JP2002270870A - 半導体素子、シリコン系薄膜の形成方法 - Google Patents

半導体素子、シリコン系薄膜の形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低コストで、優れた性能をもつシ
リコン系薄膜を提供するために、タクトタイムが短く
て、高速の成膜速度で特性のすぐれたシリコン系薄膜
と、それを含む半導体素子を提供し、さらにこのシリコ
ン系薄膜を用いた密着性、耐環境性などに優れた半導体
素子を提供することを目的としている。 【解決手段】 本発明の半導体素子は、シリコン系薄膜
からなる半導体接合を有する半導体素子において、前記
シリコン系薄膜の少なくともひとつが微結晶を含んでお
り、前記微結晶を含んだシリコン系薄膜の少なくとも一
方の界面領域の微結晶が、無配向性であることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン系薄膜から
なり半導体接合を有する半導体素子、及びシリコン系薄
膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】pin接合を有する光起電力素子におい
て実質的に光吸収層として機能するi型半導体層を結晶
相を含むi型半導体層とした場合には、アモルファスの
場合に問題になるステブラー−ロンスキー(Staebler-W
ronski)効果による光劣化現象を抑制することができる
メリットがあるために、i型半導体層を結晶相を含む構
成とすることは効果的である。また高精細高輝度の液晶
パネルのためには高移動度のTFTが求められている
が、結晶相のシリコンTFTは、非晶質相のシリコンT
FTに比べて2桁以上大きな移動度を持つために、TF
T特性が大幅に向上し、TFTのゲート幅を微細化して
も、回路動作に必要な電流値を十分に確保することがで
き、非晶質のシリコンTFTと比べて画素ピッチを細か
くとることができるために、装置の小型化、高精細化が
比較的容易になる。
【0003】以上のことを背景に、結晶相を含むシリコ
ン系薄膜について、さまざまな取り組みが行なわれてい
る。
【0004】高周波プラズマCVD法は、大面積化や低
温形成が容易であり、プロセススループットが向上する
点からも、シリコン系薄膜の量産化に対してすぐれた方
法の一つである。シリコン系薄膜を製品へと応用した例
として太陽電池やカラー液晶TFTなどがあげられる
が、普及を進めるためにはさらなる低コスト化、高性能
化が必要である。そのためには、高周波プラズマCVD
法に関する技術の確立は重要な技術課題の一つとなって
いる。
【0005】結晶質シリコン系薄膜層に関しては、(2
20)面を成長面としたものとして、特開平11−31
0495号公報に、(220)の回折強度の割合が全回
折強度の割合の30%以上であることを特徴としたシリ
コン系薄膜が開示されている。
【0006】また、i型半導体層が微結晶シリコンから
なるpin接合を有する半導体層を有するものの一例と
して、前記i型半導体内部の結晶の配向性が層の深さ方
向で変化している光起電力素子が特開平11−2338
03号公報で開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにすでに開
示されているシリコン系薄膜は優れた特性を示すもので
あるが、前者のシリコン系薄膜では(220)面が優先
配向したシリコン系薄膜ではあるものの、配向性の分布
については触れられていない。また後者のシリコン系薄
膜では、(220)面に優先配向されたシリコン系薄膜
については触れられていない。
【0008】本発明は、さらなる低コストで、優れた性
能をもつシリコン系薄膜を提供するために、タクトタイ
ムが短くて、さらなる高速の成膜速度で特性のすぐれた
シリコン系薄膜と、それを含む半導体素子を提供し、さ
らにこのシリコン系薄膜を用いた密着性、耐環境性など
に優れた半導体素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体素子は、
シリコン系薄膜からなる半導体接合を有する半導体素子
において、前記シリコン系薄膜の少なくともひとつが微
結晶を含んでおり、前記微結晶を含んだシリコン系薄膜
の少なくとも一方の界面領域の微結晶が、無配向性であ
ることを特徴とする。
【0010】また、本発明のシリコン系薄膜の形成方法
は、微結晶を含んだシリコン系薄膜の形成方法であっ
て、前記微結晶を含んだシリコン系薄膜の少なくとも一
方の界面領域の微結晶が無配向であることを特徴とす
る。
【0011】前記半導体素子が、基板上にシリコン原子
を主成分とした第一の導電型を示す半導体層、i型半導
体層、第二の導電型を示す半導体層が順次積層されたp
in型の半導体接合を少なくとも1組含む光起電力素子
であって、前記i型半導体層の少なくともひとつが微結
晶を含んだシリコン系薄膜を含み、前記微結晶を含んだ
シリコン系薄膜の少なくとも一方の界面領域の微結晶
が、無配向性であることが好ましい。前記微結晶を含む
シリコン系薄膜と、前記シリコン系薄膜に対して光入射
側に配置されている導電形を示す半導体層の間に、非晶
質シリコン層を配置したことが好ましい。前記非晶質シ
リコン層の膜厚が30nm以下であることが好ましい。
少なくとも一方の界面領域の微結晶が無配向性である前
記微結晶を含むシリコン系薄膜の微結晶のうち、無配向
領域以外の微結晶のエックス線または電子線による(2
20)面の回折強度の全回折強度に対する割合が、前記
シリコン系薄膜の膜厚方向で変化していることが好まし
い。前記界面領域の微結晶の配向性が、エックス線また
は電子線による回折強度が、低角側から3つの各回折面
(111)、(220)、(311)の回折強度が、
(111)面の回折強度を1としたときの(220)の
回折強度が0.50以上0.60以下かつ、(311)
の回折強度が0.25以上0.35以下の範囲にあるこ
とが好ましい。前記微結晶の配向性の変化が、前記微結
晶を含むシリコン系薄膜における、前記微結晶のエック
ス線または電子線による(220)面の回折強度の全回
折強度に対する割合が、成膜初期において相対的に小さ
いことが好ましい。前記微結晶の配向性の変化が連続的
であることが好ましい。前記微結晶を含むシリコン系薄
膜が、前記微結晶のエックス線または電子線による(2
20)面の回折強度の全回折強度に対する割合が80%
以上である領域を含むことが好ましい。前記微結晶を含
むシリコン系薄膜中で、(110)面の優先配向をして
いる微結晶が、前記基板に対して鉛直方向に伸びた柱状
の形状をしていることが好ましい。前記界面領域の微結
晶が概球状の形状をしていることが好ましい。前記界面
領域の厚さが1.0nm以上20nm以下であることが
好ましい。前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、酸素原
子、炭素原子、窒素原子の少なくともひとつを含み、そ
れらの総量が1.5×1018atoms/cm3以上
5.0×1019atoms/cm3以下であることが好
ましい。前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、1.0×
1019atoms/cm3以上2.5×1020atom
s/cm3以下のフッ素原子を含むことが好ましい。前
記微結晶を含むシリコン系薄膜が、真空容器内に水素化
シリコン、フッ素化シリコンガスの少なくとも一方と、
水素を含む原料ガスを導入し、前記真空容器内の高周波
導入部に高周波を導入して、前記真空容器内に導入した
基板上に前記シリコン系薄膜を形成する高周波プラズマ
CVD法によって行なわれたものであることが好まし
い。前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形成する過程
で、前記原料ガス中のガス流量の比率を変化させること
が好ましい。前記原料ガスを前記真空容器内に複数のガ
ス導入部を用いて導入し、前記複数のガス導入部のうち
少なくともひとつは他とは異なったガス流量比の原料ガ
スを流していることが好ましい。前記高周波の周波数が
10MHz以上10GHz以下であることが好ましい。
前記高周波の周波数が20MHz以上300MHz以下
であることが好ましい。前記高周波導入部と前記基板と
の距離が3mm以上30mm以下であることが好まし
い。前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形成する際の圧
力が100Pa(0.75Torr)以上5000Pa
(37.5Torr)以下であることが好ましい。前記
微結晶を含むシリコン系薄膜を形成する際の前記原料ガ
スの滞留時間が、0.01秒以上10秒以下であること
が好ましい。前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形成す
る際の前記原料ガスの滞留時間が、0.1秒以上3秒以
下であることが好ましい。前記微結晶を含むシリコン系
薄膜を形成する際の前記基板の加熱手段が、前記基板に
対して前記微結晶を含むシリコン系薄膜の形成面とは反
対側に配置され、前記加熱手段の出力を前記微結晶を含
むシリコン系薄膜の形成とともに低下させながら形成す
ることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】前述した課題を解決するために鋭
意研究を重ねた結果本発明者は、シリコン系薄膜からな
る半導体接合を有する半導体素子において、前記シリコ
ン系薄膜の少なくともひとつが微結晶を含んだシリコン
系薄膜からなっており、前記微結晶を含んだシリコン系
薄膜の少なくとも一方の界面領域の微結晶が、無配向性
であることを特徴とした半導体素子では、良好な電気特
性をもち、密着性、耐環境性に優れた半導体素子を、低
コストで形成することが可能になったことを見出した。
【0013】上記の構成にすることにより、以下の作用
がある。
【0014】結晶相のシリコンは、非晶質相のシリコン
と比較して、Si−Si結合の欠陥密度が低く、熱力学
的に非平衡状態にある非晶質相のシリコンと比較して、
キャリアの移動度が大きく、再結合寿命が長いといった
特性を有し、さらに長時間にわたる特性の安定性に優
れ、また高温多湿などの環境下においても、その特性が
変化しにくいという特長を有する。そのため、シリコン
系薄膜からなる半導体接合を有する半導体素子におい
て、たとえば光起電力素子やTFTなどに結晶相を含ん
だシリコン系薄膜を用いることにより、より優れた特性
