JP2002277608A - 反射防止膜及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜及びこれを用いた画像表示装置

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JP2002277608A
JP2002277608A JP2001083323A JP2001083323A JP2002277608A JP 2002277608 A JP2002277608 A JP 2002277608A JP 2001083323 A JP2001083323 A JP 2001083323A JP 2001083323 A JP2001083323 A JP 2001083323A JP 2002277608 A JP2002277608 A JP 2002277608A
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antireflection film
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Masaki Kagawa
正毅 香川
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Sony Corp
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部光の反射率を充分小さくすることができ
ると共に、安定にかつ高速に製造を行うことができる構
成の反射防止膜及びこの反射防止膜を備えた画像表示装
置を提供する。 【解決手段】 表面側から低屈折率層1、高屈折率層
2、低屈折率層3、高屈折率層4の順に積層されて成
り、表面側から第2層目の高屈折率層2がTiO2 から
成り、この第2層目の高屈折率層2の厚さが15nm〜
26nmの範囲内である反射防止膜10及び表示画面上
にこの反射防止膜10を備えた画像表示装置を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRT(陰極線
管)やLCD(液晶ディスプレイ)等の画像表示装置の
前面に設けて、これら画像表示装置の表面における反射
を抑制するための反射防止膜及びこの反射防止膜を備え
た画像表示装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】CRT(陰極線管)・LCD(液晶ディ
スプレイ)・PDP(プラズマディスプレイ)等のディ
スプレイ(画像表示装置)は、様々な分野で活用され目
覚しい発展を遂げている。これらディスプレイには、ガ
ラスやプラスチックの透明基板が用いられており、この
透明基板を通して文字・図形といった視覚情報を得るこ
とになる。
【0003】このようなディスプレイにおいて、透明基
板の表面で外部光が反射して視覚情報が見えにくくなる
という問題があった。このように太陽光や蛍光灯といっ
た外部光のディスプレイへの映り込みを防止することは
重要な技術である。
【0004】そこで、反射防止のために、ディスプレイ
表面に、高屈折率材料と低屈折率材料を最も表面側が低
屈折率材料となるように交互に2層以上積層した反射防
止膜を形成する方法が開発された。これにより、広い波
長帯域で反射防止効果が得られる。このような構成の反
射防止膜に用いられる高屈折率材料としては、TiO2
やITO(インジウムスズ酸化物)等が挙げられる。ま
た、低屈折率材料としては、SiO2 やMgF等が挙げ
られる。
【0005】4層構造で反射防止膜を作成する場合の各
層の膜厚の設計の指針として、例えば以下のような2つ
の関係式が知られている(「光・薄膜技術マニュアル
増補改訂版」276〜279頁、平成4年(199
2)、株式会社オプトロニクス社発行)。 n1 2・n4 2=n3 2・n0 ・ns (1) n1 1 =n2 2 /2=n3 3 =n4 4 =λ0 /4 (2) ただし、nは材料の屈折率を、dは各層の厚さを、添え
字1〜4は最表面から数えた層の順番を示す。また、n
0 は入射媒体の、ns は出射媒体の屈折率を示す。入射
媒体は通常空気であり、その屈折率は1.0である。出
射媒体はガラス等ディスプレイの透明基板である。尚、
λ0 は入射光線の基準波長550nmである。式(1)
は振幅条件と呼ばれ、式(2)は位相条件と呼ばれる。
【0006】また、上述した4層構造の反射防止膜をポ
リエチレンテレフタレート(PET)のような透明フィ
ルム上に構成して、これをディスプレイ表面に貼り合わ
せる構成も可能であり、この場合の出射媒体はPET等
の透明フィルムとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】TiO2 は屈折率が
2.3〜2.7と他の材料より高く、高屈折率材料とし
て特に適した材料である。このTiO2 を上述の反射防
止膜の2層目(屈折率n2 、膜厚d2 )に採用すると、
式(3)より膜厚d2 の適切な値が約100nm〜12
0nmとなる。このTiO2 膜の成膜は、マグネトロン
スパッタ法により行う。
【0008】しかしながら、このマグネトロンスパッタ
法によるTiO2 の成膜レートが5〜6nm×m/分と
低いため、上述の100nm〜120nmの膜厚のTi
2を成膜するのに長い時間がかかるという問題点があ
る。
【0009】特に低屈折率材料としてSiO2 (屈折率
n=1.4〜1.5)を用いる場合には、SiO2 の成
膜レートが10〜25nm×m/分と高いため、TiO
2 との成膜レートの差が2〜4倍に及ぶ。このため、2
層目の高屈折率材料の成膜に必要な時間が律速となり、
高速に反射防止膜を製造することができなかった。
