JP2009248749A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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哲斉 尾▲崎▼
Yasuaki Aoki
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Abstract

【課題】各回転位置(各回転角)において高精度に誤差補正が可能な電動パワーステアリング装置の制御装置を提供すること。
【解決手段】モータの発生トルクが小さい状況にてモータ1への通電を停止して(S104)、モータ1の誘起電圧Eu、Ev、Ewを求め(S106)、この誘起電圧Eu、Ev、Ewから回転位置の推定値θxを求め(S118)、この回転位置の推定値θxとレゾルバ4が測定した回転位置の測定値θdとの関係を示すマップを更新する(S110)。このマップを用いて、レゾルバ4が出力する回転位置の測定値θdを補正する。これにより、回転角誤差に起因する電動パワーステアリング装置の振動や騒音を良好に低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にその回転位置センサの出力信号補正に関する。
車両操舵軸を回動させる操舵トルクを補助する電動パワーステアリング装置(EPS)に用いるモータ(以下、EPSモータとも称する)としては、イナーシャが小さく高トルクかつ高効率のものが要求されている。このため、ブラシ摺動音が生じず、トルクが大きく、効率に優れる同期モータが好適となっている。しかし、同期モータは、直流モータと異なって正確なロータ回転位置の検出が必須であり、回転位置検出精度が低下すると損失の増大及びトルクの低下が顕著となることや、誤った回転位置情報によってトルク脈動が発生し、このトルク脈動によりハンドルなどが振動して操舵感が悪化したり異音が発生することも問題とされている。従来のモータ回転位置の検出方式として、センサ方式とセンサレス方式とが知られている。前者はすべての運転状況で回転位置を検出でき、後者はコストダウンを図ることができる。車両操舵の重要性を考慮すると、同期モータを用いたEPSモータとしては回転位置センサ方式が好適と考えられる。モータ回転角を検出する回転位置センサとしては、種々のロータリーエンコーダやレゾルバが従来より用いられている。広い使用温度範囲や優れた耐環境性能を有し、回転位置信号を連続的に出力することができるレゾルバはEPSモータ用の回転位置センサとして好適である。以下、レゾルバのようにアナログ回転位置信号を出力するタイプの回転角センサをアナログ型回転センサと称する。
しかしながら、市場が要求する製造コスト水準で製造された従来の回転位置センサの出力精度は製造公差や経年変化等の種々の要因により十分でない場合があった。このため、従来よりレゾルバなどの回転位置センサが出力する回転位置信号を補正する回転位置補正技術が下記の特許文献1、2に提案されている。
特許文献1の回転位置補正技術は、定速回転中において、たとえば機械角半回転ごとに求めたレゾルバの検出値から平均速度を求め、この平均速度から求めた予想値と検出値との偏差を位置誤差補正値とし、この位置誤差補正値に応じて検出値を補正して回転位置信号として外部に出力することを提案している。
特許文献2の回転位置補正技術は、モータ電流の状態と電気角回転位置とが対応する同期モータのごときモータにおいて、所定状態のモータ電流(ロック電流とも称する)を通電してロータに所定の回転位置(以下、ロック位置と称する)を与え、このロック位置とレゾルバからの検出値との偏差を求めて記憶しておき、その後のモータ回転中に得られる検出値をこの偏差だけ補正して回転位置信号として外部に出力することを提案している。
特開2004−242370号公報 特開2003−319680号公報
しかしながら、上記特許文献1の回転位置補正技術は、本質的に複数の検出値から求めた平均値を基に形成した予想値と検出値との偏差により検出値を補正しているため、高精度の検出値の補正が困難であるという問題点があった。つまり、この技術では、上記予想値と真値との間の誤差は解消されないうえ、変速運転時の補正誤差が大きくなるという問題も生じた。
