JP2002265594A - ポリエーテルエステル単量体の製造方法及びセメント分散剤 - Google Patents

ポリエーテルエステル単量体の製造方法及びセメント分散剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶剤の非存在下で高品質のポリエーテルエステ
ル単量体を製造できる方法及びこの方法で製造した高品
質のポリエーテルエステル単量体を中間原料として用い
た水溶性ビニル共重合体から成るセメント分散剤を提供
する。 【解決手段】残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03重量
%以下となるよう精製処理した片末端置換ポリアルキレ
ングリコールと、不飽和カルボン酸とを、溶剤の非存在
下に、所定量のp−ベンゾキノン及び/又はフェノチア
ジンを存在させた特定の条件下でエステル化反応させ
て、ポリエーテルエステル単量体を製造した。またこの
方法で製造したポリエーテルエステル単量体をセメント
分散剤として用いる水溶性ビニル共重合体を製造すると
きの中間原料として用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエーテルエステ
ル単量体の製造方法及びセメント分散剤に関する。片末
端置換ポリアルキレングリコールと不飽和カルボン酸と
をエステル化反応させて、中間原料としてのポリエーテ
ルエステル単量体を製造しておき、次にこのポリエーテ
ルエステル単量体と、これと共重合可能なビニル単量体
とを共重合させたビニル共重合体が、分散剤、静電気防
止剤、防曇剤、乳化剤、接着剤等として広く利用されて
いる。この場合、共重合に用いる原料の単量体、とりわ
けポリエーテルエステル単量体の品質が、得られるビニ
ル共重合体を分散剤、静電気防止剤、防曇剤、乳化剤、
接着剤等として用いたときの性能に大きな影響を及ぼ
す。中間原料としてのポリエーテルエステル単量体の品
質が悪いと、得られるビニル共重合体を分散剤、静電気
防止剤、防曇剤、乳化剤、接着剤等として用いても、所
望の性能を発揮しないのである。
【0002】例えば、モルタルやコンクリートのような
水硬性セメント組成物に、経時的低下の少ない優れた流
動性を付与するセメント分散剤として、ポリアルキレン
グリコール鎖を側鎖に有する水溶性ビニル共重合体が知
られているが(特公昭59−18338、特公平5−1
1057、特公平7−91101)、かかる水溶性ビニ
ル共重合体は一般に、片末端置換ポリアルキレングリコ
ールと不飽和カルボン酸とをエステル化反応させて、中
間原料としてのポリエーテルエステル単量体を製造して
おき、次にこのポリエーテルエステル単量体と、これと
共重合可能なビニル単量体とを共重合させることにより
製造されている。この場合、共重合に用いる原料の単量
体、とりわけポリエーテルエステル単量体の品質が、得
られる水溶性ビニル共重合体のセメント分散剤としての
性能に大きな影響を及ぼす。中間原料としてのポリエー
テルエステル単量体の品質が悪いと、得られる水溶性ビ
ニル共重合体をセメント分散剤として用いても、水硬性
セメント組成物に優れた流動性を付与できず、また付与
した流動性の経時的低下(スランプロス)が大きく、更
に水硬性セメント組成物を硬化させた硬化物の圧縮強度
が低いのである。本発明は、溶剤を用いることなく、高
品質のポリエーテルエステル単量体を製造できる方法、
及びかかる方法により製造した高品質のポリエーテルエ
ステル単量体を中間原料として用いることにより、得ら
れる水溶性ビニル共重合体をセメント分散剤として用い
たときに、水硬性セメント組成物にスランプロスの少な
い優れた流動性を付与でき、また水硬性セメント組成物
を硬化させた硬化物の圧縮強度を充分に確保できるセメ
ント分散剤に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、前記のようなポリエーテルエステ
ル単量体は、低沸点有機溶剤、例えばベンゼンを用い
て、片末端置換ポリアルキレングリコールと不飽和カル
ボン酸とをエステル化反応させることにより製造されて
いる(特開平11−71151、特開2000−159
882、特開2000−159883、特開2000−
212273)。ところが、上記のように低沸点有機溶
剤を用いると、ポリエーテルエステル単量体それ自体と
しては相応に高品質のものが得られるという利点がある
反面、用いた低沸点有機溶剤を回収する必要がある。用
いた低沸点有機溶剤の回収により回収設備の設置も含め
てそれだけポリエーテルエステルの製造コスト、ひいて
はこれを中間原料とするビニル共重合体の製造コスト、
例えばセメント分散剤としての水溶性ビニル共重合体の
製造コストが高くなり、またその性質上、作業者は好ま
しくない環境下での回収作業を強いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、溶剤を用いることなく、高品質のポリエー
テルエステル単量体を製造する点にあり、またこれを中
間原料として用いることにより、得られる水溶性ビニル
共重合体にセメント分散剤としての優れた性能を発揮さ
せる点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するべく研究した結果、1)高品質のポリエー
テルエステル単量体を製造するためには、その原料とし
て高品質の片末端置換ポリアルキレングリコールを用い
ることが肝要であること、2)原料の片末端置換ポリア
ルキレングリコールとしては、相当するモノヒドロキシ
化合物にアルキレンオキサイドを開環付加反応させたも
のを用い、通常はかくして開環付加反応させた片末端置
換ポリアルキレングリコールを工業的に量産し、その使
用時まで、すなわち不飽和カルボン酸とエステル化反応
させてポリエーテルエステル単量体を製造するときまで
保存しておいたものを用いるが、かかる片末端置換ポリ
アルキレングリコール中には、開環付加反応時の条件や
開環付加反応後の精製条件により、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸等の低級カルボン酸で代表される遊離酸が副生し
て残留し、またとりわけ保存時の条件により、同様の遊
離酸が副生して残留し、かかる残留遊離酸の濃度が一定
値を超えると、そのような片末端置換ポリアルキレング
リコールからは高品質のポリエーテルエステル単量体を
製造できないこと、以上の知見を得た。
【0006】そこで本発明者らは、更に追究した結果、
3)片末端置換ポリアルキレングリコールとして、残留
遊離酸の酢酸換算濃度が一定値以下となるよう精製処理
したものを用い、かかる片末端置換ポリアルキレングリ
コールと、不飽和カルボン酸とを、溶剤の非存在下に、
所定量のp−ベンゾキノン及び/又はフェノチアジンを
存在させた特定の条件下で、エステル化反応させると、
高品質のポリエーテルエステル単量体が得られること、
4)かかる高品質のポリエーテルエステル単量体と、こ
れと共重合可能なビニル単量体とを、水溶液中でラジカ
ル共重合反応させて得られる水溶性ビニル共重合体はセ
メント分散剤として優れた性能を発揮すること、以上を
見出した。
【0007】すなわち本発明は、残留遊離酸の酢酸換算
濃度が0.03重量%以下となるよう精製処理した下記
の式1で示される片末端置換ポリアルキレングリコール
と、下記の式2で示される不飽和カルボン酸とを、溶剤
の非存在下に、該片末端置換ポリアルキレングリコール
の0.03〜0.5重量%に相当する量のp−ベンゾキ
ノン及び/又はフェノチアジンを存在させた加熱及び減
圧条件下で、酸触媒を用いて、生成水を留去させつつエ
ステル化反応させ、下記の式3で示されるポリエーテル
エステル単量体を得ることを特徴とするポリエーテルエ
ステル単量体の製造方法に係る。また本発明は、かかる
方法で製造したポリエーテルエステル単量体と、これと
共重合可能なビニル単量体とを、水溶液中でラジカル共
重合反応させて得られる水溶性ビニル共重合体から成る
ことを特徴とするセメント分散剤に係る。
【0008】
【式1】
【式2】
【式3】
【0009】式1〜式3において、 R1:炭素数1〜22のアルキル基、ベンジル基、フェ
ニル基又はアルキル基の炭素数が1〜12のアルキルフ
ェニル基 R2,R3:H又はメチル基 A:オキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位と
オキシプロピレン単位との双方からなるオキシアルキレ
ン単位の繰り返し数が5〜250のポリアルキレングリ
コールから全ての水酸基を除いた残基
【0010】先ず、本発明に係るポリエーテルエステル
単量体の製造方法について説明する。本発明では、式1
で示される片末端置換ポリアルキレングリコールとし
て、残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03重量%以下、
好ましくは0.015重量%以下、更に好ましくは0.
