JP2002264318A - 画像形成方法及びそれに用いる受像シート - Google Patents

画像形成方法及びそれに用いる受像シート

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JP2002264318A
JP2002264318A JP2001069943A JP2001069943A JP2002264318A JP 2002264318 A JP2002264318 A JP 2002264318A JP 2001069943 A JP2001069943 A JP 2001069943A JP 2001069943 A JP2001069943 A JP 2001069943A JP 2002264318 A JP2002264318 A JP 2002264318A
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Toshiaki Endo
俊明 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥工程における乾燥時間を短時間で実行で
きる画像形成方法及びそれに用いる受像シートを提供す
る。 【解決手段】 画像転写材料の転写記録層表面、又は受
像シートの受像層表面のいずれかに、熱転写材料の転写
温度を低下させ得る転写性促進材料又は粘着性材料を含
む潜像形成液の液滴を吐出して画像様に潜像を形成する
潜像形成工程と、該画像転写材料の転写記録層表面と受
像シートの受像層表面とを密着させて加熱し、潜像に対
応した転写記録層を受像シート上に転写する転写工程
と、前記受像シートに転写された転写記録層を乾燥する
乾燥工程と、を含む工程により画像形成を行った後、転
写記録層とは異なる色相をもつ転写記録層について、前
記潜像形成工程と転写工程を含む工程をさらに1以上繰
り返す画像形成方法であって、受像シートの受像層の層
厚を30〜100μmとする多色画像形成方法及びそれ
に用いる受像シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写方式を応用
した画像形成方法及び受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】紙、フィルム等の転写体に画像を形成す
る方法の一つに熱転写方式がある。この熱転写方式は、
転写材である顔料系色素からなる転写層を支持体表面に
形成した転写体(転写シート)を、紙、フィルム等の受
像シートと重ね、転写シートの支持体の背面側からサー
マルヘッド、レーザーヘッド等にて画像様に熱を加え、
色素を受像シートヘ転写して、受像シート上に画像を形
成するものである。このような熱転写方式の別の態様と
して、転写体上に配置された色素を加熱により昇華させ
て受像シートに転写するものもある。
【0003】熱転写方式で、画像様加熱にサーマルヘッ
ドを使用した方法では、ヘッド抵抗値のバラツキに起因
して、温度分布が不均一になり易く、その結果、形成さ
れる画像にむらが発生する問題があった。また、画像部
のみに局部高温加熱を行うことから、加熱部分の支持体
が変形し、シワが発生しやすい問題点を有していた。ま
た、画像の均一性を向上させる手段として、熱転写方式
における加熱にレーザー光を使用する方法があるが、装
置コストが高価であり、さらに局部的な高温瞬間加熱に
よって色素などの素材が分解し、最終的に形成された画
像にムラが発生しやすいという問題点があった。
【0004】これらの画像形成方法に対して、受像シー
トや画像形成する着色材に影響を与えない非接触の画像
形成方法として、インクを液滴として吐出させ、画像を
形成するインクジェット方式がある。インクジェット方
式についてはピエゾ型、サーマル型、ヘルツ型等種種存
在するがこれらについては「ジャーナルオブサイエンス
アンド テクノロジー」42巻 No.1(1996年 米国)
に詳述されている。ここではピエゾ型について説明す
る。このピエゾ型では、インクヘッドが並設した複数の
ノズル孔と、このノズル孔に連通し、壁の一部が振動板
となる独立の吐出室と、振動板上に取り付けられた圧電
素子と、吐出室にインクを供給する共通のインクキャビ
ティとから構成され、画像情報に基づいたパルス電圧
を、圧電素子に印加することにより、ノズル孔からイン
ク液滴を吐出させて受像シート上に画像を形成するもの
である。
【0005】このインクジェット方式では、先に述べた
記録時の熱による支持体の変形や色材の変質の問題はな
いものの、インクのノズル詰まりを防止し、安定に均一
なインクのドロップを形成するためには液物性上、画像
形成素材の制限が多々有り、自由に画像形成素材を選択
出来なかった。カラー画像を形成する場合でも、ノズル
詰まりを防ぐ為に、染料または特定の顔料を選択する必
要があり、画像における色相再現性に制限があり、例え
ば、印刷インク顔料と同一の色相を再現することを要求
される高精度の印刷プルーフ用プリンターには、適用で
きなかった。さらに、限定された画像形成材料を採用し
ても長期間使用しない場合、ノズル詰まりの問題があっ
た。また、形成した画像の耐光性、耐水性が低く、受像
シート上で染料がニジミ易い問題もあった。
【0006】このインクジェット方式を応用した画像形
成方法としては、例えば、特開平11−70633号公
報には、架橋性材料からなる記録層にインクジェット装
置により架橋剤液滴を画像様に付与し、付与した部分を
架橋、硬化させ、架橋されていない部分の材料を洗浄に
て除去し、画像を形成する方法が開示されている。この
方法は、いわゆるスクリーン印刷の版をインクジェット
を用いて形成し、その後、着色インクを用いて画像を形
成するもので、本発明の転写方式とは全く異なり、製
版、印刷の2工程を有し、また、製版において現像工程
を必要とするため、洗浄廃液処理等の問題もあり、複雑
な工程を必要としていた。また、この他に像担持体上
に、インクジェット記録方式により液体と着色剤とを含
む記録液からなる画像を形成し、これを被転写体上に転
写するいわゆる転写型インクジェット方式がある(例え
ば特開平5−42755号公報)。この方式は通常のイ
ンクジェット記録方式で、例えばドラム上の像担持体上
に色素を含む像を一度記録し、あらためて被転写体に像
を転写するもので、本出願とは異なり、一般インクジェ
ットと同様、色材の制限、ノズル詰まり等の問題がその
ままある。また、にじみやすく、解像度の低い像しかえ
られない。
【0007】さらに転写媒体を用いるインクジェット記
録方法として、特開平7−145576号公報には、イ
ンクジェットインクを、インクジェット記録装置によ
り、最上層に液反応性樹脂層を有する転写媒体に像様に
着弾させ、これを画像支持体(布帛等)に密着させ、加
熱加圧して画像部分を転写させることからなる、特に、
布帛への捺染が可能な画像形成方法が記載されている。
たとえば前記インクが水性インクの場合、液反応性樹脂
層は水溶性樹脂からなり、インク滴が着弾するとその部
分が溶解し粘着性(接着性)を帯び、この粘着性の故
に、加熱加圧時に着弾部分のみが転写されるため、布帛
にもインクジェット法を用いて高精彩な画像形成が可能
になったものである。しかし、この方法は、画像支持体
として特に布帛を対象とするものであり、また、あくま
でインクジェットインクを用いるものであるから、一般
のインクジェット記録と同様に色材の制限、ノズル詰ま
り等の問題はそのまま残り、また、転写が均一にできず
むらの発生が生ずるという問題点がある。
【0008】この他、特開昭62−117782号公報
には、像担持体の表面に溶媒をインクジェット吐出方式
を用いて像様に付与し、その後その像担持体の上にイン
ク層を接触せしめ、インク層の、像様溶媒に接触した部
分だけを、像担持体に形成する画像形成方法が記載され
ている。しかし、この方法は、前記公報の4頁右上欄の
7ないし16行に記載のように、適正な凝集力および付
着力を有する溶媒が必要なため溶媒の選択が難しい。ま
た、像担持体として合成樹脂フィルムが示されている
が、これは、バインダー塗布層のように溶媒受容性では
ないため、良好な転写性を安定に達成することは非常に
難しい。さらに前記方法は、微細ドットの再現が十分で
なく、特に多色の転写像を高解像度に得ることはできな
い。また、特開平7−276780号公報は、前記特開
昭62−117782号公報の画像形成方法を改良する
ものであり、被記録体に溶媒を像様に付与する方法とし
て、溶媒を含浸した多孔質体に、画像情報に応じて熱エ
ネルギーを付与し、含浸液体をミスト(微小滴)あるい
は蒸気として被記録体上に放出させる方法を用いるもの
で、インクジェット吐出方式を用いないため目詰まりが
ない等の効果を有している。しかし、この方法もミスト
あるいは蒸気を被記録体に付与することを除けば前記特
開昭62−117782号公報と同様の技術であるの
で、前述と同様の問題点が残る。
【0009】これらの問題点を改良する画像形成方法と
