JP2002275522A - ガス上吹きランスとそれを用いた転炉の操業方法 - Google Patents

ガス上吹きランスとそれを用いた転炉の操業方法

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JP2002275522A
JP2002275522A JP2001078332A JP2001078332A JP2002275522A JP 2002275522 A JP2002275522 A JP 2002275522A JP 2001078332 A JP2001078332 A JP 2001078332A JP 2001078332 A JP2001078332 A JP 2001078332A JP 2002275522 A JP2002275522 A JP 2002275522A
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幸雄 高橋
Goro Okuyama
悟朗 奥山
Takeshi Suzuki
健史 鈴木
Hideji Takeuchi
秀次 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 ガス上吹きランスから噴射される酸化性ガ
ス流量を変化させた場合でも、脱炭速度の低下を抑制で
きるガス上吹きランスおよびそのガス上吹きランスを用
いた転炉の操業方法を提供する。 【解決手段】 オリフィスの壁面に補助ガス供給ノズル
を配設したガス噴射ノズルを有するガス上吹きランスを
用い、ガス上吹きランスの高さおよび/または酸化性ガ
スの流量に応じて補助ガス供給ノズルからオリフィス内
に吹き込まれる補助ガス流量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上底吹き転炉等の
精錬装置に用いられる上吹きランスおよびその上吹きラ
ンスを用いた上底吹き転炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上底吹き転炉等の精錬装置において溶鉄
中のCを除去するいわゆる脱炭処理に際しては、上吹き
ランスおよび底吹き羽口のいずれか一方、またはその両
方から精錬装置内に保持した溶鉄に酸化性ガス(たとえ
ばO2 ガスあるいはO2 含有ガス)を供給する。そして
下記の (1)式で表される溶鉄中のCの酸化反応(いわゆ
る1次燃焼)を利用して脱炭処理を行なう。
【0003】 〔C〕+1/2O2 →CO ・・・ (1) 〔C〕:溶鉄中のC 上吹きランスから噴射する酸化性ガスは、精錬装置内の
雰囲気ガス(以下、炉内雰囲気ガスという)を巻き込ん
で溶鉄上面まで到達する。炉内雰囲気ガスには(1)式で
表される1次燃焼で発生するCOが含まれており、酸化
性ガス中のO2の一部が下記の (2)式で表されるように
COと反応(いわゆる2次燃焼)するので、溶鉄上面に
到達するO2 量は減少する。
【0004】 CO+1/2O2 →CO2 ・・・ (2) 一方、底吹き羽口から酸化性ガスを供給する場合は、1
次燃焼や2次燃焼は生じないので、酸化性ガス中のO2
全量が溶鉄中に供給される。脱炭処理を基本とする精錬
を上底吹き転炉で行なうにあたって生産性を高めるため
には、 (1)式で表される1次燃焼の効率を改善して脱炭
速度を向上する必要がある。そのためには上吹きランス
から噴射する酸化性ガスの流量を増加したり、溶鉄上面
に到達する酸化性ガス中のO2 量を増加することが重要
である。
【0005】高炭素濃度域では、脱炭速度は酸化性ガス
の供給量で律速される。したがって脱炭速度を向上する
ためには、上吹きランスおよび底吹き羽口から供給され
る酸化性ガス流量の増加が有効である。一方、低炭素濃
度域では、脱炭速度は溶鉄中のCの移動で律速される。
したがって溶鉄の攪拌を強化しかつ酸化性ガス供給量を
Cの移動速度に適合させることによって脱炭速度を向上
できる。
【0006】このため、上底吹き転炉では、溶鉄のC含
有量に応じて酸化性ガス供給量を調整したり、あるいは
上吹きランスの先端と溶鉄の静止浴面との距離(いわゆ
るランス高さ)を調整することによって、鉄の酸化損失
を抑制して脱炭処理を効率的に促進する。たとえばラン
ス高さが低い場合は、上吹きランスから噴射される酸化
性ガス中への炉内雰囲気ガスの巻き込み量が減少するの
で、2次燃焼で消費されるO2 量が減少し、その結果、
溶鉄上面に到達する酸化性ガス中のO2 量が増加する。
一方、ランス高さが高い場合は、上吹きランスから噴射
