JP2002270448A - インダクタ部品の製造方法 - Google Patents

インダクタ部品の製造方法

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JP2002270448A
JP2002270448A JP2001064581A JP2001064581A JP2002270448A JP 2002270448 A JP2002270448 A JP 2002270448A JP 2001064581 A JP2001064581 A JP 2001064581A JP 2001064581 A JP2001064581 A JP 2001064581A JP 2002270448 A JP2002270448 A JP 2002270448A
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magnetic
insulating substrate
coil pattern
forming
inductor component
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JP2001064581A
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Nobuhiro Tada
信広 多田
Toshihide Tabuchi
利英 田渕
Hiroshi Ikezaki
博 池▲崎▼
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波数帯域において減衰特性の向上を図
れ、かつ磁性体部を薄くして低背化を図れるインダクタ
部品の製造方法を提供することを目的としている。 【解決手段】 絶縁基板形成工程11と、コイル形成工
程14と、磁性体部積層工程16と、外部電極形成工程
18と、接続工程19とを備え、コイル形成工程14で
は、螺旋状の凹部に導体材料を充填した印刷用基板を絶
縁基板に重ね、印刷用基板の凹部に充填した導体材料を
絶縁基板に転写し、絶縁基板とともに焼成して、コイル
パターン部を絶縁基板の同一平面上に形成する凹版印刷
工程22を設けた方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種民生機器等に
おけるノイズ除去用のインダクタ部品の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】以下、従来のインダクタ部品について図
面を参照しながら説明する。
【0003】図8は従来のインダクタ部品の分解斜視
図、図9は同インダクタ部品の斜視図、図10は同イン
ダクタ部品のインピーダンス−周波数特性図である。
【0004】図8、図9において、従来のインダクタ部
品は、磁性材料からなる磁性体部1と、この磁性体部1
内に形成するとともに、導体部2を螺旋状にして形成し
たコイルパターン部と、このコイルパターン部と電気的
接続した外部電極3とを備えている。
【0005】また、磁性体部1は複数の磁性体基板層4
を積層して形成しており、この複数の磁性体基板層4に
コイルパターン部の導体部2を1ターンに満たない円弧
状の導体部2として各々配置し、上下の磁性体基板層4
に配置した円弧状の導体部2をビア部5を介して電気的
接続することによって、数ターン程度のコイルパターン
部を磁性体部1内に形成している。
【0006】さらに、導体部2はコモンモードチョーク
コイルを形成するようにしている。
【0007】このとき、インピーダンス−周波数特性は
図10に示すようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、情報通信機器等
においては、1GHz程度の高周波数帯域において、多
量の情報信号を数百Mbps程度の高速で転送する必要
性が高まっている。
【0009】上記従来の構成では、円弧状の導体部2が
配置された磁性体基板層4を複数積層して、コイルパタ
ーン部を磁性体部1内に形成するので、隣接する上下の
磁性体基板層4に配置された上下の導体部2間には磁性
体部1が介在する。
【0010】この磁性体部1によって、磁性体基板層4
の上下で対向する導体部2間は透磁率が大きくなるの
で、この導体部2間を通過する磁束量(漏れ磁束量)が
増加し、その分、コイルパターン部を周回する磁束量が
減少し、これにともなって、インピーダンス値も減少し
て十分な減衰量が得られない。
