JP2002265995A

JP2002265995A - 石鹸

Info

Publication number: JP2002265995A
Application number: JP2001064541A
Authority: JP
Inventors: Shizuko Watanabe; 静子渡邉
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2001-03-08
Filing date: 2001-03-08
Publication date: 2002-09-18

Abstract

(57)【要約】【課題】洗浄効果だけでなく、炎症を抑える効果など
や、皮膚組織の新陳代謝を促進する効果を石鹸に与え
る。【解決手段】脂肪酸塩である石鹸成分に、有機酸、二
価鉄と三価鉄の水溶性二量体鉄塩及びハーブエキスを添
加する。有機酸やハーブエキスは一種類だけでなく、複
数の有機酸やハーブエキスを使用することが好適であ
る。【作用】有機酸によって皮膚組織の新陳代謝が促進さ
れ、水溶性二量体鉄塩によって血液が活性化されて更に
新陳代謝が促進される。ハーブエキスによって抗炎症作
用などの効能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は様々な汚れや付着
物を洗浄するために使用する石鹸に関するものであり、
特に皮膚表面などの洗浄の他に、生物細胞の新陳代謝を
高めたり、抗炎症作用や治癒作用などの効能を有する石
鹸に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】脂肪酸の金属塩を主原料とした石鹸とし
て、粉状のものや固形のものなど様々なものが開発され
ている。これら石鹸を使用する主目的は、従来では何か
の汚れや付着物を洗浄することであった。人体の皮膚を
洗浄してきれいにする効果も、皮膚表面の脂分や汚れを
炭化水素によって取り込んで、水の中に持ち去ってしま
う作用によるものである。

【０００３】

【発明の解決しようとする課題】これら従来の石鹸の人
体に対する作用は、主目的の洗浄が文字通り主体であっ
て、その他の効果はごく副次的なものにすぎなかった。
一方、石鹸を使用して洗浄するというのも、皮膚の汚れ
を落す一方、化学作用によって逆に皮膚を傷つけている
という側面も合わせ持っている。手荒れなどの症例がそ
のひとつである。近年採用されている皮膚にやさしいと
いう植物材料を主成分とした添加材料なども、皮膚を傷
つけるのを軽減するという効果を発揮しているようであ
るが、積極的に皮膚の炎症を抑えたり、肌荒れなどの治
癒を目的とするものではなかった。

【０００４】更に必要な効果として、皮膚、つまりは肌
の新陳代謝の活性作用が望まれている。皮膚の新陳代謝
は皮膚組織のタンパク質合成によって行われるが、年月
を経た皮膚組織では、その合成能力が次第に失われてい
くものである。しかしながら、皮膚の炎症を抑えたりす
るだけでは、根本的な美肌効果を期待するのは不可能で
ある。その新陳代謝を促す効果が、石鹸を使用して洗浄
を行うことによって同時に得られることは、理想的なこ
とである。つまり、石鹸自体が強い新陳代謝を促す作用
を備えていれば、より大きな美肌効果を得ることになる
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明にかかる石鹸
は、有機酸と、二価鉄と三価鉄の水溶性二量体鉄塩及び
ハーブエキスを石鹸素材に添加することにより、肌の新
陳代謝促進、抗炎症、抗菌、治癒作用などの効果を同時
に得るようにして上記の課題を解決するものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】この発明にかかる石鹸は、有機酸
をその石鹸素材の中に添加している。石鹸素材として
は、従来の脂肪酸の金属塩が広く採用できる。例えばグ
リセリンと脂肪酸のアルカリ塩、パルミチン酸やステア
リン酸などのナトリウム塩など様々な石鹸の材料がその
素材として使用可能である。これに添加する有機酸とし
ては、クエン酸、リンゴ酸、アミノ酸などが広く採用で
きる。これら有機酸は、食物酢の中に多く含まれ、梅
酢、柿酢、リンゴ酢、米酢などを実際には添加する。ア
ミノ酸などは、皮膚組織の新陳代謝を促進する働きがあ
り、またその他の有機酸も血液をアルカリ性に変え、血
液の粘性を低め、皮膚組織の毛細血管での血液の滞留を
防止する。結果的に血液の流れを良くして新陳代謝を促
進する。

【０００７】同じく添加する物質として、二価鉄と三価
鉄の水溶性二量体鉄塩を添加する。鉄分は人体に不可欠
な要素であり、血液の活性に不可欠な金属である。その
鉄のうち、砂鉄と同成分で水溶性のものであって、二価
鉄と三価鉄が混合状態で存在する二量体で、それに塩化
物として結合したものである。鉄は人体には不可欠の物
質であり、水溶性二量体鉄塩は、人体に吸収されること
によって人体内で起る様々な化学反応に使用されるもの
で、これを吸収することで皮膚細胞はタンパク質合成能
力が高められ、また血液を活性化するという効能を有す
るものである。

【０００８】有機酸と水溶性二量体鉄塩は、その両者が
含まれた市販の製品によって得ることができる。具体的
には、株式会社赤塚から市販されている「パイロゲン」
（商標）があり、その液体の中に、複数の有機酸が酢の
ような液状体として含まれ、また水溶性二量体鉄塩が含
まれている。この製品を使用することによって、石鹸素
材に適宜割合の複数の有機酸と水溶性二量体鉄塩を添加
することが可能である。

