JP2002281681A - 組電池用直流電圧検出装置のモニタ方法 - Google Patents

組電池用直流電圧検出装置のモニタ方法

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JP2002281681A JP2001082004A JP2001082004A JP2002281681A JP 2002281681 A JP2002281681 A JP 2002281681A JP 2001082004 A JP2001082004 A JP 2001082004A JP 2001082004 A JP2001082004 A JP 2001082004A JP 2002281681 A JP2002281681 A JP 2002281681A
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    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルチプレクサを構成するサンプリングスイッ
チの閉故障を確実に検出可能なマルチプレクサ型アナロ
グ電圧検出装置の故障検出方法を提供すること。 【解決手段】一対の入力端子間の電位差を検出する差動
電圧検出回路3を含む電圧検出回路100と、互いに直
列接続された電池モジュールVB1〜VB8の各電極端
子を差動電圧検出回路3の入力端子に個別に接続するサ
ンプリングスイッチS1〜S9を有するマルチプレクサ
2とを備える。サンプリングスイッチS1〜S9を1個
だけ導通した状態での差動電圧検出回路の出力電圧値が
0V近傍の適正範囲外となる場合に、又は、計測した電
池モジュールVB1〜VB8の電圧が所定の異状値とな
る場合にサンプリングスイッチの閉故障可能性ありと判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組電池用直流電圧
検出装置のモニタ方法に関し、特にマルチプレクサ型組
電池電圧検出装置のサンプリングスイッチの閉故障検出
法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばハイブリッド自動車や電気自動
車、燃料電池車などでは、二次電池や燃料電池からなる
組電池を直列接続したきわめて多数の単電池で構成して
いる。この組電池の状態観測には、一乃至直列接続され
た複数の単電池からなり、互いに直列された電池モジュ
ールごとに電圧モニタする必要がある。各電池モジュー
ルごとに電圧検出回路を装備することは装置の大規模化
を招くため、通常はマルチプレクサを用いて各電池モジ
ュール電圧を時間順次にサンプリングすることにより、
電圧検出回路の必要個数を低減している。
【0003】マルチプレクサにより時間順次多重化され
た各電池モジュール電圧は差動電圧検出回路で直接に電
圧検出してもよく、あるいは、フライングキャパシタに
蓄電した後、更にサンプリングスイッチを通じて差動電
圧検出回路に入力することにより組電池の絶対電圧から
差動電圧検出回路を絶縁することもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のフライングキャパシタ式電池電圧検出装置で
は、マルチプレクサのアナログスイッチ(サンプリング
スイッチ)が短絡不良(閉故障)すると、サンプリング
スイッチと直列に接続される電流制限抵抗やサンプリン
グスイッチが、この閉故障サンプリングスイッチととも
に短絡回路を構成するサンプリングスイッチの導通時に
過熱したり、組電池の状態を誤判定するという問題が考
えられる。
【0005】もちろん、上記電流制限抵抗を大抵抗値と
することにより、過熱を低減できるが、抵抗ノイズの増
大や計測時間の延長といった問題が派生してしまう。特
に、各単電池電圧はできるだけ同時的に計測することが
好ましく、計測時間が長いと、その間に組電池の動作状
態(電圧、電流、温度)が変化してしまう。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、マルチプレクサを構成するサンプリングスイッチ