【0010】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、外部光の反射率を充分小さくすることができる
と共に、安定にかつ高速に製造を行うことができる構成
の反射防止膜及びこの反射防止膜を備えた画像表示装置
を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の反射防止膜は、
表面側から低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、高屈
折率層の順に積層されて成り、表面側から第2層目の高
屈折率層がTiO2 から成り、この第2層目の高屈折率
層の厚さが15nm〜26nmの範囲内であるものであ
る。
【0012】本発明の画像表示装置は、表面側から低屈
折率層、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の順に積
層されて成り、表面側から第2層目の高屈折率層がTi
2から成り、この第2層目の高屈折率層の厚さが15
nm〜26nmの範囲内である反射防止膜を表示画面上
に備えたものである。
【0013】上述の本発明の反射防止膜の構成によれ
ば、第2層目の高屈折率層がTiO2から成り、かつそ
の厚さが15nm〜26nmの範囲内であることから、
反射防止膜の視感反射率が充分低くなると共に、成膜レ
ートが低いTiO2 膜の厚さが比較的薄くなり、このT
iO2 膜から成る第2層目の高屈折率層の成膜に要する
時間を低減して、4層が積層されて成る反射防止膜の製
造に要する時間を低減することができる。
【0014】上述の本発明の画像表示装置の構成によれ
ば、上記本発明の反射防止膜を表示画面上に備えたこと
により、反射防止膜の視感反射率が充分小さくなってい
るので、表示画面における外部光の反射が充分に低減さ
れる。また、反射防止膜の製造に要する時間も低減され
ているため、画像表示装置の製造に要する時間も低減さ
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、表面側から低屈折率
層、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の順に積層さ
れて成り、表面側から第2層目の高屈折率層がTiO2
から成り、この第2層目の高屈折率層の厚さが15nm
〜26nmの範囲内である反射防止膜である。
【0016】また本発明は、上記反射防止膜において、
表面側から第4層目の高屈折率層に対して、表面側とは
反対側に透明基板が接続された構成とする。
【0017】本発明は、表面側から低屈折率層、高屈折
率層、低屈折率層、高屈折率層の順に積層されて成り、
表面側から第2層目の高屈折率層がTiO2 から成り、
この第2層目の高屈折率層の厚さが15nm〜26nm
の範囲内である反射防止膜を表示画面上に備えた画像表
示装置である。
【0018】図1は、本発明の一実施の形態として、反
射防止膜の積層構造を示す概略断面図である。本実施の
形態は、4層構造の広帯域反射防止膜をPET上に成膜
した場合である。この反射防止膜10は、光線の入射側
となる表面側から順に、第1の低屈折率層1、第1の高
屈折率層2、第2の低屈折率層3、第2の高屈折率層4
が積層された構造となっており、最も下層の第2の高屈
折率層4がPET(ポリエチレンテレフタレート)から
成る透明基板11上に配置された構造を有している。
【0019】第1及び第2の低屈折率層1及び3には、
SiO2 やMgF2 (n=1.38),LiF(n=
1.4),AlF3 (n=1.4),Na3 AlF
6 (n=1.33)等の低屈折率材料が用いられる。
【0020】第2の高屈折率層4には、TiO2 やIT
O(n=1.95〜2.1),ZnO(n=1.9),
CeO2 (n=1.95),SnO2 (n=1.9
5),Al2 3 (n=1.63),La2 3 (n=
1.95),ZrO2 (n=2.05),Y2 3 (n
=1.87)等の高屈折率材料を用いることが可能であ
る。
【0021】尚、PETから成る透明基板11上に、図
示しないハードコート層と接着層を設け、その上に第2
の高屈折率層4を接続して4層膜を積層する構成とする
こともできる。この場合のハードコート層と接着層は、
反射防止の効果を有しないため、特に材料や膜厚等は限
定されない。
【0022】本実施の形態では、特に表面側から第2層
目の第1の高屈折率層2に、最も屈折率の高いTiO2
を用いる。また、このTiO2 から成る第1の高屈折率
層2の厚さを15nm〜26nmの範囲内とする。
【0023】このように反射防止膜10を構成すること
により、反射防止膜10における外部光の反射率を低減
すると共に、TiO2 から成る第1の高屈折率層2の厚
さを薄くして、第1の高屈折率層2の成膜に要する時間
を短縮することができる。
【0024】この本実施の形態の反射防止膜10の作用
効果について、さらに以下に詳しく説明する。ここで、
反射防止膜10の視感反射率を求める方法を説明する。
波長λに対する照明光の強度の分布P(λ)の一例を図
7Aに示し、反射防止膜10の波長λに対する反射率の
分布R(λ)の一例を図7Bに示し、波長λに対する等
色関数y(λ)の一例を図7Cに示す。このうち等色関
数y(λ)は、等エネルギースペクトルの単色成分の三
刺激値を波長λの関数として表したものである。
【0025】これら波長λに対する照明光の強度P
(λ)、反射率R(λ)、等色関数y(λ)の各分布か
ら、下記数式(4)により視感反射率を求めることがで
きる。 ただし、積分の範囲は視感領域即ちλ=380〜780
nmとする。
【0026】本実施の形態のように4層の積層から成る
反射防止膜10では、反射防止膜10の視感反射率が充
分小さくなるようにすればよく、この視感反射率を0.
