JP2002047431A - 染料組成物、インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

染料組成物、インク組成物及びインクジェット記録方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有
し、且つ記録物の耐光及び堅牢度に優れたイエロー色素
を提供すること。 【解決手段】式(2) 【化1】 (式(2)中、Xは水素原子、塩素原子あるいは臭素原
子を示す。)で示される化合物をクロロスルホン化し、
ついで有機アミン又はアルコールと縮合させスルホンア
ミド化又はスルホンエステル化することにより得られる
化合物またはその塩を含有する水溶性染料組成物をイン
キ組成物のイエロ−用色素成分として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キノフタロン系染
料及びその用途に関するものである。更に詳しくは、キ
ノフタロン系染料をクロルスルホン化した後、スルホン
アミド化又は,スルホンエステル化して得られる化合物
又はそれらの塩を含有する染料組成物、これを含有する
水性インク組成物及びインクジェット記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録方法
としては、各種インクの吐出方式が開発されているが、
いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録
材料(紙、フィルム、布帛等)に付着又は染着させ記録
を行うものである。インクジェットプリンタによる記録
方法は、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音
の発生がなく静かであり、凹凸面、柔軟物質、壊れやす
い製品等、場所を選ばず印字ができるという特長があ
る。またプリンタの小型化、高速化、カラー化が容易と
いう特長の為、近年急速に普及し、今後も大きな伸長が
期待されている。コンピュータのカラーディスプレイ上
の画像又は文字情報をインクジェットプリンタにより、
カラ−で記録するには、一般にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)の三原色にブラック(K)を
加えた4色のインクによる減法混色で表現される。CR
Tディスプレイ等のレッド(R)、グリーン(G)、ブ
ルー(B)による加法混色画像をできるだけ忠実に再現
するには、使用する色素、中でもYMCのインクに使用
される色素が、Y、M、Cのそれぞれについて出来るだ
けそれらの標準に近い色相を有し、且つ鮮明であること
が望まれる。又、インク組成物には長期間の保存に対し
安定であり、又プリントした画像の濃度が高く、しかも
耐水性、耐光性等の堅牢度に優れている事が求められ
る。今後、使用分野を拡大すべく、広告等の屋外展示物
に活用した場合、光(電灯、蛍光灯、日光等)に曝され
る場合が多くなり、このような用途においては特に耐光
性に優れたインク組成物が求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インクジェットプリン
タの用途はOA用小型プリンタから産業用の大型プリン
タまで拡大されており、耐水性及び耐光性等の堅牢性が
これまで以上に求められている。耐水性については多孔
質シリカ、カチオン系ポリマー、アルミナゾル又は特殊
セラミックスなどインク中の色素を吸着し得る無機微粒
子をPVA樹脂などとともに紙の表面にコーティングす
ることにより大幅に改良され、既にインクジェットプリ
ント用の各種コート紙が市販されている。しかしながら
耐光性については大幅に改良させる技術が未だ確立され
ておらず、その改良が重要な課題となっている。
【0004】インクジェット記録用水性インクに用いら
れるイエロー染料の色素骨格としてはアゾ系が代表的で
ある。しかしアゾ系染料については、色相及び耐水性に
ついては良いものがあるが、耐光性が一般的に劣る。特
に銅フタロシアニン系色素に代表されるシアン染料等の
染料に比べ耐光性がかなり劣る水準である。
【0005】更に、鮮明性及び耐光性の優れるインクジ
ェット用イエロー染料の色素骨格としては特願平11−
312636にみられるキノフタロン系があるが、色
相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐湿性及び溶解安定性の
すべてを満足させるものは未だ得られていない。本発明
は、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、
且つ記録物の耐光性、耐水性堅牢度が強く、更にカラー
バリューの高いイエロー色素及び水性イエローインク組
成物を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に
至ったものである。即ち本発明は、(1)式(2)
【0007】
【化6】
【0008】(式(2)中、Xは水素原子、塩素原子又
は臭素原子を示す。)で表される化合物をクロロスルホ
ン化することにより得られる化合物を含有する染料組成
物、(2)式(2)で示される化合物のクロロスルホン
化により得られる化合物が、式(2)で示される化合物
を重量比で3〜15倍量のクロロスルホン酸中で、反応
温度を50〜140℃でクロロスルホン化することによ
り得られる化合物である(1)に記載の染料組成物、
(3)式(2)で示される化合物のクロロスルホン化に
より得られる化合物が式(3)
【0009】
【化7】
【0010】(式(3)中、Xは水素原子、塩素原子又
は臭素原子を示す。mは1〜4の整数であり、(m+
n)は1〜4の整数である。)で示される化合物である
(1)又は(2)の染料組成物、(4)式(3)で示さ
れる化合物を有機アミンと縮合させスルホンアミド化す
ることにより得られる化合物又はその塩を含有する水溶
性染料組成物、(5)式(3)で示される化合物をアル
コールと縮合させスルホンエステル化することにより得
られる化合物又はその塩を含有する水溶性染料組成物、
(6)式(3)で示される化合物をスルホンアミド化す
ることにより得られる化合物又はその塩が式(1)
【0011】
【化8】
【0012】(式(1)中、Xは水素原子、塩素原子又
は臭素原子を示す。R1、R2は各々独立して水素原子、
アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基
(アミノ基にアルキル基等の置換基で置換されても良
い。)、カルボキシアルキル基、スルホアルキル基又は
フェニル基(スルホン酸基、カルボキシル基から選択さ
れる1個又は2個以上の置換基で置換されていても良
い。)を、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウムイオンを
それぞれ示す。lは1〜4の整数であり、(l+s)は
1〜4の整数である。)で表される水溶性化合物である
(4)に記載の水溶性染料組成物、(7)式(3)で示
される化合物をスルホンエステル化することにより得ら
れる化合物又はその塩が式(6)
【0013】
【化9】
【0014】(式(6)中、Xは水素原子、塩素原子又
は臭素原子を示す。R3はアルキル基、アルコキシアル
キル基、アミノアルキル基(アミノ基にアルキル基等の
置換基で置換されても良い。)、カルボキシアルキル
基、スルホアルキル基又はフェニル基(スルホン酸基、
カルボキシル基から選択される1個又は2個以上の置換
基で置換されていても良い。)を、Mは水素原子、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオン又
はアンモニウムイオンをそれぞれ示す。pは1〜4の整
数であり、(p+q)は1〜4の整数である。)で表さ
れる水溶性化合物である(5)に記載の水溶性染料組成
物、(8)スルホンアミド化することにより得られる化
合物又はその塩が式(3)で示される化合物を、スルホ
ン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びアミノ基
からなる群から選ばれる1種以上の水溶性基を有する有
機アミンと縮合させスルホンアミド化することにより得
られる化合物又はその塩である(4)又は(6)に記載
の水溶性染料組成物、(9)スルホンエステル化するこ
とにより得られる化合物又はその塩が式(3)で示され
る化合物を、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基及びアミノ基からなる群から選ばれる1種以上の
