JP2001268963A - ファンモータ制御方法およびその装置 - Google Patents

ファンモータ制御方法およびその装置

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JP2001268963A
JP2001268963A JP2000081834A JP2000081834A JP2001268963A JP 2001268963 A JP2001268963 A JP 2001268963A JP 2000081834 A JP2000081834 A JP 2000081834A JP 2000081834 A JP2000081834 A JP 2000081834A JP 2001268963 A JP2001268963 A JP 2001268963A
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fan
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motor
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angle
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JP2000081834A
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Masanobu Tomoe
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファンモータの音・振動を抑制し、しかも消
費電力を抑制する。 【解決手段】 ファン3cを回転させるブラシレスDC
モータ3に組み込まれた位置センサ4から出力される位
置信号の周期に基づいて実回転数Rmを算出する回転数
算出部5と、外部から与えられる回転数指令Rm*と実
回転数Rmとを入力として両者の偏差を算出し、偏差に
対応するパルス幅指令値Vdを出力する回転数制御演算
部6と、電圧位相進み角Paを出力する電圧位相進み角
設定部7と、位置信号を入力として回転子電気角Peを
算出する回転子電気角算出部8と、電圧位相進み角Pa
と回転子電気角Peとを入力としてモータ電圧位相Px
を出力するモータ電圧位相決定部9と、パルス幅指令値
Vdとモータ電圧位相Pxとを入力としてドライブ信号
Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを出力する電圧ベ
クトル演算部10とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はファンモータ制御
方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、空気
調和機に含まれるファンをブラシレスDCモータにより
駆動する場合に適用されるファンモータ制御方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空気調和機に使用されるファンモ
ータにおいて、消費電力低減の観点からブラシレスDC
モータを採用することが多くなってきている。そして、
ファンモータに使用されるブラシレスDCモータは、圧
縮機などに使用されるブラシレスDCモータと比較して
設置環境が良好であるから、通常は位置センサに安価な
ホールセンサを使用し、120度通電方式を採用して駆
動される。
【0003】さらに説明する。
【0004】図30は120度通電方式を適用した従来
のファンモータ制御装置を示す概略図である。
【0005】このファンモータ制御装置は、ゲートドラ
イブ回路からのゲートドライブ信号によってインバータ
主回路の各相の上アームトランジスタ、下アームトラン
ジスタをスイッチングするようにした電圧型PWM(パ
ルス幅変調)インバータからの各相出力をブラシレスD
Cモータの対応する相の固定子巻線に供給し、ブラシレ
スDCモータの回転子によりファンを回転させるように
している。
【0006】そして、ブラシレスDCモータの内部に
は、逆起電圧と一定の位相関係にある120度毎に配置
されたホールセンサHu、Hv、Hwが設けられてお
り、これらのホールセンサHu、Hv、Hwからの出力
信号から電気角60度毎の位置信号が得られる{図31
中(A)参照}。
【0007】これらの位置信号を回転数演算部に供給し
て、例えば、位置信号どうしの時間間隔から実回転数R
mの演算を行い、外部から与えられる回転数指令Rm*
と算出された実回転数Rmとを回転数制御演算部に供給
することにより、両者の偏差を算出し、算出された偏差
に対応するパルス幅指令値Vdを出力して、120度通
電パターン作成部に供給する。この120度通電パター
ン制御部には、前記位置信号も供給されているので、位
置信号に対してパターン認識または論理演算を行うこと
によって、120度通電を行うためのドライブ信号G
u、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを作成することがで
きる{図31中(B)参照}。
【0008】ここで、上アームトランジスタに対応する
ドライブ信号Gu、Gv、Gwのパルス幅は、パルス幅
指令Vdに対してパルス幅変調を行い、調整することが
できる。
【0009】したがって、これらのドライブ信号により
インバータ主回路の各相のトランジスタのオンオフを行
い、ブラシレスDCモータの固定子巻線に電圧を供給す
る。上記のとおり回転子位置に同期した電圧を固定子巻
線に印加することでブラシレスDCモータを駆動し、フ
ァンを回転させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】120度通電方式で駆
動されるブラシレスDCモータにおいては、ファン回転
数が定格回転数の時に効率が最適となるようにホールセ
ンサが配置されているので、出力電圧位相は一定であ
る。
【0011】一方、ファンモータは可変速運転で使用さ
れ、ファンとの共振により音・振動が発生する場合があ
るので、この対策として、使用回転数を限定し、または
防振ゴムなどを使用する必要があるという不都合があ
る。
【0012】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、ファンモータの音・振動を抑制すること
ができ、しかも消費電力を抑制することができるファン
モータ制御方法およびその装置を提供することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1のファンモータ
制御方法は、ファンをブラシレスDCモータにより駆動
するに当たって、ファン最大回転数において、モータ電
流が最小となる電圧位相進み角を設定し、設定された電
圧位相進み角から回転子電気角に対するモータ電圧位相
を決定する方法である。
【0014】請求項2のファンモータ制御方法は、ファ
ンをブラシレスDCモータにより駆動するに当たって、
ファン定格回転数において、ブラシレスDCモータを駆
動する駆動装置の入力が最小となる電圧位相進み角を設
定し、設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対
するモータ電圧位相を決定する方法である。
【0015】請求項3のファンモータ制御方法は、ファ
ンをブラシレスDCモータにより駆動するに当たって、
ファン共振回転数において、共振周波数成分が最小とな
る電圧位相進み角を設定し、設定された電圧位相進み角
から回転子電気角に対するモータ電圧位相を決定する方
法である。
【0016】請求項4のファンモータ制御方法は、ファ
ンをブラシレスDCモータにより駆動するとともに、フ
ァンの起動時とファンの通常運転時とで駆動波形を互い
に異ならせるに当たって、駆動波形切替時のファン回転
数において、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最
小となる電圧位相進み角を設定し、設定された電圧位相
進み角から回転子電気角に対するモータ電圧位相を決定
する方法である。
【0017】請求項5のファンモータ制御方法は、電気
角周期毎に電気角周波数を算出し、電気角周波数を積分
演算して回転子電気角を算出する方法である。
【0018】請求項6のファンモータ制御方法は、回転
子1回転毎に回転数を算出し、回転数を積分演算して回
転子電気角を算出する方法である。
【0019】請求項7のファンモータ制御方法は、位置
信号のばらつきを検出し、位置信号のエッジ検出および
検出されたばらつきを用いて回転子電気角の演算誤差の
補正を行う方法である。
【0020】請求項8のファンモータ制御方法は、位置