【0011】そのために、磁性体部1として透磁率の大
きい磁性材料を用いて、コイルパターン部を周回する磁
束量を増加させることにより、インピーダンス値を増加
させて、減衰量の低下を抑制していた。
【0012】しかし、透磁率の大きい磁性材料を用いる
と、インピーダンス値のピーク値が低周波数帯域側に推
移するので、高周波数帯域において減衰特性が劣化して
しまう。
【0013】特に、図10に示すインピーダンス−周波
数特性図のように、コモンモードチョークコイルとして
用いた場合は、ノイズ成分であるコモンモード電流に対
するインピーダンス値6のピーク値が低周波数帯域側に
推移して、高周波数帯域におけるノイズ成分の減衰特性
が劣化するとともに、情報信号成分であるノーマルモー
ド電流に対するインピーダンス値7のピーク値も低周波
数帯域側に推移して、低周波数帯域側の情報信号成分が
減衰されることになる。
【0014】また、一般的に、コイルパターン部に磁性
体基板層4を積層する場合は、磁性体基板層4をコイル
パターン部に向かって押圧する等して、コイルパターン
部の導体部2間に磁性体基板層4を容易に配置できるよ
う、導体部2の断面形状は横寸法より縦寸法を短くして
箔状にしている。
【0015】しかし、これでは、上下の磁性体基板層4
に配置された導体部2の対向面積が大きくなり、この対
向面積に比例して浮遊容量が発生し、インピーダンス値
のピーク値がより低周波数帯域側に推移するので、高周
波数帯域において減衰特性が劣化してしまう。
【0016】このように、上記構成では、高周波数帯域
において減衰特性が劣化するという問題点を有するとと
もに、数ターン程度のコイルパターン部を形成するため
には磁性体基板層4を何層も重ねて磁性体部1を厚くす
る必要もあるので低背化もできないという問題点を有し
ていた。
【0017】本発明は上記問題点を解決するもので、高
周波数帯域において減衰特性の向上を図れるとともに、
磁性体部を薄くして低背化を図れるインダクタ部品の製
造方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1記載の発明は、特に、絶縁基板形成
工程では、コイル形成工程前に、絶縁基板を焼成する絶
縁基板焼成工程を設けるとともに、磁性体部積層工程で
は、積層した磁性体部を焼成する磁性体部焼成工程を設
けており、前記コイル形成工程では、螺旋状の凹部に導
体材料を充填した印刷用基板を前記絶縁基板に重ね、前
記印刷用基板の前記凹部に充填した前記導体材料を前記
絶縁基板に転写し、前記絶縁基板とともに焼成して、前
記コイルパターン部を前記絶縁基板の同一平面上に形成
する凹版印刷工程を設けた製造方法である。
【0019】上記製造方法により、凹版印刷工程を用い
るので、螺旋状の導体部間を非常に高密度にしたコイル
パターン部でも容易に形成でき、特に、絶縁基板の同一
平面上にコイルパターン部を形成することができる。こ
のとき、絶縁基板焼成工程において、すでに焼成された
絶縁基板に対して凹版印刷工程を用いるので、コイルパ
ターン部を絶縁基板の同一平面上に形成した後、磁性体
部焼成工程において磁性体部を焼成しても、磁性体部の
焼成時における温度変化に対して、すでに焼成された絶
縁基板の形状変化は非常に抑制されるため、磁性体部の
焼成時にコイルパターン部が加熱、冷却されたとして
も、コイルパターン部が絶縁基板の形状変化に起因し
て、縮小、膨張等の形状変化を生じることがないので、
非常に精度の良いコイルパターン部を形成できる。
【0020】よって、コイルパターン部は同一平面上に
形成できるので、コイルパターン部を数層に分けて磁性
体内部に形成する必要がなく、上下に形成された導体部
間に磁性体部が介在するということもなくなり、導体部
間を通過する磁束量(漏れ磁束量)は減少し、その分、
コイルパターン部を周回する磁束量が増加し、これにと
もなって、コイルパターン部の磁気的結合度が高くなっ
て減衰量の低下を抑制することができる。これにより、
磁性体部として透磁率の小さい磁性材料を用いて、イン
ピーダンス値のピーク値を高周波数帯域側に推移させて
も、減衰量の低下を抑制できる。
【0021】一般的には、磁性体部として透磁率の小さ
い磁性材料を用いると、インピーダンス値のピーク値が
低下して減衰量が低下するものの、上記方法によって、
コイルパターン部の磁気的結合度を高くしているので、
インピーダンス値のピーク値を高周波数帯域側に推移さ
せつつ、減衰量の低下を抑制できる。
【0022】さらに、コイルパターン部を同一平面上に
