JP3546862B2 - 永久磁石型ブラシレスモータ用の制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機の制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石型同期モータのようなブラシレスモータの回転を制御する場合、ロータの回転角位置(ロータ位相)に応じてステータコイルに流す電流制御を行なうことになるので、ロータ位相を検出するセンサが必須となる。
【0003】
このようなセンサとしては、高い分解能を有するいわゆるレゾルバが知られているが、このレゾルバは一般的に高価であるため、分解能が低くても安価なセンサが望まれることもある。例えば特開平9−74790号公報に開示された制御装置では、センサの分解能を電気角で60度まで落とし、より詳細なロータ位相については補間演算を行なって推定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの装置においては、ロータ位相の補間演算を行なうにはロータがある程度以上の速度で回転している必要があり、ロータ回転速度がゼロであるモータ始動時や極低回転速度で回転しているときは有効な補間演算を行なうことができない。そこで、ロータ回転速度が所定の速度より高いときだけロータ位相の補間演算を行なって電流制御用のロータ位相を求め(以下、この制御モードを推定モードと言う)、所定の速度より低いときにはセンサ出力から判別可能なロータ位相範囲の中央値等に電流制御用のロータ位相を固定する(以下、この制御モードを固定モードを言う)ことが考えられる。
【0005】
しかしながら、このような電流制御を行なう場合、推定モードでは真のロータ位相に対応して電流制御できるの対し、固定モードでは仮のロータ位相に対応して電流制御するため、相対的にモータトルクが低下する。このように推定モード時と固定モード時では実際に得られるモータトルクが異なるため、ロータ回転速度を上昇させていく途中で、固定モードから推定モードへと移行するときにトルクショックが発生し、モータの運転性を損なわれるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、永久磁石型ブラシレスモータに対し、ロータ位相を磁気検出器の出力により求めて演算されたロータ位相に従って電機子の通電を切り替え駆動させる永久磁石型ブラシレスモータ用制御装置であって、前記ロータ位相の算出が、一定速度以下の極低速域で用いられる位相演算モード(以下、「固定モード」と呼ぶ)と、それ以外の速度域で用いられる位相演算モード(以下、「推定モード」と呼ぶ)とを切り替えて行われるものであり、前記固定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点に対して一定の固定角度を加算した出力をロータ位相とするものであり、前記推定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点間を、その時の回転速度と直近のゼロクロスからの経過時間で補間演算した結果をロータ位相とするものであり、更に固定モードから推定モードへ切り替え移行する際には、切り替え後の推定モードによる位相情報から決定される出力トルク値が、切り替え前の固定モードによる位相情報から決定される出力トルク値に対して急激な変化とならないように、切り替え後の出力トルク値を切り替え前の出力トルク値と同一もしくは徐々に変化が行われるように電機子コイルへの電流指令値を調整するモード移行制御手段とを備える。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記電機子コイルに印加される電流は、同一の目標トルクに対して固定モードの電流値が推定モードでの電流値よりも高くなるように設定される。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記電機子コイルに印加される電流は、目標トルクが所定値よりも大きいときは、固定モードから推定モードへ移行するときに、いったん所定値だけ低下した後に徐々に増加するように設定される。
【0010】
第4の発明は、第1の発明において、前記固定モードから推定モードへの移行時に、電機子コイルに印加される電流を制御するために、目標トルクに基づいて設定されるトルクの指令値をいったん所定値だけ低下させた後に徐々に目標トルクまで増加するように設定する。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、前記低下させるトルク指令の所定値はモード移行時の目標トルクに基づいて設定される。
【0012】
第6の発明は、永久磁石型ブラシレスモータに対し、ロータ位相を磁気検出器の出力により求めて演算されたロータ位相に従って電機子の通電を切り替え駆動させる永久磁石型ブラシレスモータ用制御方法であって、前記ロータ位相の算出が、一定速度以下の極低速域で用いられる位相演算モード(以下、「固定モード」と呼ぶ)と、それ以外の速度域で用いられる位相演算モード(以下、「推定モード」と呼ぶ)とを切り替えて行われるものであり、前記固定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点に対して一定の固定角度を加算した出力をロータ位相とするものであり、前記推定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点間を、その時の回転速度と直近のゼロクロスからの経過時間で補間演算した結果をロータ位相とするものであり、更に固定モードから推定モードへ切り替え移行する際には、切り替え後の推定モードによる位相情報から決定される出力トルク値が、切り替え前の固定モードによる位相情報から決定される出力トルク値に対して急激な変化とならないように、切り替え後の出力トルク値を切り替え前の出力トルク値と同一もしくは徐々に変化が行われるように電機子コイルへの電流指令値を調整してモード移行を行う。
【0013】
【作用・効果】
第1から第3、さらには第6の発明によれば、固定モードから推定モードに移行するときに、移行の前後でモータトルクが同一または徐々に変化するようにステータコイルに供給する電流を制御するので、ロータ位相検出のために分解能の低い安価な検出手段を用いても、モード移行に伴うトルクショックの発生を極力回避することが可能となり、モータ運転特性の改善が図れる。
【0014】
第4、第5の発明では、モード移行に伴い、目標トルクから設定されるトルク指令値を変化させることにより、目標トルクに応じて決まる制御電流マップを切換えることなく、電機子コイルに供給される電流特性を切換えることができ、制御系の簡素化が図れる。
【0015】
【実施形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
第1の実施の形態を示す図1において、1は永久磁石型同期モータ(単にモータともいう)、2はロータ位相を検出するロータ位相検出器、3は入力される目標トルクとロータ位相に基づいてモータ1の指令値を出力するモータコントロールユニット、4はインバータドライバ、5は前記指令値に応じた駆動電流をステータコイルに印加するインバータ、6はバッテリである。