信号読み取り周期と位置信号とが所定回数以上連続して
一致したことを条件として位置信号のエッジ検出を行う
方法である。
【0021】請求項9のファンモータ制御方法は、前記
ファンとして空気調和機に含まれるものを採用する方法
である。
【0022】請求項10のファンモータ制御装置は、フ
ァンをブラシレスDCモータにより駆動するものであっ
て、ファン最大回転数において、モータ電流が最小とな
る電圧位相進み角を設定する電圧位相進み角設定手段
と、設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対す
るモータ電圧位相を決定するモータ電圧位相決定手段と
を含むものである。
【0023】請求項11のファンモータ制御装置は、フ
ァンをブラシレスDCモータにより駆動するものであっ
て、ファン定格回転数において、ブラシレスDCモータ
を駆動する駆動装置の入力が最小となる電圧位相進み角
を設定する電圧位相進み角設定手段と、設定された電圧
位相進み角から回転子電気角に対するモータ電圧位相を
決定するモータ電圧位相決定手段とを含むものである。
【0024】請求項12のファンモータ制御装置は、フ
ァンをブラシレスDCモータにより駆動するものであっ
て、ファン共振回転数において、共振周波数成分が最小
となる電圧位相進み角を設定する電圧位相進み角設定手
段と、設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対
するモータ電圧位相を決定するモータ電圧位相決定手段
とを含むものである。
【0025】請求項13のファンモータ制御装置は、フ
ァンをブラシレスDCモータにより駆動するとともに、
ファンの起動時とファンの通常運転時とで駆動波形を互
いに異ならせるものであって、駆動波形切替時のファン
回転数において、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値
が最小となる電圧位相進み角を設定する電圧位相進み角
設定手段と、設定された電圧位相進み角から回転子電気
角に対するモータ電圧位相を決定するモータ電圧位相決
定手段とを含むものである。
【0026】請求項14のファンモータ制御装置は、フ
ァン回転数に対応する電圧位相進み角を保持する電圧位
相進み角保持手段をさらに含み、前記電圧位相進み角設
定手段として、ファン回転数に応じて電圧位相進み角を
読み込むものを採用するものである。
【0027】請求項15のファンモータ制御装置は、前
記電圧位相進み角保持手段として、最大回転数の1/5
以下の回転数毎にファン回転数に対応する電圧位相進み
角を保持するものを採用し、前記電圧位相進み角設定手
段として、ファン回転数に応じて電圧位相進み角を読み
込むとともに、読み込んだ電圧位相進み角からファン回
転数に対応する電圧位相進み角を算出するものを採用す
るものである。
【0028】請求項16のファンモータ制御装置は、前
記電圧位相進み角保持手段として、0以上であって、フ
ァン最大回転数以上かつ回転数最大検出値以下の上限回
転数以下のファン回転数に対応する電圧位相進み角を保
持するものを採用するものである。
【0029】請求項17のファンモータ制御装置は、電
気角周期毎に電気角周波数を算出し、電気角周波数を積
分演算して回転子電気角を算出する回転子電気角算出手
段をさらに含むものである。
【0030】請求項18のファンモータ制御装置は、回
転子1回転毎に回転数を算出し、回転数を積分演算して
回転子電気角を算出する回転子電気角算出手段をさらに
含むものである。
【0031】請求項19のファンモータ制御装置は、位
置信号のばらつきを検出し、位置信号のエッジ検出およ
び検出されたばらつきを用いて回転子電気角の演算誤差
の補正を行う誤差補正手段をさらに含むものである。
【0032】請求項20のファンモータ制御装置は、位
置信号読み取り周期と位置信号とが所定回数以上連続し
て一致したことを条件として位置信号のエッジ検出を行
うエッジ検出手段をさらに含むものである。
【0033】請求項21のファンモータ制御装置は、前
記ファンとして空気調和機に含まれるものを採用するも
のである。
【0034】
【作用】請求項1のファンモータ制御方法であれば、フ
ァンをブラシレスDCモータにより駆動するに当たっ
て、ファン最大回転数において、モータ電流が最小とな
る電圧位相進み角を設定し、設定された電圧位相進み角
から回転子電気角に対するモータ電圧位相を決定するの
であるから、モータ電流を小さくすることができ、ひい
てはファンモータおよびファンモータ駆動装置の発熱を
低減し、信頼性を高めることができる。
【0035】請求項2のファンモータ制御方法であれ
ば、ファンをブラシレスDCモータにより駆動するに当
たって、ファン定格回転数において、ブラシレスDCモ
ータを駆動する駆動装置の入力が最小となる電圧位相進
み角を設定し、設定された電圧位相進み角から回転子電
気角に対するモータ電圧位相を決定するのであるから、
駆動装置の入力を小さくすることができ、ひいては電力
消費量を低減することができる。
【0036】請求項3のファンモータ制御方法であれ
ば、ファンをブラシレスDCモータにより駆動するに当
たって、ファン共振回転数において、共振周波数成分が
最小となる電圧位相進み角を設定し、設定された電圧位
相進み角から回転子電気角に対するモータ電圧位相を決
定するのであるから、使用回転数の限定を排除すること
ができ、しかもファン駆動時の騒音・振動を低減するこ
とができる。
【0037】請求項4のファンモータ制御方法であれ
ば、ファンをブラシレスDCモータにより駆動するとと
もに、ファンの起動時とファンの通常運転時とで駆動波
形を互いに異ならせるに当たって、駆動波形切替時のフ
ァン回転数において、駆動波形切替時のモータ電流ピー
ク値が最小となる電圧位相進み角を設定し、設定された
電圧位相進み角から回転子電気角に対するモータ電圧位
相を決定するのであるから、そのまま駆動波形を切り替
えるとモータ電流のピーク値が大きくなるような場合で
あっても、モータ電流のピーク値を小さくすることがで
き、ひいては駆動波形切り替え時の動作不良を低減する
ことができる。
【0038】請求項5のファンモータ制御方法であれ
ば、電気角周期毎に電気角周波数を算出し、電気角周波
数を積分演算して回転子電気角を算出するのであるか
ら、請求項1から請求項4の何れかの作用に加え、演算
処理能力が低いマイコンなどを用いて十分に電気角演算
を行うことができ、また、簡素な位置センサを採用する
ことができる。
【0039】請求項6のファンモータ制御方法であれ
ば、回転子1回転毎に回転数を算出し、回転数を積分演
算して回転子電気角を算出するのであるから、請求項1
から請求項4の何れかの作用に加え、位置センサのばら
つきがある場合であっても、安定した回転数を算出で
き、ひいては安定した回転子位置角を算出することがで
きる。
【0040】請求項7のファンモータ制御方法であれ
ば、位置信号のばらつきを検出し、位置信号のエッジ検
出および検出されたばらつきを用いて回転子電気角の演
算誤差の補正を行うのであるから、請求項1から請求項
6の何れかの作用に加え、正確な回転子電気角を得るこ
とができ、ひいては波形歪みを抑制することができる。
【0041】請求項8のファンモータ制御方法であれ
ば、位置信号読み取り周期と位置信号とが所定回数以上
連続して一致したことを条件として位置信号のエッジ検
出を行うのであるから、請求項7の作用に加え、ノイズ
の影響を排除して位置信号のエッジの検出精度を高める
ことができる。
【0042】請求項9のファンモータ制御方法であれ
ば、前記ファンとして空気調和機に含まれるものを採用
するのであるから、空気調和機に適用することにより請
求項1から請求項8の何れかと同様の作用を達成するこ
とができる。
【0043】請求項10のファンモータ制御装置であれ
ば、ファンをブラシレスDCモータにより駆動するに当
たって、電圧位相進み角設定手段によって、ファン最大
回転数において、モータ電流が最小となる電圧位相進み
角を設定し、モータ電圧位相決定手段によって、設定さ
れた電圧位相進み角から回転子電気角に対するモータ電
圧位相を決定することができる。
【0044】したがって、モータ電流を小さくすること
ができ、ひいてはファンモータおよびファンモータ駆動
装置の発熱を低減し、信頼性を高めることができる。
【0045】請求項11のファンモータ制御装置であれ
ば、ファンをブラシレスDCモータにより駆動するに当
たって、電圧位相進み角設定手段によって、ファン定格
回転数において、ブラシレスDCモータを駆動する駆動
装置の入力が最小となる電圧位相進み角を設定し、モー
タ電圧位相決定手段によって、設定された電圧位相進み
角から回転子電気角に対するモータ電圧位相を決定する
ことができる。
