JP2002272166A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

Info

Publication number
JP2002272166A
JP2002272166A JP2001066294A JP2001066294A JP2002272166A JP 2002272166 A JP2002272166 A JP 2002272166A JP 2001066294 A JP2001066294 A JP 2001066294A JP 2001066294 A JP2001066294 A JP 2001066294A JP 2002272166 A JP2002272166 A JP 2002272166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
torque
value
phase
electric motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001066294A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ishii
宏 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001066294A priority Critical patent/JP2002272166A/ja
Publication of JP2002272166A publication Critical patent/JP2002272166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低分解能なセンサを使用してコストを
抑制しつつ、始動時や極低回転速度での運転時であって
も所望のトルクに近いトルクが得られる電動機の制御装
置を提供する。 【解決手段】 電動機1の回転角を検出する回転位置検
出手段2からの信号を用いて電動機に供給する電流を制
御し、電動機1を制御する電動機制御装置において、電
動機1の回転速度と予め定めた値とを比較した結果に基
づいて、電動機1のトルクの低下の最大値を低減するよ
うに、回転位置検出手段2からの出力値を変更する位置
検出結果変更手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電動機(モータ)
の制御装置に関し、特に同期電動機の起動時等の低速時
の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石型同期モータのようなブラシレ
スモータの回転を制御する場合、ロータの回転角位置
(ロータ位相)に応じた電流制御を行うことになるの
で、ロータ位相を検出するセンサが必須となる。このよ
うなセンサとしては高い分解能を有するいわゆるレゾル
バの使用が考えられるが、このレゾルバは一般的に高価
であるため、より分解能の低いセンサを使用できるよう
にすることが望ましい。例えば、特開平9−74790
号公報に開示された制御装置では、センサの分解能を電
気角で60°まで落とし、より詳細なロータ位相につい
ては補間演算を行って推定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た制御装置の場合、ロータ位相の補間演算を行うにはロ
ータがある程度以上の速度で回転している必要があり、
ロータ回転速度が0であるモータ始動時や極低回転速度
で回転しているときは、有効な補間演算を行うことがで
きず、場合によっては始動トルクが大幅に低下する可能
性がある。
【0004】本発明は、比較的低分解能なセンサを使用
してコストを抑制しつつ、始動時や極低回転速度での運
転時であっても所望のトルクに近いトルクが得られる電
動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、電動機の
回転角を検出する回転位置検出手段からの信号を用いて
電動機に供給する電流を制御し、前記電動機を制御する
電動機制御装置において、前記電動機の回転速度と予め
定めた値とを比較した結果に基づいて、前記電動機のト
ルクの低下の最大値を低減するように、前記回転位置検
出手段からの出力値を変更する位置検出結果変更手段を
有する。
【0006】第2の発明は、第1の発明において、前記
位置検出結果変更手段は、前記電動機の回転速度と予め
定めた値とを比較した結果に基づいて、前記回転位置検
出手段からの出力値に予め定めた補正値を加算する処理
と、前記回転位置検出手段からの出力値に補間演算をす
る処理とを、選択的に実行することにより、前記回転位
置検出手段からの出力値を変更することを特徴とする。
【0007】第3の発明は、電動機の回転角を検出する
回転位置検出手段からの信号を用いて電動機に供給する
電流を制御し、前記電動機を制御する電動機制御装置に
おいて、前記電動機の回転速度と予め定めた値とを比較
した結果に基づいて、前記電動機のトルクの低下の最大
