JP2002264493A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002264493A
JP2002264493A JP2001069542A JP2001069542A JP2002264493A JP 2002264493 A JP2002264493 A JP 2002264493A JP 2001069542 A JP2001069542 A JP 2001069542A JP 2001069542 A JP2001069542 A JP 2001069542A JP 2002264493 A JP2002264493 A JP 2002264493A
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JP2001069542A
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English (en)
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Akio Miyamoto
昭男 宮本
Toshiaki Aono
俊明 青野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルの詰まりがなく、受像体に普通紙を用
いた場合でも転写性が良好な画像形成方法、及び画像形
成装置を提供する。 【解決手段】 支持体上に転写記録層を設けてなる画像
転写材料と、受像体とを用いる画像形成方法であって、
画像転写材料の転写記録層表面又は受像体の受像面のい
ずれかに、炭素数2〜4のアルキレン及び/又は炭素数
2〜4のアルキレンオキシドを主成分モノマーとするホ
モポリマー、ランダムコポリマー、グラフトコポリマ
ー、及びブロックコポリマーの少なくとも1つを含む溶
液又は分散液からなる潜像形成液の液滴を吐出して画像
様に潜像を形成する潜像形成工程と、該画像転写材料の
転写記録層表面と受像体の受像面とを密着させて加熱
し、潜像に対応した転写記録層を受像体上に転写する転
写工程と、を含む画像形成方法、及び該画像形成方法に
使用し得る画像形成装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写方式を応用
した画像形成方法及びそれに用いる画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】紙、フィルム等の画像転写材料に画像を
形成する方法の一つに熱転写方式がある。この熱転写方
式は、転写材料である顔料を含む転写層を支持体表面に
形成した画像転写材料を、紙、フィルム等の受像体(受
像体)と重ね、画像転写材料の支持体の背面側からサー
マルヘッド、レーザーヘッド等にて画像様に熱を加え、
顔料を含む転写層を受像体へ熱転写して、受像体上に画
像を形成するものである。この熱転写方式には更に色素
を昇華させて受像体に転写するものもある。
【0003】また、受像体への画像の形成方法には、熱
転写によらず、インクを液滴として吐出させて画像を形
成するインクジェット方式がある。インクジェット方式
は、インクヘッドが並設した複数のノズル孔と、このノ
ズル孔に連通し、壁の一部が振動板となる独立の吐出室
と、振動板上に取り付けられた圧電素子と、吐出室にイ
ンクを供給する共通のインクキャビティとから構成さ
れ、画像情報に基づいたパルス電圧を圧電素子に印加す
ることにより、振動板を機械的に撓ませて吐出室の容積
を増減させ、瞬間的に変動する室内の圧力を利用して、
ノズル孔から液滴を吐出することにより、受像体上に画
像を形成するものである。
【0004】上述した熱転写方式のうち、サーマルヘッ
ドを使用する方法は、ヘッドの発熱体抵抗値のバラツ
キ、ヘッドと画像転写材料との接触状態、熱画像転写材
料の支持体の厚さムラ等に起因して、温度分布が不均一
になり易く、その結果、形成される画像にムラが発生す
る問題があった。また、局部的な高温加熱により、支持
体が変形してシワが発生し易くなるといった問題点を有
していた。さらに、レーザー光を使用する方法は、装置
コストが高くなり、高温瞬間加熱による素材分解等によ
る画像ムラが発生し易い問題があった。
【0005】一方、インクジェット方式では、先に述べ
た記録時の熱による支持体の変形の問題はないものの、
インクのノズル詰まりを防止し、安定して均一なインク
のドロップを形成する必要がある。このため、液物性
上、画像形成素材の制限が多々有り、自由に画像形成素
材を選択することができなかった。例えば、カラー画像
を形成する場合であっても、ノズル詰まりを防ぐ為に、
染料または特定の顔料等の限られた素材の中からインク
材料を選択する必要があり、そのために印刷インク願料
と同一の色相を再現できず、高精度の印刷プルーフ用プ
リンターには適用できなかった。また、形成した画像の
耐光性、耐水性が低く、さらに、受像体上で染料がニジ
ミ易く、高解像度の画像が得られない問題もあった。
【0006】これらの問題を解決するために、本発明者
等は従来の熱転写方式に用いる転写材料に、転写温度を
低下させる液状物質を画像様に噴射供給した後、加熱転
写を行うことにより、ノズル詰まりを防止しつつ、均一
で色相再現性に優れた画像を形成する技術を特願200
0−163273号として出願している。この方法によ
れば良質の転写画像が得られるが、複数回の転写を重ね
て形成する多色画像を得ようとすると、先に転写した画
像面に次の色が転写し易くなり、転写された色が濁って
しまう、所謂2次色(多次色)増感の発生が懸念される
ことがある。また、この方法を印刷条件確認用の印刷プ
ルーフの作製用途に使用する場合、先ず専用の受像体上
に画像を転写し、更に印刷用シートに転写する必要があ
った。このため、工程の単純化とプルーフとしての画像
品質向上のため、転写層から印刷用シートに直接転写す