【0046】したがって、駆動装置の入力を小さくする
ことができ、ひいては電力消費量を低減することができ
る。
【0047】請求項12のファンモータ制御装置であれ
ば、ファンをブラシレスDCモータにより駆動するに当
たって、電圧位相進み角設定手段によって、ファン共振
回転数において、共振周波数成分が最小となる電圧位相
進み角を設定し、モータ電圧位相決定手段によって、設
定された電圧位相進み角から回転子電気角に対するモー
タ電圧位相を決定することができる。
【0048】したがって、使用回転数の限定を排除する
ことができ、しかもファン駆動時の騒音・振動を低減す
ることができる。
【0049】請求項13のファンモータ制御装置であれ
ば、ファンをブラシレスDCモータにより駆動するとと
もに、ファンの起動時とファンの通常運転時とで駆動波
形を互いに異ならせるに当たって、電圧位相進み角設定
手段によって、駆動波形切替時のファン回転数におい
て、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最小となる
電圧位相進み角を設定し、モータ電圧位相決定手段によ
って、設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対
するモータ電圧位相を決定することができる。
【0050】したがって、そのまま駆動波形を切り替え
るとモータ電流のピーク値が大きくなるような場合であ
っても、モータ電流のピーク値を小さくすることがで
き、ひいては駆動波形切り替え時の動作不良を低減する
ことができる。
【0051】請求項14のファンモータ制御装置であれ
ば、ファン回転数に対応する電圧位相進み角を保持する
電圧位相進み角保持手段をさらに含み、前記電圧位相進
み角設定手段として、ファン回転数に応じて電圧位相進
み角を読み込むものを採用するのであるから、請求項1
0から請求項13の何れかの作用に加え、実際のファン
モータ制御時の処理を簡単化することができる。
【0052】請求項15のファンモータ制御装置であれ
ば、前記電圧位相進み角保持手段として、最大回転数の
1/5以下の回転数毎にファン回転数に対応する電圧位
相進み角を保持するものを採用し、前記電圧位相進み角
設定手段として、ファン回転数に応じて電圧位相進み角
を読み込むとともに、読み込んだ電圧位相進み角からフ
ァン回転数に対応する電圧位相進み角を算出するものを
採用するのであるから、請求項14の作用に加え、電圧
位相進み角保持手段に保持させておく電圧位相進み角を
少なくすることができる。
【0053】請求項16のファンモータ制御装置であれ
ば、前記電圧位相進み角保持手段として、0以上であっ
て、ファン最大回転数以上かつ回転数最大検出値以下の
上限回転数以下のファン回転数に対応する電圧位相進み
角を保持するものを採用するのであるから、請求項14
または請求項15の作用に加え、電圧位相進み角保持手
段に必要十分な電圧位相進み角を保持させることができ
る。
【0054】請求項17のファンモータ制御装置であれ
ば、電気角周期毎に電気角周波数を算出し、電気角周波
数を積分演算して回転子電気角を算出する回転子電気角
算出手段をさらに含むのであるから、請求項10から請
求項16の何れかの作用に加え、演算処理能力が低いマ
イコンなどを用いて十分に電気角演算を行うことがで
き、また、簡素な位置センサを採用することができる。
【0055】請求項18のファンモータ制御装置であれ
ば、回転子1回転毎に回転数を算出し、回転数を積分演
算して回転子電気角を算出する回転子電気角算出手段を
さらに含むのであるから、請求項10から請求項16の
何れかの作用に加え、位置センサのばらつきがある場合
であっても、安定した回転数を算出でき、ひいては安定
した回転子位置角を算出することができる。
【0056】請求項19のファンモータ制御装置であれ
ば、位置信号のばらつきを検出し、位置信号のエッジ検
出および検出されたばらつきを用いて回転子電気角の演
算誤差の補正を行う誤差補正手段をさらに含むのである
から、請求項10から請求項18の何れかの作用に加
え、正確な回転子電気角を得ることができ、ひいては波
形歪みを抑制することができる。
【0057】請求項20のファンモータ制御装置であれ
ば、位置信号読み取り周期と位置信号とが所定回数以上
連続して一致したことを条件として位置信号のエッジ検
出を行うエッジ検出手段をさらに含むのであるから、請
求項19の作用に加え、ノイズの影響を排除して位置信
号のエッジの検出精度を高めることができる。
【0058】請求項21のファンモータ制御装置であれ
ば、前記ファンとして空気調和機に含まれるものを採用
するのであるから、空気調和機に適用することにより請
求項10から請求項20の何れかと同様の作用を達成す
ることができる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のファンモータ制御方法およびその装置の実施の態
様を詳細に説明する。
【0060】図1はこの発明のファンモータ制御装置の
一実施態様である空気調和機用ファンモータ制御装置を
示す概略図である。
【0061】この空気調和機用ファンモータ制御装置
は、直流電源1を入力とするインバータ主回路2aから
の出力電圧をブラシレスDCモータ3の固定子巻線3a
に印加し、ブラシレスDCモータ3の回転子3bにより
ファン3cを回転させるようにしている。そして、ブラ
シレスDCモータ3に組み込まれた位置センサ4から出
力される電気角60度毎の位置信号を入力として、位置
信号の周期に基づいて実回転数Rmを算出する回転数算
出部5と、外部から与えられる回転数指令Rm*と実回
転数Rmとを入力として両者の偏差を算出し、偏差に対
応するパルス幅指令値Vdを出力する回転数制御演算部
6と、電圧位相進み角Paを出力する電圧位相進み角設
定部7と、位置信号を入力として回転子電気角Peを算
出する回転子電気角算出部8と、電圧位相進み角Paと
回転子電気角Peとを入力としてモータ電圧位相Pxを
出力するモータ電圧位相決定部9と、パルス幅指令値V
dとモータ電圧位相Pxとを入力としてドライブ信号G
u、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを出力する電圧ベク
トル演算部10と、ドライブ信号Gu、Gv、Gw、G
x、Gy、Gzを入力としてインバータ主回路2aの各
トランジスタのゲートに供給すべきゲートドライブ信号
を出力するゲートドライブ回路2bとを有している。な
お、インバータ主回路2aおよびゲートドライブ回路2
bで電圧形PWMインバータを構成している。また、ド
ライブ信号Gu、Gv、Gwはインバータ主回路2aの
+側トランジスタに対するゲート信号であり、ドライブ
信号Gx、Gy、Gzはインバータ主回路2aの−側ト
ランジスタに対するゲート信号である。
【0062】図2は回転子電気角Peと電圧位相進み角
Paとモータ電圧位相Pxとの関係を説明する図であ
り、回転子電気角Peと電圧位相進み角Paとを加算す
ることにより、モータ電圧位相Pxが得られることが分
かる。
【0063】図3はファンモータの負荷特性を示す図で
あり、ファン回転数が大きくなるほど軸トルクも大きく
なることが分かる。
【0064】前記電圧位相進み角設定部7は、ファン最
大回転数においてモータ電流が最小となる電圧位相進み
角を設定し(図4参照)、ファン定格回転数においてイ
ンバータ主回路2aの入力が最小となる電圧位相進み角
を設定し(図5参照)、ファン共振周波数において共振
周波数成分が最小となる電圧位相進み角を設定し(ファ
ン共振周波数における駆動音の周波数スペクトル解析結
果を示す図6、および騒音レベル−位相角特性を示す図
7参照)、またはファン起動時と通常運転時とで駆動波
形を異ならせることが指示されていることに応答して、
駆動波形切替時の回転数において、駆動波形切替時のモ
ータ電流ピークが最小となる電圧位相進み角を設定する
(駆動波形切替時の電流波形を示す図8、および電圧位
相−モータ電流ピーク値特性を示す図9参照)ものであ
る。
【0065】上記の構成の空気調和機用ファンモータ制
御装置の作用は次のとおりである。ブラシレスDCモー
タ3に設けられた位置センサ4から出力される位置信号
に基づいて回転数算出部5により実回転数Rmを算出
し、回転数制御演算部6により回転数指令Rm*との偏
差を算出し、この偏差に対応するパルス幅指令値Vdを
出力する。
【0066】また、電圧位相進み角設定部7により電圧
位相進み角Paを設定し、回転子電気角算出部8により
算出される回転子電気角Peと電圧位相進み角Paとを
モータ電圧位相決定部9に供給してモータ電圧位相Px
を決定する。
【0067】そして、パルス幅指令値Vdとモータ電圧
位相Pxとを入力として電圧ベクトル演算部10により
ドライブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを出
力してゲートドライブ回路2bに供給し、ゲートドライ
ブ回路2bからのゲートドライブ信号によってインバー
タ主回路2aの各トランジスタをオンオフさせることが
できる。
【0068】この結果、ブラシレスDCモータの回転子
電気角に応じてインバータ主回路2aの各トランジスタ
をオンオフさせ、ファン3cを駆動することができる。
【0069】この場合において、前記電圧位相進み角設
定部7として、ファン最大回転数においてモータ電流が
最小となる電圧位相進み角を設定するものを採用すれ
ば、ブラシレスDCモータ3、インバータ主回路2aの
発熱を低減し、信頼性を確保することができる。また、
前記電圧位相進み角設定部7として、ファン定格回転数
においてインバータ主回路2aの入力が最小となる電圧
位相進み角を設定するものを採用すれば、電力消費量を
低減することができる。さらに、前記電圧位相進み角設
定部7として、ファン共振周波数において共振周波数成
分が最小となる電圧位相進み角を設定するものを採用す
れば、ファン駆動時の騒音・振動を低減することができ
る。さらにまた、前記電圧位相進み角設定部7として、
ファン起動時と通常運転時とで駆動波形を異ならせるこ
とが指示されていることに応答して、駆動波形切替時の
回転数において、駆動波形切替時のモータ電流ピークが
最小となる電圧位相進み角を設定するものを採用すれ
ば、駆動波形切替時にモータ電流ピーク値が大きくなる
場合{図8中(b)参照}であっても、駆動波形切替時
の動作不良を低減することができる。
【0070】ただし、これらの場合において、図10お
よび表1に示すように、上記の各電圧位相進み角設定部
7の処理を反映したファン回転数に対応する電圧位相進
み角を保持する電圧位相進み角テーブル(電圧位相進み
角保持部)を準備しておくことが好ましい。
【0071】
【表1】
【0072】そして、この場合には、電圧位相進み角設
定部7によって電圧位相進み角テーブルから電圧位相進
み角を読み出せばよい。もちろん、前記各電圧位相進み
角設定部7を採用した場合と同様の作用を達成すること
ができるほか、電圧位相進み角設定のための処理を簡単
化することができる。
【0073】また、前記電圧位相進み角テーブルに代え
て、図11および表2に示すように、最大回転数に対し
て1/5以下の回転数毎に電圧位相進み角を保持する電
圧位相進み角テーブルを採用し、電圧位相進み角設定部
7によって、対象とするファン回転数を挟む2つのファ
ン回転数に対応する電圧位相進み角を読み出し、読み出
された2つの電圧位相進み角に基づく補間演算を行って
対象とするファン回転数に対応する電圧位相進み角を算
出することが可能である。
【0074】
【表2】
【0075】具体的には、図11に示すように、ファン
回転数がN2とN3との間のRmである場合には、次式
の演算を行って電圧位相進み角Paを算出することがで
きる。 Pa=Pa(N2)+[{Pa(N3)−Pa(N
2)}/(N3−N2)](Rm−N2) ただし、Pa(N3)、Pa(N2)は、ファン回転数
N3、N2における電圧位相進み角である。
【0076】この場合には、前記電圧位相進み角テーブ
ルを採用した場合と同様の作用を達成することができる
ほか、テーブルの内容を少なくすることができる。
【0077】また、これらの場合において、電圧位相進
み角テーブルにおける設定範囲としては、最小値を0r
pmに設定し、最大値を、ファン最大回転数以上、かつ
回転数最大検出値以下に設定すればよい。ここで、回転
数最大検出値とは、速度センサ信号または位置センサ信
号から算出される回転数の検出限界(最大値)である。
【0078】図12はこの発明のファンモータ制御装置
の他の実施態様である空気調和機用ファンモータ制御装
置を示す概略図である。
【0079】この空気調和機用ファンモータ制御装置
は、直流電源1を入力とするインバータ主回路2aから
の出力電圧をブラシレスDCモータ3の固定子巻線3a
に印加し、ブラシレスDCモータ3の回転子3bにより
ファン3cを回転させるようにしている。そして、ブラ
シレスDCモータ3に組み込まれた位置センサ4から出
力される電気角60度毎の位置信号を入力として電気角
周期Teを測定する電気角周期測定部11と、測定され
た電気角周期Teを入力として電気角周波数Feを算出
する電気角周期演算部12と、電気角周波数Feに基づ
いて実回転数Rmを算出する回転数算出部13と、外部
から与えられる回転数指令Rm*と実回転数Rmとを入
力として両者の偏差を算出し、偏差に対応する電圧振幅
Vaを出力する回転数制御演算部14と、実回転数Rm
を入力として電圧位相進み角Paを出力する電圧位相進
み角設定部15と、電気角周波数Feを入力として回転
子電気角Peを算出する回転子電気角演算部16と、電
圧位相進み角Paと回転子電気角Peとを入力としてモ
ータ電圧位相Pxを出力するモータ電圧位相演算部17
と、電圧振幅Vaとモータ電圧位相Pxとを入力として
ドライブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを出
力する電圧ベクトル演算部18と、ドライブ信号Gu、
Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを入力としてインバータ
主回路2aの各トランジスタのゲートに供給すべきゲー
トドライブ信号を出力するゲートドライブ回路2bとを
有している。なお、インバータ主回路2aおよびゲート
ドライブ回路2bで電圧形PWMインバータを構成して
いる。
【0080】次いで、図12の構成の空気調和機用ファ
ンモータ制御装置の作用を、図13に示すタイミングチ
ャート、および図14、図15に示すフローチャートを
参照して説明する。なお、図14に示すフローチャート
の処理は電気角周期検出および積分演算を行うものであ
り、図15に示すフローチャートの処理は電気角周波数
演算を行うものである。そして、図14のフローチャー
トの処理は、図13中(C)に示す周期カウントクロッ
クの1周期と等しい周期T1毎の割込処理TM1で行わ
れ、図15のフローチャートの処理は、周期T1よりも
長い周期T2毎の割込処理TM2で行われる。また、割
込処理TM1の優先順位を割込処理TM2の優先順位よ
りも高く設定している。
【0081】先ず、電気角周期検出および積分演算を説
明する。
【0082】ブラシレスDCモータ3にはモータ誘起起
電圧と一定の位相関係にある位置センサ4が設けられて
おり、位置センサ4から電気角周期の位置信号が得られ
る{図12中(A)(B)参照}。
【0083】ステップSP1において、位置センサ信号
の取り込みを行い、ステップSP2において、周期測定
カウンタCtをカウントする{図12中(C)(D)参
照}。そして、ステップSP3において、電気角周期を
検出したか否かを判定する。
【0084】ステップSP3において電気角周期を検出
したと判定された場合には、ステップSP4において、
周期測定カウンタCtからカウンタ値Teを読み取り
(ここで、電気角周期T1・Te[s]が検出でき
る)、ステップSP5において、電気角周波数演算フラ
グを”1”にセットして電気角周波数演算を要求し{図
12中(E)参照}、ステップSP6において、周期測
定カウンタCtのカウンタ値を0にリセットするととも
に、回転子位置推定値Xeを0にリセットする。
【0085】逆に、ステップSP3において電気角周期
を検出していないと判定された場合には、ステップSP
7において、Xe(kT1)=Xe((k−1)T1)
+Fe{ただし、kは整数、Xe((k−1)T1)は
前回の割込処理で求めた回転子位置推定値}の演算を行
って回転子位置推定値Xeを演算し、ステップSP8に
おいて、回転子位置推定値Xeが周期T1の逆数(1/
T1)以上か否かを判定し、1/T1以上であると判定
された場合には、ステップSP9において、Xe=Xe
−(1/T1)の演算を行って回転子位置推定値を補正
する。
【0086】ステップSP6の処理が行われた場合、ス
テップSP8において回転子位置推定値Xeが1/T1
以上でないと判定された場合、またはステップSP9の
処理が行われた場合には、ステップSP10において、
K2・Xe(ただし、K2=360/T1)の演算を行
って回転子電気角Pe[°]を演算し、ステップSP1
1において、Pe+Paの演算を行ってモータ電圧位相
Px[°]を演算し、ステップSP12において、電圧
ベクトルを演算し、そのまま元の処理に戻る。
【0087】次いで、電気角周波数演算を説明する。
【0088】ステップSP1において、電気角周波数演
算フラグが”1”であるか否かを判定し、”1”である
と判定された場合には、ステップSP2において、K1