6%以下にすることが好ましい。このように視感反射率
を0.6%以下とすれば、外部光の反射の影響をほとん
ど気にならない程度に少なくすることができる。
【0027】次に、反射防止膜10の各層の膜厚の設計
にあたっては、前述した振幅条件の式(1)及び位相条
件の式(2)に基づいて行うが、図1に示す反射防止膜
10の構成では、屈折率の関係が式(1)の振幅条件を
満たさないため、式(2)の位相条件をそのまま適用す
ることはできない。そこで、位相条件の式(2)の前半
の n1 1 =n2 2 /2=λ0 /4 (3) の関係を維持した上で、さらに3層目(第2の低屈折率
層3)及び4層目(第2の高屈折率層4)の膜厚を視感
反射率が小さくなるように調整する。
【0028】すると、例えば1層目(第1の低屈折率層
1)n1 1 =λ0 /4(d1 =94nm)、2層目
(第1の高屈折率層2)n2 2 =λ0 /2(d2 =1
04nm)、3層目(第2の低屈折率層3)n3 3
λ0 /8(d3 =47nm)、4層目(第2の高屈折率
層4)n4 4 =λ0 /16(d4 =13nm)のよう
な構成が得られる。この膜構成の反射防止膜における反
射率の波長分散を図10に示す。図10より、この場合
の反射防止膜の性能の指標となる視感反射率は2.14
%であり、まだ充分低い視感反射率とはなっていない。
【0029】そこで、さらに低い視感反射率を達成する
ために、膜厚をチューニングする。これにより、1層目
(第1の低屈折率層1)d1 =91nm、2層目(第1
の高屈折率層2)d2 =103nm、3層目(第2の低
屈折率層3)d3 =40nm、4層目(第2の高屈折率
層4)d4 =8nmという組み合わせを見つけることが
できる。この膜構成の反射防止膜における透過率の波長
分散を図8Aに示し、吸収率の波長分散を図8Bに示
し、反射率の波長分散を図9に示す。図9より、視感反
射率は0.16%と充分低くなっており、優れた反射防
止性を示している。
【0030】ここで、第1及び第2の低屈折率層1及び
3に例えばSiO2 を用いた場合には、マグネトロンス
パッタ法による成膜レートは前述した10〜25nm×
m/分となる。一方、第1の高屈折率層2に用いられる
TiO2 は、マグネトロンスパッタ法による成膜レート
は5〜6nm×m/分程度である。
【0031】図9に反射率の波長分布を示した上述の膜
厚の組み合わせでは、成膜レートの遅いTiO2 膜から
成る第1の高屈折率層2の厚さd2 が103nmと他の
層と比較して厚くなっている。即ち実際の製造上におい
ては、最も膜厚の厚い膜の成膜レートが最も遅いことに
なり、高速な生産には不向きとなってしまう。
【0032】成膜レートの差を鑑みると、TiO2 の膜
厚は薄いほど有利である。そこで、TiO2 から成る2
層目(第1の高屈折率層1)の膜厚が薄くなることを条
件に再度膜厚をチューニングすることによって、1層目
(第1の低屈折率層1)d1 =110nm、2層目(第
1の高屈折率層2)d2 =20nm、3層目(第2の低
屈折率層3)d3 =53nm、4層目(第2の高屈折率
層4)d4=9nmという膜厚の組み合わせを得た。こ
の場合の透過率の波長分散を図2Aに示し、吸収率の波
長分散を図2Bに示し、反射率の波長分散を図3に示
す。このとき、図9の反射率には及ばないものの、視感
反射率を0.26%と低くすることができ、実用上充分
な性能が得られることがわかった。このような膜厚構成
は、一般に知られている設計指針からは見出すことがで
きない。
【0033】このようにすれば、2層目のTiO2 の膜
厚が20nmと比較的薄いため、2層目の成膜に要する
時間を低減することができ、反射防止膜10全体の製造
に要する時間を低減することができる。
【0034】さらに、他の1層目、3層目、4層目の膜
厚を一定にして、2層目のTiO2膜から成る第1の高
屈折率層2の膜厚を変化させた場合の視感反射率の変化
を調べた。他の層の膜厚は、それぞれ1層目(第1の低
屈折率層1)d1 =110nm、3層目(第2の低屈折
率層3)d3 =53nm、4層目(第2の高屈折率層
4)d4 =9nmとして、2層目の第2の高屈折率層2
の膜厚を0〜100nmの範囲で変化させて、それぞれ
反射防止膜10の視感反射率を求めた。結果を図4に示
す。
