JP2002265820A - 活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物

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JP2002265820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の粉体塗料用組成物における種々の問題点
を解消し、組成物の硬化性に優れ、得られる硬化膜が耐
溶剤性、硬度、平滑性及び密着性に優れる活性エネルギ
ー線硬化型粉体塗料用組成物の提供。 【解決手段】(A)マレイミド基及びエチレン性不飽和基
を有する常温固体の共重合体及び(B)2個以上のエチレ
ン性不飽和基を有する化合物を含有する活性エネルギー
線硬化型粉体塗料用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マレイミド基を有
する共重合体を含む活性エネルギー線硬化型粉体塗料用
組成物に関するものであり、本発明の組成物は、金属、
各種無機系基材、プラスチック、木質系基材及び紙等の
各種基材の被覆に有用なものであり、これら技術分野で
賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、架橋型の粉体塗料としては、各種
の官能基を含有する樹脂と硬化剤を配合した熱硬化型の
塗料が使用されてきた。しかしながら、かかる粉体塗料
は、充分に硬化した塗膜を得るのには140℃以上の高
温で焼き付ける必要があり、耐熱性に乏しいプラスチッ
ク及び木材等の基材の塗装には適さなかったり、得られ
る硬化膜の耐溶剤性が不充分であるという問題点を有す
るものであった。
【0003】一方、低温で硬化できることから、上記の
ような耐熱性が低い基材にも塗装が可能な粉体塗料用の
組成物として、固体の不飽和ポリエステル樹脂と(メ
タ)アクリロイル基含有ポリウレタン樹脂を必須成分と
して含有する、加熱によるラジカル重合架橋又は活性エ
ネルギー線の照射による架橋が可能な組成物が検討され
てきた(特開平8−176472号公報)。又、特定性
状の不飽和基を含有する樹脂と、ビニルエーテル基、ビ
ニルエステル基又は(メタ)アクリロイル基を含有する
架橋剤からなる粉体塗料用の活性エネルギー線架橋型の
組成物も知られている(EP0636669A2号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活性エ
ネルギー線架橋型粉体塗料組成物においては、低温にお
ける流動性と硬化膜の平滑性を付与するため、従来の熱
硬化型粉体塗料用組成物よりも軟化点を大幅に低くする
必要があるが、硬化膜の耐ブロッキング性をある程度の
レベルに保持するためには、余り軟化点を下げることは
出来ない。このため、従来の活性エネルギー線架橋型粉
体塗料組成物から得られる硬化膜は、平滑性に劣り、し
かも充分な硬度を得るためには光重合開始剤を多く配合
する必要があり、その結果硬化膜の耐熱性が不十分で熱
黄変し易かったりし、又基材との密着性も不充分なもの
であった。
【0005】又、前記課題を解決し得る活性エネルギー
線架橋型粉体塗料組成物として、マレイミド基を有する
化合物と2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物
を含む活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物が知ら
れている(特開2000−273361)。しかしなが
ら、当該組成物は、硬化性の点で不充分となることがあ
った。このため、硬化膜に充分な性能を付与するために
はラインスピードを速くすることができず、生産性の点
で不充分なものとなったり、一方ラインスピードを速く
するためには活性エネルギー線照射量を多くする必要が
あるが、この場合電気代等の製造コストを要するものと
なってしまうものであった。
【0006】本発明者らは、従来の粉体塗料用組成物に
おける種々の問題点を解消し、組成物の硬化性に優れ、
得られる硬化膜が耐溶剤性、硬度、平滑性及び密着性に
優れる活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物を見出
すため鋭意検討を行なったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するべく種々の検討を行なった結果、共重合体と
して、マレイミド基にさらにエチレン性不飽和基を有す
るものを使用した活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組
成物が、組成物の硬化性に優れ、得られる硬化膜が耐溶
剤性、硬度、平滑性及び密着性等の各種物性に優れるこ
とを見出し、本発明を完成した。以下、本発明を詳細に
説明する。尚、本明細書においては、アクリロイル基又
は/及びメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と
表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アク
リレートと表し、アクリル酸又は/及びメタクリル酸を
(メタ)アクリル酸と表し、アクリル系共重合体又は/
及びメタクル系共重合体を(メタ)アクリル系共重合体
と表す。
【0008】
【発明の実施の形態】1.(A)マレイミド基及びエチレ
ン性不飽和基を有する常温固体の共重合体 本発明の(A)成分は、マレイミド基及びエチレン性不飽
和基を有する常温固体の共重合体である。(A)成分の融
点としては、40℃以上が好ましく、より好ましくは5