る方法の実現が望まれていた。なお、ここに云う印刷用
シートとは、実際に印刷が行われる用紙、フィルム、金
属箔等を指す。
【0007】この点を改良する方法として、本発明者ら
は、特願平11−288179号として、転写記録層の
表面または受像体(印刷紙、印刷シート)の表面に、転
写記録層を受像体表面に転写させるための粘着性を有す
る溶液を画像様に付与して潜像を形成し、転写記録層表
面と受像体表面とを密着させて加熱し、潜像が形成され
た部分に対応する転写記録層を受像体上に転写する方法
を出願した。この方法により、印刷用シートに直接的に
転写画像を形成することが可能になり、2次(多次色)
増感(カブリ)の無い優れた画像形成が可能になった。
しかし、この方法においても、ノズルの詰まりをなくす
ことは未だ完全ではなく、さらに、受像体が普通紙の場
合の転写性については更に改善の余地がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、ノズ
ルの詰まりがなく、普通紙に対しての転写性が良好な画
像形成方法、及び画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段
は以下の通りである。即ち、 (1)支持体上に熱転写材料からなる転写記録層を設け
てなる画像転写材料と、受像体とを用いる画像形成方法
であって、画像転写材料の転写記録層表面又は受像体の
受像面のいずれかに、炭素数が2ないし4のアルキレン
及び炭素数が2ないし4のアルキレンオキシドの少なく
ともいずれか一方を主成分モノマーとするホモポリマ
ー、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、及びブ
ロックコポリマーより選ばれる少なくとも1つを含む溶
液又は分散液からなる潜像形成液の液滴を吐出して画像
様に潜像を形成する潜像形成工程と、該画像転写材料の
転写記録層表面と受像体の受像面とを密着させて加熱
し、潜像に対応した転写記録層を受像体上に転写する転
写工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法であ
る。
【0010】(2)支持体上に熱転写材料からなる転写
記録層を設けてなる画像転写材料の転写記録層を画像様
に、受像体に転写する画像形成装置であって、該転写記
録層表面又は受像体の受像面のいずれかに、潜像形成液
の液滴を吐出して画像様に潜像を形成する液滴吐出ヘッ
ドと、該画像転写材料の転写記録層表面と受像体の受像
面とを密着させて、通過させることかでき、少なくとも
一方に加熱温度の制御が可能な加熱手段を有する一対の
加圧ローラーと、を備えることを特徴とする前記(1)
に記載の画像形成方法に用いるための画像形成装置であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明に係わる画像形成方法は、先ず、支持体上に
熱転写材料からなる転写記録層を設けてなる画像転写材
料と、受像体とを準備し、該画像転写材料の転写転写記
録表面或いは受像体の受像面のいずれか一方に、炭素数
が2ないし4のアルキレン及び炭素数が2ないし4のア
ルキレンオキシドの少なくともいずれか一方を主成分モ
ノマーとするホモポリマー、ランダムコポリマー、グラ
フトコポリマー、及びブロックコポリマーなどのコポリ
マー(以下、総称して、単に「ポリマー」と呼ぶ場合が
ある。)の少なくとも1つを含む溶液又は分散液からな
る潜像形成液を画像様に付与して潜像を形成する。そし
て、形成された潜像を挟んで前記画像転写材料の転写記
録層と前記受像体の受像面とを密着させ、潜像の非形成
部が転写する温度よりも低く、潜像形成部が転写出来る
温度に加熱した加圧ローラを通過させた後に、前記画像
転写材料と前記受像体とを剥離することにて受像体上に
前記画像様に転写像を形成するものである。この画像形
成方法では潜像を形成した部分のみ熱転写材料を支持体
から分離し、転写することで受像体面に画像を形成す
る。
【0012】炭素数が2ないし4のアルキレン及び炭素
数が2ないし4のアルキルオキシドの少なくともいずれ
か一方を主成分モノマーとするホモポリマーとしては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド等が挙げられ、同コポリ
マーとしては、エチレン・エチレンオキサイド共重合
体、エチレン・プロピレンオキサイド共重合体、プロピ
レン・エチレンオキサイド共重合体、エチレン・エチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド共重合体、及びこ
れらの変性体(誘導体)等が挙げられる。これらの共重
合体は、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブ
ロックコポリマーのいずれであってもよい。これらの質
量平均分子量は約500以上で、最大500000程度
とすることが好ましく、1000〜100000とする
ことがより好ましい。質量平均分子量が大きくなると溶
液粘度が上昇することがあり、上限は、溶解時の粘度
か、システム(画像形成装置)が液滴吐出適性を有する
かによって決まる。
【0013】前述の通り、本発明におけるポリマーは、
炭素数が2ないし4のアルキレン及び炭素数が2ないし
4のアルキルオキシドの少なくともいずれか一方を主成
分モノマーとするポリマーであるが、ここで、「主成
分」とは、ポリマー中に、炭素数が2ないし4のアルキ
レン又は炭素数が2ないし4のアルキルオキシドが40
〜100モル%含むことを意味する。
【0014】以上のポリマーは、水,又はメタノール、
エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、ter−ブ
タノール、等のアルコール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコ
ール類等の有機溶剤と水との混合溶剤に溶解又は分散し
て用いることができる。前記潜像形成液中のポリマーの
濃度は、1〜30質量%とすることが好ましい。
【0015】これら水又は有機溶剤類は、前記ポリマー
を溶解又は分散させるために、各々単独に使用してもよ
く、複数種類の溶剤を混合して使用してもよい。また、
上記溶液には、吐出適性、液の保存安定性、接着特性を
改善するために、表面張力調整剤、防黴剤、粘度調整
剤、pH調整剤、消泡剤、可塑剤等を併用することがで
きる。
【0016】また、前記ポリマーを分散形態(固体分
散、乳化分散)で含む場合には、一般式(1) R−
(S−P)nで表される化合物を添加することが好まし
い。この化合物を添加することにより、分散形態にある
ポリマーが凝集を起こすことがなく潜像形成液が安定に
保持され、また、ノズル詰まりが発生することも防がれ
る。一般式(1)で示される化合物は、潜像形成液の固
形分に対し3〜20質量%、好ましくは5〜10質量%
添加される。
【0017】一般式(1)中、Rは疎水性基または疎水
性重合体を表し、Pは下記構造単位A、B及びCのうち
の少なくとも1つを含み、重合度が10以上3500以
下の重合体を表す。nは1又は2を表す。
【0018】
【化1】
【0019】ここで、R1は−H又は炭素数1〜6のア
ルキル基を表わし、R2 は−H又は炭素数1〜10のア
ルキル基を表わし、R3は−H又は−CH3を表わし、R
4はH、−CH3、−CH2COOH(アンモニウム塩又
は金属塩を含む)又は−CNを表わし、Xは−H、−C
OOH(アンモニウム塩又は金属塩を含む)又は−CO
NH2を表わし、Yは−COOH(アンモニウム塩又は
金属塩を含む)、−SO3H(アンモニウム塩又は金属
塩を含む)、−OSO3H(アンモニウム塩又は金属塩
を含む)、−CH2SO3H(アンモニウム塩又は金属塩
を含む)、−CONHC(CH32CH2SO3H(アン
モニウム塩又は金属塩を含む)又は−CONHCH2
2CH2+ (CH33Cl-を表わす。
【0020】前記一般式(1)において、R1は−Hが
好ましく、R2は−CH3が好ましい。また、上記一般式
(1)で表わされる化合物の代表的な例として、ビニル
アルコールとビニルエステルのランダム又はブロック共
重合体あるいは更にカルボキシル基等のアニオン性基を
有する第3モノマー成分を含むビニルアルコールとビニ
ルエステルのランダム又はブロック共重合体の末端をア
ルキル基又は疎水性重合体で変性したものが挙げられ
る。
【0021】前記一般式(1)におけるRの疎水性基と
しては、脂肪族基(例えばアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基など)、芳香族基(例えばフェニル基、ナ
フチル基など)及び脂環基があり、これらは置換されて
いるものも含む。置換基としては、脂肪族基、芳香族
基、脂環基、複素環基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ
基、ニトロ基、N−置換スルファモイル基、カルバモイ
ル基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、
アリールスルホニルアミノ基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アシル基などが挙げられる。
【0022】一般式(1)におけるRの疎水性基がアル
キル基の場合には、炭素数3〜70、好ましくは4〜5
0、特に8〜24が好ましい。Rが疎水性基の場合の具
体例は、特開平10−95942号公報の段落0034
ないし0042に開示されている(S−1)から(S−
50)までの基が好ましく挙げられる。
【0023】また、一般式(1)におけるRが疎水性重
合体の場合、ポリスチレン及びその誘導体、ポリメタク
リル酸エステル(例えばポリメタクリル酸メチル)及び
その誘導体、ポリアリクル酸エステル及びその誘導体、
ポリブテン、ポリ酢酸ビニル、ポリバーサチック酸ビニ
ル等に代表される水に不溶性のビニル重合体やビニル共
重合体、ポリオキシプロピレンやポリオキシテトラメチ
レンの如き水に不溶性のポリオキシアルキレン類、更に
はポリアミド及びポリエステル等の水不溶性重合体等が
挙げられる。特にポリスチレン及びその誘導体、ポリメ
タクリル酸エステル及びその誘導体、ポリアクリル酸エ
ステル及びその誘導体並びにポリ塩化ビニルが好ましく
用いられる。また、疎水性重合体の重合度は2以上50
0以下、好ましくは2以上200以下、更に好ましくは
2以上100以下である。
【0024】前記一般式(1)で表される化合物におけ
る重合体Pは、上記構造単位A、B及びCのうちの少な
くとも1つを含む重合体である。重合体Aを構成する構
造単位Aとしては具体的には、ビニルアルコール、α−
メチルビニルアルコール、α−プロピルビニルアルコー
ル等が挙げられる。重合体Pを構成する構造単位Bとし
ては酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び
これらのα置換体が挙げられる。更に重合体Pを構成す
る構造単位Cとしてはアクリル酸、メタクリル酸又はク
ロトン酸(それぞれアンモニウム塩、又はNa、K等の
金属塩を含む)、マレイン酸又はイタコン酸(それぞれ
モノアルキルエステル、アンモニウム塩、又はNa、K
等の金属塩を含む)、ビニルホスホン酸、ビニル硫酸、
アクリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、2−アク
リルアミド−3−メチルプロパンスルホン酸又は2−メ
タクリルアミド−3−メチルプロパンスルホン酸(それ
ぞれアンモニウム塩、又はNa、K等の金属塩を含
む)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム
