JP2002269735A - 磁気テープの製造方法 - Google Patents
磁気テープの製造方法Info
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Abstract
き形状を適正な形状とする磁気テープの製造方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 少なくとも磁気テープの巻き取り工程
(S2)を含む磁気テープの製造方法であって、次工程
の前に、巻き取り工程(S2)で巻き取った磁気テープ
を所定湿度以下で保管する保管工程(S3,S4)を含
むことを特徴とする。
Description
方法に関し、特に、磁気テープ自体の形状および磁気テ
ープの巻き形状を適正な形状とする磁気テープの製造方
法に関する。
用、コンピュータ用等の記録媒体として様々な分野で用
いられている。近年、磁気テープは、大型コンピュータ
等のバックアップ用として多用され、記録の大容量化お
よび高密度化が求められている。そのため、磁気テープ
は、厚さが薄化し、厚さ数μm程度のものもある。
の磁気テープ原反を作り、スリッタ装置によってこの磁
気テープ原反を1/2インチや8mm等の製品幅の磁気
テープ数10〜数100本に裁断し、巻取装置によって
ハブに巻き取り、大径巻のパンケーキを作成する。さら
に、小巻用巻取装置(いわゆる、ワインダ)によってパ
ンケーキを製品用の小巻リールに巻き取る。通常、各製
造工程での生産能力や磁気テープの生産計画等によって
大径パンケーキ作成工程と小巻用巻取装置での製造工程
間にはタイムラグが発生するため、磁気テープはパンケ
ージ状態でそのタイムラグに応じて保管される。ちなみ
に、この保管期間は、数時間から数ヶ月と不定期であ
る。
て、非磁性のベース層と磁性を有する記録層とで形成さ
れている。ベース層は、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)やPEN(ポリエチレンネフタレート)等を原
料とし、吸湿性がある。そのため、磁気テープを高湿度
の環境下で保管すると、ベース層が吸湿し、磁気テープ
が膨張する。したがって、巻取後、磁気テープが吸湿に
より膨張するため、磁気テープ原反の厚みムラによって
磁気テープの幅方向で圧縮応力に差が生じる。このた
め、図5に示すように、大径巻の巻き形状(パンケー
キ)が傾くと推定される。また、ハブの変形でも傾く。
なお、図5は、リールRLに巻き取られた磁気テープM
Pの正断面図である。
ープMPの膨張量が多くなるほど、あるいはリールRL
への磁気テープMPの巻き径(いわゆる、ターン数)が
大きくなるほど、大きくなる。そして、磁気テープMP
の巻き形状の傾きが大きくなると、次工程においてリー
ルRLに巻き取られた磁気テープMPを小巻用巻取装置
にセットできなくなったり、磁気テープMPが小巻用巻
取装置の盤面に接触したりする。また、小巻用巻取装置
にセットできたとしても、巻き取られた磁気テープMP
がほどけ易く、磁気テープMPの送り出しが難しくな
り、生産性が低下する。
側に傾くと、一方側の巻き径が他方側に比べて大きくな
り(図5では向かって左側)、磁気テープMPの幅方向
の一方側が他方側に比べて伸びる。その結果、リールR
Lからほどかれた磁気テープMPは、図6に示すよう
に、湾曲形状に変形する。このときの湾曲した磁気テー
プMPの弦を1mとした場合のその弦から磁気テープM
Pで形成される円弧の頂点までの距離を湾曲量Lとい
う。湾曲量Lには規格値があるので、湾曲量Lが増加し
て規格値を越えるとその磁気テープMPは不良品とな
る。なお、図6は、磁気テープMPの湾曲量の説明図で
ある。
ために磁気テープMPの保管期間を制限すると、大巻用
巻取装置の製造工程までの磁気テープMPの生産量を減
らす等の生産上の制約ができる。また、磁気テープMP
の幅方向の一方側と他方側とでの巻き径の差を小さくす
るために、リールRLへの磁気テープMPの巻き数を減
らして巻き径を小さくすると、巻き取られる磁気テープ
MPの長さが短くなる。そのため、リールRLに巻き取
られた磁気テープMPの本数が増え、リールRLに巻き
取られた磁気テープMPの輸送効率が悪化し、生産上の
ロスが増える。
の形状および磁気テープの巻き形状を適正な形状とする
磁気テープの製造方法を提供することにある。
明に係る磁気テープの製造方法は、少なくとも磁気テー