値を低減するように、前記電動機の制御に関する指令電
流ベクトルの位相を決定するベクトル位相決定手段を有
する。
【0008】第4の発明は、第3の発明において、前記
ベクトル位相決定手段は、前記電動機の回転速度と予め
定めた値とを比較した結果に基づいて、前記指令電流ベ
クトルの位相を目標トルクに基づいて求める第1の処理
と、前記指令電流ベクトルの位相を前記電動機の回転速
度と目標トルクとに基づいて求める第2処理とを、選択
的に実行することにより、前記電動機の制御に関する指
令電流ベクトルの位相を決定することを特徴とする。
【0009】第5の発明は、第4の発明において、前記
第1の処理と前記第2の処理とを切り替える際の、指令
電流ベクトルの位相の急激な変化を抑制する緩和手段を
有することを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】第1の発明では、電動機の回
転速度と予め定めた値とを比較した結果に基づいて、電
動機のトルクの低下の最大値を低減するように、回転位
置検出手段からの出力値を変更する位置検出結果変更手
段を有するので、電動機の始動時の位相検出誤差による
トルク低下を小さくすることができ、極低速時の平均ト
ルクの低下、トルクリップルの増大を軽減することがで
きる。よって、車両運転時の運転性の悪化を軽減するこ
とができる。
【0011】第2の発明では、位置検出結果変更手段
は、電動機の回転速度と予め定めた値とを比較した結果
に基づいて、回転位置検出手段からの出力値に予め定め
た補正値を加算する処理と、回転位置検出手段からの出
力値に補間演算をする処理とを、選択的に実行すること
により、回転位置検出手段からの出力値を変更するの
で、上記第1の発明に係る効果に加え、簡単な演算でト
ルクの低下を抑制することができる。
【0012】第3の発明では、電動機の回転速度と予め
定めた値とを比較した結果に基づいて、電動機のトルク
の低下の最大値を低減するように、電動機の制御に関す
る指令電流ベクトルの位相を決定するベクトル位相決定
手段を有するので、電動機の始動時の位相検出誤差によ
るトルク低下を小さくすることができ、極低速時の平均
トルクの低下、トルクリップルの増大を軽減することが
できる。よって、車両運転時の運転性の悪化を軽減する
ことができる。また、回転位置検出手段からの出力値に
変更を加えることがないので、簡単な演算処理でトルク
の低下を抑制することができる。
【0013】第4の発明では、ベクトル位相決定手段
は、電動機の回転速度と予め定めた値とを比較した結果
に基づいて、指令電流ベクトルの位相を目標トルクに基
づいて求める第1の処理と、指令電流ベクトルの位相を
電動機の回転速度と目標トルクとに基づいて求める第2
処理とを、選択的に実行することにより、電動機の制御
に関する指令電流ベクトルの位相を決定するので、上記
第3の発明に係る効果に加え、簡単な演算処理でトルク
の低下を抑制することができる。
【0014】第5の発明では、第1の処理と第2の処理
とを切り替える際の、指令電流ベクトルの位相の急激な
変化を抑制する緩和手段を有するので、上記第4の発明
に係る効果に加え、車両運転時の運転特性の急激な変化
を抑制することができる。よって、乗員の乗り心地が向
上する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明の第1の実施の形態の全体
の構成図である。
【0017】1は内部磁石型同期電動機(モータ)であ
り、インバータ5により制御され、回転する。モータ1
のロータには、ロータの磁極と略同一の磁極を有するよ
うに磁化された円盤2dが取り付けられており、モータ
1のロータの回転とともに回転する。磁性円盤2dの周
囲には、第1ホール素子2a、第2ホール素子2b、第
3ホール素子2cが120°の間隔にて配置されてい
る。このホール素子2a、2b、2cが、円盤2dの回
転による磁界変化を検出し、モータの回転角を検出す
る。このホール素子2a、2b、2c、円盤2dによ
り、ロータ位相検出器2が構成されている。ロータ位相
検出器2からは、モータの回転に伴い図2に示す信号が
出力される。ロータ位相検出器2にはホール素子2a〜
2cが120°間隔で配置されているので、3つのホー
ル素子2a〜2cのいずれかからの出力はロータが60
°回転する毎に変化することから、この3つの信号を総
合するとロータ位相検出器2の角の分解能は電気角で6
0°となる。
【0018】モータコントロールユニット3は、目標ト
ルク値tTとロータの回転角によりインバータに加える
信号を算出する。モータコントロールユニット3の出力
は、インバータドライバ4を介して、インバータ5に加
えられる。インバータ5はインバータドライバ4からの
信号に基づいて、バッテリ6からの電源をスイッチング
素子にてオン/オフして、モータ1を駆動する。
【0019】図2は、ロータ位相検出器2の出力信号の
位相図である。
【0020】ロータ位相検出器2の第1〜第3ホール素
子2a〜2cは、ロータの回転によって、オン・オフ信
号を出力する。すなわち、第1ホール素子2aはロータ
