JP2002251859A

JP2002251859A - テープリール

Info

Publication number: JP2002251859A
Application number: JP2001386446A
Authority: JP
Inventors: Kiyoo Morita; 清夫森田
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 2000-12-19
Filing date: 2001-12-19
Publication date: 2002-09-06

Abstract

(57)【要約】【課題】磁気テープの損傷や摩耗粉及び巻き乱れの発
生を招くことなく、磁気テープをハブに円滑に巻装する
ことを可能とする。【解決手段】テープリール１０は、磁気テープが巻装
される円筒状のハブ１１の上下端に、上フランジ１２及
び下フランジ１３がそれぞれ設けられている。ハブ１１
に磁気テープ２０が巻装されていくにつれてそのハブ１
１の外周面より外周側における上下フランジ１２，１３
間の寸法が漸減するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープカセッ
トに適用されるテープリールに関し、詳しくは、ハブの
上下端に上フランジ及び下フランジを備えたテープリー
ルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、磁気テープカセットには、ビデオ
用、オーディオ用、コンピュータ用等の様々な形態のも
のがある。例えばビデオ用磁気テープカセットには、上
下のカセットハーフからなるカセットケース内に、ハブ
及び上下フランジを有する一対のテープリールを、前記
ハブの外周に磁気テープを巻装した状態で、回動自在に
収納して構成したものがある。

【０００３】図４に、テープリールの一例を示す。この
テープリール１１０は、磁気テープ１２０がその外周面
に巻装される円筒状のハブ１１１と、ハブ１１１の上端
に固定された円板状の上フランジ１１２と、ハブ１１１
の下端に当該ハブに一体成形された円板状の下フランジ
１１３とを備えている。

【０００４】上フランジ１１２と下フランジ１１３との
間隔は、磁気テープ１２０の幅より適宜大きく設定され
ている。ここでは、下フランジ１１３の上面と磁気テー
プ１２０の幅方向端部との間に隙間が形成されるように
磁気テープ１２０がハブ１１１に巻装されている。場合
によっては、下フランジ１１３の上面に磁気テープ１２
０の幅方向端部が接触するように、ハブ１１１に磁気テ
ープ１２０が巻装されることもある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】近年、磁気テープは、
体積記録密度の向上のために薄層化が進められ、また、
面記録密度の向上のために狭トラック化が進められてい
る。磁気テープの薄層化に伴い、磁気テープの幅方向の
変形が生じ易くなっている。例えば、記録再生装置内で
の高速走行や増減速時等に磁気テープが幅方向に変形
し、磁気テープが局所的にガイドローラ等と強く接触し
て、磁気テープの湾曲すなわちウィービングが発生する
ことがある。また磁気テープの変形によって、磁気テー
プの幅方向端部が上フランジの下面や下フランジの上面
に接触して摩耗粉が生じることがある。この摩耗粉はド
ロップアウトの増加を招く。特に、ハブへの磁気テープ
の巻き量が少ないときには、上下フランジの外周縁から
既に巻装された磁気テープの最外周面までの距離が長
く、この長い距離の間、磁気テープを上フランジの下面
及び下フランジの上面に強く接触させることなく移動さ
せるのは困難である。このとき磁気テープが上フランジ
の下面及び下フランジの上面の少なくとも一方に強く接
触すると、磁気テープの端部が損傷したり摩耗粉が生じ
たりする。一方、磁気テープの狭トラック化に伴い、テ
ープ変形部分の再生出力が直線部分の再生出力より低く
なる、所謂リニアリティー不良を生じ易くなっており、
微少なテープ変形でもリニアリティー不良を生じてしま
う。前述した磁気テープのウィービングは、リニアリテ
ィー不良すなわち再生出力変動の増大を招く。

【０００６】また、磁気テープの薄層化によって、所謂
巻き乱れが生じ易くなっている。例えば、図４のＡ部拡
大斜視図である図５に示すように、磁気テープ１２０幅
方向端部によって形成される面から磁気テープ端部の一
部が飛び出すことがある。図５に示すように、磁気テー
プ端部の飛び出した部分１２０ａは曲がりくねるように
変形する。このように磁気テープが変形すると、正常な
記録・再生は望めなくなるため、巻き乱れを抑えること
は極めて重要な課題である。巻き乱れの発生原因として
は様々なことが考えられるが、テープリール１１０のハ
ブ１１１に磁気テープ１２０を巻装する際に、隣接する
磁気テープ間に空気が紛れ込み、その空気が抜ける際に
テープを押し上げることが、発生原因の一つと考えられ
る。

