルム用フィルム(8A)のみならずバ
ックフィルム用フィルム(8B)をもこれらロールの接
触点から上に向かう垂線(V)よりは真空成形ロール側
に傾いた方向から供給すること、および真空成形ロール
表面の温度をほほ常温に保って貼り合わせを行なうこと
を特徴とする。
トの製造方法は、少なくともキャップフィルムとするプ
ラスチック材料として結晶性のポリオレフィンを使用
し、キャップフィルム用フィルムが真空成形ロールに接
触するに先立ってこれを冷却して結晶化温度領域内の温
度までフィルムの温度を下げ、結晶化の進行に伴う発熱
のためにフィルムの温度低下が緩やかになっている間に
真空成形を行なってキャップフィルムを得、バックフィ
ルムと貼り合わせることを特徴とする。
法を実施するための本発明の装置は、図2に見るよう
に、プラスチックを溶融押出しする押出機(1)、2本
のダイリップ、押し出された2枚のフィルムの一方すな
わちキャップフィルム用フィルムを真空成形によりキャ
ップフィルムとするための、多数の凹みと真空吸引手段
をそなえた真空成形ロール(4)、2枚のフィルムの他
方すなわちバックフィルム用フィルムを、キャップフィ
ルムのキャップの底面にバックフィルムとして貼り付け
るための加圧ロール(5)、製造されたプラスチック気
泡シートを真空成形ロールから剥離するための剥離ロー
ル(6)および製品を巻き取るための巻取手段(図示し
てない)を必須構成部分とするプラスチック気泡シート
の製造装置において、上記2本のダイリップ(31A,
31B)が1個のダイヘッド(3)に設けられ、ダイヘ
ッドの形状が、ダイリップが真空成形ロールに近接した
位置に開口するとともに、キャップフィルム用フィルム
(8A)のみならずバックフィルム用フィルム(8B)
も、図3にみるように、真空成形ロール(4)と加圧ロ
ール(5)との接触の接触点から上に向かう垂線(V)
よりは真空成形ロール側に傾いた方向から供給すること
を可能にするものであることを特徴とする。
施するための本発明の装置は、図4に見るように、吐出
されたキャップフィルム用フィルムに対する冷却用のエ
アーナイフ(ともに図示してない)を備え、フィルム
の、前記した結晶化温度領域への冷却を行なってからキ
ャップフィルムの真空成形を行なうように構成した製造
装置である。この装置に使用するダイヘッドとしては、
図5に示したような構造をもつものが好適である。すな
わち、2本のダイリップ(33A,33B)が、溶融プ
ラスチックの吐出方向に関して高低差をもって設けられ
たダイヘッド(3’)を使用し、低い側のリップ(33
A)からキャップフィルム用フィルム(8A)を吐出
し、エアーナイフ(34)で冷却して真空成形ロール
(4)に向かわせ、一方、高い側のリップ(33B)か
らバックフィルム用フィルム(8B)を吐出するように
構成したものである。これにより、前記した傾きをもつ
フィルム供給が可能になる。
プする形で、1本または数本(通常は、図示した2本が
適切である)の、内部に冷水を通す冷却ロール(7)を
設けて、加圧ロールの表面を冷却することが好ましい。
加圧ロールは、一般に鋼製のロールの表面にゴムを貼り
つけて製作したものであり、熱伝導はよくないから、溶
融した状態で真空成形ロールと加圧ロールの間に供給さ
れる2枚のフィルムが与える熱により、操業中に温度が
上昇してしまう。真空成形ロールの表面の温度を低くす
ることができ、かつ、それが好ましい本発明の製造方法
においては、真空成形ロールを冷却する手段を用いるこ
とが、きわめて好ましい。
押出機を2台(1A,1B)使用し、同じダイヘッド
(3)の中に別々に設けた樹脂マニホールド(32A,
32B)に、それぞれ別個のプラスチックを供給して実
施する。これにより、キャップフィルムとバックフィル
ムとが、物性、色および添加剤の少なくともひとつにお
いて異なる気泡シートが製造できる。具体例は、表裏で
色の異なるものや、一方の面だけに帯電防止機能をもた
せたものなどである。図4に示したリップに高低差のあ
るダイヘッドにおいても、この図5に示すタイプとする
ことは、もちろん可能である。