0〜200℃であり、特に好ましくは50〜150℃で
ある。尚、本明細書における共重合体の融点とは、示差
走査熱量測定装置による測定値から得られた曲線の変曲
点における温度をいう。
【0009】1-1.マレイミド基及びエチレン性不飽和基 本発明の組成物は、紫外線で硬化させる場合において
も、(A)成分中のマレイミド基が、活性エネルギー線の
照射により2量化反応による架橋反応を生じるため、光
重合開始剤を配合しないか、又は少量の配合で架橋・硬
化するものであるため、黄変を起こすことなく硬化膜に
優れた硬度を与えることができる。本発明の(A)成分中
のマレイミド基としては、種々のものが使用可能あり、
下記式(1)で表されるものが好ましい。
【0010】
【化2】
【0011】〔但し、式(1)において、R1及びR2はそ
れぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルケニル基若しくはアリール基を表すか、又はR1
びR2は一つとなって5員環若しくは6員環を形成する
炭化水素基を表す。〕
【0012】アリール基としてはフェニル基等を挙げる
ことができる。一つとなって5員環若しくは6員環を形
成する炭化水素基としては、不飽和又は飽和の炭化水素
基のいずれでも良く、基−CH2CH2CH2−、基−C
H=CHCH2−、基−CH2CH2CH2CH2−、基−
CH2CH=CHCH2−及び基−CH=CHCH=CH
−等が挙げられる。
【0013】R1及びR2としては、一方が水素原子で他
方が炭素数4以下のアルキル基、R 1及びR2の両方が炭
素数4以下のアルキル基、並びにそれぞれが一つとなっ
て炭素環を形成する飽和炭化水素基が、重合体を容易に
製造でき、溶解性、保存安定性に優れ、得られる組成物
の架橋塗膜の耐水性に優れる点で好ましい。さらに、こ
れらの中でも、それぞれが一つとなって炭素環を形成す
る飽和炭化水素基がより好ましく、特に好ましくは基−
CH2CH2CH2CH2−である。マレイミド基の具体例
を以下の式(2)〜式(7)に示す。これらの中でも、溶解
性、保存安定性に優れる点で、式(2)又は式(3)で表され
るマレイミド基が好ましい。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】(A)成分中のエチレン性不飽和基として
は、ビニル基、アリル基及び(メタ)アクリロイル基等
が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
【0021】1-2.(A)成分の製造方法 本発明における(A)成分は、種々の方法で得られた重合
体が使用できる。製造方法としては、種々の方法があ
り、以下の〜に示す、官能基及びマレイミド基を有
するプレポリマーを製造しておき、これに当該官能基と
反応し得る官能基を有する化合物を反応させる方法、及
び以下の及びに示す、官能基を有するプレポリマー
を製造しておき、これに当該官能基と反応し得る官能基
とマレイミド基を有する化合物を反応させる方法が好ま
しい。
【0022】マレイミド基及びカルボキシル基含有プ
レポリマーに、エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有
する化合物(以下エポキシ系不飽和化合物という)を付
加する方法。 マレイミド基及び水酸基含有プレポリマーに、エチレ
ン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物(以
下イソシアネート系不飽和化合物という)を付加する方
法。 マレイミド基及びエポキシ基含有プレポリマーに、エ
チレン性不飽和基及びカルボキシル基を有する化合物
(以下カルボキシル系不飽和化合物という)を付加する
方法。 マレイミド基及びイソシアネート基含有プレポリマー
に、エチレン性不飽和基及び水酸基を有する化合物(以
下水酸系不飽和化合物という)を付加する方法。 マレイミド基及び酸無水物基含有プレポリマーに、水
酸系不飽和化合物を付加する方法。 酸無水物基含有プレポリマーに、マレイミド基及び水
酸基を有する化合物及び水酸系不飽和化合物を付加する
方法。 エポキシ基含有プレポリマーに、マレイミド基及びカ
ルボキシル基を有する化合物及びカルボキシル系不飽和
化合物を付加する方法。 これらの製造方法の中でも、上記の製造方法が、(A)
成分を容易に製造できる点で好ましい。
【0023】1-2-1.プレポリマーの製造方法 上記の〜の方法におけるマレイミド基を有するプレ
ポリマーを製造する方法としては、エチレン性不飽和基
及びマレイミド基を有する化合物(以下マレイミド系不
飽和化合物という)と、カルボキシル系不飽和化合物、
水酸系不飽和化合物、エポキシ系不飽和化合物、イソシ
アネート系不飽和化合物、並びにエチレン性不飽和基及
び酸無水物基を有する化合物(以下酸無水物系化合物と
いう)をそれぞれ共重合することによりプレポリマーを
得ることができる。
【0024】マレイミド系不飽和化合物としては、エチ
レン性不飽和基と、前記式(1)で表されるマレイミド基
を有する化合物が好ましい。
【0025】マレイミド系不飽和化合物における、エチ
レン性不飽和基としては、ビニル基、及び、(メタ)ア
クリロイル基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好
ましい。
【0026】マレイミド基としては、前記と同様のもの
が好ましい。
【0027】マレイミド系不飽和化合物としては、下記
(8)で表されるマレイミド基を含有する(メタ)アクリ
レート〔以下イミド(メタ)アクリレートという〕が好ま
しい。
【0028】
【化9】
【0029】但し、式(2)において、R1及びR2は前記