クロリド又はメタクリルアミドプロピルトリメチルアン
モニウムクロリド等の水中でイオン解離する単量体単位
が挙げられる。特にイタコン酸、マレイン酸が好まし
い。
【0025】これらの中で構造単位Aとしては、ビニル
アルコール単位が、構造単位Bとしては酢酸ビニル単位
が、また構造単位Cとしてはカルボン酸(アンモニウム
塩、又はNa、K等の金属塩を含む)を含むビニルモノ
マー単位又はスルホン酸(アンモニウム塩、又はNa、
K等の金属塩を含む)を含むビニルモノマー単位がより
好ましい単位である。
【0026】重合体Pを構成する上記構造単位A、B及
びCの含量については特に制限はないが、A、B、Cの
含率をそれぞれx、y、zモル%とすると、x+y+z
=100、0≦x≦100、0≦y≦75、0≦z≦1
00が好ましく、x+y+z=100、0≦x≦10
0、0≦y≦50、0≦z≦50が特に好ましい。ま
た、構造単位Cの含量が1モル%以下の場合、重合体P
が水溶性又は水分散性であるためには、構造単位Aの含
量は50モル%〜100モル%であるのが好ましい。
【0027】一般式(1)で表される化合物は水溶性か
ら水分散性まで広い範囲のものを含む。本発明の一般式
(1)で表される化合物が水溶性又は水分散性である限
りにおいては、重合体Pが上記構造単位A、B及びC以
外の構造単位を含むことも何ら差し支えなく、これらの
構造単位として、例えばエチレン、プロピレン、イソプ
テン、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル又はフッ化
ビニル単位が挙げられる。該重合体Pの重合度は10〜
3500、好ましくは10〜2000、更に好ましくは
10〜1000、特に好ましくは10〜500である。
【0028】該重合体Pの構造単位A及びBにおけるR
1およびR2のアルキル基としては、特にメチル基が好ま
しい。また、該アルキル基はヒドロキシル基、アミド
基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、
スルホンアミド基等により置換されていてもよい。
【0029】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、本発明の目的により、これを構成するP及びRの最
適化学組成、分子量等は異なるが、どの目的において
も、PとRの重量比が0.001≦R/P≦2、より好
ましくは0.01≦R/P≦1の組成を有するものが特
に効果が優れている。
【0030】以上の潜像形成液の液滴を画像様に付与
し、潜像形成部を転写転写できる温度以上、非潜像形成
部の温度以下に加熱することにより転写画像を形成する
ことができる。
【0031】ここで、本発明の画像形成方法に用いられ
る画像転写材料と受像体について説明する。該画像転写
材料は、支持体上に熱転写材料からなる転写記録層を設
けてなるものである。以下、画像転写材料を構成してい
る支持体、及び転写記録層、さらに所望により設けられ
るその他の層について詳述する。
【0032】[支持体]画像転写材料の支持体の材料に
は特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用
いることができる。支持体材料の好ましい例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体等の合成樹脂材料を挙
げることができる。中でも、二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートが、機械的強度や熱に対する寸法安定性を考
慮すると好ましい。
【0033】支持体には、その上に設けられる転写記録
層との密着性を向上させるために、表面の粗面化処理及
び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を行なうこと
が好ましい。表面の粗面化処理の例としては、グロー放
電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下塗
層の材料としては、支持体と転写記録層の両表面に高い
接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に優
れたものであることが好ましい。そのような下塗層の材
料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体の
厚さは通常0.01〜2μmである。また、画像転写材
料の転写記録層付設側とは反対側の表面には、必要に応
じて、離型層等の各種の機能層の付設、あるいは表面処
理を行なうこともできる。
【0034】[転写記録層]転写記録層は、有色画像を
形成する場合には、受像体に転写されて着色画像を形成
するための顔料を少なくとも含有し、さらに、層を形成
するためのバインダ樹脂、および所望により、その他の
成分を含有する。なお、本発明においては転写記録層は
必ずしも有色の記録層に限定されず、例えば、平版印刷
版などの形成に用いる場合には無色の樹脂層などであっ
てもよいが、前述の潜像形成液により転写性が向上する
特性を有することが必要である。顔料は一般に有機顔料
と無機顔料とに大別され、前者は特に塗膜の透明性に優
れ、後者は一般に隠蔽性に優れる等の特性を有している
ので、用途に応じて、適宜選択すればよい。本発明に係
る画像転写材料をカラープルーフとして印刷色校正用に
用いる場合には、印刷インキに一般に使用されるイエロ
ー、マゼンタ、シアン、およびブラックと一致するか、
あるいは色調が近い有機顔料が好適に使用される。また
その他にも、金属粉、蛍光顔料等も用いる場合がある。
好適に使用される顔料の例としては、アゾ系顔料、フタ
ロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジ
ン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔
料、ニトロ系顔料を挙げることができる。転写記録層に
用いられる顔料を、色相別に分けて、以下に列挙する
が、これらに限定されるものではない。
【0035】1)黄色顔料 ハンザイエローG、ハンザイエロー5G、ハンザイエロ
ー10G、ハンザイエローA、ピグメントイエローL、
パーマネントイエローNCG、パーマネントイエローF
GL、パーマネントイエローHR。 2)赤色顔料 パーマネントレッド4R、パーマネントレッドF2R、
パーマネントレッドFRL、レーキレッドC、レーキレ
ッドD、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、
アリザリンレーキ、ローダミンレーキB。 3)青色顔料 フタロシアニンブルー、ビクトリアブルーレーキ、ファ
ストスカイブルー。 4)黒色顔料 カーボンブラック。
【0036】転写記録層のバインダ樹脂としては、軟化
点が40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合体が好ま
しい。前記非晶質有機高分子重合体としては、例えばブ
チラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹
脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹
脂、石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニ
ル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノ
スチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重
合体や共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリ
ル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、α−エチルヘキシルアクリレート等の
アクリル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソ
プレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテ
ル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレ
イン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル
系単量体の単独あるいは他の単量体等との共重合体を用
いることができる。これらの樹脂は2種以上混合して用
いることもできる。
【0037】転写記録層は、顔料を30〜70質量%含
有しているのが好ましく、30〜50質量%含有してい
るのがより好ましい。また、転写記録層は、樹脂を70
〜30質量%含有しているのが好ましく、70〜50質
量%含有しているのがより好ましい。
【0038】また、同一の受像体上に多数の画像層(画
像が形成された転写記録層)を繰返し重ね合せて多色画
像を作製する場合には、画像間の密着性を高めるために
転写記録層は可塑剤を含むことが好ましい。そのような
可塑剤の例としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−
n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル、フタ
ル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ブチルラ
ウリル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル
類、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸
ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪族二塩基酸エステ
ル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2−エチルヘキ
シル)等のリン酸トリエステル類、ポリエチレングリコ
ールエステル等のポリオールポリエステル類、エポキシ
脂肪酸エステル等のエポキシ化合物が挙げられる。ま
た、上記のような一般的な可塑剤以外にも、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブタント
リオールトリメタクリレート、トリメチロールエタント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトール−ポリアクリレートのようなアクリル
酸エステル類も、用いられるバインダーの種類によって
は好適に併用される。なお、可塑剤は二以上組合せて用
いてもよい。
【0039】前記可塑剤は、転写記録層において、顔料
と樹脂の総量と、可塑剤との質量比が、一般的には、1
00:1〜100:3、好ましくは100:1.5〜1
00:2となるように用いられる。転写記録層には、更
に必要に応じて、界面活性剤、増粘度剤等が添加され
る。
【0040】転写記録層は、顔料と前記バインダ樹脂等
とを溶解または分散した塗布液を調製し、これを支持体
上(支持体上に前記下塗り層上)に塗布し、乾燥するこ
とにより設けることができる。塗布液の調製に使用され
る溶媒としては、n−プロピルアルコール、メチルエチ
ルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル
(MFG)、メタノール等が挙げられる。塗布、乾燥
は、通常の塗布、乾燥方法を利用して行うことができ
る。尚、転写記録層の層厚(乾燥層厚)は0.1〜1.
5μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。
【0041】支持体上に、転写記録層がこの順に積層さ
れた構成の画像転写材料の転写記録層表面、或いは、後
述する受像体の表面に、潜像形成液を画像様に付与して
潜像を形成すると、転写記録層を構成する熱転写材料の
うち、潜像形成液が付着した潜像の部分のみ、転写記録
層へ潜像形成液が浸透し、層を構成するバインダーの結
合が緩むとともに、支持体と画像形成層との間の結合力
が低下して受像体への転写性が向上し、より低い温度で
転写することが可能になる。
【0042】[受像体]本発明に用いる受像体として
は、普通紙、アートコート紙、軽量コート紙、マットコ
ート紙等のコート紙、上質紙、中質紙等非コート紙、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、金属板、全属箔フ
ィルム、ガラスエポキシシート等を用いることができ
る。また、受像体として、支持体と支持体上に形成され
た受像層とからなる多層構造ものであってもよい。さら
に支持体と受像層との間にクッション層、剥離層、およ
び中間層のいずれか1層以上を設けた構成をとるもので
あってもよい。また、支持体の受像層とは反対側の面
に、搬送性向上のためのバック層を設けることが好まし
い。
【0043】本発明の画像形成方法は、上記の如き画像
転写材料、受像体及び潜像形成液を用いて行われる。
【0044】以下、本発明に係わる画像形成装置を図面
を参照して説明するとともに、画像形成方法を工程毎に
順次説明する。図1は本発明を適用した画像形成装置に
おける要部の構成を示す概念図である。画像形成装置1
には、画像転写材料5に潜像形成液を液滴状に付与する
液滴吐出ヘッド13と、画像転写材料5と受像体11と
を密着させ、転写を行うための支持ドラム3と加熱手段
を備えたピンチローラー7とからなる一対の加圧ローラ
ーとを備える。支持ドラム3には支持体上に転写記録層
を形成した画像転写材料5が、外周の一部分に巻き付け
られるようにして支持される。支持体に形成される転写
記録層には、顔料系色素、金属粒子などの素材と、バイ
ンダー樹脂等が含まれる。この実施形態では、転写材が
顔料系色素である場合を例に説明する。
【0045】画像転写材料5は支持体側が支持ドラム3
に接触し、転写記録層側が表面となるようにして支持ド
ラム3に支持される。画像形成装置1には、支持ドラム
3と同一軸方向のピンチローラ7を対向配置してある。
このピンチローラ7の内部には温度制御可能なヒータを
内蔵してある。この支持ドラム3とピンチローラ7との
間には、受像体11が挿入される。具体的には、支持ド
ラム3とピンチローラ7との間には、画像転写材料5と
受像体11とが、転写記録層と受像体11の受像面とを
互いに密着した状態で挿入され、ピンチローラ7のヒー
タによって加熱されながら、支持ドラム3とピンチロー
ラ7の回転によって図中右方向に移動するようになって
いる。この実施形態では、PETフイルムを支持体とす
る受像体である場合を例に説明する。
【0046】画像形成装置1には支持ドラム3に対向し
て液滴吐出ヘッド13を設けてある。液滴吐出ヘッド1
3は図示されない移動レールなどを介して画像転写材料
の幅方向自在に移動可能に配置されている。この液滴吐
出ヘッド13の移動方向は、画像形成のための主走査方
向となる。この液滴吐出ヘッド13は潜像形成液の液滴
を画像様に吐出し、支持ドラム3に支持された画像転写
材料5の転写記録層表面に潜像を形成する。
【0047】本発明の画像形成装置を用いて多色画像を
形成する場合には、画像転写材料の転写記録層に含まれ
る色材として、黒色(K)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)の各色を用いた画像転写材料に
より画像形成を行う。K色の画像転写材料5に対して、
液滴吐出ヘッド13から潜像形成液の液滴を画像様に吐
出して画像転写材料5の転写記録層に潜像を形成する。
この工程が潜像形成工程である。
【0048】潜像形成液により潜像が形成された部分
は、周辺の転写記録層の部分に比較して転写温度が低下
している。従って、このときのピンチローラ7の加熱条
件としては、潜像形成部と受像層との接触部分の温度
が、本来の転写記録層の転写温度以下で、潜像部の転写
温度以上となるように温度範囲を設定すれば、潜像形成
部分と未形成部分(潜像形成液の付着しない部分)との
オン/オフがクリアな画像転写を行うことができる。加
熱温度は、転写記録層の転写温度未満で、且つ、潜像部
の転写温度を超える範囲であることが好ましい。
【0049】次に、潜像が形成された画像転写材料5の
転写記録層と受像体11の受像面とが密着した状態で、
支持ドラム3とピンチローラ7とにより加圧する。この
時、ピンチローラ7内部の加熱手段を制御して所定の条
