JP2002265990A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】起泡性、洗浄効果、使用感（すすぎ時のぬるつ
きの無さ、洗浄後の保湿感）に優れた洗浄料組成物を提
供すること。 【解決手段】（Ａ）Ｎ−長鎖アシルアミノ酸塩５〜５０
質量％、（Ｂ）両性界面活性剤１〜４０質量％、（Ｃ）
マルチトール脂肪酸エステル０．１〜３０質量％を必須
成分として含有する洗浄剤組成物。さらに（Ｄ）水溶性
多価アルコールを含有する洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物に関
し、さらに詳細には、起泡性、洗浄効果に優れ、かつ使
用感の良好な洗浄剤組成物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗浄剤においてその目的や用途に
応じ、起泡性や洗浄力などを考慮して各種の界面活性剤
を選択したり、またはそれらを組み合わせることなどに
より要求品質を満たすことが行われてきた。中でも優れ
た起泡性、洗浄力から各種のアニオン性界面活性剤が洗
浄剤主成分として用いられる事が多く、その中でもＮ−
長鎖アシルアミノ酸塩は、皮膚や毛髪に対しての刺激感
が低い為、マイルド性の高さを特徴とした洗浄剤として
広く使用されている。しかしながら、Ｎ−長鎖アシルア
ミノ酸塩を単独で用いると起泡力に乏しく、泡質が粗い
など、使用感に欠点を有する傾向があった。一方、両性
界面活性剤はアニオン性界面活性剤と同様に洗浄剤の中
で重要な基剤の一つであった。両性界面活性剤は良好な
泡立ち、泡の感触（滑らかさ、クリィーミー感）を有
し、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸塩と組み合せることによ
り、洗浄中の泡立ちが良好でクリィーミーな泡立ちとな
ることが知られており（特開平１０−２３１４９８号公
報）、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸塩を含有した洗浄剤組成
物の補助洗浄剤として使用されてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ｎ−長
鎖アシルアミノ酸塩と両性界面活性剤の組合わせだけで
は洗浄剤組成物としての起泡性、洗浄力には優れている
ものの、すすぎ時にぬるつきが残り、洗浄後に十分な保
湿感が得られない場合があった。また毛髪に使用した場
合、きしみ感が残り、毛髪の滑らかさに欠ける場合があ
った。従ってＮ−長鎖アシルアミノ酸塩を含有する洗浄
剤組成物において起泡性及び洗浄効果が高く、すすぎ時
のぬるつきが無く、また洗浄後の肌がしっとりとして保
湿感に優れ、毛髪に使用してもきしみ感が無く、毛髪が
滑らかになる洗浄剤組成物の開発が望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者は上記欠点を克服すべく鋭意研究を行った結
果、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸塩、両性界面活性剤、マル
チトール脂肪酸エステルを必須成分として特定量含有す
ることにより、優れた起泡性及び洗浄効果、すすぎ時の
ぬるつきが無く、また洗浄後の肌がしっとりして保湿感
に優れること、毛髪が滑らかになることを見出し、本発
明を完成するに至った。

【０００５】すなわち、本発明は、（Ａ）Ｎ−長鎖アシ
ルアミノ酸塩５〜５０質量％、（Ｂ）両性界面活性剤１
〜４０質量％、（Ｃ）マルチトール脂肪酸エステル０．
１〜３０質量％を必須成分として含有することを特徴と
する洗浄剤組成物である。また好ましくは、成分（Ａ）
がＮ−長鎖アシルグルタミン酸塩である洗浄剤組成物で
ある。更に好ましくは、成分（Ｂ）の両性界面活性剤が
イミダゾリン型両性界面活性剤である洗浄剤組成物であ
る。また更に好ましくは成分（Ｄ）として水溶性多価ア
ルコールを含有する洗浄剤組成物である。

【０００６】以下、本発明について詳述する。本発明に
用いられる成分（Ａ）のＮ−長鎖アシルアミノ酸塩は、
皮膚や毛髪に対してマイルドな洗浄基剤として必須の成
分である。

