JP2002267129A - 廃棄物ガス化溶融処理方法 - Google Patents

廃棄物ガス化溶融処理方法

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JP2002267129A
JP2002267129A JP2001071805A JP2001071805A JP2002267129A JP 2002267129 A JP2002267129 A JP 2002267129A JP 2001071805 A JP2001071805 A JP 2001071805A JP 2001071805 A JP2001071805 A JP 2001071805A JP 2002267129 A JP2002267129 A JP 2002267129A
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waste
furnace
melting
sulfate
gasification
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JP2001071805A
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Masahiro Sudo
雅弘 須藤
Sunao Nakamura
直 中村
Masahiro Matsuura
正博 松浦
Yuichi Yamakawa
裕一 山川
Tsuneo Matsudaira
恒夫 松平
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛灰を不溶化処理するために添加する薬剤の
量が大幅に低減される廃棄物ガス化溶融処理方法を提供
すること。 【解決手段】 廃棄物を熱分解してガス化し、その残渣
を溶融して排出する廃棄物ガス化溶融処理方法におい
て、廃棄物ガス化溶融炉10に、廃棄物と、コークス
と、硫酸塩を含む物質又は硫酸塩を含む物質と石灰石を
装入し、これらの装入物が堆積されている炉内下部12
に酸素含有ガスを吹き込んで廃棄物をガス化溶融処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物のガス化溶融
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみやシュレッダーダストな
どの廃棄物を熱分解してガス化した後、燃焼させて高温
のガスを発生させ、その残渣を溶融しスラグにして排出
する廃棄物ガス化溶融処理技術の開発が進められてい
る。この技術は上記の特徴を有すると共に廃棄物の減容
化と残渣に含まれている重金属の不溶化が同時に達成さ
れる技術として注目されている。廃棄物をガス化溶融処
理する技術には幾つかの方法があるが、その一つとし
て、炉底部に堆積させたコークスを燃焼させて高温燃焼
帯を形成させ、この高温燃焼帯の上へ廃棄物を投入して
熱分解させてガス化し、熱分解残渣を溶融してスラグ化
する方法がある。
【0003】図3は上記従来の廃棄物ガス化溶融処理方
法を示す図である。この方法においては、竪型の廃棄物
ガス化溶融炉50にコークスを装入して炉底部に堆積さ
せ、酸素含有ガスを吹き込んでコークスを燃焼させるこ
とにより高温燃焼帯を形成させておき、この高温燃焼帯
の上へ廃棄物とコークスと石灰石を装入し、廃棄物を熱
分解させてガス化する。熱分解残渣は溶融してスラグに
なり、炉下部から排出される。熱分解ガスは二次燃焼炉
で燃焼後、ボイラなどの熱回収装置51へ導入されて熱
回収される。次いで、熱回収された排ガスに塩化水素な
どの酸性ガスを除去するための消石灰粉が吹き込まれ、
この排ガスは集塵機52へ導入されて除塵処理された
後、大気放散される。
【0004】集塵機52で捕集されたダスト(飛灰)に
は有害な重金属が含まれているので、その埋め立て処分
に際しては、法令により定められた方法によって飛灰中
の重金属を水に不溶性の形態にする(以下、不溶化と記
す)処理が行われる。この飛灰の不溶化処理において
は、多くの場合、処理操作が簡単な薬剤混練法が採用さ
れている。
【0005】薬剤混練法による場合、飛灰を不溶化処理
装置53へ装入し、液体キレート剤などの薬剤を加えて
混練し、重金属を不溶性の化合物にする処理が行われ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液体キレート
剤などの薬剤を使用する飛灰の不溶化処理においては、
非常に高価な薬剤を使用しなければならないので、飛灰