して、本発明者らは、先に、支持体上に熱転写材料から
なる転写記録層を設けてなる画像転写材料と、バインダ
ー樹脂含有受像層を有する受像シートとを用いる画像形
成方法として、画像転写材料の転写記録層表面または受
像シートの受像面のいずれかに、熱転写材料の転写温度
を低下させ得る転写性促進材料または粘着性材料を含有
する液(潜像形成液)を画像様に付与して潜像を形成し
た後、該画像転写材料の転写記録層表面と受像シートの
受像面とを密着させて加熱し、潜像に対応した転写記録
層を受像シート上に転写する画像形成方法を提供した
(特願2000−163273号、特願平11−288
179号)。
【0010】前記画像形成方法により、インクジェット
方式の欠点である画像形成材料の制限とノズルの詰まり
の問題が解決され、さらに、熱転写方式の欠点である熱
による支持体の損傷と画像の不均一さも改良され、色相
再現性に優れた画像を形成することができ、加えて微細
点の転写性・解像度においても優れており、特に多色画
像を形成する場合において、従来の熱転写法に比較し格
段に優れた画像が形成される。また、潜像形成液として
粘着性材料を含有する液を用いると受像層を特に設けた
受像シートだけでなく、印刷用シートに直接的に転写画
像を形成することが可能となった。
【0011】この画像形成方法において、多色画像の形
成では、受像シートの上に他の色の画像転写材料を重ね
て転写して行うが、潜像形成液の乾燥が不十分であると
2次色カブリが発生することがあり、この対策として潜
像形成液を十分に乾燥させる乾燥工程を設けていた。し
かし、この乾燥には、通常100℃で約6分間と長時間
を要し、多色画像形成における効率面においては改善の
余地が残されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、乾燥
工程における乾燥時間を短時間で実行できる画像形成方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的は、以下の画像
形成方法を提供することにより解決される。 (1)支持体上に熱転写材料からなる転写記録層を設け
てなる画像転写材料の転写記録層表面、又は該転写記録
層を転写可能な受像層を有する受像シートの受像層表面
のいずれかに、熱転写材料の転写温度を低下させ得る転
写性促進材料又は粘着性材料を含む潜像形成液の液滴を
吐出して画像様に潜像を形成する潜像形成工程と、該画
像転写材料の転写記録層表面と受像シートの受像層表面
とを密着させて加熱し、潜像に対応した転写記録層を受
像シート上に転写する転写工程と、前記受像シートに転
写された転写記録層を乾燥する乾燥工程と、を含む工程
により画像形成を行った後、前記転写記録層とは異なる
色相をもつ転写記録層について、前記潜像形成工程と転
写工程を含む工程をさらに1以上繰り返す画像形成方法
であって、前記受像シートの受像層の層厚を30〜10
0μmとすることを特徴とする多色画像形成方法であ
る。 (2)前記受像層が、接着層とクッション層とからな
り、該接着層の層厚が2〜20μmであり、該クッショ
ン層の層厚が28〜80μmであることを特徴とする前
記(1)に記載の画像形成方法である。
【0014】(3)受像シートが、支持体の上に少なく
ともクッション層と接着層とをこの順に設けたものであ
り、クッション層の層厚が2〜20μmであり、接着層
の層厚が28〜80μmであることを特徴とする、前記
(1)に記載の画像形成方法に用いる受像シートであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明に係わる画像形成方法は、先ず、支持体上に
熱転写材料からなる転写記録層を設けてなる画像転写材
料と、この画像転写材料を転写可能な受像層を有する受
像シートとを準備し、該画像転写材料の転写記録層表面
或いは受像シートの受像層表面のいずれか一方に、熱転
写材料の転写温度を低下させ得る転写性促進材料又は粘
着性材料を含む潜像形成液を画像様に付与して潜像を形
成する。そして、形成された潜像を挟んで前記画像転写
材料の転写記録層と前記受像シートの受像面とを密着さ
せ、潜像の非形成部が転写する温度よりも低く、潜像形
成部が転写出来る温度に加熱した加圧ローラを通過させ
た後に、前記画像転写材料と前記受像シートとを剥離
し、受像シートに転写された転写記録層を乾燥すること
にて受像シート上に前記画像様に転写像を形成する。そ
して、異なる色相をもつ転写記録層を設けた画像転写材
料を用いて、以上の工程をさらに1以上繰り返して行
い、多色画像を形成する。この画像形成方法では潜像を
形成した部分のみ熱転写材料を支持体から分離し、転写
することで受像シート面に画像を形成する。
【0016】本発明の画像形成方法において使用する受
像シートは、層厚が30〜100μmの受像層を有し、
このような比較的層厚が厚い受像層を有する受像シート
を使用することで、受像シート表面の乾燥時間を短縮す
ることができる。これは、該受像層を厚くしたことで、
潜像形成液が浸透する領域が拡大し、受像層表面に分布
する潜像形成液が減少するためと考えられる。以下、先
ずこの受像シートについて詳細に説明する。
【0017】[受像シート]本発明の方法に用い得る受
像シートとしては、通常、支持体と、その上に、1以上
の受像層が設けられ、この受像層は、接着層とクッショ
ン層とから構成することができる。受像層としては、後
述する転写記録層との親和性が良好であれば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)等の樹脂シート、コート
紙、ガラスエポキシシートなどを用いることもできる。
支持体と受像層との間には、必要に応じて、剥離層、お
よび中間層のいずれか1層または2層以上を設けること
ができる。また、必要に応じて、支持体の受像層とは反
対側の面に、搬送性向上のためのバック層を設けること
ができる。
【0018】前記支持体としては、プラスチックシー
ト、金属シート、ガラスシート、紙等のような通常のシ
ート状の基材が挙げられる。プラスチックシートの例と
しては、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリカー
ボネートシート、ポリエチレンシート、ポリ塩化ビニル
シート、ポリ塩化ビニリデンシート、ポリスチレンシー
ト、スチレン−アクリロニトリルシート、ポリエステル
シート等を挙げることができる。また、紙支持体として
は印刷本紙、コート紙等を用いることができる。
【0019】支持体が、微小な空隙(ボイド)を有する
と、カールを防止でき、画質を向上させることができる
ので好ましい。このような支持体は、例えば、熱可塑性
樹脂と、無機顔料や前記熱可塑性樹脂と非相溶性の高分
子等からなる填料とを混合した混合溶融物を、溶融押出
機によって単層または多層のフィルムとし、さらに1な
いし2軸に延伸することにより作製することができる。
この場合、樹脂および填料の選定、混合比率、延伸条件
などによって空隙率が決定される。
【0020】前記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン樹脂、およびポリエチレンテレフ
タレート樹脂が、結晶性が良く、延伸性が良く、ボイド
の形成も容易であるので好ましい。前記ポリオレフィン
樹脂、またはポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分
とし、それに適宜少量の他の熱可塑性樹脂を併用するこ
とが好ましい。前記填料として用いられる無機顔料とし
ては、平均粒径が1μm以上20μm以下のものが好まし
く、炭酸カルシウム、クレー、けいそう土、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、シリカ等を用いることができ
る。また、填料として用いられる非相溶性の樹脂として
は、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用いる場合
は、ポリエチレンテレフタレートを填料として組み合わ
せるのが好ましい。なお、支持体における、無機顔料等
の填料の含有率は、体積で2〜30%程度が一般的であ
る。
【0021】受像シートの支持体の厚さは、通常10〜
400μmであり、25〜200μmであるのが好まし
い。また、支持体の表面は、受像層との密着性、または
画像転写材料の画像形成層との密着性を高めるために、
コロナ放電処理、グロー放電処理等の表面処理が施され
ていてもよい。
【0022】受像層は、クッション層と接着層を有し、
最外表面に位置する接着層は、転写記録層を転写し、こ
れを固定するために設けられる。接着層は、有機重合体
からなるバインダー樹脂を主体として形成される層であ
るのが好ましい。前記バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂
であることが好ましく、その例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル等のアクリル系モノマーの単独重合体およびその共
