JP2002268420A - 定着装置およびこれを備える画像形成装置、並びに定着方法 - Google Patents

定着装置およびこれを備える画像形成装置、並びに定着方法

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JP2002268420A
JP2002268420A JP2001065601A JP2001065601A JP2002268420A JP 2002268420 A JP2002268420 A JP 2002268420A JP 2001065601 A JP2001065601 A JP 2001065601A JP 2001065601 A JP2001065601 A JP 2001065601A JP 2002268420 A JP2002268420 A JP 2002268420A
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fixing
toner
image forming
recording medium
heating
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Application number
JP2001065601A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Kagawa
敏章 香川
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置構成の簡素化や小型化とオフセット現象
の発生の防止とを同時に実現するベルト方式の定着装置
および定着方法を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる定着装置10aおよび定
着方法では、まず誘導加熱方式の加熱部11で、用紙5
の像形成面上のトナー6を選択的に加熱する(加熱工
程)。次に、無端状の定着ベルト12に含まれる、用紙
搬送経路30に沿った沿路部位121の外周面に、加圧
ローラ13によって用紙5の像形成面を押圧する(押
圧工程)。その後、定着ベルト12によって用紙5が搬
送される間に、トナー6が冷却され、用紙5に定着する
(定着工程)。そして、用紙5が定着ベルト12の外
周面から剥離される(剥離工程)。これによって、簡
素かつコンパクトな構成で確実にオフセットの発生を防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着ベルトを用い
た定着装置およびこれを備える電子写真方式の画像形成
装置、並びに定着方法に関するものであり、特に、ウォ
ームアップが必要なく、低消費電力であり、かつ、トナ
ーが定着ベルトにオフセットすることを効果的に防止す
る定着装置および画像形成装置、並びに定着方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現像剤としてトナーを用いる電子写真方
式の画像形成装置においては、加熱や加圧によって用紙
などの記録媒体に対してトナーを定着させるために、定
着装置が設けられている。この定着装置としては、一般
的には、定着ローラにより加熱と加圧とを同時に行うロ
ーラ方式のものが多く用いられている。
【0003】上記ローラ方式の定着装置は、簡素かつ比
較的小さな構成で、トナーの定着のために加熱と加圧と
を同時に実施することができるという利点がある。その
反面、たとえばカラー画像形成装置のように、加熱のた
めに多くの熱容量を要する画像形成装置では、トナーの
定着のために十分な加熱が実施できないおそれも生じる
という欠点もある。そこで、従来より、上記の問題点に
対応するための定着装置として、定着ベルトを用いた方
式(ベルト方式)のものが提案されている。
【0004】このベルト方式の定着装置では、定着ベル
トの加熱(加熱工程)、定着ベルトへの用紙の押圧と接
触(定着工程)、および定着ベルトからの用紙の剥離
(剥離工程)を実施することによって、トナー像を記録
媒体に定着させている。
【0005】具体的には、まず、無端状に構成され、複
数のロール部材によって張り巡らされた定着ベルトを定
着可能な温度まで加熱する。このとき、用紙の表面(像
形成面)には像担持体からトナー像が転写されている。
そこで、加圧ローラ部材などで、加熱された定着ベルト
の外周面に対して用紙の像形成面を押圧して接触させ
る。
【0006】この状態では、用紙は定着ベルトの外周面
に貼り付けられた状態となっており、上記定着ベルトの
移動に伴って搬送される。それゆえ、この搬送の間、用
紙の像形成面に対しては定着ベルトから熱が継続して加
えられることになる。その結果、トナーに対して十分な
熱量を加えてトナーを溶融し、トナーを確実に定着する
ことが可能となる。その後、用紙を定着ベルトから剥離
することによって、トナーの用紙への定着が完了する。
【0007】しかしながら、上記ベルト方式の定着装置
では、定着ベルトにトナーが付着するオフセット現象の
発生を確実に防止するためには、定着ベルトを冷却して
溶融したトナーを固化させなければならない。つまり、
ベルト方式の定着装置では、加熱された定着ベルトに用
紙の像形成面を貼り付けるように接触させているので、
十分な熱をトナーに加えることができる反面、用紙を剥
離する部位に達するまでの間に、溶融したトナーを固化
するまで冷却しなければ、オフセット現象が発生してし
まう。
【0008】したがって、ベルト方式の定着装置では、
上記加熱工程および定着工程を実施した後、定着ベルト
を冷却する冷却工程を実施してから上記剥離工程を実施
することになる。そのため、定着動作に伴って定着ベル
トの加熱と冷却とが繰り返されることになり、定着装置
における熱効率が大幅に低下するという問題点が生じ
る。
【0009】そこで、上記ベルト方式の定着装置におけ
る熱効率を向上するために、たとえば特開平8−292
669号公報に開示されている定着装置では、定着ベル
トから用紙を剥離する剥離ローラに対応する部位で、冷
却ファンを用いて急激に用紙のみを冷却する技術が開示
されている。
【0010】すなわちこの技術では、剥離工程の直前
で、定着ベルトに接触している用紙の裏面(像形成面と
は反対側となる面)から用紙を冷却している。そのた
め、加熱された定着ベルトをほとんど冷却することな
く、トナーを固化させることが可能となる。しかも、裏
面を急激に冷却することから、用紙は裏面側に沿って湾
曲し易くなるために、剥離工程の実施がより容易とな
る。
【0011】ところで、トナーの定着方法には、上述し
たようなローラ方式やベルト方式のように加熱および加
圧の双方を実施する方法以外に、加熱のみを実施する方
法も知られている。たとえば、特開平1−134385
号公報においては、金属粉または磁性粉を加えた熱可塑
性樹脂で構成されるトナーを用い、誘導加熱作用等を利
用して金属粉または磁性粉を発熱させて熱可塑性樹脂を
溶融させ、加熱のみでトナーを定着させる方法が開示さ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した特
開平8−292669号公報に開示されている定着装置
では、上述したように、冷却工程の実施のために冷却フ
ァンを用いているため、装置構成が複雑化する上に、装
置全体も大型化するという問題点が生じる。
【0013】つまり、上記定着装置では、定着ベルトと
用紙とが全体的に加熱されるため、少なくとも用紙のみ
を冷却するだけでも、冷却ファンのような冷却効率の高
い強制的な冷却手段が必要となる。それゆえ、定着装置
の構成の複雑化や大型化を招くことになる。逆に冷却手
段を小型化すると冷却効率が低下するのでオフセット現
象が発生し易くなる。
【0014】一方、上記特開平1−134385号公報
に開示されている定着装置では、加熱によってのみトナ
ーを定着しているため、ベルト方式の定着装置のように
装置構成の複雑化や大型化は生じない。しかしながら、
定着に際して加圧を実施しないために、オフセット現象
そのものは発生しないが、トナーの定着性が不十分とな
り易いという問題点が生じる。
【0015】一般的に、定着装置においては、上記各公
報に開示されている技術のように、トナーを十分に加熱
することについては検討されているが、加熱後のトナー
を冷却することについてはあまり検討されていない。そ