【０００７】本発明に用いられる成分（Ａ）のＮ−長鎖
アシルアミノ酸塩の長鎖アシル基については特に制限さ
れないが、炭素数８〜２２の飽和の脂肪酸が良好に使用
でき、単一のアシル基、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪
酸、牛脂脂肪酸等から誘導されるアシル基、又はそれら
の混合物でも良い。成分（Ａ）のＮ−長鎖アシルアミノ
酸塩を構成するアミノ酸としてはグリシン、アラニン、
グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられ、Ｄ−体、
Ｌ−体、及びＤＬ−体の別を問わず使用できる。さら
に、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸の対塩基はナトリウム、カ
リウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、アルギ
ニン、リジン、ヒスチジン、オルチニン、オキシリジン
等を挙げることができる。本発明の成分（Ａ）として、
具体的にはＮ−パーム核油脂肪酸アシルグリシンアンモ
ニウム、Ｎ−ステアロイルアラニンナトリウム、Ｎ−ミ
リストイルアスパラギン酸トリエタノールアミン、Ｎ−
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、Ｎ−ラウロイルグ
ルタミン酸トリエタノールアミン、Ｎ−ヤシ油脂肪酸ア
シルグルタミン酸カリウム、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシルグ
ルタミン酸トリエタノールアミン、Ｎ−ヤシ油脂肪酸ア
シルグリシンカリウム等が挙げられる。これらは必要に
応じて一種または二種以上を適宜選択して用いることが
できる。特にこれらの中でもマイルドな洗浄効果をより
得るためにはＮ−アシルグルタミン酸塩が好ましく、具
体的にはＮ−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、Ｎ−
ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、Ｎ−ヤ
シ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、Ｎ−ヤシ油脂
肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミンが挙げら
れる。更に詳しく例示すると本発明における成分（Ａ）
のＮ−長鎖アシルアミノ酸塩としてはアミソフトＬＳ−
１１、アミソフトＬＴ−１２、アミソフトＣＫ−１１等
のアミソフトシリーズ、アミライトＧＣＫ−１２（味の
素社製）、アミノサーファクトＣＭＴ―Ｌ（旭化成工業
社製）等の市販品を使用することができる。

【０００８】本発明で使用される成分（Ａ）のＮ−長鎖
アシルアミノ酸塩は、全組成中５〜５０質量％（以下、
単に「％」と記す）であればよく、より好ましくは１０
〜４０％である。５％未満では十分な洗浄効果を得るこ
とができず、５０％を超えるとすすぎ時や洗浄後のぬる
つき感が強くなり、さっぱりとした感触が得られない。

【０００９】本発明に用いられる成分（Ｂ）の両性界面
活性剤は、洗浄剤の重要な基剤の一つであり、本発明に
おいては成分（Ａ）のＮ−長鎖アシルアミノ酸塩の洗浄
機能をより高め、良好な起泡性と洗浄効果を付与し、ま
た泡の滑らかさやクリーミィー感等、泡の感触を相乗的
に向上させる目的で含有されるものである。

【００１０】本発明に用いられる成分（Ｂ）の両性界面
活性剤は、通常の洗浄剤に使用される両性の界面活性剤
であれば特に限定されないが、酢酸ベタイン型両性界面
活性剤又はイミダゾリン型両性界面活性剤が好ましく、
また中でもイミダゾリン型両性界面活性剤が良好な起泡
性と洗浄効果を付与し、また泡の滑らかさやクリーミィ
ー感等、泡の感触を相乗的に向上させる効果がより高い
ことから好ましい。具体的には、酢酸ベタイン型両性界
面活性剤としては、オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アル
キルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチル
アミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベ
タイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸
ベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタ
イン、セチルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等
が挙げられ、、また、イミダゾリン型両性界面活性剤と
しては２−アルキル−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、Ｎ−ヤシ油脂
肪酸−Ｎ−カルボキシエチル−Ｎ−ヒドロキシエチルエ
チレンジアミンナトリウム、Ｎ−ヤシ油脂肪酸−Ｎ−カ
ルボキシメトキシエチル−Ｎ−カルボキシメチルエチレ
ンジアミン二ナトリウム、Ｎ−ヤシ油脂肪酸−Ｎ−カル
ボキシエトキシエチル−Ｎ−カルボキシエチルエチレン
ジアミン二ナトリウム等が挙げらる。これらは必要に応
じて一種または二種以上を適宜選択して用いることがで
きる。更に詳しく例示すると成分（Ｂ）の両性界面活性
剤は市販品として、リカビオンＡ−１００、リカビオン
Ｂ−２００（新日本理化社製）、ＲＥＷＯＴＥＲＩＣＡ
Ｍ（ゴールドシュミット社製）、ＭＩＲＡＮＯＬ Ｃ２
Ｍ（ローヌ・プーラン社製）等を使用することができ
る。