をもち、かつ安定性に優れた半導体素子の形成できる可
能性がある。
【0015】一方で、結晶相を含むシリコン系薄膜をi
型半導体層に採用した場合の問題点として、結晶粒界が
多数キャリア、少数キャリア双方に影響を与えて性能を
劣化させることが考えられる。結晶粒界の影響を抑制す
るためには、i型半導体層内の結晶粒径を大きくして結
晶粒界密度を低下させることが有効な手段の一つである
と考えられる。
【0016】結晶粒径を大きくするための手段として
は、結晶核の発生を抑制し、結晶の配向性を高めること
が好ましいものである。ランダムな結晶方位で膜の形成
が進行した場合には、成長の過程でそれぞれの結晶粒が
衝突しあい相対的に結晶粒の大きさが小さくなると考え
られるが、特定の方位に配向させ、さらに結晶核の形成
を制御して成長の方向性をそろえることで、結晶粒同士
のランダムな衝突を抑制することができ、その結果結晶
粒径をより大きくすることが可能であると考えられる。
また一方、シリコン系薄膜内に内部ストレスが生じた場
合には、バンドプロファイルの歪が生じたり、キャリア
発生層における光照射時の電界が低下する領域が発生し
たり、また、TFTにおいては、スイッチングのオフ時
に流れるリーク電流が増加してしまうなどの問題が生じ
る。ここで、シリコン系薄膜、特にシリコン系薄膜の界
面領域においては、堆積膜の形成の過程において膜厚方
向でその配向性を変化させることで、シリコン系薄膜内
の内部ストレスをより低減することができるために好ま
しいものである。内部ストレスを低減できる理由として
は、界面領域と、シリコン系薄膜の内部領域で異なる機
械的な応力環境に対して、配向性を変化させ、Si−S
i結合の方向性を変えることができるためであると考え
られる。
【0017】ここで、ダイヤモンド構造をとる結晶性シ
リコンにおいては、(220)面は、面内の原子密度が
最も高く、成長最表面内のシリコン原子は、4本の結合
手のうち3本を他のシリコン原子と共有結合で結合され
ている構造のため、この面を成長面とした場合に、微結
晶内、及び微結晶相互の密着性及び耐候性の良好なシリ
コン系薄膜を形成することができるものと考えられ、好
ましいものである。また、アクティブマトリクス方液晶
装置のデバイスとして逆スタガー型のTFTを用いる場
合に、活性層のオーミックコンタクト層と接する領域を
(220)面に優先配向した微結晶を含むシリコン系薄
膜とすることにより、その形成過程におけるオーミック
コンタクト層のドライエッチ時に、活性層をエッチング
することなく、オーミックコンタクト層を完全に除去す
ることが、窒化膜などのエッチングストッパー材などを
用いることなく可能になる。これは、(220)面が耐
エッチング性に富むことに起因する。ASTMカードか
ら、無配向の結晶性シリコンでは、低角側から11反射
分の回折強度の総和に対する(220)面の回折強度の
割合は約23%であり、(220)面の回折強度の割合
が23%を上回る構造は、この面方向に配向性を有する
ことになる。特に(220)面の回折強度の割合が80
%以上である領域を含む構造においては、上記の効果が
より促進され特に好ましいものである。
【0018】上記述べたことを総合すると、シリコン系
薄膜に含まれる微結晶の配向性がシリコン系薄膜の膜厚
方向で変化し、かつ前記微結晶が(220)面に優先配
向している領域を含む構成が好ましいものと思われる。
【0019】第一の導電型を示す半導体層、i型半導体
層、第二の導電型を示す半導体層が順次積層されたpi
n型の半導体接合光起電力素子においては、前記微結晶
を含むシリコン系薄膜と、前記シリコン系薄膜に対して
光入射側に配置されている導電形を示す半導体層の間
に、非晶質シリコン層を配置することにより、開放電圧
を増大する効果があるため好ましいものである。同時に
界面近傍のバンドプロファイルを改善し、キャリアの再
結合を防止し、より多くのキャリアを取り出すことがで
きる効果がある。さらには、導電型層からのドーパント
原子が、i型半導体層内部に拡散することを防止する。
また前記非晶質シリコン層に含まれる水素濃度を、前記
微結晶を含むシリコン系薄膜との界面方向で大きくする
ことで、界面近傍に発生する応力を緩和する効果がある
と思われるので好ましいものである。これは、水素濃度
の高い領域においては水素原子を含んだクラスター領域
が形成され、界面を挟んだ両方の構造の不一致に起因す
る内部応力を吸収する機能が高まるためであると考えら
れる。ここで、前記非晶質シリコン層の膜厚が大きすぎ
ると、光照射による膜の劣化の影響が光起電力素子の特
性として現れてくるので、前記非晶質シリコン層の膜厚
は30nm以下であることが好ましいものである。
【0020】結晶相を含むシリコン系薄膜を、高周波を
用いたプラズマCVD法により形成する方法は、固相反
応と比較してプロセス時間が短く、プロセス温度も低く
することが可能なため、基板の選択範囲が広がり、より
ガラス基板やステンレス基板などの安価な材料を採用す
ることが可能になるために、低コスト化に有利である。
特に、pin接合を有する光起電力素子において、膜厚
の大きなi型半導体層に適用することで、この効果は大
きく発揮される。特にi型半導体層が、2.0nm/秒
以上の成膜速度で形成できるのは好ましいものである。
【0021】ここで配向性をもつシリコン系薄膜を高周
波プラズマCVD法で形成する場合には、シリコン系薄
膜の堆積に寄与する活性種に加えて、エッチングに寄与
する活性種もある雰囲気下で形成が行なわれていると考
えることができる。そして、形成された膜表面の相対的
に結合力の弱いSi−Si結合をエッチングしながら膜
の堆積が進むことで、特定の面を優先配向面としたシリ
コン系薄膜の形成が可能になるものと考えられる。ここ
で、配向度の制御は、これらの活性種の制御によって行
なうことができるものである。
【0022】このような反応機構で膜の形成を行なう場
合には、膜の形成初期には(220)配向性を持つ結晶
核密度が小さいことが望まれる。(220)配向性をも
つ結晶核密度が高いと、その結晶核を起点としたシリコ
ン系薄膜の形成が行なわれることによって、シリコン系
薄膜全体の結晶粒が相対的に小さくなってしまうことが
懸念される。また、界面領域において配向度が高くなる
雰囲気下で膜の形成を行なった場合には、すなわち、エ
ッチング効果が高い雰囲気下で膜の形成を行なった場合
には、下地層に対してもダメージを与えることが懸念さ
れる。そのために微結晶を含んだシリコン系薄膜の形成
初期においては、高い結晶性を確保しながら、(22
0)面の配向性が相対的に小さい構成にすることが好ま
しいものである。
【0023】結晶性のシリコン系薄膜を形成する場合、
膜形成の初期である界面領域においてはシリコン原子の
配置に乱れのある非晶質のインキュベーション層が形成
されるという問題点がある。この現象は、膜形成の初期
である界面領域では、膜成長の起点部が明確になってお
らず、また原子配列の3次元的構造の確立がまだ不十分
な状態であるために、膜形成の過程で原子配置の乱れが
生じた場合に、その構造を取り込んだまま膜の形成が進
んでしまうためではないかと考えられる。ここで、上記
の非晶質のインキュベーション層を形成しないために
は、前記界面領域の形成過程で、原子配置の乱れを生じ
させないようにすることが重要となってくる。ここでシ
リコンの成長面が表面に水素の付着がなくダングリング
ボンドが露出されている状態である場合は、ヤーンテラ
ー効果により原子配列の対称性が破れる現象が起こり、
そのために原子配置の乱れが生じ、非晶質相の形成が誘
発されるものと考えられる。逆にダングリングボンドを
終端するのに必要な量を超えた水素が成長面に存在する
場合には、Si−Si結合やSi−H結合の切断を誘発
し、構造の安定性を低下させるものと思われる。これら
の現象は、とくに高速成膜時に大きく発現するものと思
われる。
【0024】以上のことから、シリコン系薄膜の界面領
域は、エッチング効果の低い雰囲気で、適量の水素を成
長面に供給するようにして形成する方法が好ましい形態
であると考えることができる。適量の水素が成長面に供
給されている状態では、表面付近の結合の硬化が起こる
ために表面原子の動きやすさが低減し、結晶核の芽とし
て形成された微小領域と、隣接する別の配向性を持つ微
小領域との合流が起こりにくいと考えられる。結晶核の
芽の形成は特定の配向性に選択的に起こることはないと
考えれば、結果として形成される界面領域は、特定の面
に配向されない無配向のものとなるのが好ましい形態で
ある。特にTFTにおいては、ゲート絶縁膜と接する領
域に結晶の完全性に優れた領域が形成でき、電導度の高
い領域を形成することができるために特に好ましいもの
である。上記の効果を発現するためには、前記界面領域
の膜厚は1.0nm以上20nm以下であることが好ま
しいものである。
【0025】鋭意検討の結果、上記の界面領域の配向性
は、エックス線による回折強度が、低角側から3つの各
回折面(111)、(220)、(311)の回折強度
が、(111)面の回折強度を1としたときの(22
0)の回折強度が0.50以上0.60以下かつ、(3
11)の回折強度が0.25以上0.35以下の範囲に
あるものが好ましいものことがわかった。
【0026】また、界面における密着性、内部ストレス
を緩和するために、界面領域の微結晶の外形が、特定の
方位を持たない概球状の形状をしていることが好ましい
ものである。
【0027】界面領域に引き続いた領域におけるシリコ
ン系薄膜内の微結晶は、界面領域の(220)面に配向
した結晶核の部分を種結晶として、界面領域よりも大き
な(220)面の配向性を有しているのが好ましいもの
である。光起電力素子においては、微結晶がキャリアの
走行方向に柱状構造をしているのが、キャリアの走行性
が良好になりより好ましいものである。
【0028】また前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
酸素原子、炭素原子、窒素原子の少なくともひとつを含
むと、結晶粒界のボイド状の空間に配置されることによ
り構造安定性を高めるために好ましいものである。ま
た、結晶粒界の抵抗を高めることにより、リーク電流の
発生を抑制することが可能になる。さらにその理由の詳
細は明らかではないが、成長面における新たなる結晶核
の発生を抑制するために、微結晶の断面サイズの均一性
を高める効果があるために好ましいものである。これら
の効果は、酸素原子、炭素原子、窒素原子の総量が1.