【0017】
ロータ位相検出器2は第1〜第3ホール素子2a〜2cと、モータ1のロータと一緒に回転し、ロータ磁極と同様の磁極をもつように磁化された円盤とから構成される。
【0018】
このロータ位相検出器2は第1〜第3ホール素子2a〜2cが、円盤2dの回転に伴い、図2に示すようなオン・オフ信号を出力する。この信号の組合わせから、電気角60度の分解能でロータ位相を検出することができる。例えば、2a=オン、2b=オン、2c=オフのとき、ロータ位相は120度から180度の間にあることが分かる。
【0019】
モータ1のトルク特性を図3に示す。ロータ位相とステータが作る回転磁界の位相とが一致しているとき、ロータに生じるトルクは0となり(点A)、この点Aから回転磁界の位相を進めていくとトルクが増大し、点Bで最大となった後、さらに回転磁界の位相を進めていくとトルクが減少する。このようなトルク特性(トルクカーブ)は、基本的にはモータ1の諸元に応じて定まり、モータ1の運転条件(回転速度等)によって変化する。
【0020】
回転磁界位相をロータ位相よりπ/2程度進めておくと最大トルクが得られるので、回転磁界位相をロータ位相よりπ/2程度進めた状態を基本とし、この基本状態からのずれ角で回転磁界位相を表現するが一般的であるため、本明細書でもこれに従う。以下、このずれ角をベータ角βと称する。
【0021】
このベータ角βは、ステータコイルに供給する電流を界磁分電流(d軸電流)とトルク分電流(q軸電流)とに分けてベクトル表示した場合、電流ベクトルがq軸となす角度に相当する(図4)。
【0022】
モータコントロールユニット3がモータ1の制御を行なう場合、ロータの回転速度と目標トルクとに応じてベータ角βと電流ベクトルの長さI(ステータコイルに供給する交流電流の振幅に相当)を決定し、これらβ、Iから目標d軸電流tIdと目標q軸電流tIqを求め、これらtId、tIqとロータ位相θとからインバータ指令値を求め、この指令値に基づいてインバータ5を駆動し、モータ1のステータコイルに流れる電流を制御する。
【0023】
ロータ位相検出器2は、前述の通り角度分解能が60度しかないが、ロータがある程度の速度で回転しているときは、前記したような推定演算によって60度以下についても、比較的正確なロータ位相θを得ることが可能であり、本発明においても、ロータ回転速度が所定の低速度に相当するV0以上のときはロータ位相θの推定演算を行なう(推定モード)。
【0024】
しかしロータが回転していないときや極低速で回転しているときはロータ位相θを正確に推定することができない。そこで、ロータ回転速度が所定の低速度V0より小さいときは判別されている区間内の固定値をロータ位相θとする(固定モード)。例えば、ロータ位相が120度から180度の区間にあることが分かっているときには、ロータ位相θをその中間値の150度に固定して電流制御を行なう。
【0025】
固定モードによる電流制御では、制御上のベータ角βを最適値にしても、実際の回転磁界位相は最適値の前後で変動することになり、ロータの真の位相に応じた最適な電流制御を行なった場合のトルクより実際に得られる平均トルクが小さくなる。このような状態から、ロータ位相の正確な推定値に応じた最適な電流制御が行なえる推定モードへ移行すると、トルクが急増してモータ1の運転性が悪化する。このようなトルクショックを回避するため、本実施形態では、固定モードにおける電流振幅を推定モードにおける電流振幅より大き目に設定し、両モードにおけるトルクを等しくするようになっている。
【0026】
ただし、インバータ5が出力可能な電流振幅には上限があるので、上記のような電流振幅を設定しようとしても、この上限を越えて固定モードの電流振幅を設定することはできない。換言すると、推定モードでの制御時にインバータ5が最大の電流振幅を出力して得られるトルクと同じトルクを固定モードで得ることは不可能である。このため、インバータ5の能力を越えた目標トルクが設定されているとき(インバータ5が最大の電流振幅を出力しているとき)にモード移行が発生すると、上記の電流振幅の設定によるトルクショックの回避は実施できなくなる。
【0027】
そこでこのような場合は、電流制御のためのトルク指令値にリミッタ処理を施すと共に、このトルクリミッタの設定を工夫することでトルク指令値の急変を回避し、高負荷運転時のモード移行に伴なうトルクショックの発生を回避するようにしている。
【0028】
以下、モータコントロールユニット3が実行する制御動作の詳細を図5〜図9を用いて説明する。
【0029】
まず、図5はロータ回転速度の算出ルーチンであり、このルーチンは3つのホール素子2a〜2cの何れかの出力が変化(オフ→オン、オン→オフ)する毎に、すなわち、ロータが電気角で60度回転する毎に実行される。
【0030】
ステップ1では一定微小時間毎にカウントアップされるタイマーカウンタから現在のカウント値を取得し、その値をt0とする。ステップ2でカウント値t1の値をt2へ、ステップS1で取得したt0の値をt1へ、順次に代入する。なお、t1は現在の時刻を表し、t2は前回本ルーチンが実行されたときの時刻を表す。
【0031】
そしてステップ3ではロータが60度回転するのに要した時間(t1−t2)で60度を除し、これによりロータ回転速度Vを算出する。
【0032】
次に図6は各指令値を算出するためのルーチンであり、メイン制御ルーチンの所定周期毎に実行される。
【0033】
このルーチンで算出された指令値はインバータドライバ4へ送られ、インバータドライバ4はこの指令値に基づいてPWM信号を生成し、インバータ5のスイッチング素子がこのPWM信号に応じてオン・オフすることでモータ1のステータコイルに流れる電流が制御される。
【0034】
ステップS10では、外部から与えられる目標トルクtTにリミッタ処理を施してトルク指令値Toを算出する。この指令値Toを算出するための詳細は後で説明する図7に示す。
【0035】
ステップS20ではロータ位相θを算出する。このロータ位相θを算出する詳細も後で説明する図8に示す。
【0036】
ステップS30では、ロータ回転速度VとステップS10で算出したトルク指令値Toとに基づいて、ベータ角βを算出する。具体的には、VとToとに対応させてβを記憶させてある制御マップから値をルックアップする。
【0037】
さらにステップS40では電流振幅Iを算出する。これについても詳細は後で説明する図9に示す。
【0038】
ステップS50ではベータ角βと電流振幅Iとに基づき、目標d軸電流tIdと目標q軸電流tIqとを算出する。
【0039】
そして、ステップS60では、目標d軸電流tId、目標q軸電流tIq、ロータ位相θに基づき、指令値を算出する。
【0040】
図7は前記したトルク指令値の算出サブルーチンである。
【0041】
ステップS100では、ロータ回転速度Vが所定値V0より小さいか否かを判断する、すなわちモード判断を行う。
【0042】