【0035】図4より、視感反射率がサインカーブのよ
うに変化して、最も視感反射率が小さくなるのは20n
m付近であることがわかる。また、図4より、2層目の
第1の高屈折率層2の膜厚を15nm〜26nmの範囲
内とすれば、視感反射率が前述した0.6%以下となる
ことが読み取れる。そして、この範囲内であれば、2層
目のTiO2 から成る第1の高屈折率層2の成膜に要す
る時間を短くすることが可能であるため、反射防止膜1
0全体の製造に要する時間を低減することができる。
【0036】尚、2層目以外の他の層の膜厚は、図2に
示した場合の膜厚の周辺で変化させれば、視感反射率の
上昇を招かず低い視感反射率が得られるので、上述した
膜厚の値に限定されない。
【0037】また、反射防止膜10に帯電防止機能も付
加したい場合、最も透明基板11側の4層目の第2の高
屈折率層4の材料としてITOを用いる。この場合にも
2層目の高屈折率層のTiO2 の膜厚d2 が15nm〜
26nmである条件を満たすように設計することができ
る。
【0038】例えば反射防止膜の各層の膜厚が、それぞ
れ1層目(第1の低屈折率層1)d 1 =109nm、2
層目(第1の高屈折率層2)d2 =20nm、3層目
(第2の低屈折率層3)d3 =42nm、4層目(第2
の高屈折率層4)d4 =25nmという組み合わせのと
き、視感反射率が0.28%となる。この構成の透過率
の波長分散を図5Aに示し、吸収率の波長分散を図5B
に示し、反射率の波長分散を図6に示す。ITO膜の成
膜レートは約20nm×m/分と充分に高いために、こ
の構成とした場合も高速な製造が可能である。
【0039】上述の本実施の形態によれば、第1の高屈
折率層2をTiO2 により形成し、この第1の高屈折率
層2の膜厚を15nm〜26nmの範囲内にすることに
より、反射防止膜10の視感反射率を0.6%以下と充
分低くすることができ、外部光による反射を低減するこ
とができる。
【0040】また本実施の形態によれば、成膜レートの
低いTiO2 膜の厚さが薄くなるためTiO2 膜の成膜
に要する時間を低減することができるために、反射防止
膜10の製造に要する時間も低減することができる。こ
れにより、製造速度を2〜4倍程度向上させることが可
能になる。従って、大量生産による安価な反射防止膜1
0を供給することが可能になる。
【0041】尚、上述の実施の形態では、透明基板11
にPET(n=1.42)を用いたが、PETの代わり
にガラス(n=1.52)等により透明基板11を構成
してもよい。
【0042】そして、上述の実施の形態の反射防止膜1
0を表示画面上に備えることにより、CRT(陰極線
管)・LCD(液晶ディスプレイ)・PDP(プラズマ
ディスプレイ)等の画像表示装置を構成することができ
る。この場合、上述の実施の形態の反射防止膜10によ
り視感反射率が低減されているため、外部光の表示画面
における反射を低減することができる。また、成膜レー
トの低いTiO2 膜が薄くなっており反射防止膜の製造
に要する時間が低減されているため、反射防止膜10を
表示画面上に備えた画像表示装置の製造に要する時間の
短縮を図ることができる。
【0043】反射防止膜の画像表示装置の表示画面上へ
の取付は、例えば接着剤を用いて接着することにより行
うことができる。このとき、例えば表示画面の透明材の
表面に反射防止膜を取り付けるが、透明材に4層目の第
2の低屈折率層を直接付ける構成と、PET等の透明基
板11上に4層構造を形成した反射防止膜10を透明材
に付ける構成とが考えられる。後者の方が、反射防止膜
の取付が容易であり、安定して製造を行うことができ
る。
【0044】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0045】
【発明の効果】上述の本発明によれば、反射防止膜の視
感反射率が充分低くなると共に、成膜レートが低いTi
2 膜の厚さが比較的薄くなり、TiO2 膜から成る高
屈折率層の成膜に要する時間を低減して、反射防止膜全
体の製造に要する時間を低減することができるため、安
定して高速に製造することができる。従って、反射防止
膜が高い生産性を有し、大量生産により反射防止膜を安
価に市場に提供することができる。
【0046】また、本発明によれば、反射防止膜の視感