形成できるので、隣接する導体部の対向面積を小さくし
て対向する導体部間に生じる浮遊容量を低減し、インピ
ーダンス値のピーク値をより高周波数帯域側に推移させ
ることができるとともに、磁性体部を薄く形成でき、低
背化を図ることもできる。
【0023】このように、コイルパターン部を同一平面
上に形成できるので、導体部間に磁性体部が介在するこ
とがなく、高周波数帯域において減衰特性の向上を図る
ことができるとともに、低背化を図ることもできる。
【0024】本発明の請求項2記載の発明は、請求項1
記載の発明において、特に、コイル形成工程後に、コイ
ルパターン部を取り囲むように、導体部および導体部間
の周囲に非磁性材料からなる非磁性体部を形成する非磁
性体部形成工程を設けた製造方法である。
【0025】上記製造方法により、コイルパターン部を
取り囲むように、導体部および導体部間の周囲、または
導体部間に非磁性材料からなる非磁性体部を形成するの
で、導体部間の透磁率が非常に小さくなり、導体部間で
はコイルパターン部で発生した磁束の通過がより妨げら
れ、コイルパターン部を取り囲む非磁性体部の周りを周
回するように、効率よく磁束を発生させることができ
る。
【0026】これにより、コイルパターン部の磁気的結
合度を向上し、減衰量を大きくできる。
【0027】本発明の請求項3記載の発明は、請求項2
記載の発明において、特に、非磁性材料をセラミックと
した製造方法である。
【0028】上記製造方法により、コイルパターン部の
導体部間を通過する磁束量をより低減して磁気的結合度
をより向上し、減衰量を大きくできる。
【0029】本発明の請求項4記載の発明は、請求項2
記載の発明において、特に、非磁性材料をガラスとした
製造方法である。
【0030】上記製造方法により、コイルパターン部の
導体部間を通過する磁束量をより低減して磁気的結合度
をより向上し、減衰量を大きくできるだけでなく、導体
部および導体部間の周囲、または導体部間にガラスが充
填されるので空隙がなくなり、空隙の空気に含有される
水分等に起因した導体部の腐食やマイグレーションも抑
制できる。
【0031】本発明の請求項5記載の発明は、請求項1
記載の発明において、特に、コイル形成工程と磁性体部
積層工程とを複数回繰り返し、コイルパターン部と磁性
体部とを交互に積層する工程を設けた製造方法である。
【0032】上記製造方法により、複数個のコイルパタ
ーン部を磁性体部内に形成することができる。
【0033】本発明の請求項6記載の発明は、請求項1
記載の発明において、特に、磁性体部積層工程後に、コ
イルパターン部を積層した面と反対側の絶縁基板の面に
第一の保護用ガラスを積層して焼成する第一の保護用ガ
ラス形成工程を設けた製造方法である。
【0034】上記製造方法により、磁性体部積層工程後
に、絶縁基板に反りが生じていても、第一の保護用ガラ
スを積層して焼成する工程を設けているので、ガラスの
焼成時の収縮・膨張を利用して、この反りを修正し平坦
にすることができるとともに、絶縁基板の下面を保護し
てクラック等の発生を防止することができる。
【0035】本発明の請求項7記載の発明は、請求項6
記載の発明において、特に、絶縁基板の面に形成した第
一の保護用ガラスと平行になるように、絶縁基板に積層
した磁性体部の面に第二の保護用ガラスを積層して焼成
する第二の保護用ガラス形成工程を設けた製造方法であ
る。
【0036】上記製造方法により、磁性体部の面に第二
の保護用ガラスを積層して焼成する工程を設けているの
で、磁性体部の面を保護してクラック等の発生を防止す
ることができる。
【0037】本発明の請求項8記載の発明は、請求項1
記載の発明において、特に、接続工程は、磁性体部に貫
通孔を設けるとともに、前記貫通孔に導電部材を充填
し、コイルパターン部と外部電極とを前記導電部材から
なるビア部を介して電気的接続する工程とした製造方法
である。
【0038】上記製造方法により、コイルパターン部と
外部電極とをビア部を介して的確に電気的接続すること
ができる。
【0039】本発明の請求項9記載の発明は、請求項8
記載の発明において、特に、磁性体部は貫通孔を有した
複数の磁性体部層を積層して形成するとともに、ビア部
は前記貫通孔に導電部材を充填した複数のビア部層を積
層して形成し、隣接する上下の前記磁性体部層の貫通孔
外周部間に前記ビア部層の端部を突出させ、前記磁性体
部層の貫通孔外周部と前記ビア部層の端部とを交互に積
層する工程を設けた製造方法である。
【0040】上記製造方法により、磁性体部とビア部と