ロータ回転速度Vが所定値V0より小さいときは固定モードであり、ステップS101へ進み、固定モード用トルクリミッタ値TIsをトルクリミッタ値TIpに設定する。固定モード用トルクリミッタ値TIsは、インバータ5の最大電流振幅でモータを運転したときの平均トルクであり、ロータの真の位相に応じた最適な電流制御を行なった場合のトルクより固定モード制御時の平均トルクが小さくなることに対応した値となっている。
【0043】
ロータ回転速度Vが所定値V0以上のときは推定モードであり、ステップS102へ進み、現在のトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TInより小さいか否かを判断する。
【0044】
推定モード用トルクリミッタ値TInは、ロータ位相の正確な推定値に応じた最適な電流制御を行い、かつインバータ5の最大電流振幅でモータを運転したときのトルクに相当する。固定モードから推定モードへ移行した直後はトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TInより小さい状態となっている。
【0045】
現在のトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TInより小さいときはステップS103へ進み、現在のトルクリミッタ値TIpに所定の加算値△TIを加えて新たなトルクリミッタ値TIpを算出する。
【0046】
反対に現在のトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TIn以上であると判断された場合はステップS104へ進み、推定モード用トルクリミッタ値TInを新たなトルクリミッタ値TIpに設定する。
【0047】
これらの処理により、固定モードから推定モードヘの移行が発生したとき、トルクリミッタ値TIpは固定モード用トルクリミッタ値Tlsから推定モード用トルクリミッタ値TInへ徐々に近づくことになる。
【0048】
ステップS105では、外部から与えられる目標トルクtTがトルクリミッタ値TIpより大きいか否かを判断する。目標トルクtTがトルクリミッタ値TIpより大きいときはステップS106へ進み、トルク指令値Toをトルクリミッタ値TIpに設定する。
【0049】
しかし目標トルクtTがトルクリミッタ値TIp以下であるときはステップS107へ進み、目標トルクtTをそのままトルク指令値Toとする。
【0050】
以上の処理により、インバータ5の能力を越える目標トルクtTが設定されているときにモード移行が発生すると、固定モード用トルクリミッタ値TIsから推定モード用トルクリミッタ値TInへ除変設定されるトルクリミッタ値TIpに応じてトルク指令値Toが徐々に変化することになり、高負荷運転時のモード移行に伴なうトルクショックの発生が回避できる。
【0051】
図8は前記したロータ位相を算出するためのサブルーチンである。
【0052】
まず、ステップS200では、ロータ位相検出器2の第1〜第3ホール素子2a〜2cのオン・オフ信号の組合わせから、ロータ位相の区間判別を行ない、判別された区間の先頭のロータ位相をθ1とする。例えば、2a=オン、2b=オン、2c=オフのとき、ロータ位相は120度から180度の問にあることが判別でき、この場合θ1を120度とする。
【0053】
ステップS201でタイマーカウンタ(図5のステップS1のものと同じ)から現在のカウント値を取得し、その値をtiとする。
【0054】
ステップS202では、図5の処理で算出したロータ回転速度Vが所定値V0より小さいか否かを判断する。
【0055】
ロータ回転速度Vが所定値V0より小さい場合、すなわち固定モードのときはステップS203に進み、ロータ位相θ1に所定値θaを加えた値をロータ位相θとする。この所定値θaは予め決められる固定値である。
【0056】
ロータが停止している場合、ロータの位相がステップS200で判別された区間内のどこにあるかを推定することは不可能である。このような場合、判別区間の中央値をロータ位相θとする、すなわち、θa=30度とする。
【0057】
前記したロータ回転速度Vが所定値V0以上である場合、すなわち推定モードのときはステップS204に進み、公知の位相推定演算によってロータ位相θを算出する。具体的には、ロータ位相が丁度θ1となった時刻t1(図5のステップS2のt1と同じ)と現在の時刻tiとの差にロータ回転速度Vを乗じ、これにθ1を加えた値をロータ位相θとする。
【0058】
次に図9は電流振幅を算出するためのサブルーチンである。
【0059】
ステップS400でロータ回転速度Vを所定値V0と比較してモード判断を行い、所定値V0以下の固定モードであるときはS401へ進んで固定モード用電流マップからルックアップしたマップ設定値Imsを電流振幅Iとする。
【0060】
これに対して、推定モードであるときはS402へ進んで推定モード用電流マップからルックアップしたマップ設定値Imnを電流振幅Iとする。
【0061】
固定モード用電流マップは、ロータ回転速度Vとトルク指令値Toとに対応させて電流振幅を記憶させたマップであり、ロータの真の位相に応じた最適な電流制御を行なった場合のトルクより固定モード制御時の平均トルクが小さくなることを考慮し、この低下した平均トルクがトルク指令値Toと一致するような電流振幅が記憶されている。
【0062】
また、推定モード用電流マップも、ロータ回転速度Vとトルク指令値Toとに対応させて電流振幅を記憶させたマップであり、ロータ位相の正確な推定値に応じた最適な電流制御を行なってトルク指令値Toを達成する電流振幅が記憶されている。
【0063】
これらの処理により、各モードに合わせた電流振幅の設定が行われるので、モード移行前後でトルクが急変するのを回避できる。
【0064】
ここで、モータ1の制御が固定モードから推定モードに移行するときの動作について、図10、図11のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0065】
図10はモータ1の目標トルクtTが低く、このためトルクリミッタ値TIpの制限を受けない場合を表している。
【0066】
時刻t1までロータ回転速度V<所定速度V0であり、固定モードでの制御が行われ、時刻t1以降は推定モード制御に切換えられる。
【0067】
目標トルクtTが低く、トルクリミッタ値TIpの制限を受けないため、トルク指令値Toはモード移行の前後で変化しない。固定モードの方がロータの真の位相に応じた電流制御が行われる推定モードのときよりも平均トルクは小さいが、固定モードに対応した電流振幅Iの電流マップは、このことを考慮に入れて予め大きく設定されている。このためモード移行と同時に電流振幅Iを設定した電流マップが切換られ、推定モードでの電流振幅にIは小さくなるが、モード移行直後の実トルクは同一のまま維持され、モード移行に伴うトルクショックは回避される。
【0068】
なお、電流振幅Iはロータ回転速度Vの上昇に応じて変化するが、ここでは図示を略している。
【0069】
図11はモータ1の目標トルクtTが大きく、トルクリミッタ値TIpの制限を受ける場合を表している。
【0070】