の処理コストが非常に高くなる。
【0007】本発明は、上記の問題を解決し、飛灰を不
溶化処理するために添加する薬剤の量を大幅に低減する
廃棄物ガス化溶融処理方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、廃棄物を熱分解してガ
ス化し、その残渣を溶融して排出する廃棄物ガス化溶融
処理方法において、廃棄物ガス化溶融炉に、廃棄物と、
コークスと、硫酸塩を含む物質又は硫酸塩を含む物質と
石灰石を装入し、これらの装入物が堆積されている炉内
下部に酸素含有ガスを吹き込んで廃棄物をガス化溶融処
理することを特徴としている。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、炉底部に堆積させたコークスに酸素含
有ガスを吹き込んで燃焼させることにより高温燃焼帯を
形成し、この高温燃焼帯へ硫酸塩を含む物質の少なくと
も一部を吹き込んで装入することを特徴としている。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の発明において、硫酸塩を含む物質が硫酸
カルシウムを含む物質又は硫酸マグネシウムを含む物質
であることを特徴としている。
【0011】本発明においては、飛灰が廃棄物ガス化溶
融炉から飛散する以前に、飛灰中に含まれる重金属を水
に不溶性の化合物にすることを図っている。炉内におけ
る重金属の不溶化は、酸素含有ガスを吹き込んで還元雰
囲気に維持された炉内に廃棄物を装入してガス化溶融処
理を行いながら、硫酸塩を含む物質を装入することによ
ってなされる。この重金属が不溶化される過程の反応は
次のような反応が進行するものと考えられる。
【0012】還元雰囲気に維持された炉内に、硫酸塩を
含む物質として、例えば、硫酸カルシウムを含む物質を
装入すると、次のような反応が起こって亜硫酸ガス(S
2)が生成する。或いはさらに反応が進行して硫化水
素(H2 S)や硫黄(S)が生成する。そして、この亜
硫酸ガスや硫化水素や硫黄、廃棄物のガス化残渣中の重
金属化合物、炭素又は一酸化炭素の三者の反応によっ
て、水に対する溶解度が非常に小さい重金属の硫化物が
生成するものと考えられる。
【0013】上記の反応が進行すると、残渣に含まれる
重金属の大部分が硫化物となり不溶化される。このた
め、廃棄物ガス化溶融炉から飛散する飛灰中の重金属類
も不溶化された状態になる。
【0014】 CaSO4 +C → CaO+SO2 +CO2 Pb+SO2+C → PbS+CO2 又、廃棄物ガス化溶融炉が竪型炉であって、炉底部にコ
ークスを堆積させて高温燃焼帯を形成し、この高温燃焼
帯(高温のコークス層)の上へ廃棄物を投入して熱分解
させる炉である場合に、硫酸塩を含む物質を高温燃焼帯
へ吹き込むと、上記の不溶化反応が効率よく進行する。
【0015】硫酸塩を含む物質を高温燃焼帯へ吹き込む
と、炉の下部で硫酸塩を含む物質が分解して亜硫酸ガ
ス、或いはさらに硫化水素や硫黄の蒸気が生成し、これ
らのガスが還元性ガスと一緒に炉内を上昇する。一方、
高温燃焼帯の上へ投入された廃棄物は熱分解されて、そ
の残渣が順次降下し、その残渣中の重金属化合物が上昇
してくるガスと反応して硫化物となり、飛灰中の重金属
類が不溶化される。
【0016】上記の硫酸塩を含む物質としては、硫酸カ
ルシウムか硫酸マグネシウムの何れかを含む物質を使用
するのがよい。このうち、硫酸カルシウムを含む物質と
しては、廃建材の一種である廃石膏ボード、石膏ボード
屑、廃石膏などの石膏類を使用することができる。この
ような石膏類の廃棄物を装入すると、重金属化合物の不
溶化処理と廃棄物処理を同時に行うことができる。又、
低コストで大量供給できるものとしては、排煙脱硫石膏
が挙げられる。
【0017】廃棄物及びコークスと共に装入する石灰石
は生成する溶融スラグの塩基度(CaO/SiO2
比)を調整して適度の流動性を付与するための成分調整
材として装入される。硫酸カルシウムや硫酸マグネシウ
ムを装入することにより、二つの効果が得られる。第一
の効果はガス化溶融炉から飛散する飛灰中の重金属化合
物を不溶化させることであり、第二の効果は生成する溶
融スラグの塩基度を調整することである。硫酸カルシウ
ムや硫酸マグネシウムを装入すると、前述のように、分
解してCaOやMgOが生成するので、このCaOやM
gOにより塩基度が調整される。なお、硫酸マグネシウ
ムを装入した場合に生成するMgOもCaOと同様に溶
融スラグに流動性を付与する役割をなす。
【0018】上記したように、硫酸カルシウムや硫酸マ