の閉故障を確実に検出可能なマルチプレクサ型アナログ
電圧検出装置の故障検出方法を提供することをその目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の組電池用
直流電圧検出装置のモニタ方法は、一対の入力端子間の
電位差を検出する所定数の差動電圧検出回路を有する電
圧検出回路と、互いに直列接続されたm個の電池モジュ
ールの各電極端子を前記電圧検出回路の前記入力端子の
所定の一つに個別に接続するm+1個のサンプリングス
イッチを有するマルチプレクサとを備え、任意の前記電
池モジュールの一対の前記電極端子は同じ前記差動電圧
検出回路の一対の前記入力端子に個別に接続される組電
池用直流電圧検出装置のモニタ方法であって、前記サン
プリングスイッチを1個だけ導通した状態での前記差動
電圧検出回路の出力電圧値が0V近傍の適正範囲外とな
る場合に、前記サンプリングスイッチの閉故障可能性あ
りと判定することを特徴としている。
【0008】すなわち、本発明により、1個のサンプリ
ングスイッチを導通させた場合、もしこの1個だけ導通
したサンプリングスイッチと対をなして差動電圧検出回
路に電池モジュールの電圧(電位差)を印加する他の一
つのサンプリングスイッチが閉故障していた場合、差動
電圧検出回路は略正常に電池モジュール電圧を検出す
る。しかし、この他の一つのサンプリングスイッチが閉
故障していなければ、電池モジュール電圧の大部分はこ
のペアのサンプリングスイッチのうちの他の一つのサン
プリングスイッチにより負担され、差動電圧検出回路は
0に近い小電圧を検出する。
【0009】したがって、マルチプレクサの各サンプリ
ングスイッチすべて又は所定のサンプリングスイッチを
一つずつ個別に導通してその時の差動電圧検出回路の出
力電圧の大きさを判定することにより、検査回路を追加
することにより回路構成の複雑化を回避しつつすべての
サンプリングスイッチの閉故障を簡単に検査することが
できる。
【0010】したがって、マルチプレクサの各サンプリ
ングスイッチすべて又は所定のサンプリングスイッチを
一つずつ個別に導通してその時の差動電圧検出回路の出
力電圧の大きさを判定することにより、回路構成の複雑
化を回避しつつすべてのサンプリングスイッチの閉故障
を簡単に検査することができる。
【0011】なお、差動電圧検出回路が複数ある場合、
互いに異なる差動電圧検出回路に接続される複数のサン
プリングスイッチを同時に導通させることができる。ま
た、サンプリングスイッチが2つの差動電圧検出回路に
接続される場合、このサンプリングスイッチを1個だけ
導通させることによりこの2つの差動電圧検出回路によ
り同時に二つサンプリングスイッチの閉故障を検査する
こともできる。
【0012】電圧検出回路は、サンプリングスイッチす
なわちマルチプレクサの出力電圧を差動電圧検出回路の
入力端子に直接入力してもよく、フライングキャパシタ
の蓄電電圧をマルチプレクサのサンプリングスイッチの
オフ後に出力してもよい。
【0013】請求項2記載の構成によれば請求項1記載
のマルチプレクサ型直流電圧検出装置の故障検出方法に
おいて更に、前記差動電圧検出回路の前記一対の入力端
子の一方に接続されるすべての前記サンプリングスイッ
チを1個づつ順番に導通させて、前記導通ごとに前記差
動電圧検出回路の出力電圧値を調べ、各出力電圧値がい
ずれかが前記適正範囲外となる場合に、前記差動電圧検
出回路の前記一対の入力端子の他方に接続される少なく
とも一つの前記サンプリングスイッチの閉故障可能性あ
りと判定することを特徴としている。
【0014】すなわち、一つの差動電圧検出回路の一対
の入力端子にそれぞれ複数のサンプリングスイッチが接
続されている場合、この差動電圧検出回路の一方の入力
端子に接続される一つのサンプリングスイッチが閉故障
していれば、この差動電圧検出回路の他方の入力端子に
接続される各サンプリングスイッチのみを順次オンした
場合には常に、差動電圧検出回路は略正常な電池モジュ