重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロ
ースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリス
チレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のような
ビニル系モノマーの単独重合体およびその共重合体、ポ
リエステル、ポリアミド等のような縮合系ポリマー、ブ
タジエン−スチレン共重合体のようなゴム系ポリマーを
挙げることができる。接着層のバインダーは、転写記録
層との間の適度な接着力を得るために、ガラス転移温度
(Tg)が90℃より低いポリマーであることが好まし
い。このために、接着層に可塑剤を添加することも可能
である。また、バインダーポリマーは、シート間のブロ
ッキングを防ぐために、そのTgが30℃以上であるこ
とが好ましい。接着層のバインダーポリマーとしては、
転写記録時の画像形成層との密着性を向上させ、感度や
画像強度を向上させる点で、画像形成層のバインダーポ
リマーと同一、若しくは類似のポリマーを用いることが
特に好ましい。接着層は、バインダー樹脂を含む有機溶
剤溶液または水性液(水溶液、水分散液)を支持体上に
塗布することにより形成される層であるので、プラスチ
ックシート等の支持体とは異なり、転写性促進材料に対
して受容性を有する。受容性とは、接着層が熱転写促進
材料によってたとえば可塑化ないし膨潤することをさ
す。この可塑化ないし膨潤作用により、熱転写材料の転
写温度が低下し得る。本発明の方法により、接着層上に
一旦画像を形成した後、印刷本紙等へ再転写することも
できる。
【0023】以上の接着層の支持体側に位置するクッシ
ョン層は、多色画像形成時の2次色カブリを防止するた
めに設けられる。このクッション層の形成材料は、前記
接着層と同様に、バインダー樹脂を主体として形成され
る層であることがこのましい。バインダー樹脂として
は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、その例として
は、前記接着層を形成するバインダ−樹脂と同様のもの
を挙げることができる。
【0024】受像層の層厚は、前述のように、30〜1
00μmとする。より好ましくは50〜70μmであ
る。受像層の層厚を30〜100μmとすることによ
り、この受像層表面に付着した潜像形成液を、深層領域
まで浸透させることができ、受像層表面の乾燥を促進す
ることができる。受像層の層厚が30μm未満では、潜
像形成液の浸透が不十分であり、受像層表面の乾燥の短
縮化を図ることができない。また、該層厚が100μm
を超えると、それ以上層厚を厚くすることによる効果が
得られない。受像層の接着層の層厚は、2〜20μm、
とすることが好ましく、3〜10μmとすることがより
好ましい。また、受像層のクッション層の層厚は28〜
80μmとすることが好ましく、40〜60μmとする
ことがより好ましい。
【0025】[潜像形成液]次に、本発明において用い
る潜像形成液について説明する。本発明の潜像形成液と
しては、熱転写材料の転写温度を低下させ得る転写性促
進材料を含む液あるいは粘着性材料を含む液が好ましく
用いられる。 (熱転写材料の転写温度を低下させ得る転写性促進材料
を含む液)前記転写促進材料としては、例えば、有機溶
剤類や界面活性剤類を挙げることができる。中でも、常
温で水と自由に混和する有機溶剤類および水と混和しう
る界面活性剤類およびこれらの混合物が望ましい。ま
た、転写性促進材料は、経時安定性やノズルの詰まりの
懸念がないなどの観点から、固形の顔料や経時的に析出
する化合物などを含有せず、さらに、転写記録層に色材
を使用する場合には、色調に影響を与えないという観点
から、その色材に対して化学的に作用せず、加熱などの
エネルギー付与によっても発色反応などを起こさない材
料であり、それ自体無色、或いは淡色のものが望まし
い。転写性促進材料が有機溶剤のようにそのままでノズ
ルから安定的に吐出することが可能な場合は、特に水な
どで希釈する必要はないが、粘度がそのままでは高い場
合には、適宜水あるいは水溶性有機溶媒により希釈して
用いられる。
【0026】転写促進材料である、水と自由に混和する
有機溶剤類としては、具体的には、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec-ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,
6-へキサントリオール、へキシレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、グリセリン、等の1価または多価
アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエー
テル類、ジアセトンアルコール等のケトアルコール類、
N-メチル2-ピロリドン、2-ピロリドン等含窒素系溶媒等
がある。水と混和しうる界面活性剤類としては、アニオ
ン、カチオン、ノニオン、両性の界面活性剤類のいずれ
も、使用する熱転写材料の特性に応じて任意に選択でき
るが、これらは水に溶解しうる範囲内の濃度で使用出来
る。具体的には脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスル
フォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフ
ェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、
ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルア
ルカノールアミン、アルキルアミン塩、アルキルベタイ
ン等があげられる。
【0027】上記の各材料は、熱転写材料の特性に応じ
て選択して用いることができるが、1種を用いても、2
種以上を混合して用いてもよい。なかでも、親水性の有
機溶剤類や界面活性剤類などをそれぞれ、或いは適当な
組み合わせで、水と混合して使用することが、効果の観
点から望ましい。転写性促進材料の液状組成物を調整す
るにあたっては、吐出適性の調整、液の保存安定性向
上、噴射された液滴の拡散防止等の目的で、表面張力調
整材、防黴材、粘度調整材、pH調整材、消泡材等を本
発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。
【0028】転写性促進材料は、熱転写材料からなる転
写記録層の任意の部分の転写性を向上させ、より低い転
写温度で容易に、完全に転写させることができるように
する目的で用いられるものである。転写性促進材料は、
転写記録層または受像層に少なくとも一部が浸透して、
支持体からの転写記録層の剥離を容易にするもので、転
写性促進材料は好ましくは、表面張力20〜60mN/
m、粘度50mPa.s以下の物性を有する液である。
転写性促進材料の転写記録層または受像層に対する付与
量は、転写像の解像度を低下させない範囲に抑えること
が望ましい。付与量が多すぎると、画像部と非画像部と
の界面で転写性促進材料の浸透、転写記録層の溶解・流
動が生じ、画像界面の鮮鋭度が低下するおそれがある。
ここで、転写温度を低下させる目安としては、本来の転
写記録層の転写温度に対して、この転写性促進材料を付
与することで転写温度が3℃以上、下がるものが好まし
い。なお、転写促進材料の機能は、転写記録層または受
像層に含まれるバインダー樹脂の可塑化ないし膨潤が起
こっていると考えられる。この転写温度については、以
下の方法で測定することができる。
【0029】図2に示す如き、温度可変の加熱ローラを
備える一対の加熱ニップローラを備える装置で、転写材
料と受像シートとの間に熱電対をはさみ、加熱ニップロ
ーラを通過させながら熱電対で温度を測定する。加熱温
度を変えながら測定を行い、転写が発生する最も低い温
度を転写温度とする。
【0030】また、本発明の画像形成方法において、転
写性促進材料としてノニオン性界面活性剤を用いると、
転写温度を低下させる効果が大きく、また微細点の転写
性が良いので解像度の高い転写画像を得ることができ
る。この理由はかならずしも明確でないが、転写層また
は受像層に対する濡れ性、浸透性が良いため、微細ドッ
トの潜像をシャープに形成すること、又、転写層または
受像層に浸透した場合、その層中に使用されている樹脂
類に対する可塑剤としての効果が高く、その結果熱によ
る潜像形成部の接着性が発現され、転写効果がでると考
えられる。更に、浸透したノニオン型界面活性剤は転写
層の支持体と塗布層との界面に配向し剥離転写を促す効
果も考えられる。また、ノニオン性界面活性剤として
は、中でも親水基として、エチレンオキシド基を付加し
たノニオン化合物の使用にて、潜像形成部の転写温度低
下効果が大で、又、高解像度が得られることを見出し