01重量%以下となるよう精製処理したものを用いる。
前記したように、式1で示される片末端置換ポリアルキ
レングリコールは、相当するモノヒドロキシ化合物にア
ルキレンオキサイドを開環付加反応させて得られるが、
かかる開環付加反応物として得られる片末端置換ポリア
ルキレングリコール中には、開環付加反応時の条件や開
環付加反応後の精製条件により、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸等の低級カルボン酸で代表される遊離酸が副生して
残留し、またとりわけその保存時の条件により、同様の
遊離酸が副生して残留する。そして、残留遊離酸の酢酸
換算濃度が0.03重量%を超えると、そのような片末
端置換ポリアルキレングリコールを式2で示される不飽
和カルボン酸とエステル化反応させても、高品質のポリ
エーテルエステル単量体は得られない。したがって本発
明では、残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03重量%以
下、好ましくは0.015重量%以下、更に好ましくは
0.01重量%以下となるよう精製処理した式1で示さ
れる片末端置換ポリアルキレングリコールを、式2で示
される不飽和カルボン酸とのエステル化反応に供する。
ここで、残留遊離酸の酢酸換算濃度は、JIS−K15
03に記載の方法に準じて測定される値である。
【0011】残留遊離酸を取り除くための精製処理方法
としては、1)吸着材を用いる方法、2)中和する方
法、3)中和後に、塩析し、脱水する方法等が挙げられ
るが、1)の吸着材を用いる方法が好ましい。かかる吸
着材にも各種が挙げられるが、酸化アルミニウム系吸着
材、酸化マグネシウム系吸着材、酸化アルミニウム・酸
化マグネシウム系吸着材、ケイ酸・酸化アルミニウム系
吸着材、ケイ酸・酸化マグネシウム系吸着材等、いずれ
にしても酸化アルミニウム及び/又は酸化マグネシウム
を含有する吸着材を用いるのが好ましい。またかかる吸
着材を用いて精製処理する方法にも各種が挙げられる
が、酢酸換算濃度で0.03重量%を超える遊離酸を残
留する片末端置換ポリアルキレングリコールを加温下に
吸着材と接触させる方法が好ましい。例えば、酢酸換算
濃度で0.03重量%を超える遊離酸を残留する片末端
置換ポリアルキレングリコールを、100℃前後の加温
下に吸着材と混合した後、その混合物を加圧濾過し、濾
液として、残留遊離酸の酢酸換算濃度を0.03重量%
以下に精製処理した片末端置換ポリアルキレングリコー
ルを得る。
【0012】かくして精製処理した式1で示される片末
端置換ポリアルキレングリコールにおいて、R1として
は、1)メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタ
デシル基、エイコサニル基、ドコサニル基等の炭素数1
〜22のアルキル基、2)ベンジル基、3)フェニル
基、4)メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピ
ルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニ
ル基、ヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニ
ルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキル基の炭
素数が1〜12のアルキルフェニル基が挙げられるが、
なかでも炭素数1〜12のアルキル基、ベンジル基が好
ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。
【0013】またAには、1)オキシアルキレン単位が
オキシエチレン単位のみからなるポリエチレングリコー
ルから全ての水酸基を除いた残基、2)オキシアルキレ
ン単位がオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位と
の双方からなるポリエチレンポリプロピレングリコール
から全ての水酸基を除いた残基が包含されるが、Aとし
てはポリエチレングリコールから全ての水酸基を除いた
残基が好ましい。Aがポリエチレンポリプロピレングリ
コールから全ての水酸基を除いた残基の場合、オキシエ
チレン単位とオキシプロピレン単位との結合様式はラン
ダム結合及び/又はブロック結合のいずれでもよい。A
で示されるポリアルキレングリコールから全ての水酸基
を除いた残基を構成するオキシアルキレン単位の繰り返
し数は、5〜250とするが、7〜90とするのが好ま
しい。
【0014】式1で示される片末端置換ポリアルキレン
グリコールとしては、メトキシポリエチレングリコー
ル、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレング
リコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシ
ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、プ
ロポキシポリエチレングリコール、プロポキシポリエチ
レングリコールポリプロピレングリコール、ブトキシポ
リエチレングリコール、ラウリルオキシポリエチレング
リコール、ブトキシポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコール、ベンジルオキシポリエチレングリコー
ル、ベンジルオキシポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、
フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリ
コール、アルキルフェノキシポリエチレングリコール、
アルキルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコール等が挙げられる。
【0015】式2で示される不飽和カルボン酸は、メタ
クリル酸、アクリル酸、クロトン酸であるが、なかでも
メタクリル酸が好ましい。
【0016】本発明では、以上説明したように、残留遊
離酸の酢酸換算濃度が0.03重量%以下となるよう精
製処理した式1で示される片末端置換ポリアルキレング
リコールと、式2で示される不飽和カルボン酸とを、溶
剤の非存在下に、p−ベンゾキノン及び/又はフェノチ
アジンを存在させた加熱及び減圧条件下で、酸触媒を用
いて、生成水を留去させつつ、エステル化反応させ、式
3で示されるポリエーテルエステル単量体を得る。
【0017】反応系におけるp−ベンゾキノン及び/又
はフェノチアジンの存在量は、式1で示される片末端置
換ポリアルキレングリコールの0.03〜0.5重量%
に相当する量とするが、0.1〜0.25重量%に相当