される酸化性ガス中への炉内雰囲気ガスの巻き込み量が
増大するので、溶鉄の上面に到達する酸化性ガス中のO
2 量が減少する。
【0007】上吹きランスに配設されるノズルは、溶鉄
上面へ到達する酸化性ガス量を増加させるために末広型
の多孔ノズルが広く使用されている。末広型ノズルは、
オリフィス部における酸化性ガスの圧力をノズル内で炉
内雰囲気圧力まで膨張させる(ノズル出口における噴流
静圧=炉内雰囲気圧力)ことが可能であるから、酸化性
ガスの超音速噴流を形成できる。超音速噴流は、上吹き
ランスから噴射される酸化性ガスによる炉内雰囲気ガス
の巻き込みを抑制し、かつ酸化性ガスによる溶鉄の攪拌
を強化するので、脱炭速度を向上する上で有効に作用す
る。
【0008】通常、上底吹き転炉の操業において、酸化
性ガスの大部分は上吹きランスから噴射し、底吹き羽口
からは不活性ガスや一部の酸化性ガスが供給される。し
たがって、溶鉄のC含有量に応じて酸化性ガス供給量を
調整することは、実質的に上吹きランスから噴射される
酸化性ガスの流量を調整することを意味する。上吹きラ
ンスから噴射される酸化性ガスの流量を変化させると、
酸化性ガスの流速も変化する。
【0009】特に低炭素濃度域では、上吹きランスから
噴射される酸化性ガスの流量を減少して溶鉄の過酸化を
抑制する技術を採用する場合が多い。このような場合
は、酸化性ガス流量の減少にともなって末広型ノズルの
入口(すなわちオリフィス部)における酸化性ガス圧力
が低下し、末広型ノズルの出口において過膨張の状態に
なる。つまり、上吹きランスから噴射される酸化性ガス
の流速が低下して、炉内雰囲気ガスが酸化性ガスに巻き
込まれやすくなる。その結果、2次燃焼が生じて溶鉄上
面に到達するO2 量が減少する。
【0010】この問題の解決策として、ランス高さを低
下して酸化性ガスを噴射することが考えられる。しかし
ランス高さが低下すると、上吹きランスの先端が溶鉄上
面に接近するので、スピッティングによる上吹きランス
への地金付着を助長するので、上吹きランスの昇降動作
に支障をきたすばかりでなく、上吹きランスの損傷を招
く危険性がある。
【0011】また低炭素濃度域で上吹きランスから噴射
される酸化性ガスの流量を減少し、かつ酸化性ガスの流
速を向上できるように末広型ノズルを設計することも可
能である。しかし、高炭素濃度域では、酸化性ガスの流
量を増加させる必要があるので、このように設計した末
広型ノズルでは、末広型ノズルの入口における酸化性ガ
ス圧力が過剰に上昇して、末広型ノズルの出口で衝撃波
が形成される。この衝撃波の形成によりノズル出口にお
いて亜音速噴流となるので、上底吹き転炉内の雰囲気ガ
スが酸化性ガスに巻き込まれやすくなる。その結果、2
次燃焼が生じて溶鉄上面に到達するO2 量が減少する。
【0012】このような問題を解決するために、特開20
00-234116 号公報において、スロート部と出口部の間の
ノズル内面にガス吹き出し用の吹き出し口を設けたラバ
ールノズルとこれを用いた操業方法が開示されている。
すなわち、ガス流量が大きい条件で超音速噴流が得られ
るようにラバールノズルを設計した上で、ガス流量を減
少させた場合、すなわちスロート部(ノズル入口)の圧
力が低下した場合に、この吹き出し口から少量のガスを
吹き出し、ラバールノズルのテーパー部に沿って流れて
きた主流ガスの境界層ガスを押し出して、境界層を剥離
させることによって主流ガスの膨張を阻害し、ラバール
ノズルの面積比(スロート部面積に対する出口部面積の
比)を小さくでき、スロート部圧力が低下しても主流ガ
スを適正な膨張に調整することが可能となり、出口部の
主流ガスの流速を高められるとしている。さらに、この
方法を270ton規模の転炉操業に適用し、吹き止め時のC
濃度を調査した結果、従来の方法と比較してC濃度を低
下できることを示している。
【0013】しかしながら、この方法の問題点は、スロ
ート部と出口部の間のノズル内面からの少量のガス吹き
出しによって剥離させた主流ガスの境界層をラバールノ
ズルの出口まで維持できず、主流ガス境界層がノズル内
面に再付着することにある。すなわち、スロート部と出
口部の間のノズル内面からの少量のガス吹き出しによっ
て、ガス吹き出し部での主流ガスの膨張を抑制できる
が、この主流ガス境界層の再付着は、出口部に至るまで
の間に主流ガスが再膨張することを意味するので、結局
ラバールノズルの面積を実質的には小さくできないので