プの巻き取り工程を含む磁気テープの製造方法であっ
て、次工程の前に、前記巻き取り工程で巻き取った磁気
テープを所定湿度以下で保管する保管工程を含むことを
特徴とする。
取った磁気テープを低湿度で保管することによって、磁
気テープの膨張を抑え、さらに吸湿の可逆現象によって
膨張を収めて磁気テープを元の形状に戻す。その結果、
磁気テープの巻き形状が適正な形状に戻り、磁気テープ
の湾曲量が減少する。
の膨張を抑える湿度、あるいは乾燥によって磁気テープ
の膨張を元に戻す湿度であり、磁気テープの材質、磁気
テープの保管期間、空調設備の能力等を考慮して設定さ
れる。
係る磁気テープの製造方法の実施の形態について説明す
る。
気テープのベース層の吸湿作用を抑える程度の湿度で磁
気テープを保管することによって、保管期間における磁
気テープの変形を抑制することができる。また、この磁
気テープの製造方法は、磁気テープのベース層が乾燥す
る程度の湿度で磁気テープを保管することによって、吸
湿の可逆現象を利用して膨張した磁気テープを適正な形
状に戻すことができる。
中に、磁気テープ原反を裁断した後、この裁断した磁気
テープをリールに巻き取り、この巻き取った磁気テープ
を次工程で使用するまで保管する保管工程を有してい
る。この保管工程は、磁気テープの吸湿による膨張を抑
えるために平均湿度50%以下の第1保管庫で保管する
第1保管工程と、膨張した磁気テープを元の形状に戻す
ために湿度30%以下の第2保管庫で保管する第2保管
工程からなる。本実施の形態では、磁気テープとしてD
DS4(Digital data Storage 4)の規格に適合したコン
ピュータのバックアップ用の磁気テープに適用する。
に係る保管工程およびその前後の製造工程について説明
する。図1は、磁気テープの製造工程図である。
原反が作られ、この磁気テープ原反が送出リールに巻き
取られる。この磁気テープ原反は、主に非磁性のベース
層と磁性を有する記録層とからなり、必要に応じてバッ
クコート層が設けられる。磁気テープ原反のサイズは、
幅が数100mmから数1000mm程度であり、厚さ
が数μmである。
気テープ原反を数100本の製品幅(数mm)の磁気テ
ープに裁断する。スリッタ装置1は、一列に並んだ数1
00対の回転上刃と回転下刃を備え、送出リールから送
り出された磁気テープ原反を回転上刃と回転下刃間を通
過させて裁断する装置である。この裁断された磁気テー
プは、引き続き巻取工程に移される。
よって裁断された数100本の磁気テープをリールに巻
き取る。この巻き取られた磁気テープは、リールに巻き
取られた状態で大巻用巻取装置2から取り外された後、
台車に積み込まれて第1保管工程に移される。
に巻き取られた磁気テープを保管する。第1保管庫3
は、湿度調整と温度調整を行うことができる空調設備を
備え、平均湿度が50%以下かつ温度が20〜25℃で
庫内が管理されている倉庫である。この第1保管庫3で
保管されている磁気テープは、小巻リールへの巻き取り
工程の15日前に、第2保管工程に移される。なお、第
1保管庫3では、特に湿度が管理されるが、一時的に湿
度が50%を越えてもよい。
に巻き取られた磁気テープを保管する。第2保管庫4
は、湿度調整と温度調整を行うことができる空調設備を
備え、湿度が30%以下かつ温度が20〜25℃で庫内
が管理されている倉庫である。この第2保管庫4で保管
されている磁気テープは、15日間保管された後、次工
程に移される。なお、第2保管庫4では、特に湿度が厳
密に管理され、第1保管庫3の空調設備より能力が優れ
る空調設備を用いている。
てリールに巻き取られた磁気テープを製品用の小巻リー
ルに巻き取る。
テープの製造方法を図2のフローチャートに沿って説明
する。図2は、磁気テープの製造方法のフローチャート
である。
原反は、送出リールに巻き取られた状態でスリッタ装置
1にセットされる。スリッタ装置1では、磁気テープ原
反を製品幅の磁気テープに裁断する(S1)。
は、エッジが整形された後、大巻用巻取装置2に送られ
る。大巻用巻取装置2では、多数本の裁断された磁気テ
ープをリールに各々巻き取る(S2)。なお、本実施の
形態では、ステップS2での製造工程が特許請求の範囲
に記載の磁気テープの巻き取り工程に相当する。
大巻用巻取装置2からリールごと取り外され、台車に積
み込まれる。そして、作業者は、磁気テープを積み込ん
