JP2002277589A - Mo/Si多層膜及びその耐熱性を向上させる方法 - Google Patents
Mo/Si多層膜及びその耐熱性を向上させる方法Info
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Abstract
多層膜反射鏡において使用される耐熱性を向上させた多
層膜。 【解決手段】 Mo/Si多層膜において、Si層の上、下ま
たは両側にSiO2層を挿入し、Mo層とSi層との界面におけ
る拡散を抑制することからなる、耐熱性を向上させたMo
/Si多層膜、及びMo/Si多層膜において、イオンビームス
パッタ法によりSi層の上、下または両側にSiO2層を挿入
し、Mo層とSi層との界面における拡散を抑制することか
らなるMo/Si多層膜の耐熱性を向上させる方法。
Description
い反射率を実現するMo/Si多層膜反射鏡において使用さ
れる耐熱性を向上させた多層膜及びその耐熱性を向上さ
せる方法に関するものである。
光学系への応用について考えると、多層膜反射鏡は、極
めて強い光の負荷を受けることになり、結果として素子
の温度が上昇する。そのため、過酷な条件下での使用に
も耐えうる安定な耐熱性多層膜反射鏡が求められてい
る。
域において高い反射率を示すにも関わらず、特に300℃
以上では熱的に不安定となり、Si層とMo層との界面にお
いてSi化合物が生成され、界面がぼやけることが原因と
なり反射率が低下することが知られている。
B4C(モリブデン/炭化ホウ素)、Mo/SiC(モリブデン/
炭化シリコン)、W/BN(タングステン/窒化ホウ素)
等、軽元素層に耐熱性材料を用いることで耐熱性が向上
することや、Moに代えてMoシリサイドを使用すること、
Mo層とSi層の間にC(カーボン)層を挿入する方法など
が見出されてきた。
高い反射率を示すにも関わらず、熱的に不安定なMo/Si
多層膜はMo層とSi層の界面において形成されるSi化合物
が反射率低減の原因となっている。本発明は、従来技術
に無い新たな物質を多層膜界面に導入することにより、
Si化合物の生成を抑え、耐熱性を向上させるものであ
る。
のMo層とSi層との界面(Si層の上、下または両方)に薄
いシリコン酸化物層(Si2O3等も含まれるSiO2を中心と
する層)を挿入することにより、Mo層とSi層の界面にお
けるSi化合物の生成を抑制し、熱による多層膜の周期長
および軟X線反射率の低減を抑え、耐熱性を向上させる
ものである。
線と呼ばれており、物質による吸収が大きいため、光路
を真空にしなければならないうえに、光学定数もほとん
ど1に近く、屈折を利用したレンズが使えないなどの困
難がある。また、反射率も極端に小さいために、全反射
を利用した斜入射光学系が主流であるが、結像する際の
収差が大きくなる。また、広い取り込み角で光を集める
ためには、非常に大きな鏡が必要となる。そのため、直
入射で高い反射率を得ることが出来る多層膜反射鏡が注
目された。
に軟X線の波長程度の厚さに何十層も積層させたもので
ある。軟X線を多層膜に入射させると、各層から反射さ
れる光が干渉効果によって特定の方向に強め合うBragg
反射が起こる。多層膜反射鏡は、このBragg反射を利用
した光学系であり、表面に対して垂直に近い角度で光が
入射しても高い反射率を得ることができる。
層膜において、波長13nm近傍の直入射領域で60%を超え
る反射率が得られており、直入射型のX線望遠鏡,X線顕
微鏡に加えて、X線リソグラフィー等に用いる光学素子
としての応用研究が精力的に進められている。また、放
射光分光素子やX線レーザーの共振器ミラーとしての多
層膜反射鏡の適応研究も行われている。
現するMo/Si多層膜反射鏡の耐熱性向上に関するもので
ある。以下に本発明の実施例に基づいて説明する。
より、Mo/Si多層膜(従来例)およびMo/SiO2多層膜(従
来例)、そしてMo層とSi層との界面に薄いSiO2層を挿入
したMo/Si/SiO2多層膜(Si層の上側にSiO2層を挿入)、
Mo/SiO2/Si多層膜(Si層の下側にSiO2層を挿入)、Mo/S
iO2/Si/SiO2多層膜(Si層の両側にSiO2層を挿入)を室
温にて成膜した。各多層膜試料の設計値を表1及び概略
図を図1から図5に示す。
とSiを1つのペアとし、1周期とする。Mo層厚とSi層厚と
を合わせた膜厚が周期長となり、ペアの総数が多層膜の
周期である。図2は、Mo/SiO2多層膜の概略図である。
Mo/Si/SiO2多層膜である。図4は、図3の多層膜とは反
対にSi層の下側にSiO2層を挿入したMo/SiO2/Si多層膜、
図5は、Si層の両側にSiO2層を挿入したMo/SiO2/Si/SiO
2多層膜成膜の概略図である。
加熱処理を200℃、300℃、350℃及び400℃にて1時間づ
つ行った。また加熱処理の後に各多層膜試料のCuKα1線
によるX線反射率測定を行い、構造評価を行った。各温
度における各多層膜試料の周期長の変化を図6に示す。
期長が小さくなり、加熱温度が400℃を超えると、1割
以上も周期長が短くなる。しかし、Si層の上または下側
に薄いSiO2層を挿入した多層膜では、周期長にMo/Si多
層膜のような大きな変化は無く、数%の減少にとどまる
ことが確認された。一方、Si層の両側にSiO2層を挿入し
た多層膜とSi層のかわりにSiO2層を用いた多層膜では、
温度の上昇に伴って周期長は大きくなっているが、変化