た。ノニオン系化合物として次の一般式1ないし一般式
4で表す化合物等があげられる。
【0031】
【化1】
【0032】上記一般式1において、Rはアルキル基ま
たはアルキレン基を示し、nは2〜30、好ましくは2
〜20整数を示し、一般式2においてRはアルキル基を
示し、nは2〜30、好ましくは2〜20整数を示し、
一般式3においてRはアルキル基を示し、nおよびlは
2〜30、好ましくは2〜20整数を示し、また、一般
式4においてR1およびR2は水素またはアルキル基を示
し、mおよびnは2〜30好ましくは2〜20整数を示
す。また、上記一般式1−4において、エチレンオキシ
ドの付加数は2ないし30が好ましく、特に好ましくは
2ないし20である。上記一般式1−4の化合物の具体
例として、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエ
チレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
(5)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニ
ルフェニールエーテル、エチレンオキシドープロピレン
オキシド共重合体(n=10,l=7),アセチレングリ
コールのエチレンオキシド付加体(n+m=10)等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。
【0033】前記のノニオン界面活性剤は、吐出液中に
0.1〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%程
度が添加される。前記添加量が20質量%を超えると解
像度が低下する傾向にある。また、0.1質量%より少
ないと転写性促進効果が得られにくくなる。また、ノニ
オン界面活性剤に加え、適宜、水溶性有機溶剤を添加す
ることができる。水溶性有機溶剤としては前記の水と自
由に混和しうる有機溶剤として挙げたものが使用可能で
ある。水溶性有機溶剤の含有量は溶液中0〜90質量%
程度が適切である。特に、沸点100℃以上の溶媒含有
量が多いと潜像形成時の吐出安定性が高くなるが、転写
像の乾燥性が低下する。最適溶媒種およびその使用量は
転写体の乾燥の必要性、および装置の乾燥能力により決
定される。さらに、吐出適性、液の保存安定性を持たせ
るために、表面張力調整材、防黴材、ポリマー等粘度調
整材、pH調整材、消泡材等を併用することができる。
【0034】さらに、本発明の画像形成方法において、
前記転写性促進材料として水および常温常圧下で沸点1
00℃以上であってかつ水と相溶性を有する有機溶剤を
含む溶液を用いることにより、溶液の吐出安定性が向上
するため潜像形成時および待機後再開始時の不吐出現象
を防ぐことができ、また、微細ドットの転写性が向上す
るので高解像度の転写体を得ることができる。常温常圧
下で沸点100℃以上であってかつ水と相溶性を有する
有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、チオジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、等の1
価または多価アルコール類、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエー
テル等のエーテル類、ジアセトンアルコール等のケトア
ルコール類、N−メチル2−ピロリドン、2−ピロリドン
等含窒素系溶媒等が挙げられる。
【0035】これらの有機溶媒は、溶液中1〜90質量
%含有される。含有量が90質量%を超えると潜像形成
時の吐出安定性が高くなるが、転写像の乾燥性が低下す
る傾向がある。また、1質量%より少ないと吐出安定
性、微細ドットの転写性向上が得にくくなる。最適量は
転写体の乾燥の必要性、および装置の乾燥能力により決
定される。また、転写温度を低下させる材料として、前
記の有機溶媒に加え、先に挙げた水と自由に混和しうる
有機溶剤や、前記の界面活性剤類を添加することもでき
る。さらに吐出適性や液の保存安定性の改良のための表
面張力調整剤、防黴剤、ポリマー等の粘度調整剤、pH
調整剤、消泡剤等を併用することができる。水は、溶液
中5〜95質量%程度含まれる。
【0036】(粘着性材料を含有する液)次に、本発明
における潜像形成液として、粘着性材料を含有する液に
ついて説明する。ここでいう粘着性材料とは、常温また
は加熱時に粘着性を有する物質を指し、主として有機重
合体を挙げることができる。具体的には、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル等のアクリル系モノマーの単独重合体およびその共
重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル等のようなビニル系モノマーの単独
重合体およびエチレン−酢酸ビニル等それらの共重合
体、ポリエステル、ポリアミド等のような縮合系ポリマ
ー、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体のようなゴム系ポリマーを挙げる
ことができる。これらの中でも、ガラス転移点(Tg)
が90℃よりも低いポリマーであることが好ましい。ま
た、これらは水への乳化分散体、所謂ラテックス状態で
存在するものであってもよい。
【0037】また、粘着性材料を含有する液とは、上記
粘着性材料を、水または有機溶剤類の溶媒に溶解または
分散(固体分散および乳化分散を含む)した液をいう。
ここにいう有機溶剤類とは、具体的には、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i
−プロピルアルコールのアルキルアルコール類、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、等のアミド
類、エチレングリコール、1,2,6ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン
等の1価または多価アルコール類、ジオキサン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジアセト
ンアルコール等のケトン類またはケトアルコール類等を
挙げることができる。
【0038】これら水または有機溶剤類は、粘着性材料
を溶解または分散させるために、各々単独に使用しても
よく、複数種類の溶剤を混合して使用してもよい。ま
た、上記溶液には、吐出適性、液の保存安定性、接着特
性を改善するために、表面張力調整剤、防黴剤、粘度調
整剤、pH調整剤、消泡剤、可塑剤等を併用することが
できる。
【0039】また、本発明の潜像形成液が粘着性材料を
分散形態(固体分散、乳化分散)で含む場合には、一般
式(5) R−(S−P)nで表される化合物を添加す
ることが好ましい。この化合物を添加することにより、
分散形態にある粘着性材料が凝集を起こすことがなく潜
像形成液が安定に保持され、また、ノズル詰まりが発生
することも防がれる。一般式(5)で示される化合物
は、潜像形成液の固形分に対し3〜20質量%、好まし
くは5〜10質量%添加される。
【0040】一般式(5)中、Rは疎水性基または疎水
性重合体を表し、Pは下記構造単位A、B及びCのうち
の少なくとも1つを含み、重合度が10以上3500以
下の重合体を表す。nは1又は2を表す。
【0041】
【化2】
【0042】ここで、R1は−H又は炭素数1〜6のア
ルキル基を表わし、R2 は−H又は炭素数1〜10のア
ルキル基を表わし、R3は−H又は−CH3を表わし、R
4はH、−CH3、−CH2COOH(アンモニウム塩又
は金属塩を含む)又は−CNを表わし、Xは−H、−C
OOH(アンモニウム塩又は金属塩を含む)又は−CO
NH2を表わし、Yは−COOH(アンモニウム塩又は
金属塩を含む)、−SO3H(アンモニウム塩又は金属
塩を含む)、−OSO3H(アンモニウム塩又は金属塩
を含む)、−CH2SO3H(アンモニウム塩又は金属塩
を含む)、−CONHC(CH32CH2SO3H(アン
モニウム塩又は金属塩を含む)又は−CONHCH2
2CH2+ (CH33Cl-を表わす。
【0043】前記一般式(5)において、R1は−Hが
好ましく、R2は−CH3が好ましい。また、上記一般式
(5)で表わされる化合物の代表的な例として、ビニル
アルコールとビニルエステルのランダム又はブロック共
重合体あるいは更にカルボキシル基等のアニオン性基を
有する第3モノマー成分を含むビニルアルコールとビニ
ルエステルのランダム又はブロック共重合体の末端をア
ルキル基又は疎水性重合体で変性したものが挙げられ
る。
【0044】前記一般式(5)におけるRの疎水性基と
しては、脂肪族基(例えばアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基など)、芳香族基(例えばフェニル基、ナ