だ台車を第1保管庫3に入れ、磁気テープを保管する
(S3)。磁気テープを保管するのは、製造工程間の生
産能力の差や磁気テープの生産計画等により発生する製
造工程間のタイムラグを吸収するためである。保管期間
は、このタイムラグに応じて数時間から数ヶ月と広い範
囲で変動する。なお、この保管期間が15日間未満の場
合、第1保管庫3での保管を行わず、第2保管庫4での
み保管する。
以下の環境下で保管する理由について説明する。図3
は、保管日数と磁気テープの湾曲量の関係を示すグラフ
である。図3の3つのグラフは、10%、50%、80
%のいずれかの湿度かつ温度23℃の条件下でDDS4
の磁気テープを保管した場合の保管日数に対して湾曲量
の変化を示すものである。DDS4の磁気テープの場
合、湾曲量の規格値は±3.8mm以下である。湿度8
0%の環境下で保管すれば、磁気テープの湾曲量は1日
前後で規格値外となる。湿度50%の環境下で保管すれ
ば、磁気テープの湾曲量は7日は規格値内である。そこ
で、DDS4の磁気テープの場合、平均湿度50%以下
で保管すれば次工程まで保管でき生産可能なので、平均
湿度50%以下で保管することとした。
で磁気テープを保管することによって、磁気テープのベ
ース層の吸湿作用を抑える。そのため、磁気テープの膨
張が抑制され、リールに巻き取られた磁気テープの巻き
形状の傾きが抑えられる。さらに、磁気テープの湾曲量
が微増かあるいは増加しない。
出した台車を第2保管庫4に入れ、磁気テープを15日
間保管する(S4)。そして、磁気テープは、15日間
保管された後、前記した小巻取工程に移される。なお、
本実施の形態では、ステップS3からS4での製造工程
が特許請求の範囲に記載の保管工程に相当し、小巻取工
程が特許請求の範囲に記載の次工程に相当する。
の環境下で15日間保管する理由について説明する。図
4は、湾曲変形した磁気テープを低湿度で保管した場合
の保管日数と磁気テープの湾曲量の関係を示すグラフで
ある。図4の3つのグラフは、湿度80%で7日間保管
した後、10%、30%、50%のいずれかの湿度の条
件下でDDS4の磁気テープを保管した場合の保管日数
に対する湾曲量の減少を示すものである。湿度80%で
7日間保管した場合の湾曲量は、通常の巻取工程や保管
工程によって発生すると予想される最大の湾曲量よりも
大きな変化量である。湿度10%の環境下で3日間以上
保管すれば、磁気テープの湾曲量は規格値内となる。湿
度30%の環境下で14日間以上保管すれば、磁気テー
プの湾曲量は規格値内となる。湿度50%の環境下で保
管すれば、磁気テープの湾曲量は小さくなるが、規格値
内となるのはかなりの日数がかかる。そこで、DDS4
の磁気テープの場合、湿度30%以下で14日間以上保
管すれば予想される最大の湾曲量を有する磁気テープで
も湾曲量が規格値内に戻るので、湿度30%以下で15
日間保管することとした。ちなみに、20%や10%等
の極低湿度に調整する能力を有する空調設備を備える保
管庫なら、保管期間を短くすることができる。
気テープを保管することによって、磁気テープのベース
層が乾燥する。その結果、吸湿は可逆現象なので、磁気
テープのベース層の膨張が次第に収まって、磁気テープ
が元の形状に戻る。そして、リールに巻き取られた磁気
テープの巻き形状が、傾いた状態から傾きが減少した状
態かあるいは傾いていない状態(図5の二点鎖線の状
態)になる。さらに、磁気テープの湾曲量が減少するか
あるいは殆ど無くなる。
取られた磁気テープを小巻用巻取装置5にスムーズにセ
ットでき、磁気テープの送り出しも良好なものとなる。
によれば、第1保管庫3に保管することによって磁気テ
ープのベース層の吸湿を抑制して膨張を抑え、さらに第
2保管庫4に15日間保管することによって磁気テープ
のベース層を乾燥して膨張状態から膨張していない状態
に戻す。そのため、磁気テープの保管が長期に及んで
も、磁気テープの湾曲量が規格外となることはなく、磁
気テープの巻き形状も次工程で支障をきたすようなこと
はない。したがって、磁気テープの保管期間を制限する
必要がなくなり、リールへの磁気テープの巻き径も制限
する必要がなくなるので、生産上の制約やロスがなくな
る。
たが、本発明は、前記の実施の形態に限定されることな
く、様々な形態で実施される。例えば、本実施の形態で
は湿度を調整できる保管庫で磁気テープを保管したが、