れるダイリップが異なれば、加熱の手段を工夫すること
により、樹脂温度をコントロールして若干の差を付ける
ことは可能である。ダイリップにおける樹脂温度のコン
トロールは、物性の異なるプラスチックを併用する場合
に必要なことが多いが、同じプラスチックの場合で、行
ないたいことがあり、たとえばバックフィルムを少し高
い温度にして、キャップフィルムとの完全な融着をはか
ることができる。
は、もちろん押出機を2台使用する態様の方が有利であ
る。いうまでもないが、押出機から異なる温度で押し出
すことができるばかりでなく、ダイヘッド内で、各樹脂
マニフォルド内にある溶融プラスチックを別個に加熱し
てその温度を保つことができるからである。
メンションを示せば、真空成形ロールの外径としては2
5〜50cmの範囲、代表的には30cm台であり、2
本のダイリップの間隔が10〜100mm、垂線(V)に
対する傾きを、キャップフィルム用フィルムは80〜1
0度、バックフィルム用フィルムは70〜0度の範囲に
設定した装置である。
本のダイリップの間隔を小さくできるから、図3に見る
ように、真空成形ロール(4)と加圧ロール(5)との
接点から立てた垂線(V)に対する、キャップフィルム
(8A)とバックフィルム(8B)との供給方向の傾き
すなわち角度(θb)と(θc)との差、換言すれば2
枚のフィルムがなす角度(θc−θb)を小さくするこ
とができるから、キャップフィルムが点(I)において
真空成形ロールに触れてキャップの成形が行なわれた直
後に、点(II)においてキャップフィルム裏面にバッ
クフィルムが接触し、融着が起こる。点(I)と点(I
I)との距離は、キャップの真空成形が可能な限度で、
小さいのが好ましいことは、容易に理解されるであろ
う。このような条件下で融着させれば、キャップフィル
ムは、成形直後であるため、真空成形ロールに触れた側
の表面が凝固しても、裏面はなお溶融状態に近い。プラ
スチックスの熱伝導性は低いからである。
さいだけでなく、上記の垂線に対して大きく傾いた方向
から(θbおよびθcが大きい条件)、すなわち真空成
形ロールに近接した方向から行なわれるから、真空成形
ロールの回転によって2枚のフィルムを真空成形ロール
に向かって押しつける力が働き、これも融着を助ける。
それゆえ、2枚のフィルムの融着は完全に行なわれ、加
圧ロールの働きは、貼り合わせるというよりは、融着の
ダメ押しをして、フィルム裏面の平坦性を確保するとい
う程度である。
クフィルムとの融着にとって好都合な条件がそろうとい
うことは、逆にみれば、真空成形ロールの表面温度を低
くすることが可能である、ということを意味する。つま
り、従来は融着の確保のために保温していたものを、逆
に冷却することができる。真空成形ロールの表面温度を
低くすることができれば、製品気泡シートの真空成形ロ
ールからの剥離が容易になって、より高速での運転が可
能になり、生産性を高めることができる。
の距離、すなわち、前述のエアギャップを短くできると
いうことは、ダイリップから吐出された溶融プラスチッ
クフィルムが真空成形ロールに至る間に幅が狭まる、
「ネックイン」と呼ばれる現象を、最小限に抑えた形で
気泡シートを製造することを許容する。ネックインは、
プラスチックの種類によってその生じる程度が異なるの
で、ダイリップの長さが一定であれば、材料を変更する
たびに製造できる気泡シート製品の最大幅が異なること
になり、もし一定の製品幅を確保する必要があれば、ダ
イリップの長さを可変にしておかないと、材料にロスが
出ることになる。本発明によりネックインが顕著に減少
する結果、この問題はほぼ解消する。
加工されるまでの間の冷却が少なくなり、その分だけ吐
出時の樹脂温度を低くすることができる。これは、一方
で上記したネックインの減少を助長し、他方でプラスチ
ックの劣化を少なくする。
用フィルムの成形について説明を補足する。溶融状態の
結晶性ポリオレフィンが冷却されたとき、或る温度にお
いて結晶化が開始し、このとき、ポリオレフィン内部で
は結晶化の進展に伴って結晶化熱が発生するため、温度
の低下が結晶化熱により遅らされて、結晶化の大部分が