と同様の基である。R3はアルキレン基で、R4は水素又
はメチル基であり、nは1〜6の整数である。
【0030】式(2)の中でも、nが1〜2のものが好ま
しく、より好ましいものは、1のものである。R3とし
ては、炭素数1〜6のものが好ましく、より好ましくは
エチレン基及びプロピレン基が挙げられる。
【0031】カルボキシル系不飽和化合物としては、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、(メタ)ア
クリル酸等の不飽和カルボン酸のマイケル付加反応生成
物である2量体以上のオリゴマー、ω- カルボキシポリ
カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モ
ノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸
モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボ
キシル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】水酸系不飽和化合物としては、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、並びにヒドロキシブチルビニルエーテル
等のヒドロキシアルキルビニルエーテル等が挙げられ
る。
【0033】エポキシ系不飽和化合物としては、グリシ
ジル(メタ)アクリレート及び下記式(9)で表されるシ
クロヘキセンオキサイド基含有(メタ)アクリレート等
のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0034】
【化10】
【0035】イソシアネート系不飽和化合物としては、
(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート及び
下記式(10)で表されるジメチル-m-イソプロペニルベン
ジルイソシアネート等が挙げられる。
【0036】
【化11】
【0037】酸無水物基含有不飽和化合物としては、無
水マレイン酸及びイタコン酸等を挙げることができる。
【0038】又、前記の方法においては、酸無水物系
不飽和化合物を重合することにより、又前記の方法に
おいては、エポキシ系不飽和化合物を重合することによ
りプレポリマーを得ることができる。
【0039】プレポリマーには、必要に応じてその他の
単量体を共重合させることができる。例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル及び(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレートの具体的としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の
アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート及びイソボロニル(メタ)アクリレー
ト等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル
(メタ)アクリレート等の置換アリール(メタ)アクリ
レート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート及び
2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキ
シ(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸又は(メタ)アク
リル酸等の不飽和カルボン酸のマイケル付加反応生成物
である2量体以上のオリゴマー;ω−カルボキシポリカ
プロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノ
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸モ
ノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキ
シル基含有(メタ)アクリレート;アルコキシシリル基
含有(メタ)アクリレートが挙げられる。又、これら単
量体以外にも、マクロモノマー型単量体を使用すること
ができる。これにより(A)成分は、グラフト共重合体又
はブロック共重合体となる。マクロモノマー型単量体と
しては、ポリシロキサンを有するもの、フッ素系ポリマ
ー鎖を有するもの等を挙げることができる。
【0040】プレポリマーのの製造方法としては、種々
の方法が採用でき、溶液重合法、乳化重合法及び高温連
続重合法等といった常法に従えば良い。溶液重合法でラ
ジカル重合により製造する場合は、使用する原料単量体
を有機溶剤に溶解し、熱重合開始剤を添加し、加熱攪拌
することにより得られる。又、必要に応じて、重合体の
分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することがで
きる。使用される熱重合開始剤の例としては、熱により
ラジカル種を発生する過酸化物、アゾ化合物及びレドッ
クス開始剤等が挙げられる。過酸化物の例としては、過
酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペル
オキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド及びジクミル
ペルオキシド等が挙げられる。アゾ化合物の例として
は、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。レドックス