フチル基など)及び脂環基があり、これらは置換されて
いるものも含む。置換基としては、脂肪族基、芳香族
基、脂環基、複素環基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ
基、ニトロ基、N−置換スルファモイル基、カルバモイ
ル基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、
アリールスルホニルアミノ基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アシル基などが挙げられる。
【0045】一般式(5)におけるRの疎水性基がアル
キル基の場合には、炭素数3〜70、好ましくは4〜5
0、特に8〜24が好ましい。Rが疎水性基の場合の具
体例は、特開平10−95942号公報の段落0034
ないし0042に開示されている(S−1)から(S−
50)までの基が好ましく挙げられる。
【0046】また、一般式(5)におけるRが疎水性重
合体の場合、ポリスチレン及びその誘導体、ポリメタク
リル酸エステル(例えばポリメタクリル酸メチル)及び
その誘導体、ポリアリクル酸エステル及びその誘導体、
ポリブテン、ポリ酢酸ビニル、ポリバーサチック酸ビニ
ル等に代表される水に不溶性のビニル重合体やビニル共
重合体、ポリオキシプロピレンやポリオキシテトラメチ
レンの如き水に不溶性のポリオキシアルキレン類、更に
はポリアミド及びポリエステル等の水不溶性重合体等が
挙げられる。特にポリスチレン及びその誘導体、ポリメ
タクリル酸エステル及びその誘導体、ポリアクリル酸エ
ステル及びその誘導体並びにポリ塩化ビニルが好ましく
用いられる。また、疎水性重合体の重合度は2以上50
0以下、好ましくは2以上200以下、更に好ましくは
2以上100以下である。
【0047】前記一般式(5)で表される化合物におけ
る重合体Pは、上記構造単位A、B及びCのうちの少な
くとも1つを含む重合体である。重合体Aを構成する構
造単位Aとしては具体的には、ビニルアルコール、α−
メチルビニルアルコール、α−プロピルビニルアルコー
ル等が挙げられる。重合体Pを構成する構造単位Bとし
ては酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び
これらのα置換体が挙げられる。更に重合体Pを構成す
る構造単位Cとしてはアクリル酸、メタクリル酸又はク
ロトン酸(それぞれアンモニウム塩、又はNa、K等の
金属塩を含む)、マレイン酸又はイタコン酸(それぞれ
モノアルキルエステル、アンモニウム塩、又はNa、K
等の金属塩を含む)、ビニルホスホン酸、ビニル硫酸、
アクリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、2−アク
リルアミド−3−メチルプロパンスルホン酸又は2−メ
タクリルアミド−3−メチルプロパンスルホン酸(それ
ぞれアンモニウム塩、又はNa、K等の金属塩を含
む)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム
クロリド又はメタクリルアミドプロピルトリメチルアン
モニウムクロリド等の水中でイオン解離する単量体単位
が挙げられる。特にイタコン酸、マレイン酸が好まし
い。
【0048】これらの中で構造単位Aとしては、ビニル
アルコール単位が、構造単位Bとしては酢酸ビニル単位
が、また構造単位Cとしてはカルボン酸(アンモニウム
塩、又はNa、K等の金属塩を含む)を含むビニルモノ
マー単位又はスルホン酸(アンモニウム塩、又はNa、
K等の金属塩を含む)を含むビニルモノマー単位がより
好ましい単位である。
【0049】重合体Pを構成する上記構造単位A、B及
びCの含量については特に制限はないが、A、B、Cの
含率をそれぞれx、y、zモル%とすると、x+y+z
=100、0≦x≦100、0≦y≦75、0≦z≦1
00が好ましく、x+y+z=100、0≦x≦10
0、0≦y≦50、0≦z≦50が特に好ましい。ま
た、構造単位Cの含量が1モル%以下の場合、重合体P
が水溶性又は水分散性であるためには、構造単位Aの含
量は50モル%〜100モル%であるのが好ましい。
【0050】本発明の一般式(5)で表される化合物は
水溶性から水分散性まで広い範囲のものを含む。本発明
の一般式(5)で表される化合物が水溶性又は水分散性
である限りにおいては、重合体Pが上記構造単位A、B
及びC以外の構造単位を含むことも何ら差し支えなく、
これらの構造単位として、例えばエチレン、プロピレ
ン、イソプテン、アクリロニトリル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル
又はフッ化ビニル単位が挙げられる。該重合体Pの重合
度は10〜3500、好ましくは10〜2000、更に
好ましくは10〜1000、特に好ましくは10〜50
0である。
【0051】該重合体Pの構造単位A及びBにおけるR
1およびR2のアルキル基としては、特にメチル基が好ま
しい。また、該アルキル基はヒドロキシル基、アミド
基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、
スルホンアミド基等により置換されていてもよい。
【0052】本発明の一般式(5)で表される化合物
は、本発明の目的により、これを構成するP及びRの最
適化学組成、分子量等は異なるが、どの目的において
も、PとRの質量比が0.001≦R/P≦2、より好
ましくは0.01≦R/P≦1の組成を有するものが特
に効果が優れている。
【0053】次に、本発明の方法に用いられる画像転写
材料について説明する。本発明において用いられる画像
転写材料は、支持体上に熱転写材料からなる転写記録層
を設けてなるものである。以下、画像転写材料を構成し
ている支持体、および転写記録層、さらに所望により設
けられるその他の層について詳述する。
【0054】[支持体]画像転写材料の支持体の材料に
は特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用
いることができる。支持体材料の好ましい例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体等の合成樹脂材料を挙
げることができる。中でも、二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートが、機械的強度や熱に対する寸法安定性を考
慮すると好ましい。
【0055】支持体には、その上に設けられる転写記録
層との密着性を向上させるために、表面の粗面化処理お
よび/または一層または二層以上の下塗層の付設を行な
うことが好ましい。表面の粗面化処理の例としては、グ
ロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができ
る。下塗層の材料としては、支持体と転写記録層の両表
面に高い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐
熱性に優れたものであることが好ましい。そのような下
塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗
層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、画
像転写材料の転写記録層付設側とは反対側の表面には、
必要に応じて、離型層等の各種の機能層の付設、あるい
は表面処理を行なうこともできる。
【0056】[転写記録層]転写記録層は、有色画像を
形成する場合には、受像シートに転写されて着色画像を
形成するための顔料を少なくとも含有し、さらに、層を
形成するためのバインダ樹脂、および所望により、その
他の成分を含有する。なお、本発明においては転写記録
層は必ずしも有色の記録層に限定されず、例えば、平版
印刷版などの形成に用いる場合には無色の樹脂層などで
あってもよいが、前述の液状転写性促進材料により転写
性が向上する特性を有することが必要である。顔料は一
般に有機顔料と無機顔料とに大別され、前者は特に塗膜
の透明性に優れ、後者は一般に隠蔽性に優れる等の特性
を有しているので、用途に応じて、適宜選択すればよ
い。本発明に係る画像転写材料をカラープルーフとして
印刷色校正用に用いる場合には、印刷インキに一般に使
用されるイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラック
と一致するか、あるいは色調が近い有機顔料が好適に使
用される。またその他にも、金属粉、蛍光顔料等も用い
る場合がある。好適に使用される顔料の例としては、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔
料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げることができ
る。転写記録層に用いられる顔料を、色相別に分けて、