れゆえ、上記各公報の技術を組み合わせても、定着ベル
トによる加熱と誘導加熱とによってトナーを十分溶融さ
せることが可能になるだけで、トナーの冷却をより効果
的に行うことはできず、装置構成の簡素化や小型化とオ
フセット現象の発生の防止とを同時に実現することは困
難となっている。
【0016】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、従来とは異なり、定着ベルトを
トナーの加熱・溶融には利用せずに、装置構成の簡素化
や小型化とオフセット現象の発生の防止とを同時に実現
するベルト方式の定着装置およびこれを備える画像形成
装置、並びに定着方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を鑑みて鋭意検討した結果、加熱手段でトナーを選択的
に加熱することによって、定着ベルトをトナーの加熱で
はなく冷却に利用すれば、装置構成の簡素化や小型化と
オフセット現象の発生の防止とを同時に実現し得ること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0018】すなわち本発明にかかる定着装置は、上記
の課題を解決するために、非接触方式により、記録媒体
の像形成面にトナー像を形成するトナーを選択的に加熱
する加熱手段を備える定着装置において、さらに、無端
状に形成され、複数のロール部材により回転可能に張り
巡らされているとともに、記録媒体の搬送経路に沿って
直面するように張り渡された沿路部位が含まれている定
着ベルトと、加熱された記録媒体の像形成面を、定着ベ
ルトにおける沿路部位の外周面に押圧して接触させる押
圧手段とを備えていることを特徴としている。
【0019】上記構成によれば、加熱手段がトナーを選
択的に加熱することが可能であるので、トナー以外のも
の、たとえば定着ベルトや加熱手段近傍の雰囲気、記録
媒体などを加熱させたり発熱させることがない。それゆ
え加熱における熱効率を向上させることができる。ま
た、熱効率がよいということは、大量の熱量を発生させ
る必要がないため、加熱のためのウォーミングアップ時
間がほとんど必要なく、オンデマンド方式で加熱を行う
ことができる。
【0020】しかも、記録媒体を常温の定着ベルトに接
触させた状態で搬送する間に、トナーが記録媒体に浸透
して十分に定着するとともに、トナーの熱が定着ベルト
や記録媒体に放散され、冷却される。それゆえ、冷却フ
ァンのような強制的な冷却手段を設けなくても、自然放
熱のみでトナーを冷却することが可能となる。そのた
め、定着ベルトは、従来のように定着ベルトを加熱媒体
としてではなく、冷却手段として利用することが可能に
なる。
【0021】さらに、定着したトナーは記録媒体に十分
浸透した状態で固着している上に、軟化点以下のトナー
は内部凝集力が強くなっている。そのため、記録媒体の
剥離時においても、一部のトナーが定着ベルトの外周面
に付着して残存するようなオフセット現象の発生を容易
かつ確実に防止することが可能となる。また、剥離手段
を特に設けなくても、単に定着ベルトの回転移動のみで
容易に記録媒体を剥離することができるので、定着プロ
セスをより容易とすることができる。
【0022】その結果、本発明では、オフセット現象の
発生を確実に防止できるとともに、小型で熱効率がよく
立ち上がりの早い定着装置を実現することができる。
【0023】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、誘導加熱手段であることを特徴
としている。
【0024】上記構成によれば、誘導加熱手段を用いる
ことで、記録媒体の像形成面にトナー像を形成するトナ
ーのみを選択的に加熱することができる。その結果、加
熱における熱効率をより一層向上させることができると
ともに、加熱をオンデマンドで実施することが容易とな
る。
【0025】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記誘導加熱手段が、空芯コイルを備えているこ
とを特徴としている。
【0026】上記構成によれば、空芯コイルを備える誘
導加熱手段では、電磁界を高周波駆動で切り換えること
で、磁束の強さを大幅に小さくした上で誘導加熱を実現
することができる。そのため、電磁界形成のための電気
的な損失が少なくて済み、誘導加熱を効率的に実施でき
るとともに、定着装置における振動騒音やこれに起因す
るトナー像の乱れの発生を防止することができる。
【0027】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、定着ベルトの内周側となる位置
に配置されていることを特徴としている。
【0028】上記構成によれば、加熱手段を定着ベルト
の内周側に配置するので、定着装置の高さ方向のサイズ
を小さくすることが可能となる。
【0029】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、記録媒体を定着ベルトに押圧す
る位置に配置されていることを特徴としている。
【0030】上記構成によれば、加熱部を定着ニップ位
置に配置するため、加熱と圧接とを同時に実施すること
ができるので、加熱時に生じ易いトナーの飛散を効果的
に防止することができる。
【0031】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、記録媒体を定着ベルトに押圧す
る位置から見て、記録媒体の搬送方向の上流側近傍に配
置されていることを特徴としている。
【0032】上記構成によれば、トナーを軟化・溶融し
た後、定着ベルトに圧接させて定着と同時に冷却するこ
とになる。それゆえ、非常に安定した定着性を発揮する
ことができる。また、沿路部位の最上流でトナーの定着
と冷却を開始することができるので、沿路部位全体でト
ナーを定着・冷却することが可能になり、沿路部位の間
隔を最低限の間隔とすることが可能となる。その結果、
定着装置の用紙搬送方向におけるサイズを小さくするこ
とができる。
【0033】本発明にかかる画像形成装置は、上記の課
題を解決するために、上記構成の定着装置と、トナー像
を形成して記録媒体の像形成面に転写する画像形成手段
とを備えていることを特徴としている。
【0034】上記構成によれば、定着手段として、少な
い熱量で定着を実施できるとともに、オフセット現象の
発生を確実に回避することができるものを備えているこ
とになる。しかも、定着装置を、小型で熱効率がよく立
ち上がりの早いものとすることができるので、安定した
定着を実現できるより小型の画像形成装置を得ることが
できる。
【0035】本発明にかかる画像形成装置は、上記構成
に加えて、それぞれ異なる色のトナー像を形成する画像
形成手段を複数備えていることを特徴としている。
【0036】上記構成によれば、複数のトナー像を形成
するカラー画像形成装置においては、カラートナーが比
較的低温で溶融するために、シャープな定着性を発揮で
きるが、逆に、十分に冷却しないとオフセット現象が発
生し易くなる。しかしながら、上記定着装置備えている
ために、オフセット現象の発生し易いカラートナーであ
っても、簡素な構成で確実に定着させることができる。
【0037】本発明にかかる画像形成装置は、上記構成
に加えて、上記定着装置における定着ベルトが、画像形
成手段で形成されたトナー像を一旦転写して保持した後
に、記録媒体に再転写する中間記録媒体を兼ねることを
特徴としている。
【0038】上記構成によれば、上記定着装置を中間転
写ベルトを有する画像形成装置に装備すれば、定着ベル
トを改めて設ける必要がなくなり、画像形成装置全体の
構成を簡素化・小型化することができる。特に、カラー
画像形成装置においては、複数色のトナー像を重ね合わ
せるために中間転写ベルトを用いる構成があるが、この
場合、中間転写ベルトを定着ベルトとして用いること
で、非常に簡素かつコンパクトな構成で、オフセット現
象の発生を確実に防止できる定着装置を実現することが
できる。
【0039】また、ベルト構造そのものが設計に大きな
自由度を有しているため、中間転写ベルトと定着ベルト
とを兼用した画像形成装置においては、画像形成位置
(トナー像の転写位置)、加熱位置、定着位置(トナー
の冷却位置)、剥離位置などのレイアウトを自由に設定
することができる。
【0040】本発明にかかる定着方法は、上記の課題を
