JP2002267987A - 偏向走査装置 - Google Patents

偏向走査装置

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JP2002267987A
JP2002267987A JP2001065373A JP2001065373A JP2002267987A JP 2002267987 A JP2002267987 A JP 2002267987A JP 2001065373 A JP2001065373 A JP 2001065373A JP 2001065373 A JP2001065373 A JP 2001065373A JP 2002267987 A JP2002267987 A JP 2002267987A
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shaft
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Akihiro Fukutomi
章宏 福冨
Mikio Nakasugi
幹夫 中杉
Kazumi Sato
一身 佐藤
Shinya Kumagai
真也 熊谷
Hajime Mori
源 森
Tadashi Arai
忠 新井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品形状の複雑化やコストアップを招くこと
のない簡素な構造でありながら軸受部品の組み付けミス
を確実に防止し得る構造の偏向走査装置を提供する。 【解決手段】 回転多面鏡を支持する回転軸22に取り
付けられる第1の永久磁石29aは、回転軸22と同心
的なリング状の形状からなり、S極側の端面の内周縁に
面取り30aが形成されている。この面取り30aによ
って磁極の向きを識別可能とする。また、回転軸22の
下端面41に寸法管理用の印を付すとともに、第1の永
久磁石29aを透光性を有する紫外線硬化型接着剤40
で接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同心的に相対回転
自在に組み付けられた軸部材およびスリーブ部材のうち
いずれか一方の部材に取り付けた回転多面鏡で光束を偏
向走査する偏向走査装置に関し、特にその回転多面鏡の
取り付けられた部材を永久磁石の磁気力によって浮揚支
持する軸受機構を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の偏向走査装置は、た
とえば、レーザビームプリンタ・複写機・ファクシミリ
等の電子写真方式の画像形成装置に広く利用されてい
る。
【0003】図4は、従来の偏向走査装置の要部の構造
を示す断面図である。同図に示すように、この種の偏向
走査装置は、光束(光ビーム)を偏向するための回転多
面鏡110を駆動モータで高速度で回転駆動するように
なっており、通常、駆動モータの軸受機構には空気動圧
軸受が用いられる。
【0004】空気動圧軸受は、概略、回転多面鏡110
が取り付けられる回転部材たる回転軸(軸部材)12
2、および回転軸122を回転自在に支持する固定部材
たる固定スリーブ(スリーブ部材)128を備えて構成
される。回転軸122と固定スリーブ128の間には所
定のクリアランスが設けられており、回転軸122の高
速回転によって両者の間に空気膜が形成されて、回転軸
122が固定スリーブ128に対し非接触で回転するよ
うになる。
【0005】そして、回転軸122の下端面に第1の永
久磁石129aを固着するとともに、この第1の永久磁
石129aと対向するように固定スリーブ128側に第
2の永久磁石129bを設けて、これら第1,第2の永
久磁石129a,129bの磁気力(引力)によって回
転軸122を軸方向(スラスト方向)に浮揚支持する磁
気スラスト軸受を構成している。また、回転軸122の
下方にはスラストカバー121aで密閉された空気溜り
が形成される。こうして、磁石による引力と空気溜りに
よるエアダンパ作用との相乗効果によって、回転軸12
2のスラスト方向の振動を抑制し、作動安定性の向上を
図っている。
【0006】なお、図4に示したものとは異なる構成と
して、軸部材を固定にして、回転多面鏡を取り付けた回
転スリーブ(スリーブ部材)をこの軸部材にかぶせるよ
うに装着する構成も知られている。この構成では回転ス
リーブが回転部材となる。この場合には、たとえば、回
転スリーブの下端面に第2の永久磁石を固着し、この第
2の永久磁石の下方に第1の永久磁石を設けて、両磁石