の接触面に空隙が生じるのを防止でき、空隙の空気に含
有される水分等に起因したビア部の腐食を抑制できると
ともに、隣接する上下の磁性体部層の貫通孔の位置が互
いに位置ずれしても、隣接する上下のビア部層どうしを
的確に電気的接続することができる。
【0041】これにより、ビア部の電気的接続を劣化さ
せることなく、磁性体部およびビア部を所定の厚さ寸法
まで形成することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】(実施の形態)以下、実施の形態
を用いて、本発明の全請求項に記載の発明について、図
面を参照しながら説明する。
【0043】図1は本発明の実施の形態におけるインダ
クタ部品の製造工程図、図2は同インダクタ部品の斜視
図、図3は同インダクタ部品の断面図、図4は同インダ
クタ部品の図3におけるA部分の拡大断面図、図5は同
インダクタ部品の図3におけるB部分の拡大断面図、図
6は同インダクタ部品のコイルパターン部を形成した絶
縁基板の平面図、図7は同インダクタ部品のインピーダ
ンス−周波数特性図である。
【0044】図1〜図6において、本発明の実施の形態
におけるインダクタ部品の製造工程は、絶縁基板10を
形成する絶縁基板形成工程11と、導体部12を螺旋状
に形成したコイルパターン部13を絶縁基板10上に形
成するコイル形成工程14と、絶縁基板10上に磁性体
部15を積層する磁性体部積層工程16と、外部電極1
7を形成する外部電極形成工程18と、外部電極17と
コイルパターン部13を電気的接続する接続工程19と
を備えている。
【0045】このとき、絶縁基板形成工程11では、コ
イル形成工程14前に、絶縁基板10を焼成する絶縁基
板焼成工程20を設けるとともに、磁性体部積層工程1
6では、積層した磁性体部15を焼成する磁性体部焼成
工程21を設けている。
【0046】また、コイル形成工程14では、螺旋状の
凹部に導体材料を充填した印刷用基板を絶縁基板10に
重ね、印刷用基板の凹部に充填した導体材料を絶縁基板
10に転写し、絶縁基板10とともに焼成して、コイル
パターン部13を絶縁基板10の同一平面上に形成する
凹版印刷工程22を設けている。
【0047】さらに、コイル形成工程14後には、コイ
ルパターン部13を取り囲むように、導体部12および
導体部12間の周囲、または導体部12間に、例えばガ
ラス等の非磁性材料からなる非磁性体部23を形成する
非磁性体部形成工程24を設けるとともに、磁性体部積
層工程16後には、コイルパターン部13を積層した面
と反対側の絶縁基板10の面に第一の保護用ガラス25
を積層して焼成する第一の保護用ガラス形成工程26
と、絶縁基板10の面に形成した第一の保護用ガラス2
5と平行になるように、絶縁基板10に積層した磁性体
部15の面に第二の保護用ガラス27を積層して焼成す
る第二の保護用ガラス形成工程28を設けている。
【0048】そして、接続工程19は、磁性体部15に
貫通孔を設けるとともに、この貫通孔に導電部材を充填
し、コイルパターン部13と外部電極17とを導電部材
からなるビア部29と引き出し電極30を介して電気的
接続する工程としている。このとき、磁性体部15は貫
通孔を有した複数の磁性体部層31を積層して形成する
とともに、ビア部29は貫通孔に導電部材を充填した複
数のビア部層32を積層して形成し、隣接する上下の磁
性体部層31の貫通孔外周部33間にビア部層32の端
部34を突出させ、磁性体部層31の貫通孔外周部33
とビア部層32の端部34とを交互に積層する工程を設
けている。
【0049】このようなインダクタ部品におけるインピ
ーダンス−周波数特性は図7に示すようになり、特に、
コイルパターン部13を2線輪の導体部12で形成して
コモンモードチョークコイルとして用いた場合は、ノイ
ズ成分であるコモンモード電流に対するインピーダンス
値35のピーク値を高周波数帯域側に推移させることが
でき、情報信号成分であるノーマルモード電流に対する
インピーダンス値36を低周波数帯域から高周波数帯域
において小さくすることができる。よって、高周波数帯
域において、情報信号成分であるノーマルモード電流に
対するインピーダンス値36を減衰しないようにしつ
つ、ノイズ成分であるコモンモード電流に対するインピ
ーダンス値35を減衰することができ、1GHz程度の
高周波数帯域において、多量の情報信号を数百Mbps
程度の高速で転送するのに有利となる。
【0050】上記製造方法によって製造されたインダク
タ部品は、縦方向が0.5〜1.6mm、横方向が1.