ール電圧又は適正範囲を超えた大電圧を検出する。しか
し、この他の一つのサンプリングスイッチが閉故障して
いなければ、電池モジュール電圧の大部分はこのペアの
サンプリングスイッチのうちの他の一つのサンプリング
スイッチにより負担され、差動電圧検出回路は0に近い
小電圧を検出する。
【0015】したがって、マルチプレクサの各サンプリ
ングスイッチすべて又は所定のサンプリングスイッチを
一つずつ個別に導通してその時の差動電圧検出回路の出
力電圧の大きさを判定することにより、回路構成の複雑
化を回避しつつすべてのサンプリングスイッチの閉故障
を簡単に検査することができる。
【0016】なお、差動電圧検出回路が複数ある場合、
互いに異なる差動電圧検出回路に接続される複数のサン
プリングスイッチを同時に導通させることができる。ま
た、サンプリングスイッチが2つの差動電圧検出回路に
接続される場合、このサンプリングスイッチを1個だけ
導通させることによりこの2つの差動電圧検出回路によ
り同時に二つサンプリングスイッチの閉故障を検査する
こともできる。
【0017】電圧検出回路は、サンプリングスイッチす
なわちマルチプレクサの出力電圧を差動電圧検出回路の
入力端子に直接入力してもよく、フライングキャパシタ
の蓄電電圧をマルチプレクサのサンプリングスイッチの
オフ後に出力してもよい。
【0018】請求項3記載のマルチプレクサ型アナログ
電圧検出装置の故障検出方法は、一対の入力端子間の電
位差を検出する差動電圧検出回路を所定数有する電圧検
出部と、互いに直列接続されたm個の電池モジュールの
各電極端子を前記電圧検出部の前記入力端子の所定の一
つに個別に接続するm+1個のサンプリングスイッチを
有するマルチプレクサとを備え、任意の前記電池モジュ
ールの一対の前記電極端子は同じ前記差動電圧検出回路
の一対の前記入力端子に個別に接続される組電池用直流
電圧検出装置のモニタ方法であって、各一対の前記サン
プリングスイッチを前記差動電圧検出回路1個ごとに一
対づつ導通させることにより前記電池モジュールの電圧
を順次計測し、前記計測電圧値が、正常計測時の所定電
圧範囲からずれている場合に、前記サンプリングスイッ
チの閉故障可能性ありと判定することを特徴としてい
る。
【0019】すなわち、一つの差動電圧検出回路の一対
の入力端子にそれぞれ複数のサンプリングスイッチが接
続されている場合、この差動電圧検出回路の一方の入力
端子に接続される一つのサンプリングスイッチが閉故障
していれば、各電池モジュールの電圧を検出するために
ペアをなす各2つのサンプリングスイッチを同時オンす
ると、上記閉故障サンプリングスイッチを通じての電位
的影響により、差動電圧検出回路は正常な電池モジュー
ル電圧又は適正範囲を超えた大電圧を検出する。なお、
正常な電池モジュール電圧が検出されるのは、上記閉故
障したサンプリングスイッチを選択する場合である。
【0020】これにより、通常の電池モジュール電圧検
出動作によりサンプリングスイッチの閉故障を検出する
ことができる、回路構成の複雑化を回避しつつサンプリ
ングスイッチの閉故障を簡単に検査することができる。
【0021】なお、差動電圧検出回路が複数ある場合、
互いに異なる差動電圧検出回路に接続される複数のサン
プリングスイッチを同時に導通させることができる。ま
た、サンプリングスイッチが2つの差動電圧検出回路に
接続される場合、このサンプリングスイッチを1個だけ
導通させることによりこの2つの差動電圧検出回路によ
り同時に二つサンプリングスイッチの閉故障を検査する
こともできる。
【0022】電圧検出回路は、サンプリングスイッチす
なわちマルチプレクサの出力電圧を差動電圧検出回路の
入力端子に直接入力してもよく、フライングキャパシタ
の蓄電電圧をマルチプレクサのサンプリングスイッチの
オフ後に出力してもよい。
【0023】請求項4記載の構成によれば請求項3記載
のマルチプレクサ型アナログ電圧検出装置の故障検出方
法において更に、前記計測電圧値が、正常計測時の極性
と反対の極性かどうかを調べ、反対極性である場合に、
前記サンプリングスイッチの閉故障可能性ありと判定す