/Te(ただし、K1=1/T1)の演算を行って電気
角周波数Fe[1/s]を演算し、ステップSP3にお
いて、(60/p)・Fe(ただし、pは極対数)の演
算を行ってファン回転数(実回転数)Rm[rpm]を
演算し、ステップSP4において、電圧位相進み角Pa
を演算し、ステップSP5において、電気角周波数演算
フラグを”0”にリセットする。
【0089】ステップSP1において電気角周波数演算
フラグが”1”でないと判定された場合、またはステッ
プSP5の処理が行われた場合には、そのまま元の処理
に戻る。
【0090】上記の説明から分かるように、電気角周期
毎に電気角周波数の演算を行うのであるから、除算の回
数を減少させることができる。また、演算処理能力が低
い低機能マイコンを用いても十分に回転子電気角演算を
行うことができる。さらに簡素な位置センサを用いた場
合であっても、回転子電気角演算を行うことができる。
【0091】図16はこの発明のファンモータ制御装置
のさらに他の実施態様である空気調和機用ファンモータ
制御装置を示す概略図である。
【0092】この空気調和機用ファンモータ制御装置
は、直流電源1を入力とするインバータ主回路2aから
の出力電圧をブラシレスDCモータ3の固定子巻線3a
に印加し、ブラシレスDCモータ3の回転子3bにより
ファン3cを回転させるようにしている。そして、ブラ
シレスDCモータ3に組み込まれた位置センサ4から出
力される電気角60度毎の位置信号を入力として回転子
3bの機械角周期Tmを測定する機械角測定部21と、
測定された機械角周期Tmを入力として回転数Rmを演
算する回転数演算部22と、回転数Rmを入力として回
転子電気角Peを演算する回転子電気角演算部23と、
回転数Rmを入力として電圧位相進み角Paを演算する
電圧位相進み角演算部24と、外部から与えられる回転
数指令Rm*と回転数Rmとを入力として両者の偏差を
算出し、偏差に対応する電圧振幅Vaを出力する回転数
制御演算部25と、回転子電気角Peと電圧位相進み角
Paとを入力としてモータ電圧位相Pxを演算する電圧
位相演算部26と、電圧振幅Vaとモータ電圧位相Px
とを入力としてドライブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、
Gy、Gzを出力する電圧ベクトル演算部27と、ドラ
イブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを入力と
してインバータ主回路2aの各トランジスタのゲートに
供給すべきゲートドライブ信号を出力するゲートドライ
ブ回路2bとを有している。なお、インバータ主回路2
aおよびゲートドライブ回路2bで電圧形PWMインバ
ータを構成している。
【0093】次いで、図16の構成の空気調和機用ファ
ンモータ制御装置の作用を、図17に示すタイミングチ
ャート、および図18、図19に示すフローチャートを
参照して説明する。なお、図18に示すフローチャート
の処理は回転子電気角演算を行うものであり、図19に
示すフローチャートの処理はファン回転数演算および電
圧位相進み角演算を行うものである。そして、図18の
フローチャートの処理は、図17中(C)に示す周期カ
ウントクロックの1周期と等しい周期T1毎の割込処理
TM1で行われ、図19のフローチャートの処理は、周
期T1よりも長い周期T2毎の割込処理TM2で行われ
る。また、割込処理TM1の優先順位を割込処理TM2
の優先順位よりも高く設定している。
【0094】先ず、回転子電気角演算を説明する。
【0095】ブラシレスDCモータ3にはモータ誘起起
電圧と一定の位相関係にある位置センサ4が設けられて
おり、位置センサ4から電気角周期の位置信号が得られ
る{図17中(A)(B)参照}。
【0096】ステップSP1において、位置センサ信号
の取り込みを行い、ステップSP2において、周期測定
カウンタCtをカウントする{図17中(C)(D)参
照}。そして、ステップSP3において、電気角周期を
検出したか否かを判定する。
【0097】ステップSP3において電気角周期を検出
したと判定された場合には、ステップSP4において、
極対数カウンタCpをカウントし{図17中(E)参
照}、ステップSP5において、極対数カウンタCpの
カウント値が極対数pと等しいか否かを判定する。
【0098】ステップSP5において、極対数カウンタ
Cpのカウンタ値が極対数pと等しいと判定された場合
には、ステップSP6において、周期測定カウンタCt
からカウンタ値Tmを読み取り(ここで、回転子の機械
角周期T1・Tm[s]が検出できる)、ステップSP
7において、回転数演算フラグを”1”にセットして回
転数演算を要求し{図17中(F)参照}、ステップS
P8において、周期測定カウンタCtのカウンタ値を0
にリセットし、極対数カウンタCpのカウンタ値を0に
リセットし、回転子位置推定値Xeを0にリセットす
る。
【0099】逆に、ステップSP3において電気角周期
を検出していないと判定された場合、またはステップS
P5において極対数カウンタCpのカウンタ値が極対数
pと等しくないと判定された場合には、ステップSP9
において、Xe(kT1)=Xe((k−1)T1)+
Fe{ただし、kは整数、Xe((k−1)T1)は前
回の割込処理で求めた回転子位置推定値}の演算を行っ
て回転子位置推定値Xeを演算し、ステップSP10に
おいて、回転子位置推定値Xeが60/(p・T1)以
上か否かを判定し、60/(p・T1)以上であると判
定された場合には、ステップSP11において、Xe=
Xe−60/(p・T1)の演算を行って回転子位置推
定値を補正する。
【0100】ステップSP8の処理が行われた場合、ス
テップSP10において回転子位置推定値Xeが60/
p・T1以上でないと判定された場合、またはステップ
SP11の処理が行われた場合には、ステップSP12
において、K2・Xe(ただし、K2=360・p・T
1/60)の演算を行って回転子電気角Pe[°]を演
算し、ステップSP13において、Pe+Paの演算を
行ってモータ電圧位相Px[°]を演算し、ステップS
P14において、電圧ベクトルを演算し、そのまま元の
処理に戻る。
【0101】次いで、ファン回転数演算および電圧位相
進み角演算を説明する。
【0102】ステップSP1において、回転数演算フラ
グが”1”であるか否かを判定し、”1”であると判定
された場合には、ステップSP2において、K1/Tm
(ただし、K1=60/T1)の演算を行ってファン回
転数(実回転数)Rm[rpm]を演算し、ステップS
P3において、電圧位相進み角Paを演算し、ステップ
SP4において、電気角周波数演算フラグを”0”にリ
セットする。
【0103】ステップSP1において回転数演算フラグ
が”1”でないと判定された場合、またはステップSP
4の処理が行われた場合には、そのまま元の処理に戻
る。
【0104】上記の説明から分かるように、位置センサ
4としてホールセンサを用いた場合、センサ磁石の着磁
やセンサの動作点のばらつきにより電気角周期がずれる
ことがある{図17中(B)参照}が、安定した回転数
検出値を得るために、ブラシレスDCモータ3の極対数
をカウントして{図17中(E)参照}回転子1回転を
検出し、回転子1回転毎に回転数演算を行うようにして
いる。
【0105】したがって、位置センサのばらつきがある
場合であっても、安定した回転数の演算を行うことがで
き、安定した回転子電気角を演算することができる。
【0106】図20はこの発明のファンモータ制御装置
のさらに他の実施態様である空気調和機用ファンモータ
制御装置を示す概略図である。
【0107】この空気調和機用ファンモータ制御装置
は、直流電源1を入力とするインバータ主回路2aから
の出力電圧をブラシレスDCモータ3の固定子巻線3a
に印加し、ブラシレスDCモータ3の回転子3bにより
ファン3cを回転させるようにしている。そして、ブラ
シレスDCモータ3に組み込まれたホールセンサ(誘起
電圧と一定の位相関係にある120°毎に配置されたホ
ールセンサ)4から出力されるホールセンサ信号Hu、
Hv、Hwを入力として位置信号のエッジを検出する位
置信号エッジ検出部31と、検出されたエッジパターン
Epを入力として回転方向Raを検出する回転方向検出
部32と、検出された位置信号のエッジを入力として回
転子3bの機械角周期Tmを測定する機械角測定部33
と、測定された機械角周期Tmを入力として回転数Rm
を演算するとともに、回転方向を確定する回転数演算・
回転方向確定部34と、回転数Rmを入力として回転子
電気角Peを演算する回転子電気角演算部35と、回転
数Rmを入力として電圧位相進み角Paを演算する電圧
位相進み角演算部36と、外部から与えられる回転数指
令Rm*と回転数Rmとを入力として両者の偏差を算出