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解消し、上吹きランスから噴射される酸化性ガス
流量を変化させた場合でも、脱炭速度の低下を抑制でき
る上吹きランス、およびその上吹きランスを用いた上底
吹き転炉の操業方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上底吹き
転炉の操業において、上吹きランスから噴射される酸化
性ガス流量を変化させた場合でも、酸化性ガスの膨張を
適正に維持できる技術について、5ton 規模の上底吹き
転炉で、酸化性ガスとしてO2 ガスを使用して検討を進
めた。
【0016】上底吹き転炉の操業においては、図4に示
すような、オリフィス径dが5.7mmまたは8.0mm ,末広
型ノズル出口径Dが9.1mm の末広型ノズルを4個配設し
た上吹きランスを使用し、ランス高さは 0.7mとした。
さらに脱炭精錬初期は、上吹きランスから噴射するO2
ガス流量を17.0Nm3/分,底吹き羽口から供給するO
2 ガス流量を 1.0Nm3 /分とし、脱炭精錬末期は、上
吹きランスから噴射するO2 ガス流量を 9.6Nm3
分,底吹き羽口から供給するO2 ガス流量を 2.0Nm3
/分とした。
【0017】その結果、オリフィス径dが 8.0mmの末広
型ノズルを有する上吹きランスを使用した場合には、上
吹きランスからO2 ガスを流量17.0Nm3 /分で噴射す
ると膨張が不足し、 9.6Nm3 /分で適正な膨張が得ら
れた。つまり脱炭精錬初期に行なったオリフィス径dが
8.0mm ,O2 ガス流量が17.0Nm3 /分の条件では、脱
炭反応に寄与するO2 量が低下することを意味する。そ
の結果、オリフィス径dが 5.7mmの上吹きランスを使用
した場合と比べて、脱炭精錬に要する時間が 2.7分延長
された。
【0018】このことは、オリフィス径dの違いによっ
て、上吹きランスから噴射するO2ガスに巻き込まれる
炉内雰囲気ガス量が変化することに起因する。すなわち
オリフィス径dが大きい場合には、O2 ガスに巻き込ま
れる炉内雰囲気ガス量が増加して2次燃焼が増加する
が、オリフィス径dが小さい場合には、O2 ガスに巻き
込まれる炉内雰囲気ガス量が減少して2次燃焼が減少
し、溶鉄上面に到達するO 2 量が増加することに起因す
る。
【0019】また、オリフィス径dが 8.0mmの上吹きラ
ンスを用いて、オリフィス径dが 5.7mmの上吹きランス
と同等の脱炭速度を得られるランス高さを調査したとこ
ろ、約 0.5mであることが分かった。しかしなから、こ
のランス高さでは、スピッティングによって上吹きラン
ス先端に地金が付着する現象が顕著となり、上吹きラン
スの昇降動作に支障をきたしたり、地金除去のために操
業を停止する等の問題が発生する可能性が示唆された。
【0020】一方、オリフィス径dが 5.7mmの末広型ノ
ズルを有する上吹きランスを使用した場合には、上吹き
ランスからO2 ガスを流量17.0Nm3 /分で噴射すると
適正な膨張が得られ、 9.6Nm3 /分で過剰な膨張とな
った。つまり脱炭精錬末期に行なったオリフィス径dが
5.7mm ,O2 ガス流量が 9.6Nm3 /分の条件では、脱
炭反応に寄与するO2 量が低下することを意味する。そ
の結果、溶鉄が過酸化状態になり、鉄歩留りが低下す
る。
【0021】上記の知見から、本発明者らは、上吹きラ
ンスから噴射されるO2 ガス流量やランス高さを変化さ
せた場合には、これに応じてオリフィス径dをも適正な
値に変化させることが必要であると考えた。しかし上吹
きランスが極めて高温の環境下で使用され、かつO2
ス流路や冷却水流路が設けられて複雑な構造であること
を考慮すると、オリフィス径dを機械的に変化させるこ
とは極めて困難である。
【0022】そこで本発明者は、オリフィスの壁面から
補助ガスを供給することによって、実質的にオリフィス
径dを変化させるのと同じ効果を得ることを想到し、本
発明を完成したのである。すなわち本発明は、1個また
は複数個のガス噴射ノズルを有するガス上吹きランスに
おいて、ガス噴射ノズル内にオリフィスを配設し、オリ
フィスの壁面に補助ガス供給ノズルを配設するガス上吹
きランスである。
【0023】また本発明は、オリフィスを配設したガス
噴射ノズルを1個または複数個有するガス上吹きランス
から溶鉄上面に酸化性ガスを噴射するにあたり、ガス上
吹きランスの高さおよび/または酸化性ガスの流量に応
じてオリフィスの壁面に配設した補助ガス供給ノズルか
らオリフィス内に吹き込まれる補助ガスの流量を制御す