目標トルクtTがトルクリミッタ値TIpより大きいので、トルク指令値Toはトルクリミッタ値TIpと同じ値となる。ここで、時刻t1までの間のトルクリミッタ値TIpは固定モード用トルクリミッタ値TIsに設定されており、時刻t1以降は推定モード用トルクリミッタ値TInに設定される。
【0071】
ただし、モード移行直後の所定期間(t1〜t2)はトルクリミッタ値TIpの除変処理が行われる。
【0072】
時刻t1までの間、トルク指令値To(=TIs)に応じて固定モード用電流マップからルックアップした電流振幅はインバータ5の最大電流振幅となっている。
【0073】
モード移行が発生した直後、トルク指令値To(≒TIs)に応じて推定モード用電流マップからルックアップした電流振幅はインバータの最大電流振幅より小さい値となり、その後トルク指令値Toが徐々に大きくなるのに従って大きくなり、時刻t2でトルク指令値Toが推定モード用トルクリミッタ値TInと等しくなるとインバータ5の最大電流振幅となる。
【0074】
電流振幅が固定モードと推定モードとで同一となっても、推定モードではロータの真の位相(もしくは真の位相に近似する位相)に応じて電流制御が行われるので、それだけ発生トルクが大きくなる。したがって、実トルクが大きくなるが、t1からt2の間では電流振幅が徐々に大きくなるので、モード移行に伴なうトルクショックは発生しない。
【0075】
このように、目標トルクのいかんにかかわらず、モード移行時にモータトルクが瞬間的に変動するのが防止でき、これによりモード移行時のトルクショックを回避でき、モータ運転特性を向上させられる。
【0076】
次に第2の実施形態について説明する。
【0077】
本実施形態は、単一の電流マップ(第1実施形態の推定モード用電流マップと同じ)で電流振幅Iの算出を行い、モード移行時のトルクショックはトルク指令値Toの設定によって回避するようにしたものである。
【0078】
モータコントロールユニット3が実行する制御の内容はほぼ同一であり、異なる部分を中心にして説明する。
【0079】
図12はトルク指令値を算出するサブルーチンであり、まず、ステップS110では、モード移行が発生したか否かを判断する。すなわち、前回本ルーチンを実行したときのモードが固定モードであって、今回のモードが推定モードであるときモード移行が発生したと判断する。
【0080】
モード移行時にはステップS111へ進み、外部から与えられる目標トルクtTに従ってモード移行直後のトルク指令値Toを算出する。
【0081】
具体的には、図13に示すテーブルから目標トルクtTに基づいてトルク変更初期値Torをルックアップし、このTorをToとする。このトルク変更初期値Torは、固定モード制御時のトルク低下分だけ目標トルクtTを減少補正したものである。
【0082】
ステップS112では、目標トルクtTよりトルク指令値Toが小さいか否かを判断する。目標トルクtTよりトルク指令値Toが小さいときはステップS113へ進み、現在のトルク指令値Toに所定の加算値△Toを加えて新たなトルク指令値Toを算出する。
【0083】
反対に現在のトルク指令値Toが目標トルクtT以上であると判断された場合はステップS114へ進み、目標トルクtTを新たなトルク指令値Toに設定する。
【0084】
以上の処理により、固定モードから推定モードヘの移行が発生したとき、トルク指令値Toは一旦トルク変更初期値Torまで低下した後、目標トルクtTへ徐々に近づくことになる。
【0085】
ここで図14のタイムチャートを参照しながら制御動作について説明する。
【0086】
時刻t1で固定モードから推定モードへとモード移行が行われるものとして、本実施形態では、単一の電流マップで電流振幅Iの算出を行うので、トルク指令値Toの変化に対して、電流振幅Iも同じように変化、つまり時刻t1で一旦低下し、その後時刻t2まで徐々に増大する。
【0087】
固定モードと推定モードとで電流振幅Iは同じであったとしても、推定モードでの制御時の方が発生トルクは大きくなるが、電流振幅Iは時刻t1からt2までの間で徐々に大きくなるので、モード移行時のトルクショックの発生は生じない。
【0088】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内において、さまざまな変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】ロータ位相検出器の特性を示す説明図である。
【図3】モータトルクの特性図である。
【図4】ベータ角を示す説明図である。
【図5】制御内容を示すフローチャートである。
【図6】制御内容を示すフローチャートである。
【図7】制御内容を示すフローチャートである。
【図8】制御内容を示すフローチャートである。
【図9】制御内容を示すフローチャートである。
【図10】制御動作を示すタイムチャートである。
【図11】制御動作を示すタイムチャートである。
【図12】第2の実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図13】トルク指令値の特性を示す説明図である。
【図14】制御動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 永久磁石型同期モータ
2 ロータ位相検出器
3 モータコントロールユニット
5 インバータ
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機の制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石型同期モータのようなブラシレスモータの回転を制御する場合、ロータの回転角位置(ロータ位相)に応じてステータコイルに流す電流制御を行なうことになるので、ロータ位相を検出するセンサが必須となる。
【0003】
このようなセンサとしては、高い分解能を有するいわゆるレゾルバが知られているが、このレゾルバは一般的に高価であるため、分解能が低くても安価なセンサが望まれることもある。例えば特開平9−74790号公報に開示された制御装置では、センサの分解能を電気角で60度まで落とし、より詳細なロータ位相については補間演算を行なって推定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの装置においては、ロータ位相の補間演算を行なうにはロータがある程度以上の速度で回転している必要があり、ロータ回転速度がゼロであるモータ始動時や極低回転速度で回転しているときは有効な補間演算を行なうことができない。そこで、ロータ回転速度が所定の速度より高いときだけロータ位相の補間演算を行なって電流制御用のロータ位相を求め(以下、この制御モードを推定モードと言う)、所定の速度より低いときにはセンサ出力から判別可能なロータ位相範囲の中央値等に電流制御用のロータ位相を固定する(以下、この制御モードを固定モードを言う)ことが考えられる。
【0005】