する量とするのが好ましく、なかでもp−ベンゾキノン
を式1で示される片末端置換ポリアルキレングリコール
の0.1〜0.25重量%に相当する量存在させるのが
より好ましい。反応系におけるp−ベンゾキノン及び/
又はフェノチアジンの存在量が式1で示される片末端置
換ポリアルキレングリコールの0.03重量%より少な
いと、重合防止効果が充分に発揮されず、逆に0.5重
量%より多いと、重合防止効果は充分に発揮されるが、
得られるポリエーテルエステル単量体を中間原料として
用い、ビニル共重合体を製造するとき、ラジカル共重合
反応が円滑に進行しない。
【0018】エステル化反応時における加熱条件として
は、105〜135℃とするのが好ましく、圧力条件と
しては、15〜0.5kPaとするのが好ましい。かか
る加熱条件は前記の温度範囲内にて徐々に或は段階的に
昇温し、また圧力条件は前記の圧力範囲内にて徐々に或
は段階的に減圧する方法がより好ましい。
【0019】エステル化反応では、触媒として酸触媒を
用いる。かかる酸触媒としては、硫酸、パラトルエンス
ルホン酸、燐酸、メタンスルホン酸等を単独で或は混合
して用いることができるが、なかでも硫酸単独又は硫酸
とパラトルエンスルホン酸との混合酸が好ましい。酸触
媒の使用量は、式1で示される片末端置換ポリアルキレ
ングリコールと式2で示される不飽和カルボン酸との合
計量に対して、0.2〜1.5重量%とするのが好まし
い。
【0020】エステル化反応に際して、式1で示される
片末端置換ポリアルキレングリコールと式2で示される
不飽和カルボン酸との原料比率は、式1で示される片末
端置換ポリアルキレングリコール/式2で示される不飽
和カルボン酸=1/1.5〜1/7(モル比)とするの
が好ましい。この場合、双方のエステル化反応後に、過
剰分の不飽和カルボン酸を留去する。
【0021】以上説明した本発明に係るポリエーテルエ
ステル単量体の製造方法について、更に詳しく説明する
と、ポリエーテルエステル単量体として例えばメトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレートを製造する場
合、残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03重量%以下と
なるよう精製処理したメトキシポリエチレングリコール
と過剰のメタクリル酸とを反応容器に仕込んだ後、該メ
トキシポリエチレングリコールの仕込み量に対し重合防
止剤として所定量のp−ベンゾキノン及び/又はフェノ
チアジンを仕込み、更に酸触媒として所定量の濃硫酸を
仕込む。次に反応系の温度を徐々に上昇させ、また圧力
を徐々に減圧にした所定の温度及び圧力下に、生成水を
水/メタクリル酸の共沸蒸留により留去しつつ、エステ
ル化反応を行なう。エステル化反応後、過剰分のメタク
リル酸を留去し、メトキシポリエチレングリコールメタ
クリレートを得る。かくして得られるポリエーテルエス
テル単量体には、上記の重合防止剤及び酸触媒も含まれ
てくるが、これらを精製除去することなくそのまま、中
間原料としてビニル共重合体の製造に供することができ
る。
【0022】次に、本発明に係るセメント分散剤につい
て説明する。本発明に係るセメント分散剤は水溶性ビニ
ル共重合体から成り、この水溶性ビニル共重合体は、以
上説明した製造方法で得たポリエーテルエステル単量体
と、これと共重合可能なビニル単量体とを、水溶液中で
ラジカル共重合反応させて得られるものである。かかる
ビニル単量体としては、それがポリエーテルエステル単
量体と共重合可能なものがあれば、それ自体は公知の各
種のビニル単量体、例えばエチレン性不飽和モノカルボ
ン酸及び/又はその塩、エチレン性不飽和ジカルボン酸
及び/又はその塩、エチレン性不飽和モノカルボン酸エ
ステル、水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル、芳
香族ビニル単量体、アミノ基を有するビニル単量体、ア
ミド基を有するビニル単量体、アルデヒド基を有するビ
ニル単量体、ニトリル基を有するビニル単量体、ビニル
エステル、アルケン化合物、ジエン化合物、スルホン酸
基を有するビニル単量体等が挙げられる。なかでも、エ
チレン性不飽和モノカルボン酸及び/又はその塩、スル
ホン酸基を有するビニル単量体が好ましく、とりわけ、
1)(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルカ
リ金属塩、(メタ)アクリル酸のアルカリ土類金属塩、
(メタ)アクリル酸の有機アミン塩等の、(メタ)アク
リル酸及び/又はその塩、2)かかる(メタ)アクリル
酸及び/又はその塩と共に用いる、メタリルスルホン酸
のアルカリ金属塩、メタリルスルホン酸のアルカリ土類
金属塩、メタリルスルホン酸の有機アミン塩等のメタリ
ルスルホン酸塩が好ましい。
【0023】ポリエーテルエステル単量体と、これと共
重合可能なビニル単量体とのラジカル共重合割合は、特
に制限されないが、ポリエーテルエステル単量体と、
(メタ)アクリル酸及び/又はその塩とをラジカル共重
合反応させる場合には、ポリエーテルエステル単量体を
5〜50モル%、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩
を50〜95モル%(合計100モル%)とするのが好
ましく、またポリエーテルエステル単量体と、(メタ)
アクリル酸及び/又はその塩と、メタリルスルホン酸塩
とをラジカル共重合反応させる場合には、ポリエーテル
エステル単量体を5〜45モル%、(メタ)アクリル酸
及び/又はその塩を50〜90モル%、メタリルスルホ
ン酸を0.3〜15モル%(合計100モル%)とする
のが好ましい。
【0024】ラジカル共重合体反応それ自体は、公知の
ラジカル共重合反応、例えば特開平8−290948号
公報に記載されているようなラジカル共重合反応を適用
できる。例えば、前記の製造方法で得たポリエーテルエ
ステル単量体と、これと共重合可能なビニル単量体と、
連鎖移動剤とを含む水溶液を調製し、窒素ガス雰囲気下
で、ラジカル開始剤を加えて、反応温度50〜90℃で
4〜8時間ラジカル共重合反応させることにより、水溶
性ビニル共重合体を得ることができる。この場合、連鎖
移動剤としては、2−メルカプトエタノール、メルカプ
トプロピオン酸、チオグリコール酸等が挙げられる。ま
たラジカル開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩や2,2−
アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等の水溶性
ラジカル開始剤が挙げられる。
【0025】ラジカル共重合反応により得られる水溶性
ビニル共重合体は、その数平均分子量(GPC法による
プルラン換算の数平均分子量、以下同じ)を、3500