グネシウムを装入することにより、溶融スラグの塩基度
を調整し、流動性を付与することができるので、装入す
る石灰石量を低減することができる。
【0019】重金属を不溶化させるため装入する硫酸塩
を含む物質の量は、廃棄物の組成によって異なるが、例
えば、都市ごみのガス化溶融処理においては、硫酸塩が
石膏である場合、通常操業における石灰石装入量に対
し、重量比で約10%程度を装入すればよい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
一例の説明図である。10は廃棄物ガス化溶融炉であ
り、竪型で円筒形状に形成され、上部が拡径された形状
になっている。11は廃棄物装入装置であり、都市ごみ
や産業廃棄物或いは廃棄物焼却残渣などの廃棄物と共
に、コークス、石灰石、及び硫酸カルシウムを含む物質
の一種である石膏を投入するための装置である。
【0021】溶融炉10は、炉底部にコークスを堆積さ
せ、このコークスの層に酸素含有ガスを吹き込んで燃焼
させることにより高温燃焼帯を形成し、この高温燃焼帯
の上へ廃棄物を投入して熱分解させるようになってい
る。このため、溶融炉10は投入された廃棄物が炉内下
部12に形成される高温燃焼帯で溶融される構造になっ
ており、上部の拡径された部分はフリーボード部13に
なっている。14は炉頂部の中心に設けられた廃棄物の
装入口、15はガス排出口、16は溶融スラグの排出口
である。60は堆積されたコークスを燃焼させることに
より高温状態に維持され、廃棄物の熱分解残渣を溶融す
る高温燃焼帯である。又、61は高温燃焼帯60の上に
形成された廃棄物の流動化層である。投入された廃棄物
はこの流動化層で滞留している間に熱分解され、その残
渣は高温燃焼帯60で溶融される。
【0022】溶融炉下部の高温燃焼帯60が形成される
位置にはコークスを燃焼させる空気又は酸素富化された
空気を吹込むための主羽口17が設けられており、流動
化層61が形成される位置には投入された廃棄物を流動
化させる空気を吹込むための副羽口18が設けられてい
る。又、流動化層上方のフリーボード部13には高温燃
焼帯60及び流動化層61で生成した可燃性ガスを部分
燃焼させる空気を吹き込むための三段羽口19が設けら
れている。主羽口17、副羽口18、三段羽口19はそ
れぞれ複数本が設けられている。
【0023】40はガス溶融化炉10から排出された可
燃性ガスを燃焼させる二次燃焼炉、41は熱回収装置で
あるボイラである。42はボイラで熱回収された排ガス
を排ガスの浄化処理に適する温度まで冷却するための減
温塔、43は排ガス中の塩化水素などの酸性ガスを除去
するための石灰吹き込み装置、44はバグフィルタであ
る。45は送風機、46は煙突である。そして、47は
バグフィルタ44で捕集された飛灰中の重金属を不溶化
するための装置の混練機である。
【0024】上記構成の廃棄物ガス化溶融炉における廃
棄物のガス化溶融処理は次のように行なわれる。この実
施の形態においては、硫酸カルシウム又は硫酸マグネシ
ウムを含む物質として、廃建材の一種である廃石膏ボー
ドなどの破砕品を使用する。
【0025】都市ごみや産業廃棄物或いは廃棄物焼却残
渣などの廃棄物、コークス、石灰石、及び石膏がそれぞ
れ計量され、廃棄物投入装置11からガス化溶融炉10
内へ投入される。ガス化溶融炉10へ投入されたものの
うち、コークスは炉底部に堆積し、ここに主羽口17か
ら空気又は酸素富化された空気の熱風が吹き込まれる。
この空気又は酸素富化空気の吹き込みによって、炉内に
堆積されているコークスが燃焼し、高温燃焼帯60が形
成される。この際、主羽口17から吹き込まれる空気又
は酸素富化空気の量は、装入物が堆積された炉内下部1
2が還元性雰囲気に維持される範囲にとどめられる。
【0026】炉頂部から投入された廃棄物は高温燃焼帯
60の上方で、副羽口18から吹き込まれる空気によっ
て流動しながら滞留して流動化層61を形成する。廃棄
物は流動化している間に予熱され、熱分解して可燃性ガ
スを発生する。
【0027】石膏はコークスの堆積層である高温燃焼帯
60の上部で、SO2 、SなどのガスとCaOに分解さ
れる。あるいは、H2 O、H2 などと反応し、H2 Sを
生成する。又、石灰石は熱分解し、残渣がCaOとして
残る。
【0028】上記の熱分解によって生成したSO2 など
のガスは廃棄物の熱分解残渣に含まれる重金属類と反応
し、硫化物を生成する。これにより、飛灰中の重金属類
は硫化物となっているので、不溶化される。
【0029】廃棄物の熱分解残渣は上記の熱分解によっ