ることを特徴としている。
【0024】すなわち、計測するべき電池モジュールの
両端に接続される一対のサンプリングスイッチのうち低
位側のサンプリングスイッチは、差動電圧検出回路の入
力端子対の一方に電位を出力する。しかし、この計測す
べき前記電池モジュールより高位の電池モジュールから
閉故障のサンプリングスイッチを通じてこの差動電圧検
出回路の入力端子対の一方に電位的影響があれば、本来
と逆極性の電位差が出力されることになる。
【0025】逆に、計測するべき電池モジュールの両端
に接続される一対のサンプリングスイッチのうち高位側
のサンプリングスイッチは、差動電圧検出回路の入力端
子対の他方に電位を出力する。しかし、この計測すべき
前記電池モジュールより低位の電池モジュールから閉故
障のサンプリングスイッチを通じてこの差動電圧検出回
路の入力端子対の一方に電位的影響があれば、本来と逆
極性の電位差が出力されることになる。
【0026】したがって、この差動電圧検出回路の出力
電圧の極性変換を検出することにより、回路構成を複雑
化することなく確実にサンプリングスイッチの閉故障を
発見することができる。
【0027】請求項5記載の構成は請求項3及び4記載
の組電池用直流電圧検出装置のモニタ方法において更
に、前記計測電圧値が、正常計測時の所定電圧範囲から
ずれており、かつ、計測電圧の極性が清浄計測時と反対
の極性であった場合に、前記サンプリングスイッチの閉
故障可能性ありと判定することを特徴としているので、
上記請求項3及び4について記載した効果を奏すること
ができる。
【0028】請求項6記載の構成は請求項3又は4記載
の組電池用直流電圧検出装置のモニタ方法において更
に、前記計測電圧値の前記正常計測時の所定電圧範囲よ
りの逸脱の程度及び極性の少なくとも一方に基づいて、
前記閉故障したサンプリングスイッチの候補を絞り込む
ことを特徴としている。
【0029】すなわち、計測するべき電池モジュールの
両端に接続される一対のサンプリングスイッチが電位を
出力する差動電圧検出回路の一対の入力端子の一方に、
この計測すべき前記電池モジュールと異なる電池モジュ
ールから閉故障のサンプリングスイッチを通じて電位的
影響があれば、本来より大幅に大きい電位差が出力され
ることになる。
【0030】したがって、この大電位差を検出すること
により、回路構成を複雑化することなく確実にサンプリ
ングスイッチの閉故障を発見することができる。
【0031】請求項7記載の構成によれば請求項1乃至
6のいずれか記載の組電池用直流電圧検出装置のモニタ
方法において、各前記サンプリングスイッチの一部に閉
故障可能性ありと判定した場合に、閉故障可能性ありと
判定した1乃至複数のサンプリングスイッチの前記閉故
障の影響を受けない前記電池モジュール電圧の計測値に
基づいて前記組電池の状態を推定することを特徴として
いる。
【0032】すなわち本構成によれば、閉故障したサン
プリングスイッチの上記閉故障により電位的影響を受け
ない電池モジュールの電圧だけに基づいて組電池の電圧
状態を推定するので、閉故障したサンプリングスイッチ
による悪影響を排除することができる。
【0033】たとえば、閉故障したサンプリングスイッ
チにより計測電圧に誤差が生じる第一の電池モジュール
電圧の代わりに、正常に計測された第二の電池モジュー
ルの電圧を用いる。
【0034】このようにすれば、第一の電池モジュール
と第二の電池モジュールとが大幅に異なる電圧状態をも
つ場合以外は、正常に組電池の電圧状態をモニタしてた
とえばSOC制御を実施することができる。
【0035】なお、これは、正常に計測された電池モジ
ュールのモジュール電圧のみで組電池の全電池モジュー
ルの状態を代表することに等しい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組電池用直流電圧
検出装置のモニタ方法の好適な態様を以下の実施例によ
り詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例の構