の斥力を利用することによって上記と同様の作用を奏す
る磁気スラスト軸受を構成することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、偏向走査
装置の軸受機構にあっては、上記空気動圧軸受の作用に
よって回転部材のラジアル方向の作動安定性を、上記磁
気スラスト軸受の作用によって回転部材のスラスト方向
の作動安定性を図り、回転多面鏡110の高速回転駆動
を可能としている。
【0008】しかし、上述したような従来構成の偏向走
査装置にあっては、軸受部の組立作業をする際に組み付
けミスを誘発してしまう要因を内包していた。
【0009】すなわち、図4に示すように、第1の永久
磁石129aや第2の永久磁石129bは対称形状から
構成されているために、取り付け時にあやまって所定の
向きとは反対の向きに取り付けてしまうおそれがあっ
た。一方の磁石を逆向きに取り付けてしまうと、磁石の
極性が反転し、本来引力(または斥力)を発生させねば
ならないところに斥力(または引力)が働くことにな
り、軸受の作動不良を招いてしまう。
【0010】磁石の取り付けミスを防止するために、た
とえば、軸部材やスリーブ部材に所定の形状の取り付け
穴を設けて、その穴形状に合致するように永久磁石の形
状を成形することも考えられるが、このような取り付け
穴の加工が軸部材やスリーブ部材の寸法精度に与える影
響、あるいはそれに伴うコストアップなどを考慮すると
現実的とはいえない。また、磁石取り付け部分の構造の
複雑化は空気溜りの容積のバラツキをも招き、エアダン
パ効果に悪影響を与えかねない。さらに、回転部材の作
動安定性を確保するために、第1および第2の永久磁石
を対称構造にして磁気力を一様にしなければならないと
いう要請もあり、上記のような加工を施すことは好まし
くなかった。
【0011】また、上記空気動圧軸受にあっては、軸部
材とスリーブ部材との間のクリランスの大きさは軸受部
に発生する動圧力を決定する大きな要因のひとつであ
る。したがって、所望の動圧を得るために、軸部材の軸
受部外径とスリーブ部材の軸受部内径は互いに厳密に寸
法管理され、両者の組み合わせが決定されている。
【0012】つまり、軸部材やスリーブ部材を作製する
際にロットの違いや加工機械の違いなどによってある程
度の寸法のバラツキが生じることは否めないため、加工
後に両部材の実寸法を計測するなどして、軸部材とスリ
ーブ部材との組み合わせをロット単位あるいは加工機械
単位で決定し、両部材間のクリアランスの大きさが所定
範囲内に収まるようにしているのである。この既定の組
み合わせを取り違えて組み付けてしまうと、適正な動圧
力が得られず軸受の作動不良を招いてしまう。
【0013】このような取り違えを未然に防ぐために
は、軸部材とスリーブ部材とを対応付ける印などを両部
材に明示することが容易であろうが、上記従来技術のよ
うな構成では、回転軸122の上端面は回転多面鏡11
0を支持するフランジ部材126で覆われ、下端面には
第1の永久磁石129aが取り付けられてしまっている
ため、そのような印を付す場所がない。なお、回転軸1
22の外周面は動圧発生部を構成しているので、その部
分に押印することは好ましくない。
【0014】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、部品形状の複雑化や
コストアップを招くことのない簡素な構造でありながら
軸受部品の組み付けミスを確実に防止し得る構造の偏向
走査装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、同心的に相対回転自在に組み付け
られる軸部材およびスリーブ部材と、該軸部材および該
スリーブ部材のうちいずれか一方の部材に取り付けられ
た回転多面鏡と、該回転多面鏡の取り付けられた前記部
材を磁気力によって軸方向に浮揚させる浮揚手段と、を
備えた偏向走査装置において、前記浮揚手段は、磁極の
向きを外観より識別可能な永久磁石を有してなることを
特徴とする。
【0016】こうした構成によれば、永久磁石を組み付
ける際に磁極を反対にして取り付けてしまうことを防止
できる。また、軸部材やスリーブ部材その他の部材に特
別な加工を要しないため、構造が簡素化される。
【0017】前記永久磁石は、S極の形状とN極の形状
とが異なるとよい。かかる形状の非対称性によって外観
より磁極の向きが識別可能となる。
【0018】前記永久磁石の一方の磁極の端部を面取り
することによって、S極の形状とN極の形状とを異なら
せるとよい。
【0019】前記永久磁石は、前記軸部材に設けられた