しかしながら、このような電流制御を行なう場合、推定モードでは真のロータ位相に対応して電流制御できるの対し、固定モードでは仮のロータ位相に対応して電流制御するため、相対的にモータトルクが低下する。このように推定モード時と固定モード時では実際に得られるモータトルクが異なるため、ロータ回転速度を上昇させていく途中で、固定モードから推定モードへと移行するときにトルクショックが発生し、モータの運転性を損なわれるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、永久磁石型ブラシレスモータに対し、ロータ位相を磁気検出器の出力により求めて演算されたロータ位相に従って電機子の通電を切り替え駆動させる永久磁石型ブラシレスモータ用制御装置であって、前記ロータ位相の算出が、一定速度以下の極低速域で用いられる位相演算モード(以下、「固定モード」と呼ぶ)と、それ以外の速度域で用いられる位相演算モード(以下、「推定モード」と呼ぶ)とを切り替えて行われるものであり、前記固定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点に対して一定の固定角度を加算した出力をロータ位相とするものであり、前記推定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点間を、その時の回転速度と直近のゼロクロスからの経過時間で補間演算した結果をロータ位相とするものであり、更に固定モードから推定モードへ切り替え移行する際には、切り替え後の推定モードによる位相情報から決定される出力トルク値が、切り替え前の固定モードによる位相情報から決定される出力トルク値に対して急激な変化とならないように、切り替え後の出力トルク値を切り替え前の出力トルク値と同一もしくは徐々に変化が行われるように電機子コイルへの電流指令値を調整するモード移行制御手段とを備える。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記電機子コイルに印加される電流は、同一の目標トルクに対して固定モードの電流値が推定モードでの電流値よりも高くなるように設定される。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記電機子コイルに印加される電流は、目標トルクが所定値よりも大きいときは、固定モードから推定モードへ移行するときに、いったん所定値だけ低下した後に徐々に増加するように設定される。
【0010】
第4の発明は、第1の発明において、前記固定モードから推定モードへの移行時に、電機子コイルに印加される電流を制御するために、目標トルクに基づいて設定されるトルクの指令値をいったん所定値だけ低下させた後に徐々に目標トルクまで増加するように設定する。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、前記低下させるトルク指令の所定値はモード移行時の目標トルクに基づいて設定される。
【0012】
第6の発明は、永久磁石型ブラシレスモータに対し、ロータ位相を磁気検出器の出力により求めて演算されたロータ位相に従って電機子の通電を切り替え駆動させる永久磁石型ブラシレスモータ用制御方法であって、前記ロータ位相の算出が、一定速度以下の極低速域で用いられる位相演算モード(以下、「固定モード」と呼ぶ)と、それ以外の速度域で用いられる位相演算モード(以下、「推定モード」と呼ぶ)とを切り替えて行われるものであり、前記固定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点に対して一定の固定角度を加算した出力をロータ位相とするものであり、前記推定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点間を、その時の回転速度と直近のゼロクロスからの経過時間で補間演算した結果をロータ位相とするものであり、更に固定モードから推定モードへ切り替え移行する際には、切り替え後の推定モードによる位相情報から決定される出力トルク値が、切り替え前の固定モードによる位相情報から決定される出力トルク値に対して急激な変化とならないように、切り替え後の出力トルク値を切り替え前の出力トルク値と同一もしくは徐々に変化が行われるように電機子コイルへの電流指令値を調整してモード移行を行う。
【0013】
【作用・効果】
第1から第3、さらには第6の発明によれば、固定モードから推定モードに移行するときに、移行の前後でモータトルクが同一または徐々に変化するようにステータコイルに供給する電流を制御するので、ロータ位相検出のために分解能の低い安価な検出手段を用いても、モード移行に伴うトルクショックの発生を極力回避することが可能となり、モータ運転特性の改善が図れる。
【0014】
第4、第5の発明では、モード移行に伴い、目標トルクから設定されるトルク指令値を変化させることにより、目標トルクに応じて決まる制御電流マップを切換えることなく、電機子コイルに供給される電流特性を切換えることができ、制御系の簡素化が図れる。
【0015】
【実施形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
第1の実施の形態を示す図1において、1は永久磁石型同期モータ(単にモータともいう)、2はロータ位相を検出するロータ位相検出器、3は入力される目標トルクとロータ位相に基づいてモータ1の指令値を出力するモータコントロールユニット、4はインバータドライバ、5は前記指令値に応じた駆動電流をステータコイルに印加するインバータ、6はバッテリである。
【0017】
ロータ位相検出器2は第1〜第3ホール素子2a〜2cと、モータ1のロータと一緒に回転し、ロータ磁極と同様の磁極をもつように磁化された円盤とから構成される。
【0018】
このロータ位相検出器2は第1〜第3ホール素子2a〜2cが、円盤2dの回転に伴い、図2に示すようなオン・オフ信号を出力する。この信号の組合わせから、電気角60度の分解能でロータ位相を検出することができる。例えば、2a=オン、2b=オン、2c=オフのとき、ロータ位相は120度から180度の間にあることが分かる。
【0019】
モータ1のトルク特性を図3に示す。ロータ位相とステータが作る回転磁界の位相とが一致しているとき、ロータに生じるトルクは0となり(点A)、この点Aから回転磁界の位相を進めていくとトルクが増大し、点Bで最大となった後、さらに回転磁界の位相を進めていくとトルクが減少する。このようなトルク特性(トルクカーブ)は、基本的にはモータ1の諸元に応じて定まり、モータ1の運転条件(回転速度等)によって変化する。
【0020】
回転磁界位相をロータ位相よりπ/2程度進めておくと最大トルクが得られるので、回転磁界位相をロータ位相よりπ/2程度進めた状態を基本とし、この基本状態からのずれ角で回転磁界位相を表現するが一般的であるため、本明細書でもこれに従う。以下、このずれ角をベータ角βと称する。
【0021】
このベータ角βは、ステータコイルに供給する電流を界磁分電流(d軸電流)とトルク分電流(q軸電流)とに分けてベクトル表示した場合、電流ベクトルがq軸となす角度に相当する(図4)。
【0022】