水溶性基を有するアルコールと縮合させスルホンエステ
ル化することにより得られる化合物又はその塩である
(5)又は(7)に記載の水溶性染料組成物、(10)
(6)に記載の式(1)の化合物のR1が水素原子、R2
が式(4)
【0015】
【化10】
【0016】(式(4)中、Aはアルキレン又はアリレ
ンを示す。Y、Zは各々独立して塩素原子、水酸基、ア
ルコキシ基、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシ
ル基、アセチルアミノ基、アミノ基及び水酸基からなる
群から選択される置換基で置換されていても良い。)、
スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有するアルキル
アミノ基、アニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシル
基からなる群から選択される1種又は2種の置換基で置
換されていても良い。)ナフチルアミノ基(ナフチル基
又はスルホン酸基で置換されていても良い。)又はジア
ルキルアミノアルキルアミノ基を表す。)で表される水
溶性化合物である(6)に記載の水溶性染料組成物、
【0017】(11)色素成分として、(4)乃至(1
0)のいずれか一項に記載の染料組成物を含有すること
を特徴とする水性インク組成物、(12)水及び水溶性
有機溶剤を含有する(11)に記載の水性インク組成
物、(13)染料組成物中の無機塩含有量が1重量%以
下である(11)又は(12)に記載の水性インク組成
物、(14)インクジェット記録用である(11)乃至
(14)のいずれか一項に記載の水性インク組成物、
(15)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録
材に記録を行うインクジェット記録方法において、イン
クとして(11)乃至(14)のいずれか一項に記載の
水性インク組成物を使用することを特徴とするインクジ
ェット記録方法、(16)被記録材が情報伝達用シート
である(15)に記載のインクジェット記録方法、(1
7)(11)乃至(14)のいずれか一項に記載の水性
インク組成物を含有する容器、(18)(17)に記載
の容器を有するインクジェットプリンタ、(19)
(4)乃至(10)に記載の染料組成物を有する着色
体、に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
の前記式(2)で表される化合物をクロルスルホン化し
た後、スルホンアミド化又はスルホンエステル化して得
られる化合物又はその塩を含有する染料組成物は、水溶
性でイエロー色の色素成分として主にインクジェットプ
リント用インキに使用される。
【0019】前記式(1)、(2)、(3)及び(6)
において、Xは水素原子、塩素原子又は臭素原子を示
す。好ましいXとしては、例えば水素原子等が挙げられ
る。
【0020】前記式(1)において、R1、R2は各々独
立して水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、
アミノアルキル基(アミノ基はアルキル基等の置換基で
置換されていても良い。)、カルボキシアルキル基、ス
ルホアルキル基、フェニル基(スルホン酸基、カルボキ
シル基から選択される1個または2個以上の置換基で置
換されていても良い。)である。また、前記式(1)に
おいて、R1が水素原子、R2が式(4)である化合物が
好ましい。その場合、式(4)においてAはアルキレン
あるいはアリレンを示し、Y、Zは各々独立して塩素原
子、水酸基、アルコキシ基、フェノキシ基(スルホン酸
基、カルボキシル基、アセチルアミノ基、アミノ基及び
水酸基からなる群から選択される置換基で置換されてい
ても良い。)、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を
有するアルキルアミノ基、アニリノ基(スルホン酸基及
びカルボキシル基からなる群から選択される1種又は2
種の置換基で置換されていても良い。)ナフチルアミノ
基(ナフチル基又はスルホン酸基で置換されていても良
い。)又はジアルキルアミノアルキルアミノ基を表す。
【0021】次に前記式(1)で示される化合物の具体
例を表1に示す。
【0022】 表1 No. R1 R2 1 H 2-スルホエチル 2 H カルボキシメチル 3 H 2-カルボキシエチル 4 H 5-カルボキシペンチル 5 カルボキシメチル カルボキシメチル 6 H フェニル 7 H 4-カルボキシフェニル 8 H 3,5-ジカルボキシフェニル 9 H N,N-ジエチルアミノプロピル 10 ヒドロキシルエチル ヒドロキシルエチル (注)Xは水素原子、lは1〜4の整数、sは0〜3の整数である。
【0023】本発明のR2が前記式(4)で示される化
合物の具体例を表2に示す。
【0024】 表2 No. R1 A Y Z 11 H -CH2CH2- Cl 2,5-ジスルホアニリノ 12 H -CH2CH2- OH 2,5-ジスルホアニリノ 13 H -CH2CH2- Cl 3,5-ジカルボキシアニリノ 14 H -CH2CH2- OH 3,5-ジカルボキシアニリノ (注)Xは水素原子、lは1〜4の整数、sは0〜3の整数である。
【0025】前記式(6)において、R3はアルキル
基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基(アミノ
基にアルキル基等の置換基で置換されても良い。)、カ
ルボキシアルキル基、スルホアルキル基又はフェニル基
(スルホン酸基、カルボキシル基から選択される1個又
は2個以上の置換基で置換されていても良い。)であ
る。
【0026】次に前記式(6)で示される化合物の具体
例を表3に示す。
【0027】 表3 No. R3 15 2-メトキシエチル 16 ジ(カルボキシメチル)-カルボキシメチル (注) Xは水素原子、pは1〜4の整数、qは0〜3の整数である。
【0028】また、前記式(1)又は(6)において、
Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機
アミンのカチオン又はアンモニウムイオンである。ここ
においてアルカリ金属としては、例えばナトリウム、カ
リウム、リチウム等が挙げられる。又アルカリ土類金属
としては、例えばカルシウム、マグネシウム等が挙げら
れる。更に有機アミンとしては、例えばメチルアミン、
エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン等が挙げられる。好ましいMとしては、水素原
子、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金
属、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金
属、アンモニウムイオン、モノエタノールアミンイオ
ン、ジエタノールアミンイオン、トリエタノールアミン
イオン、モノイソプロパノールアミンイオン、ジイソプ
ロパノールアミンイオン、トリイソプロパノールアミン
イオン等のアルカノールアミンイオン等が挙げられる。
【0029】前記式(2)で表される3’−オキシベン
ゾキノフタロン誘導体は通常一般式(5)で表されるキ
ノリン誘導体とナフタリン−2,3−ジカルボン酸また
はその無水物あるいはイミド類とを加熱し、所望によ
り、さらにハロゲン化することにより得られる。(式
(2)の化合物の合成法の詳細については、特公昭53
−16009号公報を参照。)
【0030】
【化11】
【0031】(式(5)中、Rは水素原子、カルボン酸
またはハロゲン原子を示す。)
【0032】こうして合成された3’−オキシベンゾキ
ノフタロン誘導体は通常前記式(2)で表されるような
骨格で示されるが、堀口博著「総説合成染料」308頁
に記載されているように一般的にキノフタロン化合物は
構造異性体をとることが知られており、式(2)も構造
異性体をとることが考えられる。尚、式(2)の化合物
は、例えば特公昭53−16009号公報に記載されて
いる。
【0033】本発明の、前記式(3)で表される化合物
をスルホンアミド化又はスルホンエステル化することよ
り得られる化合物又はその塩を含有する染料組成物また
は前記式(1)で表される化合物または前記式(6)で
表される化合物は、例えば前記式(2)で表される3’
−オキシベンゾキノフタロン誘導体をクロロスルホン化
し、次いで有機アミン又はアルコールと縮合することに
より得られる。以下これらの方法について述べる。
【0034】まず、有機化合物をクロロスルホン化する