第1の永久磁石と、該第1の永久磁石と対向するように
前記スリーブ部材に設けられた第2の永久磁石とからな
り、前記面取りされる端部は、他方の永久磁石との対向
面の反対側に位置するようにするとよい。
【0020】こうした構成によれば、面取り部を設けて
も両磁石の間の磁気力にはほとんど影響を与えないた
め、軸部材およびスリーブ部材のうち回転側の部材(回
転部材)の作動安定性を損なうことなく磁石の組み付け
ミスの防止加工を施すことができる。
【0021】また、本発明にあっては、同心的に相対回
転自在に組み付けられる軸部材およびスリーブ部材と、
該軸部材および該スリーブ部材のうちいずれか一方の部
材に取り付けられた回転多面鏡と、該回転多面鏡の取り
付けられた前記部材を磁気力によって軸方向に浮揚させ
る浮揚手段と、を備えた偏向走査装置において、前記浮
揚手段は、前記軸部材の端面に固着される環状の永久磁
石を有してなり、該軸部材の同端面のうち該永久磁石の
内周側に位置する部分に、同軸部材を前記スリーブ部材
に組み付ける際に参照する印を付したことを特徴とす
る。
【0022】こうした構成によれば、軸部材とスリーブ
部材との組み付け時に上記印を確認することによって、
部材の取り違えなどのミスを防止することができる。ま
た、軸部材の端面に永久磁石を固着しても環の内側から
上記印を視認することができる。
【0023】前記永久磁石の内周側に透光性を有する接
着剤を充填して、該永久磁石を前記軸部材の端面に接着
するとよい。
【0024】このように接着すれば、永久磁石と軸部材
端面との接触面に接着剤を塗布する場合に比べて接着安
定性が増すとともに、接着剤が永久磁石の外周側にはみ
出して軸受部に侵入してしまうことを防止することがで
きる。また、透光性を有する接着剤を用いることによっ
て、接着後も軸部材端面に付された上記印を視認するこ
とができる。
【0025】前記永久磁石の内周面のうち、外部に露出
する側の端部を面取りするとよい。
【0026】この構成によれば、永久磁石と接着剤との
接触面積が増すので接着強度が高まる。また、この面取
りによって永久磁石の磁極の向きを識別することが可能
であるため、磁石の取り付けミスを防ぐことも可能とな
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0028】図1〜図3に、この発明に係る偏向走査装
置の一実施の形態を示す。この偏向走査装置は、レーザ
ビームプリンタ・複写機・ファクシミリ等の電子写真方
式の画像形成装置において、光ビームを感光体上に走査
する露光ユニットに用いられて好適なものである。
【0029】はじめに、図1を参照して、本実施の形態
の偏向走査装置についてその概要を説明する。図1は、
本実施の形態の偏向走査装置の概略構成を示す断面図で
ある。
【0030】同図において、光束(光ビーム)を偏向す
るための回転多面鏡10を回転させる回転モータ部20
は、概略、偏向走査装置の筐体である光学箱11に固定
されたモータハウジング21と、このモータハウジング
21によって固定支持された固定スリーブ(スリーブ部
材)28と、固定スリーブ28に同心的に回転自在に組
み付けられた回転軸(軸部材)22と、回転軸22にフ
ランジ部材26を介して固定されたロータ24と、これ
に対向するステータ25とを備えて構成される。
【0031】フランジ部材26は回転軸22の上端部に
装着されており、両部材はフランジ部材26の環状部1
7に回転軸22を焼き嵌めまたは接着することによって
結合される。また、回転多面鏡10はフランジ部材26
に対して押さえバネ27によって押圧され固定されてい
る。これによって、回転軸22・フランジ部材26・回
転多面鏡10・ロータ24が一体的に回転するようにな
る。
【0032】本実施の形態では、これらの回転体の構成
部材のうち、回転多面鏡10の上面とロータ24のヨー
ク部分に形成されたフランジ部にバランス溝31,32
を設け、この溝に重り33を接着固定している。
【0033】この重り33は次のように作用する。すな
わち、回転多面鏡10を高速度で回転させると、回転多
面鏡10・ロータ24を含む回転体全体の質量のアンバ
ランスによって動的不均衡が生じ、これに起因して回転
体の重心を中心とした振れ回り振動が発生することがあ
る。これは画像形成装置の画質を劣化させる原因となる
ため、上記のように重り33を接着することで回転体の
質量のアンバランスを低減しているのである。
【0034】上記構成において、駆動回路13からステ
ータ25に電流が供給されると、ステータ25が励磁さ
れてロータ24を回転させる。そして、ロータ24の回