モータコントロールユニット3がモータ1の制御を行なう場合、ロータの回転速度と目標トルクとに応じてベータ角βと電流ベクトルの長さI(ステータコイルに供給する交流電流の振幅に相当)を決定し、これらβ、Iから目標d軸電流tIdと目標q軸電流tIqを求め、これらtId、tIqとロータ位相θとからインバータ指令値を求め、この指令値に基づいてインバータ5を駆動し、モータ1のステータコイルに流れる電流を制御する。
【0023】
ロータ位相検出器2は、前述の通り角度分解能が60度しかないが、ロータがある程度の速度で回転しているときは、前記したような推定演算によって60度以下についても、比較的正確なロータ位相θを得ることが可能であり、本発明においても、ロータ回転速度が所定の低速度に相当するV0以上のときはロータ位相θの推定演算を行なう(推定モード)。
【0024】
しかしロータが回転していないときや極低速で回転しているときはロータ位相θを正確に推定することができない。そこで、ロータ回転速度が所定の低速度V0より小さいときは判別されている区間内の固定値をロータ位相θとする(固定モード)。例えば、ロータ位相が120度から180度の区間にあることが分かっているときには、ロータ位相θをその中間値の150度に固定して電流制御を行なう。
【0025】
固定モードによる電流制御では、制御上のベータ角βを最適値にしても、実際の回転磁界位相は最適値の前後で変動することになり、ロータの真の位相に応じた最適な電流制御を行なった場合のトルクより実際に得られる平均トルクが小さくなる。このような状態から、ロータ位相の正確な推定値に応じた最適な電流制御が行なえる推定モードへ移行すると、トルクが急増してモータ1の運転性が悪化する。このようなトルクショックを回避するため、本実施形態では、固定モードにおける電流振幅を推定モードにおける電流振幅より大き目に設定し、両モードにおけるトルクを等しくするようになっている。
【0026】
ただし、インバータ5が出力可能な電流振幅には上限があるので、上記のような電流振幅を設定しようとしても、この上限を越えて固定モードの電流振幅を設定することはできない。換言すると、推定モードでの制御時にインバータ5が最大の電流振幅を出力して得られるトルクと同じトルクを固定モードで得ることは不可能である。このため、インバータ5の能力を越えた目標トルクが設定されているとき(インバータ5が最大の電流振幅を出力しているとき)にモード移行が発生すると、上記の電流振幅の設定によるトルクショックの回避は実施できなくなる。
【0027】
そこでこのような場合は、電流制御のためのトルク指令値にリミッタ処理を施すと共に、このトルクリミッタの設定を工夫することでトルク指令値の急変を回避し、高負荷運転時のモード移行に伴なうトルクショックの発生を回避するようにしている。
【0028】
以下、モータコントロールユニット3が実行する制御動作の詳細を図5〜図9を用いて説明する。
【0029】
まず、図5はロータ回転速度の算出ルーチンであり、このルーチンは3つのホール素子2a〜2cの何れかの出力が変化(オフ→オン、オン→オフ)する毎に、すなわち、ロータが電気角で60度回転する毎に実行される。
【0030】
ステップ1では一定微小時間毎にカウントアップされるタイマーカウンタから現在のカウント値を取得し、その値をt0とする。ステップ2でカウント値t1の値をt2へ、ステップS1で取得したt0の値をt1へ、順次に代入する。なお、t1は現在の時刻を表し、t2は前回本ルーチンが実行されたときの時刻を表す。
【0031】
そしてステップ3ではロータが60度回転するのに要した時間(t1−t2)で60度を除し、これによりロータ回転速度Vを算出する。
【0032】
次に図6は各指令値を算出するためのルーチンであり、メイン制御ルーチンの所定周期毎に実行される。
【0033】
このルーチンで算出された指令値はインバータドライバ4へ送られ、インバータドライバ4はこの指令値に基づいてPWM信号を生成し、インバータ5のスイッチング素子がこのPWM信号に応じてオン・オフすることでモータ1のステータコイルに流れる電流が制御される。
【0034】
ステップS10では、外部から与えられる目標トルクtTにリミッタ処理を施してトルク指令値Toを算出する。この指令値Toを算出するための詳細は後で説明する図7に示す。
【0035】
ステップS20ではロータ位相θを算出する。このロータ位相θを算出する詳細も後で説明する図8に示す。
【0036】
ステップS30では、ロータ回転速度VとステップS10で算出したトルク指令値Toとに基づいて、ベータ角βを算出する。具体的には、VとToとに対応させてβを記憶させてある制御マップから値をルックアップする。
【0037】
さらにステップS40では電流振幅Iを算出する。これについても詳細は後で説明する図9に示す。
【0038】
ステップS50ではベータ角βと電流振幅Iとに基づき、目標d軸電流tIdと目標q軸電流tIqとを算出する。
【0039】
そして、ステップS60では、目標d軸電流tId、目標q軸電流tIq、ロータ位相θに基づき、指令値を算出する。
【0040】
図7は前記したトルク指令値の算出サブルーチンである。
【0041】
ステップS100では、ロータ回転速度Vが所定値V0より小さいか否かを判断する、すなわちモード判断を行う。
【0042】
ロータ回転速度Vが所定値V0より小さいときは固定モードであり、ステップS101へ進み、固定モード用トルクリミッタ値TIsをトルクリミッタ値TIpに設定する。固定モード用トルクリミッタ値TIsは、インバータ5の最大電流振幅でモータを運転したときの平均トルクであり、ロータの真の位相に応じた最適な電流制御を行なった場合のトルクより固定モード制御時の平均トルクが小さくなることに対応した値となっている。
【0043】
ロータ回転速度Vが所定値V0以上のときは推定モードであり、ステップS102へ進み、現在のトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TInより小さいか否かを判断する。
【0044】
推定モード用トルクリミッタ値TInは、ロータ位相の正確な推定値に応じた最適な電流制御を行い、かつインバータ5の最大電流振幅でモータを運転したときのトルクに相当する。固定モードから推定モードへ移行した直後はトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TInより小さい状態となっている。
【0045】
現在のトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TInより小さいときはステップS103へ進み、現在のトルクリミッタ値TIpに所定の加算値△TIを加えて新たなトルクリミッタ値TIpを算出する。
【0046】
反対に現在のトルクリミッタ値TIpが推定モード用トルクリミッタ値TIn以上であると判断された場合はステップS104へ進み、推定モード用トルクリミッタ値TInを新たなトルクリミッタ値TIpに設定する。
【0047】
これらの処理により、固定モードから推定モードヘの移行が発生したとき、トルクリミッタ値TIpは固定モード用トルクリミッタ値Tlsから推定モード用トルクリミッタ値TInへ徐々に近づくことになる。
【0048】