また、特許文献2の回転位置技術によれば、あらかじめ決定されているロック位置にロックされた状態での検出値により偏差を正確に求めることができるが、このロック位置とは異なる位置で測定した検出値に含まれる誤差は十分にキャンセルできないという問題点があった。つまり、オフセット誤差のように、検出値と真値との間の偏差が一定値であれば、各検出値における誤差は、各検出値から上記偏差を差し引くことによりすべてキャンセル可能であるが、たとえばレゾルバなどの誤差は回転位置を変数とする種々の次数成分を有しているため、すべての回転位置での高精度の検出誤差の補正は困難であった。更に、ロック電流の通電は車両運転中にはできないため、ロック電流の通電による補正タイミングが、エンジン始動直前など過去に遠くさかのぼった時点となってしまい、その間の温度変化などによる偏差の変動もカバーできなかった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、各回転位置(各回転角)において高精度に誤差補正が可能な電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決する本発明の電動パワーステアリング装置の制御装置は、車両の操舵軸にトルク付与可能に結合されて操舵軸にアシストトルクを与えるモータと、前記モータの回転子の回転位置を検出する回転位置センサと、前記モータを駆動するインバータと、前記回転位置センサの出力信号に基づいて前記インバータを制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記回転位置センサが出力する回転位置の測定値を予め記憶する補正情報に基づいて補正する電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記制御部が、前記モータの発生トルクが所定値以下であるかどうかを判断し、所定値以下である場合に前記モータへの通電を停止して回転中の前記モータの誘起電圧を検出し、予め記憶する前記誘起電圧と前記モータの回転位置との関係と前記誘起電圧とから前記モータの回転位置の推定値を求め、前記回転位置センサから出力される前記回転位置の検出値Pdを補正するための前記補正情報を前記回転位置の推定値Prに基づいて算出して記憶し、前記回転位置の検出値Pdを前記補正情報に基づいて補正することをその特徴としている。
すなわち、この発明の電動パワーステアリング装置の制御装置は、モータの誘起電圧がそのロータ回転位置(単に、回転位置とも言う)と一定の相関関係をもつことに着目したものであり、誘起電圧に基づいて求めた回転位置により回転位置センサの検出値Pdを補正する。これにより、回転位置センサの検出誤差を補償して回転位置を高精度に検出することができる。
なお、モータの誘起電圧による回転位置検出はセンサレス方式として公知の技術ではあるが、電機子コイルへの通電中における誘起電圧の正確な分離は容易ではなく、かつ、その低速回転時の振幅は小さく、電動パワーステアリング装置のすべての運転期間において誘起電圧による高精度の回転位置検出は困難である。けれども、電動パワーステアリング装置では、操舵中すなわちモータの回転中であってもアシストトルクの発生がそれほど又はまったく不要な期間が存在する。そこで、この期間に通電を停止して正確な誘起電圧を検出し、この誘起電圧に基づいて回転位置を推定し、この情報を回転位置センサの出力信号の補正情報として用いる。このようにすれば、モータの回転位置全周言い換えればモータ回転軸の全周にわたって、高精度の回転位置検出が可能となる。その結果、モータ通電制御を正確に実行することができるため、トルク増大、損失低減、振動、異音の防止を実現することができる。なお、上記トルクアシストが不要な期間において、外力又は慣性力により回動する操舵軸からモータが付勢されて回転することは周知事項である。
好適な態様において、前記制御部は、前記回転位置の検出値Pdと回転位置の推定値Prとの偏差(Pd-Pr)との関係、又は、前記回転位置の検出値Pdと前記回転位置の推定値Prとの関係を、前記回転位置のセンサの全周にわたって記憶し、今回求めた前記補正情報と前記回転位置の検出値とのデータにより前記マップを逐次更新する。このようにすれば、前記モータのロータの全周において、良好な回転位置補正を実現することができる。
好適な態様において、前記制御部は、前記モータの回転数が所定値以上の場合に前記モータへの通電を停止させて前記誘起電圧を測定する。このようにすれば、回転数が小さく、誘起電圧が小さい場合には補正情報の更新を行わないため、補正による誤差を排除することができる。なお、電動パワーステアリング装置においては、アシストトルクが要求されるのは、操舵速度がまだ小さく操舵加速トルクが大きい状況であり、操舵速度が増大した後はアシストトルクの必要性は大幅に小さくなるため、上記通電停止により、操舵フィーリングが低下することは回避することができる。なお、モータの回転数が所定値以上かどうかは、回転位置センサが検出する回転位置の変化速度や、通常、電動パワーステアリング装置に装備される操舵角センサが出力する操舵角の変化速度を用いればよい。
好適な態様において、前記操舵軸の操舵角を検出する操舵角センサを有し、前記制御部は、前記操舵角が所定値以上の場合に前記モータへの通電を停止させて前記誘起電圧を測定する。操舵角が大きい状態では、アシストモータに対するトルクアシストの要求は小さいため、通電の停止による操舵フィーリングの低下を防止しつつ、上記誘起電圧による補正を実現することができる。