開始剤の例としては、過酸化水素−鉄(II)塩、ペルオ
キソ二硫酸塩−亜硫酸水素ナトリウム及びクメンヒドロ
ペルオキシド−鉄(II)塩等が挙げられる。使用される
有機溶剤は、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、メタノ
ール及びジメチルホルムアミド等が挙げられる。連鎖移
動剤としては、ドデシルメルカプタン、キサントゲン酸
ジスルフィド、ジアゾチオエーテル及び2−プロパノー
ル等が挙げられる。
【0041】又、重合体は、必要に応じて高温連続重合
により製造することもできる。高温連続重合法によれ
ば、低分子量で粘度の低いプレポリマーを得ることがで
き、さらに当該重合方法は、熱重合開始剤を用いる必要
がないか、又は熱重合開始剤を用いる場合でも少量の使
用で目的の分子量のプレポリマーが得られるため、共重
合体は熱や光によりラジカル種を発生するような不純物
をほとんど含有しない純度の高いものとなり安定した物
性が得られるため好ましい。高温連続重合法としては、
特開昭57-502171号、同59-6207号、同6
0-215007号等に開示された公知の方法に従えば
良い。例えば、加圧可能な反応器を溶媒で満たし、加圧
下で所定温度に設定した後、単量体及び必要に応じて重
合溶媒とからなる単量体混合物を一定の供給速度で反応
器へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の反応液
を抜き出す方法が挙げられる。又、単量体混合物には、
必要に応じて熱重合開始剤を配合することもできる。反
応温度は150〜350℃が好ましい。圧力は、反応温
度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するも
ので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応温度を維持
できる圧力であればよい。単量体混合物の滞留時間は、
2〜60分であることが好ましい。
【0042】1-2-3.プレポリマーへの付加反応 前記〜の方法においては、各種官能基を有するマレ
イミド基含有プレポリマーに、それぞれエポキシ系不飽
和化合物、イソシアネート系不飽和化合物、カルボキシ
ル系不飽和化合物及び水酸系不飽和化合物を付加するこ
とにより(A)成分を得ることができる。又、前記の方
法においては、酸無水物基含有プレポリマーに、マレイ
ミド基及び水酸基を有する化合物及び水酸系不飽和化合
物を付加し、前記の方法においてはエポキシ基含有プ
レポリマーに、マレイミド基及びカルボキシル基を有す
る化合物及びカルボキシル系不飽和化合物を付加するこ
とにより重合体を得ることができる。
【0043】エポキシ系不飽和化合物、イソシアネート
系不飽和化合物、カルボキシル系不飽和化合物及び水酸
系不飽和化合物を有する化合物としては、前記と同様の
ものが挙げられる。
【0044】の方法におけるマレイミド基及び水酸基
を有する化合物としては、下記式(11)で表される化合物
等が挙げられる。
【0045】
【化12】
【0046】〔但し、式(11)において、R1、R2は前記
と同様の意味を示す。又、R5は炭素数1〜6の直鎖状
又は分岐状アルキレン基を表す。〕
【0047】の方法で用いるマレイミド基及びカルボ
キシル基を有する化合物としては、下記式(12)で表され
る化合物等が挙げられる。
【0048】
【化13】
【0049】〔但し、式(12)において、R1、R2は前記
と同様の意味を示す。又、R5は炭素数1〜6の直鎖状
又は分岐状アルキレン基を表す。〕
【0050】いずれの場合においても、有機溶媒中、水
媒体中又は無溶剤で、プレポリマーに各化合物を付加す
ることにより製造することができる。各付加反応の条件
としては、各反応に応じて反応温度、反応時間及び触媒
を選択すれば良い。
【0051】(A)成分としては、前記共重合体の中で
も、得られる硬化膜の耐候性に優れる点で、(メタ)ア
クリル系共重合体が好ましい。(メタ)アクリル系の共
重合体の好ましい製造方法は、前記の製造方法を採用
し、マレイミド系不飽和化合物、(メタ)アクリレート
及び必要に応じてこれら以外の単量体を使用してプレポ
リマーを製造し、これにエポキシ系不飽和化合物を付加
する方法である。
【0052】(A)成分の数平均分子量は、1000〜1
00万であることが好ましく、より好ましくは1万〜5
0万である。この値が1000に満たないものは、耐候
性が不足したり、密着性が不十分になることがあり、他
方100万を超えるものは、溶液の安定性が損なわれる
ことがある。尚、本発明において、数平均分子量とは、
溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュ
エーションクロマトグラフィ(以下GPCと略する)に
より測定した分子量をポリスチレンの分子量を基準にし
て換算した値である。
【0053】(A)成分におけるマレイミド基の割合とし
ては、使用する全単量体を基準としてマレイミド基を有
する単量体が10〜40質量%であることが好ましい。
この割合が10質量%に満たない場合は、耐候性が不足
したり、硬化又は架橋(以下単に硬化という)が不十分
になり硬度不足になってしまうことがあり、他方40質
量%を超えると厚膜硬化した場合、硬化膜が表面だけで
進行し、密着性が不良となってしまうことがある。マレ
イミド不飽和重合体において、エチレン性不飽和基の割
合としては、使用する全単量体を基準としてエチレン性
不飽和基を有する単量体が10〜40重量%であること
が好ましい。この割合が10質量%に満たない場合は、
耐候性が不足したり硬化が不十分になり硬度不足にとな
ってしまい、他方40質量%を超えると、密着性が不良