0〜3.2mm、高さ方向が0.9〜1.2mmの外形
寸法であって、比透磁率が650程度のNi系フェライ
トからなる絶縁基板10と、この絶縁基板10上に積層
するとともに、Agからなる導体部12を螺旋状に形成
したコイルパターン部13と、絶縁基板10上に積層し
た比透磁率が100程度のNi系フェライトからなる磁
性体部15と、コイルパターン部13と引き出し電極3
0を介して電気的接続した外部電極17とを備え、絶縁
基板10の厚さ(H1)は磁性体部15の厚さ(H2)
の1倍よりも大きく、3倍よりも小さく、導体部12は
螺旋状に2ターン以上形成されるとともに、隣接する導
体部12間の導体部12間幅(W1)は導体部12幅
(W2)の1/2倍よりも大きく、2倍よりも小さくな
っている。
【0051】また、コイルパターン部13を取り囲むよ
うに、非磁性材料の結晶化ガラス等のガラスからなる非
磁性体部23がコイルパターン部13の導体部12およ
び導体部12間の周囲に形成されている。このとき、非
磁性体部23と接触する磁性体部15近傍には、非磁性
材料のガラスが浸透し、ガラスからなる磁性材料層を形
成する場合もある。
【0052】さらに、コイルパターン部13を積層した
面と反対側の絶縁基板10の面に結晶化ガラスからなる
第一の保護用ガラス25が積層され、この第一の保護用
ガラス25と平行になるように、絶縁基板10に積層し
た磁性体部15の面に結晶化ガラスからなる第二の保護
用ガラス27が積層されている。
【0053】そして、磁性体部15に貫通孔が設けられ
るとともに、この貫通孔にAgからなる導電部材が充填
されてビア部29が形成され、コイルパターン部13と
外部電極17とが、このビア部29を介して電気的接続
されている。このとき、磁性体部15は貫通孔を有した
複数の磁性体部層31を積層して形成されるとともに、
ビア部29は貫通孔に導電部材を充填した複数のビア部
層32を積層して形成され、隣接する上下の磁性体部層
31の貫通孔外周部33間にビア部層32の端部34が
突出し、磁性体部層31の貫通孔外周部33とビア部層
32の端部34とが交互に積層されている。
【0054】上記製造方法により、凹版印刷工程を用い
るので、螺旋状の導体部12間を非常に高密度にしたコ
イルパターン部13でも容易に形成でき、特に、絶縁基
板10の同一平面上にコイルパターン部13を形成する
ことができる。このとき、絶縁基板焼成工程20におい
て、すでに焼成された絶縁基板10に対して凹版印刷工
程を用いるので、コイルパターン部13を絶縁基板10
の同一平面上に形成した後、磁性体部焼成工程21にお
いて磁性体部15を焼成しても、磁性体部15の焼成時
における温度変化に対して、すでに焼成された絶縁基板
10の形状変化は非常に抑制されるため、磁性体部15
の焼成時にコイルパターン部13が加熱、冷却されたと
しても、コイルパターン部13が絶縁基板10の形状変
化に起因して、縮小、膨張等の形状変化を生じることが
ないので、非常に精度の良いコイルパターン部13を形
成できる。
【0055】よって、コイルパターン部13は同一平面
上に形成できるので、コイルパターン部13を数層に分
けて磁性体部15内に形成する必要がなく、上下に形成
された導体部12間に磁性体部15が介在するというこ
ともなくなり、導体部12間を通過する磁束量(漏れ磁
束量)は減少し、その分、コイルパターン部13を周回
する磁束量が増加し、これにともなって、コイルパター
ン部13の磁気的結合度が高くなって減衰量の低下を抑
制することができる。これにより、磁性体部15として
透磁率の小さい磁性材料を用いて、インピーダンス値の
ピーク値を高周波数帯域側に推移させても、減衰量の低
下を抑制できる。
【0056】一般的には、磁性体部15として透磁率の
小さい磁性材料を用いると、インピーダンス値のピーク
値が低下して減衰量が低下するものの、上記方法によっ
て、コイルパターン部13の磁気的結合度を高くしてい
るので、インピーダンス値のピーク値を高周波数帯域側
に推移させつつ、減衰量の低下を抑制できる。
【0057】さらに、コイルパターン部13を同一平面
上に形成できるので、隣接する導体部12の対向面積を
小さくして対向する導体部12間に生じる浮遊容量を低
減し、インピーダンス値のピーク値をより高周波数帯域
側に推移させることができるとともに、磁性体部15を
薄く形成でき、低背化を図ることもできる。
【0058】このように、コイルパターン部13を同一
平面上に形成できるので、導体部12間に磁性体部15
が介在することがなく、高周波数帯域において減衰特性
の向上できるとともに、低背化を図ることもできる。本
実施の形態のように、コモンモードチョークコイルとし
て用いた場合は、高周波数帯域において、情報信号成分
であるノーマルモード電流に対するインピーダンス値3
6を減衰しないようにしつつ、ノイズ成分であるコモン
モード電流に対するインピーダンス値35を減衰するこ
とができる。
【0059】さらに、コイルパターン部13を取り囲む
ように、導体部12および導体部12間の周囲、または