以下に列挙するが、これらに限定されるものではない。
【0057】1)黄色顔料 ハンザイエローG、ハンザイエロー5G、ハンザイエロ
ー10G、ハンザイエローA、ピグメントイエローL、
パーマネントイエローNCG、パーマネントイエローF
GL、パーマネントイエローHR。 2)赤色顔料 パーマネントレッド4R、パーマネントレッドF2R、
パーマネントレッドFRL、レーキレッドC、レーキレ
ッドD、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、
アリザリンレーキ、ローダミンレーキB。 3)青色顔料 フタロシアニンブルー、ビクトリアブルーレーキ、ファ
ストスカイブルー。 4)黒色顔料 カーボンブラック。
【0058】転写記録層のバインダ樹脂としては、軟化
点が40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合体が好ま
しい。前記非晶質有機高分子重合体としては、例えばブ
チラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹
脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹
脂、石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニ
ル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノ
スチレン等のスチレンおよびその誘導体、置換体の単独
重合体や共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート等のメタクリル酸エステル類およびメタ
クリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、α−エチルヘキシルアクリレート
等のアクリル酸エステルおよびアクリル酸、ブタジエ
ン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニ
ルエーテル類、マレイン酸およびマレイン酸エステル
類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル等のビニル系単量体の単独あるいは他の単量体等との
共重合体を用いることができる。これらの樹脂は2種以
上混合して用いることもできる。
【0059】転写記録層は、顔料を30〜70質量%含
有しているのが好ましく、30〜50質量%含有してい
るのがより好ましい。また、転写記録層は、樹脂を70
〜30質量%含有しているのが好ましく、70〜50質
量%含有しているのがより好ましい。
【0060】また、同一の受像シート上に多数の画像層
(画像が形成された転写記録層)を繰返し重ね合せて多
色画像を作製する場合には、画像間の密着性を高めるた
めに転写記録層は可塑剤を含むことが好ましい。そのよ
うな可塑剤の例としては、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル、
フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ブチ
ルラウリル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エス
テル類、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシ
ン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪族二塩基酸エス
テル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2−エチルヘ
キシル)等のリン酸トリエステル類、ポリエチレングリ
コールエステル等のポリオールポリエステル類、エポキ
シ脂肪酸エステル等のエポキシ化合物が挙げられる。ま
た、上記のような一般的な可塑剤以外にも、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブタント
リオールトリメタクリレート、トリメチロールエタント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトール−ポリアクリレートのようなアクリル
酸エステル類も、用いられるバインダーの種類によって
は好適に併用される。なお、可塑剤は二以上組合せて用
いてもよい。
【0061】前記可塑剤は、転写記録層において、顔料
と樹脂の総量と、可塑剤との質量比が、一般的には、1
00:1〜100:3、好ましくは100:1.5〜1
00:2となるように用いられる。転写記録層には、更
に必要に応じて、界面活性剤、増粘度剤等が添加され
る。
【0062】転写記録層は、顔料と前記バインダ樹脂等
とを溶解または分散した塗布液を調製し、これを支持体
上(支持体上に前記下塗り層上)に塗布し、乾燥するこ
とにより設けることができる。塗布液の調製に使用され
る溶媒としては、n−プロピルアルコール、メチルエチ
ルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル
(MFG)、メタノール等が挙げられる。塗布、乾燥
は、通常の塗布、乾燥方法を利用して行うことができ
る。尚、転写記録層の層厚(乾燥層厚)は0.1〜1.
5μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。
【0063】画像転写材料の支持体の上に、色相が異な
る複数の転写記録層を、所定の幅、たとえば1〜20m
m程度で、重なり合わないように順次、隣接して設ける
ことにより多色画像形成のための画像転写材料とするほ
か、色相が異なる複数の転写記録層を、異なる複数の支
持体に形成することにより、色の数だけの画像転写材料
とすることも可能である。
【0064】支持体上に、転写記録層がこの順に積層さ
れた構成の画像転写材料の転写記録層表面、或いは、後
述する受像シートの表面に、潜像形成液を画像様に付与
して潜像を形成すると、転写記録層を構成する熱転写材
料のうち、転写性促進材料が付着した潜像の部分のみ、
転写記録層へ転写性促進材料が浸透し、層を構成するバ
インダーの結合が緩むとともに、支持体と画像形成層と
の間の結合力が低下して受像シートへの転写性が向上
し、より低い温度で転写することが可能になる。
【0065】次に、本発明の画像形成方法に使用しうる
画像形成装置を図面を参照して説明するとともに、画像
形成方法を工程毎に順次説明する。図1は本発明に係る
画像形成装置の構成を示す概念図である。画像形成装置
1には、画像転写材料5に液滴状の潜像形成液を付与す
る吐出ヘッド(ノズルヘッド)13と、画像転写材料5
と受像シート11とを密着させ、転写を行うための支持
ドラム3と加熱手段を備えたピンチローラー7とからな
る一対の加圧ローラーと、加熱乾燥装置27とを備え
る。支持ドラム3には支持体上に転写記録層を形成した
画像転写材料(転写シート)5が、外周の一部分に巻き
付けられるようにして支持される。支持体に形成される
転写記録層には、顔料系色素、金属粒子などの素材と、
バインダー樹脂等が含まれる。この実施形態では、転写
記録層が顔料系色素である場合を例に説明する。
【0066】画像転写材料5は支持体側が支持ドラム3
に接触し、転写記録層側が表面となるようにして支持ド
ラム3に支持される。画像形成装置1には、支持ドラム
3と同一軸方向のピンチローラ7を対向配置してある。
このピンチローラ7の内部には温度制御可能なヒータを
内蔵してある。この支持ドラム3とピンチローラ7との
間には、受像シート11が挿入される。支持ドラム3と
ピンチローラ7との間には、画像転写材料5と受像シー
ト11とが、転写記録層と受像シート11の受像面とが
互いに密着するように積層され、加圧ローラー間に挿入
され、加熱されながら、支持ドラム3とピンチローラ7
の回転によって図中右方向に移動するようになってい
る。この実施形態では、PETフイルムを支持体とし、
受像層を50μmとした受像シートである場合を例に説
明する。
【0067】潜像形成液により潜像が形成された部分
は、周辺の転写記録層の部分に比較して転写温度が低下
している。従って、このときのピンチローラ7の加熱条
件としては、潜像形成部と受像層との接触部分の温度
が、本来の転写記録層の転写温度以下で、潜像部の転写
温度以上となるように温度範囲を設定すれば、潜像形成
部分と未形成部分(転写性促進材料の付着しない部分)
とのオン/オフがクリアな画像転写を行うことができ
る。加熱温度は、転写記録層の転写温度未満で、且つ、
潜像部の転写温度を超える範囲であることが好ましい。
【0068】画像形成装置1には支持ドラム3に対向し
て液滴吐出ヘッド13を設けてある。液滴吐出ヘッド1
3は図示されない移動レールなどを介して画像転写材料
の幅方向自在に移動可能に配置されている。この液滴吐
出ヘッド13の移動方向は、画像形成のための主走査方