となってしまうことがある。
【0054】2.(B)2個以上のエチレン性不飽和基を
有する化合物 本発明においては、組成物の硬化性を向上させ、得られ
る硬化物の硬度及び耐磨耗性等の物性を改善する目的の
ため、(B)成分の2個以上のエチレン性不飽和基を有す
る化合物を併用する。(B)成分としては、種々のものが
使用でき、モノマー及びオリゴマーのいずれも使用でき
る。
【0055】2-1.モノマー モノマーとしては、ポリ(メタ)アクリレート及びジビニ
ルエーテル等が挙げられる。エチレングリコールのジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのジ
(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールの
ジ(メタ)アクリレート等のグリコールのジ(メタ)ア
クリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート等のポリオールの(メタ)アクリレート、並
びにこれらポリオールのアルキレンオキサイド付加物の
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0056】ジビニルエーテルとしては、トリエチレン
グリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノ
ールジビニルエーテル及びヒドロキシエチルビニルエー
テル等が挙げられる。
【0057】2-2.オリゴマー オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、
ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン(メタ)ア
クリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリ
イソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基
含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げ
られる。ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオ
ール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポリオ
ール等がある。低分子量ポリオールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール
等が挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリ
エチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が
挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、これら低
分子量ポリオール又は/及びポリエーテルポリオール
と、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等
の酸成分との反応物が挙げられる。有機ポリイソシアネ
ートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙
げられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと
しては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及
び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0058】ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴ
マーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アク
リル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリ
オールとしては、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及
びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並
びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオール
と、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等
の酸成分とからの反応物等が挙げられる。
【0059】エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に
(メタ)アクリル酸を付加反応させたもので、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、フェ
ノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の(メ
タ)アクリレート及びポリエーテルのジグリシジルエー
テルの(メタ)アクリル酸付物等が挙げられる。
【0060】(B)成分としては、組成物の貯蔵安定性
に優れる点で、40℃以上の融点を有する化合物が好ま
しい。当該(B)成分の例としては、水添ビスフェノール
Aジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレン
オキシド1モル変成ジ(メタ)アクリレート、トリヒド
ロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙
げられる。
【0061】3.その他の成分 本発明の組成物は、前記(A)及び(B)成分を必須とするも
のであるが、必要に応じて、これら以外の従来塗料添加
剤として従来使用されている成分を配合することができ
る。具体的には、顔料、レベリング剤、わき防止剤、可
塑材、防食剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散
剤、充填材、有機系又は無機系ブロッキング防止剤、密
着性向上剤及び他の樹脂等が挙げられる。顔料の具体例
としては、酸化チタン、カーボンブラック及び酸化鉄等
が挙げられ、レベリング剤の具体例としては、シリコー
ン系レベリング剤及びポリブチルアルコール等が挙げら
れ、充填材の具体例としては、シリカ及び炭酸カルシウ
ム等が挙げられる。
【0062】又、硬度及び柔軟性等の塗膜物性を調整す
る目的で、1個のエチレン性不飽和基を有する化合物を
配合することもできる。具体的には、モノ(メタ)アク
リレートが挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノール
のアルキレンオキシド付加物のアクリレート類及びその
ハロゲン核置換体;エチレングリコールのモノ(メタ)
アクリレート、メトキシエチレングリコールのモノ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノ
(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールの
モノ(メタ)アクリレート等のグリコールのモノ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。上記以外の例として
は、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド
及びN−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
【0063】本発明の組成物は、電子線又は紫外線等の
活性エネルギー線の照射により架橋・硬化するものであ
る。本発明の組成物は、前記の通り紫外線で硬化させる
場合においても、光重合開始剤を配合することなく架橋
・硬化するものであるが、さらなる硬化性の向上を目的
として、耐候性や耐熱性を損なわない範囲で光重合開始
剤を配合することができる。
【0064】光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及び
ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとその
アルキルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセ
トフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン、2−メチ
ルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−タ
ーシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラ
キノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノ
ン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,
4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン、ア
セトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケ
タール等のケタール、ベンゾフェノン等のベンゾフェノ
ン、並びにキサントン等がある。これら光重合開始剤
は、単独で使用することも、安息香酸系、アミン系等の
光重合開始促進剤と組み合わせて使用することもでき
る。光重合開始剤としては、これらの中もで常温で固体
のものが溶融ブレンドの際に飛散することがないため好
ましい。当該光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシ
クロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾイン−イソプロ
ピルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメ
チルケタール等のベンジルケタール類、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のヒ
ドロキシアルキルフェノール類、2−メチル−1−〔4
−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパ
ン−1−オール及びトリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィン−オキシド等が挙げられる。組成物に顔料を配
合する場合には、硬化性に優れる点で、2−メチル−1
−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−
プロパン−1−オール及びトリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィン−オキシド等が好ましい。光重合開始剤
の配合割合としては、組成物中の(A)成分及び(B)成分の
合計量を基準にして0.1〜10質量%が好ましく、よ
り好ましくは0.1〜5質量%である。