反射率が充分小さくなっているので、表示画面における
外部光の反射が充分に低減される。また、反射防止膜の
製造に要する時間も低減されているため、画像表示装置
の製造に要する時間も低減される。従って、本発明によ
り、表示画面上に反射防止膜を備えた画像表示装置の生
産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の反射防止膜の積層構造
を示す概略断面図である。
【図2】A 第1の高屈折率層の膜厚を薄くした構成に
おける透過率の波長分散を示す図である。 B 第1の高屈折率層の膜厚を薄くした構成における吸
収率の波長分散を示す図である。
【図3】第1の高屈折率層の膜厚を薄くした構成におけ
る反射率の波長分散を示す図である。
【図4】第1の高屈折率層の膜厚を変化させたときの視
感反射率の変化を示す図である。
【図5】A 第2の高屈折率層をITO膜とした構成に
おける透過率の波長分散を示す図である。 B 第2の高屈折率層をITO膜とした構成における吸
収率の波長分散を示す図である。
【図6】第2の高屈折率層をITO膜とした構成におけ
る反射率の波長分散を示す図である。
【図7】視感反射率の求め方を説明する図である。 A 照明光強度の波長分布の一例を示す図である。 B 反射率の波長分布の一例を示す図である。 C 等色関数の波長分布の一例を示す図である。
【図8】A 第1の高屈折率層の膜厚を厚くした構成に
おける透過率の波長分散を示す図である。 B 第1の高屈折率層の膜厚を厚くした構成における吸
収率の波長分散を示す図である。
【図9】第1の高屈折率層の膜厚を厚くした構成におけ
る反射率の波長分散を示す図である。
【図10】位相条件の式により求めた膜厚構成の場合に
おける反射率の波長分散を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の低屈折率層、2 第1の高屈折率層、3 第
2の低屈折率層、4 第2の高屈折率層、10 反射防
止膜、11 透明基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/72 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H091 FA37X FB06 FC02 FC26 FC29 FD06 FD23 LA11 2K009 AA07 BB24 CC03 DD04 4F100 AA20 AA21B AA33 AK42 AT00E BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA10E BA26 EH66 EH662 GB41 JN01E JN18 JN18A JN18B JN18C JN18D YY00B 5C058 DA01 5G435 AA02 AA17 BB12 CC09 FF03 HH03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側から低屈折率層、高屈折率層、低
    屈折率層、高屈折率層の順に積層されて成る反射防止膜
    であって、 表面側から第2層目の上記高屈折率層がTiO2 から成
    り、 上記第2層目の上記高屈折率層の厚さが、15nm〜2
    6nmの範囲内であることを特徴とする反射防止膜。
  2. 【請求項2】 表面側から第4層目の上記高屈折率層に
    対して、表面側とは反対側に透明基板が接続されて成る
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 【請求項3】 表面側から低屈折率層、高屈折率層、低
    屈折率層、高屈折率層の順に積層されて成り、表面側か
    ら第2層目の上記高屈折率層がTiO2 から成り、該第
    2層目の上記高屈折率層の厚さが、15nm〜26nm
    の範囲内である反射防止膜を表示画面上に備えたことを
    特徴とする画像表示装置。
JP2001083323A 2001-03-22 2001-03-22 反射防止膜及びこれを用いた画像表示装置 Pending JP2002277608A (ja)

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