湿度を調整できる保管ボックス、あるいは吸湿材を設け
た密閉台車等に磁気テープを保管してもよい。また、本
実施の形態では平均湿度50%以下の第1保管庫で保管
するように構成したが、空調設備の能力や磁気テープの
材質等を考慮して、保管する湿度を40%等の他の湿度
に設定してもよい。また、本実施の形態では湿度30%
以下の第2保管庫で保管するように構成したが、湿度3
0%以下であれば、空調設備の能力や磁気テープの材質
等を考慮して、保管する湿度を10%等の他の湿度に設
定してもよい。なお、設定湿度を低湿度にするほど、保
管日数を短くしてよい。
保管庫の2つの保管庫に分けて保管する構成としたが、
湿度30%以下(また、磁気テープによっては湿度50
%以下)の保管庫だけで保管するように構成してもよ
い。また、本実施の形態では裁断した磁気テープを巻き
取った後に低湿度で保管するように構成したが、製品用
の小巻リールに巻き取った磁気テープを出荷前に低湿度
で保管するように構成してもよい。また、本実施の形態
ではコンピュータのバックアップ用の磁気テープに適用
したが、ビデオ用やオーディオ用等の他の磁気テープに
適用してもよい。また、本実施の形態では大巻用巻取装
置によって巻取後に第1保管庫および第2保管庫で保管
する構成としたが、巻取後に、第1保管庫だけで保管す
る構成、あるいは第2保管庫だけで保管する構成として
もよい。
巻き取った磁気テープを低湿度で保管することによっ
て、磁気テープの膨張を抑え、さらに膨張していた磁気
テープを元の適正な形状に戻す。その結果、磁気テープ
の湾曲量が減少し、磁気テープの巻き形状も適正な形状
に戻る。
ある。
ローチャートである。
ラフである。
合の保管日数と磁気テープの湾曲量の関係を示すグラフ
である。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも磁気テープの巻き取り工程を
含む磁気テープの製造方法であって、 次工程の前に、前記巻き取り工程で巻き取った磁気テー
プを所定湿度以下で保管する保管工程を含むことを特徴
とする磁気テープの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001062860A JP2002269735A (ja) | 2001-03-07 | 2001-03-07 | 磁気テープの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001062860A JP2002269735A (ja) | 2001-03-07 | 2001-03-07 | 磁気テープの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002269735A true JP2002269735A (ja) | 2002-09-20 |
Family
ID=18921940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001062860A Pending JP2002269735A (ja) | 2001-03-07 | 2001-03-07 | 磁気テープの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002269735A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023100876A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
WO2023100877A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
-
2001
- 2001-03-07 JP JP2001062860A patent/JP2002269735A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023100876A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
WO2023100877A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
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