【００１１】本発明で使用される成分（Ｂ）の両性界面
活性剤は、全組成中１〜４０％であればよく、さらに５
〜３０％であれば良好な起泡性と洗浄効果及び良好な泡
の感触を得るためにより好ましい。１％未満では良好な
起泡性と洗浄効果及び泡の感触が得られず、４０％を超
えるとすすぎ時や洗浄後にぬるつきを感じるようにな
る。

【００１２】本発明に用いられる成分（Ｃ）のマルチト
ール脂肪酸エステルは、本発明においては、すすぎ時の
ぬるつき感を低減させ、さっぱりとした感触を与えると
ともに、皮膚に用いた場合良好な保湿感を付与し、毛髪
に用いた場合、毛髪に良好な滑らかさを付与する為に不
可欠の成分である。

【００１３】本発明に用いられる成分（Ｃ）のマルチト
ール脂肪酸エステルは、特に限定されないが、具体的に
例示するのであれば、脂肪酸基としてラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、スタアリン酸、オレイン酸、
リシノール酸、イソステアリン酸等が挙げられる。これ
らは必要に応じて一種又は二種以上を適宜選択して用い
ることができる。

【００１４】本発明において、成分（Ｃ）のマルチトー
ル脂肪酸エステルは、全組成中０．１〜３０％であれば
よく、さらに０．５〜２０％であれば、すすぎ時のぬる
つき感が無く、さっぱりとした感触を得るためにより好
ましい。０．１％未満ではぬるつき低減効果及び洗浄後
の保湿感を十分に得ることができず、また３０％を超え
るとべたついたり、ぬるつき感など使用感を損なう。

【００１５】本発明には、更なる使用感向上を目的とし
て成分（Ｄ）の水溶性多価アルコールを含有することも
可能である。水溶性多価アルコールは、洗浄後の保湿感
を更に向上させる。

【００１６】本発明に用いられる成分（Ｄ）の水溶性多
価アルコールを具体的に例示するのであれば、分子内に
２個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコールであ
り、例えば、プロピレングリコール、１，３−ブチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコ
ール等のグリコール類、グリセリン、ポリグリセリン等
のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ
糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、ペンタエリス
リトール等を挙げることができる。これらは必要に応じ
て一種または二種以上を適宜選択して用いることができ
る。

【００１７】本発明において、成分（Ｄ）の水溶性多価
アルコールの含有量は特に限定されないが、洗浄後の保
湿感をより向上させるためには、全組成中０．１〜４０
％が好ましく、より好ましくは１〜３０％である。

【００１８】本発明の洗浄剤組成物は、乳液状、クリー
ム状、固形状いずれでも良く、洗顔料、シャンプー、ボ
ディー用洗浄料等に適用することができる。

【００１９】本発明の洗浄剤組成物においては、上記必
須成分に加え、一般に洗浄剤組成物に配合される成分を
本発明の効果を損なわない範囲で配合することができ
る。例えば、上述した以外のアニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン
化セルロース、カチオン化グアガム、カルボキシビニル
ポリマー、メチルセルロース、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン共重合体等の高分子化合物、パール化
剤、ワックス、油剤、シリコーン、脂肪酸、美容成分、
無機粉体、有機粉体、アルカリ剤、香料、色素、酸化防
止剤、殺菌剤、防腐剤等を配合することができる。

【００２０】

【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明す
る。なお、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。

【００２１】実施例１〜１０及び比較例１〜６：洗顔料 下記表１及び表２に示す組成の洗顔料を調製した。得ら
れた洗顔料を（１）起泡性、（２）洗浄効果、（３）使
用感（すすぎ時のぬるつきの無さ）、（４）使用感（洗
浄後の保湿感）について下記の方法により評価し、結果
を併せて表１及び表２に示した。