完了するまでフィルムの温度低下が緩やかに進み、温度
があまり変化しないかのように見える。結晶化が完了す
ると、温度低下の速度は、開始前と同様に速くなる。こ
の、温度低下が緩やかに進む上限の温度と下限の温度と
の間が、結晶化温度領域である。
ップの圧縮強度が小さい理由は、キャップの頂の周囲お
よび裾野が肉薄になるからであることが、実測により判
明した。このようなキャップができる原因として、つぎ
のような機構が考えられる。すなわち、溶融状態にある
キャップフィルム用フィルムは、真空成形ロールのくぼ
みに吸引されると、まず、くぼみの縁で限定された内部
がくぼみに引き込まれて行き、その中央部分がくぼみの
底に着く。このとき、くぼみの縁に当たる部分のフィル
ムは流動性が高いから、くぼみ内部に引き込まれる部分
に引きずられて、肉薄になる。くぼみの底の中央部に着
いたフィルムは、その場所に固定され、冷却されるた
め、もはやあまり変形しないが、底の周辺の部分は、そ
の後に吸引されて広がり、くぼみの隅に至るから、引き
延ばされて肉薄になる。
るポリオレフィンが結晶化の進行段階にあるから、真空
成形が適用可能な程度の可塑性は有するものの、高い流
動性はなくなっていて、変形に引きずられてフィルムの
面内で流動することが、溶融状態にあるフィルムよりは
少なく、キャップの、場所による肉厚の差が生じにく
い。
差が小さいキャップフィルムを製造する上で好都合な結
晶性のポリオレフィンは、結晶化温度領域の幅が20℃
以内、好ましくは15℃以内であり、結晶化熱が0.4
0Cal/g・deg.以上のものである。結晶化温度領域の幅
が広いものや、結晶化熱の量が小さいものは、プラスチ
ックフィルムの冷却過程で温度の低下があまり緩やかに
ならず、下記の機構に基づく発明の効果が十分に発現し
ない。結晶性ポリオレフィンのもつこのような特性は、
キャップフィルムだけもっていればよいが、操業の便宜
や製品の反りを避けるといった観点からは、バックフィ
ルムも、同じ結晶性ポリオレフィンを使用する方が有利
である。
の材料とする結晶性ポリオレフィンの融点をKm(絶対
温度で表示)とするとき、キャップフィルム用フィルム
がT−ダイから押し出された点における温度を(1.1
1〜1.34)×Kmの範囲に選び、真空成形ロールに
接触する点における温度が(0.96〜1.04)×K
mの範囲になるように冷却を行なって実施することが推
奨される。たとえば、融点120℃の常用のポリエチレ
ンに対しては、押出温度を163〜253℃の範囲から
選び(代表的には230℃)、成形加工時の温度が10
5〜135℃になるように冷却するのがよい。同様に、
融点98℃の高流動性のポリエチレンに対しては、押出
温度を139〜224℃の範囲から選び(代表的には1
80℃)、加工温度が83〜113℃になるように冷却
するのがよい。
友化学製)を使用し、図2に示した構成の装置を用い
て、気泡シートを製造した。この装置の2本のダイリッ
プは、長さがともに1300mm、相互の間隔は50mm、
真空成形ロールの径は30cmで、これに供給されるキ
ャップフィルムの傾きは45度、バックフィルムの傾き
は15度であり、エアギャップは、前者が60mm、後者
が80mmである。気泡シートのキャップは、径10mm、
高さ4mm、千鳥配置で、ピッチは11.5mmである。
も230℃として、気泡シートの製造を続けた。両耳切
落とし後の製品幅にして1200mmの気泡シートを、引
き取り速度85m/分で得た。
し、図4に示した構成の装置を用いて、キャップフィル
ムを赤色に、バックフィルムを黄色に着色した気泡シー
トを製造した。この装置の2本のダイリップの長さはと
もに1300mmであるが、相互の間隔は50mmである。
それに伴って、真空成形ロールに供給されるキャップフ
ィルムの傾きは45度、バックフィルムの傾きは15
度、エアギャップは、前者が60mm、後者が80mmであ
る。真空成形ロールは、実施例1と同じであるから、気
泡シートのキャップも実施例と同じである。
チT4010」(京葉ポリエチレン(株)製)を使用し、
図5に示した構造のダイヘッドを備えた気泡シート製造