解決するために、非接触方式により、記録媒体の像形成
面にトナー像を形成するトナーを選択的に加熱する加熱
工程を実施することで、記録媒体にトナー像を定着する
定着方法において、加熱された記録媒体の像形成面を、
記録媒体の搬送経路に沿って直面するように張り渡され
た定着ベルトの外周面に対して押圧して接触させる押圧
工程と、定着ベルトの外周面に接触した状態にある記録
媒体を、該定着ベルトの移動に伴って搬送する定着工程
と、所定距離搬送された記録媒体を定着ベルトの外周面
から剥離する剥離工程とを含んでいることを特徴として
いる。
【0041】上記方法によれば、加熱工程でトナーを選
択的に加熱するので、加熱における熱効率を向上させる
とともに、加熱を迅速に行うことができる。しかも、押
圧工程および定着工程で、記録媒体を常温の定着ベルト
に接触させた状態で搬送するのため、トナーを記録媒体
に浸透させて十分に定着できるとともに、トナーの熱が
定着ベルトや記録媒体に放散されるため、簡素な構成で
冷却することができる。その後、剥離工程では、トナー
が十分記録媒体に固着しているので、記録媒体の剥離時
においてオフセット現象の発生を容易かつ確実に防止す
ることが可能となる。その結果、オフセット現象の発生
を確実に防止できるとともに、小型で熱効率がよく迅速
に定着ができる定着方法を実現することができる。
【0042】本発明にかかる定着方法は、上記方法にお
いて、上記非接触方式の加熱が、誘導加熱によってなさ
れるとともに、上記トナーが、電磁誘導によって発熱す
る発熱物質を含んでいることを特徴としている。
【0043】上記方法によれば、トナーが電磁誘導によ
って発熱する発熱物質を含んでいるため、誘導加熱手段
によってトナーを容易かつ確実に発熱させることができ
る。その結果、トナーのみを選択的に加熱することが可
能となる。
【0044】本発明にかかる定着方法は、上記方法にお
いて、上記トナーに含まれる発熱物質が軟磁性体である
ことを特徴としている。
【0045】上記方法によれば、軟磁性体は、残留磁束
密度が小さく、高周波特性に優れているため、誘導加熱
手段による加熱に際して、電磁界の切り換えが高周波で
なされても、トナーの残留磁気エネルギーを小さくする
ことができる。そのため、電磁界を取り去った後でもト
ナーにほとんど磁性が残存しないので、磁性の残存によ
ってトナーが反発して飛散が生じることを防止できる。
【0046】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の第一の
実施の形態について図1ないし図3に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0047】本発明にかかる定着装置および定着方法
は、トナーを誘導加熱等の非接触方式の加熱手段で発熱
させ、用紙などの記録媒体に定着する際に、トナーの発
熱後に、記録媒体を定着ベルトに押圧・接触させること
によって、トナーを定着すると同時に冷却している。そ
のため、トナーが記録媒体の像形成面に十分に浸透する
とともに冷却されるため、トナーは非常に安定して記録
媒体の像形成面に定着する。
【0048】それゆえ、本発明では、定着における熱効
率が向上するため、装置構成の簡素化・装置の小型化を
実現できるとともに、オフセット現象の発生も確実に防
止することができる。特に本発明は、より確実な定着を
要するカラー画像形成装置の定着装置として好適に用い
ることができる。
【0049】また、本発明にかかる画像形成装置は、上
記定着装置を定着手段として備えており、画像形成手段
により形成され記録媒体の像形成面に転写されたトナー
像を良好に定着できるようになっている。特に、本発明
にかかる画像形成装置は、後述するが、それぞれ異なる
色のトナー像を形成する画像形成手段を複数備えている
カラー画像形成装置となっていると好ましい。
【0050】本発明にかかる画像形成装置は、図2に示
すように、本発明にかかる定着装置10aと、画像形成
部(画像形成手段)20を備えている。定着装置10a
および画像形成部20は、記録媒体としての用紙を搬送
する用紙搬送経路30に沿って配置されており、用紙の
搬送方向から見て上流側に画像形成部20が、下流側に
定着装置10aが位置している。なお、以下の説明で
は、用紙の搬送方向の上流側または下流側を、単に上流
側または下流側と表現する。
【0051】上記画像形成部20は、電子写真方式の画
像形成装置に備えられている一般的な構成のものであ
る。具体的には、回転可能に設けられるドラム状の感光
体(像担持体)21が設けられ、さらに、この感光体2
1の回転方向に沿って、帯電器22、露光装置23、現
像装置24、転写器25、クリーナー26、除電器27
がこの順で配置されている。
【0052】一般的な画像形成プロセスについて説明す
る。まず、帯電器22によって感光体21表面が所定の
電位に帯電される。次に、感光体21の回転により帯電
された感光体21表面が露光装置23の位置に達し、該
露光装置23によって露光されて静電潜像が形成され
る。その後、感光体21の回転により、静電潜像が形成
された表面が現像装置24の位置に達し、静電潜像がト
ナーにより現像されトナー像となる。
【0053】感光体21の回転によってトナー像が形成
された表面は転写器25の位置に達する。この時点で
は、転写器25の近傍の用紙搬送経路30に用紙が搬送
されているので、転写器25によって、トナー像は感光
体21表面から用紙の像形成面に転写される。トナー像
が転写された用紙は、用紙搬送経路30を介して定着装
置10aに搬送される。
【0054】その後、感光体21の回転によってトナー
像転写後の表面はクリーナー26の位置に達し、該表面
に残存しているトナーや紙粉がクリーナー26によって
除去される。その後、感光体21の回転によって該表面
が除電器27の位置に達し、該表面が除電されて一連の
画像形成プロセスが終了する。
【0055】上記感光体21、帯電器22、露光装置2
3、現像装置24、転写器25、クリーナー26、およ
び除電器27の構成については、従来公知の構成を好適
に用いることが可能であり、特に限定されるものではな
い。
【0056】本実施の形態における定着装置10aは、
図1にも示すように、加熱部(加熱手段)11、定着ベ
ルト12、加圧ローラ(押圧手段)13を備えている。
これらは、それぞれ用紙搬送経路30に直面する状態で
配置されている。
【0057】上記加熱部11としては、非接触方式によ
り、用紙5などの記録媒体の像形成面に画像(トナー
像)として形成されているトナー6を選択的に加熱する
ことができるものであれば特に限定されるものではな
い。本発明では、加熱部11として、誘導加熱コイルの
ような誘導加熱手段を好適に用いることができる。誘導
加熱手段であれば、トナー6に対して誘導加熱により発
熱する発熱物質(後述)を混合しておくのみで、トナー
6のみを選択的に加熱することができる。
【0058】本発明における誘導加熱手段としては、上
記発熱物質を発熱させるに十分な強さの電磁界を生じさ
せるものであれば特に限定されるものではないが、一般
的には、上記誘導加熱コイルが好ましく、中でも芯材を
用いない空芯コイルが特に好ましい。また、空芯コイル
を用いる場合には、誘導加熱に際して発生させる電磁界
を高周波駆動で切り換えることが非常に好ましい。
【0059】本発明では、誘導加熱における加熱対象物
がトナー6という非常に小さいものである(トナー6の
大きさは、一般に7〜9μm程度である)。そこで、空
芯コイルを用いて、たとえば20kHz以上200kH
z以下の範囲内で電磁界を高周波駆動で切り換えれば、
磁束の強さを大幅に小さくした上で誘導加熱を実現する
ことができる。そのため、電磁界形成のための電気的な
損失が少なくて済み、誘導加熱を効率的に実施できると
ともに、一般的な定着装置における振動騒音やこれに起
因するトナー像の乱れの発生を防止することができる。
【0060】勿論、本発明における誘導加熱手段として
は、コイルとフェライトコア等の芯材(コア材料)とを
用いて磁路を形成するようになっていてもよい。上記芯
材を用いれば効率的に磁路を形成することができるの
で、誘導加熱手段から磁束が漏洩することを抑制するこ
とができる。そのため、漏洩磁束により未定着のトナー
6が飛散するような事態を防止することができる。ただ
し、より効率的な誘導加熱を実施する観点から鑑みれ
ば、空芯コイルを用いて電磁界を高周波駆動で切り換え