ステップS105では、外部から与えられる目標トルクtTがトルクリミッタ値TIpより大きいか否かを判断する。目標トルクtTがトルクリミッタ値TIpより大きいときはステップS106へ進み、トルク指令値Toをトルクリミッタ値TIpに設定する。
【0049】
しかし目標トルクtTがトルクリミッタ値TIp以下であるときはステップS107へ進み、目標トルクtTをそのままトルク指令値Toとする。
【0050】
以上の処理により、インバータ5の能力を越える目標トルクtTが設定されているときにモード移行が発生すると、固定モード用トルクリミッタ値TIsから推定モード用トルクリミッタ値TInへ除変設定されるトルクリミッタ値TIpに応じてトルク指令値Toが徐々に変化することになり、高負荷運転時のモード移行に伴なうトルクショックの発生が回避できる。
【0051】
図8は前記したロータ位相を算出するためのサブルーチンである。
【0052】
まず、ステップS200では、ロータ位相検出器2の第1〜第3ホール素子2a〜2cのオン・オフ信号の組合わせから、ロータ位相の区間判別を行ない、判別された区間の先頭のロータ位相をθ1とする。例えば、2a=オン、2b=オン、2c=オフのとき、ロータ位相は120度から180度の問にあることが判別でき、この場合θ1を120度とする。
【0053】
ステップS201でタイマーカウンタ(図5のステップS1のものと同じ)から現在のカウント値を取得し、その値をtiとする。
【0054】
ステップS202では、図5の処理で算出したロータ回転速度Vが所定値V0より小さいか否かを判断する。
【0055】
ロータ回転速度Vが所定値V0より小さい場合、すなわち固定モードのときはステップS203に進み、ロータ位相θ1に所定値θaを加えた値をロータ位相θとする。この所定値θaは予め決められる固定値である。
【0056】
ロータが停止している場合、ロータの位相がステップS200で判別された区間内のどこにあるかを推定することは不可能である。このような場合、判別区間の中央値をロータ位相θとする、すなわち、θa=30度とする。
【0057】
前記したロータ回転速度Vが所定値V0以上である場合、すなわち推定モードのときはステップS204に進み、公知の位相推定演算によってロータ位相θを算出する。具体的には、ロータ位相が丁度θ1となった時刻t1(図5のステップS2のt1と同じ)と現在の時刻tiとの差にロータ回転速度Vを乗じ、これにθ1を加えた値をロータ位相θとする。
【0058】
次に図9は電流振幅を算出するためのサブルーチンである。
【0059】
ステップS400でロータ回転速度Vを所定値V0と比較してモード判断を行い、所定値V0以下の固定モードであるときはS401へ進んで固定モード用電流マップからルックアップしたマップ設定値Imsを電流振幅Iとする。
【0060】
これに対して、推定モードであるときはS402へ進んで推定モード用電流マップからルックアップしたマップ設定値Imnを電流振幅Iとする。
【0061】
固定モード用電流マップは、ロータ回転速度Vとトルク指令値Toとに対応させて電流振幅を記憶させたマップであり、ロータの真の位相に応じた最適な電流制御を行なった場合のトルクより固定モード制御時の平均トルクが小さくなることを考慮し、この低下した平均トルクがトルク指令値Toと一致するような電流振幅が記憶されている。
【0062】
また、推定モード用電流マップも、ロータ回転速度Vとトルク指令値Toとに対応させて電流振幅を記憶させたマップであり、ロータ位相の正確な推定値に応じた最適な電流制御を行なってトルク指令値Toを達成する電流振幅が記憶されている。
【0063】
これらの処理により、各モードに合わせた電流振幅の設定が行われるので、モード移行前後でトルクが急変するのを回避できる。
【0064】
ここで、モータ1の制御が固定モードから推定モードに移行するときの動作について、図10、図11のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0065】
図10はモータ1の目標トルクtTが低く、このためトルクリミッタ値TIpの制限を受けない場合を表している。
【0066】
時刻t1までロータ回転速度V<所定速度V0であり、固定モードでの制御が行われ、時刻t1以降は推定モード制御に切換えられる。
【0067】
目標トルクtTが低く、トルクリミッタ値TIpの制限を受けないため、トルク指令値Toはモード移行の前後で変化しない。固定モードの方がロータの真の位相に応じた電流制御が行われる推定モードのときよりも平均トルクは小さいが、固定モードに対応した電流振幅Iの電流マップは、このことを考慮に入れて予め大きく設定されている。このためモード移行と同時に電流振幅Iを設定した電流マップが切換られ、推定モードでの電流振幅にIは小さくなるが、モード移行直後の実トルクは同一のまま維持され、モード移行に伴うトルクショックは回避される。
【0068】
なお、電流振幅Iはロータ回転速度Vの上昇に応じて変化するが、ここでは図示を略している。
【0069】
図11はモータ1の目標トルクtTが大きく、トルクリミッタ値TIpの制限を受ける場合を表している。
【0070】
目標トルクtTがトルクリミッタ値TIpより大きいので、トルク指令値Toはトルクリミッタ値TIpと同じ値となる。ここで、時刻t1までの間のトルクリミッタ値TIpは固定モード用トルクリミッタ値TIsに設定されており、時刻t1以降は推定モード用トルクリミッタ値TInに設定される。
【0071】
ただし、モード移行直後の所定期間(t1〜t2)はトルクリミッタ値TIpの除変処理が行われる。
【0072】
時刻t1までの間、トルク指令値To(=TIs)に応じて固定モード用電流マップからルックアップした電流振幅はインバータ5の最大電流振幅となっている。
【0073】
モード移行が発生した直後、トルク指令値To(≒TIs)に応じて推定モード用電流マップからルックアップした電流振幅はインバータの最大電流振幅より小さい値となり、その後トルク指令値Toが徐々に大きくなるのに従って大きくなり、時刻t2でトルク指令値Toが推定モード用トルクリミッタ値TInと等しくなるとインバータ5の最大電流振幅となる。
【0074】
電流振幅が固定モードと推定モードとで同一となっても、推定モードではロータの真の位相(もしくは真の位相に近似する位相)に応じて電流制御が行われるので、それだけ発生トルクが大きくなる。したがって、実トルクが大きくなるが、t1からt2の間では電流振幅が徐々に大きくなるので、モード移行に伴なうトルクショックは発生しない。
【0075】
このように、目標トルクのいかんにかかわらず、モード移行時にモータトルクが瞬間的に変動するのが防止でき、これによりモード移行時のトルクショックを回避でき、モータ運転特性を向上させられる。
【0076】
次に第2の実施形態について説明する。
【0077】
本実施形態は、単一の電流マップ(第1実施形態の推定モード用電流マップと同じ)で電流振幅Iの算出を行い、モード移行時のトルクショックはトルク指令値Toの設定によって回避するようにしたものである。
【0078】
モータコントロールユニット3が実行する制御の内容はほぼ同一であり、異なる部分を中心にして説明する。
【0079】