成に限定されるものではなく、置換可能な公知回路を用
いて構成できることは当然である。
【0037】
【実施例】(回路構成)本発明を適用する組電池の電圧
検出装置を図1に示す回路図を参照して説明する。
【0038】組電池1は、8つの電池モジュールVB1
〜VB8を直列接続してなる。各電池モジュールVB1
〜VB8はそれぞれ等しい数の単電池を直列接続してな
る。R1〜R9は電流制限抵抗であり、S1〜S9は電
流制限抵抗R1〜R9と個別に直列接続されたサンプリ
ングスイッチであり、マルチプレクサ2を構成してい
る。
【0039】(4m(mは0又は正の整数)+1)番目
のサンプリングスイッチS1、S5、S9は、組電池1
の(4m(mは0又は正の整数)+1)番目の端子と第
一のフライングキャパシタC1の独立端子とを個別に接
続している。
【0040】(4m(mは0又は正の整数)+3)番目
のサンプリングスイッチS3、S7は、組電池1の(4
m(mは0又は正の整数)+3)番目の端子と第二のフ
ライングキャパシタC2の独立端子とを個別に接続して
いる。
【0041】(2m(mは0又は正の整数)すなわち偶
数)番目のサンプリングスイッチS2、S4、S6、S
8は、組電池1の(2m(mは0又は正の整数)すなわ
ち偶数)番目の端子を、両フライングキャパシタC1、
C2の接続点に個別に接続している。
【0042】サンプリングスイッチS10〜S12は出
力用のサンプリングスイッチであり、サンプリングスイ
ッチS10は、第一のフライングキャパシタC1の独立
端子と差動電圧検出回路3の第一の入力端子とを個別に
接続し、サンプリングスイッチS12は、第二のフライ
ングキャパシタC2の独立端子と、電圧検出回路をなす
差動電圧検出回路3の第一の入力端子とを個別に接続
し、サンプリングスイッチS11は、両フライングキャ
パシタC1、C2の接続点と差動電圧検出回路3の第二
の入力端子とを接続している。なお、この実施例では、
電圧検出回路は単一の差動電圧検出回路3で構成されて
いるが、両フライングキャパシタC1,C2の電位差を
異なる差動電圧検出回路で検出してもよい。
【0043】4は差動電圧検出回路3の出力電圧に基づ
いてサンプリングスイッチS1〜S9の閉故障を判定す
る判定回路を含むマイコン装置であり、差動電圧検出回
路3の出力電圧をデジタル信号に変換するA/Dコンバ
ータを内蔵している。5は、このマイコン装置により指
令されてサンプリングスイッチS1〜S9を所定の順序
でオンさせるサンプリングスイッチ駆動回路である。
【0044】(電圧動作)次に、この回路による電池モ
ジュールVB1〜VB8の電圧検出動作を以下に説明す
る。
【0045】最初に、サンプリングスイッチS1、S
2、S3をオンして、電池モジュールVB1の電圧をフ
ライングキャパシタC1に、電池モジュールVB2の電
圧をフライングキャパシタC2に読み込む。
【0046】次に、サンプリングスイッチS1、S2、
S3をオフし、サンプリングスイッチS10、S11を
所定期間だけオンして、フライングキャパシタC1の電
位差を差動電圧検出回路3に読み込み、次に、サンプリ
ングスイッチS10のオフ後、サンプリングスイッチS
11、S12を所定期間だけオンしてフライングキャパ
シタC2の電位差を差動電圧検出回路3に読み込む。
【0047】次に、サンプリングスイッチS3、S4、
S5をオンして、電池モジュールVB3の電圧をフライ
ングキャパシタC2に、電池モジュールVB4の電圧を
フライングキャパシタC1に読み込む。その後のサンプ
リングスイッチS10〜S12による差動電圧検出回路
3の検出動作は上記と同じである。
【0048】次に、サンプリングスイッチS5、S6、
S7をオンして、電池モジュールVB5の電圧をフライ
ングキャパシタC1に、電池モジュールVB6の電圧を
フライングキャパシタC2に読み込む。その後のサンプ
リングスイッチS10〜S12による差動電圧検出回路
3の検出動作は上記と同じである。
【0049】次に、サンプリングスイッチS7、S8、
S9をオンして、電池モジュールVB7の電圧をフライ
ングキャパシタC2に、電池モジュールVB8の電圧を