転に伴って回転軸22、フランジ部材26および回転多
面鏡10が一体となって回転する。これによって、回転
多面鏡10に入射している光束の反射角が変化し、感光
ドラムの軸方向に光束の走査露光が行われる。
【0035】なお、回転モータ部20に粉じんなどが侵
入しないように、光学箱11の上部開口は光学箱11に
必要部品を組み込んだ上でフタ部材12によって閉塞さ
れる。
【0036】図2は、本実施の形態の偏向走査装置の軸
受部を拡大して示した断面図である。以下に、図2を併
せ参照して、本実施の形態の軸受部の構造を詳しく説明
する。
【0037】上記回転モータ部20の回転部材たる回転
軸22の軸受機構としては、いわゆる空気動圧軸受(ラ
ジアル空気軸受)を採用している。すなわち、回転軸2
2と固定スリーブ28との間に所定のクリアランスを設
けるとともに、回転軸22の外周面に軸方向(スラスト
方向)に沿った縦溝またはスパイラル溝を設けた構成と
なっている。
【0038】これにより、回転軸22が高速回転する
と、回転軸22外周面と固定スリーブ28内周面との間
の動圧発生部34に空気膜が形成され、回転軸22が固
定スリーブ28に対して非接触状態で回転するようにな
る。
【0039】一方、回転軸22の下方には、第1の永久
磁石29aおよび第2永久磁石29bが配置され、回転
軸22を磁気力によって軸方向に浮揚支持するための磁
気スラスト軸受が構成されている。
【0040】このうち第1の永久磁石29aは、回転軸
22と同心的なリング状の形状からなり、その一方の磁
極の端部が面取りされてS極の形状とN極の形状とが異
なった構成となっている。具体的には、図2に示すよう
に、第1の永久磁石29aのS極側の端面の内周端部に
面取り30aが形成されている。
【0041】そして、第1の永久磁石29aは、面取り
30aの形成された端面とは反対側の端面(本実施の形
態ではN極側の端面)が回転軸22の下端面41と接す
るように接着固定される。その接着にあっては、まず回
転軸22の下端面41に第1の永久磁石29aを設置
し、第1の永久磁石29aの内周側の空洞に透光性を有
する透過型紫外線硬化型接着剤40を充填した後、紫外
線を照射して接着固定する。
【0042】一方、固定スリーブ28とモータハウジン
グ21の間には、第1の永久磁石29aに対向するよう
に第2の永久磁石29bが接着固定されている。
【0043】第2の永久磁石29bも回転軸22と同心
的なリング状の形状からなり、その一方の磁極の端部が
面取りされてS極の形状とN極の形状とが異なる構成と
なっている。ただし、第2の永久磁石29bは、図2に
示すようにN極側の端面の外周端部に面取り30bを有
している。
【0044】そして、第2の永久磁石29bは、面取り
30bの形成された端面とは反対側の端面(本実施の形
態ではS極側の端面)が固定スリーブ28の下端面と接
するようにして、モータハウジング21に接着固定され
る。
【0045】こうして、第1の永久磁石29aと第2の
永久磁石29bは、軸方向に垂直な方向(径方向)に向
かい合った磁極が異種の磁極となるように配置されて、
互いに非接触な磁気スラスト軸受を構成する。具体的に
は、第1の永久磁石29aは上部がN極、下部がS極と
なっており、第2の永久磁石29bは上部がS極、下部
がN極となっている。したがって、回転軸22は2つの
永久磁石29a,29bの間に働く磁気力(引力)によ
り浮揚状態となる。
【0046】また、モータハウジング21の下端面には
スラストカバー21aが装着され、磁気スラスト軸受の
下方に空気溜りを形成している。スラストカバー21a
はモータハウジング21に完全に密着しており、一方、
回転軸22と固定スリーブ28との間のクリアランスは
僅かであるので、この空気溜りは十分に密閉された状態
となる。したがって、回転軸22が上下動した際にエア
ダンパとして作用し、回転軸22の軸方向の振動を減衰
させることができる。
【0047】以上述べた本実施の形態の構造によれば、
第1の永久磁石29aや第2の永久磁石29bを取り付
ける際に以下に述べるような多くの優れた効果が得られ
るようになる。
【0048】第1の永久磁石29aおよび第2の永久磁
石29bには、一方の磁極の端部に面取りが施されてい
るので、それぞれの永久磁石の極性を外観より目視で容
易に識別することが可能である。したがって、永久磁石
を接着する際に磁極を反対にして取り付けてしまうこと
を防止できる。
【0049】また、回転軸22、固定スリーブ28、モ
ータハウジング21などの取り付け側の部材に特別な加
工を施す必要がないため、構造を簡素化することができ