位相が0°〜180°の間でオンとなり、第2ホール素
子2bはロータ位相が120°〜300°の間でオンと
なり、第3ホール素子2cはロータ位相が240°〜6
0°の間でオンとなる。よって、第2ホール素子2bは
第1ホール素子2aより120°位相が遅れた信号を出
力し、第3ホール素子2cは第2ホール素子2bよりさ
らに120°位相が遅れた信号を出力する。
【0021】このロータ位相検出器2の3つの出力信号
の組合わせから、60°の分解能でロータ位相(ロータ
の回転角)を検出することができる。例えば、第1ホー
ル素子2aの出力がオンで、第2ホール素子2bの出力
がオンで、第3ホール素子2cの出力がオフのときは、
ロータ位相は120°から180°の間にあることが分
かる。
【0022】図3は、モータのトルク特性図である。
【0023】ロータ位相とステータが作る回転磁界の位
相とが一致しているとき、ロータに生じるトルクは0と
なり(点A)、この点Aから回転磁界の位相を進めてい
くとトルクが増大し、点Bで最大となった後、さらに回
転磁界の位相を進めていくとトルクが減少する。このよ
うなトルク特性(トルクカーブ)はモータの諸元に応じ
て定まり、モータの運転条件(回転速度等)によっても
変化する。
【0024】回転磁界位相をロータ位相よりπ/2程度
進めておくと最大トルクに近いトルクが得られるので、
ステータが作る回転磁界の位相をロータ位相よりπ/2
程度進めた状態を基準とし、この基準状態からのずれ角
で回転磁界位相(ベータ角)を定義する。
【0025】図4は、電流ベクトルをd−q座標に表し
た図である。
【0026】ステータコイルに供給する電流を界磁分電
流(d軸電流)とトルク分電流(q軸電流)とに分けて
ベクトル表示したとき、ベータ角は電流ベクトルがq軸
となす角度に相当する。
【0027】モータの制御において、ロータの回転速度
と目標トルクとに応じて、ベータ角βと、ステータコイ
ルに供給する交流電流の振幅に相当する電流ベクトルの
長さIとを決定し、このβとIとから、目標d軸電流t
Idと目標q軸電流tIqとを求め、これらtId、t
Iqとロータ位相θとからインバータ指令値を求めて、
この指令値に基づいてインバータ5を駆動し、ステータ
コイルに流れる電流を制御する。
【0028】ロータ位相θを角度分解能の低い検出装置
によって検出する場合、ロータがある程度の速度で回転
しているときは、回転位置センサの間を推定する補間演
算によって比較的正確なロータ位相θを得ることが可能
である。これに対し、ロータが回転していないときや極
めて低速で回転しているときは、このような補間演算で
は正確なロータの位置を推定することができない。そこ
で、本発明の実施の形態では、ロータが停止又は極めて
低速で回転していると判定された場合、補間演算によら
ずに決定したロータ位相を使用してインバータ指令値を
求めるようにしている。
【0029】以下、モータコントロールユニット3にお
いて実行される制御を図5〜図13を用いて説明する。
【0030】図5は、本発明の実施の形態のロータ回転
速度算出処理を示すフローチャートである。
【0031】このロータ回転速度算出処理は、第1〜第
3ホール素子2a〜2cの何れかの出力が変化(オフか
らオン又はオンからオフに変化)する毎に、すなわち、
ロータが60°回転する毎に実行される。
【0032】まず、一定微小時間毎に加算されるタイマ
カウンタから現在のカウント値を取得し、その値をt0
とする(S1)。そして、t1の値をt2へ入力し、ス
テップS1で取得したt0の値をt1へ入力する。この
入力はt2←t1、t1←t0の順で行う。よって、t
1は現在の時刻を表し、t2はこのロータ回転速度算出
処理が前回実行されたときの時刻を表す。そして、60
°を(t1−t2)で除し、ロータ回転速度Vを算出す
る。
【0033】すなわち、t2は、前回ロータの60°の
回転が検出された時間であり、t1は、今回ロータの6
0°の回転が検出された時間である。よって、t2〜t
1の間にロータは60°回転しているので、V=60/
(t1−t2)でロータ回転速度が求まる。
【0034】図6は、本発明の実施の形態のメイン処理
を示すフローチャートである。
【0035】このメイン処理は所定周期毎に実行され、
このメイン処理によりインバータ5を制御し、モータ1
の電流が制御される。
【0036】まず、ロータ位相θを算出する(S1
0)。このθの算出方法の詳細は図7にて後述する。そ
して、ベータ角βを算出する(S20)。このβの算出
方法の詳細は図11にて後述する。そして、電流振幅1
を算出する(S30)。このIの算出方法の詳細は図1
2にて後述する。
【0037】そして、ベータ角βと電流振幅Iとに基づ
き、目標d軸電流tIdと目標q軸電流tIqとを算出
する(S40)。その後、目標d軸電流tId、目標q
軸電流tIq及びロータ位相θに基づき、インバータ5
への指令値を算出する。この指令値はインバータドライ
バ4へ送られ、インバータドライバ4はこの指令値に基
づいてPWM信号を生成し、インバータ5のスイッチン