〜70000のものとするのが好ましく、5000〜4
0000のものとするのがより好ましい。
【0026】かくして得られる水溶性ビニル共重合体か
ら成る本発明のセメント分散剤は、セメント或はセメン
トの他に微粉末混和材料を結合材とする各種の水硬性セ
メント組成物、代表的にはモルタルやコンクリートに適
用できる。この場合、セメントとしては、普通セメン
ト、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各
種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシ
ュセメント、シリカフュームセメント等の各種混合セメ
ントが挙げられる。また微粉末混和材料としては、石灰
石粉、炭酸カルシウム、シリカフューム、高炉スラグ微
粉末、フライアッシュ等が挙げられる。
【0027】本発明のセメント分散剤の使用量は、セメ
ント又はセメントと微粉末混和材料とからなる結合材1
00重量部に対し固形分換算で、通常0.01〜2.5
重量部、好ましくは0.05〜1.5重量部とする。本
発明のセメント分散剤は通常、水硬性セメント組成物を
調製する際に練混ぜ水と一緒に添加して用いる。
【0028】本発明に係るポリエーテルエステル単量体
の製造方法では、残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03
重量%以下となるよう精製処理した式1で示される片末
端置換ポリアルキレングリコールと、式2で示される不
飽和カルボン酸とのエステル化反応に際し、溶剤を使用
しない。したがって、双方のエステル化反応後に、溶剤
を回収する必要がない。また本発明に係るポリエーテル
エステル単量体の製造方法によると、高品質の式3で示
されるポリエーテルエステル単量体を得ることができ
る。詳しくは後述するように、エステル化反応時に異常
な粘度上昇やゲルの発生がない、エステル化反応率の高
いポリエーテルエステル単量体を得ることができるので
ある。本発明に係る製造方法で得たかかる高品質のポリ
エーテルエステル単量体を中間原料として用いた水溶性
ビニル共重合体は、セメント分散剤として所望の性能を
発揮する。水硬性セメント組成物にスランプロスの少な
い優れた流動性を付与でき、また水硬性セメント組成物
を硬化させた硬化物に充分な圧縮強度を発現させること
ができるのである。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明に係るポリエーテルエステ
ル単量体の製造方法の実施形態としては、次の1)〜
4)が挙げられる。 1)残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.035重量%のプ
ロポキシポリエチレングリコール(オキシエチレン単位
の繰り返し数12、以下n=12という)2.0モルと
酸化アルミニウム・酸化マグネシウム系吸着材6gと
を、110℃の加温下に1時間混合し、80℃に冷却し
た後、混合物を濾過助材を用いて加圧濾過し、濾液とし
て残留遊離酸の酢酸換算濃度を0.002重量%に精製
処理したプロポキシポリエチレングリコール(n=1
2)を得る。このプロポキシポリエチレングリコール
(n=12)1.0モルとメタクリル酸2.0モルと
を、溶剤を用いることなく、該メトキシポリエチレング
リコール(n=12)の0.19重量%に相当する量の
p−ベンゾキノンを存在させた温度125〜130℃で
圧力12〜2.5kPaの条件下に、触媒として該メト
キシポリエチレングリコール(n=12)と該メタクリ
ル酸との合計量の0.23重量%に相当する量の硫酸を
用いて、生成水を留去させつつエステル化反応させた
後、過剰分のメタクリル酸を留去させてポリエーテルエ
ステル単量体(P−1)を得る方法。
【0030】2)残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03
8重量%のメトキシポリエチレングリコール(n=9)
2.0モルと酸化アルミニウム・酸化マグネシウム系吸
着材6gとを、110℃の加温下に1時間混合し、80
℃に冷却した後、混合物を濾過助材を用いて加圧濾過
し、濾液として残留遊離酸の酢酸換算濃度を0.003
重量%に精製処理したメトキシポリエチレングリコール
(n=9)を得る。このメトキシポリエチレングリコー
ル(n=9)1.0モルとメタクリル酸3.5モルと
を、溶剤を用いることなく、該メトキシポリエチレング
リコール(n=9)の0.16重量%に相当する量のp
−ベンゾキノンを存在させた温度125〜130℃で圧
力10〜2.5kPaの条件下に、触媒として該メトキ
シポリエチレングリコール(n=9)と該メタクリル酸
との合計量の0.50重量%に相当する量の硫酸を用い
て、生成水を留去させつつエステル化反応させた後、過
剰分のメタクリル酸を留去させてポリエーテルエステル
単量体(P−2)を得る方法。
【0031】3)残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03
3重量%のメトキシポリエチレングリコール(n=2
3)2.0モルと酸化アルミニウム・酸化マグネシウム
系吸着材8gとを、110℃の加温下に1時間混合し、
80℃に冷却した後、混合物を濾過助材を用いて加圧濾
過し、濾液として残留遊離酸の酢酸換算濃度を0.00
3重量%に精製処理したメトキシポリエチレングリコー
ル(n=23)を得る。このメトキシポリエチレングリ
コール(n=23)1.0モルとメタクリル酸3.6モ
ルとを、溶剤を用いることなく、該メトキシポリエチレ
ングリコール(n=23)の0.14重量%に相当する
量のp−ベンゾキノンを存在させた温度125〜130
℃で圧力7〜2.5kPaの条件下に、触媒として該メ
トキシポリエチレングリコール(n=23)と該メタク
リル酸との合計量の0.32重量%に相当する量の硫酸
を用いて、生成水を留去させつつエステル化反応させた
後、過剰分のメタクリル酸を留去させてポリエーテルエ
ステル単量体(P−3)を得る方法。
【0032】4)残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.04
0重量%のメトキシポリエチレングリコール(n=7
5)2.0モルと酸化アルミニウム・酸化マグネシウム
系吸着材8gとを、110℃の加温下に1時間混合し、
80℃に冷却した後、混合物を濾過助材を用いて加圧濾
過し、濾液として残留遊離酸の酢酸換算濃度を0.00
3重量%に精製処理したメトキシポリエチレングリコー
ル(n=75)を得る。このメトキシポリエチレングリ
コール(n=75)1.0モルとメタクリル酸3.0モ
ルとを、溶剤を用いることなく、該メトキシポリエチレ
ングリコール(n=75)の0.16重量%に相当する