ることが好ましい。
【0061】なお、本発明で用いられる加熱手段として
は、上記加熱部11のような誘導加熱手段に限定される
ものではなく、選択的にトナー6を加熱することができ
るようなものであればよい。たとえば、図3に示すよう
に、光エネルギーを用いてトナー6を加熱する光学加熱
部(光学加熱手段)15を用いることができる。この光
学加熱部としては、たとえばフラッシュランプ15aお
よび反射板15bからなる構成が挙げられるが特に限定
されるものではない。加熱手段として光学加熱部15を
用いる場合には、トナー6には、発熱物質の代わりに光
吸収物質が含まれていればよい。特にブラックトナーで
あれば、特に光吸収物質を含まなくても容易に発熱させ
ることが可能である。
【0062】ここで、光学加熱部15では、用紙5の像
形成面に光エネルギーを照射すれば、用紙5そのものも
ある程度光エネルギーを吸収して発熱する可能性があ
る。しかしながら、用紙5としては、通常、着色されて
いない白いものが用いられることが多いため、光エネル
ギーの吸収による発熱は実質的に無視することが可能で
ある。したがって、本発明で用いられる加熱手段として
は、たとえばオーブンのように雰囲気全体を加熱するよ
うなものではなく、トナー6を選択的に加熱できるもの
であれば、用紙5を多少加熱する場合があっても特に問
題はない。
【0063】上記加熱部11は、本実施の形態では、加
圧ローラ13により用紙5を定着ベルト12に押圧する
位置から見て、上流側となる位置近傍に配置されてい
る。この位置に加熱部11を配置する際の利点について
は、後述する定着方法の説明とともに言及する。
【0064】上記定着ベルト12は、無端状に形成さ
れ、複数のベルトローラ(ロール部材)14…により回
転可能に張り巡らされており、さらに、この張り巡らさ
れた状態には、用紙搬送経路30に沿って直面するよう
に張り渡された沿路部位121が含まれている。具体的
には、本実施の形態における定着ベルト12は、図1に
示すように、二つのベルトローラ14a・14bで、用
紙搬送経路30に沿った方向に平板状に張り渡されてい
る。したがって、この場合は、用紙搬送経路30に直面
している部位が沿路部位121に相当する。
【0065】この定着ベルト12のサイズとしては特に
限定されるものではない。本発明では、後述するよう
に、定着工程にて、定着ベルト12の外周面に用紙5を
貼り付けたようにして接触させながら搬送し、この間
に、加熱されて溶融したトナー6を冷却する。そのた
め、定着ベルト12のサイズとしては、用紙5全体を外
周面に貼り付けることができるような幅を有していれば
よく、また、トナー6を十分冷却できる程度の距離を確
保できる長さを有していればよい。
【0066】定着ベルト12の形状としても、無端状に
形成されていれば特に限定されるものではない。また、
定着ベルト12の外周面の状態としても、用紙5の像形
成面を貼り付けるように接触させて、トナー6を冷却で
きるような表面状態となっていれば特に限定されるもの
ではない。
【0067】定着ベルト12の材質も特に限定されるも
のではないが、本実施の形態では、加熱部11として誘
導加熱手段を用いるため、定着ベルト12としては、電
磁誘導により発熱するような物質を含んでいないことが
重要である。定着ベルト12としては、たとえばポリイ
ミドの基材にフッ素樹脂を被覆したものなどを用いるこ
とが可能であるが、このような通常のベルト用材料には
電磁誘導により発熱する物質は含まれていないので、本
発明では、このような一般的な定着ベルト12を用いる
ことができる。
【0068】上記ベルトローラ14の構成としても特に
限定されるものではなく、無端状の定着ベルト12を回
転移動可能に張り巡らせることができるればよい。一般
的には、金属等からなる管状部材の表面にシリコンゴム
などの弾性体を所定の厚さに被覆してなる構成が挙げら
れる。また、定着ベルト12を回転移動させるために、
上記二つのベルトローラ14a・14bのうち一方がモ
ータなどの駆動手段で回転駆動される駆動ローラとなっ
ており、他方が単に回転可能な従動ローラとなってい
る。
【0069】上記加圧ローラ13(押圧手段)は、用紙
5における像形成面を、定着ベルト12における沿路部
位121の外周面に押圧して接触させる。なお、以下の
説明では、上記外周面への押圧による接触を圧接と表現
する。
【0070】上記加圧ローラ13の具体的な構成として
は、用紙5を定着ベルト12に圧接できるようになって
いれば特に限定されるものではない。一般的には、金属
等からなる管状部材の表面にシリコンゴム等の弾性体を
所定の厚さに被覆してなる構成が用いられる。
【0071】本発明においては、上記加圧ローラ13に
よる用紙5の圧接位置は、この位置から見て下流側とな
る定着ベルト21の沿路部位121で、十分にトナー6
が冷却・定着できるようになっている位置に設定されれ
ばよく、特に限定されるものではない。なお、用紙5の
圧接位置を以下、定着ニップ位置とする。一般的には、
定着ベルト12の長さをできる限り短くして装置構成を
小型化する観点から、定着ニップ位置12(加圧ローラ
13の配置位置)は、沿路部位121における上流側に
設定されると好ましい。
【0072】用紙5の搬送方向(図1、図2の矢印A方
向)は、沿路部位121における定着ベルト12の回転
移動の方向(図1の矢印B方向)と同じであるので、換
言すれば、定着ニップ位置は、沿路部位121におい
て、定着ベルト12の移動方向の上流側となっていれば
よい。また、加圧ローラ13の回転方向は、定着ニップ
位置における表面が、定着ベルト12の回転移動方向と
同じ方向に移動する(図中矢印C方向)ように設定され
ていればよい。
【0073】なお、定着ベルト12においては、定着ニ
ップ位置から下流側と沿路部位121でトナー6を定着
しかつ冷却することになる。そのため、定着ニップ位置
と沿路部位121の間隔等は、十分な定着・冷却が可能
となるように規定されることになる。これら位置や間隔
等については、トナー6の冷却のされ方、すなわち使用
されるトナー6の構成などに応じて適宜設定されるもの
であり、特に限定されるものではない。
【0074】本発明にかかる定着方法は、誘導加熱など
の非接触方式によりトナー6を選択的に加熱する加熱工
程を実施して、トナー6を定着するものであるが、さら
に、用紙5の像形成面を、定着ベルト12の沿路部位1
21の外周面に圧接させる押圧工程と、圧接した用紙5
を、該定着ベルト12の移動に伴って搬送する定着工程
と、沿路部位121の距離だけ搬送された用紙5を定着
ベルト12の外周面から剥離する剥離工程とを含んでい
る。
【0075】以下、本実施の形態における定着方法を具
体的に説明する。まず、本実施の形態では、加熱部11
が定着ニップ位置の上流側近傍に配置されている。した
がって、搬送されてきた用紙5は、図1に示すように、
沿路部位121に到達する前に、加熱部11によってト
ナー6が加熱される(加熱工程)。この加熱工程によ
り、トナー6は軟化および/または溶融する。
【0076】ここで加熱部11は、トナー6を選択的に
加熱することが可能であるので、トナー6以外のもの、
たとえば定着ベルト12や加熱部11近傍の雰囲気、用
紙5そのものなどを加熱させたり発熱させることがな
い。それゆえ加熱における熱効率を向上させることがで
きる。また、熱効率がよいということは、大量の熱量を
発生させる必要がないため、ローラ方式の定着装置のよ
うに、加熱のためのウォーミングアップ時間がほとんど
必要なく、オンデマンド方式で加熱を行うことができ
る。
【0077】本実施の形態では、定着ベルト12におけ
る沿路部位121の最上流となる位置近傍に加圧ローラ
13が配置されている。すなわち、本実施の形態におけ
る定着ニップ位置は、沿路部位121の最上流位置の近
傍となっている。それゆえ、図1に示すように、用紙5
は、この定着ニップ位置で、加圧ローラ13により像形
成面を定着ベルト12の外周面に圧接される(押圧工
程)。
【0078】その後、図1に示すように、沿路部位12
1で圧接された用紙5が搬送される間、トナー6は用紙
5に浸透し、十分に定着する(定着工程)。しかも、
加熱工程で加熱されたのは実質的にトナー6のみである
ため、トナー6の熱は定着ベルト12や用紙5に放散
(熱拡散)され、冷却されることになる。つまり、冷却
ファンのような強制的な冷却手段を設けなくても、自然