に当たり、一つの方法として原料化合物をクロロスルホ
ン酸中で加熱する方法があり、もう一つの方法として
は、原料化合物を発煙硫酸中で加熱しながら反応させス
ルホン酸基を導入し、次いでスルホン酸基を塩素化剤、
例えば塩化チオニル、オキシ塩化リン、五塩化リン等で
反応させ、クロロスルホン基に置換させる方法がある。
本発明の化合物の製造においては上記どちらの方法でク
ロロスルホン化を行ってもよい。
【0035】例えば前記式(2)で表される化合物をク
ロロスルホン酸中でクロロスルホン化する際、クロロス
ルホン酸の使用量は式(2)の化合物に対し重量比で3
〜15倍量が好ましく、より好ましくは5〜10倍量で
ある。15倍量以上使用してもクロロスルホン化は特に
問題とはならないが多量の酸性廃液が副生し工業的に不
利であり、また3倍量以下では式(2)の化合物が溶解
不良となり撹拌不良または異常反応が発生する虞があ
る。反応温度は通常50〜140℃、好ましくは70〜
100℃である。また反応時間は反応温度により変わる
が通常30分〜20時間、好ましい態様においては1〜
10時間である。反応終了後、反応液を氷水中にあけ、
濾過することによりクロロスルホン化物のウェットケー
キが得られる。式(2)のクロロスルホン化された化合
物(式(3))のクロロスルホン基の置換数は前記のよ
うに1〜4個の混合物であり、また置換位置も複数考え
られることからクロロスルホン化されて得られる化合物
は多種の化合物の混合物として存在する。
【0036】前記式(3)において、mは1〜4の整数
であり、m+nは1〜4の整数である。通常、有機化合
物のクロロスルホン化を行った場合完全にはクロロスル
ホン基が導入されず、一部加水分解されたスルホン酸基
が導入されることが知られている。なお、m+n及びm
とnの比は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、
質量分析法(ESI−MSスペクトル)等の方法により
判別出来る。
【0037】次に、上記のようにして得られた式(3)
の化合物に有機アミンによりアミド化反応又はアルコー
ルによりエステル化反応を施すことにより式(1)又は
式(6)の化合物を含有する水溶性の染料組成物が得ら
れる。アミド化反応は、例えば、式(2)のクロロスル
ホン化された化合物(式(3))を通常水溶媒中で1〜
3当量の有機アミン又はアルコールと反応温度が通常1
0〜60℃、好ましくは20〜40℃、反応時間が通常
0.5〜10時間、好ましくは2〜6時間、通常pHが
2.0〜9.0、好ましくは4.0〜7.0というよう
な条件で反応させることにより行われ、式(1)又は式
(6)の化合物を含有する水溶性の染料組成物が得られ
る。ここにおいて有機アミンとしてはR1、R2に対応し
た置換基を有する有機アミン類が使用されるが、具体的
にはタウリン、グリシン、β−アラニン、ε−カプロン
酸、イミノジ酢酸、アスパラギン酸、アニリン、4−ア
ミノ安息香酸、5−アミノイソフタル酸、N,N−ジエ
チルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、モノ
エタノールアミン、2,5−ジスルホアニリン、スルフ
ァニル酸、4−スルホアンスラニル酸等が使用される。
またアルコールとしては、R3に対応した置換基を有す
るアルコール類が使用されるが、具体的にはクエン酸、
グルコン酸、2−ジメチルアミノエタノール、メトキシ
エタノール、エトキシエタノ−ル等が使用される。
【0038】前記式(1)において、lは1〜4の整数
であり、l+sは1〜4の整数である。また同様に前記
式(6)においても、pは1〜4の整数であり、p+q
は1〜4の整数である。なお、l+s及びlとsの比、
またp+q及びpとqの比は高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、
質量分析法(ESI−MSスペクトル)等の方法により
判別出来る。
【0039】こうして得られるアミド化合物又はエステ
ル化合物は、通常遊離酸の形であるいはその塩の形で得
られる。遊離酸とするには、例えば酸析すればよい。ま
た、遊離酸の形の染料組成物を水と共に撹拌しながら、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、アンモニア水、メチルアミン、モノエタノールア
ミンを添加して中和すれば、各々ナトリウム塩、カリウ
ム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、メチルアミン塩、
モノエタノールアミン塩が得られる。
【0040】本発明の水性インク組成物は、前記式
(2)の化合物のクロルスルホン化、アミド化又はエス
テル化された化合物またはその塩を含有する染料組成物
(または式(1)又は式(6)の染料組成物)を水又は
水溶性有機溶剤を含有する水に溶解したものである。イ
ンクのpHは4〜11が好ましい。より好ましいpHは
5〜10である。この水性インク組成物をインクジェッ
ト記録用プリンタで使用する場合、色素成分としては金
属陽イオンの塩酸塩、硫酸塩等の無機塩の含有量は少な
い染料組成物を用いるのが好ましく、その含有量の目安
は例えば、塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの総含量が
1重量%以下である。(本願発明において含有しうる無
機塩は大半が、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムであ
る。)無機塩の少ない本発明の染料組成物を製造するに
は、例えば逆浸透膜による通常の方法又は本発明の染料
組成物の乾燥品あるいはウェットケーキをメタノール及
び水の混合溶媒中で撹拌し、濾過、乾燥する等の方法で
脱塩処理すればよい。
【0041】本発明の水性インク組成物は水を媒体とし
て調製されるが、本発明の染料組成物は該水性インク組
成物中に、好ましくは0.1〜20重量%、より好まし
くは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜8重量%
程度含有される。本発明の水性インク組成物はさらに水
溶性有機溶剤やインク調製剤を含有していても良い。そ
の含有量は水溶性有機溶剤0〜30重量%、好ましくは
5〜30重量%、インク調製剤0〜5重量%、好ましく
は0〜2重量%程度である。
【0042】本発明のインク組成物は、蒸留水及びイオ
ン交換水等の不純物を除去した水に、本発明の染料組成
物を、必要により、下記水溶性有機溶剤、インク調製剤
等と共に添加混合することにより調製される。また、水
と下記水溶性有機溶剤、インク調製剤等との混合物に本
発明の染料組成物を添加、溶解してもよい。また必要な
らインク組成物を得た後で濾過を行い、狭雑物を除去し
てもよい。
【0043】本発明のインキ組成物を調製するに当た
り、使用し得る水溶性有機溶剤の具体例としては、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノー
ル、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,
N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセト
アミド等のカルボン酸アミド、ε−カプロラクタム、N
−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム類、尿素、
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3
−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿
素、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−
ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアル
コール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピ
レングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコ
ール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等のC2〜C6アルキレン単位
を有するモノー、オリゴー又はポリアルキレングリコー
ル又はチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1.