グ素子がこのPWM信号に応じてオン・オフすることで
モータ1のステータコイルに流れる電流が制御される。
【0038】図7は、本発明の実施の形態のロータ位相
算出処理を示すフローチャートである。
【0039】このロータ位相算出処理は、インバータ5
への指令値を算出するために、前述したメイン処理(図
6のステップS10)から呼び出されるものである。
【0040】まず、ロータ位相検出器2の第1〜第3ホ
ール素子2a〜2cのオン・オフ信号の組合わせから、
ロータ位相の区間を判別して、ロータ位相の概略値θ1
を求める(S100)。すなわち、判別されたロータ位
相の区間が始まる位相をロータ位相とする。例えば、第
1ホール素子2aの出力がオンで、第2ホール素子2b
の出力がオンで、第3ホール素子2cの出力がオフのと
きは、ロータ位相は120°から180°の間にあるこ
とが判別できるのでθ1を120°とする。
【0041】そして、タイマカウンタから現在のカウン
ト値を取得し、その値をtiとする(S101)。この
タイマカウンタはロータ回転速度算出処理(図5)と同
じタイマカウンタを用いる。次に、ロータ回転速度算出
処理(図5のステップS3)で算出したロータ回転速度
Vと、所定値V0とを比較する(S102)。このV0
は、ロータが停止状態又はロータが極めて低速の回転状
態にあるか否かを判断するため、予め定められている閾
値である。
【0042】ロータ回転速度Vが所定値V0より小さい
ときは(S102にて”YES”)、ステップS100
で選択したθ1に所定値θaを加算してロータ位相θを
求める(S103)。この所定値θaは、予め定められ
る固定値であり、後述する方法により求められる。
【0043】一方、ロータ回転速度Vが所定値V0以上
のときは(S102にて”NO”)、ロータ位相測定点
の間のロータ位相を推定する補間演算によってロータ位
相θを算出する(S104)。具体的には、ロータ位相
がθ1となった時刻t1(図5のステップS2で求まる
t1)と現在の時刻tiとの差にロータ回転速度Vを乗
じ、これにθ1を加えた値をロータ位相θとする。
【0044】ステップS103で用いられるθaは、例
えば、判別区間の中央値をロータ位相θとするように、
θa=30°に決めることができる。これは、ロータが
停止している場合、ロータの位相がS100で判別され
た区間内のどこにあるかを推定することは不可能である
ことから、判別区間の中央値を選択したものである。
【0045】また、以下の方法により、より最適なθa
を求めることもできる。
【0046】図8は、θa=30°としたときのトルク
カーブであり、図9は、θa<30°としたときのトル
クカーブである。
【0047】しかし、θa=30°、すなわちθ=θ1
+30°として最大トルクを狙ってベータ角(β)を設
定すると、図8に示すように、真のロータ位相がθ1に
近い値であった場合(一点鎖線)の、真のベータ角は
β’とすべきであり、実際に発生するトルクは最大トル
ク(実線)からΔT1低下したものとなる。このような
トルク低下はできるだけ小さい方が好ましい。
【0048】図9は、θaを30°よりも若干小さくし
た場合を示す。この場合、真のロータ位相がθ1に近い
値であった場合(一点鎖線)でも、最大トルク(実線)
からのトルク低下はΔT2となる。このトルク低下量Δ
T2は、θa=30°とした場合(図8)のトルク低下
量ΔT1より小さくなる。また、真のロータ位相がθ1
+60°に近い値であった場合(二点鎖線)でも、最大
トルク(実線)からのトルク低下もΔT2となる。
【0049】これは、モータのトルクカーブが最大トル
ク点に対し左右非対象となっていることに基づくもので
ある。よって、左側のトルク低下が右側のトルク低下よ
りなだらかな場合はθaを30°より小さく設定し、右
側のトルク低下が左側のトルク低下よりなだらかな場合
はθaを30°より大きく設定するとよい。
【0050】詳細には、図10に示すように、ロータが
停止している状態(回転速度=0)のときのトルクカー
ブを60°ずらして描くことにより、二つのトルクカー
ブの交点の位相から、最適なθaを求めることができ
る。なお、目標トルクによってトルクカーブの形状が変
化する場合は目標トルク毎のθaを予め求めておけばよ
い。
【0051】図11は、本発明の第1の実施の形態のベ
ータ角算出処理を示すフローチャートである。
【0052】このベータ角算出処理では、ロータ回転速
度Vと、外部からモータコントロールユニット3に与え
られる目標トルクtTとに基づいて、ベータ角βを算出
する(S200)。具体的には、記憶させてある制御マ
ップから、ロータ回転速度Vと目標トルクtTとに対応
するβの値を求める。なお、弱め界磁制御を行なう必要
のないロータの回転速度が低い低速回転域では、最大ト
ルクを狙ったベータ角βが算出される。
【0053】図12は、本発明の実施の形態の電流振幅
算出処理を示すフローチャートである。
【0054】この電流振幅算出処理では、ロータ回転速
度Vと、外部からモータコントロールユニット3に与え