て生成したCaOとともに高温燃焼帯60で溶融され、
炉底部の排出口16から抜き出される。一方、流動化層
61で発生した可燃性ガスは、フリーボード部13にお
いて、三段羽口19から空気が吹込まれて部分燃焼し、
ガス排出口15から排出する。
【0030】廃棄物ガス化溶融炉から排出されたガス
は、二次燃焼炉40でさらに燃焼された後、ボイラ41
へ送られて熱回収される。次いで、熱回収された排ガス
に塩化水素などの酸性ガスを除去するために消石灰粉が
吹き込まれ、この排ガスは集塵機44へ導入されて除塵
された後、大気放散される。
【0031】集塵機44で捕集された飛灰中の重金属類
は殆どが不溶化されているが、ごく一部の重金属類が不
溶化されていない場合には、重金属類をさらに不溶化し
て溶出量を低減するために、排出された飛灰に少量の液
体キレート剤を加えて混練し、重金属類をさらに不溶化
する処理を行う。
【0032】図2は本発明の実施の形態に係る他の例の
説明図である。図2において、二次燃焼炉以降の構成が
図1と同じであるので、二次燃焼炉以降の記載は省略さ
れている。又、図1と同じ構成に係る部分については、
同一の符号を付し説明を省略する。
【0033】この実施の形態においては、石膏の粉末を
一時貯留する石膏貯槽20が設けられている。石膏貯槽
20から抜き出された石膏粉末が酸素富化空気によって
気流輸送され、廃棄物ガス化溶融炉内の高温燃焼帯60
へ吹き込まれるようになっている。21は定量切出し
機、22は主羽口17に接続された酸素富化空気配管で
ある。
【0034】上記構成のガス化溶融炉においては、高温
燃焼帯60へ吹き込まれた石膏が速やかに熱分解してS
2 などのガスになり、コークスの燃焼によって生成し
た還元性ガスと一緒に炉内を上昇する。そして、これら
のガスが熱分解されて降下してくる廃棄物の熱分解残渣
と向流で接触し、両者の間の反応が進行する。このた
め、熱分解残渣中の重金属類とSO2 などのガスが効率
よく反応し、硫化物となり、飛灰中の重金属類が不溶化
される。
【0035】図1及び図2に示す実施の形態において、
硫酸塩を含む物質を装入することにより、生成したSO
2 などのガスが熱分解残渣中の重金属類と反応し、硫化
物とするので、飛灰中の重金属類を不溶化することがで
きる。又、硫酸塩を含む物質として石膏を使用するが、
石膏を使用することにより、飛灰中の重金属類の不溶化
処理が行われる効果のほかに、次のような効果がもたら
される。
【0036】石膏源として、廃建材の一種である廃石膏
ボードや石膏ボード屑などの廃棄物を使用することがで
きるので、飛灰の不溶化処理と共に廃棄物の処理が行わ
れる。さらに、排煙脱硫石膏や廃石膏などを使用するこ
とができるので、その有効利用が図れる。
【0037】又、石膏などの硫酸塩を含む物質を装入す
ると、その分解生成物のカルシアやマグネシアが塩基度
調整材としての役割をなすので、従来から使用されてい
た石灰石の一部又は全部を石膏などの硫酸塩を含む物質
に置き換えることができる。このため、石灰石の購入費
が節減される。又、石灰石の装入量が減少するので、そ
の熱分解による炭酸ガスの発生量を減少する。
【0038】
【実施例】次に、本発明の実施例として、硫酸塩を含む
物質として石膏をガス化溶融炉に装入する試験を実施し
た結果を、石膏を装入しない通常操業時の結果と比較し
ながら説明する。
【0039】基本的な構成が図1と同じ廃棄物ガス化溶
融設備を使用して、都市ごみのガス化溶融処理をする試
験を実施した。各装入物は、都市ごみ800kg/h、
コークス64kg/h、石灰石36kg/h、廃石膏ボ
ード5kg/hの割合で装入した。廃石膏ボードは、通
常操業における石灰石の装入量に対し、CaO換算で約
1/10量を装入した。
【0040】そして、この操業中に集塵機で捕集された
飛灰を採取し、その成分分析を行った。この分析結果を
通常操業時の値(従来例)とともに表1に示す。この表
によれば、従来からその溶出が特に問題になっている鉛
が多量に含まれている。
【0041】次いで、この飛灰について、環境庁告示1
3号の方法により溶出試験を行った。この結果を、通常
操業時の値(従来例)とともに表2に示す。実施例と従
来例の鉛の溶出量には著しい差が生じた。従来例の鉛の
溶出量が95mg/lで、基準値を大幅に上回っている
のに対し、実施例の鉛の溶出量は基準値以下であり、鉛
の大部分が不溶化されていることが確認された。
【0042】これに対して、従来例においては、飛灰量
に対し5%の液体キレート剤を添加し混練することによ
って、はじめて鉛の溶出量が基準値を下回るようにな