る上底吹き転炉の操業方法である。
【0024】前記した操業方法の発明においては、酸化
性ガスがO2 ガスであることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のガス上吹きラン
スの例を示す断面図であり、(a) は縦断面図、(b) はA
−A矢視の部分断面図である。なお図1には4個のガス
噴射ノズル3を配設する例を示したが、本発明ではガス
噴射ノズル3の個数は4個に限定しない。すなわち上吹
きランス1には1個または複数個のガス噴射ノズル3が
配設され、各ガス噴射ノズル3の入口にはオリフィス2
が設けられる。オリフィス2の中心は、図1に示すよう
に、ガス噴射ノズル3の中心に一致させるのが好まし
い。
【0026】ガス噴射ノズル3の壁面には補助ガス供給
ノズル4が配設され、その補助ガス供給ノズル4からオ
リフィス2内に補助ガス7が吹き込まれる。図1に示す
ように、補助ガス供給ノズル4をオリフィス2に対して
全周に設けると、オリフィス2内を通過する酸化性ガス
5の直進性が向上し、かつ補助ガス7の流量に応じた酸
化性ガス5の流速の調整が可能となる。
【0027】図1に示した上吹きランス1を用いて、酸
化性ガス5の流量Qm (Nm3 /分)に対する補助ガス
7の流量QS (Nm3 /分)の比QS /Qm を変化させ
て、ガス噴射ノズル3の出口から 0.7m離れた位置にお
ける酸化性ガス5の噴流の中心部の流速(m/秒)と補
助ガス7の流量比QS /Qm との関係を調査した。その
結果を図2に示す。なお、図2中のQm は酸化性ガス5
の流量(Nm3 /分),QS は補助ガス7の流量(Nm
3 /分),dはガス噴射ノズル3のオリフィス2の直径
(mm),Dはガス噴射ノズル3の出口の直径(mm)を指
す。
【0028】図2から明らかなように、補助ガス7の流
量比QS /Qm を変化させると、上吹きランス1から噴
射される酸化性ガス5の流速が変化することが分かる。
つまり噴射ノズル3のオリフィス2の直径d(mm)や出
口の直径D(mm)を変更しなくても、補助ガス7の流量
を変化させることによって、酸化性ガス5の流速を調整
することができるのである。
【0029】したがって補助ガス7の流量QS (Nm3
/分)を変化させて、上吹きランス1から噴射される酸
化性ガス5の流速を適正な範囲に維持しながら上底吹き
転炉を操業すると、溶鉄上面に到達する酸化性ガス5中
に含有されるO2 量を増加し、さらには脱炭速度を向上
することができる。なお、酸化性ガス5としてO2 ガス
を使用すると、脱炭速度が向上できるので好ましい。
【0030】また補助ガス7として酸化性ガス5を使用
すると、溶鉄上面に到達する酸化性ガス5の成分が変動
しないので好ましく、補助ガス7としてO2 ガスを使用
するのが一層好ましい。
【0031】
【実施例】容量5ton の上底吹き転炉を用いて溶鉄の脱
炭精錬を行なった。その装置の要部を模式的に図3に示
す。図3中の1は上吹きランス,8は上底吹き転炉,9
は底吹き羽口,10は溶鉄,11はスラグ,12は生石灰等の
副原料を投入するためのホッパーである。
【0032】上吹きランス1は、図1にその断面図を示
す通りであり、ガス噴射ノズル3を4個配設して、各ガ
ス噴射ノズル3の出口の直径Dは9.1mm ,オリフィス2
の直径dは8.0mm ,補助ガス供給ノズル4の開口部は環
状で隙間は2.0mm ,ガス噴射ノズル3の中心軸と上吹き
ランス1の中心軸とのなす角度は15°とした。オリフィ
ス2はガス噴射ノズル3に同心に配設し、補助ガス13流
量を独立して制御するためにガス噴射ノズル3を4重管
構造にした。
【0033】あらかじめ脱りん処理を施し、表1に示す
温度および成分を有する溶鉄を上底吹き転炉8に装入し
た後、酸化性ガス5としてO2 ガスを底吹き羽口9と上
吹きランス1から供給しつつ、ホッパー12から生石灰を
上底吹き転炉8内に投入してスラグ塩基度が 2.5となる
よう調整しながら、溶鉄10の炭素濃度が0.05質量%にな
るまで脱炭処理を行なった。
【0034】
【表1】
【0035】また、脱炭処理中は、溶鉄10の温度とC含
有量を測定するため、適宜サブランスを使用した。さら
に上吹きランス1から噴射される酸化性ガス5の流量Q
m (Nm3 /分)および補助ガス7の流量QS (Nm3
/分)は、溶鉄10中のC含有量に応じて表2に示すよう
に設定して溶鉄10の過酸化を防止した。なお補助ガス7
として、O2 ガスを使用した。これを発明例とする。