量のp−ベンゾキノンを存在させた温度125〜130
℃で圧力1.0〜2.5kPaの条件下に、触媒として
該メトキシポリエチレングリコール(n=75)と該メ
タクリル酸との合計量の0.28重量%に相当する量の
硫酸/パラトルエンスルホン酸=5/2(重量比)の混
合液を用いて、生成水を留去させつつエステル化反応さ
せた後、過剰分のメタクリル酸を留去させてポリエーテ
ルエステル単量体(P−4)を得る方法。
【0033】また本発明に係るセメント分散剤の実施形
態としては、次の5)〜12)が挙げられる。 5)前記のポリエーテルエステル単量体(P−1)と、
メタクリル酸とを、ポリエーテルエステル単量体(P−
1)/メタクリル酸=35/65(モル%)の割合に
て、水溶液中でラジカル共重合反応させた、数平均分子
量13000の水溶性ビニル共重合体(D−1)から成
るセメント分散剤。
【0034】6)前記のポリエーテルエステル単量体
(P−1)と、メタクリル酸ナトリウムと、メタリルス
ルホン酸ナトリウムとを、ポリエーテルエステル単量体
(P−1)/メタクリル酸ナトリウム/メタリルスルホ
ン酸ナトリウム=33/61/6(モル%)の割合に
て、水溶液中でラジカル共重合反応させた、数平均分子
量9200の水溶性ビニル共重合体(D−2)から成る
セメント分散剤。
【0035】7)前記のポリエーテルエステル単量体
(P−2)と、メタクリル酸とを、ポリエーテルエステ
ル単量体(P−2)/メタクリル酸=35/65(モル
%)の割合にて、水溶液中でラジカル共重合反応させ
た、数平均分子量16000の水溶性ビニル共重合体
(D−3)から成るセメント分散剤。
【0036】8)前記のポリエーテルエステル単量体
(P−2)と、メタクリル酸ナトリウムと、メタリルス
ルホン酸ナトリウムとを、ポリエーテルエステル単量体
(P−2)/メタクリル酸ナトリウム/メタリルスルホ
ン酸ナトリウム=33/61/6(モル%)の割合に
て、水溶液中でラジカル共重合反応させた、数平均分子
量9800の水溶性ビニル共重合体(D−4)から成る
セメント分散剤。
【0037】9)前記のポリエーテルエステル単量体
(P−3)と、メタクリル酸とを、ポリエーテルエステ
ル単量体(P−3)/メタクリル酸=35/65(モル
%)の割合にて、水溶液中でラジカル共重合反応させ
た、数平均分子量21000の水溶性ビニル共重合体
(D−5)から成るセメント分散剤。
【0038】10)前記のポリエーテルエステル単量体
(P−3)と、メタクリル酸ナトリウムと、メタリルス
ルホン酸ナトリウムとを、ポリエーテルエステル単量体
(P−3)/メタクリル酸ナトリウム/メタリルスルホ
ン酸ナトリウム=33/61/6(モル%)の割合に
て、水溶液中でラジカル共重合反応させた、数平均分子
量13500の水溶性ビニル共重合体(D−6)から成
るセメント分散剤。
【0039】11)前記のポリエーテルエステル単量体
(P−4)と、メタクリル酸とを、ポリエーテルエステ
ル単量体(P−4)/メタクリル酸=35/65(モル
%)の割合にて、水溶液中でラジカル共重合反応させ
た、数平均分子量32000の水溶性ビニル共重合体
(D−7)から成るセメント分散剤。
【0040】12)前記のポリエーテルエステル単量体
(P−4)と、メタクリル酸ナトリウムと、メタリルス
ルホン酸ナトリウムとを、ポリエーテルエステル単量体
(P−4)/メタクリル酸ナトリウム/メタリルスルホ
ン酸ナトリウム=33/61/6(モル%)の割合に
て、水溶液中でラジカル共重合反応させた、数平均分子
量18500の水溶性ビニル共重合体(D−8)から成
るセメント分散剤。
【0041】以下、本発明の構成及び効果をより具体的
にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に
限定されるというものではない。尚、以下の実施例等に
おいて、別に記載しない限り、部は重量部を、また%は
重量%を意味する。
【0042】
【実施例】試験区分1(片末端置換ポリアルキレングリ
コールの調製) ・片末端置換ポリアルキレングリコール(M−1)の調
製 プロピルアルコール120g(2.0モル)をオートク
レーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム粉末0.6
gを加えた後、オートクレーブ内を充分に窒素で置換し
た。撹拌しながら、反応温度を110〜120℃に維持
して、エチレンオキサイド1056g(24モル)を圧
入して、開環付加反応を行なった。開環付加反応後、同
温度で1時間熟成した。反応物をフラスコに移し、ケイ
酸・酸化アルミニウム系吸着材(協和化学工業社の商品
名キョーワード700SL)12gを加え、110℃の
加温下で1時間混合し、80℃に冷却した後、混合物を
濾過助材(昭和化学工業社製の商品名トプコパーライ
ト)20gを用いて加圧濾過し、濾液として残留遊離酸
の酢酸換算濃度を0.003%に精製処理したプロポキ
シポリエチレングリコール(n=12)を得た。これを
片末端置換ポリアルキレングリコール(M−1)とし
た。
【0043】・片末端置換ポリアルキレングリコール
(M−2)〜(M−6)の調製 片末端置換ポリアルキレングリコール(M−1)と同様
にして、片末端置換ポリアルキレングリコール(M−
2)〜(M−6)を調製した。以上で調製した各片末端
置換ポリアルキレングリコール(M−1)〜(M−6)
の内容を表1にまとめて示した。
【0044】・片末端置換ポリアルキレングリコール
(m−1)の調製 片末端置換ポリアルキレングリコール(M−1)100
0gを内容2Lのポリ容器に入れ、容器内に上部空間を
残した状態で密封し、80℃で30日間保存する促進試
験を行ない、片末端置換ポリアルキレングリコール(m
−1)を調製した。片末端置換ポリアルキレングリコー
ル(m−1)における残留遊離酸の酢酸換算濃度は0.
035%に増えていた。
【0045】・片末端置換ポリアルキレングリコール
(m−2)〜(m−6)の調製 片末端置換ポリアルキレングリコール(M−1)から片
末端置換ポリアルキレングリコール(m−1)を調製し
たことと同様にして、片末端置換ポリアルキレングリコ
ール(M−2)〜(M−6)から片末端置換ポリアルキ
レングリコール(m−2)〜(m−6)を調製した。以
上で調製した各片末端置換ポリアルキレングリコール
(m−1)〜(m−6)の内容を表1にまとめて示し
た。
【0046】・片末端置換ポリアルキレングリコール
(MS−1)の調製 片末端置換ポリアルキレングリコール(m−1)800
gをフラスコにとり、酸化アルミニウム・酸化マグネシ
ウム系吸着材(協和化学工業社製の商品名キョーワード
300)5gを加え、110℃の加温下に1時間混合
し、80℃に冷却した後、混合物を濾過助材(昭和化学
工業社製の商品名トプコパーライト)16gを用いて加
圧濾過し、濾液として残留遊離酸の酢酸換算濃度を0.