られる目標トルクtTとに基づいて、電流振幅Iを算出
する(S300)。具体的には、記憶させてある制御マ
ップから、ロータ回転速度Vと目標トルクtTとに対応
するIの値を求める。
【0055】このように、本発明の第1の実施の形態で
は、モータコントロールユニット3が、モータ1の回転
速度(V)と予め定めた値(V0)とを比較した結果に
基づいて、モータ1のトルクの低下の最大値を低減する
ように、ロータ位相検出器2からの出力値を変更するの
で、モータ1の始動時のロータ位相検出器2の検出誤差
によるトルク低下を小さくすることができ、極低速時の
平均トルクの低下、トルクリップルの増大を軽減するこ
とができる。
【0056】また、モータコントロールユニット3、モ
ータ1の回転速度(V)と予め定めた値(V0)とを比
較した結果に基づいて、ロータ位相検出器2からの出力
値に予め定めた補正値(θa)を加算する処理(S10
3)と、ロータ位相検出器2からの出力値に補間演算を
する処理(S104)とを、選択的に実行することによ
り、ロータ位相検出器2からの出力値を変更するので、
簡単な演算でトルクの低下を抑制することができる。
【0057】次に本発明の第2の実施の形態について説
明する。この第2の実施の形態は、図7のステップS1
03の演算で使用されるθaをトルクカーブ形状に関わ
らず一定値(例えば、30°)に設定し、ロータ停止時
及び極低速回転時のベータ角を最大トルクを与えるベー
タ角と異なる値とするものである。第2の実施の形態で
は、前述したベータ角算出処理(図11)に代えて、後
述するベータ角算出処理(図13)を用いる。その他の
処理及び装置の構成は、前述した第1の実施の形態と同
様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0058】図13は、本発明の第2の実施の形態のベ
ータ角算出処理を示すフローチャートである。
【0059】まず、ロータ回転速度算出処理(図5のス
テップS3)で算出したロータ回転速度Vと、所定値V
0とを比較する(S210)。このV0は、ロータが停
止状態又はロータが極めて低速の回転状態にあるか否か
を判断するため、予め定められている閾値である。
【0060】ロータ回転速度Vが所定値V0より小さい
ときは(S210にて”YES”)、目標トルクtTに
基づいてベータ角βを算出する(S211)。具体的に
は、記憶させてある制御テーブルから、目標トルクtT
に対応するβの値を求める。
【0061】一方、ロータ回転速度Vが所定値V0以上
のときは(S210にて”NO”)、図11のステップ
S200と同じ方法を用いて、ロータ回転速度Vと目標
トルクtTとに基づいてベータ角βを算出する(S21
2)。すなわち、記憶させてある制御マップから、ロー
タ回転速度Vと目標トルクtTとに対応するβの値を求
める。
【0062】その後、ベータ角βの値が急激に変化しな
いようディレイフィルタ処理を施す。特に、ステップS
211によるβの算出と、ステップS212によるβの
算出とが切り換わるときベータ角βの算出値が急変する
ので、このようなディレイフィルタ処理を設けて、この
変化を滑らかにしている。
【0063】図14は、βを変化させたときのトルクカ
ーブである。
【0064】前述した第1の実施の形態では、V<V0
(図13のS210にて”YES”)のとき、ロータ位
相θをθ1+30°としているので、最大トルクを狙っ
てベータ角βmを設定すると、一点鎖線で表すようなト
ルクカーブとなり、前述のようにトルク低下の最大幅が
ΔT1となる。そこで、最大トルクとなるベータ角βm
よりも若干小さい値βを制御テーブルに記憶しておき、
この小さい値βを使用するようにすると、二点鎖線で表
すようなトルクカーブとなり、トルク低下の最大値をΔ
T2に低減することができる。
【0065】なお、ベータ角を最大トルクのベータ角よ
り小さくするのはトルクカーブの左側のトルク低下が右
側のトルク低下よりなだらかな場合である。詳細には、
図15に示すように、ロータが停止している状態(回転
速度=0)のときのトルクカーブに対し、正負の所定値
を変化させたときのトルク低下量が等しくなるような範
囲を求め、その中央値をβとすればよい。具体的には、
ロータが停止している状態(回転速度=0)のときのト
ルクカーブに対しある中央値を仮定し、この仮定された
中央値から左右に各30°の位相におけるトルク低下量
が等しくなるような60°幅の範囲を求め、そのときの
中央値をβとする。回転速度が同じ(例えば、回転速度
=0)であっても、目標トルクによって最大トルク位置
が変化するので、目標トルクtTに応じたβを制御テー
ブルから求めるようにするとよい。
【0066】このように、本発明の第2の実施の形態で
は、モータコントロールユニット3は、モータ1の回転
速度と予め定めた値とを比較した結果に基づいて、モー
タ1のトルクの低下の最大値を低減するように、モータ
1の制御に関する指令電流ベクトルの位相を決定するの
で、ロータ位相検出器2からの出力値に変更を加えるこ
となく、モータ1の始動時のロータ位相検出器2の検出