フライングキャパシタC1に読み込む。その後のサンプ
リングスイッチS10〜S12による差動電圧検出回路
3の検出動作は上記と同じである。
【0050】差動電圧検出回路3は、時間順次に検出し
た電池モジュールVB1〜VB8の電圧値をマイコン装
置4に順次記憶され、絶対値処理される。
【0051】(閉故障判定動作1)次に、この実施例の
特徴をなすサンプリングスイッチS1〜S9の閉故障判
定について以下に説明する。
【0052】まず、各サンプリングスイッチS1〜S9
を互いに重ならないように異なる順次オンし、その時の
フライングキャパシタC1、C2の電圧VC1、VC2
を計測する。
【0053】すべてのサンプリングスイッチS1〜S9
が閉故障していなければ、一個のサンプリングスイッチ
のみをオンしても、フライングキャパシタC1、C2は
ほとんど充電されないので、差動電圧検出回路3への入
力電位差VC1、VC2は略0Vとなる。
【0054】サンプリングスイッチS1、S5、S9の
どれかが閉故障している場合には、サンプリングスイッ
チS2、S6、S8のどれかをオンした場合に入力電位
差VC1、VC2は大きな値となり、これにより、サン
プリングスイッチS1、S5、S9のどれかが閉故障し
ていることを検出することができる。更に、サンプリン
グスイッチS1、S5、S9のどれが閉故障しているか
は、入力電位差VC1、VC2の大きさ及び極性(正か
負か)により判定することができる。
【0055】サンプリングスイッチS3、S7のどれか
が閉故障している場合には、サンプリングスイッチS
2、S6、S8のどれかをオンした場合に入力電位差V
C1、VC2は大きな値となり、これにより、サンプリ
ングスイッチS3、S7のどれかが閉故障していること
を検出することができる。更に、サンプリングスイッチ
S3、S7のどれが閉故障しているかは、入力電位差V
C1、VC2の大きさ及び極性(正か負か)により判定
することができる。
【0056】サンプリングスイッチS2、S4、S6の
どれかが閉故障している場合には、それ以外のサンプリ
ングスイッチのどれかをオンした場合に入力電位差VC
1、VC2は大きな値となり、これにより、サンプリン
グスイッチS2、S4、S6のどれかが閉故障している
ことを検出することができる。更に、サンプリングスイ
ッチS2、S4、S6のどれが閉故障しているかは、入
力電位差VC1、VC2の大きさ及び極性(正か負か)
により判定することができる。
【0057】(対応動作)次に、サンプリングスイッチ
S1〜S9のどれかが閉故障し、閉故障したサンプリン
グスイッチを特定した後の対応処理を以下に説明する。
【0058】サンプリングスイッチS1、S5、S9の
どれかが閉故障している場合には、フライングキャパシ
タC2を用いて計測する電池モジュールVB2、VB
3、VB6、VB7は正常に計測することができる。ま
た、閉故障したサンプリングスイッチをオンして計測す
る一つの電池モジュール(すなわちVB1、VB4、V
B5、VB8のうちのどれか)は、正常に計測すること
ができる。したがって、計測できない残り3つの電池モ
ジュールの電圧は、計測した5つの電池モジュールの電
圧又はそれらの平均値で代用することにより組電池1を
運用することができる。
【0059】サンプリングスイッチS3、S7のどれか
が閉故障している場合には、フライングキャパシタC1
を用いて計測する電池モジュールVB1、VB4、VB
5、VB8は正常に計測することができる。また、閉故
障したサンプリングスイッチをオンして計測する一つの
電池モジュール(すなわちVB2、VB3、VB6、V
B7のうちのどれか)は、正常に計測することができ
る。したがって、計測できない残り3つの電池モジュー
ルの電圧は、計測した5つの電池モジュールの電圧又は
それらの平均値で代用することにより組電池1を運用す
ることができる。
【0060】サンプリングスイッチS2、S4、S6、
S8のどれかが閉故障している場合には、閉故障したサ
ンプリングスイッチをオンして計測する2つの電池モジ