5×1018atoms/cm3以上で効果的に出現す
る。ここで、酸素原子、炭素原子、窒素原子の総量が多
すぎると、微結晶のバルク内に取り込まれ、結晶性を低
下させる。酸素原子、炭素原子、窒素原子の総量は、
5.0×1019atoms/cm3以下であることが好
ましい範囲である。
【0029】また前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
フッ素原子を含むと、微結晶の粒界のパシベーションが
効率良く行なわれ、またまた電気陰性度の大きなフッ素
原子により、微結晶粒界に顕在化しているシリコン原子
のダングリングボンドが不活性化されるため好ましいも
のである。フッ素原子の量としては、1.0×1019
toms/cm3以上2.5×1020atoms/cm3
以下が好ましい範囲としてあげられる。
【0030】真空容器内に原料ガスを導入し、前記真空
容器内に導入した基板上に高周波プラズマCVD法を用
いてシリコン系薄膜を形成する方法において、高周波導
入部と基板の距離を近づけることにより、放電空間体積
当りのプラズマ密度が増大し、堆積膜形成に寄与する反
応種を高密度で形成させることが可能になり、成膜速度
のより高速化が実現できると考えられる。
【0031】一方で、高周波導入部と基板の距離を近づ
けたときには、プラズマ中の電子密度が増大し、それに
伴ないイオンの発生量が増加することが考えられる。イ
オンは放電空間内のシース領域において静電引力によっ
て加速されるため、イオン衝撃としてバルク内の原子配
置を歪ませたり、膜中にボイドを形成する要因となり、
高品質のシリコン系薄膜形成のための障害となったり、
下地層との密着性や、耐環境性を低下させることなどが
考えられる。ここで、成膜空間内の圧力を増大させるこ
とにより、プラズマ中のイオンは、他のイオン、活性種
などとの衝突機会が増加することにより、イオンの衝撃
力が低下し、またイオンの量そのものを減少させたりす
ることが可能になると考えられ、相対的にイオン衝撃が
低下することが期待できる。
【0032】ここで、原料ガスに水素化シリコン、フッ
素化シリコン及び水素を含んだ原料ガスを用いた高周波
プラズマCVD法では、SiFnm(0≦n、m≦
4)、HF、F、Hなどの活性種の生成が考えられる。
これらの活性種を含むプラズマ雰囲気は、シリコン系薄
膜の堆積に寄与する活性種に加えて、エッチングに寄与
する活性種もある点が特徴であると思われる。このた
め、膜表面の相対的に結合力の弱いSi−Si結合をエ
ッチングしながら膜の堆積が進むことで、アモルファス
の領域の少ない結晶化度の大きなシリコン系薄膜の形成
が可能になると考えられる。また、エッチングの過程で
は、結合が切断されることに伴ないラジカルが形成さ
れ、構造緩和が促進されるため、より低温のプロセス温
度下での良質なシリコン系薄膜の形成が可能になると考
えられる。
【0033】ここで、原料ガスにフッ素化シリコン及び
水素を含んだ原料ガスを用いた高周波プラズマCVD法
では、フッ素化シリコンに水素を加えることによって形
成されるSiF2H、SiFH2などの、水素を含むフッ
素化シラン系活性種を形成することで、高速成膜が可能
になると考えられる。前記SiF2H、SiFH2など
の、水素を含むフッ素化シラン系活性種を形成するため
には、フッ素化シリコンを効率よく分解してSiFを形
成することが重要であり、さらに形成されたSiFと活
性化水素による活発な反応過程が重要なものであると考
えられる。特にプラズマ中に十分なSiFが存在するこ
とが特に重要であると考えられる。
【0034】上記のような配向性と結晶化度を持つシリ
コン系薄膜の形成を、堆積しつつエッチングも行ないな
がら、トータルとして高速成膜で実現するためには、プ
ラズマプロセスの制御が重要な技術課題となる。ここ
で、SiFと活性化水素による活発な反応過程を行なう
ためには、前述のように放電空間体積当りのプラズマ密
度が増大させることが重要であるが、プラズマ中の電子
密度が増大した雰囲気の中で、より多くの活性化水素を
形成するためには、水素分子の枯渇を抑制するように原
料ガスの導入をする必要がある。さらにプラズマ中でS
iHやSiH2などのラジカル密度が増大した場合に
は、これを核とした結晶化が、放電空間中及び、堆積膜
表面において起こりやすくなるために、ポリシランなど
の反応副生成物の形成や、結晶粒径拡大に対する阻害要
因として働いてしまうために、SiHやSiH2などの
ラジカル密度も抑制させる必要がある。これらのことを
達成するためには、原料ガスの分解を進めながら、新た
な原料ガスの供給を活発にし、SiHやSiH2などの
ラジカルを消滅を促進させる2次反応を活発に行なわせ
ることが効果的であると考えられる。
【0035】ここで、プラズマのパラメータとして、プ
ラズマの生起している放電空間の体積をV(m3)、前
記原料ガスの流量をQ(cm3/min(norma
l))、放電空間の圧力をP(Pa)としたときに、τ
=592×V×P/Qで定義される滞留時間τ(秒)
と、プラズマの発光強度を、プラズマ制御のパラメータ
として着目することで、所望のプラズマ雰囲気をもつプ
ラズマの生起が可能になると考えられる。高品質なシリ
コン系薄膜を得るためには、高周波導入部と基板の距
離、圧力といった上記のパラメータに加えて、滞留時間
を制御することが重要であると考えられる。
【0036】以上のことを鑑み、本発明者が鋭意検討を
重ねた結果、欠陥密度の少ない優れた特性のシリコン系
薄膜をさらなる高速度で成膜するためには、前記高周波
導入部と前記基板との距離が3mm以上30mm以下で
あり、放電空間内の圧力が90Pa(0.68Tor
r)以上1.5×104Pa(113Torr)以下で
あり、前記プラズマの生起している放電空間の体積をV
(m3)、前記原料ガスの流量をQ(cm3/min(n
ormal))、放電空間の圧力をP(Pa)としたと
きに、τ=592×V×P/Qで定義される滞留時間τ
を、0.01秒以上10秒以下の領域において、SiH
やSiH2などのラジカル密度が抑制でき、所望のシリ
コン系薄膜の形成が可能であることを見出したものであ
る。ここで周波数が10MHz〜10GHzの高周波を
用いたCVD法で形成する方法は好ましいものである。
さらにプラズマ中の電子温度を抑制し、かつ大面積で均
一なプラズマが形成されやすいために20MHz〜30
0MHzの高周波を用いたCVD法で形成する方法は特
に好ましいものである。
【0037】また光起電力素子などのデバイスの形成時
に、上記された範囲においてはプラズマ雰囲気中の水素
による還元作用によって下地層の成分、膜質、特性など
が変質してしまうのを抑制し、下地への悪影響を排除す
ることができる。下地層として酸化亜鉛などの金属の酸
化物からなる透明導電膜を用いた場合には、還元による
透明導電膜の透過率の低下、それにともなう光起電力素
子の特性の低下を防止できるので、特に効果的である。
【0038】さらに別の作用としては、シリコン系薄膜
と下地層との密着性が向上することがあげられる。これ
は、 SiF2H、SiFH2ラジカルの活発な表面拡散
により、表面近傍の応力歪みを常に緩和させながら堆積
膜が形成されるために、この効果が発現されるのではな
いかと思われる。とくに、シリコン系薄膜中の配向度が
膜厚方向で変化する構成においては、とくに効果的であ
ると思われる。また、水素分圧が相対的に高まるため
に、結晶粒界のパシベーション効果が高まり結晶粒界の
不活性化が促進され、シリコンネットワーク中に組み込
まれた水素原子の急激な離脱が抑制され、シリコンネッ
トワーク内の不規則領域の発生に起因する塑性流動や、
それにともったクラックや凝集の発生を防ぐことができ
るために、膜質や密着性に優れたシリコン系薄膜の形成
が可能になり、このシリコン系薄膜を含んだ構成にする
ことによって、耐環境性に優れた光起電力素子を提供す
ることができると考えられる。
【0039】下地への影響や密着性、耐環境性、光劣化
率の低減の効果の点に鑑みると、圧力が100Pa
(0.75Torr)以上5000Pa(37.5To
rr)以下、滞留時間が0.1秒以上3秒以下がより好
ましい範囲としてあげられる。
【0040】シリコン系薄膜の形成の過程で原料ガス中
のガス流量の比率を変化させることで、プラズマ中の堆
積に寄与する活性種と、エッチングに寄与する活性種の
比率を制御することが可能になり、シリコン系薄膜中の
微結晶の配向性を制御することが可能になる。配向性の
高いプラズマ雰囲気を形成するためには、フッ素化シリ
コンガスと水素の系においては原料ガス中のフッ素化シ
リコンガスの分圧を高め、水素化シリコンガスと水素の
系においては原料ガス中の水素の分圧を高め、フッ素化
シリコンガスと水素化シリコンガスの混合系において
は、フッ素化シリコンガスの分圧を高める条件下で実現
することが可能である。膜を堆積していく過程でプラズ
マ雰囲気を変化させる手段としては、導入する原料ガス
中の流量比を変化させる方法や、ロール・ツー・ロール
法のような、プラズマ空間を基板が移動する成膜法で
は、プラズマ中の各活性種の密度に分布をつけることで
行なうこともできる。その方法としては、ひとつのプラ
ズマ空間中に複数のガス導入部から原料ガスを導入し、
そのうちの少なくともひとつは他とは異なったガス流量
比の原料ガスを流す方法などが好ましいものである。
【0041】高周波を用いたプラズマCVD法で結晶相
を含むシリコン系薄膜を形成する場合には、堆積膜形成
表面における吸着、離脱、引き抜き、打ち込み、表面拡
散などの反応過程を好ましく進めるために、堆積膜形成
表面の温度管理を適切に行なわなければならない。その
ためには、結晶相を含むシリコン系薄膜を形成する前
に、抵抗加熱ヒーターやランプヒーターなどの加熱手段
を用いて、直接あるいは間接的に基板表面を加熱してお
く必要がある。一方でプラズマを生起することは、プラ
ズマからの活性種の衝撃などにより、基板表面温度を上
昇させる要因となる。特に、高周波導入部と基板の距離
を近づけたり、放電空間体積当りのプラズマ密度を増大
させるように高周波パワーを増大させた場合にはこのこ
とが顕著になる。基板の成膜表面の温度が高くなりすぎ
ると表面の各反応過程のバランスが乱れ、結晶核の形成
による結晶粒界密度の上昇、結晶性の低下、パシベーシ
ョンによる粒界の不活性化が不十分になるなどが起こ
る。また、成膜に寄与する活性種の制御が乱れることに
よって、結晶相の配向性の制御も乱れることになる。
【0042】ここで、基板の温度を、前記基板に対して
前記微結晶を含むシリコン系薄膜の形成面とは反対側に
配置された加熱手段を用いて制御する場合には、前記加
熱手段の出力を前記微結晶を含むシリコン系薄膜の形成
とともに低下させることは、成膜表面の過剰加熱を抑制
できるので好ましいものである。ここで、ロール・ツー