件で受像体11及び画像転写材料5の全面が加熱される
ことで、画像様に潜像形成液が付着した潜像部分のみが
受像体11表面に画像様に転写される。即ち、転写工程
である。その後、画像転写材料5が支持ドラム3に沿っ
て、円周方向に巻かれて搬送されることで、画像転写材
料5が受像体11から剥離され、受像体11表面に、黒
色画像が形成される。以下、同様の手順により、C、
M、Y色の各画像転写材料5を用いて、同一の受像体1
1上に、それぞれの色毎の転写記録層を画像情報に基づ
き順次転写、定着して、4色を重ね合わせたフルカラー
画像を形成する。
【0050】以上のように、上述の画像形成装置1を用
いた画像形成方法によれば、画像転写材料5及び受像体
11を、全面的に加熱することで、潜像形成液が付着し
た潜像部分のみの転写性が向上し、潜像部分のみが選択
的に受像体11へ転写、定着させるので、従来の剥離転
写方式のように、サーマルヘッドの抵抗値ムラ、接触ム
ラ、支持体の厚みムラに起因する熱伝導ムラがなく、均
一な画像を形成することができる。
【0051】また、転写記録層には顔料系色素を用いる
ことができるため、インクジェット記録方式のインクの
場合のような物性の制限による顔料や染料の選択の必要
がなくなり、幅広い範囲の顔料系色素が選択できるよう
になり、所望の色相が選択でき色相再現性に優れるとと
もに、耐光性に優れた顔料、金属顔料、機能性顔料など
を任意に選択できるため、耐久性の良好な画像、所望の
色相や機能を有する画像を形成することができる。この
ため、色相再現性が重要視されるカラープルーフなどに
も好適に応用することができる。
【0052】次に本発明の画像形成装置の別の態様につ
いて説明する。図2は本発明に係わる画像形成装置の第
2の構成を示す。画像形成装置20は、受像体11表面
に液滴状の潜像形成液を付与する吐出ヘッド21と、画
像転写材料5と受像体11とを密着させ、転写を行うた
めの支持ドラム3と加熱手段を備えたピンチローラー7
とからなる一対の加圧ローラーと、密着し、転写工程を
終了した画像転写材料5と受像体11とを剥離させるた
めの剥離バー23とを備える。
【0053】この実施形態による画像形成装置20で
は、支持ドラム3の搬送方向下流側に、画像転写材料5
を受像体11側へ押圧するピールバー(剥離バー)23
を設けてある。また、剥離バー23と画像転写材料5の
巻き取り手段25との間では、画像転写材料5が所定の
張力で巻き取られるようになっている。更に、剥離バー
23を通過した後の画像転写材料5は、受像体11に対
して直角に近い角度で剥離されるようになっている。こ
のように構成した画像形成装置20によれば、剥離バー
23を境に、画像転写材料5の支持体が直角に近い角度
で屈曲されるので、支持体と転写材との剥離が曲げ半径
の違いにより促進されることとなり、受像体11表面へ
の転写記録層の定着を良好にすることができる。
【0054】画像形成装置20は、支持ドラム3に対向
して液滴吐出ヘッド21を設けてある。液滴吐出ヘッド
21は受像体11の幅方向自在に移動可能なようになっ
ている。この態様においては、吐出ヘッド21が受像体
11方向に液滴を吐出する点、及び、画像転写材料5と
受像体11とを安定に剥離させるための剥離バー23を
備える点を除けば、前記画像形成装置1と同様の構成を
有する。この液滴吐出ヘッド21は潜像形成液の液滴を
画像様に受像体11表面に吐出して、潜像を形成する
が、この受像体11は、支持ドラム3に支持された画像
転写材料5の転写記録層表面と密着して、潜像形成部分
における転写記録層の転写性を向上させる機能を有す
る。
【0055】この態様では、潜像形成液を転写記録層で
はなく、受像体11に吐出するので、薄い転写記録体を
用いた場合にも、吐出要因による潜像の位置精度の低下
を抑えることができる。このように、本発明の画像形成
装置においては、潜像形成液による画像様の潜像を形成
して、当該部分の転写記録層自体を受像体11に転写、
定着して画像を形成するので、インクを吐出して形成し
た画像に比較して、インクにじみの懸念がなく、解像度
と色相再現性に優れた画像を形成することができる。ま
た、前記したように、潜像形成液による潜像は、画像転
写材料5の転写記録層表面に形成されても、受像体の受
像面に形成されても同様の効果を奏する。
【0056】以下に、本発明の画像形成装置の変形例に
ついて説明する。本発明に係る画像形成装置30におい
ては、図3に示すように、前記液滴吐出ヘッドの液滴吐
出方向が、前記画像転写材料5及び前記受像体11のい
ずれの方向ともすることができるように、吐出方向を切
り換え自在に設けて、材料や転写条件により適宜吐出方
向を変更し得るように配置してある。液滴吐出ヘッド3
1の方向切り換え構造としては、単一又は複数の吐出孔
を有する液滴吐出ヘッド31を、回動自在に設けるもの
(図3に示したもの)の他、予めそれぞれの方向に吐出
孔を設けておき、必要に応じていずれか一方の吐出孔を