誤差によるトルク低下を小さくすることができ、極低速
時の平均トルクの低下、トルクリップルの増大を軽減す
ることができる。
【0067】また、モータコントロール3は、モータ1
の回転速度と予め定めた値とを比較した結果に基づい
て、指令電流ベクトルの位相を目標トルクに基づいて求
める第1の処理(S211)と、指令電流ベクトルの位
相をモータ1の回転速度と目標トルクとに基づいて求め
る第2処理(S212)とを、選択的に実行することに
より、モータ1に印加する指令電流ベクトルの位相を決
定するので、簡単な演算処理でトルクの低下を抑制する
ことができる。
【0068】また、第1の処理(S211)と第2の処
理(S212)とを切り替える際の、指令電流ベクトル
の位相の急激な変化を抑制するディレイフィルタ処理
(S213)を有するので、車両運転時の運転特性の急
激な変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の全体の構成図である。
【図2】 ロータ位相検出器2の出力信号の位相図であ
る。
【図3】 モータのトルク特性図である。
【図4】 電流ベクトルをd−q座標に表した図であ
る。
【図5】 ロータ回転速度算出処理を示すフローチャー
トである。
【図6】 メイン処理を示すフローチャートである。
【図7】 ロータ位相算出処理を示すフローチャートで
ある。
【図8】 θa=30°としたときのトルクカーブであ
る。
【図9】 θa<30°としたときのトルクカーブであ
る。
【図10】 最適なθaを求める方法を説明する図であ
る。
【図11】 本発明の第1の実施の形態のベータ角算出
処理を示すフローチャートである。
【図12】 電流振幅算出処理を示すフローチャートで
ある。
【図13】 本発明の第2の実施の形態のベータ角算出
処理を示すフローチャートである。
【図14】 βを変化させたときのトルクカーブであ
る。
【図15】 最適なβを求める方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 内部磁石型同期モータ 2 ロータ位相検出器 2a 第1ホール素子 2b 第2ホール素子 2c 第3ホール素子 2d 磁性円盤 3 モータコントロールユニット 4 インバータドライバ 5 インバータ 6 バッテリ
フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 AA08 BB04 BB12 DA02 DA19 DB02 DB20 DC01 EB01 RR01 SS02 TT01 TT02 TT12 TT15 XA12 XA13 5H576 AA01 AA15 DD02 DD07 EE01 EE11 HB01 JJ03 JJ04 JJ12 JJ17 JJ26 LL05 LL10 LL41 MM15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機の回転角を検出する回転位置検出
    手段からの信号を用いて電動機に供給する電流を制御
    し、前記電動機を制御する電動機制御装置において、 前記電動機の回転速度と予め定めた値とを比較した結果
    に基づいて、前記電動機のトルクの低下の最大値を低減
    するように、前記回転位置検出手段からの出力値を変更
    する位置検出結果変更手段を有することを特徴とするモ
    ータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記位置検出結果変更手段は、前記電動
    機の回転速度と予め定めた値とを比較した結果に基づい
    て、 前記回転位置検出手段からの出力値に予め定めた補正値
    を加算する処理と、 前記回転位置検出手段からの出力値に補間演算をする処
    理とを、選択的に実行することにより、前記回転位置検
    出手段からの出力値を変更することを特徴とする請求項
    1に記載のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 電動機の回転角を検出する回転位置検出
    手段からの信号を用いて電動機に供給する電流を制御
    し、前記電動機を制御する電動機制御装置において、 前記電動機の回転速度と予め定めた値とを比較した結果
    に基づいて、前記電動機のトルクの低下の最大値を低減
    するように、前記電動機の制御に関する指令電流ベクト
    ルの位相を決定するベクトル位相決定手段を有すること
    を特徴とする電動機制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ベクトル位相決定手段は、前記電動
    機の回転速度と予め定めた値とを比較した結果に基づい
    て、 前記指令電流ベクトルの位相を目標トルクに基づいて求
    める第1の処理と、 前記指令電流ベクトルの位相を前記電動機の回転速度と
    目標トルクとに基づいて求める第2処理とを、選択的に
    実行することにより、前記電動機の制御に関する指令電