放熱のみでトナー6を冷却することが可能となる。
【0079】その後、沿路部位121の最下流位置に用
紙5が到達した時点では、すでにトナー6は軟化点以下
の温度に冷却され十分に定着している。そもそも定着ベ
ルト12は加熱部11によっても加熱されないため、ト
ナー6と接触している定着ベルト12の表面温度はトナ
ー6の軟化点以下となっている。そのため、この最下流
位置では、図1に示すように、定着ベルト12の回転移
動のみで用紙5が定着ベルト12から容易に剥離される
(剥離工程)。これによって、一連の定着動作が完了
する。
【0080】ここで、トナー6は用紙5に十分浸透した
状態で固着している上に、軟化点以下のトナー6は内部
凝集力が強くなっている。そのため、用紙5の剥離時に
おいても、一部のトナー6が定着ベルト12の外周面に
付着して残存する事態の発生を回避することができる。
それゆえ、特に冷却手段を設けなくてもオフセット現象
の発生を容易かつ確実に防止することが可能となり、定
着されたトナー像の画質の低下を回避することができ
る。また、剥離手段を特に設けなくても、単に定着ベル
ト12の回転移動のみで容易に用紙5を剥離することが
できる。
【0081】本発明にかかる定着方法では、上述したよ
うに、加熱部11が誘導加熱によってトナー6を加熱す
るようになっている。そのため、トナー6の組成そのも
のは従来公知の組成と同様であればよいが、さらに、ト
ナー6には、電磁誘導によって発熱する発熱物質が含ま
れている。
【0082】一般的なトナー6には、バインダー樹脂お
よび着色剤が少なくとも含まれており、さらには帯電制
御剤やワックスなどが含まれている。本発明で用いられ
るトナー6には、さらに発熱物質としてたとえば磁性体
が含まれている。上記バインダー樹脂や着色剤、あるい
は帯電制御剤やワックスなどの具体的な材質については
特に限定されるものではなく、従来公知の各種化合物等
を好適に用いることができる。
【0083】また上記磁性体としても、特に限定される
ものではなく、鉄粉やフェライトなどが挙げられ、さら
には磁性着色剤などのように着色剤と磁性体とを兼ねる
ような材料が用いられてもよい。本発明においては、上
記磁性体の中でも、特に、軟磁性体が好ましく用いられ
る。
【0084】この軟磁性体としては、たとえば軟質フェ
ライト(ソフトフェライト)が挙げられる。軟質フェラ
イトは、一般に、酸化第2鉄(Fe2 3 )と二価の金
属酸化物(MO:Mは金属元素)の化合物であり、残留
磁束密度が小さく、高周波特性に優れている。一般的に
は、高周波帯で使用するコア材料として用いられてい
る。そのため、加熱部11による誘導加熱に際して、電
磁界の切り換えが高周波でなされても、トナー6の残留
磁気エネルギーを小さくすることができる。そのため、
電磁界を取り去った後でもトナー6にほとんど磁性が残
存しないので、磁性の残存によってトナー6が反発して
飛散が生じることを防止できる。
【0085】以上のように、本発明では、トナーのみを
ほぼ選択的に加熱するために、定着に要する熱量を少な
くすることができるので、常温の定着ベルトを冷却手段
としても利用することが可能になる。そのため、オフセ
ット現象の発生を確実に防止できるとともに、小型で熱
効率がよく立ち上がりの早い定着装置を実現することが
できる。
【0086】また、本実施の形態では、加熱部の配置位
置、すなわち加熱位置は沿路部位の上流側近傍となって
おり、定着ニップ位置は沿路部位の最上流側となってい
る。したがって、沿路部位の最上流でトナーの定着と冷
却を開始することができるので、沿路部位全体でトナー
を定着・冷却することが可能になり、沿路部位の間隔を
最低限の間隔とすることが可能となる。その結果、定着
装置の用紙搬送方向におけるサイズを小さくすることが
できる。
【0087】また、本実施の形態では、定着ニップ位置
よりも加熱位置の方が上流側に設定されている。そのた
め、トナーを軟化・溶融した後、定着ベルトに圧接させ
て定着と同時に冷却することになる。それゆえ、非常に
安定した定着性を発揮することができる。
【0088】〔実施の形態2〕本発明の第二の実施の形
態について図4および図5に基づいて説明すれば、以下
の通りである。なお、本発明はこれに限定されるもので
はない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1で使用
した部材と同じ機能を有する部材には同一の番号を付記
し、その説明を省略する。
【0089】前記実施の形態1では、加熱部11を定着
ニップ位置の上流側近傍に配置していたが、本実施の形
態では、加熱部11を定着ベルト12の内周側となる位
置に配置している。また、定着ニップ位置と加熱位置と
がほぼ一致している。
【0090】具体的には、図4に示すように、本実施の
形態における定着装置10bは、前記実施の形態1と同
様に、二つのベルトローラ14a・14bで張り渡され
ている定着ベルト12と、誘導加熱コイル(空芯コイ
ル)を備える加熱部11と、加圧ローラ13とを備えて
いるが、上記加熱部11は、張り渡された定着ベルト1
2の内周側となる位置に配置されている。したがって、
定着ベルト12の沿路部位121に対応する位置に加熱
部11が配置されていることになる。
【0091】さらに本実施の形態では、図4に示すよう
に、加熱部11が用紙5を定着ベルト12に押圧する位
置(定着ニップ位置)に配置されている。すなわち加熱
部11は、定着ベルト12の沿路部位121と用紙搬送
経路30とを介して加圧ローラ13に対向するように配
置されている。
【0092】前述したように、定着ベルト12の沿路部
位121においては、定着ニップ位置から下流側となる
部位がトナー6の定着・冷却に用いられる。それゆえ、
本実施の形態では、前記実施の形態1のように沿路部位
121全体を定着・冷却に用いるのではないため、沿路
部位121の長さは、前記定着装置10aに比べると長
くなる。しかしながら、割り渡された定着ベルト12の
内周側に加熱部11を配置するため、定着装置10bに
おける用紙搬送経路30の法線方向側のサイズを小さく
することができる。通常、この方向は定着装置10bの
高さ方向となるので、定着装置10bをより薄い形状の
ものとすることが可能となる。
【0093】次に、本実施の形態における定着方法につ
いて具体的に説明する。まず、本実施の形態では、加熱
部11と加圧ローラ13とが対向配置しており、加熱位
置と定着ニップ位置とがほぼ一致している。したがっ
て、搬送されてきた用紙5は、そのまま定着ベルト12
の沿路部位121に沿って搬送され、図4に示すよう
に、加熱工程と押圧工程とが実質的に同時に実施さ
れる。
【0094】その後、図4に示すように、前記定着装置
10aと同様に、沿路部位121で圧接された用紙5が
搬送される間、定着工程が実施され、その後、沿路部
位121の最下流位置で剥離工程が実施される。これ
によって、一連の定着動作が完了する。
【0095】このように、本実施の形態では、前記実施
の形態1とは異なり、加熱部11が定着ニップ位置にほ
ぼ一致するように配置されているので、加熱工程と押圧
工程とがほぼ同時に実施されることになる。そのため、
急激なトナー6の発熱によるトナー6の飛散を防止する
ことが可能になる。トナー6を構成するバインダー樹脂
は高分子であるため、通常は、高温となっても軟化・溶
融するのみであるが、本発明の加熱部11のように、急
激な加熱を行うと、蒸発に近いような急激な軟化・溶融
が発生しトナー6が飛散し易くなる。本実施の形態で
は、このようなトナー6の飛散を効果的に防止すること
ができる。
【0096】また、本発明においては、加熱部11とし
て誘導加熱手段が特に好ましく用いられるが、この誘導
加熱においては、電磁誘導による磁化の作用に伴ってト
ナー6が飛散し易くなる。しかしながら本実施の形態で
は、発熱とほぼ同時に用紙5を圧接するので、磁化の作
用によるトナー6の飛散も効果的に防止することができ
る。
【0097】勿論、本実施の形態でも、前記実施の形態
1のように、定着ニップ位置と加熱位置とをずらしても
よいが、定着ベルト12の長さをできる限り短くして装
置をコンパクト化する観点から鑑みれば、これらの位置
は、互いにほぼ一致していることが好ましい。また、定
着ニップ位置と加熱位置とをずらす構成としては、前記
実施の形態1のように、加熱位置を上流側とする構成と