・ロール法のような、プラズマ空間を基板が移動する成
膜法では、前記基板の搬送方向に配置された複数の前記
加熱手段の出力を、堆積膜形成の過程に応じて変化させ
ることが好ましい。具体的には、成膜開始直前の位置の
ヒーターの出力が最も高く、搬送の下流方向に向かって
配置されているヒーターの出力を徐々に低下させる方
法、あるいは成膜中のヒーターの少なくとも一部の出力
をゼロにする方法などが好ましいものである。
【0043】次に本発明の半導体素子として光起電力素
子を例にあげ、その構成要素について説明する。
【0044】図1は本発明の光起電力素子の一例を示す
模式的な断面図である。図中101は基板、102は半
導体層、103は第二の透明導電層、104は集電電極
である。また、101−1は基体、101−2は金属
層、101−3は第一の透明導電層である。これらは基
板101の構成部材である。
【0045】(基体)基体101−1としては、金属、
樹脂、ガラス、セラミックス、半導体バルク等からなる
板状部材やシート状部材が好適に用いられる。その表面
には微細な凸凹を有していてもよい。透明基体を用いて
基体側から光が入射する構成としてもよい。また、基体
を長尺の形状とすることによってロール・ツー・ロール
法を用いた連続成膜を行うことができる。特にステンレ
ス、ポリイミド等の可撓性を有する材料は基体101−
1の材料として好適である。
【0046】(金属層)金属層101−2は電極として
の役割と、基体101−1にまで到達した光を反射して
半導体層102で再利用させる反射層としての役割とを
有する。その材料としては、Al、Cu、Ag、Au、
CuMg、AlSi等を好適に用いることができる。そ
の形成方法としては、蒸着、スパッタ、電析、印刷等の
方法が好適である。金属層101−2は、その表面に凸
凹を有することが好ましい。それにより反射光の半導体
層102内での光路長を伸ばし、短絡電流を増大させる
ことができる。基体101−1が導電性を有する場合に
は金属層101−2は形成しなくてもよい。
【0047】(第一の透明導電層)第一の透明導電層1
01−3は、入射光及び反射光の乱反射を増大し、半導
体層102内での光路長を伸ばす役割を有する。また、
金属層101−2の元素が半導体層102へ拡散あるい
はマイグレーションを起こし、光起電力素子がシャント
することを防止する役割を有する。さらに、適度な抵抗
をもつことにより、半導体層のピンホール等の欠陥によ
るショートを防止する役割を有する。さらに、第一の透
明導電層101−3は、金属層101−2と同様にその
表面に凸凹を有していることが望ましい。第一の透明導
電層101−3は、ZnO、ITO等の導電性酸化物か
らなることが好ましく、蒸着、スパッタ、CVD、電析
等の方法を用いて形成されることが好ましい。これらの
導電性酸化物に導電率を変化させる物質を添加してもよ
い。
【0048】ここで、前記導電性酸化物として、酸化亜
鉛(ZnO)を用いた場合の例を以下に記載する。
【0049】酸化亜鉛層の形成方法としては、スパッ
タ、電析等の方法、あるいはこれらの方法を組み合わせ
て形成されることが好ましい。
【0050】スパッタ法によって酸化亜鉛膜を形成する
条件は、方法やガスの種類と流量、内圧、投入電力、成
膜速度、基板温度等が大きく影響を及ぼす。例えばDC
マグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛ターゲットを用い
て酸化亜鉛膜を形成する場合には、ガスの種類としては
Ar、Ne、Kr、Xe、Hg、O2などがあげられ、
流量は、装置の大きさと排気速度によって異なるが、例
えば成膜空間の容積が20リットルの場合、1sccm
から100sccmが望ましい。また成膜時の内圧は1
×10-4Torrから0.1Torrが望ましい。投入
電力は、ターゲットの大きさにもよるが、直径15cm
の場合、10Wから100KWが望ましい。また基板温
度は、成膜速度によって好適な範囲が異なるが、1μm
/hで成膜する場合は、70℃から450℃であること
が望ましい。
【0051】また電析法によって酸化亜鉛膜を形成する
条件は、耐腐食性容器内に、硝酸イオン、亜鉛イオンを
含んだ水溶液を用いるのが好ましい。硝酸イオン、亜鉛
イオンの濃度は、0.001mol/lから1.0mo
l/lの範囲にあるのが望ましく、0.01mol/l
から0.5mol/lの範囲にあるのがより望ましく、
0.1mol/lから0.25mol/lの範囲にある
のがさらに望ましい。硝酸イオン、亜鉛イオンの供給源
としては特に限定するものではなく、両方のイオンの供
給源である硝酸亜鉛でもよいし、硝酸イオンの供給源で
ある硝酸アンモニウムなどの水溶性の硝酸塩と、亜鉛イ
オンの供給源である硫酸亜鉛などの亜鉛塩の混合物であ
ってもよい。さらに、これらの水溶液に、異常成長を抑
制したり密着性を向上させるために、炭水化物を加える
ことも好ましいものである。炭水化物の種類は特に限定
されるものではないが、グルコース(ブドウ糖)、フル
クトース(果糖)などの単糖類、マルトース(麦芽
糖)、サッカロース(ショ糖)などの二糖類、デキスト
リン、デンプンなどの多糖類などや、これらを混合した
ものを用いることができる。水溶液中の炭水化物の量
は、炭水化物の種類にもよるが概ね、0.001g/l
から300g/lの範囲にあるのが望ましく、0.00
5g/lから100g/lの範囲にあるのがより望まし
く、0.01g/lから60g/lの範囲にあることが
さらに望ましい。電析法により酸化亜鉛膜を堆積する場
合には、前記の水溶液中に酸化亜鉛膜を堆積する基体を
陰極にし、亜鉛、白金、炭素などを陽極とするのが好ま
しい。このとき負荷抵抗を通して流れる電流密度は、1
0mA/dmから10A/dmであることが好ましい。
【0052】(基板)以上の方法により、基体101−
1上に必要に応じて、金属層101−2、第一の透明導
電層101−3を積層して基板101を形成する。ま
た、素子の集積化を容易にするために、基板101に中
間層として絶縁層を設けてもよい。
【0053】(半導体層)本発明のシリコン系薄膜にお
いて、その一部を構成する半導体層102の主たる材料
としてはSiが用いられる。Siに加えて、SiとC又
はGeとの合金を用いることもできる。半導体層をp型
半導体層とするにはIII属元素、n型半導体層とする
にはV属元素を含有する。 p型層及びn型層の電気特
性としては、活性化エネルギーが0.2eV以下のもの
が好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また
比抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm
以下が最適である。スタックセル(pin接合を複数有
する光起電力素子)の場合、光入射側に近いpin接合
のi型半導体層はバンドギャップが広く、遠いpin接
合になるにつれバンドギャップが狭くなるのが好まし
い。光入射側のドープ層(p型層もしくはn型層)は光
吸収の少ない結晶性の半導体か、又はバンドギャップの
広い半導体が適している。
【0054】本発明の構成要素である半導体層102に
ついてさらに説明を加えると、図3は本発明の光起電力
素子の一例として、一組のpin接合をもつ半導体層1
02を示す模式的な断面図である。図中102−1は第
一の導電型を示す半導体層であり、さらに、本発明のシ
リコン系薄膜からなるi型半導体層102−2、第二の
導電型を示す半導体層102−3を積層する。pin接
合を複数持つ半導体層においては、そのなかのうちの少
なくとも一つが前記の構成であることが好ましい。
【0055】また、pin接合を2組積層したスタック
セルの例としては、i型シリコン系半導体層の組み合わ
せとして、光入射側から(アモルファスシリコン半導体
層、微結晶を含んだシリコン半導体層)、(微結晶を含
んだシリコン半導体層、微結晶を含んだシリコン半導体
層)となるものがあげられる。
【0056】さらに、pin接合を3組積層した光起電
力素子の例としては i型シリコン系半導体層の組み合
わせとして、光入射側から(アモルファスシリコン半導
体層、微結晶を含んだシリコン半導体層、微結晶を含ん
だシリコン半導体層)、(アモルファスシリコン半導体
層、微結晶を含んだシリコン半導体層、アモルファスシ
リコンゲルマニウム半導体層)、となるものがあげられ
る。i型半導体層としては光(630nm)の吸収係数
(α)が5000cm-1以上、ソーラーシミュレーター
(AM1.5、100mW/cm2)による擬似太陽光
照射化の光伝導度(σp)が10×10-5S/cm以
上、暗伝導度(σd)が10×10-6S/cm以下、コ
ンスタントフォトカレントメソッド(CPM)によるア
ーバックエナジーが55meV以下であるのが好まし
い。i型半導体層としては、わずかにp型、n型になっ
ているものでも使用することができる。またi型半導体
層にシリコンゲルマニウム半導体層を用いた場合には、
界面準位低減や開放電圧を高める目的で、p/i界面、
n/i界面の少なくともどちらか一方に、ゲルマニウム
を含有していないi型半導体層を挿入した構成をとって
もよい。
【0057】(半導体層の形成方法)本発明のシリコン
系薄膜及び半導体層102を形成するには、高周波プラ
ズマCVD法が適している。以下、高周波プラズマCV
D法によって半導体層102を形成する手順の好適な例
を示す。
【0058】減圧状態にできる半導体形成用真空容器内
を所定の堆積圧力に減圧する。
【0059】堆積室内に原料ガス、希釈ガス等の材料ガ
スを導入し、堆積室内を真空ポンプによって排気しつ
つ、堆積室内を所定の堆積圧力に設定する。
【0060】基板101をヒーターによって所定の温度
に設定する。高周波電源によって発振された高周波を前
記堆積室に導入する。前記堆積室への導入方法は、高周
波がマイクロ波の場合には導波管によって導き石英、ア
ルミナ、窒化アルミニウムなどの誘電体窓を介して堆積
室内に導入したり、高周波がVHFやRFの場合には同
軸ケーブルによって導き、金属電極を介して堆積室内に
導入したりする方法がある。
【0061】堆積室内にプラズマを生起させて原料ガス
を分解し、堆積室内に配置された基板101上に堆積膜
を形成する。この手順を必要に応じて複数回繰り返して
半導体層102を形成する。
【0062】半導体層102の形成条件としては、堆積
室内の基板温度は100〜450℃、圧力は0.067
Pa(0.5mTorr)〜1.5×104Pa(11
3Torr)、高周波パワー密度は0.001〜2W/
cm3が好適な条件としてあげられる。さらに本発明の
シリコン系薄膜を形成する場合には、高周波導入部と前
記基板との距離が3mm以上30mm以下、圧力が10
0Pa(0.75Torr)以上5000Pa(37.