【０００７】磁気テープの幅方向の変形や巻き乱れを抑
制するために、上下フランジ間の寸法を狭めて磁気テー
プの幅に近づけることが考えられる。しかしこうする
と、上下フランジの外周縁に干渉させることなく磁気テ
ープを上下フランジ間に挿入するのが困難になるなど、
磁気テープをハブに巻きづらくなる。

【０００８】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、磁気テープの損傷や摩耗粉及び
巻き乱れの発生を招くことなく、磁気テープをハブに円
滑に巻装することを可能とする、テープリール及びテー
プリールへの磁気テープ巻付方法を提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、磁気テープが
巻装される円筒状のハブの上下端に、上フランジ及び下
フランジがそれぞれ設けられたテープリールにおいて、
前記ハブに磁気テープが巻装されていくにつれてそのハ
ブの外周面より外周側における前記上下フランジ間の寸
法が漸減するように構成されたことを特徴としている。
また本発明は、磁気テープが巻装される円筒状のハブの
上下端に、上フランジ及び下フランジがそれぞれ設けら
れたテープリールに磁気テープを巻き付ける方法におい
て、前記ハブに磁気テープを巻装していくにつれてその
ハブの外周面より外周側における前記上下フランジ間の
寸法を漸減させることを特徴としている。

【００１０】以上のような構成によれば、テープリール
のハブに磁気テープを巻装していくにつれて磁気テープ
がハブを締めつける力（巻締まり力）が増加していくの
に伴い、上下フランジ間の寸法が漸減する。すなわち、
ハブへの磁気テープの巻き量が少ないときには上下フラ
ンジ間の寸法が若干大きいため、磁気テープをハブ外周
面の近傍まで円滑に移動できる。また、ハブへの磁気テ
ープの巻き量が多くなって巻き乱れが生じ易くなるとき
には上下フランジ間の寸法が狭められるため、同伴空気
を適切に除去して巻き乱れを防止できるとともに、磁気
テープの幅方向の変形も防止できる。具体的には、ハブ
の剛性、ハブと上下フランジとの固着形態、テープリー
ル材質、巻付けトルク等を所定値に設定することで、上
下フランジ間の寸法を磁気テープ巻き量に応じて最適に
漸減させることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図１は第１実施形態であるテ
ープリール１０の分解斜視図であり、図２はテープリー
ル１０の半断面図である。図１に示すように、このテー
プリール１０は、ハブ１１と下フランジ１３とが一体成
形されている。ハブ１１は、略円筒状の外周壁１１ａ
と、外周壁１１ａの中に配設された略円柱状の中心部１
１ｂと、中心部１１ｂから外周壁１１ａに向かって放射
状に延びた支持壁１１ｃとを備えている。中心部１１ｂ
の上端面中心にはピボット１１ｄが設けられている。ピ
ボット１１ｄの周りには複数の（ここでは３個の）溶着
ボス１１ｅが設けられている。外周壁１１ａにはクラン
プ部材１１ｆが嵌着される。上フランジ１２には、ハブ
１１のピボット１１ｄ及び溶着ボス１１ｅに対応する位
置に貫通孔１２ｄ，１２ｅが設けられている。これら貫
通孔１２ｄ，１２ｅにハブ１１のピボット１１ｄ及び溶
着ボス１１ｅが嵌挿されるように上フランジ１２をハブ
１１上に設置した状態で、溶着ボス１１ｅを超音波によ
り溶かすことで、上フランジ１２がハブ１１に溶着され
る。

【００１２】図２に示すように、ここでは、上フランジ
１２の下面はその半径方向外側に向かうにつれて上方向
に向かう傾斜面に形成され、下フランジ１３の上面はそ
の半径方向外側に向かうにつれて下方向に向かう傾斜面
に形成されている。下フランジ１３の下面には、円環状
のリング部１３ａが形成されている。このテープリール
１０は、デジタルビデオカセット（ＤＶＣ）のＭタイプ
に用いられるものであるが、本発明はこのタイプに限定
されない。Ｍタイプより大型のＤＶＣに用いられるテー
プリール等には、リング部１３ａの外周側に更に別のリ
ング部を有するもの（図４参照）もある。

【００１３】ここで、磁気テープ２０の幅をＷとし、ハ
ブ外周壁１１ａの高さをＨ１とし、外周縁における上下
フランジ１２，１３間の寸法（上フランジ１２の下面と
下フランジ１２の上面との間の寸法）をＨ２とする。ハ
ブ外周壁１１ａの半径をＲとし、ハブ外周壁１１ａの肉
厚をＴとする。ハブ外周壁１１ａの外周面から上下フラ
ンジ１２，１３の外周縁までの距離をＬ１とし、ハブ外
周壁１１ａの外周面からそのハブ外周壁１１ａに巻装さ
れた磁気テープ２０の最外周面までの距離をＬ２とす
る。本実施形態のテープリールでは、前述の通りＨ２＞
Ｈ１＞Ｗとされている。