002%に精製処理した片末端置換ポリアルキレングリ
コール(MS−1)を調製した。
【0047】・片末端置換ポリアルキレングリコール
(MS−2)〜(MS−6)の調製 片末端置換ポリアルキレングリコール(m−1)から片
末端置換ポリアルキレングリコール(MS−1)を調製
したことと同様にして、片末端置換ポリアルキレングリ
コール(m−2)〜(m−6)から片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−2)〜(MS−6)を調製し
た。以上で調製した各片末端置換ポリアルキレングリコ
ール(MS−1)〜(MS−6)の内容を表1にまとめ
て示した。
【0048】
【表1】
【0049】表1において、アルキレンオキサイドのモ
ル数:モノヒドロキシ化合物1モル当たり開環付加反応
させたアルキレンオキサイドのモル数
【0050】試験区分2(ポリエーテルエステル単量体
の製造) ・実施例1{ポリエーテルエステル単量体(P−1)の
製造} 反応容器に、試験区分1で調製した片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−1)588g(1.0モ
ル)、メタクリル酸172g(2.0モル)、p−ベン
ゾキノン1.1g、98%濃硫酸(以下濃硫酸は同じ濃
度のものを使用)1.8gを仕込み、撹拌しながら徐々
に昇温すると共に減圧し、エステル化反応により生成す
る水を水/メタクリル酸共沸混合物として反応系外に留
去しつつ、温度125〜130℃、圧力12〜2.5k
Paの条件下で2時間エステル化反応を行なった。次い
で、残存する過剰分のメタクリル酸を更に圧力を下げて
留去し、生成物を得た。この生成物を分析したところ、
水酸基価1.2、エステル化反応率(水酸基価から算出
した、以下同じ)99%のポリエーテルエステル単量体
(P−1)であった。
【0051】・実施例2〜9{ポリエーテルエステル単
量体(P−2)〜(P−9)の製造} 実施例1{ポリエーテルエステル単量体(P−1)の製
造}と同様にして、実施例2〜9{ポリエーテルエステ
ル単量体(P−2)〜(P−9)の製造}を行なった。
【0052】・比較例1〜6{ポリエーテルエステル単
量体(R−1)〜(R−6)の製造} 片末端置換ポリアルキレングリコール(MS−1)〜
(MS−6)に代えて片末端置換ポリアルキレングリコ
ール(m−1)〜(m−6)を用いたこと以外は実施例
1〜6と同様にして、ポリエーテルエステル単量体(R
−1)〜(R−6)を製造しようとしたが、エステル化
反応の途中で多量の不溶ゲルが析出したので、エステル
化反応を中断した。
【0053】・比較例7{ポリエーテルエステル単量体
(R−7)の製造} 反応容器に、試験区分1で調製した片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−2)428g(1.0モ
ル)、メタクリル酸172g(2.0モル)、濃硫酸
1.4gを仕込み、撹拌しながら昇温してエステル化反
応を行なおうとしたが、途中で多量の不溶ゲルが析出し
たので、エステル化反応を中断した。
【0054】・比較例8{ポリエーテルエステル単量体
(R−8)の製造} 反応容器に、試験区分1で調製した片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−2)428g(1.0モ
ル)、メタクリル酸172g(2.0モル)、ハイドロ
キノン0.9g、濃硫酸1.4gを仕込み、撹拌しなが
ら徐々に昇温すると共に減圧し、エステル化反応を開始
したが、反応開始後約1時間経過した時に多量の不溶ゲ
ルが析出したので、エステル化反応を中断した。
【0055】・比較例9{ポリエーテルエステル単量体
(R−9)の製造} 反応容器に、試験区分1で調製した片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−2)428g(1.0モ
ル)、メタクリル酸172g(2.0モル)、メトキノ
ン0.9g、濃硫酸1.4gを仕込み、撹拌しながら徐
々に昇温すると共に減圧し、エステル化反応を開始した
が、反応開始後約1時間経過した時に多量の不溶ゲルが
析出したので、エステル化反応を中断した。
【0056】・比較例10{ポリエーテルエステル単量
体(R−10)の製造} 反応容器に、試験区分1で調製した片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−2)428g(1.0モ
ル)、メタクリル酸172g(2.0モル)、p−ベン
ゾキノン0.06g、濃硫酸1.4gを仕込み、撹拌し
ながら徐々に昇温すると共に減圧し、エステル化反応を
開始したが、反応開始後約2時間経過した時に多量の不
溶ゲルが析出したので、エステル化反応を中断した。
【0057】・比較例11{ポリエーテルエステル単量
体(R−11)の製造} 反応容器に、試験区分1で調製した片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−2)428g(1.0モ
ル)、メタクリル酸172g(2.0モル)、p−ベン
ゾキノン3.9g、濃硫酸1.4gを仕込み、以下実施
例1と同様にしてポリエーテルエステル単量体(R−1
1)を得た。
【0058】・比較例12{ポリエーテルエステル単量
体(T−1)の製造} 反応容器に、試験区分1で調製した片末端置換ポリアル
キレングリコール(MS−2)1060g(2.5モ
ル)、メタクリル酸430g(5モル)、p−ベンゾキ
ノン2.2g、濃硫酸3.5g、溶剤としてベンゼン1
000gを仕込み、撹拌しながら昇温し、生成水を留去
させつつエステル化反応を行なった。エステル化反応
後、窒素をバブリングして過剰分のメタクリル酸と溶剤
として使用したベンゼンを追い出し、生成物を得た。こ
の生成物を分析したところ、水酸基価1.3、エステル
化反応率99%のポリエーテルエステル単量体(T−
1)であった。以上で製造した各ポリエーテルエステル
単量体(P−1)〜(P−6)及び(R−1)〜(R−
11)並びに(T−1)の内容を表2及び表3にまとめ
て示した。
【0059】
【表2】
【0060】表2において、 遊離酸:残留遊離酸の酢酸換算濃度(%) 重合防止剤の割合:片末端置換ポリアルキレングリコー
ルに対する重合防止剤の使用量(%) 酸触媒の割合:片末端置換ポリアルキレングリコールと
不飽和カルボン酸との合計量に対する酸触媒の使用量
(%) A−1:オキシエチレン単位の繰り返し数12のポリエ
チレングリコールから全ての水酸基を除いた残基 A−2:オキシエチレン単位の繰り返し数9のポリエチ
レングリコールから全ての水酸基を除いた残基 A−3:オキシエチレン単位の繰り返し数23のポリエ
チレングリコールから全ての水酸基を除いた残基 A−4:オキシエチレン単位の繰り返し数75のポリエ
チレングリコールから全ての水酸基を除いた残基 A−5:オキシエチレン単位の繰り返し数90のポリエ
チレングリコールから全ての水酸基を除いた残基 A−6:オキシエチレン単位の繰り返し数90及びオキ
シプロピレン単位の繰り返し数30のポリエチレンポリ
プロピレングリコールから全ての水酸基を除いた残基 S−1:メチル基 I−1:p−ベンゾキノン I−2:フェノチアジン I−3:p−ベンゾキノン/フェノチアジン=50/5
0(重量比)の混合物 i−1:ハイドロキノン i−2:メトキノン C−1:98%濃硫酸 C−2:98%濃硫酸/パラトルエンスルホン酸=5.
5/2.5(重量比)の混合酸 C−3:98%濃硫酸/パラトルエンスルホン酸=4.