る。
【0043】上記のように、本発明の方法によれば、飛
灰中の鉛の溶出を大幅に低減することができる。
【0044】なお、実施例においては、液体キレート剤
を添加することなく、飛灰中の鉛の大部分が不溶化さ
れ、その溶出量が基準値以下になったが、重金属類の溶
出量をさらに低減しようとする場合には、液体キレート
剤を添加する不溶化処理を併用することが望ましい。た
だし、その際の液体キレート剤の添加量は、飛灰に対し
て多くても1%でよい。
【0045】このため、たとえ、液体キレート剤を添加
する不溶化処理を併用したとしても、液体キレート剤の
添加量は従来例の1/5以下でよく、飛灰の不溶化処理
コストが大幅に低減される。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、廃棄物ガス化溶融炉
に、廃棄物及びコークスと共に硫酸塩を含む物質又は硫
酸塩を含む物質と石灰石を装入し、これらの装入物が堆
積されている炉内下部に、炉内下部が還元雰囲気に維持
される量の酸素含有ガスを吹き込んで廃棄物をガス化溶
融処理することにより、廃棄物が熱分解された残渣中の
重金属の大部分が水に不溶性の硫化物の形態になるの
で、飛灰中の重金属類を不溶化できる。そのため、飛灰
の埋め立て処分に際して不溶化処理が不要になる。又、
薬剤混練法を併用する場合でも、薬剤の添加量はごく少
量でよく、液体キレート剤などの高価な薬剤の使用量を
大幅に減少させることができる。このため、飛灰の不溶
化処理コストが大幅に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る一例の説明図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態に係る他の例の説明図であ
る。
【図3】従来の廃棄物ガス化溶融処理方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 廃棄物ガス化溶融炉 11 廃棄物装入装置 12 炉内下部 14 廃棄物の装入口 15 ガス排出口 16 溶融スラグの排出口 17 主羽口 18 副羽口 20 石膏貯槽 21 定量切出し機 22 酸素富化空気配管 44 バグフィルタ 47 重金属を不溶化するための装置の混練機 60 高温燃焼帯 61 廃棄物の流動化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 正博 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山川 裕一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 松平 恒夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K061 AA16 AB03 AC01 BA05 BA10 DA03 DA17 DA18 DB06 3K065 AA16 AB03 AC01 BA05 BA10 CA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を熱分解してガス化し、その残渣
    を溶融して排出する廃棄物ガス化溶融処理方法におい
    て、廃棄物ガス化溶融炉に、廃棄物と、コークスと、硫
    酸塩を含む物質又は硫酸塩を含む物質と石灰石を装入
    し、これらの装入物が堆積されている炉内下部に酸素含
    有ガスを吹き込んで廃棄物をガス化溶融処理することを
    特徴とする廃棄物ガス化溶融処理方法。
  2. 【請求項2】 炉底部に堆積させたコークスに酸素含有
    ガスを吹き込んで燃焼させることにより高温燃焼帯を形
    成し、該高温燃焼帯へ硫酸塩を含む物質の少なくとも一
    部を吹き込んで装入することを特徴とする請求項1に記
    載の廃棄物ガス化溶融処理方法。
  3. 【請求項3】 硫酸塩を含む物質が硫酸カルシウムを含
    む物質又は硫酸マグネシウムを含む物質であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物ガス化溶
    融処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102540977B1 (ko) * 2022-05-18 2023-06-14 한국지질자원연구원 전자 폐기물 처리 방법

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