なお、操舵角が大きい場合でも、操舵角変化が小さい場合には誘起電圧が小さくなるため、操舵角及び操舵角変化がそれぞれ所定値より大きい状態において、誘起電圧による回転位置推定を行うことは更に好適である。
好適な態様において、車速を検出する車速センサを有し、前記制御部は、前記車速が所定値以上の場合に前記モータの発生トルクを0とする不感帯域を有するとともに、前記不感帯域以外の領域にて操舵トルクに対する前記モータの前記発生トルクを前記車速に応じて変更し、前記前記不感帯域において、前記誘起電圧による前記補正を行う。電動パワーステアリング装置では、車速が所定しきい値を超えるとハンドル操作ミスによる事故を減らすため、ユーザの要求トルクに対する電動機の発生トルク(モータアシスト量)の応答特性を下げることがある。車体速度が高速度でかつ要求トルクが小さい帯域では電動機の発生トルクの応答が0N・mに近づいており、ユーザにとっては電動機がアシストしてくれているか否かが殆ど分からない状態となっている。したがって、このような運転領域をトルク応答を0とする不感帯域としても操舵フィーリングを悪化させることはない。したがって、この不感帯域において誘起電圧による回転位置センサの出力補正を行うことにより、操舵フィーリング低下を防止しつつ、回転位置センサの出力補正によりトルク低下、振動、異音を防止することができる。
好適な態様において、前記モータは、同期電動機である。同期モータは、ロータの回転位置と誘起電圧との関係が正確に決定されるため、誘起電圧による回転位置の推定に好適である。なお、直流モータもステータとロータとの関係を逆転させた一種の同期モータであり、誘起電圧による回転位置の推定が可能である。ただし、直流モータでは、その整流機構により外部に出力される交流誘起電圧は整流されるため、同期モータよりも誘起電圧に基づく回転位置推定は限定的となる。
本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
(回路構成)
図1に示す電動パワーステアリング装置は、3相の同期電動機(本発明で言うモータ)1と、この同期電動機1を駆動する3相のインバータ2と、インバータ2を制御するモータコントローラ(本発明でいう制御部の一部)3と、レゾルバ(本発明で言う回転位置センサ)4と、レゾルバ4の出力信号から同期電動機1のロータの回転位置の測定値θdを算出する位置検出器5と、位置検出器5が出力する回転位置の測定値θdを補正する位置補正器6と、図略の操舵軸の操舵角を検出する舵角センサ8と、インバータ2が同期電動機1に通電する相電流を検出する電流センサ9とを有している。なお、位置検出器5はレゾルバ4又は位置補正器6のどちらかと一体に形成することができる。位置補正器6は本発明で言う制御部の残部を構成しているが、実際には位置補正器6はマイコン内蔵のモータコントローラ3と一体に形成されている。
(基本動作の説明)
図1に示す回路は、位置補正器6、車速センサ7及び舵角センサ8を除けば通常のベクトル制御同期モータ制御回路である。モータコントローラ3は、入力される回転位置、層電流、トルク指令に基づいてインバータ2をPWMフィードバック制御する。図1のモータ制御回路の構成及び動作はもはや当業者にとって周知事項であるので詳しい説明は省略する。
(位置補正制御の説明)
この実施形態の特徴をなす回転位置補正動作について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図2に示すルーチンは、モータコントローラ3内蔵のマイコンが一定インタバルで行う制御ルーチンの一部をなすサブルーチンを構成する。
まず、トルク指令を読み込み(S100)、モータ1の発生トルクが所定値未満かどうかを調べる(S102)。なお、モータ1の発生トルクにモータ1と操舵軸とを連結する減速機構のトルク増倍比を掛けたものが電動パワーステアリング装置のアシストトルクとなる。この実施形態では、モータ1の発生トルクとして、図略のコントローラが算出したモータ1が発生すべきトルクであるトルク指令値の今回値を用いる。
モータ1の発生トルクが所定値未満であれば、インバータ2にスイッチング動作の停止を指令してインバータ2からモータ1への通電を終了し(S104)、この時のモータ1の3相の誘起電圧Eu、Ev、Ewを読み込み(S106)、この誘起電圧Eu、Ev、Ewに基づいてロータの回転位置の推定値θxを求める(S108)。なお、誘起電圧Euはモータ1のU相端子の誘起電圧、Evhモータ1のV相端子の誘起電圧、Ewはモータ1のW相端子の誘起電圧である。
3相の誘起電圧Eu、Ev、Ewから回転位置の推定値θxを求めるには種々の方法が知られており、その一例を説明する。まず、予め記憶する誘起電圧Eu、Ev、Ewと電気角速度ωとロータの回転位置の推定値θxとの関係を記憶するマップに、読み込んだ誘起電圧Eu、Ev、Ew及び電気角速度ωを代入して回転位置の推定値θxを求める。なお、電気角速度ωは誘起電圧Eu、Ev、Ewの今回値と等しい値となる直前の時点までの時間の逆数であり、誘起電圧Eu、Ev、Ewから容易に演算することができる。その他、読み込んだ誘起電圧Eu、Ev、Ewの値を誘起電圧Eu、Ev、Ewと回転位置の推定値θxとを含む公知の特性式に代入して回転位置の推定値θxを算出してもよい。なお、この場合、電気角速度ωを求める必要はない。