ュール(すなわちVB1とVB2、又は、VB3とVB
4、又は、VB5とVB6、又は、VB7とVB8)は
正常に計測することができる。したがって、計測できな
い残り6つの電池モジュールの電圧は、計測した2つの
電池モジュールの電圧又はそれらの平均値で代用するこ
とにより組電池1を運用することができる。
【0061】(閉故障判定動作2)次に、この実施例の
特徴をなすサンプリングスイッチS1〜S9の他の閉故
障判定について以下に説明する。
【0062】この閉故障判定動作では、どれかのサンプ
リングスイッチが閉故障していることを無視して、通常
に電池モジュールVB1〜VB8の電圧を上述の方法で
検出する。
【0063】この時、サンプリングスイッチS1〜S9
のどれか(ここではSXと呼ぶものとする)が閉故障し
ていれば、電圧検出時にこのサンプリングスイッチSX
をオンする電池モジュールの電圧は正確に検出され、そ
れ以外の電池モジュールの電圧は閉故障したサンプリン
グスイッチSXを通じてのフライングキャパシタへの電
位的影響により誤差を含む。
【0064】しかしながら、閉故障したサンプリングス
イッチと誤差を含む電池モジュールの誤差電圧とは、上
記理由により特有の関係をもつ。
【0065】この関係をグラフにして図2に示す。ただ
し、この実施例では、各電池モジュールVB1〜VB8
の定格電圧は15V、その正常な電位変動範囲は12〜
18Vである。
【0066】図2の表から、異常な計測電圧値をもつ電
池モジュールVB1〜VB8の番号から閉故障したサン
プリングスイッチを容易に確認することができる。特
に、異常な計測電圧値として、本来正電圧であるべき電
池モジュール電圧が負極性となる電池モジュールの番号
だけで、閉故障したサンプリングスイッチを特定するこ
とができる。極性を無視して異常電圧の絶対値の大小を
比較することによっても閉故障したサンプリングスイッ
チを特定することもできる。
【0067】閉故障したサンプリングスイッチを特定し
た後の対応動作は上記述べた場合と同じである。
【0068】(実施例効果)結局、この実施例によれ
ば、通常の電池モジュール電圧検出動作又は一個のサン
プリングスイッチだけを順次オンする動作により得たフ
ライングキャパシタC1、C2の電圧の大きさ又は極性
により、閉故障したサンプリングスイッチを特定するこ
とができることがわかる。その結果、閉故障したサンプ
リングスイッチにより影響されない計測値を用いて正確
に計測できなかった電池モジュールの電圧を合成又は代
替することにより、サンプリングスイッチの交換までの
間、組電池1を運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の組電池の電圧検出回路を示す回路図で
ある。
【図2】図1における電池モジュールの電圧と閉故障し
たサンプリングスイッチとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 組電池 2 マルチプレクサ 3 差動電圧検出回路(電圧検出回路) C1、C2 フライングキャパシタ(電圧検出回路) S10、S11、S12C1 サンプリングスイッチ
(電圧検出回路) 100 電圧検出回路 S1〜S9 サンプリングスイッチ R1〜R9 電流制限抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G016 CA03 CB11 CB12 CC01 CC12 CC24 CD10 CD14 5G003 BA03 CA16 EA09 FA06 5H030 AA00 AS08 FF43 FF44

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の入力端子間の電位差を検出する所定
    数の差動電圧検出回路を有する電圧検出部と、 互いに直列接続されたm個の電池モジュールの各電極端
    子を前記電圧検出回路の前記入力端子の所定の一つに個
    別に接続するm+1個のサンプリングスイッチを有する
    マルチプレクサと、 を備え、 任意の前記電池モジュールの一対の前記電極端子は同じ