【0065】本発明の組成物は、熱硬化を併用して使用
することもできる。この場合には、熱硬化反応を促進さ
せるために、熱ラジカル重合開始剤を配合することが好
ましい。熱ラジカル重合開始剤としては、目的とする硬
化温度で十分な分解速度を有するものを選択すれば良
い。具体的には、パーエステル及びハイドロパーオキサ
イド等の有機過酸化物、並びに脂肪族アゾ化合物等が挙
げられ、より好ましいものとしてはジ−t−ブチルパー
オキサイド、ジイソプロピルパーカルボナート、クメン
−ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシクロブタンニトリル及びアゾビスシアノ
シクロヘキサン等が挙げられる。
【0066】4.活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組
成物 本発明の組成物は、(A)及び(B)成分を必須とするもので
ある。組成物中の(A)及び(B)成分の割合は、(A)成分9
9〜60質量%及び(B)成分40〜1重量%であること
が好ましく、より好ましくは(A)成分99〜80質量%
及び(B)成分20〜1重量%である。(B)成分の割合が1
質量%に満たないと、組成物の硬化性が低下したり、得
られる硬化物の硬度や耐摩耗性が低下してしまうことが
あり、他方40質量%を超えると、ブロッキングを起し
すくなり組成物の貯蔵安定性が低下してしまう場合があ
る。
【0067】本発明の組成物の軟化点としては、得られ
る組成物の耐ブロッキング性と硬化塗膜の外観に優れて
いる点で、60〜130℃が好ましく、より好ましくは
80〜120℃である。尚、本発明における軟化点と
は、JIS−K−2207に規定されている、グリセリ
ン中で、3±0.5℃/分の昇温速度で測定される、い
わゆる、環球法により測定される軟化温度をいう。
【0068】本発明の組成物の製造方法としては、(A)
及び(B)成分を常法に従い溶融ブレンドすれば良い。組
成物は、(A)及び(B)成分のみでも良く、好ましくは前記
した表面塗装業界で慣用されるその他の成分を併用して
製造することもできる。具体的には、(A)及び(B)成分の
混合物を、押出機又は混練装置で約70〜140℃、好
ましくは80〜120℃の温度で溶融ブレンドし、次い
で冷却することによって固化させる。得られた固体は、
次いで常法に従い粉砕し、粗大粒子フラクション、好ま
しくは少なくとも250μm以上の粒度のものを分級除
去する。本発明の組成物に光重合開始剤を配合する場合
には、(A)及び(B)成分に光重合開始剤を配合した後、溶
融ブレンドすることが好ましい。
【0069】本発明の組成物は、種々の基体に適用する
ことが可能である。具体的には、木材、ガラス、金属、
各種無機系基材、紙及びプラスチック等が挙げられ、こ
れらの複合材料にも適用可能で、具体的には木材及び紙
の複合材料等が挙げられる。
【0070】組成物の塗装方法としては、慣用の粉体塗
装方法を使用すれば良く、例えば静電粉体噴霧塗装法、
流動浸漬塗装法及び予熱静電塗装等が挙げられる。木材
等といった非導電性の基体を使用し静電塗装する場合に
は、例えば導電性助剤を静電塗装前に塗布してもよい。
【0071】塗装後、乾燥器等を使用して加熱し、組成
物を溶融する。この場合の加熱温度としては、70〜2
00℃が好ましく、より好ましくは80〜150℃であ
る。組成物を加熱溶融した後、活性エネルギー線を照射
し組成物を硬化させる。活性エネルギー線の照射条件
は、常法に従えば良い。電子線によって行なう場合に
は、電子線のエネルギーは一般に50〜500keVで
ある。
【0072】本発明の組成物は、熱硬化を併用して使用
することもできる。この場合は、熱重合開始剤を組成物
に添加し、90〜220℃、好ましくは120〜190
℃の温度に加熱することによって硬化させることができ
る。熱硬化を併用する場合は、活性エネルギー線の照射
した後、加熱する方法が好ましい。
【0073】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明する。尚、以下において、「%」とは質量%を、
「部」とは質量部を意味する。又、使用した略号を以下
に示す。 THPI−A:3,4,5,6−テトラヒドロフタルイ
ミドエチルアクリレート ※下記式(13)の化合物
【0074】
【化14】
【0075】MMA:メチルメタクリレート BA:ブチルアクリレート MAA:メタクリル酸 GMA:グリシジルメタクリレート
【0076】○製造例1〔(A)成分の製造〕 攪拌機、温度計及び冷却管を備えたフラスコに、室温で
THPI−Aの40g、MMAの30g、BAの4g、
MAAの26g及び酢酸ブチルの100g仕込み、攪拌
し溶解した後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)(以下AMBNという)の3gを仕込み、均
一に溶解させた。窒素気流下、85℃で2時間、100
℃で1時間攪拌し、重合を行なった。この後、反応液中
に、GMAの10g、トリエチルアミンの0.5g及び
ハイドロキノン0.1g添加し、攪拌溶解させた。さら
に100℃で5時間、加熱攪拌し、付加反応を行なっ
た。反応液を真空乾燥し、固体状の共重合体(A-1)を得
た。共重合体(A-1)は、数平均分子量(以下Mnと略
す)が6900、重量平均分子量(以下Mwと略す)が
28900であった。
【0077】○比較製造例1〔エチレン性不飽和基を有
しないマレイミド基含有共重合体の製造〕 製造例1と同様のフラスコに、室温でTHPI−Aの4
0g、MMAの30g、BAの20g、MAAの10g
及び酢酸ブチルの100gを仕込み、攪拌し溶解させた