定着ニップ位置を上流側とする構成とがあり得る。しか
しながら、トナー6の定着性から鑑みれば、加熱位置が
上流側にあると、圧接前にトナー6を軟化・溶融するた
め好ましい。
【0098】また、本実施の形態でも、加熱部11とし
ては誘導加熱手段に限定されるものではなく、図5に示
すように、前述した光学加熱部15を用いてもよい。た
だし、光学加熱部15そのものが定着ベルト12の内周
側に配置されるため、トナー6を加熱するためには、定
着ベルト12としては、光透過性を有するものが用いら
れる必要がある。
【0099】以上のように、本実施の形態では、加熱部
が定着ベルトの内周側に配置されているので、定着装置
の高さ方向のサイズを小さくすることが可能となる。ま
た、加熱部が定着ニップ位置に配置されているため、加
熱と圧接とを同時に実施することができるので、加熱時
に生じ易いトナーの飛散を効果的に防止することができ
る。
【0100】なお、本発明では、上記加熱工程は、押圧
工程実施の直前から定着工程実施中の期間内に実施され
るようになっていればよい。すなわち、沿路部位で用紙
が圧接されて搬送される間に、加熱溶融されたトナーを
冷却・定着できるようになっていればよい。
【0101】〔実施の形態3〕本発明の第三の実施の形
態について図6に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、本発明はこれに限定されるものではない。ま
た、説明の便宜上、前記実施の形態1または2で使用し
た部材と同じ機能を有する部材には同一の番号を付記
し、その説明を省略する。
【0102】前記実施の形態1では、画像形成部20を
一つのみ備える画像形成装置、すなわち単色画像形成装
置を例に挙げて説明したが、本実施の形態では、画像形
成部20を複数備えるカラー画像形成装置を例に挙げて
説明する。
【0103】図6に示すように、本実施の形態における
画像形成装置は、それぞれ異なる色のトナー像を形成す
る画像形成部20a・20b・20c・20dを複数備
えているとともに、前記実施の形態1の定着装置10a
を備えている。勿論、前記実施の形態2の定着装置10
bであってもよい。
【0104】各画像形成部20a・20b・20c・2
0dの構成は、前記実施の形態1で挙げた画像形成部2
0と同様であるので、その説明は省略する。ただし、画
像形成部20aではブラックトナーが用いられ、画像形
成部20bではイエロートナーが用いられ、画像形成部
20cではマゼンタトナーが用いられ、画像形成部20
dではシアントナーが用いられる。したがって、本実施
の形態における画像形成装置では、ブラック・イエロー
・マゼンタ・シアンの4色のトナー像を、用紙5の像形
成面に重ねて転写する。これによって、一つのカラー画
像(カラートナー像)が形成される。
【0105】前述したように、用紙の像形成面上では、
加熱部11の作用によってトナーが軟化・溶融される。
ここで、特にカラー画像を形成する場合には、たとえば
上記4色のトナーを十分に溶融させて混合することが必
要となる。つまり、ブラック・イエロー・マゼンタ・シ
アンなどのような基本色はそのまま軟化させて定着させ
ればよいが、これら以外の中間色については、ブラック
を除く各色のカラートナーを十分に溶融・混合しなけれ
ば発色させることができない。ところが、カラートナー
を十分に溶融して混合した後では、カラートナーを完全
に冷却しないと、カラートナーの内部凝集力が低くな
り、剥離工程でトナーが用紙側と定着ベルト12側に分
断され、オフセット現象が発生し易くなる。
【0106】これに対して、本発明にかかる定着装置1
0aまたは10bでは、前記実施の形態1や2で説明し
たように、トナーのみをほぼ選択的に加熱するとともに
定着ベルト12を冷却に用いている。そのため、カラー
トナーのようにオフセット現象が発生し易いトナーを用
いた場合でも、定着ベルト12の外周面に圧接した後、
一定距離搬送すれば、トナーが十分冷却されて定着され
るので、オフセット現象の発生をより一層確実に防止す
ることができる。
【0107】特にカラートナーの場合、バインダー樹脂
として透明なポリエステル樹脂が用いられることが多
い。ポリエステル樹脂は、ブラックトナーのバインダー
樹脂として用いられるスチレン−アクリル系樹脂に比べ
て、比較的低温で十分に溶融することができるので、シ
ャープな定着性を発揮できるが、逆に、低温で溶融する
ことから、十分に冷却しないと、上記オフセット現象が
発生し易くなる。
【0108】しかしながら、本発明のように、トナーの
みを選択的に加熱または発熱させることによって、定着
ベルト12を常温のままで用いれば、定着ベルト12
を、従来のように加熱媒体として用いるのではなく、冷
却手段として用いることが可能になる。そのため、溶融
したトナーを十分冷却固化してから、定着ベルト12か
ら剥離できるため、カラートナーのようにオフセット現
象の発生し易いトナーであっても、簡素な構成で確実に
定着させることができる。
【0109】また、本発明にかかる定着装置10aまた
は10bでは、定着ベルト12から用紙を剥離し易くす
るために、定着ベルト12の外周面にシリコーンオイル
などの離型剤を塗布する必要もなくなる。その結果、定
着プロセスをより一層簡素価することができる。
【0110】〔実施の形態4〕本発明の第四の実施の形
態について図7および図8に基づいて説明すれば、以下
の通りである。なお、本発明はこれに限定されるもので
はない。また、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし
3で使用した部材と同じ機能を有する部材には同一の番
号を付記し、その説明を省略する。
【0111】前記実施の形態1ないし3では、定着ベル
ト12は、トナー6の定着手段および冷却手段として機
能していたが、本実施の形態では、さらに、定着ベルト
12が中間転写媒体として機能するようにもなってい
る。
【0112】具体的には、図7または図8に示すよう
に、本実施の形態における定着装置10cまたは10d
は、基本的に前記各定着装置10a・10bと同様、加
熱部11、定着ベルト12、加圧ローラ13を備えてい
るが、定着ベルト12は、三つのベルトローラ14a・
14b・14cによって直角三角形状に張り巡らされて
いる。
【0113】定着ベルト12における三角形の底辺に対
応する部位は、用紙搬送経路30に沿ってベルトローラ
14a・14bにより張り渡されている沿路部位121
となっており、底辺に直交する高さ方向との辺に対応す
る部位は、画像形成部20に含まれる感光体21からト
ナー像が一旦転写される中間転写部位となっている。ま
た、底辺(沿路部位121)に対応する角となるベルト
ローラ14cは、上記感光体21に対向する位置に配置
されており、ここがトナー像の中間転写位置となる。な
お、図7または図8では、説明の便宜上、画像形成部2
0としては感光体21と現像装置24のみを記載してい
る。
【0114】図7に示す定着装置10cでは、中間転写
部位に対応する位置に加熱部11が配置されており、加
圧ローラ13は沿路部位121の最上流側となる位置に
配置されている。一方、図8に示す定着装置10dで
は、加熱部11は、定着ベルト12の内周側で、かつ沿
路部位121に対応する位置に配置されており、加圧ロ
ーラ13は、定着ベルト12および用紙搬送経路30を
介して加熱部11に対向するように配置されている。
【0115】したがって、定着ベルト12の機能と形状
を除けば、図7に示す定着装置10cの構成は前記実施
の形態1における定着装置10aと同様の構成となって
おり、図8に示す定着装置10dの構成は前記実施の形
態2における定着装置10bと同様の構成となってい
る。
【0116】本発明における定着方法は、前述したよう
に、加熱工程、押圧工程、定着工程、剥離工程
を有しているが、さらに本実施の形態では、定着ベルト
12が中間転写媒体を兼ねているため、加熱工程の前
に、中間転写工程が実施されることになる。
【0117】以下、本実施の形態における定着方法を具
体的に説明する。まず、本実施の形態では、前述したよ
うに、画像形成部20において、感光体21の表面に静
電潜像が形成され、さらに現像装置24の現像によって
トナー像となる。このトナー像は感光体21表面から用
紙5に転写されずに、図7または図8に示すように、
中間転写工程の実施により定着ベルト12の外周面に転
写される。