    前記差動電圧検出回路の一対の前記入力端子に個別に接
    続される組電池用直流電圧検出装置のモニタ方法であっ
    て、 前記サンプリングスイッチを1個だけ導通した状態での
    前記差動電圧検出回路の出力電圧値が0V近傍の適正範
    囲外となる場合に、前記サンプリングスイッチの閉故障
    可能性ありと判定することを特徴とする組電池用直流電
    圧検出装置のモニタ方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組電池用直流電圧検出装置
    のモニタ方法において、 前記差動電圧検出回路の前記一対の入力端子の一方に接
    続されるすべての前記サンプリングスイッチを1個づつ
    順番に導通させて、前記導通ごとに前記差動電圧検出回
    路の出力電圧値を調べ、各出力電圧値がいずれかが前記
    適正範囲外となる場合に、前記差動電圧検出回路の前記
    一対の入力端子の他方に接続される少なくとも一つの前
    記サンプリングスイッチの閉故障可能性ありと判定する
    ことを特徴とする組電池用直流電圧検出装置のモニタ方
    法。
  3. 【請求項3】一対の入力端子間の電位差を検出する差動
    電圧検出回路を所定数有する電圧検出部と、 互いに直列接続されたm個の電池モジュールの各電極端
    子を前記電圧検出回路の前記入力端子の所定の一つに個
    別に接続するm+1個のサンプリングスイッチを有する
    マルチプレクサと、 を備え、 任意の前記電池モジュールの一対の前記電極端子は同じ
    前記差動電圧検出回路の一対の前記入力端子に個別に接
    続される組電池用直流電圧検出装置のモニタ方法であっ
    て、 各一対の前記サンプリングスイッチを前記差動電圧検出
    回路1個ごとに一対づつ導通させることにより前記電池
    モジュールの電圧を順次計測し、 前記計測電圧値が、正常計測時の所定電圧範囲からずれ
    ている場合に、前記サンプリングスイッチの閉故障可能
    性ありと判定することを特徴とする組電池用直流電圧検
    出装置のモニタ方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の組電池用直流電圧検出装置
    のモニタ方法において、 前記計測電圧値が、正常計測時の極性と反対の極性かど
    うかを調べ、 反対極性である場合に、前記サンプリングスイッチの閉
    故障可能性ありと判定することを特徴とする組電池用直
    流電圧検出装置のモニタ方法。
  5. 【請求項5】請求項3及び4記載の組電池用直流電圧検
    出装置のモニタ方法において、 前記計測電圧値が、正常計測時の所定電圧範囲からずれ
    ており、かつ、計測電圧の極性が清浄計測時と反対の極
    性であった場合に、前記サンプリングスイッチの閉故障
    可能性ありと判定することを特徴とする組電池用直流電
    圧検出装置のモニタ方法。
  6. 【請求項6】請求項3又は4記載の組電池用直流電圧検
    出装置のモニタ方法において、 前記計測電圧値の前記正常計測時の所定電圧範囲よりの
    逸脱の程度及び極性の少なくとも一方に基づいて、前記
    閉故障したサンプリングスイッチの候補を絞り込むこと
    を特徴とする組電池用直流電圧検出装置のモニタ方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか記載の組電池用
    直流電圧検出装置のモニタ方法において、 各前記サンプリングスイッチの一部に閉故障可能性あり
    と判定した場合に、閉故障可能性ありと判定した1乃至
    複数のサンプリングスイッチの前記閉故障の影響を受け
    ない前記電池モジュール電圧の計測値に基づいて前記組
    電池の状態を推定することを特徴とする組電池用直流電
    圧検出装置のモニタ方法。
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