るとともに、これら取り付け側の部材の設計変更の自由
度が増す。特に、上記のエアダンパ効果を高めるために
は空気溜りの容積を小さく設計することが肝要であるた
め、これらの取り付け側の部材の設計自由度が高いこと
は非常に有利であるといえる。
【0050】また、第1の永久磁石29aの面取り30
aを内周端部に形成し、第2の永久磁石29bの面取り
30bを外周端部に形成することで、面取りされる端部
が他方の永久磁石との対向面の反対側に位置するように
なり、面取り30a,30bを設けた構成としても、両
磁石の間の磁気力にはほとんど影響を与えず、回転軸2
2の作動安定性を損なうことがない。
【0051】また、第1の永久磁石29aの内周側の空
洞部に接着剤を充填して接着するようにしたので、永久
磁石と回転軸22との接触面に接着剤を塗布する場合に
比べて接着安定性が増すとともに、接着剤が永久磁石の
外周側にはみ出して軸受部に侵入して軸受の作動に悪影
響を及ぼしてしまうことを防止することができる。
【0052】さらに、第1の永久磁石29aの面取り3
0aは、永久磁石の内周面のうち外部に露出する側の端
部(回転軸22との接触面とは反対側の端部)に形成さ
れ、この面取り30aは外部に向かって拡径するテーパ
面となっているため、永久磁石と接着剤との接触面積が
増すので接着強度がより高まる。加えて、紫外線を回転
軸22の下方より照射するにあたって、接着剤の充填領
域が開口の形状であるので、接着剤の硬化が促進され
る。すなわち短時間の紫外線照射で十分な接着強度を得
ることができるので、生産効率が向上し、コストダウン
を図ることもできる。
【0053】また、本実施の形態では、第1の永久磁石
29aの面取り30aをS極側に、第2の永久磁石29
bの面取り30bをN極側に設けることによって、永久
磁石を取り付けた際に両磁石の面取り30a,30bが
ともに下方にそろって配置されるようにしている。これ
により、永久磁石を取り付ける際にその取り付け方向で
迷うことがなくなる。
【0054】さて次に、図3を参照して、本実施の形態
の偏向走査装置におけるロータ部43(回転軸22)と
ステータ部44(固定スリーブ28)との組み付けにつ
いて詳しく説明する。図3は、ロータ部43をステータ
部44に組み付ける際の様子を示している。
【0055】同図3に示すように、回転軸22の下端面
41の中央部には、回転軸22の外径寸法を管理するた
めの印(本実施の形態では「a」)が押印されている。
すなわち、回転軸22の下端面41のうち第1の永久磁
石29aの内周側に位置する部分に上記印が付されてい
る。
【0056】一方、固定スリーブ28の上端面42に
は、固定スリーブ28の内径寸法を管理するための印
(本実施の形態では「A」)が押印されている。
【0057】空気動圧軸受は軸とスリーブとの僅かなク
リアランスに動圧を発生させることを特徴としており、
そのクリアランス寸法は動圧力を決定する要因のひとつ
である。したがって、上述したように、軸とスリーブの
外径および内径は互いに厳密に寸法管理され、両部材の
組み合わせがあらかじめ決定されている。
【0058】そこで、本実施の形態では、回転軸22の
下端面41と固定スリーブ28の上端面42に両部材を
対応付ける印を付しておき、ロータ部43(回転軸2
2)をステータ部44(固定スリーブ28)に組み付け
る際に上記印を確認できるようにしている。これによ
り、部材の取り違えなどのミスを防止することができる
ので、組立工程における信頼性が高くなり、偏向走査装
置の生産効率が向上する。
【0059】なお、従来例に示したような構造(図4)
では、回転軸の上端部にはフランジ部材が、下端部には
第1の永久磁石が取り付けられているため、回転軸の端
面に寸法管理用の印を付することはできないが、本実施
の形態によれば、第1の永久磁石29aをリング状の形
状で構成しているので、回転軸22の下端面41(磁石
の取り付け面)に上記印を押印することが可能となる。
【0060】また、第1の永久磁石29aは透光性を有
する紫外線硬化型接着剤40を用いて接着されているの
で、回転軸22に第1の永久磁石29aを接着固定した
後であっても、回転軸22の下端面41に押印された回
転軸22の外径寸法管理用の印を、接着剤を通して読み
取ることが可能となる。
【0061】なお、本発明に係る偏向走査装置は上記実
施の形態に限定されるものではなく、同実施の形態を適
宜変更した、例えば次のような形態として実現すること
もできる。
【0062】上記実施の形態では、固定スリーブ28に
てステータ部44を構成して回転軸22に回転多面鏡1