2.6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エ
チレングリコールモノメチルーエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アル
コールのC1〜C4アルキルエーテル、γーブチロラク
トン又はジメチルスルホキシド等があげられる。これら
の水溶性有機溶剤は2種以上併用しても良い。
【0044】上記水溶性有機溶媒のうち、N−メチルピ
ロリジン−2−オン、C2〜C6アルキレン単位を有す
るモノ、ジ又はトリアルキレングリコールが好ましく、
更にモノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ジメチルスルホキシド等が好ましく用い
られ、特に、N−メチルピロリジン−2−オン、ジエチ
レングリコール、ジメチルスルホキシドの使用が好まし
い。
【0045】インク調製剤としては、例えば防腐防黴
剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線
吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤
などがそれぞれ必要により添加される。
【0046】防腐防黴剤としては、例えばデヒドロ酢酸
ソーダ、ソルビン酸ソーダ、2−ピリジンチオール−1
−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタ
クロロフェノールナトリウム等が使用しうる。
【0047】pH調整剤としては、調合されるインクに
悪影響を及ぼさずに、インクのpHを4〜11の範囲に
制御できるものであれば任意の物質を使用することがで
きる。その例として、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ
金属の炭酸塩などが挙げられる。
【0048】キレート試薬としては、例えばエチレンジ
アミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、
ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢
酸ナトリウムなどがあげられる。防錆剤としては、例え
ば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコー
ル酸アンモニア、ジイソプロピルアンモニウムニトライ
ト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルア
ンモニウムニトライトなどがあげられる。水溶性高分子
化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロ
ース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化された
ベンゾフェノン、スルホン化されたベンゾトリアゾール
等があげられる。染料溶解剤としては、例えばεーカプ
ロラクタム、エチレンカーボネート、尿素等があげられ
る。界面活性剤としては、例えばアニオン系、カチオン
系、ノニオン系等の公知の界面活性剤があげられる。
【0049】本発明のインクジェット記録方法における
被記録材としては、例えば紙、フィルム、合成紙等の情
報伝達用シート、繊維製品及び皮革製品等が挙げられ
る。情報伝達用シートとして、表面処理されたもの、具
体的にはこれらの基材にインク受容層を設けたものが好
ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオンポ
リマーを含浸あるいは塗工することにより、また多項質
シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等のインク中
の色素を吸着し得る無機微粒子をポリビニルアルコール
やポリビニールピロリドン等の親水性ポリマーと共に上
記基材表面に塗工することにより設けられる。このよう
なインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用
紙(フィルム)や光沢紙(フィルム)と呼ばれ、例えば
ピクトリコ(旭硝子社製)、カラーBJペーパー、カラ
ーBJフォトフィルムシート(いずれもキャノン社
製)、カラーイメージジェット用紙(シャープ社製)、
スーパーファイン専用光沢フィルム(セイコーエプソン
社製)ピクタファイン(日立マクセル社製)等として市
販されている。なお、普通紙にも利用できることはもち
ろんである。
【0050】また繊維についてはナイロン、絹及びウー
ル等のポリアミド繊維が好ましく、不織布や布状のもの
が好ましい。これらの繊維については、本発明のインク
組成物を該繊維に付与、好ましくはインクジェット方法
により付与した後、飽和蒸気加熱(例えば約80〜12
0℃)あるいは高温蒸熱(例えば約150〜180℃)
の固着工程を加えることで該繊維内部に色素を染着させ
ることができ、鮮明性、耐光性及び耐洗濯性に優れた染
色物を得ることができる。
【0051】本発明による水性インク組成物は水への溶
解性が高く貯蔵中沈殿の分離が生じない。また本発明の
水性インク組成物をインクジェットプリンタにおいて使
用する場合、噴射ノズルの目詰まりを生ずることがな
く、比較的長い時間(一定の再循環下における使用また
は断続的に中間的遮断下での使用)においても本発明の
水性インク組成物は物理的性質の変化が生じない。
【0052】本発明の容器は上記本発明の水性インク組
成物を含有するものである。また、本発明のインクジェ
ットプリンタは、この水性インク組成物を含有する本発
明の容器がインクタンク部にセットされたものである。
さらに、本発明の着色体は、上記の式(1)の化合物ま
たはその塩を含有する染料組成物(または式(1)の染
料組成物)、好ましくは上記の水性インク組成物に加工
されて、着色に供されたものである。
【0053】本発明の水性インク組成物は、鮮明で、J
NC(社団法人 日本印刷産業機械工業)の標準イエロ
ー色に近似した好ましい色相のイエロー色であり、他の
マゼンタ、シアンのインクと共に用いる事で、広い可視
領域の色調を色出しする事ができる。また、耐光性及び
耐水性の優れた既存のマゼンタ、シアン、ブラックと共
に用いることで耐光性及び耐水性に優れた記録物を得る
ことができる。
【0054】
【実施例】以下に本発明を更に実施例により具体的に説
明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別
の記載のない限り重量基準である。
【0055】実施例1 (1)クロロスルホン酸400部中に攪拌しながら、4