【0118】図7に示す定着装置10cの場合、加熱部
11が定着ニップ位置の上流側近傍に配置されているの
で、先に加熱工程が実施され、その後、定着ニップ位
置で押圧工程が実施される。一方、図8に示す構成の
場合、加熱部11は定着ニップ位置とほぼ一致している
ので、加熱工程と押圧工程とがほぼ同時に実施され
る。
【0119】その後、沿路部位121で圧接された用紙
5が搬送される間、定着工程が実施され、トナー6の
冷却と定着とが実施される。そして、沿路部位121の
最下流位置に用紙5が到達した時点で剥離工程が実施
され、定着ベルト12の回転移動のみで用紙5が定着ベ
ルト12から容易に剥離される。これによって、一連の
定着動作が完了する。
【0120】以上のように、本実施の形態では、定着ベ
ルトが、画像形成部で形成されたトナー像を一旦転写し
て保持した後に、記録媒体に再転写する中間記録媒体を
兼ねている。そのため、中間転写ベルトを有する画像形
成装置であれば、定着ベルトを改めて設ける必要がなく
なり、画像形成装置全体の構成を簡素化・小型化するこ
とができる。
【0121】特に、カラー画像形成装置においては、複
数色のトナー像を重ね合わせるために中間転写ベルトを
用いる構成があるが、この場合、中間転写ベルトを定着
ベルトとして用いることで、非常に簡素かつコンパクト
な構成で、オフセット現象の発生を確実に防止できる定
着装置を実現することができる。
【0122】また、ベルト構造そのものが設計に大きな
自由度を有しているため、中間転写ベルトと定着ベルト
とを兼用した画像形成装置においては、画像形成位置
(トナー像の転写位置)、加熱位置、定着位置(トナー
の冷却位置)、剥離位置などのレイアウトを自由に設定
することができる。
【0123】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる定着装置
は、トナーを選択的に加熱する加熱手段と、無端状に形
成され、複数のロール部材により回転可能に張り巡らさ
れているとともに、記録媒体の搬送経路に沿って直面す
るように張り渡された沿路部位が含まれている定着ベル
トと、加熱された記録媒体の像形成面を、定着ベルトに
おける沿路部位の外周面に押圧して接触させる押圧手段
とを備えている構成である。
【0124】上記構成では、熱効率のよいトナーの加
熱、簡素な構成によるトナーの冷却と安定した定着、お
よび容易かつ確実な記録媒体の剥離を実現することがで
きる。その結果、本発明では、オフセット現象の発生を
確実に防止できるとともに、小型で熱効率がよく立ち上
がりの早い定着装置を実現することができるという効果
を奏する。
【0125】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、誘導加熱手段であることが好ま
しい。
【0126】上記構成では、誘導加熱手段を用いること
で、記録媒体の像形成面にトナー像を形成するトナーの
みを選択的に加熱することができる。その結果、加熱に
おける熱効率をより一層向上させることができるととも
に、加熱をオンデマンドで実施することが容易となると
いう効果を奏する。
【0127】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記誘導加熱手段が、空芯コイルを備えているこ
とが好ましい。
【0128】上記構成では、電磁界を高周波駆動で切り
換えることで、磁束の強さを大幅に小さくした上で誘導
加熱を実現することができるため、電磁界形成のための
電気的な損失が少なくて済み、誘導加熱を効率的に実施
できるとともに、定着装置における振動騒音やこれに起
因するトナー像の乱れの発生を防止することができると
いう効果を奏する。
【0129】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、定着ベルトの内周側となる位置
に配置されていることが好ましい。
【0130】上記構成では、加熱手段を定着ベルトの内
周側に配置するので、定着装置の高さ方向のサイズを小
さくすることができるという効果を奏する。
【0131】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、記録媒体を定着ベルトに押圧す
る位置に配置されていることが好ましい。
【0132】上記構成では、加熱部を定着ニップ位置に
配置するため、加熱と圧接とを同時に実施することがで
きるので、加熱時に生じ易いトナーの飛散を効果的に防
止することができるという効果を奏する。
【0133】本発明にかかる定着装置は、上記構成に加
えて、上記加熱手段が、記録媒体を定着ベルトに押圧す
る位置から見て、記録媒体の搬送方向の上流側近傍に配
置されていることが好ましい。
【0134】上記構成によれば、トナーを軟化・溶融し
た後、定着ベルトに圧接させて定着と同時に冷却するこ
とになる。それゆえ、非常に安定した定着性を発揮する
ことができる。また、沿路部位の最上流でトナーの定着
と冷却を開始することができるので、沿路部位全体でト
ナーを定着・冷却することが可能になり、沿路部位の間
隔を最低限の間隔とすることが可能となる。その結果、
定着装置の用紙搬送方向におけるサイズを小さくするこ
とができるという効果を奏する。
【0135】本発明にかかる画像形成装置は、以上のよ
うに、上記構成の定着装置と、トナー像を形成して記録
媒体の像形成面に転写する画像形成手段とを備えている
構成である。
【0136】上記構成では、定着手段として、少ない熱
量で定着を実施できるとともに、オフセット現象の発生
を確実に回避することができるものを備えていることに
なる。しかも、定着装置を、小型で熱効率がよく立ち上
がりの早いものとすることができる。その結果、安定し
た定着を実現できるより小型の画像形成装置を得ること
ができるという効果を奏する。
【0137】本発明にかかる画像形成装置は、上記構成
に加えて、それぞれ異なる色のトナー像を形成する画像
形成手段を複数備えていることが好ましい。
【0138】上記構成では、複数のトナー像を形成する
カラー画像形成装置においては、カラートナーが比較的
低温で溶融するために、シャープな定着性を発揮できる
が、逆に、十分に冷却しないとオフセット現象が発生し
易くなる。しかしながら、上記定着装置備えているため
に、オフセット現象の発生し易いカラートナーであって
も、簡素な構成で確実に定着させることができるという
効果を奏する。
【0139】本発明にかかる画像形成装置は、上記構成
に加えて、上記定着装置における定着ベルトが、画像形
成手段で形成されたトナー像を一旦転写して保持した後
に、記録媒体に再転写する中間記録媒体を兼ねることが
好ましい。
【0140】上記構成では、上記定着装置を中間転写ベ
ルトを有する画像形成装置に装備すれば、定着ベルトを
改めて設ける必要がなくなり、画像形成装置全体の構成
を簡素化・小型化することができるという効果を奏す
る。特に、中間転写ベルトを備えるカラーが像形成装置
に対して好ましく適用することができるという効果を奏
する。また、ベルト構造そのものが設計に大きな自由度
を有しているため、中間転写ベルトと定着ベルトとを兼
用した画像形成装置においては、画像形成位置(トナー
像の転写位置)、加熱位置、定着位置(トナーの冷却位
置)、剥離位置などのレイアウトを自由に設定すること
ができるという効果も併せて奏する。
【0141】本発明にかかる定着方法は、以上のよう
に、加熱工程でトナーが選択的に加熱された記録媒体の
像形成面を、記録媒体の搬送経路に沿って直面するよう
に張り渡された定着ベルトの外周面に対して押圧して接
触させる押圧工程と、定着ベルトの外周面に接触した状
態にある記録媒体を、該定着ベルトの移動に伴って搬送
する定着工程と、所定距離搬送された記録媒体を定着ベ
ルトの外周面から剥離する剥離工程とを含んでいる方法
である。
【0142】上記方法では、加熱工程でトナーを選択的
に加熱するので熱効率を向上させるとともに加熱を迅速
に行うことができる。しかも、押圧工程および定着工程
で、記録媒体を常温の定着ベルトに接触させた状態で搬
送するため、トナーを十分にかつ確実に冷却・定着する
ことができる。その後、剥離工程では、トナーが十分記
録媒体に固着しているので、記録媒体の剥離時において
オフセット現象の発生を容易かつ確実に防止することが
可能となる。その結果、オフセット現象の発生を確実に