し、偏差に対応する電圧振幅Vaを出力する回転数制御
演算部37と、回転子電気角Peと電圧位相進み角Pa
とを入力としてモータ電圧位相Pxを演算する電圧位相
演算部38と、電圧振幅Vaとモータ電圧位相Pxとを
入力としてドライブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、G
y、Gzを出力する電圧ベクトル演算部39と、ドライ
ブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを入力とし
てインバータ主回路2aの各トランジスタのゲートに供
給すべきゲートドライブ信号を出力するゲートドライブ
回路2bと、エッジパターンEpを入力とし、かつ回転
子電気角演算部35との間で位置補正データの授受が行
われる位置補正データ保持部40(表3参照)とを有し
ている。なお、インバータ主回路2aおよびゲートドラ
イブ回路2bで電圧形PWMインバータを構成してい
る。
【0108】
【表3】
【0109】なお、位置補正データ保持部40には、位
置センサ信号としてのホールセンサ信号のエッジパター
ンに対応する回転子位置補正テーブル値Xs(Ep)が
保持されている。
【0110】次いで、図20の構成の空気調和機用ファ
ンモータ制御装置の作用を、図21に示すタイミングチ
ャート、および図22、図23に示すフローチャートを
参照して説明する。なお、図22に示すフローチャート
の処理は回転子電気角演算および回転子位置補正を行う
ものであり、図23に示すフローチャートの処理は回転
数演算および電圧位相進み角演算を行うものである。そ
して、図22のフローチャートの処理は、図21中
(D)に示す周期カウントクロックの1周期と等しい周
期T1毎の割込処理TM1で行われ、図22のフローチ
ャートの処理は、周期T1よりも長い周期T2毎の割込
処理TM2で行われる。また、割込処理TM1の優先順
位を割込処理TM2の優先順位よりも高く設定してい
る。
【0111】先ず、回転子電気角演算および回転子位置
補正を説明する。
【0112】ブラシレスDCモータ3にはモータ誘起起
電圧と一定の位相関係にあるホールセンサ4が設けられ
ており、ホールセンサ4から電気角周期の位置信号が得
られる{図21中(A)(B)参照}。
【0113】ステップSP1において、位置センサ信号
の取り込みを行い、ステップSP2において、周期測定
カウンタCtをカウントする{図21中(D)(E)参
照}。そして、ステップSP3において、位置センサ信
号のエッジを検出したか否かを判定する{図21中
(C)参照)}。
【0114】ステップSP3において位置センサ信号の
エッジを検出したと判定された場合には、ステップSP
4において、回転方向Raを検出し、ステップSP5に
おいて、エッジパターンEpを検出し、ステップSP6
において、電気角周期が検出されたか否かを判定し、電
気角周期が検出されたと判定されたと判定された場合に
は、ステップSP7において、極対数カウンタCpをカ
ウントし{図17中(F)参照}、ステップSP8にお
いて、極対数カウンタCpのカウント値が極対数pと等
しいか否かを判定し、極対数カウンタCpのカウンタ値
が極対数pと等しいと判定された場合には、ステップS
P9において、周期測定カウンタCtからカウンタ値T
mを読み取り(ここで、回転子の機械角周期T1・Tm
[s]が検出できる)、ステップSP10において、回
転数演算フラグを”1”にセットして回転数演算を要求
し{図21中(G)参照}、ステップSP11におい
て、周期測定カウンタCtのカウンタ値を0にリセット
し、極対数カウンタCpのカウンタ値を0にリセット
し、回転子位置推定値Xeを0にリセットする。
【0115】逆にステップSP3において位置センサ信
号のエッジを検出していないと判定された場合には、ス
テップSP12において、Xe(kT1)=Xe((k
−1)T1)+Fe{ただし、kは整数、Xe((k−
1)T1)は前回の割込処理で求めた回転子位置推定
値}の演算を行って回転子位置推定値Xeを演算し、ス
テップSP13において、回転子位置推定値Xeが60
/(p・T1)以上か否かを判定し、60/(p・T
1)以上であると判定された場合には、ステップSP1
4において、Xe=Xe−60/(p・T1)の演算を
行って回転子位置推定値を補正する。
【0116】ステップSP6において電気角周期を検出
していないと判定された場合、またはステップSP8に
おいて極対数カウンタCpのカウンタ値が極対数pと等
しくないと判定された場合には、ステップSP15にお
いて、回転子位置推定値Xeを演算し、ステップSP1
6において、補正値読み込みフラグが”0”か否かを判
定し、補正値読み込みフラグが”0”であると判定され
た場合には、ステップSP17において、Xe=Xs
(Ep)の処理を行って回転子位置の補正を行い、逆
に、ステップSP16において補正値読み込みフラグ
が”0”でないと判定された場合には、ステップSP1
8において、演算された回転子位置推定値Xeを回転子
位置補正値として読み込む。
【0117】ステップSP11の処理が行われた場合、
ステップSP13において回転子位置推定値Xeが60
/p・T1以上でないと判定された場合、ステップSP
14の処理が行われた場合、ステップSP17の処理が
行われた場合、またはステップSP18の処理が行われ
た場合には、ステップSP19において、K2・Xe
(ただし、K2=360・p・T1/60)の演算を行
って回転子電気角Pe[°]を演算し、ステップSP2
0において、Pe+Paの演算を行ってモータ電圧位相
Px[°]を演算し、ステップSP21において、電圧
ベクトルを演算し、そのまま元の処理に戻る。
【0118】次いで、ファン回転数演算および電圧位相
進み角演算を説明する。
【0119】ステップSP1において、回転数演算フラ
グが”1”であるか否かを判定し、”1”であると判定
された場合には、ステップSP2において、K1/Tm
(ただし、K1=60/T1)の演算を行ってファン回
転数(実回転数)Rm[rpm]を演算し、ステップS
P3において、回転方向を確定し(Rd=Ra)、ステ
ップSP4において、電圧位相進み角Paを演算し、ス
テップSP5において、電気角周波数演算フラグを”
0”にリセットし、ステップSP6において、回転数が
安定したか否かを判定し、安定していると判定された場
合には、ステップSP7において、位置補正データがセ
ット中か否かを判定し、セット中であると判定された場
合には、ステップSP8において、補正値読み込みフラ
グを”1”にセットする。
【0120】逆に、ステップSP6において回転数が安
定していないと判定された場合、またはステップSP7
において位置補正データがセット中でないと判定された
場合には、ステップSP9において、補正値読み込みフ
ラグを”0”にセットする。
【0121】ステップSP1において回転数演算フラグ
が”1”でないと判定された場合、ステップSP8の処
理が行われた場合、またはステップSP9の処理が行わ
れた場合には、そのまま元の処理に戻る。
【0122】上記の説明から分かるように、誘起電圧と
一定の位相関係にある120°毎に配置されたホールセ
ンサ4を用いた場合、センサ磁石の着磁、センサの動作
点のばらつき、センサ取り付けのばらつきにより電気角
周期および各センサ出力位相がずれることがある{図2
1中(B)参照}が、この実施態様においては、ホール
センサ信号のばらつきを検出し、検出した値を用いて回
転子電気角演算時の演算誤差を補正することができる。
【0123】したがって、演算誤差に起因する波形歪み
を抑制することができる。
【0124】上記の実施態様における、位置センサ信号
のエッジ検出については、位置センサ信号確定回数n回
以上連続一致で確定することが好ましい。
【0125】さらに説明する。
【0126】図24はn=2の場合におけるエッジ検出
の確定{図24中(a)参照}、およびn=4の場合に
おけるエッジ検出の確定{図24中(b)参照}を説明
する図である。
【0127】図24中(a)においては、エッジ検出の
確定を早期に実現することができるが、位置センサ信号
読み取り周期の2倍の期間にわたるノイズの影響を受け
た場合に、ノイズによってエッジを誤検出してしまう。
逆に、図24中(b)においては、エッジ検出の確定ま
での所要時間が長くなるが、上記のノイズの影響を受け
た場合であってもエッジを誤検出することはない。した
がって、ノイズの影響とエッジ確定までの所要時間とを
考慮してnの値を決定すればよい。
【0128】図25はnの値に対するノイズ検出確率の
一例を示す図であり、nを4以上に設定することによっ
てノイズ検出確率をほぼ0にできることが分かる。
【0129】したがって、この場合には、n=4に設定