0℃以下で、式(2)の化合物(X=H)50部を徐々
に仕込んだ。次いで、90〜95℃にて8時間反応を行
った。反応後、30℃以下に冷却し得られた反応液を氷
水1リットル中に注加しクロロスルホン酸を分解させ
た。析出している結晶をろ取し、冷水200部で洗浄し
て式(3)の化合物(m=1〜4、n=0〜3)のウェ
ットケーキ350部を得た。極大吸収波長:446n
m、471nm(メタノール中。)
【0056】(2)水200部にイミノジ酢酸59.9
部を加え、10%塩酸を滴下しpHを1.0に調整し
た。pHを1.0にするとイミノジ酢酸は完溶する。氷
を加え温度を8〜10℃に保ち、(1)で得られたウェ
ットケーキ350部を添加し、その温度で30分攪拌し
た。次いで25〜30℃、pH3.7〜4.3にて3時
間、25〜30℃、pH5.7〜6.3にて15時間、
60〜65℃、pH10.0〜10.5にて30分間反
応を行った。この間のpH調整は10%苛性ソーダ水溶
液を用いて行った。反応後、ろ過して少量の不溶解分を
ろ別し、母液のpHを10%塩酸を滴下することにより
6.5〜7.0とした。水を加えて液量を1700部に
調整し、25℃にて食塩340部を徐々に加え、30分
攪拌した。次いで、10%塩酸を滴下しpHを1.0に
調整し、30分攪拌した後、析出した結晶をろ別し、N
o.5の化合物のウェットケーキ229部を得た。
【0057】(3)メタノール920部中に攪拌しなが
ら、(2)のウェットケーキ229部を添加し、60〜
65℃にて、1時間攪拌した。冷却後、結晶をろ別し、
メタノール400部で洗浄した。得られたウェットケー
キを乾燥し、No.5の化合物(X=H、l=1〜4、
s=0〜3、M=H)の脱塩品33.1部を黄色結晶と
して得た。極大吸収波長:462nm(水溶液)、Na
Cl:0.9%、Na2SO4:0.01%。
【0058】実施例2 (1)水50部にイミノジ酢酸2.0部を加え、10%
塩酸を滴下しpHを1.0に調整した。pHを1.0に
するとイミノジ酢酸は完溶する。氷を加え温度を8〜1
0℃に保ち、実施例1の(1)で得られたウェットケー
キ35.0部を添加し、その温度で30分攪拌した。次
いで25〜30℃、pH3.7〜4.3にて30分間、
25〜30℃、pH4.7〜5.3にて2時間、40〜
45℃、pH4.7〜5.3にて1時間、40〜45
℃、pH10.0〜10.5にて30分間反応を行っ
た。この間のpH調整は10%苛性ソーダ水溶液を用い
て行った。反応後、ろ過して少量の不溶解分をろ別し、
母液のpHを10%塩酸を滴下し6.5〜7.0とし
た。この時点での液量は250部であった。この反応液
に25℃にて食塩50部を徐々に加え、30分間攪拌し
た。次いで、10%塩酸を滴下しpHを1.0に調整
し、30分攪拌した後、析出した結晶をろ別し、No.
5の化合物のウェットケーキ6.6部を得た。
【0059】(2)メタノール50部に(1)のウェッ
トケーキ6.6部を加え、60〜65℃にて、1時間攪
拌した。冷却後、結晶をろ別し、メタノール50部で洗
浄した。得られたウェットケーキを乾燥し、No.5の
化合物(X=H、l=1〜4、s=0〜3、M=H)の
脱塩品1.8部を黄色結晶として得た。極大吸収波長:
462nm(水溶液)。
【0060】実施例3 (1)水250部に、攪拌しながら2,5−ジスルホア
ニリンのモノナトリウム塩(純度91.8%)81.2
部を添加した。10%苛性ソーダ水溶液を添加し、pH
を6.1〜6.9に調整し溶解させた。氷を添加し8〜
10℃に保ち、リパールOH(アニオン系界面活性剤、
ライオン(株)製)0.5部を添加、次いで、塩化シア
ヌル50部を加え、その温度で30分攪拌した。温度を
27〜30℃、pHを2.7〜3.3に保ち、2時間反
応を行なった。反応液をろ過して少量の不溶解分をろ別
し、2,5−ジスルホアニリンと塩化シアヌルの1次縮
合物の反応液を得た。
【0061】(2)(1)の反応液に氷を加え8〜10
℃にし、10%塩酸を加えpH1.0に調整した。次い
で、20%エチレンジアミン水溶液81.5部を1時間
かけて滴下した。この間、温度は8〜10℃に、又pH
は10%塩酸を添加することにより1.0〜5.5に保
持した。次いで、25〜30℃にて10%苛性ソーダ水
溶液を滴下し、pHを4.7〜5.3に保ち24時間反
応を行った。この時の液量は1700部であった。その
温度にて、食塩340部を徐々に添加し1時間攪拌し
た。析出した結晶をろ別し、20%食塩水300部で洗
浄し、2次縮合物のウェットケーキ244. 3部を得
た。
【0062】(3)水50部に(2)の2次縮合ウェッ
トケーキ13.6部を加え、分散させる。pH1.0、
温度を10℃以下にし実施例1の(1)のクロロスルホ
ン化ケーキ35.0部を添加し、30分撹拌する。その
後、25〜30℃、pH5.7〜6.3にて6時間、2
5〜30℃、pH8.7〜9.3にて2時間、25〜3
0℃、pH10.0〜10.5にて9時間反応を行な
い、No.11の反応混合物を得た。さらに80〜85
℃、pH10.0〜10.5にて2時間反応を行う事に
よりNo.12の染料を含む反応混合物を得た。この間
10%苛性ソーダ水溶液を添加しpHを調整した。 反
応後、ろ過して少量の不溶解分をろ別し、母液のpHを
10%塩酸を滴下することにより6.5〜7.0とし
た。この時点での液量は300部であった。この反応液
に食塩60部をゆっくりと加え、30分撹拌した。次い
で、10%塩酸を添加してpH1.0にし、30分撹拌
した。析出した結晶をろ別し、No.12の化合物のウ
ェットケーキ18.6部を得た。
【0063】(4)メタノール90部に(3)のウェッ
トケーキ18.6部を加え、60〜65℃にて、1時間
攪拌した。冷却後、結晶をろ別し、メタノール50部で
洗浄した。得られたウェットケーキを乾燥し、No.1
2の化合物(X=H、l=1〜4、s=0〜3、M=
H)の脱塩品4.7部を黄色結晶として得た。極大吸収
波長:462nm(水溶液)。
【0064】実施例4 (1)水50部にβ−アラニン1.3部加え、10%塩
酸を滴下しpHを1.0に調整した。氷を加え温度を8
〜10℃に保ち、実施例1の(1)で得られたウェット
ケーキ35.0部を添加し、その温度で30分攪拌し
た。次いで25〜30℃、pH3.7〜4.3にて2.
5時間、25〜30℃、pH4.7〜5.3にて1時
間、40〜45℃、pH4.7〜5.3にて1時間、6
0〜65℃、pH4.7〜5.3にて30分間、60〜
65℃、pH10.0〜10.5にて30分間反応を行
った。この間のpH調整は10%苛性ソーダ水溶液を用
いて行った。反応後、ろ過して少量の不溶解分をろ別
し、母液のpHを10%塩酸を滴下するこTにより6.