導体部12間に非磁性材料からなる非磁性体部23を形
成するので、導体部12間の透磁率が非常に小さくな
り、導体部12間ではコイルパターン部13で発生した
磁束の通過がより妨げられ、コイルパターン部13を取
り囲む非磁性体部23の周りを周回するように、効率よ
く磁束を発生させることができる。
【0060】特に、非磁性材料をガラスとするので、コ
イルパターン部13の導体部12間を通過する磁束量を
より低減して磁気的結合度をより向上し、減衰量を大き
くできるだけでなく、導体部12および導体部12間の
周囲、または導体部12間にガラスが充填されるので空
隙がなくなり、空隙の空気に含有される水分等に起因し
た導体部12の腐食やマイグレーションを抑制できる。
【0061】そして、磁性体部積層工程16後に、絶縁
基板10に反りが生じていても、第一の保護用ガラス2
5を積層して焼成する工程を設けているので、ガラスの
焼成時の収縮・膨張を利用して、この反りを修正し平坦
にすることができるとともに、絶縁基板10の下面を保
護してクラック等の発生を防止することができる。この
とき、磁性体部15の面に第二の保護用ガラス27を積
層して焼成する工程を設けているので、磁性体部15の
面も保護してクラック等の発生を防止することができ
る。
【0062】その上、磁性体部15とビア部29との接
触面に空隙が生じるのを防止でき、空隙の空気に含有さ
れる水分等に起因したビア部29の腐食を抑制できると
ともに、隣接する上下の磁性体部層31の貫通孔の位置
が互いに位置ずれしても、隣接する上下のビア部層32
どうしを的確に電気的接続することができる。
【0063】これにより、ビア部29の電気的接続を劣
化させることなく、磁性体部15およびビア部29を所
定の厚さ寸法まで形成することができる。
【0064】このように本発明の実施の形態によれば、
コイルパターン部13を同一平面上に形成できるので、
上下の磁性体部層31に導体部12が形成されず、導体
部12間に磁性体部15が介在するということがなくな
り、高周波数帯域において減衰特性の向上を図ることが
できるとともに、磁性体部15を薄くして低背化を図る
こともできる。
【0065】また、非磁性材料をガラスとするので、コ
イルパターン部13の導体部12間を通過する磁束量を
より低減して磁気的結合度をより向上し、減衰量を大き
くできるだけでなく、導体部12および導体部12間の
周囲、または導体部12間にガラスが充填されるので空
隙がなくなり、空隙の空気に含有される水分等に起因し
た導体部12の腐食やマイグレーションを抑制できる。
【0066】さらに、ガラスの焼成時の収縮・膨張を利
用して、絶縁基板10の反りを修正し平坦にすることが
できるとともに、絶縁基板10の下面および磁性体部1
5の面を保護してクラック等の発生を防止することがで
きる。
【0067】その上、ビア部29の電気的接続を劣化さ
せることなく、磁性体部15およびビア部29を所定の
厚さ寸法まで形成することができる。
【0068】なお、実施の形態では、非磁性材料をガラ
スとしたがセラミックでもよい。
【0069】さらに、実施の形態では、コイル形成工程
14と磁性体部積層工程16とを1回ずつしか行ってい
ないが、複数回繰り返し、コイルパターン部13と磁性
体部15とを交互に積層する工程を設けてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、コイルパ
ターン部を同一平面上に形成できるので、上下の磁性体
基板層に導体部が形成されず、導体部間に磁性体部が介
在するということがなくなり、高周波数帯域において減
衰特性の向上を図れるとともに、磁性体部を薄くして低
背化を図れるインダクタ部品の製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるインダクタ部品の
製造工程図
【図2】同インダクタ部品の斜視図
【図3】同インダクタ部品の断面図
【図4】同インダクタ部品の図3におけるA部分の拡大
断面図
【図5】同インダクタ部品の図3におけるB部分の拡大
断面図
【図6】同インダクタ部品のコイルパターン部を形成し
た絶縁基板の平面図
【図7】同インダクタ部品のインピーダンス−周波数特
性図
【図8】従来のインダクタ部品の分解斜視図
【図9】同インダクタ部品の斜視図
【図10】同インダクタ部品のインピーダンス−周波数
特性図
【符号の説明】
10 絶縁基板 11 絶縁基板形成工程 12 導体部 13 コイルパターン部 14 コイル形成工程 15 磁性体部 16 磁性体部積層工程 17 外部電極 18 外部電極形成工程 19 接続工程 20 絶縁基板焼成工程 21 磁性体部焼成工程 22 凹版印刷工程 23 非磁性体部 24 非磁性体部形成工程 25 第一の保護用ガラス 26 第一の保護用ガラス形成工程 27 第二の保護用ガラス 28 第二の保護用ガラス形成工程 29 ビア部 30 引き出し電極 31 磁性体部層 32 ビア部層 33 貫通孔外周部 34 端部 35 コモンモード電流に対するインピーダンス値 36 ノーマルモード電流に対するインピーダンス値