5Torr)以下、プラズマの生起している放電空間の
体積をV(m3)、前記原料ガスの流量をQ(cm3/m
in(normal))、放電空間の圧力をP(Pa)
としたときに、τ=592×V×P/Qで定義される滞
留時間τが、0.01秒以上10秒以下であるようにす
ることが必要である。また、高周波パワー密度としては
0.05〜2W/cm3が好適な条件である。
【0063】本発明のシリコン系薄膜及び半導体層10
2の形成に適した原料ガスとしては、SiF4、SiH2
2、SiH3F、Si26などのフッ素化シリコン、S
iH 4、Si26等の水素化シリコン化合物、合金系に
する場合にはさらに、GeH4やCH4などのようにGe
やCを含有したガス化しうる化合物を水素ガスで希釈し
て堆積室内に導入することが望ましい。さらにHeなど
の不活性ガスを添加してもよい。さらに窒素、酸素等を
含有したガス化しうる化合物を原料ガス乃至希釈ガスと
して添加してもよい。半導体層をp型層とするためのド
ーパントガスとしてはB26、BF3等が用いられる。
また、半導体層をn型層とするためのドーパントガスと
しては、PH3、PF3等が用いられる。結晶相の薄膜
や、SiC等の光吸収が少ないかバンドギャップの広い
層を堆積する場合には、原料ガスに対する希釈ガスの割
合を増やし、比較的高いパワー密度の高周波を導入する
のが好ましい。
【0064】(第二の透明導電層)第二の透明導電層1
03は、光入射側の電極であるとともに、その膜厚を適
当に設定することにより反射防止膜の役割をかねること
ができる。第二の透明導電層103は、半導体層102
の吸収可能な波長領域において高い透過率を有すること
と、抵抗率が低いことが要求される。好ましくは550
nmにおける透過率が80%以上、より好ましくは85
%以上である。抵抗率は5×10-3Ωcm以下が好まし
く、より好ましくは1×10-3Ωcm以下である。第二
の透明導電層103の材料としては、ITO、ZnO、
In23等を好適に用いることができる。その形成方法
としては、蒸着、CVD、スプレー、スピンオン、浸漬
などの方法が好適である。これらの材料に導電率を変化
させる物質を添加してもよい。
【0065】(集電電極)集電電極104は集電効率を
向上するために透明電極103上に設けられる。その形
成方法として、マスクを用いてスパッタによって電極パ
ターンの金属を形成する方法や、導電性ペーストあるい
は半田ペーストを印刷する方法、金属線を導電性ペース
トで固着する方法などが好適である。
【0066】なお、必要に応じて光起電力素子の両面に
保護層を形成することがある。同時に光起電力素子の裏
面(光入射側と反射側)などに鋼板等の補教材を併用し
てもよい。
【0067】
【実施例】以下の実施例では、半導体素子として太陽電
池とTFTを例に挙げて本発明を具体的にするが、これ
らの実施例は本発明の内容を何ら限定するものではな
い。
【0068】[実施例1]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、以下の手順で図4に示した光起電力素子
を形成した。図4は本発明のシリコン系薄膜を有する光
起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、
図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略す
る。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn型
半導体層102−1Aと微結晶i型半導体層102−2
Aと微結晶p型半導体層102−3Aとからなってい
る。すなわち、この光起電力素子はいわゆるpin型シ
ングルセル光起電力素子である。
【0069】図2は、本発明のシリコン系薄膜及び光起
電力素子を製造する堆積膜形成装置の一例を示す模式的
な断面図である。図2に示す堆積膜形成装置201は、
基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211
〜218、基板巻き取り容器203が、ガスゲート22
1〜229を介して結合することによって構成されてい
る。この堆積膜形成装置201には、各容器及び各ガス
ゲートを貫いて帯状の導電性基板204がセットされ
る。帯状の導電性基板204は、基板送り出し容器20
2に設置されたボビンから巻き出され、基板巻き取り容
器203で別のボビンに巻き取られる。
【0070】半導体形成用真空容器211〜218は、
それぞれプラズマ生起領域を形成する堆積室を有してい
る。概堆積室は、プラズマの生起している放電空間を、
前記導電性基板と前記高周波導入部で上下を限定し、高
周波導入部を取り囲むように設置された放電板で横方向
を限定するように構成されている。
【0071】該堆積室内の平板状の高周波導入部241
〜248には、高周波電源251〜258から高周波電
力を印加することによってグロー放電を生起させ、それ
によって原料ガスを分解し導電性基板204上に半導体
層を堆積させる。高周波導入部241〜248は、導電
性基板204と対向しており、不図示の高さ調整機構が
具備されている。前記高さ調整機構により、前記導電性
基板と高周波導入部との間の距離を変えることができ、
同時に放電空間の体積を変えることができる。また、各
半導体形成用真空容器211〜218には、原料ガスや
希釈ガスを導入するためのガス導入管231〜238が
接続されている。
【0072】図2に示した堆積膜形成装置201は、半
導体形成用真空容器を8個具備しているが、以下の実施
例においては、すべての半導体形成用真空容器でグロー
放電を生起させる必要はなく、製造する光起電力素子の
層構成にあわせて各容器でのグロー放電の有無を選択す
ることができる。また、各半導体形成用真空容器には、
各堆積室内での導電性基板204と放電空間との接触面
積を調整するための、不図示の成膜領域調整板が設けら
れている。
【0073】まず、光起電力素子形成に先立って、シリ
コン系薄膜の配向性の確認実験を行なった。ステンレス
(SUS430BA)からなる帯状の基体(幅50c
m、長さ200m、厚さ0.125mm)を十分に脱
脂、洗浄し、不図示の連続スパッタリング装置に装着
し、Ag電極をターゲットとして、厚さ100nmのA
g薄膜をスパッタ蒸着させた。さらにZnOターゲット
を用いて、厚さ1.2μmのZnO薄膜をAg薄膜の上
にスパッタ蒸着し、帯状の導電性基板204を形成し
た。
【0074】次に基板送り出し容器202に、導電性基
板204を巻いたボビンを装着し、導電性基板204を
搬入側のガスゲート、半導体形成用真空容器211、2
12、213、214、215、216、217、21
8、搬出側のガスゲートを介し、基板巻き取り容器20
3まで通し、帯状の導電性基板204がたるまないよう
に張力調整を行った。そして、基板送り出し容器20
2、半導体形成用真空容器211、212、213、2
14、215、216、217、218、基板巻き取り
容器203を不図示の真空ポンプからなる真空排気系に
より、6.7×10-4Pa(5×10-6Torr)以下
まで充分に真空排気した。
【0075】次に、真空排気系を作動させつつ、半導体
形成用真空容器212へガス導入管232から原料ガス
及び希釈ガスを供給した。ここで半導体形成用真空容器
212内の堆積室は、長手方向の長さが1m、横幅は5
0cmのものを用いた。また、半導体形成用真空容器2
12以外の半導体形成用真空容器にはガス導入管から2
00cm3/min(normal)のH2ガスを供給
し、同時に不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲ
ートにゲートガスとして500cm3/min(nor
mal)のH2ガスを供給した。この状態で真空排気系
の排気能力を調整して、半導体形成用真空容器212内
の圧力を所定の圧力に調整した。形成条件は表1の21
2の形成条件のサンプル1−1に示す通りである。
【0076】半導体形成用真空容器212内の圧力が安
定したところで、基板送り出し容器202から基板巻き
取り容器203の方向に、導電性基板204の移動を開
始した。
【0077】次に、半導体形成用真空容器212内の高
周波導入部242に高周波電源252より高周波を導入
し、高さ調整機構により前記導電性基板と高周波導入部
との間の距離を9mmとして、半導体形成用真空容器2
12内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板2
04上に、シリコン系薄膜を1μm形成した。ここで、
半導体形成用真空容器212には周波数60MHzの高
周波を、パワー密度が400mW/cm3になるように
調整しながらAl製の金属電極からなる高周波導入部2
42から導入した(サンプル1−1)。同様に、原料ガ
ス比を変えながら、シリコン系薄膜を形成した(サンプ
ル1−2、1−3、1−4、1−5)。
【0078】次に、半導体形成用真空容器213内の高
周波導入部243に高周波電源253より高周波を導入
し、高さ調整機構により前記導電性基板と高周波導入部
との間の距離を9mmとして、半導体形成用真空容器2
13内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板2
04上に、シリコン系薄膜を1μm形成した。形成条件
は表3の213の形成条件に示すとおりである。ここ
で、半導体形成用真空容器213には周波数60MHz
の高周波を、パワー密度が300mW/cm3になるよ
うに調整しながらAl製の金属電極からなる高周波導入
部243から導入した(サンプル1−6)。
【0079】形成したそれぞれのシリコン系薄膜をエッ
クス線回折装置により回折ピークを測定した。サンプル
1−1〜1−5の結果を表2に示す。これらのサンプル
のうち、サンプル1−2、1−3、1−4の3サンプル
が、(111)面の回折強度を1としたときの(22
0)の回折強度が0.50以上0.60以下かつ、(3
11)の回折強度が0.25以上0.35以下の範囲に
あった。
【0080】また、サンプル1−6のシリコン系薄膜
は、(220)の回折強度が最大強度となっており、低
角側から11反射分の回折強度の総和に対する(22
0)の回折強度の割合が90%となっており、比較例1
−2のシリコン系薄膜は(110)面に優先配向してい
ることが確認できた。
【0081】次に光起電力素子の作成を行なった。真空
排気系を作動させつつ、半導体形成用真空容器211、
212、213、215へガス導入管231、232、
233、235から原料ガス及び希釈ガスを供給した。
ここで半導体形成用真空容器212、213内の放電室
は、長手方向の長さが1m、横幅は50cmのものを用
いた。また、半導体形成用真空容器211、212、2
13、215以外の半導体形成用真空容器にはガス導入
管から200cm3/min(normal)のH2ガス
を供給し、同時に不図示の各ゲートガス供給管から、各
ガスゲートにゲートガスとして500sccmのH2
スを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整
して、半導体形成用真空容器211、212、213、
215内の圧力を所定の圧力に調整した。光起電力素子
は、半導体形成用真空容器212の条件を、表1に示す
5通りの方法で行なった。また、半導体形成用真空容器
212以外の形成条件は表3に示す通りに行った。
【0082】半導体形成用真空容器211、212、2
13、215内の圧力が安定したところで、基板送り出
し容器202から基板巻き取り容器203の方向に、導
電性基板204の移動を開始した。
【0083】次に、半導体形成用真空容器211、21
2、213、215内の高周波導入部241、242、
243、245に高周波電源251、252、253、
255より高周波を導入し、半導体形成用真空容器21
1、212、213、215内の堆積室内にグロー放電
を生起し、導電性基板204上に、アモルファスn型半
導体層(膜厚30nm)、i型半導体層(膜厚1.5μ
m)、微結晶p型半導体層(膜厚10nm)を形成し光
起電力素子を形成した。ここでi型半導体層は、トータ
ルの膜厚が1.5μmとなるようにし、半導体形成用真
空容器212、213内の成膜領域調整板を調整して、
表4に示すようにそれぞれの半導体形成用真空容器で形
成されるシリコン系薄膜の膜厚を調整した。(比較例1
−1〜1−9、実施例1−1〜1−12)。
【0084】ここで、半導体形成用真空容器211には
周波数13.56MHz、パワー密度5mW/cm3
高周波電力をAl製の金属電極からなる高周波導入部2
41から、半導体形成用真空容器212、213には上
記のシリコン系薄膜と同様に、半導体形成用真空容器2
14には周波数13.56MHz、パワー密度30mW
/cm3の高周波電力をAl製の金属電極からなる高周
波導入部244から導入した。
【0085】次に不図示の連続モジュール化装置を用い
て、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cm
の太陽電池モジュールに加工した。
【0086】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。また
碁盤目テープ法(切り傷の隙間間隔1mm、ます目の数
100)を用いて導電性基板と半導体層との間の密着性
を調べた。結果を表4に示す。
【0087】さらに実施例1−1〜1−12の光起電力
素子の断面TEM観察を行ったところ、i型半導体層中
は半導体形成容器212で形成した領域においては微結
晶の形状は球状をしており、半導体形成容器213で形
成した領域においては微結晶の形状は基板に対して鉛直
に伸びた柱状の形状をしていることがわかった。また、
それぞの光起電力素子において、i型半導体層まで形成
した形成したサンプルのRHEED図形から、それぞれ
のi型半導体層の表面層は(110)面に優先配向して
いることが確認できた。
【0088】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性をもつことがわかる。無配向性