5〜7.0とした。この時点での液量は250部であっ
た。この反応液に25℃にて食塩50部を徐々に加え、
30分攪拌した。次いで、10%塩酸を滴下しpHを
1.0に調整し、30分攪拌した後、析出した結晶をろ
別し、No.3の化合物のウェットケーキ4.3部を得
た。
【0065】(2)メタノール50部に(1)のウェッ
トケーキ4.3部を加え、60〜65℃にて、1時間攪
拌した。冷却後、結晶をろ別し、メタノール30部で洗
浄した。得られたウェットケーキを乾燥し、No.3の
化合物(X=H、l=1〜4、s=0〜3、M=H)の
脱塩品1.7部を黄色結晶として得た。極大吸収波長:
462nm(水溶液)。
【0066】実施例5 (1)水50部にタウリン1.9部加え、10%塩酸を
滴下しpHを1.0に調整した。氷を加え温度を8〜1
0℃に保ち、実施例1の(1)で得られたウェットケー
キ35.0部を添加し、その温度で30分攪拌した。次
いで25〜30℃、pH3.7〜4.3にて0.5時
間、25〜30℃、pH4.7〜5.3にて2時間、4
0〜45℃、pH4.7〜5.3にて1時間、60〜6
5℃、pH10.0〜10.5にて0.5時間反応を行
った。この間のpH調整は10%苛性ソーダ水溶液を用
いて行った。反応後、ろ過して少量の不溶解分をろ別
し、母液のpHを10%塩酸を滴下することにより6.
5〜7.0とした。この時点での液量は230部であっ
た。この反応液に25℃にて食塩46部を徐々に加え、
30分攪拌した。次いで、10%塩酸を滴下することに
よりpHを1.0に調整し、30分攪拌した後、析出し
た結晶をろ別し、No.1の化合物のウェットケーキ
3.9部を得た。
【0067】(2)メタノール50部に(1)のウェッ
トケーキ3.9部を加え、60〜65℃にて、1時間攪
拌した。冷却後、結晶をろ別し、メタノール30部で洗
浄した。得られたウェットケーキを乾燥し、No.1の
化合物(X=H、l=0〜4、s=0〜3、M=H)の
脱塩品1.7部を黄色結晶として得た。 極大吸収波
長:462nm(水溶液)。
【0068】実施例6 (1)水50部中にアニリン1.4部加え、10%塩酸
を滴下しpHを1.0に調整した。氷を加え温度を8〜
10℃に保ち、実施例1の(1)で得られたウェットケ
ーキ35.0部を添加し、その温度で30分攪拌した。
次いで25〜30℃、pH2.7〜3.3にて1時間、
25〜30℃、pH3.7〜4.3にて2時間、25〜
30℃、pH5.7〜6.3にて1.5時間、40〜4
5℃、pH8.7〜9.3にて1時間、60〜65℃、
pH10.0〜10.5にて30分間反応を行った。こ
の間のpH調整は10%苛性ソーダ水溶液を用いて行っ
た。反応後、ろ過して少量の不溶解分をろ別し、母液の
pHを10%塩酸を滴下し6.5〜7.0とした。この
時点での液量は170部であった。この反応液に25℃
にて食塩34部を徐々に加え、30分攪拌した。次い
で、10%塩酸を滴下することによりpHを1.0に調
整し、30分攪拌した後、析出した結晶をろ別し、N
o.6の化合物のウェットケーキ35.5部を得た。
【0069】(2)メタノール200部に(1)のウェ
ットケーキ35.5部を加え、60〜65℃にて、1時
間攪拌した。冷却後、結晶をろ別し、メタノール100
部で洗浄した。得られたウェットケーキを乾燥し、N
o.6の化合物(X=H、l=1〜4、s=0〜3、M
=H)の脱塩品3.8部を黄色結晶として得た。極大吸
収波長:464nm(水溶液)。
【0070】実施例7 (1)水30部に2−メトキシエタノール1.1部加え
10%塩酸を滴下しpHを1.0に調整した。氷を加え
8〜10℃に保ち、実施例1の(1)で得られたウェッ
トケーキ35部を添加し、その温度で1時間攪拌した。
次いで20〜25℃、pH2.7〜3.3にて2時間、
20〜25℃、pH3.7〜4.3にて1.5時間、2
0〜25℃、pH4.7〜5.3にて18時間、20〜
25℃、pH9.7〜10.3にて2.5時間、60〜
65℃、pH9.7〜10.3にて30分間反応を行っ
た。この間のpH調整は10%苛性ソーダ水溶液を用い
て行った。反応終了後、10%塩酸を滴下し、pH6.
5〜7.5に調整し、ろ過して少量の不溶解分をろ別し
た。この時点での液量は250部であった。この反応液
を50℃に加熱し、食塩50部を徐々に加え、30分間
攪拌した。次いで10%塩酸を滴下しpH1.0に調整
し30分間攪拌した後、析出した結晶をろ別し、No.
15の化合物のウェットケーキ9.0部を得た。
【0071】(2)メタノール90部に(1)のウェッ
トケーキ9.0部を加え、60〜65℃で1時間攪拌し
た。冷却後、結晶をろ別し、メタノール50部で洗浄し
た。得られたウェットケーキを乾燥し、No.15の化
合物(X=H、p=1〜4、q=0〜3、M=H)の脱
塩品1.0部を黄色結晶として得た。極大吸収波長:4
61nm(水溶液)
【0072】実施例8 (1)水30部にクエン酸三ナトリウム・二水和物4.
4部加え10%塩酸を滴下しpHを1.0に調整した。
氷を加え8〜10℃に保ち、実施例1の(1)で得られ
たウェットケーキ35部を添加し、その温度で1時間攪
拌した。次いで20〜25℃、pH2.7〜3.3にて
2時間、20〜25℃、pH3.7〜4.3にて2時
間、20〜25℃、pH4.7〜5.3にて17時間、
20〜25℃、pH9.7〜10.3にて1.5時間、
60〜65℃、pH9.7〜10.3にて30分間反応
を行った。この間のpH調整は10%苛性ソーダ水溶液
を用いて行った。反応終了後、ろ過して少量の不溶解分
をろ別した。この時点での液量は280部であった。こ
の反応液を50℃に加熱し、10%塩酸を滴下し、pH
6.5〜7.5に調整した。食塩56部を徐々に加え、
30分間攪拌した。次いで10%塩酸を滴下しpH1.