【００２２】

【表１】

【００２３】

【表２】

【００２４】（製造方法） Ａ：成分（１）〜（５）及び（７）〜（８）を加熱混合
し、７０℃に保つ。 Ｂ：Ａを５０℃まで冷却し、成分（６）を加え、さらに
冷却して洗顔料を得た。

【００２５】（１）〜（４）官能評価試験 １５名の専門パネラーに、毎日朝と夜の２回、２週間に
わたって洗顔してもらい、（１）起泡性、（２）洗浄効
果、（３）使用感（すすぎ時のぬるつきの無さ）、
（４）使用感（洗浄後の保湿感）のそれぞれの評価項目
について下記（イ）絶対評価基準を用いて７段階評価を
してもらった。その後、各試料の評点の平均値を（ロ）
４段階判定基準を用いて判定した。

【００２６】評価項目 〈１〉起泡性 〈２〉洗浄効果 〈３〉使用感（すすぎ時のぬるつきの無さ） 〈４〉使用感（洗浄後の保湿感） （イ）絶対評価基準 （評点） （評価） ６ ： 非常に良い ５ ： 良い ４ ： やや良い ３ ： 普通 ２ ： やや悪い １ ： 悪い ０ ： 非常に悪い （ロ）４段階判定基準 （評点の平均値） （判定） ５．０を超えるもの ： ◎ ３．０を超えて、５．０迄のもの ： ○ １．０を超えて、３．０迄のもの ： △ １．０以下のもの ： ×

【００２７】表１及び表２の結果から明らかなように本
発明の実施例１〜１０の洗顔料は比較例１〜６と比較し
て、起泡性、洗浄効果、すすぎ時のぬるつきの無さ、洗
浄後の保湿感に優れた洗顔料であった。

【００２８】

【００２９】（製造方法） Ａ：成分（１）〜（６）及び（８）を加熱混合し、７０
℃に保つ。 Ｂ：Ａを５０℃まで冷却し、成分（７）を加え、さらに
冷却してシャンプーを得た。

【００３０】実施例１１で得られたシャンプーは、起泡
性、洗浄効果、すすぎ時のぬるつきの無さ、毛髪の滑ら
かさに優れたシャンプーであった。

【００３１】

【００３２】（製造方法） Ａ：成分（１）〜（６）及び（８）を加熱混合し、７０
℃に保つ。 Ｂ：Ａを５０℃まで冷却し、成分（７）を加え、さらに
冷却してボディソープを得た。

【００３３】実施例１２で得られたボディソープは、起
泡性、洗浄効果、すすぎ時のぬるつきの無さ、洗浄後の
保湿感に優れたボディソープであった。

【発明の効果】以上述べたように、本発明の洗浄剤組成
物は、優れた起泡性及び洗浄効果、優れた使用感（すす
ぎ時のぬるつきの無さ、洗浄後の保湿感）が得られ、優
れた品質を有するものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１１Ｄ 1/90 Ｃ１１Ｄ 1/90 3/20 3/20 Ｆターム(参考） 4C083 AB332 AC111 AC122 AC441 AC442 AC472 AC532 AC642 AC661 AC662 AC711 AC712 AC782 BB07 CC22 CC23 CC38 4H003 AB08 AB09 AB10 AB31 AB46 AC03 AD04 BA01 BA12 BA15 DA02 EA19 EB04 EB07 ED02 FA17 FA18 FA21 FA23

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】次の成分（Ａ）〜（Ｃ）、 （Ａ）Ｎ−長鎖アシルアミノ酸塩５〜５０質量％ （Ｂ）両性界面活性剤１〜４０質量％ （Ｃ）マルチトール脂肪酸エステル０．１〜３０質量％ を必須成分として含有することを特徴とする洗浄剤組成
   物。
2. 【請求項２】成分（Ａ）がＮ−長鎖アシルグルタミン酸
   塩であることを特徴とする請求項１記載の洗浄剤組成
   物。
3. 【請求項３】成分（Ｂ）の両性界面活性剤がイミダゾリ
   ン型両性界面活性剤であることを特徴とする請求項１又
   は２のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
4. 【請求項４】さらに成分（Ｄ）として水溶性多価アルコ
   ールを含有することを特徴とする請求項１〜３のいずれ
   かに記載の洗浄剤組成物。