後、AMBNの3gを仕込み、均一に溶解させた。窒素
気流下、85℃で2時間、100℃で1時間攪拌し、重
合を行なった。反応終了液を真空乾燥し、固体状の共重
合体(A-1')を得た。共重合体(A-1')は、Mnが560
0、Mwが21400であった。
【0078】○比較製造例2〔マレイミド基を有しない
不飽和共重合体の製造〕 MMAの65g、BAの19g、MAAの26g及びG
MAの10gに変更する以外は、製造例1同様の方法に
より、固体状の共重合体(C-1)を得た。共重合体(C-1)
は、Mnが5400、Mwが26400であった。
【0079】○実施例1 製造例1で得られたA-1の90部、アロニックスM31
5〔ヒドロキシエチルトリスイソシアヌール酸トリアク
リレート(融点約60度)、東亞合成(株)製アロニックス
M−315、以下M−315と略〕の10部、光重合開
始剤としてイルガキュア2959〔1−[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシー2
−メチル−1−プロパンー1−オン、チバスペシャリテ
ィーケミカルズ(株)製イルガキュア2959、以下Ir
g2959と略〕の1.5部及びイルガキュア819
〔ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニ
ルフォスフィンオキサイド、チバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製イルガキュア819、以下Irg819と
略〕の1.5部、発泡防止剤としてベンゾイン〔東京化
成(株)製〕0.3部並びにレベリング剤としてレジミッ
クスRL−4〔レジミックスRL−4、三井化学(株)
製、以下RL−4と略〕を0.3部とを混合し、そして
この混合物を100℃で押出成形し、粉砕して40μm
の平均粒度の粉体を得た。
【0080】ボンデライト鋼板又はMDFに、膜厚70
〜90μmで静電塗装した後、塗膜を電気乾燥炉中で1
0分間、140℃の条件で加熱し、次いで以下の照射条
件で紫外線を照射した。 紫外線照射条件:高圧水銀灯160W/cm、距離10
cm、5m/分、2パス得られた硬化膜について、以下
の方法に従い評価を行なった。それらの結果を表2に示
す。
【0081】○評価方法 ・光沢 JIS−K5400に準拠し、60度光沢値で測定し
た。
【0082】・耐溶剤性 ラビングテスターを用い、アセトンを1kgの荷重をか
け50往復ラビングを行ない、塗膜の表面を目視にて異
常を確認し、その異常が発生するまでの回数により○、
△、×で判定した。 50回以上:○、10〜50回:△、10回以下:×
【0083】・鉛筆硬度 JIS−K5400に準拠し、測定した。
【0084】・密着性 得られた硬化膜に、カッターナイフにより1mm幅で碁
盤目カットを入れて正方形の区画を100個作り、その
表面に市販セロハンテープ〔ニチバン(株)製〕を圧着
させてから剥離して、残存した碁盤目数で示した。
【0085】○比較例1〜同3 表1に示す各成分を使用すること以外は実施例1と同様
の方法により組成物を製造した。得られた組成物を使用
して実施例1と同様に評価した。それらの結果を表2に
示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【発明の効果】本発明の組成物によれば、組成物の硬化
性に優れるため、少ない活性エネルギー線照射量で各種
物性に優れる硬化膜を得ることができ、生産性や製造コ
ストに優れる。又、得られる硬化塗膜は、耐溶剤性、硬
度、平滑性及び密着性等の各種物性に優れ、粉体塗料と
して種々の基材の塗装に適用可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)マレイミド基及びエチレン性不飽和基
    を有する常温固体の共重合体及び(B)2個以上のエチレ
    ン性不飽和基を有する化合物を含有することを特徴とす
    る活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分のマレイミド基が下記式(1)で表さ
    れる基である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型粉
    体塗料用組成物。 【化1】 〔但し、式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立し
    て水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基
    若しくはアリール基を表すか、又はR1及びR2は一つと
    なって5員環若しくは6員環を形成する炭化水素基を表
    す。〕
  3. 【請求項3】(A)成分が(メタ)アクリル系共重合体で
    ある請求項1又は請求項2記載の活性エネルギー線硬化
    型粉体塗料用組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分の60〜99質量%及び(B)成分の
    40〜1質量%を含んでなる請求項1〜請求項3のいず
    れかに記載の活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組成
    物。
  5. 【請求項5】前記(B)成分が、融点40℃以上を有する
    ものである化合物である請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載の活性エネルギー線硬化型粉体塗料用組成物。
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