フロントページの続き (72)発明者 池▲崎▼ 博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E062 DD01 DD04 5E070 AA01 AB01 AB07 BA01 CB02 CB13 CB17 DA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板を形成する絶縁基板形成工程
    と、導体部を螺旋状に形成したコイルパターン部を前記
    絶縁基板上に形成するコイル形成工程と、前記絶縁基板
    上に磁性体部を積層する磁性体部積層工程と、外部電極
    を形成する外部電極形成工程と、前記外部電極と前記コ
    イルパターン部を電気的接続する接続工程とを備え、前
    記絶縁基板形成工程では、前記コイル形成工程前に、前
    記絶縁基板を焼成する絶縁基板焼成工程を設けるととも
    に、前記磁性体部積層工程では、積層した前記磁性体部
    を焼成する磁性体部焼成工程を設けており、前記コイル
    形成工程では、螺旋状の凹部に導体材料を充填した印刷
    用基板を前記絶縁基板に重ね、前記印刷用基板の前記凹
    部に充填した前記導体材料を前記絶縁基板に転写し、前
    記絶縁基板とともに焼成して、前記コイルパターン部を
    前記絶縁基板の同一平面上に形成する凹版印刷工程を設
    けたインダクタ部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 コイル形成工程後に、コイルパターン部
    を取り囲むように、導体部および導体部間の周囲、また
    は導体部間に非磁性材料からなる非磁性体部を形成する
    非磁性体部形成工程を設けた請求項1記載のインダクタ
    部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 非磁性材料をセラミックとした請求項2
    記載のインダクタ部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性材料をガラスとした請求項2記載
    のインダクタ部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 コイル形成工程と磁性体部積層工程とを
    複数回繰り返し、コイルパターン部と磁性体部とを交互
    に積層する工程を設けた請求項1記載のインダクタ部品
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 磁性体部積層工程後に、コイルパターン
    部を積層した面と反対側の絶縁基板の面に第一の保護用
    ガラスを積層して焼成する第一の保護用ガラス形成工程
    を設けた請求項1記載のインダクタ部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁基板の面に形成した第一の保護用ガ
    ラスと平行になるように、絶縁基板に積層した磁性体部
    の面に第二の保護用ガラスを積層して焼成する第二の保
    護用ガラス形成工程を設けた請求項6記載のインダクタ
    部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 接続工程は、磁性体部に貫通孔を設ける
    とともに、前記貫通孔に導電部材を充填し、コイルパタ
    ーン部と外部電極とを前記導電部材からなるビア部を介
    して電気的接続する工程とした請求項1記載のインダク
    タ部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 磁性体部は貫通孔を有した複数の磁性体
    部層を積層して形成するとともに、ビア部は前記貫通孔
    に導電部材を充填した複数のビア部層を積層して形成
    し、隣接する上下の前記磁性体部層の貫通孔外周部間に
    前記ビア部層の端部を突出させ、前記磁性体部層の貫通
    孔外周部と前記ビア部層の端部とを交互に積層する工程
    を設けた請求項8記載のインダクタ部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011014747A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Tdk Corp コイル部品及びその製造方法
WO2019066951A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-04 Intel Corporation MAGNETIC CORE / ENVELOPE PARTICLES FOR INDUCER NETWORKS

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