装置を用いて、気泡シートを製造した。図にみるよう
に、エアーナイフから空気を吹き付けて冷却し、キャッ
プフィルム用フィルムが約100℃で真空成形ロールに
接触するようにした。各フィルムの厚さおよびキャップ
は、つぎのとおりでる。キャップフィルム:50μm
バックフィルム:30μmキャップ:径7mm、高さ4
mm、ピッチ11.5mmの千鳥配置。
よび剛性を測定し、在来の同じフィルム厚の気泡シート
と比較した。圧縮強度は、平らな板の上に直径67cmに
切り抜いた気泡シートを置き、同じ大きさの板を介して
0.5m/min.の速度で圧縮し、潰れたときの荷重をも
って表した。剛性は、120mm×30mmの短冊状の試験
片を、支持スパン90mm、三点曲げ試験で3.0mm/mi
n.の速度で曲げたときの弾性勾配を測定することによっ
て評価した。その結果を下に示す。
ト製造技術によれば、キャップフィルムとバックフィル
ムとの2枚のフィルムの融着が完全に行なわれる条件下
で真空成形ロールの表面温度を低くすることができるか
ら、高速での運転が可能であり、高い生産性を実現でき
る。本発明により、押し出された溶融プラスチックのネ
ックインが小さい条件で気泡シートに成形できるから、
ダイの長さがフルに活用できるとともに、材料とするプ
ラスチックの種類によるネックイン特性に影響されると
ころが小さい。吐出時の樹脂温度を低くできることは、
ネックインの減少を助長し、かつ、プラスチックの劣化
を少なくする。
再加熱法との比較においては、冷却および加熱のロール
が不要であって設備が簡単になる上、消費エネルギーも
少なくて済むから、気泡シートの製造コストが低減でき
る。
オレフィンを選び、溶融押し出しされた状態のキャップ
シート用のシートを冷却して、結晶化温度領域にある間
にキャップの成形を行なう態様においては、キャップ肉
厚の場所による差が小さく、顕著な弱点のない気泡シー
トが得られる。結晶化段階における真空成形は延伸を伴
うから、キャップそれ自体が強化されるという効果もあ
る。この態様による気泡シート製品は、同じ量の材料を
使用した場合は、改善された圧縮強度と剛性を有するも
のが得られ、同じ圧縮強度と剛性でよければ、より少な
い量の材料で済むことを意味する。
た、従来技術よりも高いラインスピードで操業すること
を可能にする。その理由は、ひとつは、キャップシート
用のシートが凝固の直前で真空成形ロールに供給される
ため、ロールへの接触から成形の完了までに要する時間
が短くて済むことであり、いまひとつは、真空成形ロー
ルからの製品気泡シートの剥離性がよく、高速で剥離し
てもトラブルの発生が少ないことである。なお、キャッ
プシート用のポリオレフィンに含まれていた揮発性成分
は、すべて真空成形ロールに至るまでに揮発し去るか
ら、真空成形ロールの真空吸引孔を詰まらせるなどのト
ラブルも少なくなる。
の、製造装置の概要を示す側面図。
の、製造装置の概要を示す一部縦断面図。
るための、製造装置の一部の拡大断面図。
様を説明するための、製造装置の概要を示す一部断面
図。
に別の態様を説明するための、製造装置の主要部を示す
断面図。
Claims (11)
- 【請求項1】 2本のダイリップからプラスチックを溶
融押出しし、押出されてできた2枚のフィルムの一方
を、真空吸引される多数の凹みをそなえた真空成形ロー
ルで成形して多数のキャップをもったキャップフィルム
とし、他方の平坦なバックフィルムを、真空成形ロール
上にあるキャップフィルムに加圧ロールにより貼りつけ
て、多数の密閉された空気室を形成することからなるプ
ラスチック気泡シートの製造方法において、1個のダイ
ヘッドに設けられ、小さな距離をおいて平行に走る2本
のダイリップが真空成形ロールに近接した位置に開口す
る装置を使用すること、加圧ロールを真空成形ロールの
ほぼ真横から接触させるが、キャップフィルム用フィル
ムのみならずバックフィルム用フィルムをもこれらロー
ルの接触点から上に向かう垂直線よりは真空成形ロール
側に傾いた方向から供給すること、および真空成形ロー
ル表面の温度をほぼ常温に保って貼り合わせを行なうこ
