JP2002265835A - 水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法

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JP2002265835A
JP2002265835A JP2001074536A JP2001074536A JP2002265835A JP 2002265835 A JP2002265835 A JP 2002265835A JP 2001074536 A JP2001074536 A JP 2001074536A JP 2001074536 A JP2001074536 A JP 2001074536A JP 2002265835 A JP2002265835 A JP 2002265835A
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Japan
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ink composition
ink
water
jet recording
magenta ink
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Application number
JP2001074536A
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English (en)
Inventor
Junko Yoshioka
純子 吉岡
Yasuo Shirasaki
康夫 白崎
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有
し、且つ記録物の堅牢度が強いマゼンタ色の化合物およ
び水性インク組成物及び同組成物を用いるインクジェッ
ト記録方法の提供。 【解決手段】C.I.Acid Red 82及びC.
I.Acid Red 289を含有する水性マゼンタ
インク組成物。濃色インクにC.I.Acid Red
82及びC.I.Acid Red 289を含有す
る水性マゼンタインク組成物を、淡色インクにC.I.
Acid Red 82を含有する水性マゼンタインク
組成物を用いるインクジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性マゼンタインク
組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録方法
としてはインクの各種吐出方式が開発されているが、い
ずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材
料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うもの
である。インクジェットプリンタによる記録方法は、記
録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発生がな
く、またプリンタの小型化、高速化、カラー化が容易と
いう特長の為、近年急速に普及し、今後も大きな伸長が
期待されている。コンピュータのカラーディスプレイ上
の画像又は文字情報をインクジェットプリンタにより、
カラ−で記録するには、一般にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のイ
ンクによる減法混色で表現される。CRTディスプレイ
等のR,G,Bによる加法混色画像を出来るだけ忠実に
減法混色画像により再現するには、使用する色素、中で
もYMCのインクに使用される色素には出来るだけYM
Cそれぞれの標準に近い色相を有し、且つ鮮明であるこ
とが望まれる。又、インク組成物は長期の保存に対し安
定であり、又プリントした画像の濃度が高く、しかも耐
水性、耐光性等の堅牢度に優れていることが求められ
る。今後使用分野を拡大すべく、広告等の展示物に活用
した場合、光(電灯、蛍光灯、日光等)に暴される場合
が多くなり、特に耐光性の優れたインク組成物が求めら
れている。
【0003】インクジェットプリンタの用途はOA用小
型プリンタから産業用の大型プリンタまで拡大されてお
り、耐水性及び耐光性等の堅牢性がこれまで以上に求め
られている。耐水性についてはカチオン系ポリマー、多
孔質シリカ、アルミナゾル、特殊セラミックスなどのイ
ンク中の色素を吸着し得る無機又は有機の微粒子をPV
A樹脂などとともに紙の表面にコーティングすることに
より大幅に改良されてきており、既にインクジェットプ
リント用の各種コート紙が市販されている。しかし、耐
光性については大幅に改良させる技術は確立されておら
ず、特にYMCKの4原色のうちマゼンタの色素はもと
もと耐光性が弱いものが多く、その改良が重要な課題と
なっている。
【0004】インクジェット記録用水溶性インクに用い
られるマゼンタの色素骨格としては、特開昭54-89811、
特開平8-60053及び同8-143798等にみられるキサンテン
系と、特開昭61-62562、同62-156168、特開平3-20397
0、特開平7-157698及び特公平7-78190等にみられるH酸
アゾ系が代表的である。しかしキサンテン系については
色相及び鮮明性は非常に優れるが耐光性は非常に劣る。
またH酸アゾ系については色相は良いものがあるが、耐
光性及び鮮明性が劣る。特開平3-203970のようにこのタ
イプでは鮮明性及び耐光性の優れたマゼンタ染料も開発
されているが、銅フタロシアニン系に代表されるシアン
染料やイエロー染料など他の色相の染料に比べ耐光性は
依然劣る水準である。
【0005】さらに鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ
の色素骨格としては特開昭57-195775、特開昭59-74173
及び特開平2-16171及び等にみられるアントラピリドン
系のものが知られているが、色出し範囲の広さ、色相、
鮮明性、耐光性、耐水性及び溶解安定性のすべてを満足