次に、位置検出器5が出力する回転位置の測定値θdと回転位置の推定値θxとの偏差Δθ(=θdーθx)を求め、測定値θdと偏差Δθとのペアを1回転にわたって記憶するマップに更新書き込みする(S110)。次に、今回の回転位置の測定値θdから今回の偏差Δθを差し引いて今回の補正済み回転位置θcとしてモータコントローラ3に出力する(S112)。
一方、ステップS102において発生トルクが所定値以上であれば、インバータ2にモータ通電を許可し(S114)、回転位置の測定値θdをマップに代入して、回転位置の測定値θdに対応する回転位置の推定値θxを求めてモータコントローラ3にそれを出力する(S116)。
なお、今回の回転位置の測定値θdが、マップに記憶する回転位置の測定値θdに対してずれている場合には、補間法などにより処理して回転位置の推定値θxを求めればよい。
(変形態様)
なお、上記では、回転位置の測定値θdと偏差Δθとのペアをロータの1回転にわたってマップに記憶したが、その代わりに、回転位置の測定値θdと回転位置の推定値θxとのペアをロータの1回転にわたって所定角度ごとに記憶し、検出した回転位置の測定値θdに対して回転位置の推定値θxを出力するようにしてもよい。
(実施形態2)
他の実施形態を図3を参照して説明する。
この実施形態は、実施形態1のステップS100、S102を変更した点にその特徴がある。すなわち、この実施形態では、舵角センサ8から操舵角(舵角とも言う)を読み込み(S100)、舵角が所定値より大きいかどうかを判定し(S102)、大きい場合にステップS104に、そうでない場合にステップS114に進む点にその特徴がある。
つまり、舵角が大きい状態では、アシストモータに対するトルクアシストの要求は小さいため、通電の停止による操舵フィーリングの低下を防止しつつ、上記誘起電圧による補正を実現することができるわけである。このようにすれば、実施形態1と同じく、レゾルバ4の出力補正を行うことができる。
(変形態様)
なお、操舵角が大きい場合でも、操舵角変化が小さい場合には誘起電圧が小さくなるため、操舵角及び操舵角変化がそれぞれ所定値より大きい状態において、誘起電圧による回転位置推定を行うようにしてもよい。
また、図3のステップS100においてモータ1の回転数を算出し、ステップS102においてこの回転数が所定値以上かどうかを判定し、所定値以上である場合にステップS104に進み、そうでない場合にステップS114に進むようにしてもよい。なお、回転数は、回転位置の測定値θdを時間微分することにより求めることができる。このようにすれば、回転数が小さく、誘起電圧が小さい場合には補正情報の更新を行わないため、補正による誤差を排除することができる。電動パワーステアリング装置においては、アシストトルクが要求されるのは、操舵速度がまだ小さく操舵加速トルクが大きい状況であり、操舵速度(すなわちモータ1の回転数)がある程度以上増大した後はアシストトルクの必要性は大幅に小さくなるため、上記通電停止により、操舵フィーリングが低下することは回避することができる。
(実施形態3)
他の実施形態を図4を参照して説明する。この実施形態は、実施形態1(図2参照)においてステップS200を追加した点にその特徴がある。
この実施形態では、モータコントローラ3は、モータトルクを0とする不感帯域をもつアシスト電流特性(以下、不感帯域付きアシスト電流特性と称する)を車速が所定値以上の場合に選択するものとする。この場合には、モータコントローラ3が不感帯域付きアシスト電流特性を選択している場合に、上記したインバータ通電禁止による誘起電圧Eu、Ev、Ewの測定を行うことが操舵フィーリング低下防止の点で好適である。
そこで、まずステップS200にて、モータコントローラ3が不感帯域付きアシスト電流特性を選択していることを実質的に示すフラグである位置補正学習FlagStudyがON(選択)かどうかを調べ、不感帯域付きアシスト電流特性を選択していればステップS100に進んでトルク指令を読み込み、そうでなければステップS114に進んでインバータ2によるモータ通電を許可する。このようにすれば、モータ通電禁止による悪影響を更に良好に防止することができる。
上記した不感帯域付きアシスト電流特性について図5、図6を参照して更に詳しく説明する。
図5において、モータコントローラ3は、電流変換器301、減算器302、電流制御器303、2相3相変換器304、PWM制御器305、3相2相変換器306からなる通常の回路構成を有している。このモータコントローラ3の回路構成自体は通常のモータベクトル制御回路であるため詳細説明は省略する。7は車速センサであり、車速センサ7が検出した車速は電流変換器301に入力される。