5/2.5(重量比)の混合酸 *1:反応途中で停止した
【0061】
【表3】
【0062】表3において、異常な粘度上昇の有無の判
定基準: ○:エステル化反応中に異常な粘度上昇がなかったもの ×:エステル化反応中に異常な粘度上昇があったもの ゲル発生の有無の判定基準: ○:エステル化反応中に不溶ゲルの発生がなかったもの ×:エステル化反応中に不溶ゲルの発生があったもの *2:エステル化反応が異常な粘度上昇或は不溶ゲルの
発生により中断されたのでエステル化率を測定できなか
った。
【0063】試験区分3(セメント分散剤としての水溶
性ビニル共重合体の製造) ・実施例10{水溶性ビニル共重合体(D−1)の製
造} 反応容器に試験区分2で得たポリエーテルエステル単量
体(P−1)200g(0.306モル)、メタクリル
酸56g(0.651モル)、3−メルカプトプロピオ
ン酸2.1g及び水330gを仕込み、撹拌しながら均
一に溶解した後,雰囲気を窒素置換した。窒素雰囲気下
に、反応系の温度を温水浴にて80℃に保ち、過硫酸ナ
トリウムの20%水溶液8gを滴下して重合を開始し、
5時間重合反応を継続して重合を完結し、水溶性ビニル
共重合体の水溶液を得た。この水溶性ビニル共重合体を
分析したところ、ポリエーテルエステル単量体(P−
1)から形成された構成単位を35モル%、メタクリル
酸から形成された構成単位を65モル%の割合で有する
数平均分子量13000の水溶性ビニル共重合体(D−
1)であった。
【0064】・実施例11{水溶性ビニル共重合体(D
−2)の製造} 反応容器に試験区分2で得たポリエーテルエステル単量
体(P−1)200g(0.306モル)、メタクリル
酸55g(0.64モル)、メタリルスルホン酸ナトリ
ウム13g(0.082モル)、水330g及び30%
水酸化ナトリウム水溶液80gを仕込み、撹拌しながら
均一に溶解した後,雰囲気を窒素置換した。窒素雰囲気
下に、反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸
ナトリウムの20%水溶液10gを投入して重合を開始
し、6時間重合反応を継続して重合を完結した。その
後、30%水酸化ナトリウム水溶液8gを投入して完全
中和し、水溶性ビニル共重合体の水溶液を得た。この水
溶性ビニル共重合体を分析したところ、ポリエーテルエ
ステル単量体(P−1)から形成された構成単位を33
モル%、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単
位を61モル%、メタリルスルホン酸ナトリウムから形
成された構成単位を6モル%の割合で有する数平均分子
量9200の水溶性ビニル共重合体(D−2)であっ
た。
【0065】・実施例12〜23{水溶性ビニル共重合
体(D−3)〜(D−14)の製造} 実施例10或は11{水溶性ビニル共重合体(D−1)
或は(D−2)の製造}と同様にして、実施例12〜2
3{水溶性ビニル共重合体(D−3)〜(D−14)の
製造}を行なった。以上で製造した各水溶性ビニル共重
合体(D−1)〜(D−14)の内容を表4にまとめて
示した。
【0066】
【表4】
【0067】表4において、 a:ポリエーテルエステル単量体/モル% b:メタクリル酸 c:メタクリル酸ナトリウム d:メタリルスルホン酸ナトリウム
【0068】・比較例13{水溶性ビニル共重合体(D
R−1)の製造} ポリエーテルエステル単量体(P−1)200gを試験
区分2で得たポリエーテルエステル単量体(R−11)
200gに代えた以外、実施例10{水溶性ビニル共重
合体(D−1)の製造}と同様にして、比較例13{水
溶性ビニル共重合体(DR−1)の製造}を行なった。
【0069】・比較例14{水溶性ビニル共重合体(D
T−1)の製造} ポリエーテルエステル単量体(P−1)200gを試験
区分2で得たポリエーテルエステル単量体(T−1)2
00gに代えた以外、実施例10{水溶性ビニル共重合
体(D−1)の製造}と同様にして、比較例14{水溶
性ビニル共重合体(DT−1)の製造}を行なった。
【0070】・比較例15{水溶性ビニル共重合体(D
T−2)の製造} ポリエーテルエステル単量体(P−1)200gを試験
区分1で得たポリエーテルエステル単量体(T−1)2
00gに代えた以外、実施例11{水溶性ビニル共重合
体(D−2)の製造}と同様にして、比較例15{水溶
性ビニル共重合体(DT−2)の製造}を行なった。
【0071】試験区分3(コンクリートの調製及び評
価) ・コンクリートの調製 表5に記載の調合条件で、各試験例のコンクリートを次
のように調製した。50Lのパン型強制練りミキサーに
普通ボルトランドセメント(比重=3.16、ブレーン
値3300)、細骨材(大井川水系砂、比重=2.6
3)及び粗骨材(岡崎産砕石、比重=2.63)を順次
投入して15秒間空練りした。次いで各試験例いずれも
目標スランプが21±1cmの範囲に入るよう、試験区分
2で合成したセメント分散剤としての水溶性ビニル共重
合体を、セメントに対し固形分換算で0.1〜1.5重
量%の範囲内にて練り混ぜ水とともに添加し、2分間練
り混ぜた。この際、各試験例いずれも目標空気量が4.