することが最も好ましい。ただし、ノイズ検出確率は検
出回路および周辺回路によって異なるので、nの最適値
は、空気調和機用ファンモータ制御装置毎に設定するこ
とが必要になる。
【0130】また、空気調和機用ファンを駆動するブラ
シレスDCモータは、通常、位置センサとして安価なホ
ールセンサを採用し、120度通電方式で駆動される。
しかし、演算などにより回転子電気角が得られる場合に
は、ファンモータ駆動音を抑制するのに効果がある正弦
波通電により駆動を行うことが好ましい。
【0131】電圧形PWMインバータにおいて正弦波通
電を行う場合、電圧ベクトルの出力タイミングにより、
図27に示すように、2アームチョッピング方式と3ア
ームチョッピング方式とが挙げられるが、インバータ主
回路のスイッチング回数が少ない2アームチョッピング
方式の方がドライバ損失が小さくなる(図28参照)。
【0132】図26および表4は電圧形PWMインバー
タの電圧ベクトルを示す図、図29および表5は正弦波
通電を行うための電圧ベクトルパターンを説明する図で
ある。なお、τa、τb、τcは、それぞれ電圧ベクト
ルva、vb、vcの出力時間であり、τb=Va・s
in(π/3−θ)、τc=Va・sinθ、τa=T
car−τb−τcである。
【0133】
【表4】
【0134】
【表5】
【0135】したがって、電圧位相に応じて図29に従
って電圧ベクトルを演算し、ブラシレスDCモータ3を
駆動するためのドライブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、
Gy、Gzを生成し、ドライブ信号によってインバータ
主回路2aのトランジスタのオンオフを行ってブラシレ
スDCモータ3の固定子巻線3aに電圧を印加し、ブラ
シレスDCモータを駆動することができる。ここで、ブ
ラシレスDCモータ3の固定子巻線3aへの印加電圧の
大きさは回転数制御演算により求められる電圧振幅Va
で調整する。
【0136】以上の説明から分かるように、2アームチ
ョッピング方式の正弦波駆動でファンモータを駆動する
ことにより、モータ駆動音を抑制し、かつドライバ損失
を少なくすることができる。したがって、インバータ主
回路をパッケージ化して熱的余裕が小さくなっている空
気調和機用ファンモータ制御装置に好適である。
【0137】
【発明の効果】請求項1の発明は、モータ電流を小さく
することができ、ひいてはファンモータおよびファンモ
ータ駆動装置の発熱を低減し、信頼性を高めることがで
きるという特有の効果を奏する。
【0138】請求項2の発明は、駆動装置の入力を小さ
くすることができ、ひいては電力消費量を低減すること
ができるという特有の効果を奏する。
【0139】請求項3の発明は、使用回転数の限定を排
除することができ、しかもファン駆動時の騒音・振動を
低減することができるという特有の効果を奏する。
【0140】請求項4の発明は、そのまま駆動波形を切
り替えるとモータ電流のピーク値が大きくなるような場
合であっても、モータ電流のピーク値を小さくすること
ができ、ひいては駆動波形切り替え時の動作不良を低減
することができるという特有の効果を奏する。
【0141】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
の何れかの効果に加え、演算処理能力が低いマイコンな
どを用いて十分に電気角演算を行うことができ、また、
簡素な位置センサを採用することができるという特有の
効果を奏する。
【0142】請求項6の発明は、請求項1から請求項4
の何れかの効果に加え、位置センサのばらつきがある場
合であっても、安定した回転数を算出でき、ひいては安
定した回転子位置角を算出することができるという特有
の効果を奏する。
【0143】請求項7の発明は、請求項1から請求項6
の何れかの効果に加え、正確な回転子電気角を得ること
ができ、ひいては波形歪みを抑制することができるとい
う特有の効果を奏する。
【0144】請求項8の発明は、請求項7の効果に加
え、ノイズの影響を排除して位置信号のエッジの検出精
度を高めることができるという特有の効果を奏する。
【0145】請求項9の発明は、空気調和機に適用する
ことにより請求項1から請求項8の何れかと同様の効果
を奏する。
【0146】請求項10の発明は、モータ電流を小さく
することができ、ひいてはファンモータおよびファンモ
ータ駆動装置の発熱を低減し、信頼性を高めることがで
きるという特有の効果を奏する。
【0147】請求項11の発明は、駆動装置の入力を小
さくすることができ、ひいては電力消費量を低減するこ
とができるという特有の効果を奏する。
【0148】請求項12の発明は、使用回転数の限定を
排除することができ、しかもファン駆動時の騒音・振動
を低減することができるという特有の効果を奏する。
【0149】請求項13の発明は、そのまま駆動波形を
切り替えるとモータ電流のピーク値が大きくなるような
場合であっても、モータ電流のピーク値を小さくするこ
とができ、ひいては駆動波形切り替え時の動作不良を低
減することができるという特有の効果を奏する。
【0150】請求項14の発明は、請求項10から請求
項13の何れかの効果に加え、実際のファンモータ制御
時の処理を簡単化することができるという特有の効果を
奏する。
【0151】請求項15の発明は、請求項14の効果に
加え、電圧位相進み角保持手段に保持させておく電圧位
相進み角を少なくすることができるという特有の効果を
奏する。
【0152】請求項16の発明は、請求項14または請
求項15の効果に加え、電圧位相進み角保持手段に必要
十分な電圧位相進み角を保持させることができるという
特有の効果を奏する。
【0153】請求項17の発明は、請求項10から請求
項16の何れかの効果に加え、演算処理能力が低いマイ
コンなどを用いて十分に電気角演算を行うことができ、
また、簡素な位置センサを採用することができるという
特有の効果を奏する。
【0154】請求項18の発明は、請求項10から請求
項16の何れかの効果に加え、位置センサのばらつきが
ある場合であっても、安定した回転数を算出でき、ひい
ては安定した回転子位置角を算出することができるとい
う特有の効果を奏する。
【0155】請求項19の発明は、請求項10から請求
項18の何れかの効果に加え、正確な回転子電気角を得
ることができ、ひいては波形歪みを抑制することができ
るという特有の効果を奏する。
【0156】請求項20の発明は、請求項19の効果に
加え、ノイズの影響を排除して位置信号のエッジの検出
精度を高めることができるという特有の効果を奏する。
【0157】請求項21の発明は、空気調和機に適用す
ることにより請求項10から請求項20の何れかと同様
の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のファンモータ制御装置の一実施態様
である空気調和機用ファンモータ制御装置を示す概略図
である。
【図2】回転子電気角と電圧位相進み角と電圧位相との
関係を説明する図である。
【図3】ファンモータ負荷特性を示す図である。
【図4】電圧位相−モータ電流特性を示す図である。
【図5】電圧位相−ドライバ入力特性を示す図である。
【図6】ファン共振回転数における駆動音の周波数スペ
クトル解析結果を示す図である。
【図7】騒音レベル−位相角特性を示す図である。
【図8】運転切替炉起通電波形を示す図である。
【図9】モータ電流−電圧位相進み角特性を示す図であ
る。
【図10】電圧位相進み角テーブルの内容の一例を示す
図である。
【図11】電圧位相進み角テーブルの内容の他の例を示
す図である。
【図12】この発明のファンモータ制御装置の他の実施
態様である空気調和機用ファンモータ制御装置を示す概
略図である。
【図13】図12の空気調和機用ファンモータ制御装置
の各部の信号波形を示す図である。
【図14】電気角周期検出および積分演算を説明するフ
ローチャートである。
【図15】電気角周波数演算を説明するフローチャート
である。
【図16】この発明のファンモータ制御装置のさらに他
の実施態様である空気調和機用ファンモータ制御装置を
示す概略図である。
【図17】図16の空気調和機用ファンモータ制御装置
の各部の信号波形を示す図である。
【図18】回転子電気角演算を説明するフローチャート
である。
【図19】ファン回転数演算および電圧位相進み角演算
を説明するフローチャートである。
【図20】この発明のファンモータ制御装置のさらに他
の実施態様である空気調和機用ファンモータ制御装置を
示す概略図である。
【図21】図20の空気調和機用ファンモータ制御装置
の各部の信号波形を示す図である。
【図22】回転子電気角演算および回転子位置補正を説
明するフローチャートである。
【図23】回転数演算および電圧位相進み角演算を説明