0に調整し30分間攪拌した後、析出した結晶をろ別
し、No.16の化合物のウェットケーキ8.2部を得
た。
【0073】(2)メタノール82部に(1)のウェッ
トケーキ8.2部を加え、60〜65℃で1時間攪拌し
た。冷却後、結晶をろ別し、メタノール50部で洗浄し
た。得られたウェットケーキを乾燥し、No.16の化
合物(X=H、p=1〜4、q=0〜3、M=H)の脱
塩品1.7部を黄色結晶として得た。極大吸収波長:4
62nm(水溶液)
【0074】実施例7 (A)インクの調製 下記組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフ
ィルター(アドバンテック社製)で濾過する事により各
インクジェット用水性インク組成物を得た。尚、水はイ
オン交換水を使用した。又、インク組成物のpHがpH
=8〜10、総量が100部になるように水、水酸化ア
ンモニウムを加えた。
【0075】 表4 上記実施例で得られた各染料組成物 2.0−5.5部 (脱塩処理した物を使用) 水+水酸化アンモニウム 75.5−79.0部 グリセリン 5.0部 尿素 5.0部 N−メチル−2−ピロリドン 4.0部 IPA 3.0部 ブチルカルビトール 2.0部 合計 100.0部
【0076】(B)インクジェットプリント インクジェットプリンタ(商品名 PICTY80L
(NEC社製) )を用いて、普通紙(プリンタペーパ
ーA4 TLB5A4S(キャノン社製))、専用紙A
(Color BJ Paper LC101(キャノ
ン社製))、専用紙B(カラーイメージジェット用コー
ト紙 STX73A4(シャープ社製))の3種の被記
録材料にインクジェット記録を行った。本発明の水性イ
ンク組成物の記録画像の色相、鮮明性、耐光性及び耐水
試験結果を表5に示す。
【0077】比較対象として市場でインクジェット用イ
エロー色素として用いられているアゾ系色素C.I. Acid
Yellow 23(比較例1)及びC.I. Direct Yellow 120
(比較例2)を用いて、同様のインク組成で本発明のイ
ンク組成物と光学濃度が合うように調整したインク組成
物の記録画像の色相、鮮明性、耐光性及び耐水性試験結
果を表2に示す。また、インク組成物の色相及び鮮明性
の比較としてJNCのJAPAN Colorの標準イ
エローのカラーサンプルにおける色相及び鮮明性を表5
に示す(紙はJapan Color Standard Paper)。
【0078】(C)記録画像の評価 色相評価 記録画像の色相、鮮明性:記録紙を測色機GRETAG
SPM50(商品名、GRETAG(株)製)を用い
て測色し、L* 、a* 、b* 値を算出。色相はJNCの
JAPAN Colorの標準イエローのカラーサンプ
ルとの比較、鮮明性はC* =((a* )2+(b* )2
1/2で評価した。 耐光試験 フェードメーター(スガ試験機社製)を用い、 カーボ
ンアークを記録画像に40時間照射した。判定級は、J
IS L−0841に規定されたブルースケールの等級
に準じて判定するとともに、上記の測色機を用いて試験
前後の色差(ΔE)を測定した。 耐水試験 水を張ったビーカー中に記録紙を入れ、2分間撹拌した
後取り出し風乾し、試験前後の変化をJIS変褪色グレ
ースケールで判定するとともに、上記の測色機を用いて
試験前後の色差を測定した。
【0079】 表5 色相 鮮明性 耐光性 耐水性 実施例1 L* a* b* (C*) 判定値(ΔE) 判定値(ΔE) 普通紙 88.2 1.1 85.5 85.5 5級(2.9) 2級(25.5) 専用紙A 89.0 3.0 97.1 97.1 3-4級(12.2) 5級(3.6) 専用紙B 89.1 2.6 104.8 104.8 4級(8.6) 5級(3.5) 実施例2 普通紙 89.5 0.7 82.5 82.5 5級(3.2) 2級(23.4) 専用紙A 90.0 2.1 94.7 94.7 4級(9.3) 5級(1.0) 専用紙B 90.5 0.8 104.2 104.2 4級(10.0) 5級(0.5) 実施例3 普通紙 87.5 2.9 91.3 91.3 5級(3.6) 1級(33.0) 専用紙A 87.7 6.2 98.6 98.8 3-4級(12.1) 5級(1.9) 専用紙B 88.0 5.8 109.1 109.3 4級(8.7) 3-4級(11.4) 実施例4 普通紙 86.4 7.5 82.2 82.5 5級(2.2) 2級(24.3) 専用紙A 87.5 9.2 94.3 94.7 3-4級(7.4) 5級(0.8) 専用紙B 88.1 7.9 102.4 102.7 4級(7.2) 5級(1.4) 実施例5 普通紙 82.8 13.9 80.6 81.8 4級(5.9) 1級(31.0) 専用紙A 84.3 14.8 92.1 93.3 3-4級(13.0) 5級(0.7) 専用紙B 84.3 14.9 98.7 99.8 4級(8.5) 4級(6.7) 実施例6 普通紙 84.6 12.5 76.9 77.9 3-4級(12.0) 5級(4.6) 専用紙A 86.0 12.1 91.7 92.5 2級(28.7) 5級(1.1) 専用紙B 85.2 14.6 101.6 102.6 2級(22.2) 5級(0.7) 実施例7 普通紙 87.6 2.0 80.1 80.1 5級(2.5) 2級(19.6) 専用紙A 88.3 2.6 90.9 90.9 3級(18.3) 5級(1.0) 専用紙B 86.7 0.8 98.6 98.6 4級(8.0) 5級(2.2) 実施例8 普通紙 87.8 0.9 79.9 79.9 5級(2.4) 2級(21.4) 専用紙A 88.3 2.5 91.1 91.1 3級(20.0) 5級(2.8) 専用紙B 87.0 0.5 97.8 97.8 4級(8.6) 5級(3.2) 比較例1 普通紙 89.3 3.2 96.5 96.6 3-4級(10.2) 1級(54.6) 専用紙A 88.8 8.2 103.5 103.8 2級(33.2) 5級(3.1) 専用紙B 88.8 6.9 113.2 113.4 2級(23.3) 3級(15.9) 比較例2 普通紙 87.5 5.6 88.7 88.9 3級(17.1) 3級(12.4) 専用紙A 88.4 7.5 98.7 99.0 2級(32.4) 5級(2.2) 専用紙B 88.5 6.9 108.4 108.6 3級(20.4) 5級(2.6) (参考値) 86.5 -6.6 91.1 91.3 − − 注 (参考値)=JNC標準イエローにおける測定値
【0080】表5から、本発明のキノフタロン系染料を
含有する染料組成物を用いて作製したインク組成物は、
JNCの標準イエローの色相に単色で非常に近似してお
り、インクジェット用イエローインクとしてより好まし
い。
【0081】表5より、本発明のキノフタロン系染料を
含有する染料組成物を用いたインク組成物は、普通紙や
専用紙での耐水性が良好で、特に専用紙における耐水性
は極めて良好である。又、耐光性も良好であり、被記録
材料によって差がみられず安定性の高い品質を付与する
ことが可能なインクである。一方アゾ系色素を用いて作
製したインクでは普通紙や専用紙での耐水性が不良であ
り、また耐光性も本発明のインク組成物と比較して不良
である。
【0082】以上のことから本発明のキノフタロン系染
料を含有する染料組成物は使用用途の範囲が広い非常に
優れたインクジェット用インク組成物を与えることが判
る。
【0083】
【発明の効果】本発明の染料組成物は極めて水溶解性に
優れ、その水溶液は経時でも安定であり、これから調製
されるインク組成物の製造過程でのメンブランフィルタ
ーに対するろ過性が良好という特徴を有し、インクジェ
ット用色素として高濃度のインク組成物の作製が可能で
ある。さらに、カラーバリューが高いという特徴があ
る。又、この染料組成物を使用した本発明のインク組成
物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もな
く、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のインク組成
物をインクジェット記録用のイエローインクとして使用
した印刷物は耐光性及び耐水性に優れ、マゼンタ、シア