0を設ける構成としたが、固定軸によりステータ部を構
成して、回転多面鏡を取り付けた回転スリーブ(回転部
材)をこの固定軸にかぶせるように装着して軸受部を構
成してもよい。この構成においても、固定軸に設ける第
1の永久磁石や回転スリーブに設ける第2の永久磁石に
面取りを形成することによって、磁石の取り付けミスを
防止でき、また、固定軸および回転スリーブに寸法管理
用の印を付すことによって、固定軸と回転スリーブの取
り違えを無くすることができるなど、上記実施の形態と
同様の効果を得ることが可能である。
【0063】また、上記実施の形態では、第1の永久磁
石29aと第2の永久磁石29bとを径方向に対向する
ように設けたが、これらを軸方向に対向するように設け
てもよい。この場合は、両磁石の対向面に同じ磁極が向
き合うように配置して、斥力によって回転部材を浮揚さ
せることになる。このように同じ磁極を対向させる場合
は、その対向面に面取りを設けたとしても両磁石の間に
作用する斥力の強度は一様になるため、いずれの端部に
面取りを施しても好適である。
【0064】なお、上記実施の形態の場合にあっても、
第1の永久磁石29aの外周端部や第2の永久磁石29
bの内周端部に面取りを設けても構わない。このとき両
磁石の引力に多少の影響を与えることになるかもしれな
いが、磁石を組み付ける際のミスを防止する効果は得ら
れる。
【0065】また、磁気スラスト軸受を構成する永久磁
石の磁極の向きは上記実施の形態の向きに限られず、第
1の永久磁石29aと第2の永久磁石29bの磁極を上
下反転して取り付けてもよいことはいうまでもない。
【0066】また、永久磁石に形成する面取りの形状は
いかなる形状であってもよく、その面取りも全周的に形
成する必要はない。さらにいえば、面取りではなく、た
とえば永久磁石の一部分に切り欠きを設けたり、逆に突
起を設けるなどしてもよく、あるいはN極とS極の色を
違えたりするようにしてもよい。要するに、外観より永
久磁石の磁極の向きを識別可能であれば、永久磁石を取
り付ける際のミスを防止することが可能である。
【0067】また、当然のことながら、永久磁石を固定
するための接着剤は紫外線硬化型のものに限られず、透
光性を有する接着剤であれば構わない。この透光性の度
合いについていえば、回転軸に付された印が視認できる
程度の透光性でよく、無色透明である必要はない。な
お、接着剤としては硬化前に透光性がなくともよく、硬
化した後に透光性を有するようになれば構わない。
【0068】また、上記実施の形態では、回転軸22と
固定スリーブ28にそれぞれ軸外径およびスリーブ内径
の寸法を管理するための印を押印しているが、この印は
両部材の対応関係がわかるものであればいかなる印であ
ってもよい。たとえば、回転軸22や固定スリーブ28
のロットを管理する印や加工機械を示す印などが考えら
れる。なお、上記実施の形態では印の一例として英文字
を付していたが、この印は数字や絵柄や色票などであっ
ても構わないことはいうまでもない。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、磁極の
向きを外観より識別可能な永久磁石を用いて浮揚手段を
構成したので、永久磁石を組み付ける際に磁極を反対に
して取り付けてしまうことを防止でき、不良率の低下お
よび生産効率の向上を図り、ひいては偏向走査装置の信
頼性を向上させることができる。また、軸部材やスリー
ブ部材その他の部材に特別な加工を要しないため、部品
形状の複雑化やコストアップを招くことのない簡素な構
造で有効に組み付け防止を図ることができる。
【0070】また、永久磁石を取り付ける軸部材の端面
に同部材をスリーブ部材に組み付ける際に参照する印を
付すようにしたので、両部材の組み付け時に上記印を確
認することによって、部材の取り違えなどのミスを防止
することができ、不良率の低下および生産効率の向上を
図り、ひいては偏向走査装置の信頼性を向上させること
ができる。また、永久磁石の形状を環状に構成したの
で、軸部材の端面に永久磁石を固着した後でも環の内側
から上記印を視認することが可能である。
【0071】さらに、永久磁石の内周側に透光性を有す
る接着剤を充填して、該永久磁石を接着するようにすれ
ば、永久磁石と軸部材端面との接触面に接着剤を塗布す
る場合に比べて接着安定性が増すとともに、接着剤が永
久磁石の外周側にはみ出して軸受部に侵入してしまうこ
とを防止することができ、偏向走査装置の信頼性を向上
させることができる。また、透光性を有する接着剤を用
いることによって、接着後も軸部材端面に付された上記