【０００９】同じく添加する物質として、ハーブエキス
がある。ハーブとしては様々な香草が使用可能であり、
ラベンダー、カモマイル、ローズヒップ、ジャスミン、
マリーゴールド等様々なものが採用可能である。これら
ハーブにはそれぞれ抗炎症作用、発汗作用、抗菌・清浄
作用、鎮静作用、皮膚強壮作用、治癒作用、美肌・整肌
作用、デオドラント作用、アストリンゼンと作用、リラ
ックス作用、筋肉痛をやわらげる作用などのうち複数の
効能をそれぞれがもつことが確認されている。次の表１
に、ハーブの種類とその各ハーブが有する効能を示す。
付された丸印が効能を有することを意味している。

【００１０】

【表１】

【００１１】表1において理解できるように、これらハ
ーブを石鹸自体に与える効能を考慮して選択的に使用す
るものであって、実際は二種以上のハーブエキスを選択
して混入するのが好適である。ハーブエキスは、ハーブ
を煮沸した水の中で煮出して、その煮汁を煎じて抽出す
るものである。

【００１２】その他、石鹸素材に添加する物質としては
ミネラルウォーターがあり、単に通常の水を添加するの
ではなく、ミネラル分が豊富な水を添加することによ
り、肌にミネラル分を供給することになる。また、その
他の添加物として黒砂糖やハチミツなどの糖質がある。
黒砂糖は美白及び保湿の効能を有しており、ハチミツも
ミネラル分などの皮膚組織への吸収を促進して美白、保
湿の効能を有している。

【００１３】以上のような添加物を石鹸素材の中に添加
し、これを湯煎して型に流し込み、固形の石鹸として成
形する。或いは液状石鹸に添加物を添加して混練するこ
とによって液状の洗剤や石鹸とする。

【００１４】

【実施例】次に示すのは本発明の石鹸を製造した場合の
第一実施例であって、各添加物質は表２のようになる。
ハープエキスとしては複数種類を採用し、有機酸と水溶
性二量体鉄塩は、上記した既存の液体である「パイロゲ
ン」を使用して添加することにした。石鹸素材としては
アルカリ石鹸を使用し、石鹸成分（脂肪酸塩）以外は何
物も混入してない、いわゆる無添加のものを使用してい
る。

【００１５】

【表２】

【００１６】次の表３に示すのは第二実施例を示すもの
である。第二実施例では、有機酸や水溶性二量体鉄塩や
ハーブエキスの量を増やし、各種効能を強化している。

【００１７】

【表３】

【００１８】

【発明の効果】この発明は以上のような構成を有し、以
下の効果を得ることができる。アミノ酸などの有機酸を添加してあるため、石鹸によ
る肌の洗浄と同時に、皮膚の新陳代謝の促進を図り、皮
膚組織の再生能力を高めることができる。実験では、洗
浄した後、数時間若しくは数日経過後に、皮膚細胞の老
化した角質が肌からボロボロと落ちるという効果を見
た。これは細胞の新陳代謝が活性化して、新たな皮膚組
織に替わっていく現象を示している。二価鉄と三価鉄の水溶性二量体鉄塩を添加したため、
皮膚組織に浸透してタンパク質合成能力を高め、また血
液の活性を促すことができる。これはすなわち、新陳代
謝を更に高めるという効果を得ることができるもので、
皮膚組織の若返りを促し、美肌効果を高めるものであ
る。ハーブエキスを添加してあるので、各種ハーブにおい
て確認されている抗炎症作用や抗菌・清浄作用や皮膚強
壮作用などの効能を石鹸に与えることが可能であり、複
数のハーブエキスを採用して添加することによって目的
に応じた複数の効能を得ることができる。黒砂糖やハチミツエキスなどの糖質を添加すれば、皮
膚組織の美白効果や保湿効果を高めることが可能とな
る。各種ハーブエキスにはアロマセラピーといわれる香り
成分によるリラックス効果もあり、入浴時などのリラク
ゼイション効果を高めることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ１１Ｄ 9/30 Ｃ１１Ｄ 9/30 9/38 9/38

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】石鹸素材である脂肪酸塩に、有機酸、二
価鉄と三価鉄の水溶性二量体鉄塩及びハーブエキスを添
加してなる石鹸。
【請求項２】石鹸素材である脂肪酸塩に、有機酸、二
価鉄と三価鉄の水溶性二量体鉄塩、ハーブエキス及び糖
質を添加してなる石鹸。
【請求項３】有機酸として、クエン酸を使用してなる
請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項４】有機酸として、アミノ酸を使用してなる
請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項５】有機酸として、リンゴ酸を使用してなる
請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項６】有機酸として、二種以上の有機酸を使用
してなる請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項７】ハーブエキスとして、ラベンダー抽出液
を使用してなる請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項８】ハーブエキスとして、カモマイル抽出液
を使用してなる請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項９】ハーブエキスとして、ローズヒップ抽出
液を使用してなる請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項１０】ハーブエキスとして、ジャスミン抽出
液を使用してなる請求項１又は２記載の石鹸。
【請求項１１】ハーブエキスとして、マリーゴールド
抽出液を使用してなる請求項1又は２記載の石鹸。
【請求項１２】ハーブエキスとして、二種以上のハー
ブの抽出液を使用してなる請求項1又は２記載の石鹸。