するフローチャートである。
【図24】n=2に設定した場合、およびn=4に設定
した場合における位置信号エッジ検出を説明する図であ
る。
【図25】nの値に対するノイズ検出確率の一例を示す
図である。
【図26】電圧ベクトルを説明する図である。
【図27】2アームチョッピング方式と3アームチョッ
ピング方式とを説明する図である。
【図28】2アームチョッピング方式と3アームチョッ
ピング方式とのドライバ損失−モータ電流特性を示す図
である。
【図29】電圧ベクトルパターンを説明する図である。
【図30】従来の空気調和機用ファンモータ制御装置の
構成を示す概略図である。
【図31】図30の空気調和機用ファンモータ制御装置
の各部の信号波形を示す図である。
【符号の説明】
2a インバータ主回路 3 ブラシレスDCモータ 3c ファン 7 電圧位相進み角設定部 9 モータ電圧位相決定部 16、23、35 回転
子電気角演算部 31 位置信号エッジ検出部

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファン(3c)をブラシレスDCモータ
    (3)により駆動する方法であって、 ファン最大回転数において、モータ電流が最小となる電
    圧位相進み角を設定し、設定された電圧位相進み角から
    回転子電気角に対するモータ電圧位相を決定することを
    特徴とするファンモータ制御方法。
  2. 【請求項2】 ファン(3c)をブラシレスDCモータ
    (3)により駆動する方法であって、 ファン定格回転数において、ブラシレスDCモータを駆
    動する駆動装置の入力が最小となる電圧位相進み角を設
    定し、設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対
    するモータ電圧位相を決定することを特徴とするファン
    モータ制御方法。
  3. 【請求項3】 ファン(3c)をブラシレスDCモータ
    (3)により駆動する方法であって、 ファン共振回転数において、共振周波数成分が最小とな
    る電圧位相進み角を設定し、設定された電圧位相進み角
    から回転子電気角に対するモータ電圧位相を決定するこ
    とを特徴とするファンモータ制御方法。
  4. 【請求項4】 ファン(3c)をブラシレスDCモータ
    (3)により駆動するとともに、ファン(3c)の起動
    時とファン(3c)の通常運転時とで駆動波形を互いに
    異ならせる方法であって、 駆動波形切替時のファン回転数において、駆動波形切替
    時のモータ電流ピーク値が最小となる電圧位相進み角を
    設定し、設定された電圧位相進み角から回転子電気角に
    対するモータ電圧位相を決定することを特徴とするファ
    ンモータ制御方法。
  5. 【請求項5】 電気角周期毎に電気角周波数を算出し、
    電気角周波数を積分演算して回転子電気角を算出する請
    求項1から請求項4の何れかに記載のファンモータ制御
    方法。
  6. 【請求項6】 回転子1回転毎に回転数を算出し、回転
    数を積分演算して回転子電気角を算出する請求項1から
    請求項4の何れかに記載のファンモータ制御方法。
  7. 【請求項7】 位置信号のばらつきを検出し、位置信号
    のエッジ検出および検出されたばらつきを用いて回転子
    電気角の演算誤差の補正を行う請求項1から請求項6の
    何れかに記載のファンモータ制御方法。
  8. 【請求項8】 位置信号のエッジ検出は、位置信号読み
    取り周期と位置信号とが所定回数以上連続して一致した
    ことを条件として行う請求項7に記載のファンモータ制
    御方法。
  9. 【請求項9】 前記ファン(3c)は空気調和機に含ま
    れるものである請求項1から請求項8の何れかに記載の
    ファンモータ制御方法。
  10. 【請求項10】 ファン(3c)をブラシレスDCモー
    タ(3)により駆動する装置であって、 ファン最大回転数において、モータ電流が最小となる電
    圧位相進み角を設定する電圧位相進み角設定手段(7)
    と、 設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対するモ
    ータ電圧位相を決定するモータ電圧位相決定手段(9)
    とを含むことを特徴とするファンモータ制御装置。
  11. 【請求項11】 ファン(3c)をブラシレスDCモー
    タ(3)により駆動する装置であって、 ファン定格回転数において、ブラシレスDCモータ
    (3)を駆動する駆動装置(2a)の入力が最小となる
    電圧位相進み角を設定する電圧位相進み角設定手段
    (7)と、 設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対するモ
    ータ電圧位相を決定するモータ電圧位相決定手段(9)
    とを含むことを特徴とするファンモータ制御装置。
  12. 【請求項12】 ファン(3c)をブラシレスDCモー
    タ(3)により駆動する装置であって、 ファン共振回転数において、共振周波数成分が最小とな
    る電圧位相進み角を設定する電圧位相進み角設定手段
    (7)と、 設定された電圧位相進み角から回転子電気角に対するモ
    ータ電圧位相を決定するモータ電圧位相決定手段(9)
    とを含むことを特徴とするファンモータ制御装置。
  13. 【請求項13】 ファン(3c)をブラシレスDCモー
    タ(3)により駆動するとともに、ファン(3c)の起
    動時とファン(3c)の通常運転時とで駆動波形を互い
    に異ならせる装置であって、 駆動波形切替時のファン回転数において、駆動波形切替
    時のモータ電流ピーク値が最小となる電圧位相進み角を
    設定する電圧位相進み角設定手段(7)と、設定された
    電圧位相進み角から回転子電気角に対するモータ電圧位
    相を決定するモータ電圧位相決定手段(9)とを含むこ
    とを特徴とするファンモータ制御装置。
  14. 【請求項14】 ファン回転数に対応する電圧位相進み
    角を保持する電圧位相進み角保持手段をさらに含み、前
    記電圧位相進み角設定手段(7)は、ファン回転数に応
    じて電圧位相進み角を読み込むものである請求項10か
    ら請求項13の何れかに記載のファンモータ制御装置。
  15. 【請求項15】 前記電圧位相進み角保持手段は、最大
    回転数の1/5以下の回転数毎にファン回転数に対応す
    る電圧位相進み角を保持するものであり、前記電圧位相
    進み角設定手段(7)は、ファン回転数に応じて電圧位
    相進み角を読み込むとともに、読み込んだ電圧位相進み
    角からファン回転数に対応する電圧位相進み角を算出す
    るものである請求項14に記載のファンモータ制御装
    置。
  16. 【請求項16】 前記電圧位相進み角保持手段は、0以
    上であって、ファン最大回転数以上かつ回転数最大検出
    値以下の上限回転数以下のファン回転数に対応する電圧
    位相進み角を保持するものである請求項14または請求
    項15に記載のファンモータ制御装置。
  17. 【請求項17】 電気角周期毎に電気角周波数を算出
    し、電気角周波数を積分演算して回転子電気角を算出す
    る回転子電気角算出手段(16)をさらに含む請求項1
    0から請求項16の何れかに記載のファンモータ制御装
    置。
  18. 【請求項18】 回転子1回転毎に回転数を算出し、回
    転数を積分演算して回転子電気角を算出する回転子電気
    角算出手段(23)(35)をさらに含む請求項10か
    ら請求項16の何れかに記載のファンモータ制御装置。
  19. 【請求項19】 位置信号のばらつきを検出し、位置信
    号のエッジ検出および検出されたばらつきを用いて回転
    子電気角の演算誤差の補正を行う誤差補正手段(40)
    をさらに含む請求項10から請求項18の何れかに記載
    のファンモータ制御装置。
  20. 【請求項20】 位置信号読み取り周期と位置信号とが
    所定回数以上連続して一致したことを条件として位置信
    号のエッジ検出を行うエッジ検出手段(31)をさらに
    含む請求項19に記載のファンモータ制御装置。
  21. 【請求項21】 前記ファン(3c)は空気調和機に含
    まれるものである請求項10から請求項20の何れかに
    記載のファンモータ制御装置。
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