図12はトルク指令値を算出するサブルーチンであり、まず、ステップS110では、モード移行が発生したか否かを判断する。すなわち、前回本ルーチンを実行したときのモードが固定モードであって、今回のモードが推定モードであるときモード移行が発生したと判断する。
【0080】
モード移行時にはステップS111へ進み、外部から与えられる目標トルクtTに従ってモード移行直後のトルク指令値Toを算出する。
【0081】
具体的には、図13に示すテーブルから目標トルクtTに基づいてトルク変更初期値Torをルックアップし、このTorをToとする。このトルク変更初期値Torは、固定モード制御時のトルク低下分だけ目標トルクtTを減少補正したものである。
【0082】
ステップS112では、目標トルクtTよりトルク指令値Toが小さいか否かを判断する。目標トルクtTよりトルク指令値Toが小さいときはステップS113へ進み、現在のトルク指令値Toに所定の加算値△Toを加えて新たなトルク指令値Toを算出する。
【0083】
反対に現在のトルク指令値Toが目標トルクtT以上であると判断された場合はステップS114へ進み、目標トルクtTを新たなトルク指令値Toに設定する。
【0084】
以上の処理により、固定モードから推定モードヘの移行が発生したとき、トルク指令値Toは一旦トルク変更初期値Torまで低下した後、目標トルクtTへ徐々に近づくことになる。
【0085】
ここで図14のタイムチャートを参照しながら制御動作について説明する。
【0086】
時刻t1で固定モードから推定モードへとモード移行が行われるものとして、本実施形態では、単一の電流マップで電流振幅Iの算出を行うので、トルク指令値Toの変化に対して、電流振幅Iも同じように変化、つまり時刻t1で一旦低下し、その後時刻t2まで徐々に増大する。
【0087】
固定モードと推定モードとで電流振幅Iは同じであったとしても、推定モードでの制御時の方が発生トルクは大きくなるが、電流振幅Iは時刻t1からt2までの間で徐々に大きくなるので、モード移行時のトルクショックの発生は生じない。
【0088】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内において、さまざまな変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】ロータ位相検出器の特性を示す説明図である。
【図3】モータトルクの特性図である。
【図4】ベータ角を示す説明図である。
【図5】制御内容を示すフローチャートである。
【図6】制御内容を示すフローチャートである。
【図7】制御内容を示すフローチャートである。
【図8】制御内容を示すフローチャートである。
【図9】制御内容を示すフローチャートである。
【図10】制御動作を示すタイムチャートである。
【図11】制御動作を示すタイムチャートである。
【図12】第2の実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図13】トルク指令値の特性を示す説明図である。
【図14】制御動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 永久磁石型同期モータ
2 ロータ位相検出器
3 モータコントロールユニット
5 インバータ
Claims (6)
- 永久磁石型ブラシレスモータに対し、ロータ位相を磁気検出器の出力により求めて演算されたロータ位相に従って電機子の通電を切り替え駆動させる永久磁石型ブラシレスモータ用制御装置であって、
前記ロータ位相の算出が、一定速度以下の極低速域で用いられる位相演算モード(以下、「固定モード」と呼ぶ)と、それ以外の速度域で用いられる位相演算モード(以下、「推定モード」と呼ぶ)とを切り替えて行われるものであり、
前記固定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点に対して一定の固定角度を加算した出力をロータ位相とするものであり、
前記推定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点間を、その時の回転速度と直近のゼロクロスからの経過時間で補間演算した結果をロータ位相とするものであり、
更に固定モードから推定モードへ切り替え移行する際には、切り替え後の推定モードによる位相情報から決定される出力トルク値が、切り替え前の固定モードによる位相情報から決定される出力トルク値に対して急激な変化とならないように、切り替え後の出力トルク値を切り替え前の出力トルク値と同一もしくは徐々に変化が行われるように電機子コイルへの電流指令値を調整するモード移行制御手段とを備えることを特徴とする永久磁石型ブラシレスモータ用制御装置。 - 前記電機子コイルに印加される電流は、同一の目標トルクに対して固定モードの電流値が推定モードでの電流値よりも高くなるように設定される請求項1に記載の永久磁石型ブラシレスモータ用の制御装置。
- 前記電機子コイルに印加される電流は、目標トルクが所定値よりも大きいときは、固定モードから推定モードへ移行するときに、いったん所定値だけ低下した後に徐々に増加するように設定される請求項1または2に記載の永久磁石型ブラシレスモータ用の制御装置。
- 前記固定モードから推定モードへの移行時に、電機子コイルに印加される電流を制御するために、目標トルクに基づいて設定されるトルクの指令値をいったん所定値だけ低下させた後に徐々に目標トルクまで増加するように設定する請求項1に記載の永久磁石型ブラシレスモータ用の制御装置。
- 前記低下させるトルク指令の所定値はモード移行時の目標トルクに基づいて設定される請求項4に記載の永久磁石型ブラシレスモータ用の制御装置。
- 永久磁石型ブラシレスモータに対し、ロータ位相を磁気検出器の出力により求めて演算されたロータ位相に従って電機子の通電を切り替え駆動させる永久磁石型ブラシレスモータ用制御方法であって、
前記ロータ位相の算出が、一定速度以下の極低速域で用いられる位相演算モード(以下、「固定モード」と呼ぶ)と、それ以外の速度域で用いられる位相演算モード(以下、「推定モード」と呼ぶ)とを切り替えて行われるものであり、
前記固定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点に対して一定の固定角度を加算した出力をロータ位相とするものであり、
前記推定モードとは、ロータ位相は、磁気検出器の出力のゼロクロス点間を、その時の回転速度と直近のゼロクロスからの経過時間で補間演算した結果をロータ位相とするものであり、
更に固定モードから推定モードへ切り替え移行する際には、切り替え後の推定モードによる位相情報から決定される出力トルク値が、切り替え前の固定モードによる位相情報か ら決定される出力トルク値に対して急激な変化とならないように、切り替え後の出力トルク値を切り替え前の出力トルク値と同一もしくは徐々に変化が行われるように電機子コイルへの電流指令値を調整してモード移行を行うことを特徴とする永久磁石型ブラシレスモータ用制御方法。
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