0〜5.0%となるよう空気量調整剤を添加した。
【0072】
【表5】
【0073】・コンクリートの評価 調製した各試験例のコンクリートについて、次のように
評価した。結果を表6にまとめて示した。 スランプ:練り混ぜ直後、60分静置後に、JIS−A
1101に準拠して測定した。 スランプ残存率:(60分後のスランプ/直後のスラン
プ)×100 空気量:JIS−A1128に準拠して測定した。 圧縮強度:JIS−A1108に準拠して測定した。
【0074】
【表6】
【0075】表6において、 セメント分散剤の添加量:セメント100部に対する水
溶性ビニル共重合体の固形分換算の添加部
【0076】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、溶剤の非存在下で高品質のポリエーテルエステ
ル単量体を製造でき、またかかる高品質のポリエーテル
エステル単量体を中間原料として用いることにより、得
られる水溶性ビニル共重合体にセメント分散剤としての
優れた性能を発揮させることができるという効果があ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月26日(2001.4.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【発明の実施の形態】本発明に係るポリエーテルエステ
ル単量体の製造方法の実施形態としては、次の1)〜
4)が挙げられる。 1)残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.035重量%のプ
ロポキシポリエチレングリコール(オキシエチレン単位
の繰り返し数12、以下n=12という)2.0モルと
酸化アルミニウム・酸化マグネシウム系吸着材6gと
を、110℃の加温下に1時間混合し、80℃に冷却し
た後、混合物を濾過助材を用いて加圧濾過し、濾液とし
て残留遊離酸の酢酸換算濃度を0.002重量%に精製
処理したプロポキシポリエチレングリコール(n=1
2)を得る。このプロポキシポリエチレングリコール
(n=12)1.0モルとメタクリル酸2.0モルと
を、溶剤を用いることなく、該プロポキシポリエチレン
グリコール(n=12)の0.19重量%に相当する量
のp−ベンゾキノンを存在させた温度125〜130℃
で圧力12〜2.5kPaの条件下に、触媒として該
ロポキシポリエチレングリコール(n=12)と該メタ
クリル酸との合計量の0.23重量%に相当する量の硫
酸を用いて、生成水を留去させつつエステル化反応させ
た後、過剰分のメタクリル酸を留去させてポリエーテル
エステル単量体(P−1)を得る方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】
【実施例】試験区分1(片末端置換ポリアルキレングリ
コールの調製) ・片末端置換ポリアルキレングリコール(M−1)の調
製 プロピルアルコール120g(2.0モル)をオートク
レーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム粉末0.6
gを加えた後、オートクレーブ内を充分に窒素で置換し
た。撹拌しながら、反応温度を110〜120℃に維持
して、エチレンオキサイド1056g(24モル)を圧
入して、開環付加反応を行なった。開環付加反応後、同
温度で1時間熟成した。反応物をフラスコに移し、ケイ
酸・酸化アルミニウム系吸着材(協和化学工業社製の
品名キョーワード700SL)12gを加え、110℃
の加温下で1時間混合し、80℃に冷却した後、混合物
を濾過助材(昭和化学工業社製の商品名トプコパーライ
ト)20gを用いて加圧濾過し、濾液として残留遊離酸
の酢酸換算濃度を0.003%に精製処理したプロポキ
シポリエチレングリコール(n=12)を得た。これを
片末端置換ポリアルキレングリコール(M−1)とし
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 // C04B 103:40 C04B 103:40 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB46 AC48 AD11 BA66 BA94 BC10 BC11 BC31 BC34 BD10 BP10 KA06 4J005 BC00 BD02 4J027 AC02 AC03 AC04 AC06 AJ01 BA04 BA06 CB02 CB09 CC02 CD08 CD09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.03重
    量%以下となるよう精製処理した下記の式1で示される
    片末端置換ポリアルキレングリコールと、下記の式2で
    示される不飽和カルボン酸とを、溶剤の非存在下に、該
    片末端置換ポリアルキレングリコールの0.03〜0.
    5重量%に相当する量のp−ベンゾキノン及び/又はフ
    ェノチアジンを存在させた加熱及び減圧条件下で、酸触
    媒を用いて、生成水を留去させつつエステル化反応さ
    せ、下記の式3で示されるポリエーテルエステル単量体
    を得ることを特徴とするポリエーテルエステル単量体の
    製造方法。 【式1】 【式2】 【式3】 (式1〜式3において、 R1:炭素数1〜22のアルキル基、ベンジル基、フェ
    ニル基又はアルキル基の炭素数が1〜12のアルキルフ
    ェニル基 R2,R3:H又はメチル基 A:オキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位と
    オキシプロピレン単位との双方からなるオキシアルキレ
    ン単位の繰り返し数が5〜250のポリアルキレングリ
    コールから全ての水酸基を除いた残基)
  2. 【請求項2】 残留遊離酸の酢酸換算濃度が0.015
    重量%以下となるよう精製処理した片末端置換ポリアル
    キレングリコールと不飽和カルボン酸とをエステル化反
    応させる請求項1記載のポリエーテルエステル単量体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化アルミニウム及び/又は酸化マグネ
    シウムを含有する吸着材を用いて精製処理した片末端置
    換ポリアルキレングリコールと不飽和カルボン酸とをエ
    ステル化反応させる請求項1又は2記載のポリエーテル
    エステル単量体の製造方法。
  4. 【請求項4】 片末端置換ポリアルキレングリコールと
    不飽和カルボン酸とを、該片末端置換ポリアルキレング
    リコール/該不飽和カルボン酸=1/1.5〜1/7
    (モル比)の割合で用いて、エステル化反応させた後、
    過剰の該不飽和カルボン酸を留去する請求項1〜3のい
    ずれか一つの項記載のポリエーテルエステル単量体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 片末端置換ポリアルキレングリコールの
    0.1〜0.25重量%に相当する量のp−ベンゾキノ
    ンを存在させる請求項1〜4のいずれか一つの項記載の
    ポリエーテルエステル単量体の製造方法。
  6. 【請求項6】 片末端置換ポリアルキレングリコールと
    不飽和カルボン酸とを、105〜135℃の温度及び1
    5〜0.5kPaの圧力条件下で、エステル化反応させ
    る請求項1〜5のいずれか一つの項記載のポリエーテル
    エステル単量体の製造方法。
  7. 【請求項7】 片末端置換ポリアルキレングリコールと
    不飽和カルボン酸とを、105〜135℃の温度範囲内
    にて徐々に或は段階的に昇温し、また15〜0.5kP
    aの圧力範囲内にて徐々に或は段階的に減圧した条件下
    で、エステル化反応させる請求項1〜5のいずれか一つ
    の項記載のポリエーテルエステル単量体の製造方法。
  8. 【請求項8】 酸触媒を、片末端置換ポリアルキレング
    リコールと不飽和カルボン酸との合計量に対し0.2〜
    1.5重量%の割合で用いる請求項1〜7のいずれか一
    つの項記載のポリエーテルエステル単量体の製造方法。
  9. 【請求項9】 片末端置換ポリアルキレングリコールと
    して、式1中のAがオキシエチレン単位のみからなる場
    合のものを用いる請求項1〜8のいずれか一つの項記載
    のポリエーテルエステル単量体の製造方法。
  10. 【請求項10】 片末端置換ポリアルキレングリコール
    として、式1中のR 3が炭素数1〜3のアルキル基であ
    る場合のものを用いる請求項1〜9のいずれか一つの項
    記載のポリエーテルエステル単量体の製造方法。
  11. 【請求項11】 不飽和カルボン酸として、式2中のR
    2がH、R3がメチル基である場合のものを用いる請求項
    1〜10のいずれか一つの項記載のポリエーテルエステ
    ル単量体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一つの項記
    載の製造方法で得たポリエーテルエステル単量体と、こ
    れと共重合可能なビニル単量体とを、水溶液中でラジカ
    ル共重合反応させて得られる水溶性ビニル共重合体から
    成ることを特徴とするセメント分散剤。
  13. 【請求項13】 ビニル単量体として、(メタ)アクリ
    ル酸及び/又はその塩を用いる請求項12記載のセメン
    ト分散剤。
  14. 【請求項14】 ビニル単量体として、(メタ)アクリ
    ル酸及び/又はその塩と、メタリルスルホン酸塩とを用
    いる請求項12記載のセメント分散剤。
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