とを特徴とする製造方法。 - 【請求項2】 押出機を2台使用し、同じダイヘッドの
中にそれぞれ別に設けた樹脂マニフォルドに、物性、色
および添加剤の少なくともひとつを異にする2種のプラ
スチックを供給し、前記2本のダイリップから押し出し
て実施する請求項1の製造方法。 - 【請求項3】 少なくともキャップフィルムとするプラ
スチック材料として結晶性のポリオレフィンを使用し、
キャップフィルム用フィルムが真空成形ロールに接触す
るに先立ってこれを冷却して結晶化温度領域内の温度ま
でフィルムの温度を下げ、結晶化の進行に伴う発熱のた
めにフィルムの温度低下が緩やかになっている間に真空
成形を行なってキャップフィルムを得、バックフィルム
と貼り合わせて実施する請求項2の製造方法。 - 【請求項4】 キャップフィルムの材料とする結晶性ポ
リオレフィンの融点をKm(絶対温度で表示)とすると
き、キャップフィルム用フィルムがT−ダイから押し出
された点における温度を(1.11〜1.34)×Km
の範囲に選び、真空成形ロールに接触する点における温
度が(0.96〜1.04)×Kmの範囲になるように
冷却を行なって実施する請求項3の製造方法。 - 【請求項5】 キャップフィルム用フィルムを冷却する
手段として、真空成形ロールの直前に設けたエアーナイ
フを使用する請求項3の製造方法。 - 【請求項6】 プラスチックを溶融押出しする押出機、
2本のダイリップ、押し出された2枚のフィルムの一方
を真空成形によりキャップフィルムとするための、多数
の凹みと真空吸引手段とをそなえた真空成形ロール、2
枚のフィルムの他方をキャップフィルムのキャップの底
面にバックフィルムとして貼り付けるための加圧ロー
ル、および製造されたプラスチック気泡シートを巻き取
るための巻き取り手段を必須構成部分とするプラスチッ
ク気泡シートの製造装置において、上記2本のダイリッ
プが1個のダイヘッドに設けられ、ダイヘッドの形状
が、ダイリップが真空成形ロールに近接した位置に開口
するとともに、キャップフィルム用フィルムのみならず
バックフィルム用フィルムも真空成形ロールと加圧ロー
ルとの接触の接触点から上に向かう垂直線よりは真空成
形ロール側に傾いた方向から供給することを可能にする
ものであることを特徴とする製造装置。 - 【請求項7】 2本のダイリップを設けたダイヘッドの
中にそれぞれ別の樹脂マニホールドを有するダイを使用
し、このダイに2台の押出機を接続した請求項6の製造
装置。 - 【請求項8】 2本のダイリップが、溶融プラスチック
の吐出方向に関して高低差をもって設けられたダイを使
用し、低い側のリップからキャップフィルム用フィルム
を吐出し、高い側のリップからバックフィルム用フィル
ムを吐出するように構成することにより、請求項6に規
定したフィルム供給を可能にした請求項6の製造装置。 - 【請求項9】 2本のダイリップからのプラスチック
が、異なる温度をもって押し出されることができるよう
に、それぞれのヒーターを備えた請求項6または7の製
造装置。 - 【請求項10】 吐出されたキャップフィルム用フィル
ムに対する冷却用のエアーナイフを備え、請求項3に規
定したフィルムの冷却を行なってからキャップフィルム
の真空成形を行なうように構成した請求項6ないし8の
製造装置。 - 【請求項11】 真空成形ロールの外径が25〜50c
mであり、2本のダイリップの間隔が10〜100mm、
垂直線に対する傾きを、キャップフィルム用フィルムは
80〜10度、バックフィルム用フィルムは70〜0度
の範囲に設定した請求項6ないし10のいずれかの製造
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001323387A JP3797190B2 (ja) | 2001-01-22 | 2001-10-22 | プラスチック気泡シートの製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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