【0036】
【表2】
【0037】一方、比較例として、従来から知られてい
る図4に示すような、補助ガス供給ノズル4のない上吹
きランス1を用いて、上吹きランス1から噴射される酸
化性ガス5の流量Qm (Nm3 /分)を溶鉄10中のC含
有量に応じて表3に示すように設定して溶鉄10の過酸化
を防止した。その他の操業条件は発明例と同じであるか
ら説明を省略する。
【0038】
【表3】
【0039】発明例と比較例について、脱炭精錬に要す
る所要時間(分),溶鉄1ton あたりのO2 原単位(N
3 /ton ),脱炭精錬を終了したときのスラグ中のFe
含有量(質量%)を調査した。その結果は、表4に示す
通りである。
【0040】
【表4】
【0041】発明例は、脱炭精錬に要する所要時間が比
較例より短く、その結果、O2 原単位の削減と脱炭精錬
終了時のスラグ中のFe含有量の削減とを達成できた。し
たがって本発明では、溶鉄10中のCを効率的に除去でき
ることが確かめられた。なお、ここでは酸化性ガス5と
してO2 ガスを使用する例について説明したが、その他
の酸化性ガスを使用しても同様の効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明では、ガス上吹きランスから噴射
されて溶鉄上面に到達する酸化性ガス中のO2 が増加す
るので、脱炭速度が向上し、生産性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス上吹きランスの例を示す断面図で
あり、(a) は縦断面図、(b) はA−A矢視の部分断面図
である。
【図2】補助ガスの流量比率とガス噴射ノズル出口から
0.7mの位置での噴流中心流速との関係を示すグラフで
ある。
【図3】上底吹き転炉の操業の例を模式的に示す配置図
である。
【図4】従来のガス上吹きランスの例を示す断面図であ
り、(a) は縦断面図、(b) はB−B矢視の部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ガス上吹きランス 2 オリフィス 3 ガス噴射ノズル 4 補助ガス供給ノズル 5 酸化性ガス(O2 ガス) 6 冷却水 7 補助ガス 8 上底吹き転炉 9 底吹き羽口 10 溶鉄 11 スラグ 12 ホッパー
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 健史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 竹内 秀次 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K070 AB03 AB18 BA07 BB02 CF02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個または複数個のガス噴射ノズルを有
    するガス上吹きランスにおいて、前記ガス噴射ノズル内
    にオリフィスを配設し、前記オリフィスの壁面に補助ガ
    ス供給ノズルを配設することを特徴とするガス上吹きラ
    ンス。
  2. 【請求項2】 オリフィスを配設したガス噴射ノズルを
    1個または複数個有するガス上吹きランスから溶鉄上面
    に酸化性ガスを噴射するにあたり、前記ガス上吹きラン
    スのランス高さおよび/または前記酸化性ガスの流量に
    応じて前記オリフィスの壁面に配設した補助ガス供給ノ
    ズルから前記オリフィス内に吹き込まれる補助ガスの流
    量を制御することを特徴とする上底吹き転炉の操業方
    法。
  3. 【請求項3】 前記酸化性ガスが、O2 ガスであること
    を特徴とする請求項2に記載の上底吹き転炉の操業方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174029A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Jfe Steel Corp 転炉操業方法

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JP2009174029A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Jfe Steel Corp 転炉操業方法

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