向となる。この液滴吐出ヘッド13は潜像形成液からな
る液滴を画像様に吐出し、支持ドラム3に支持された画
像転写材料5の転写記録層表面に潜像を形成する。この
液滴吐出ヘツド13の構造としては、公知の一般的なイ
ンクジェット印刷装置に用いられるインクヘッドと同様
の構造を有するものが適用できる。
【0069】この装置を用いて多色画像を形成する場合
には、画像転写材料の転写記録層に含まれる色材とし
て、黒色(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエ
ロー(Y)の各色を用いた画像転写材料により画像形成
を行う。K色の画像転写材料5に対して、液滴吐出ヘッ
ド13から潜像形成液の液滴を画像様に吐出して画像転
写材料5の転写記録層に潜像を形成する。この工程が潜
像形成工程である。
【0070】次に、潜像が形成された画像転写材料5の
転写記録層と受像シート11の受像面が密着するように
積層し、支持ドラム3とピンチローラ7とにより加圧す
る。この時、ピンチローラ7内部の加熱手段を制御して
所定の条件で受像シート11及び画像転写材料5の全面
が加熱されることで、画像様に転写性促進材料が付着し
た潜像部分のみが受像シート11表面に画像様に転写さ
れる。即ち、転写工程である。その後、画像転写材料5
が支持ドラム3に沿って、円周方向に巻かれて搬送され
ることで、画像転写材料5が受像シート11から剥離さ
れ、受像シート11表面に、黒色画像が形成される。そ
して、加熱乾燥装置27によって、受像シート11表面
に転写された画像転写材料5の転写記録層が乾燥され
る。即ち、乾燥工程である。この乾燥工程により潜像形
成のための残存溶液が蒸発させられ、その結果、この受
像シートの上にさらに他の色の画像転写材料を重ねて転
写させた場合、二次色かぶりがなく高画質の画像を作製
することができる。以下、同様の手順により、C、M、
Y色の各画像転写材料5を用いて、同一の受像シート1
1上に、それぞれの色毎の転写記録層を画像情報に基づ
き順次転写、定着して、4色を重ね合わせたフルカラー
画像を形成する。
【0071】このように、上述の画像形成装置1を用い
た画像形成方法によれば、画像転写材料5及び受像シー
ト11を、全面的に加熱することで、潜像形成液が付着
した潜像部分のみの転写性が向上し、潜像部分のみが選
択的に受像シート11へ転写、定着させるので、従来の
剥離転写方式のように、サーマルヘッドの抵抗値ムラ、
接触ムラ、支持体の厚みムラに起因する熱伝導ムラがな
く、均一な画像を形成することができる。
【0072】また、転写記録層には顔料系色素を用いる
ことができるため、インクジェット記録方式のインクの
場合のような物性の制限による顔料や染料の選択の必要
がなくなり、幅広い範囲の顔料系色素が選択できるよう
になり、所望の色相が選択でき色相再現性に優れるとと
もに、耐光性に優れた顔料、金属顔料、機能性顔料など
を任意に選択できるため、耐久性の良好な画像、所望の
色相や機能を有する画像を形成することができる。この
ため、色相再現性が重要視されるカラープルーフなどに
も好適に応用することができる。
【0073】さらに、受像シート11の受像層を50μ
mとしたため、前述のように、乾燥工程における乾燥時
間を短時間で行うことができる。
【0074】次に本発明の画像形成装置の別の態様につ
いて説明する。図2は本発明に係わる画像形成装置の第
2の構成を示す。画像形成装置20は、受像シート11
表面に液滴状の潜像形成液を付与する吐出ヘッド21
と、画像転写材料5と受像シート11とを密着させ、転
写を行うための支持ドラム3と加熱手段を備えたピンチ
ローラー7とからなる一対の加圧ローラーと、密着し、
転写工程を終了した画像転写材料5と受像シート11と
を剥離させるための剥離バー23と、加熱乾燥装置27
とを備える。
【0075】この実施形態による画像形成装置20で
は、支持ドラム3の搬送方向下流側に、画像転写材料5
を受像シート11側へ押圧するピールバー(剥離バー)
23を設けてある。また、剥離バー23と画像転写材料
5の巻き取り手段25との間では、画像転写材料5が所
定の張力で巻き取られるようになっている。更に、剥離
バー23を通過した後の画像転写材料5は、受像シート
11に対して直角に近い角度で剥離されるようになって
いる。このように構成した画像形成装置20によれば、
剥離バー23を境に、画像転写材料5の支持体が直角に
近い角度で屈曲されるので、支持体と転写記録層との剥
離が曲げ半径の違いにより促進されることとなり、受像
シート11表面への転写記録層の定着を良好にすること
ができる。
【0076】画像形成装置20は、支持ドラム3に対向
して液滴吐出ヘッド21を設けてある。液滴吐出ヘッド
21は受像シート11の幅方向自在に移動可能なように
なっている。この態様においては、吐出ヘッド21が受
像シート11方向に液滴を吐出する点、及び、画像転写
材料5と受像シート11とを安定に剥離させるための剥
離バー23を備える点を除けば、前記画像形成装置1と
同様の構成を有する。この液滴吐出ヘッド21は潜像形
成液の液滴を画像様に受像シート11表面に吐出して、
潜像を形成するが、この受像シート11は、支持ドラム
3に支持された画像転写材料5の転写記録層表面と密着
して、潜像形成部分における転写記録層の転写性を向上
させる機能を有する。
【0077】この態様では、潜像形成液を転写記録層で
はなく、受像シート11に吐出するので、薄い転写記録
体を用いた場合にも、吐出要因による潜像の位置精度の
低下を抑えることができる。このように、本発明の画像
形成方法においては、潜像形成液による画像様の潜像を
形成して、当該部分の転写記録層自体を受像シート11
に転写、定着して画像を形成するので、インクを吐出し
て形成した画像に比較して、インクにじみの懸念がな
く、解像度と色相再現性に優れた画像を形成することが
できる。また、前記したように、潜像形成液による潜像
は、画像転写材料5の転写記録層表面に形成されても、
受像シートの受像面に形成されても同様の効果を奏す
る。
【0078】以下に、本発明の画像形成装置の変形例に
ついて説明する。本発明に係る画像形成装置30におい
ては、図3に示すように、前記液滴吐出ヘッドの液滴吐
出方向が、前記画像転写材料5及び前記受像シート11
のいずれの方向ともすることができるように、吐出方向
を切り換え自在に設けて、材料や転写条件により適宜吐
出方向を変更し得るように配置してある。液滴吐出ヘッ
ド31の方向切り換え構造としては、単一または複数の
吐出孔を有する液滴吐出ヘッド31を、回動自在に設け
るもの(図3に示したもの)の他、予めそれぞれの方向
に吐出孔を設けておき、必要に応じていずれか一方の吐
出孔を開閉制御するもの等が考えられる。この画像形成
装置30によれば、使用する画像転写材料5または受像
シート11と液滴との適性に基づき、いずれか好適な画
像形成面に対して、液滴吐出ヘッド31の液滴吐出方向
を切り換えて、潜像を形成することが可能となる。
【0079】また、本発明の画像形成方法の応用とし
て、親油性樹脂層を支持体に形成した画像転写材料5を
用い、受像シート11に代えて、外周面が刷版面となる
ドラム状の版胴を用て、同様の手順により画像形成を行
うことにより、版胴の外周面等、曲面上にも、所望の精
細な画像を形成することができ、、少ない製造工程に
て、版を植設した版胴を形成することができる。
【0080】吐出ヘッドの変形例として、液滴吐出タイ
プではなく、潜像形成液を面状または線状に液滴を吐出
できるものを用い、その液滴吐出ヘッドと画像転写材料
或いは受像シートとの間に、画像様に透孔を形成したマ
スクを配設する態様を用いても同様の効果を得ることが
できる。面状に液滴を吐出する手段としては、例えば、
複数の吐出孔を設けるもの、或いは拡散ノズルを設ける
ものが挙げられ、線状に液滴を吐出する手段としては、
主走査方向に線状に並べた吐出孔を、副走査方向に移動
させるもの等が挙げられる。この画像形成装置によれ
ば、液滴を面状に吐出するので、高速な画像の形成を可
能にすることができる。
【0081】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。な
お、本実施例においては、特にことわりのない限り、
「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。 実施例1 <画像転写材料の作製> (1) イエロー転写記録層の形成 ブチラール樹脂 12.0部 (積水化学工業(株)製、エスレックFPD−1、 軟化点70℃、平均重合度300以下) イエロー顔料 12.0部 (東洋インキ(株)製、CI.P.Y14) n−プロピルアルコール 110.4部 分散助剤 0.8部 (ICIジャパン(株)製 ソルスパースS−20000) 上記成分を分散機で十分分散させた分散液10部に対し
てステアリン酸アミド0.24部、n−プロピルアルコ
ール60部を加えイエロー転写記録層塗布液を調製し、