ン及びブラック染料と共に用いることで耐光性及び耐水
性に優れたインクジェット記録が可能である。更に印刷
面は標準色に近いイエロー色であり、他のマゼンタ、シ
アンのインクと共に用いる事で、広い可視領域の色調を
色出しする事ができる。このように、本発明のインク組
成物はインクジェット記録用のイエローインクとして極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 5/00 111 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA01 BA53 BA57 BA59 BA62 4H057 AA01 BA02 DA01 DA21 DA24 GA06 4J039 BC50 BC52 BC65 BC68 BC72 BC73 BC74 BC77 BC79 BE02 CA06 EA17 EA35 EA38 GA24

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(2) 【化1】 (式(2)中、Xは水素原子、塩素原子又は臭素原子を
    示す。)で表される化合物をクロロスルホン化すること
    により得られる化合物を含有する染料組成物。
  2. 【請求項2】式(2)で示される化合物のクロロスルホ
    ン化により得られる化合物が、式(2)で示される化合
    物を重量比で3〜15倍量のクロロスルホン酸中で、反
    応温度を50〜140℃でクロロスルホン化することに
    より得られる化合物である請求項1に記載の染料組成
    物。
  3. 【請求項3】式(2)で示される化合物のクロロスルホ
    ン化により得られる化合物が式(3) 【化2】 (式(3)中、Xは水素原子、塩素原子又は臭素原子を
    示す。mは1〜4の整数であり、(m+n)は1〜4の
    整数である。)で示される化合物である請求項1又は請
    求項2の染料組成物。
  4. 【請求項4】式(3)で示される化合物を有機アミンと
    縮合させスルホンアミド化することにより得られる化合
    物又はその塩を含有する水溶性染料組成物。
  5. 【請求項5】式(3)で示される化合物をアルコールと
    縮合させスルホンエステル化することにより得られる化
    合物又はその塩を含有する水溶性染料組成物。
  6. 【請求項6】式(3)で示される化合物をスルホンアミ
    ド化することにより得られる化合物又はその塩が式
    (1) 【化3】 (式(1)中、Xは水素原子、塩素原子又は臭素原子を
    示す。R1、R2は各々独立して水素原子、アルキル基、
    ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基(アミノ基に
    アルキル基等の置換基で置換されても良い。)、カルボ
    キシアルキル基、スルホアルキル基又はフェニル基(ス
    ルホン酸基、カルボキシル基から選択される1個又は2
    個以上の置換基で置換されていても良い。)を、Mは水
    素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミン
    のカチオン又はアンモニウムイオンをそれぞれ示す。l
    は1〜4の整数であり、(l+s)は1〜4の整数であ
    る。)で表される水溶性化合物である請求項4に記載の
    水溶性染料組成物。
  7. 【請求項7】式(3)で示される化合物をスルホンエス
    テル化することにより得られる化合物又はその塩が式
    (6) 【化4】 (式(6)中、Xは水素原子、塩素原子又は臭素原子を
    示す。R3はアルキル基、アルコキシアルキル基、アミ
    ノアルキル基(アミノ基にアルキル基等の置換基で置換
    されても良い。)、カルボキシアルキル基、スルホアル
    キル基又はフェニル基(スルホン酸基、カルボキシル基
    から選択される1個又は2個以上の置換基で置換されて
    いても良い。)を、Mは水素原子、アルカリ金属、アル
    カリ土類金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウム
    イオンをそれぞれ示す。pは1〜4の整数であり、(p
    +q)は1〜4の整数である。)で表される水溶性化合
    物である請求項5に記載の水溶性染料組成物。
  8. 【請求項8】スルホンアミド化することにより得られる
    化合物又はその塩が式(3)で示される化合物を、スル
    ホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びアミノ
    基からなる群から選ばれる1種以上の水溶性基を有する
    有機アミンと縮合させスルホンアミド化することにより
    得られる化合物又はその塩である請求項4又は6に記載
    の水溶性染料組成物。
  9. 【請求項9】スルホンエステル化することにより得られ
    る化合物又はその塩が式(3)で示される化合物を、ス
    ルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びアミ
    ノ基からなる群から選ばれる1種以上の水溶性基を有す
    るアルコールと縮合させスルホンエステル化することに
    より得られる化合物又はその塩である請求項5又は7に
    記載の水溶性染料組成物。
  10. 【請求項10】請求項6に記載の式(1)の化合物のR
    1が水素原子、R2が式(4) 【化5】 (式(4)中、Aはアルキレン又はアリレンを示す。
    Y、Zは各々独立して塩素原子、水酸基、アルコキシ
    基、フェノキシ基(スルホン酸基、カルボキシル基、ア
    セチルアミノ基、アミノ基及び水酸基からなる群から選
    択される置換基で置換されていても良い。)、スルホン
    酸基もしくはカルボキシル基を有するアルキルアミノ
    基、アニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシル基から
    なる群から選択される1種又は2種の置換基で置換され
    ていても良い。)ナフチルアミノ基(ナフチル基又はス
    ルホン酸基で置換されていても良い。)又はジアルキル
    アミノアルキルアミノ基を表す。)で表される水溶性化
    合物である請求項6に記載の水溶性染料組成物。
  11. 【請求項11】色素成分として、請求項4乃至請求項1
    0のいずれか一項に記載の染料組成物を含有することを
    特徴とする水性インク組成物。
  12. 【請求項12】水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項
    11に記載の水性インク組成物。
  13. 【請求項13】染料組成物中の無機塩含有量が1重量%
    以下である請求項11又は12に記載の水性インク組成
    物。
  14. 【請求項14】インクジェット記録用である請求項11
    乃至請求項13のいずれか一項に記載の水性インク組成
    物。
  15. 【請求項15】インク滴を記録信号に応じて吐出させて
    被記録材に記録を行うインクジェット記録方法におい
    て、インクとして請求項11乃至請求項14のいずれか
    一項に記載の水性インク組成物を使用することを特徴と
    するインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】被記録材が情報伝達用シートである請求
    項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】請求項11乃至請求項14のいずれか一
    項に記載の水性インク組成物を含有する容器。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の容器を有するインク
    ジェットプリンタ。
  19. 【請求項19】請求項4乃至請求項10のいずれか一項
    に記載の染料組成物を有する着色体。
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