印を視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る偏向走査装置の概略
構成を示す断面図である。
【図2】図1の偏向走査装置の軸受部を拡大して示した
断面図である。
【図3】図1の偏向走査装置においてロータ部をステー
タ部に組み付ける際の様子を示す説明図である。
【図4】従来の偏向走査装置の要部の構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
10 回転多面鏡 11 光学箱 12 フタ部材 13 駆動回路 17 環状部 20 回転モータ部 21 モータハウジング 21a スラストカバー 22 回転軸 24 ロータ 25 ステータ 26 フランジ部材 27 押さえバネ 28 固定スリーブ 29a 第1の永久磁石 29b 第2の永久磁石 30a,30b 面取り 31,32 バランス溝 33 重り 34 動圧発生部 40 紫外線硬化型接着剤 41 回転軸の下端面 42 固定スリーブの上端面 43 ロータ部 44 ステータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 一身 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 熊谷 真也 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 (72)発明者 森 源 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 (72)発明者 新井 忠 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 Fターム(参考) 2C362 BA08 BA10 2H045 AA28 3J011 AA20 BA02 CA02 KA02 3J102 AA01 AA08 BA03 BA17 BA18 CA02 CA17 CA22 DA03 DA07 DA28 GA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同心的に相対回転自在に組み付けられる軸
    部材およびスリーブ部材と、該軸部材および該スリーブ
    部材のうちいずれか一方の部材に取り付けられた回転多
    面鏡と、該回転多面鏡の取り付けられた前記部材を磁気
    力によって軸方向に浮揚させる浮揚手段と、を備えた偏
    向走査装置において、 前記浮揚手段は、磁極の向きを外観より識別可能な永久
    磁石を有してなることを特徴とする偏向走査装置。
  2. 【請求項2】前記永久磁石は、S極の形状とN極の形状
    とが異なることを特徴とする請求項1に記載の偏向走査
    装置。
  3. 【請求項3】前記永久磁石の一方の磁極の端部を面取り
    することによって、S極の形状とN極の形状とを異なら
    せたことを特徴とする請求項2に記載の偏向走査装置。
  4. 【請求項4】前記永久磁石は、前記軸部材に設けられた
    第1の永久磁石と、該第1の永久磁石と対向するように
    前記スリーブ部材に設けられた第2の永久磁石とからな
    り、前記面取りされる端部は、他方の永久磁石との対向
    面の反対側に位置することを特徴とする請求項3に記載
    の偏向走査装置。
  5. 【請求項5】同心的に相対回転自在に組み付けられる軸
    部材およびスリーブ部材と、該軸部材および該スリーブ
    部材のうちいずれか一方の部材に取り付けられた回転多
    面鏡と、該回転多面鏡の取り付けられた前記部材を磁気
    力によって軸方向に浮揚させる浮揚手段と、を備えた偏
    向走査装置において、 前記浮揚手段は、前記軸部材の端面に固着される環状の
    永久磁石を有してなり、該軸部材の同端面のうち該永久
    磁石の内周側に位置する部分に、同軸部材を前記スリー
    ブ部材に組み付ける際に参照する印を付したことを特徴
    とする偏向走査装置。
  6. 【請求項6】前記永久磁石の内周側に透光性を有する接
    着剤を充填して、該永久磁石を前記軸部材の端面に接着
    したことを特徴とする請求項5に記載の偏向走査装置。
  7. 【請求項7】前記永久磁石の内周面のうち、外部に露出
    する側の端部を面取りしたことを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載の偏向走査装置。
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