するものは得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録物の堅
牢度が強いマゼンタの水性インク組成物及びそれに適す
るマゼンタ色素を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記した課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った
ものである。即ち本発明は、
【0008】(1)C.I.Acid Red 82及
びC.I.Acid Red 289を含有することを
特徴とする水性マゼンタインク組成物、(2)水及び有
機溶剤を含有することを特徴とする(1)に記載の水性
マゼンタインク組成物、(3)インクジェット記録用で
ある(1)又は(2)に記載の水性マゼンタインク組成
物、(4)マゼンタインクに濃淡インクを用いる記録方
法において、濃色インクにC.I.Acid Red
82及びC.I.Acid Red 289を含有する
水性マゼンタインク組成物を、淡色インクにC.I.A
cid Red 82を含有する水性マゼンタインク組
成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方
法、(5)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記
録材に記録を行うインクジェット記録方法において、マ
ゼンタインクとして(1)ないし(3)のいずれか一項
に記載の水性マゼンタインク組成物を使用することを特
徴とするインクジェット記録方法、(6)被記録材が情
報伝達用シートである(5)に記載のインクジェット記
録方法、(7)情報伝達用シートが表面処理されたシー
トである(6)に記載のインクジェット記録方法、
(8)(1)ないし(3)のいずれか一項に記載の水性
マゼンタインク組成物を含む容器が装填されたインクジ
ェットプリンタ、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水性インク組成物は、
C.I.Acid Red 82及びC.I.Acid
Red 289を含有する。C.I.Acid Re
d 82及びC.I.Acid Red 289(以
下、単に「本発明の色素成分」という。)は、水性イン
ク組成物を調製する際に、それぞれそのまま使用しても
よいし、前もって両者を混合した後に使用してもよい。
C.I.Acid Red 82とC.I.Acid
Red 289の含有比率の目安は、例えば重量比にお
いて、C.I.Acid Red 82:C.I.Ac
id Red 289=99:1から10:90、好ま
しくは95:5から30:70、更に好ましくは90:
10から40:60である。
【0010】本発明の水性インク組成物中の色素成分
は、それぞれ遊離酸の形で、あるいはその塩の形で存在
しうる。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩または
アンモニウム塩として使用できる。好ましくはアンモニ
ウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のア
ルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノール
アミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノ
ールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソ
プロパノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等があ
げられる。また、それらの塩は例えば、ナトリウム塩の
場合、反応液に食塩を加えて、塩析、濾過することによ
りナトリウム塩が得られる。更にナトリウム塩を水に溶
解し、酸を加えて酸性で結晶を析出させた後、濾過し、
遊離酸の形で色素成分のケーキを得る。次いで、その遊
離酸の形の色素成分を水に溶解又は懸濁し、目的の塩に
対応する塩基、例えばアミン類、Na以外のアルカリ金
属化合物等を添加、溶解することにより各々の塩の溶液
が得られる。この溶液から、それぞれの塩を、常法によ
り、析出、濾過、乾燥することにより、ナトリウム塩以
外の塩を得ることが出来る。
【0011】本発明の水性インク組成物は、前記した色
素成分を水又は水性溶媒(水溶性有機溶剤含有水)に溶
解したものである。この水性インク組成物をインクジェ
ットプリンタ用のインクとして使用する場合、色素成分
は金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が
少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は
例えば、塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの総含有量と
して、色素成分中に1重量%以下、好ましくは0.5重
量%以下である。又、本発明の水性インク組成物のpH
は6〜11が好ましい。
【0012】無機塩の含有量は、例えばCl-及びSO4
2-はイオンクロマトグラフ法、重金属類は原子吸光法又
はICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法で、
Ca 2+及びMg2+についてはイオンクロマトグラフ法、
原子吸光法、ICP発光分析法にて測定される。
【0013】本発明のインク組成物に用いる色素成分と
して、より無機塩含量の少ない色素成分とするには、必
要に応じて、例えば逆浸透膜による通常の方法又は本発
明の色素成分の乾燥品あるいはウェットケーキ、好まし
くはウェットケーキを、溶媒中、例えば含水低級アルコ
ール好ましくはメタノール及び水の混合溶媒中で撹拌処
理し、次いで濾過、乾燥する方法で脱塩処理すればよ
い。
【0014】本発明の水性インク組成物は水を媒体とし
て調製され、色素成分は該水性インク組成物中に、好ま
しくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重
量%、更に好ましくは2〜8重量%程度含有される。本
発明の水性インク組成物にはさらに水溶性有機溶剤を約
60重量%以下、好ましくは約50重量%以下、より好
ましくは約40重量%以下、更に好ましくは約30重量
%以下含有していてもよく、下限は0%でもよいが、一
般的には約5重量%以上であり、より好ましくは10重
量%以上であり、10〜30重量%がもっとも好まし
い。また本発明の水性インク組成物はインク調製剤を0
〜10重量%程度、好ましくは5重量%以下含有してい
ても良い。以上の成分以外の残部は水である。
【0015】水溶性有機溶剤としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタ
ノール等のC1 〜C4 アルカノール;N,N−ジメチル
ホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等の低
級カルボン酸’(モノ又はジ)低級アルキルアミド;ε
−カプロラクタム、N−メチルピロリジン−2−オン等
のラクタム類、好ましくは4員環ないし8員環のラクタ
ム類;尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オ
ン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オ
ン等の環式尿素好ましくは5ないし6員環の環式尿素;
アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒド
ロキシペンタン−4−オン等の直鎖の炭素鎖の長さが炭
素数4ないし7のケトン又はケトアルコール;テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル、好ましくは5な
いし6員環の環状エーテル;エチレングリコール、1,
2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は
1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のC
2 〜C6 アルキレン単位を有するモノー、オリゴー又は
ポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセ
リン、ヘキサン−1.2.6−トリオール等のポリオー
ル(好ましくは炭素鎖の炭素数が3ないし6のトリオー
ル);エチレングリコールモノメチルーエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の
多価アルコール(好ましくはエチレングリコールもしく
はポリエチレングリコール)のC1 〜C4 アルキルエー
テル;γーブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等
があげられる。これらの水溶性有機溶剤の中には染料溶
解助剤としての機能を有するものもある。
【0016】これらの水溶性有機溶剤は2種以上併用し
ても良い。これらのうち、好ましいものとしては、例え
ばN−メチルピロリジン−2−オン、C2 〜C6 アルキ
レン単位を有するモノ、ジ又はトリアルキレングリコー
ル(好ましくはモノ、ジ又はトリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール)、ジメチルスルホキシド等が
挙げられ、特に、N−メチルピロリジン−2−オン、ジ
エチレングリコール、ジメチルスルホキシドの使用が好
ましい。
【0017】インク調製剤としては、上記の水、色素成
分及び水性有機溶媒以外の全ての成分が挙げられ、例え
ば防腐防黴剤、pH調整剤等の通常インク調製時に添加
されうるものを使用することが出来る。防腐防黴剤とし
ては、例えばデヒドロ酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ、
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安
息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム
等があげられる。pH調整剤としては、調合されるイン
クに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを6〜11の範
囲に制御できるものであれば任意の物質を使用すること
ができる。その例として、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのア
ルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。キレート試薬と
しては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニ
トリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシチルエチレンジア
ミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナ
トリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどがあげられ
る。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸
ナトリウム、チオグルコール酸アンモン、ジイソプロピ
ルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトー
ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどがあ
げられる。
【0018】本発明のインク組成物は、蒸留水等不純物
を含有しない水に、本発明の色素及び必要により、上記
水溶性有機溶剤、インク調製剤等を添加混合することに
より調製される。また、水と上記水溶性有機溶剤、イン
ク調製剤等との混合物に本発明の染料を添加、溶解して