裏面に離型処理された厚み5μmのロール状のポリエス
テルフィルム支持体上に所定の幅に等間隔でこの塗布液
を塗布して、乾燥膜厚が0.36から0.38μmとな
るようにイエロー転写記録層を形成した。 (2) マゼンタ転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、マゼンタ顔料(東洋インキ
製、CI.P.R.57:1)を用いた他は、上記イエ
ロー転写記録層塗布液と同様にしてマゼンタ転写記録層
塗布液を調製し、前記ポリエステルフィルム支持体上の
イエロー転写記録層に隣接するように所定の幅でこのマ
ゼンタ転写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が0.3
6から0.38μmとなるようにマゼンター転写記録層
を形成した。 (3) シアン転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、シアン顔料(東洋インキ製、
CI.P.B.15:4)を用いた他は、上記イエロー
転写記録層塗布液と同様にしてシアン転写記録層塗布液
を調製し、前記ポリエステルフィルム支持体上のマゼン
タ転写記録層に隣接するように所定の幅でこのシアン転
写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が0.36から
0.38μmとなるようにシアン転写記録層を形成し
た。 (4) ブラック転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、黒色顔料(三菱化成製、カー
ボンブラックMA−100)を用いた他は、上記イエロ
ー転写記録層塗布液と同様にしてブラック転写記録層塗
布液を調製し、前記ポリエステルフィルム支持体上のイ
エロー転写記録層とシアン転写記録層の間に所定の幅で
このブラック転写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が
0.36から0.38μmとなるようにブラック転写記
録層を形成して、画像転写材料を得た。 <受像シートの作製> 「クッション層用塗布液」 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 160部 (日信化学(株)製、ソルバインCL2) エチレン−酢酸ビニル共重合体 61部 (三井デュポンケミカル(株)製、エルバロイ742) セバシン酸ポリエステル 28部 (日本曹達(株)製、FN−G25) パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4部 (大日本インキ化学工業(株)製、メガフアックF−178K) メチエチルケトン 630部 トルエン 210部 ジメチルホルムアミド 30部 「接着層用塗布液」 ポリビニルブチラール樹脂 16部 (電気化学工業(株)製、デンカブチラール#2000−L) N,N−ジメチルアクリルアミド−ブチルアクリレート共重合体 4部 パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.5部 (大日本インキ化学工業(株)製、メガフアックF−177) n−プロピルアルコール 200部 厚さ130μmのPETフイルム支持体上に回転塗布機
を使用して上記クッション層用塗布液を塗布し、100
℃で乾燥させ、乾燥時の膜厚が51μmのクッション層
を形成した。
【0082】上記クッション層上に回転塗布機を使用し
て、上記接着層用塗布液を塗布し、100℃で乾燥さ
せ、乾燥時の膜厚が2μmの接着層を形成して、受像シ
ートを作製した。受像層全体の層厚は53μmであっ
た。 <潜像形成工程>潜像形成液として以下のものを用い
た。 (転写性促進材料を含む潜像形成液1の調製) 蒸留水 60部 n−プロパノール 35部 エマルゲン104P 5部 上記成分を均一に攪拌し、潜像形成液1を得た。図1に
示す画像形成装置1に画像転写材料と受像シートと潜像
形成液1とをセットし、液滴吐出ヘッド13から潜像形
成液1を吐出して、イエローの画像転写材料に潜像を形
成した。
【0083】<転写工程>続いて、支持ドラム3とピン
チローラ7により、潜像形成した画像転写材料及び受像
シートを用いて、受像シートの接着層上にイエロー画像
を転写した。
【0084】<乾燥工程>最後に、100℃に設定した
加熱乾燥装置27としてダバイ社製パーフェクトオーブ
ンを用いて、転写後の受像シートを乾燥させた。乾燥に
要した時間は1分であった。
【0085】同様の操作を、同一の受像シート及び各色
について繰り返し、フルカラーの画像を得た。得られた
画像は、解像度が高く、均一で色ムラがなかった。ま
た、各色の潜像形成工程の前の乾燥工程が、1分という
短時間で行うことができたため、フルカラー画像作製の
全工程に要した時間も短時間であった。
【0086】実施例2 本実施例は、実施例1で示したクッション層用塗布液
と、接着層用塗布液を用いて、乾燥時におけるクッショ
ン層の膜厚を27μmとし、乾燥時における接着層の層
厚を4μmとして受像シートを作製したことにおいて実
施例1と異なる。それ以外は、実施例1と同様にしてフ
ルカラー画像を形成した。なお、本実施例の受像層は3
1μmである。得られた画像は、解像度が高く、均一で
色ムラがなかった。また、各色の潜像形成工程の前の乾
燥工程が、1分という短時間で行うことができた。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる画
像形成方法によれば、インクジェット方式の欠点である
画像形成材料の制限とノズルの詰まりの問題が解決さ
れ、さらに、熱転写方式の欠点である熱による支持体の
損傷と画像の不均一さも改良され、色相再現性に優れた
画像を形成することができ、加えて、微細点の転写性・
解像度においても優れており、特に多色画像を形成する
場合において、従来の熱転写法に比較し格段に優れた画
像を形成することができる他、ノズルのバラツキに起因
するスジムラがなく均一な画像を得ることができる。さ
らに、受像シートの受像層の層厚を30〜100μm
と、比較的厚くしたため、乾燥工程における乾燥時間を
短くしても二次カブリが発生せず、製造工程全体を効率
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる画像形成装置の一態様を示す
概念図である。
【図2】 本発明に係わる画像形成装置の吐出ヘッドが
受像シート方向に配置された態様を示す概念図である。
【図3】 本発明に係わる画像形成装置の吐出ヘッドの
方向が切り替え可能に配置された態様を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1、20、30 画像形成装置 3 支持ドラム 5 画像転写材料 7 ピンチローラ 11 受像シート 13、21、31 吐出ヘッド(ノズルヘッド) 23 剥離部材(剥離バー) 27 加熱乾燥装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/26 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱転写材料からなる転写記録
    層を設けてなる画像転写材料の転写記録層表面、又は該
    転写記録層を転写可能な受像層を有する受像シートの受
    像層表面のいずれかに、熱転写材料の転写温度を低下さ
    せ得る転写性促進材料又は粘着性材料を含む潜像形成液
    の液滴を吐出して画像様に潜像を形成する潜像形成工程
    と、該画像転写材料の転写記録層表面と受像シートの受
    像層表面とを密着させて加熱し、潜像に対応した転写記
    録層を受像シート上に転写する転写工程と、前記受像シ
    ートに転写された転写記録層を乾燥する乾燥工程と、を
    含む工程により画像形成を行った後、前記転写記録層と
    は異なる色相をもつ転写記録層について、前記潜像形成
    工程と転写工程を含む工程をさらに1以上繰り返す画像
    形成方法であって、 前記受像シートの受像層の層厚を30〜100μmとす
    ることを特徴とする多色画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記受像層が、接着層とクッション層と
    からなり、該接着層の層厚が2〜20μmであり、該ク
    ッション層の層厚が28〜80μmであることを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 受像シートが、支持体の上に少なくとも
    クッション層と接着層とをこの順に設けたものであり、
    クッション層の層厚が2〜20μmであり、接着層の層
    厚が28〜80μmであることを特徴とする、請求項1
    に記載の画像形成方法に用いる受像シート。
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