の領域が1.0nm以上20nm以下のものは、特に優
れていた。
【0089】[実施例2]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、以下の手順で図5に示した光起電力素子
を形成した。図5は本発明のシリコン系薄膜を有する光
起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、
図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略す
る。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn型
半導体層102−1Aと微結晶i型半導体層102−2
Aと非晶質シリコン層102−10と微結晶p型半導体
層102−3Aとからなっている。すなわち、この光起
電力素子はいわゆるpin型シングルセル光起電力素子
である。
【0090】次に、半導体形成用真空容器211〜21
5内の高周波導入部241〜245に高周波電源251
〜255より高周波を導入し、半導体形成用真空容器2
11〜215内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電
性基板204上に、アモルファスn型半導体層(膜厚3
0nm)、微結晶i型半導体層(膜厚1.5μm)、非
晶質シリコン層、微結晶p型半導体層(膜厚10nm)
を形成し光起電力素子を形成した。
【0091】ここで、半導体形成用真空容器211、2
12、213、215内の条件は、実施例1−2と同様
にし、半導体形成用真空容器214内の条件は表5に示
す。また半導体形成用真空容器214には周波数100
MHzの高周波を、パワー密度が100mW/cm3
なるように調整しながらAl製の金属電極からなる高周
波導入部245から導入した。ここで半導体形成用真空
容器214内の成膜領域調整板により、表6に膜厚ごと
に光起電力素子を形成した。次に不図示の連続モジュー
ル化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36
cm×22cmの太陽電池モジュールに加工した(実施
例2−1、2−2、2−3、2−4)。
【0092】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。また
あらかじめ初期光電変換効率を測定しておいた太陽電池
モジュールを50℃に保持した状態で、 AM1.5、
100mW/cm2の擬似太陽光を500時間照射した
後に、再度光電変換効率を測定し、光劣化試験による光
電変換効率の変化を調べたこれらの結果を表6に示す。
【0093】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性をもつことがわかる。また非晶
質シリコン層が30nm以下のものは、特に優れてい
た。
【0094】[実施例3]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、図4に示した光起電力素子を形成した。
【0095】形成方法は、半導体形成用真空容器213
内に導入するSiF4ガスを表7に示すように酸素を導
入したものを用いた以外は実施例1−2と同様の方法で
行なった。次に不図示の連続モジュール化装置を用い
て、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cm
の太陽電池モジュールに加工した(実施例3−1、3−
2、3−3、3−4)。
【0096】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。また
あらかじめ初期光電変換効率を測定しておいた太陽電池
モジュールを、温度85℃、湿度85%の暗所に設置し
30分保持、その後70分かけて温度−20℃まで下げ
30分保持、再び70分かけて温度85℃m湿度85%
まで戻す、このサイクルを100回繰り返した後に再度
光電変換効率を測定し、温湿度試験による光電変換効率
の変化を調べた。またそれぞれの太陽電池モジュールの
SIMS測定を行い、半導体形成用真空容器213で形
成したシリコン系薄膜に含まれる酸素濃度を評価した。
これらの結果を表8に示す。
【0097】またそれぞれの太陽電池モジュールの断面
断面TEM観察を行ったところ、i型半導体層中は半導
体形成容器212で形成した領域においては微結晶の形
状は球状をしており、半導体形成容器213で形成した
領域においては微結晶の形状は基板に対して鉛直に伸び
た柱状の形状をしており、実施例3−1、3−2、3−
3の太陽電池モジュールの概柱状形状は、実施例1−
2、実施例3−4のものと比べて、柱状形状サイズの均
一性に特に優れていることがわかった。
【0098】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性をもつことがわかる。また膜中
の酸素濃度が、1.5×1018atoms/cm3以上
5.0×1019atoms/cm3以下のものは、特に
優れていた。
【0099】[実施例4]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、図4に示した光起電力素子を形成した。
【0100】形成方法は、半導体形成用真空容器213
内に導入する原料ガスを表9に示すものを用いた以外は
実施例1−2と同様の方法で行なった。次に不図示の連
続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力
素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工
した(実施例4−1、4−2、4−3、4−4、4−
5)。
【0101】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。また
あらかじめ初期光電変換効率を測定しておいた太陽電池
モジュールを、温度85℃、湿度85%の暗所に設置し
30分保持、その後70分かけて温度−20℃まで下げ
30分保持、再び70分かけて温度85℃m湿度85%
まで戻す、このサイクルを100回繰り返した後に再度
光電変換効率を測定し、温湿度試験による光電変換効率
の変化を調べた。またそれぞれの太陽電池モジュールの
SIMS測定を行い、半導体形成用真空容器213で形
成したシリコン系薄膜に含まれるフッ素濃度を評価し
た。これらの結果を表9に示す。
【0102】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性をもつことがわかる。また膜中
のフッ素濃度が、1.0×1019atoms/cm3
上2.5×1020atoms/cm3以下のものは、特
に優れていた。
【0103】[実施例5]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、図4に示した光起電力素子を形成した。
【0104】形成方法は、半導体形成用真空容器213
内でi型半導体層を形成するときに導電性基板の搬送を
停止して、半導体形成用真空容器213内に導入するガ
スの流量比を表10に示すように変化させながら(22
0)の配向性を成膜方向に徐々に大きくするように変化
させるように行ない、それ以外は実施例2−2と同様の
方法で行なった。ここで成膜途中の各ガスの流量は、成
膜開始時の流量から成膜終了時の流量にむけて直線的に
変化させるように行なった。次に不図示の連続モジュー
ル化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36
cm×22cmの太陽電池モジュールに加工した(実施
例5)。
【0105】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。実施
例5の太陽電池モジュールは、実施例2−2の太陽電池
モジュールと比較して、1.15倍の光電変換効率であ
ることがわかった。
【0106】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性を持つことがわかる。
【0107】[実施例6]図6に示した堆積膜形成装置
201を用い、図4に示した光起電力素子を形成した。
【0108】形成方法は、半導体形成用真空容器213
内に接続するガス導入管を2系統とし(ガス導入管23
3−1、233−2)、ガス導入管233−1をガス導
入管233−2に対して導電性基板の搬送方向に対して
上流側に配置し、それぞれのガス導入管から流す各原料
ガスの流量比を表11に示すように変えて、半導体形成
用真空容器213内のプラズマ中の活性種の密度を導電
性基板の搬送方向で変化させるように行ない、それ以外
は実施例2−2と同様の方法で行なった。形成した帯状
の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュ
ールに加工した(実施例6)。
【0109】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。実施
例6の太陽電池モジュールは、実施例2−2の太陽電池
モジュールと比較して、1.10倍の光電変換効率であ
ることがわかった。
【0110】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性を持つことがわかる。
【0111】[実施例7]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、図4に示した光起電力素子を形成した。
【0112】形成方法は、半導体形成用真空容器213
内のランプヒーターの温度調整により、半導体形成用真
空容器213内の成膜温度を成膜開始時に高く(搬送上
流の位置の温度が高く)、成膜終了時に低く(搬送下流
の位置の温度が低く)なるように行い、それ以外は実施
例2−2と同様の方法で行なった。半導体形成用真空容
器213での形成条件を表12に示す。形成した帯状の
光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュー
ルに加工した(実施例7)。
【0113】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。実施
例6の太陽電池モジュールは、実施例2−2の太陽電池
モジュールと比較して、1.30倍の光電変換効率であ
ることがわかった。
【0114】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性を持つことがわかる。
【0115】[実施例8]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、図4に示した光起電力素子を形成した。
【0116】形成の方法は、半導体形成用真空容器21
2、213内の高さ調整機構により前記導電性基板と高
周波導入部との間の距離を表13に示すように変えなが
ら行い、それ以外は実施例2−2と同様の方法で行なっ
た。形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cm
の太陽電池モジュールに加工した。
【0117】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。結果
を表12に示す。ここで、距離が2mmのi型半導体層
は、膜厚の均一性が悪く、太陽電池モジュールごとの光
電変換効率のばらつきが大きかった。そして、導電性基
板と高周波導入部間の距離が3mm以上30mm以下の
太陽電池モジュールの光電変換効率が優れていた。
【0118】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性を持つことがわかる。
【0119】[実施例9]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、図4に示した光起電力素子を形成した。
【0120】形成の方法は、半導体用真空容器213内
の圧力を表14に示すように変えながら行い、それ以外
は実施例2−2と同様の方法で行なった。形成した帯状
の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュ
ールに加工した。
【0121】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。また
碁盤目テープ法(切り傷の隙間間隔1mm、ます目の数
100)を用いて導電性基板と半導体層との間の密着性
を調べた。またあらかじめ初期光電変換効率を測定して
おいた太陽電池モジュールを、温度85℃、湿度85%
の暗所に設置し30分保持、その後70分かけて温度−
20℃まで下げ30分保持、再び70分かけて温度85
℃m湿度85%まで戻す、このサイクルを100回繰り
返した後に再度光電変換効率を測定し、温湿度試験によ
る光電変換効率の変化を調べた。これらの結果を表14
に示す。
【0122】表14より、半導体形成容器213内の圧
力が、90Pa以上15000Pa以下で作製した光起
電力素子を含む太陽電池モジュールは、光電変換効率、
はがれ試験、温湿度試験、の各項目ですぐれており、特
に、100Pa以上5000Pa以下で作製した光起電
力素子を含む太陽電池モジュールは、特にはがれ試験に
優れた特長を持つことがわかる。以上のことから本発明
の半導体素子を含む太陽電池モジュールは、優れた特長
を持つことがわかる。
【0123】[実施例10]図2に示した堆積膜形成装
置201を用い、図4に示した光起電力素子を形成し
た。
【0124】形成の方法は、半導体用真空容器212、
213内の滞留時間を表15に示すように変えながら行
い、それ以外は実施例2−2と同様の方法で行なった。
形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太
陽電池モジュールに加工した。
【0125】表15より、半導体形成容器212内の滞
留時間が、0.1秒以上10秒以下で作製した光起電力