もよい。また必要ならインク組成物を得た後で濾過を行
い、狭雑物を除去してもよい。
【0019】本発明のインクジェット記録方法において
使用される被記録材の具体例としては例えば紙、フィル
ム等の情報伝達用シートが挙げられる。情報伝達用シー
トについては、表面処理されたもの、具体的にはこれら
の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク
受容層には、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含
浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、ア
ルミナゾルや特殊セラミックス等のインク中の色素を吸
収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニ
ルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に
塗工することにより設けられる。このようなインク受容
層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィル
ム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれ、例えばピクトリ
コ(旭硝子(株)製)、カラーBJペーパー、カラーB
Jフォトフィルムシート(いずれもキャノン(株)
製)、カラーイメージジェット用紙(シャープ(株)
製)、スーパーファイン専用光沢フィルム、PM写真用
紙(エプソン(株)製)、ピクタファイン(日立マクセ
ル(株)製)等として市販されている。なお、普通紙に
も利用できることはもちろんである。
【0020】本発明のインクジェット記録方法で、被記
録材に記録するには、例えば上記の水性マゼンタインク
組成物を含有する容器をインクジェットプリンタにセッ
トし、通常の方法で前記したような被記録材に記録すれ
ばよい。インクジェットプリンタとしては、例えば機械
的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生
ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプ
リンタ等があげられる。
【0021】本発明のインクジェット記録方法では、上
記の水性マゼンタインク組成物はイエローインク組成
物、シアンインク組成物、必要に応じ、ブラックインク
組成物と併用される。
【0022】本発明のインクジェット記録方法におい
て、マゼンタインクに濃淡インクを用いる場合、濃色イ
ンクにC.I.Acid Red 82及びC.I.A
cidRed 289を含有する水性マゼンタインク組
成物を、淡色インクにC.I.Acid Red 82
を含有する水性マゼンタインク組成物を用いるのが好ま
しい。
【0023】本発明の水性インク組成物は、鮮明で、彩
度が高いマゼンタ色であり、他のイエロー、シアンのイ
ンクと共に用いる事で、広い可視領域の色調を色出しす
る事ができ、かつ耐光性及び耐水性の優れた既存のイエ
ロー、シアン、ブラックと共に用いることで耐光性及び
耐水性に優れた記録物を得ることができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を更に実施例により具体的に説
明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別
の記載のない限り重量基準である。
【0025】実施例1 (1)インクの調製 下記表1、表2に記載の組成の液体を調製し、0.45
μmのメンブランフィルターで濾過する事により本発明
の水性インク組成物を得た。 このインク組成物のpH
は10であった。尚、色素濃度は、インクジェットプリ
ンター(Canon社製 BJ F850)純正インク
に光学密度を合わせて作製した。
【0026】 表1(濃色マゼンタインク組成物) C.I.Acid Red 82 2.25部 C.I.Acid Red 289 0.88部 水 74.07部 アンモニア水 2.80部 N−メチルピロリジン−2−オン 5.00部 ジエチレングリコール 5.00部 グリセリン 5.00部 尿素 5.00部 計 100.00部
【0027】 表2(淡色マゼンタインク組成物) C.I.Acid Red 82 0.75部 水 76.82部 アンモニア水 2.80部 N−メチルピロリジン−2−オン 5.00部 ジエチレングリコール 5.00部 グリセリン 5.00部 尿素 5.00部 計 100.00部
【0028】(2)インクジェットプリント インクジェットプリンター(Canon社製 BJ F
850)を用いて、濃色マゼンタインクカートリッジに
濃色マゼンタインク組成物を、淡色マゼンタインクカー
トリッジに淡色マゼンタインク組成物を充填し、その他
の色については純正インクを用い、市販の普通紙(キャ
ノン(株)製 PB PAPER)と色素受容層を有す
る専用紙A(エプソン社製 PM写真用紙)にマゼンタ
のベタ柄の帯状データ及び写真データをプリントした。
【0029】(3)記録画像の色相・鮮明性 記録紙の写真部分及びベタ柄の帯状部分を目視にて判定
した。結果を表3に示す。更に、マゼンタの帯状部分を
測色機(GRETAG社製 SPM50)を用いて測色
し、L*、a* 、b* 値を算出した。 鮮明性はC*
((a*2+(b*21/2で評価した。結果を表4に
示す。
【0030】(4)記録画像の耐光性試験 カーボンアークフェードメーター(スガ試験機(株)
製)を用い、記録紙にカーボンアークを20時間照射し
た。記録紙の写真部分及びベタ柄の帯状部分を目視にて
判定した。結果を表3に示す。更に、マゼンタの帯状部
分を上記の測色システムを用いて試験前後の色差(Δ
E)を測定した。 結果を表4に示す。
【0031】実施例2 濃色マゼンタインク組成物は実施例1で使用したものを
用い、淡色マゼンタインク組成物としては、C.I.A
cid Red 82を0.75部用いる代わりに、
C.I.Acid Red 82を0.38部、C.