防止できるとともに、小型で熱効率がよく迅速に定着が
できる定着方法を実現することができるという効果を奏
する。
【0143】本発明にかかる定着方法は、上記方法にお
いて、上記非接触方式の加熱が、誘導加熱によってなさ
れるとともに、上記トナーが、電磁誘導によって発熱す
る発熱物質を含んでいる方法である。
【0144】上記方法では、トナーが電磁誘導によって
発熱する発熱物質を含んでいるため、誘導加熱手段によ
ってトナーを容易かつ確実に発熱させることができる。
その結果、トナーのみを選択的に加熱することができる
という効果を奏する。
【0145】本発明にかかる定着方法は、上記方法にお
いて、上記トナーに含まれる発熱物質が軟磁性体である
方法である。
【0146】上記方法では、残留磁束密度が小さく、高
周波特性に優れている軟磁性体を用いるため、加熱に際
して電磁界の切り換えが高周波でなされても、トナーの
残留磁気エネルギーを小さくすることができる。そのた
め、電磁界を取り去った後でもトナーにほとんど磁性が
残存しないので、磁性の残存によってトナーが反発して
飛散が生じることを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態にかかる定着装置の
構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す定着装置を備える本発明にかかる画
像形成装置の要部の構成を示す模式図である。
【図3】図1に示す定着装置の他の構成を示す模式図で
ある。
【図4】本発明の第二の実施の形態にかかる定着装置の
構成を示す模式図である。
【図5】図4に示す定着装置の他の構成を示す模式図で
ある。
【図6】本発明の第三の実施の形態にかかる画像形成装
置の要部の構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第四の実施の形態にかかる定着装置の
構成を示す模式図である。
【図8】図7に示す定着装置の他の構成を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
5 用紙(記録媒体) 6 トナー 10a 定着装置 10b 定着装置 10c 定着装置 10d 定着装置 10e 定着装置 11 加熱部(加熱手段) 12 定着ベルト 13 加圧ローラ(押圧手段) 14 ベルトローラ(ロール部材) 15 光学加熱部(加熱手段) 20 画像形成部(画像形成手段) 30 用紙搬送経路 121 沿路部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/01 114 G03G 15/16 101 3K059 15/16 101 H05B 6/14 H05B 6/14 G03G 9/08 301 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA21 CB03 CB04 FA06 FB01 2H030 AB02 AD04 BB23 BB42 BB63 2H033 AA09 AA21 BA11 BA15 BA25 BA29 BB28 BB33 BB37 BB38 BE06 BE09 CA07 CA30 2H200 GA12 GA23 GA34 GA44 GA47 GB22 GB40 JC04 JC07 JC09 3F049 AA10 BA01 DA03 EA21 LA02 LA07 LB03 3K059 AA08 AB19 AB28 AD32 AD37

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非接触方式により、記録媒体の像形成面に
    トナー像を形成するトナーを選択的に加熱する加熱手段
    を備える定着装置において、 さらに、無端状に形成され、複数のロール部材により回
    転可能に張り巡らされているとともに、記録媒体の搬送
    経路に沿って直面するように張り渡された沿路部位が含
    まれている定着ベルトと、 加熱された記録媒体の像形成面を、定着ベルトにおける
    沿路部位の外周面に押圧して接触させる押圧手段とを備
    えていることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】上記加熱手段が、誘導加熱手段であること
    を特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 【請求項3】上記誘導加熱手段が、空芯コイルを備えて
    いることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 【請求項4】上記加熱手段が、定着ベルトの内周側とな
    る位置に配置されていることを特徴とする請求項1、2
    または3記載の定着装置。
  5. 【請求項5】上記加熱手段が、記録媒体を定着ベルトに
    押圧する位置に配置されていることを特徴とする請求項
    1ないし4の何れか1項に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】上記加熱手段が、記録媒体を定着ベルトに
    押圧する位置から見て、記録媒体の搬送方向の上流側近
    傍に配置されていることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の定着装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか1項に記載の定
    着装置と、 トナー像を形成して記録媒体の像形成面に転写する画像
    形成手段とを備えていることを特徴とする画像形成装
    置。
  8. 【請求項8】それぞれ異なる色のトナー像を形成する画
    像形成手段を複数備えていることを特徴とする請求項7
    記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】上記定着装置における定着ベルトが、画像
    形成手段で形成されたトナー像を一旦転写して保持した
    後に、記録媒体に再転写する中間記録媒体を兼ねること
    を特徴とする請求項7または8記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】非接触方式により、記録媒体の像形成面
    にトナー像を形成するトナーを選択的に加熱する加熱工
    程を実施することで、記録媒体にトナー像を定着する定
    着方法において、 加熱された記録媒体の像形成面を、記録媒体の搬送経路
    に沿って直面するように張り渡された定着ベルトの外周
    面に対して押圧して接触させる押圧工程と、 定着ベルトの外周面に接触した状態にある記録媒体を、
    該定着ベルトの移動に伴って搬送する定着工程と、 所定距離搬送された記録媒体を定着ベルトの外周面から
    剥離する剥離工程とを含んでいることを特徴とする定着
    方法。
  11. 【請求項11】上記非接触方式の加熱が、誘導加熱によ
    ってなされるとともに、 上記トナーが、電磁誘導によって発熱する発熱物質を含
    んでいることを特徴とする請求項10記載の定着方法。
  12. 【請求項12】上記トナーに含まれる発熱物質が軟磁性
    体であることを特徴とする請求項11記載の定着方法。
JP2001065601A 2001-03-08 2001-03-08 定着装置およびこれを備える画像形成装置、並びに定着方法 Pending JP2002268420A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7127202B2 (en) 2003-06-26 2006-10-24 Ricoh Company, Ltd. Intermediary transfer apparatus, fixing apparatus and image forming apparatus
JP2015179190A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、定着装置、乾燥装置、現像剤及び像形成用液滴

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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