電流変換器301は、入力されるトルク指令T'と出力する電流指令値Id’、Iq’との関係であるアシスト電流変換特性を車速に基づいて選択し、選択したアシスト電流変換特性にトルク指令T'を代入して電流指令値Id’、Iq’を求めて出力する。また、電流変換器301は、選択したアシスト電流変換特性が不感帯域付きアシスト電流特性である場合に、位置補正学習FlagStudyをONとし、それ以外のアシスト電流変換特性を選択している場合に位置補正学習FlagStudyをOFFとする(図6参照)。更に、電流変換器301は、この位置補正学習FlagStudyを位置補正器6に送信する。
このようにすれば、車速センサ7が検出した車速ωvが閾値1を超え、モータコントローラ3が不感帯域付きアシスト電流特性で運転される場合にのみ、図4に示すステップS104〜S110の回転位置補正学習を行うため、運転フィーリングの悪化を更に良好に抑止することができる。図7に各種のアシスト電流変換特性を示す。太線で示すのが不感帯域付きアシスト電流特性であり、トルク指令が小さい場合に発生トルクを0とする不感帯域が設けられている。
実施形態1の電動パワーステアリング装置を示すブロック回路図である。 図1の位置補正器による位置補正動作を示すフローチャートである。 実施形態2の位置補正動作を示すフローチャートである。 実施形態3の位置補正動作を示すフローチャートである。 実施形態3の電動パワーステアリング装置を示すブロック回路図である。 図4で用いる位置補正学習FlagStudyの状態を決定する動作を説明するフローチャートである。 アシスト電流変換特性の一例を示す図である。
符号の説明
1 モータ
2 インバータ
3 モータコントローラ
4 レゾルバ
5 位置検出器
6 位置補正器
7 車速センサ
8 舵角センサ
9 電流センサ
301 電流変換器
302 減算器
303 電流制御器
304 相変換器
305 制御器
306 相変換器

Claims (6)

  1. 車両の操舵軸にトルク付与可能に結合されて操舵軸にアシストトルクを与えるモータと、前記モータの回転子の回転位置を検出する回転位置センサと、前記モータを駆動するインバータと、前記回転位置センサの出力信号に基づいて前記インバータを制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記回転位置センサが出力する回転位置の測定値を予め記憶する補正情報に基づいて補正する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記モータの発生トルクが所定値以下であるかどうかを判断し、所定値以下である場合に前記モータへの通電を停止して回転中の前記モータの誘起電圧を検出し、
    予め記憶する前記誘起電圧と前記モータの回転位置との関係と前記誘起電圧とから前記モータの回転位置の推定値を求め、
    前記回転位置センサから出力される前記回転位置の検出値Pdを補正するための前記補正情報を前記回転位置の推定値Prに基づいて算出して記憶し、
    前記回転位置の検出値Pdを前記補正情報に基づいて補正することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記回転位置の検出値Pdと回転位置の推定値Prとの偏差(Pd-Pr)との関係、又は、前記回転位置の検出値Pdと前記回転位置の推定値Prとの関係を、前記回転位置のセンサの全周にわたって記憶し、
    今回求めた前記補正情報と前記回転位置の検出値とのデータにより前記マップを逐次更新する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記制御部は、前記モータの回転数が所定値以上の場合に前記モータへの通電を停止させて前記誘起電圧を測定する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記操舵軸の操舵角を検出する操舵角センサを有し、
    前記制御部は、
    前記操舵角が所定値以上の場合に前記モータへの通電を停止させて前記誘起電圧を測定する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    車速を検出する車速センサを有し、
    前記制御部は、
    前記車速が所定値以上の場合に前記モータの発生トルクを0とする不感帯域を有するとともに、前記不感帯域以外の領域にて操舵トルクに対する前記モータの前記発生トルクを前記車速に応じて変更し、
    前記前記不感帯域において、前記誘起電圧による前記補正を行う電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータは、同期電動機である電動パワーステアリング装置の制御装置。
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