の割合は小さく抑えられている。
射光を用いた軟X線反射率測定を行った。結果を図7か
ら図11に示す。図7に示したMo/Si多層膜では、加熱
処理による周期長の変化に伴って、反射率のピークを示
す波長が短波長側にシフトし、それと同時に反射率も大
きく減少している。図8はSi層の代わりにSiO2層を用い
たMo/ SiO2多層膜の軟X線反射率を示したものである。M
o/Si多層膜に比べ、反射率の絶対値は小さいがピーク波
長、反射率ともに加熱処理による変化は小さい。
i/ SiO2多層膜の軟X線反射率を示したものである。加熱
処理による変化も小さく、高い反射率を維持しており、
効果的に耐熱性の向上が実現されている。一方、図10
に示したMo/ SiO2/Si多層膜は、Si層の下側にSiO2層を
挿入した多層膜試料であるが、加熱処理による影響がや
や大きく出ている。しかし、SiO2層を挿入しないMo/Si
多層膜の変化に比べると、耐熱性は向上している。最後
に図11に示したSi層の両側にSiO2層を挿入したMo/ Si
O2/Si/ SiO2多層膜では、Mo/Si/ SiO2多層膜と同様にピ
ーク波長変化や反射率の低下は抑えられ、SiO2層の挿入
がMo/Si多層膜の耐熱性の向上に効果的に作用している
ことを証明している。
O2層を挿入した多層膜は、Mo/Si多層膜に比べ、周期長
の変化が小さく抑えることが可能である。また、軟X線
反射率の低下やピーク波長のシフトもほとんど起きてい
ないことが証明された。
薄いSiO2層を挿入することによって、Mo/Si多層膜の耐
熱性が向上することを見出した。このことから、Mo層と
Si層との界面にSiO2層を挿入した多層膜は、放射光やX
線レーザー等の高熱負荷軟X線用の反射鏡として利用す
ることが期待出来る。
O2多層膜を示す図である。
を挿入したMo/SiO2/Si多層膜を示す図である。
iO2多層膜を示す図である。
らの変化を示した図である。
X線反射率測定の結果を示した図である。
の軟X線反射率測定の結果を示した図である。
軟X線反射率を示した図である。
の軟X線反射率を示した図である。
多層膜の軟X線反射率を示した図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 Mo/Si多層膜において、Si層の上、下ま
たは両側にシリコン酸化物層を挿入し、Mo層とSi層との
界面における拡散を抑制することからなる、耐熱性を向
上させたMo/Si多層膜。 - 【請求項2】 シリコン酸化物層がSiO2を中心とするシ
リコン酸化物層である請求項1記載の多層膜。 - 【請求項3】 Si層の上側にSiO2層を挿入したMo/Si/Si
O2多層膜からなる請求項1記載の多層膜。 - 【請求項4】 Si層の下側にSiO2層を挿入したMo/SiO2/
Si多層膜からなる請求項1記載の多層膜。 - 【請求項5】 Si層の両側にSiO2層を挿入したMo/SiO2/
Si/SiO2多層膜からなる請求項1記載の多層膜。 - 【請求項6】 放射光又はX線レーザーの高熱負荷軟X線
用の反射鏡として利用することが来る請求項1乃至請求
項4のいずれかに記載の多層膜。 - 【請求項7】 Mo/Si多層膜において、Si層の上、下ま
たは両側にSiO2層を形成することにより、Mo層とSi層と
の界面における拡散を抑制することからなるMo/Si多層
膜の耐熱性を向上させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001076031A JP2002277589A (ja) | 2001-03-16 | 2001-03-16 | Mo/Si多層膜及びその耐熱性を向上させる方法 |
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ID=18933034
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JP2001076031A Pending JP2002277589A (ja) | 2001-03-16 | 2001-03-16 | Mo/Si多層膜及びその耐熱性を向上させる方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002277589A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9213231B2 (en) | 2013-07-10 | 2015-12-15 | Canon Kabushiki Kaisha | Reflective original, exposure method, and device manufacturing method |
JP2016111035A (ja) * | 2014-12-02 | 2016-06-20 | エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 | 多層膜反射鏡およびeuv光装置 |
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-
2001
- 2001-03-16 JP JP2001076031A patent/JP2002277589A/ja active Pending
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