I.Acid Red289を0.15部を用いる以外
は実施例1の(1)〜(5)と同様にしてインクを作
製、試験した。結果を表3、表4に示す。
【0032】比較例1 濃色マゼンタインク組成物として、C.I.Acid
Red 82 を2.25部、C.I.Acid Re
d 289を0.88部を用いる代わりに、C.I.A
cid Red 82 を4.5部用いる以外は実施例
1の(1)〜(5)と同様にしてインクを作製、試験し
た。結果を表3、表4に示す。
【0033】比較例2 濃色マゼンタインク組成物として、C.I.Acid
Red 82を2.25部、C.I.Acid Red
289を0.88部を用いる代わりに、C.I.Ac
id Red 289を1.76部用い、淡色マゼンタ
インク組成物として、C.I.Acid Red 82
を0.75部用いる代わりに、C.I.Acid Re
d 289を0.3部用いる以外は実施例1の(1)〜
(5)と同様にしてインクを作製、試験した。結果を表
3、表4に示す。
【0034】 表3 (濃色マゼンタインク中の色素分) (色相・鮮明性) (耐光堅牢度) 実施例1 3.13% ◎ ○ 実施例2 3.13% ◎ ○〜△ 比較例1 4.50% × ◎ 比較例2 1.76% ○ ×
【0035】(色相・鮮明性) ◎:色相が良好で、鮮明性になマゼンタ色である。更に
写真データがディスプレーと同じイメージでプリントで
きる。 ○:鮮明なマゼンタ色であるが、写真データがディスプ
レーとイメージがイメージが異なる。 △:鮮明ではない。あるいは色相がマゼンタ色からずれ
ている。 ×:鮮明ではなく、色相がマゼンタ色からずれている。 (耐光堅牢度・オゾン耐性試験) ◎:退色がほとんどない。 ○:退色が少しある。 △:退色がある。 ×:退色が大きい。
【0036】表3より、実施例1、実施例2は、色相・
鮮明性に優れ、写真データがディスプレーと同じイメー
ジでプリントできることがわかる。また、耐光堅牢度も
良好である。比較例1は耐光堅牢度は優れているが、鮮
明ではなく、色相がマゼンタ色からずれている。その為
全体的にくすんだ画像になり、写真データがディスプレ
ーと同じイメージでプリントできなかった。さらにカラ
ーバリューが低い為にインク組成物中の色素分を増やさ
なければならない、という欠点がある。比較例2は非常
に鮮明なマゼンタであるが、鮮明度合いが強すぎて、写
真画像においてマゼンタが浮き出て見え、ディスプレー
と同じイメージでプリントできない。更に耐光堅牢度が
弱い。
【0037】 表4 (色相・鮮明性) (耐光堅牢度) a* 値 b*値 C* 値 ΔE 実施例1 79.1 −13.6 80.3 5.6 実施例2 79.6 −14.0 80.8 6.0 比較例1 73.8 − 8.3 74.3 5.2 比較例2 83.7 −24.7 87.3 13.9
【0038】表4より、実施例1、実施例2は、色相・
鮮明性に優れ、耐光堅牢度も良好であることがわかる。
比較例1は耐光堅牢度は優れているが、鮮明度C* 値が
低い。比較例2は非常に鮮明なマゼンタであるが、耐光
堅牢度が弱い。また、実施例1、実施例2は淡色インク
組成物が異なる例である。表3に示した目視判定およ
び、表4に示した測色値において、色相・鮮明性につい
てはほとんど差がみられず良好であるが、耐光堅牢度は
若干実施例1の方が強いことがわかる。つまり、C.
I.Acid Red 82単独では耐光堅牢度は強い
ものの、濃色インク組成物においては比較例1に示され
るように画像全体の色相に悪影響を示すが、淡色インク
組成物に用いても、画像全体の色相には影響をを与えず
に耐光堅牢度を向上させることができることがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明のインク組成物をインクジェット
記録用のマゼンタインクとして使用した印刷面は鮮明で
理想に近いマゼンタ色であり、他のイエロー、シアンの
インクと共に用いる事で、広い可視領域の色調を色出し
する事ができる。また、本発明のインク組成物は耐光性
に優れており、イエロー、シアン及びブラック染料と共
に用いることで高画質で耐光性に優れたインクジェット
記録が可能であり、情報記録紙、特にインク受容層を有
する情報記録紙に対してその効果が顕著に現れる。更
に、本発明の水性インク組成物は長期間保存後の結晶析
出、物性変化(粘度や表面張力等の経時変化)、pH変
動、色変化等もなく、貯蔵安定性の良好なものである。
従って、本発明の化合物はインクジェット記録用のマゼ
ンタインクに非常に有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C.I.Acid Red 82及びC.
    I.Acid Red289を含有することを特徴とす
    る水性マゼンタインク組成物。
  2. 【請求項2】水及び有機溶剤を含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の水性マゼンタインク組成物。
  3. 【請求項3】インクジェット記録用である請求項1又は
    2に記載の水性マゼンタインク組成物。
  4. 【請求項4】マゼンタインクに濃淡インクを用いる記録
    方法において、濃色インクにC.I.Acid Red
    82及びC.I.Acid Red 289を含有す
    る水性マゼンタインク組成物を、淡色インクにC.I.
    Acid Red82を含有する水性マゼンタインク組
    成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  5. 【請求項5】インク滴を記録信号に応じて吐出させて被
    記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、
    マゼンタインクとして請求項1ないし3のいずれか一項
    に記載の水性マゼンタインク組成物を使用することを特
    徴とするインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】被記録材が情報伝達用シートである請求項
    5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】情報伝達用シートが表面処理されたシート
    である請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし3のいずれか一項に記載の
    水性マゼンタインク組成物を含む容器が装填されたイン
    クジェットプリンタ。
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