素子を含む太陽電池モジュールは、光電変換効率、はが
れ試験、温湿度試験、光劣化率の各項目ですぐれてお
り、特に、0.2秒以上3.0秒以下で作製した光起電
力素子を含む太陽電池モジュールは、特にはがれ試験に
優れた特長を持つことがわかる。以上のことから本発明
の半導体素子を含む太陽電池モジュールは、優れた特長
を持つことがわかる。
【0126】[実施例11]図2に示した堆積膜形成装
置201を用い、以下の手順で図5に示した光起電力素
子を形成した。図7は本発明のシリコン系薄膜を有する
光起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図
中、図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略
する。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn
型半導体層102−1A、102−4、微結晶i型半導
体層102−2A、アモルファスi型半導体層102−
5。非晶質シリコン層102−10と微結晶p型半導体
層102−3A、102−6とからなっている。すなわ
ち、この光起電力素子はいわゆるpinpin型ダブル
セル光起電力素子である。
【0127】実施例1と同様に、帯状の導電性基板20
4を作成し、堆積膜形成装置201に装着し、基板送り
出し容器202、半導体形成用真空容器211、21
2、213、214、215、216、217、21
8、基板巻き取り容器203を不図示の真空ポンプから
なる真空排気系により、6.7×10-4Pa(5×10
-6Torr)以下まで充分に真空排気した。
【0128】次に、真空排気系を作動させつつ、半導体
形成用真空容器211〜218へガス導入管231〜2
38から原料ガス及び希釈ガスを供給した。ここで半導
体形成用真空容器212、213内の放電室は、長手方
向の長さが1m、横幅は50cmのものを用いた。また
不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲートにゲー
トガスとして500sccmのH2ガスを供給した。こ
の状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成
用真空容器211〜216内の圧力を所定の圧力に調整
した。形成条件は半導体形成用真空容器211から21
5に関しては実施例2−2と同様の方法で行い、半導体
形成用真空容器216〜218に関しては表16に示す
通りである。
【0129】半導体形成用真空容器211〜218内の
圧力が安定したところで、基板送り出し容器202から
基板巻き取り容器203の方向に、導電性基板204の
移動を開始した。
【0130】次に、半導体形成用真空容器211〜21
8内の高周波導入部241〜248に高周波電源251
〜258より高周波を導入し、半導体形成用真空容器2
11〜218内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電
性基板204上に、アモルファスn型半導体層(膜厚3
0nm)、微結晶i型半導体層(膜厚2.0μm)、微
結晶p型半導体層(膜厚10nm)、アモルファスn型
半導体層(膜厚30nm)、アモルファスi型半導体層
(膜厚300nm)、微結晶p型半導体層(膜厚10n
m)を形成し光起電力素子を形成した。ここで微結晶i
型半導体層のうち、半導体形成用真空容器212内で1
0nm形成した。ここで、半導体形成用真空容器21
1、216には周波数13.56MHz、パワー密度5
mW/cm 3の高周波電力をAl製の金属電極からなる
高周波導入部241、246から、半導体形成用真空容
器212には、周波数60MHzの高周波を、パワー密
度が400mW/cm3になるように調整しながらAl
製の金属電極からなる高周波導入部242から、半導体
形成用真空容器213には、周波数60MHzの高周波
を、パワー密度が300mW/cm3になるように調整
しながらAl製の金属電極からなる高周波導入部243
から、半導体形成用真空容器214、217には、周波
数100MHzの高周波を、パワー密度が100mW/
cm3になるように調整しながらAl製の金属電極から
なる高周波導入部244、247から、半導体形成用真
空容器215、218には周波数13.56MHz、パ
ワー密度30mW/cm3の高周波電力をAl製の金属
電極からなる高周波導入部245、248から導入し
た。次に不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成
した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電
池モジュールに加工した。
【0131】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定したとこ
ろ、実施例2−2におけるシングルの太陽電池モジュー
ルに比べて光電変換効率の値は1.2倍を示した。また
はがれ試験、温湿度試験においても良好な結果を示し、
以上のことから、本発明の半導体素子を含む太陽電池モ
ジュールは優れた特長を持つことがわかる。
【0132】[実施例12]以下の手順で逆スタガー型
のTFTを形成した。図8は本発明の半導体素子を有す
る逆スタガー型のTFTの一例を示す模式的な断面図で
ある。絶縁性の基板としてガラス基板301を用い、こ
の上にゲート電極302が形成され、さらにゲート絶縁
膜303、アンドープのシリコン層からなる活性層30
4、活性層304上のソース、ドレイン領域に低抵抗の
+型非晶質シリコンからなるオーミックコンタクト層
305、さらにソース、ドレイン電極306が形成され
る構成からなる。
【0133】まずガラス基板301上に、スパッタ法に
よりMo−Ta合金膜層を形成し、パターニングしてゲ
ート電極302を形成した。つぎにCVD法により、シ
リコン酸化膜からなるゲート絶縁膜303を形成した。
その後、図2の半導体形成用真空容器212内にガラス
基板をセットして、サンプル1−3の条件で無配向のシ
リコン系薄膜を15nm形成し、次に半導体形成用真空
容器213内にガラス基板をセットして、サンプル1−
6の条件で(110)面に優先配向したシリコン系薄膜
を65nm形成し、あわせて80nmの活性層304を
形成した。次に半導体形成用真空容器211内にガラス
基板をセットしてn+型非晶質シリコンからなるオーミ
ックコンタクト層305を堆積し、リソグラフィ工程を
経てパターニングした。さらに、金属膜の形成とパター
ニングを行なって、ソース、ドレイン電極306を形成
した。最後に、CF4とO2の混合ガスを用いてソース、
ドレイン電極306間に露出しているオーミックコンタ
クト層305をエッチングして、TFTを形成した(実
施例12)。
【0134】活性層304を非晶質シリコン層で80n
m形成した以外は実施例12と同様の方法でTFTを形
成した(比較例12−1)。
【0135】活性層304を無配向のシリコン系薄膜の
みで80nm形成した以外は実施例12と同様の方法で
TFTを形成した(比較例12−2)。
【0136】実施例12のTFTは、オーミックコンタ
クト層305のエッチングを行なったときに活性層30
4の過剰エッチングは起こらなかったが、比較例のTF
Tでは過剰エッチングが起こり活性層の薄膜化、膜厚の
不均一化が起こった。特に比較例12−1のTFTでは
過剰エッチングが大きく起こった。またエッチングダメ
ージにより、活性層中にリークパスが発生し、オフ電流
の値が実施例12と比較して大きくなった。
【0137】以上のことから、本発明の半導体素子を含
むTFTは優れた特長を持つことがわかる。
【0138】
【発明の効果】本発明者は、シリコン系薄膜からなる半
導体接合を有する半導体素子において、前記シリコン系
薄膜の少なくともひとつが微結晶を含んだシリコン系薄
膜からなっており、前記微結晶を含んだシリコン系薄膜
の少なくとも一方の界面領域の微結晶が、無配向性であ
ることを特徴とした半導体素子では、良好な電気特性を
もち、密着性、耐環境性に優れた半導体素子を、低コス
トで形成することが可能になったことを見出した。
【0139】
【表1】
【0140】
【表2】
【0141】
【表3】
【0142】
【表4】 光電変換効率は、比較例1−1の値を1に規格化したも
の。はがれ試験は、剥れたます目の数が◎0、○1〜
2、△3〜10、×10〜100を意味する
【0143】
【表5】
【0144】
【表6】 光電変換効率、光劣化率は実施例2−1の値を1に規格
化したもの。
【0145】
【表7】
【0146】
【表8】
【0147】
【表9】
【0148】
【表10】
【0149】
【表11】
【0150】
【表12】
【0151】
【表13】 それぞれの値は、導電性基板と高周波導入部間の距離3
mmのときの値を1に規格化したもの。
【0152】
【表14】 光電変換効率は、半導体形成容器213内の圧力が50
Paのときの値を1に規格化した値 はがれ試験は、剥れたます目の数が◎0、○1〜2、△
3〜10、×10〜100を意味する 温湿度試験は、(試験後の光電変換効率)/(試験前の
光電変換効率)の値
【0153】
【表15】 光電変換効率は、半導体形成容器212、213内の滞
留時間が0.008秒のときの値を1に規格化した値 はがれ試験は、剥れたます目の数が◎0、○1〜2、△
3〜10、×10〜100を意味する 温湿度試験は、(試験後の光電変換効率)/(試験前の
光電変換効率)の値
【0154】
【表16】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の半導体素子及び光起電力素子を製造す
る堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の半導体素子を含む半導体層の一例を示
す模式的な断面図
【図4】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【図5】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【図6】本発明の半導体素子及び光起電力素子を製造す
る堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図
【図7】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【図8】本発明の半導体素子を含むTFTの一例を示す
模式的な断面図
【符号の説明】
101 基板、 101−1 基体、 101−2 金属層、 101−3 第一の透明導電層、 102 半導体層、 102−1 第一の導電型を示す半導体層、 102−1A アモルファスn型半導体層、 102−2 i型半導体層、 102−2A 微結晶i型半導体層、 102−3 第二の導電型を示す半導体層、 102−3A 微結晶p型半導体層、 102−4 アモルファスn型半導体層、 102−5 アモルファスi型半導体層、 102−6 微結晶p型半導体層、 102−10 非晶質シリコン層、 103 透明電極、 104 集電電極、 201 堆積膜形成装置、 202 基板送り出し容器、 203 基板巻き取り容器、 204 導電性基板、 211〜218 半導体形成用真空容器、 221〜229 ガスゲート、 231〜238 ガス導入管、 233−1,233−2 ガス導入管、 241〜248 高周波導入部、 251〜258 高周波電源、 301 ガラス基板、 302 ゲート電極、 303 ゲート絶縁膜、 304 活性層、 305 オーミックコンタクト層、 306 ソース、ドレイン電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 31/04 V (72)発明者 林 享 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 酒井 明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 岡部 正太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 杉山 秀一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5F045 AA08 AB03 AB04 CA13 CA15 DA52 DA61 DP22 EE11 EH12 5F051 AA04 AA05 BA18 CA16 CA22 CA35 DA04 DA15 GA02 GA05 5F052 CA04 DA02 DA10 DB03 GA02 JA01 JA08 JA09 KA05 KA10 5F110 AA19 AA30 BB20 CC07 DD01 DD02 EE06 EE44 FF02 GG01 GG14 GG15 GG17 GG25 GG33 GG34 GG35 GG45 GG55 HK02 HK09 HK21 PP22 PP36

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン系薄膜からなる半導体接合を有
    する半導体素子において、 前記シリコン系薄膜の少なくともひとつが微結晶を含ん
    でおり、前記微結晶を含んだシリコン系薄膜の少なくと
    も一方の界面領域の微結晶が、無配向性であることを特
    徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記半導体素子が、基板上にシリコン原
    子を主成分とした第一の導電型を示す半導体層、i型半
    導体層、第二の導電型を示す半導体層が順次積層された
    pin型の半導体接合を少なくとも1組含むことを特徴
    とする請求項1に記載の半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜と、前
    記シリコン系薄膜に対して光入射側に配置されている導
    電形を示す半導体層との間に、非晶質シリコン層を配置
    したことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記非晶質シリコン層の膜厚が30nm
    以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体素
    子。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも一方の界面領域の微結晶
    が無配向性である前記微結晶を含むシリコン系薄膜の微
    結晶において、無配向領域以外の微結晶のエックス線ま
    たは電子線による(220)面の回折強度の全回折強度
    に対する割合が、前記シリコン系薄膜の膜厚方向で変化
    していることを特徴とする請求項1または2に記載の半
    導体素子。
  6. 【請求項6】 前記界面領域の微結晶の配向性が、エッ
    クス線または電子線による回折強度が、低角側から3つ
    の各回折面(111)、(220)、(311)の回折
    強度が、(111)面の回折強度を1としたときの(2
    20)の回折強度が0.50以上0.60以下かつ、
    (311)の回折強度が0.25以上0.35以下の範
    囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の半
    導体素子
  7. 【請求項7】 前記微結晶の配向性の変化が、前記微結
    晶を含むシリコン系薄膜における、前記微結晶のエック
    ス線または電子線による(220)面の回折強度の全回
    折強度に対する割合が、成膜初期において相対的に小さ
    いことを特徴とする請求項5に記載の半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記微結晶の配向性の変化が連続的であ
    ることを特徴とする請求項7に記載の半導体素子。
  9. 【請求項9】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、前
    記微結晶のエックス線または電子線による(220)面
    の回折強度の全回折強度に対する割合が80%以上であ
    る領域を含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体
    素子。
  10. 【請求項10】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜中
    で、(110)面の優先配向をしている微結晶が、前記
    基板に対して鉛直方向に伸びた柱状の形状をしているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の半導体素子。
  11. 【請求項11】 前記界面領域の微結晶が概球状の形状
    をしていることを特徴とする請求項5に記載の半導体素
    子。
  12. 【請求項12】 前記界面領域の厚さが1.0nm以上
    20nm以下であることを特徴とする請求項11に記載
    の半導体素子。
  13. 【請求項13】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
    酸素原子、炭素原子、窒素原子の少なくともひとつを含
    み、それらの総量が1.5×1018atoms/cm3
    以上5.0×1019atoms/cm3以下であること
    を特徴とする請求項5に記載の半導体素子。
  14. 【請求項14】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
    1.0×1019atoms/cm3以上2.5×1020
    atoms/cm3以下のフッ素原子を含むことを特徴
    とする請求項5に記載の半導体素子。
  15. 【請求項15】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
    真空容器内に水素化シリコン、フッ素化シリコンガスの
    少なくとも一方と、水素を含む原料ガスを導入し、前記
    真空容器内の高周波導入部に高周波を導入して、前記真
    空容器内に導入した基板上に前記シリコン系薄膜を形成
    する高周波プラズマCVD法によって行なわれたもので
    あることを特徴とする請求項5に記載の半導体素子。
  16. 【請求項16】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する過程で、前記原料ガス中のガス流量の比率を変化
    させることを特徴とする請求項15に記載の半導体素
    子。
  17. 【請求項17】 前記原料ガスを前記真空容器内に複数
    のガス導入部を用いて導入し、前記複数のガス導入部の
    うち少なくともひとつは他とは異なったガス流量比の原
    料ガスを流していることを特徴とする請求項15に記載
    の半導体素子。
  18. 【請求項18】 前記高周波の周波数が10MHz以上
    10GHz以下であることを特徴とする請求項15に記
    載の半導体素子。
  19. 【請求項19】 前記高周波の周波数が20MHz以上
    300MHz以下であることを特徴とする請求項18に
    記載の半導体素子。
  20. 【請求項20】 前記高周波導入部と前記基板との距離
    が3mm以上30mm以下であることを特徴とする請求
    項15に記載の半導体素子。
  21. 【請求項21】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の圧力が100Pa(0.75Torr)以上
    5000Pa(37.5Torr)以下であることを特
    徴とする請求項15に記載の半導体素子。
  22. 【請求項22】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の前記原料ガスの滞留時間が、0.01秒以上
    10秒以下であることを特徴とする請求項15に記載の
    半導体素子。
  23. 【請求項23】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の前記原料ガスの滞留時間が、0.1秒以上3
    秒以下であることを特徴とする請求項22に記載の半導
    体素子。
  24. 【請求項24】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の前記基板の加熱手段が、前記基板に対して前
    記微結晶を含むシリコン系薄膜の形成面とは反対側に配
    置され、前記加熱手段の出力を前記微結晶を含むシリコ
    ン系薄膜の形成とともに低下させながら形成することを
    特徴とする請求項15に記載の半導体素子。
  25. 【請求項25】 微結晶を含んだシリコン系薄膜の形成
    方法であって、前記微結晶を含んだシリコン系薄膜の少
    なくとも一方の界面領域の微結晶が無配向であることを
    特徴とするシリコン系薄膜の形成方法。
  26. 【請求項26】 前記少なくとも一方の界面領域の微結
    晶が無配向性である前記微結晶を含むシリコン系薄膜の
    微結晶のうち、無配向領域以外の微結晶のエックス線ま
    たは電子線による(220)面の回折強度の全回折強度
    に対する割合が、前記シリコン系薄膜の膜厚方向で変化
    していることを特徴とする請求項25に記載のシリコン
    系薄膜の形成方法。
  27. 【請求項27】 前記界面領域の微結晶の配向性が、エ
    ックス線または電子線による回折強度が、低角側から3
    つの各回折面(111)、(220)、(311)の回
    折強度が、(111)面の回折強度を1としたときの
    (220)の回折強度が0.50以上0.60以下か
    つ、(311)の回折強度が0.25以上0.35以下
    の範囲にあることを特徴とする請求項25に記載のシリ
    コン系薄膜の形成方法。
  28. 【請求項28】 前記微結晶の配向性の変化が、前記微
    結晶を含むシリコン系薄膜における、前記微結晶のエッ
    クス線または電子線による(220)面の回折強度の全
    回折強度に対する割合が、成膜初期において相対的に小
    さいことを特徴とする請求項26に記載のシリコン系薄
    膜の形成方法。
  29. 【請求項29】 前記微結晶の配向性の変化が連続的で
    あることを特徴とする請求項28に記載のシリコン系薄
    膜の形成方法。
  30. 【請求項30】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
    前記微結晶のエックス線または電子線による(220)
    面の回折強度の全回折強度に対する割合が80%以上で
    ある領域を含むことを特徴とする請求項26に記載のシ
    リコン系薄膜の形成方法。
  31. 【請求項31】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜中
    で、(110)面の優先配向をしている微結晶が、前記
    基板に対して鉛直方向に伸びた柱状の形状をしているこ
    とを特徴とする請求項26に記載のシリコン系薄膜の形
    成方法。
  32. 【請求項32】 前記界面領域の微結晶が概球状の形状
    をしていることを特徴とする請求項26に記載のシリコ
    ン系薄膜の形成方法。
  33. 【請求項33】 前記界面領域の厚さが1.0nm以上
    20nm以下であることを特徴とする請求項32に記載
    のシリコン系薄膜の形成方法。
  34. 【請求項34】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
    酸素原子、炭素原子、窒素原子の少なくともひとつを含
    み、それらの総量が1.5×1018atoms/cm3
    以上5.0×1019atoms/cm3以下であること
    を特徴とする請求項26に記載のシリコン系薄膜の形成
    方法。
  35. 【請求項35】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
    1.0×1019atoms/cm3以上2.5×1020
    atoms/cm3以下のフッ素原子を含むことを特徴
    とする請求項26に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  36. 【請求項36】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜が、
    真空容器内に水素化シリコン、フッ素化シリコンガスの
    少なくとも一方と、水素を含む原料ガスを導入し、前記
    真空容器内の高周波導入部に高周波を導入して、前記真
    空容器内に導入した基板上に前記シリコン系薄膜を形成
    する高周波プラズマCVD法によって行なわれたもので
    あることを特徴とする請求項26に記載のシリコン系薄
    膜の形成方法。
  37. 【請求項37】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する過程で、前記原料ガス中のガス流量の比率を変化
    させることを特徴とする請求項36に記載のシリコン系
    薄膜の形成方法。
  38. 【請求項38】 前記原料ガスを前記真空容器内に複数
    のガス導入部を用いて導入し、前記複数のガス導入部の
    うち少なくともひとつは他とは異なったガス流量比の原
    料ガスを流していることを特徴とする請求項36に記載
    のシリコン系薄膜の形成方法。
  39. 【請求項39】 前記高周波の周波数が10MHz以上
    10GHz以下であることを特徴とする請求項36に記
    載のシリコン系薄膜の形成方法。
  40. 【請求項40】 前記高周波の周波数が20MHz以上
    300MHz以下であることを特徴とする請求項39に
    記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  41. 【請求項41】 前記高周波導入部と前記基板との距離
    が3mm以上30mm以下であることを特徴とする請求
    項36に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  42. 【請求項42】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の圧力が100Pa(0.75Torr)以上
    5000Pa(37.5Torr)以下であることを特
    徴とする請求項36に記載のシリコン系薄膜の形成方
    法。
  43. 【請求項43】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の前記原料ガスの滞留時間が、0.01秒以上
    10秒以下であることを特徴とする請求項36に記載の
    シリコン系薄膜の形成方法。
  44. 【請求項44】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の前記原料ガスの滞留時間が、0.1秒以上3
    秒以下であることを特徴とする請求項43に記載のシリ
    コン系薄膜の形成方法。
  45. 【請求項45】 前記微結晶を含むシリコン系薄膜を形
    成する際の前記基板の加熱手段が、前記基板に対して前
    記微結晶を含むシリコン系薄膜の形成面とは反対側に配
    置され、前記加熱手段の出力を前記微結晶を含むシリコ
    ン系薄膜の形成とともに低下させながら形成することを
    特徴とする請求項36に記載のシリコン系薄膜の形成方
    法。
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