    流ベクトルの位相を決定することを特徴とする請求項3
    に記載のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の処理と前記第2の処理とを切
    り替える際の、指令電流ベクトルの位相の急激な変化を
    抑制する緩和手段を有することを特徴とする請求項4に
    記載のモータ制御装置。
JP2001066294A 2001-03-09 2001-03-09 モータ制御装置 Pending JP2002272166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001066294A JP2002272166A (ja) 2001-03-09 2001-03-09 モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001066294A JP2002272166A (ja) 2001-03-09 2001-03-09 モータ制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002272166A true JP2002272166A (ja) 2002-09-20

Family

ID=18924805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001066294A Pending JP2002272166A (ja) 2001-03-09 2001-03-09 モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002272166A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7723933B2 (en) 2006-01-12 2010-05-25 Mitsubishi Electric Corporation Vehicular generator-motor control apparatus
KR101367124B1 (ko) 2007-10-04 2014-02-27 삼성전자주식회사 동기 전동기의 구동장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7723933B2 (en) 2006-01-12 2010-05-25 Mitsubishi Electric Corporation Vehicular generator-motor control apparatus
KR101367124B1 (ko) 2007-10-04 2014-02-27 삼성전자주식회사 동기 전동기의 구동장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7622883B2 (en) Controller for motor
JP3485905B2 (ja) モータ制御装置
US7486043B2 (en) Controller for motor
JP2014507111A (ja) 失速状態かそれに近い状態で電気モータを制御するための方法およびシステム
JP2006288051A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2007259550A (ja) 電動機の制御装置
JP2000308384A (ja) モータ制御装置および制御方法
US20060145652A1 (en) Motor drive controlling device and electric power-steering device
JP2001018822A (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
JP2005218215A (ja) Pmモータの駆動方法および温度推定方法
JP4615333B2 (ja) パワーステアリング装置
JP4110865B2 (ja) 永久磁石型電動機の制御システム
JP2003348899A (ja) モ−タの制御方法及び制御装置
JP4367279B2 (ja) 同期モータの制御装置
JP5055911B2 (ja) モータ制御方法及び装置
JP5136839B2 (ja) モータ制御装置
JP2002272166A (ja) モータ制御装置
JP2007110781A (ja) モータ制御装置
JP2001268963A (ja) ファンモータ制御方法およびその装置
JP3546862B2 (ja) 永久磁石型ブラシレスモータ用の制御装置及び制御方法
US11863093B2 (en) Motor control device and motor control method
JP3692929B2 (ja) モータ制御装置
JP5028813B2 (ja) 電動パワーステアリング装置及びその制御装置
JP2019037030A (ja) モータ制御装置
JP2004023920A (ja) 交流モータ制御装置