【００１４】テープリール１０の各寸法は、例えば、ハ
ブ外周壁１１ａの半径Ｒを２０〜２２．５ｍｍとし（ハ
ブ外周壁１１ａの直径を４０〜４５ｍｍとし）、上フラ
ンジ１２及び下フランジ１３の直径を９５〜１００ｍｍ
とすることができる。すなわち、Ｌ１を２７．５ｍｍ程
度にすることができる。また、Ｈ１を１２．８〜１３．
２ｍｍとし、Ｈ２を１３．０〜１３．５ｍとし（但し、
Ｈ２＞Ｈ１）、Ｗを１２．６３〜１２．６７ｍｍとする
ことができる。テープリール１０の、ハブ１１及び下フ
ランジ１３の材質としては、ポリカーボネート（Ｐ
Ｃ）、ＰＣとグラスファイバー（ＧＦ）との複合材、等
を採用できる。上フランジ１１の材質としても、ポリカ
ーボネート（ＰＣ）、ＰＣとグラスファイバー（ＧＦ）
との複合材、等を採用できる。

【００１５】そして本実施形態では、ハブ外周壁１１ａ
に磁気テープ２０が巻装されていくにつれて図３に示す
ように、そのハブ外周壁１１ａの外周面より外周側にお
ける上下フランジ１２，１３間の寸法Ｈ２’が漸減する
ように適宜構成されている。具体的には、磁気テープ２
０の最外周層における、幅方向一端部（図中上端部）と
上フランジ１２下面との間の寸法Ｈ３と、幅方向他端部
（図中下端部）と下フランジ１３上面との間の寸法Ｈ４
とが、常に一定の範囲内となるように構成されている。

【００１６】このようにＨ３とＨ４とを常に一定の範囲
内とするために、ハブ１１の剛性（外周壁１１ａの肉厚
Ｔの設定の他、中心部１１ｂや支持壁１１ｃの形状・肉
厚の設定等によって決定される剛性）、ハブ１１と上下
フランジ１２，１３との固着形態、テープリール１０材
質等が設定されている。テープリール１０へ磁気テープ
２０を巻き付けるときの巻付けトルクも、Ｈ３とＨ４と
が常に一定の範囲内となるように設定されている。

【００１７】以上のような構成のテープリール１０によ
れば、ハブ外周壁１１ａに磁気テープ２０を巻装してい
くにつれて、上下フランジ１２，１３間の寸法が漸減す
る。すなわち、ハブ外周壁１１ａへの磁気テープ２０の
巻き量が少ないときには上下フランジ１２，１３間の寸
法が若干大きいため、磁気テープ２０をハブ外周壁１１
ａの近傍まで円滑に移動できる。また、ハブ外周壁１１
ａへの磁気テープ２０の巻き量が多くなって巻き乱れが
生じ易くなるときには上下フランジ１２，１３間の寸法
が狭められるため、同伴空気を適切に除去して巻き乱れ
を防止できるとともに、磁気テープ２０の幅方向の変形
も防止できる。

【００１８】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例え
ば、別体の下フランジを溶着等によりハブに固着しても
よい。本発明は、ＤＶＣ用のテープリールに限定され
ず、他のビデオカセット用テープリールやコンピュータ
データカートリッジ用テープリールにも適用できる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のテープリ
ール及びテープリールへの磁気テープ巻付方法によれ
ば、磁気テープの損傷や摩耗粉及び巻き乱れの発生を招
くことなく、磁気テープをハブに円滑に巻装できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の分解斜視図である。

【図２】本発明の一実施形態の半断面図である。

【図３】本発明の作用を説明する図である。

【図４】従来のテープリールを示す半断面図である。

【図５】図４におけるＡ部拡大図である。

【符号の説明】

１０テープリール１１ハブ１２上フランジ１３下フランジ１１ａ外周壁２０磁気テープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】磁気テープが巻装される円筒状のハブの
上下端に、上フランジ及び下フランジがそれぞれ設けら
れたテープリールにおいて、前記ハブに磁気テープが巻装されていくにつれてそのハ
ブの外周面より外周側における前記上下フランジ間の寸
法が漸減するように構成されたことを特徴とするテープ
リール。