開閉制御するもの等が考えられる。この画像形成装置3
0によれば、使用する画像転写材料5又は受像体11と
液滴との適性に基づき、いずれか好適な画像形成面に対
して、液滴吐出ヘッド31の液滴吐出方向を切り換え
て、潜像を形成することが可能となる。
【0057】また、本発明の画像形成方法において、転
写工程の後、受像体の受像面を加熱乾燥する工程を加え
ることが好ましい。この乾燥工程により潜像形成のため
の残存溶液が蒸発させられ、その結果、この受像体の上
にさらに他の色の画像転写材料を重ねて転写させた場
合、二次色かぶりがなく高画質の画像を作製することが
できる。前記の方法を実施するための画像形成装置とし
て、図4および図5の加熱乾燥装置を設けた画像形成装
置が挙げられる。図4で示される画像形成装置40は、
前記図1で示される画像形成装置に、さらに加熱乾燥装
置27を転写位置よりも下流側に設置したものであり、
また、図5で示される画像形成装置50においては、前
記図2で示される画像形成装置に、剥離バー23よりも
下流側に加熱乾燥装置27を設けたものである。また、
図示していないが、潜像形成液を画像転写材料または受
像体に像様に付与した後であって転写する前に、解像度
を低下させないため、前記付与面を加熱乾燥させること
が好ましい。
【0058】また、本発明の画像形成方法の応用とし
て、親油性樹脂層を支持体に形成した画像転写材料5を
用い、受像体11に代えて、外周面が刷版面となるドラ
ム状の版胴を用て、同様の手順により画像形成を行うこ
とにより、版胴の外周面等、曲面上にも、所望の精細な
画像を形成することができ、少ない製造工程にて、版を
植設した版胴を形成することができる。
【0059】液滴吐出ヘッドの変形例として、液滴吐出
タイプではなく、潜像形成液を面状又は線状に液滴を吐
出できるものを用い、その液滴吐出ヘッドと画像転写材
料或いは受像体との間に、画像様に透孔を形成したマス
クを配設する態様を用いても同様の効果を得ることがで
きる。面状に液滴を吐出する手段としては、例えば、複
数の吐出孔を設けるもの、或いは拡散ノズルを設けるも
のが挙げられ、線状に液滴を吐出する手段としては、主
走査方向に線状に並べた吐出孔を、副走査方向に移動さ
せるもの等が挙げられる。この画像形成装置によれば、
液滴を面状に吐出するので、高速な画像の形成を可能に
することができる。
【0060】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。な
お、本実施例においては、特にことわりのない限り、
「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。 実施例1 <画像転写材料の作製> (1) イエロー転写記録層の形成 ブチラール樹脂 12.0部 (積水化学工業(株)製、エスレックFPD−1、 軟化点70℃、平均重合度300以下) イエロー顔料 12.0部 (東洋インキ(株)製、CI.P.Y14) n−プロピルアルコール 110.4部 分散助剤 0.8部 (ICIジャパン(株)製 ソルスパースS−20000) 上記成分を分散機で十分分散させた分散液10部に対し
てステアリン酸アミド0.24部、n−プロピルアルコ
ール60部を加えイエロー転写記録層塗布液を調製し、
裏面に離型処理された厚み5μmのロール状のポリエス
テルフィルム支持体上に所定の幅に等間隔でこの塗布液
を塗布して、乾燥膜厚が0.36から0.38μmとな
るようにイエロー転写記録層を形成した。 (2) マゼンタ転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、マゼンタ顔料(東洋インキ
製、CI.P.R.57:1)を用いた他は、上記イエ
ロー転写記録層塗布液と同様にしてマゼンタ転写記録層
塗布液を調整し、前記ポリエステルフィルム支持体上の
イエロー転写記録層に隣接するように所定の幅でこのマ
ゼンタ転写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が0.3
6から0.38μmとなるようにマゼンタ転写記録層を
形成した。 (3) シアン転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、シアン顔料(東洋インキ製、
CI.P.B.15:4)を用いた他は、上記イエロー
転写記録層塗布液と同様にしてシアン転写記録層塗布液
を調整し、前記ポリエステルフィルム支持体上のマゼン
タ転写記録層に隣接するように所定の幅でこのシアン転
写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が0.36から
0.38μmとなるようにシアン転写記録層を形成し
た。 (4) ブラック転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、黒色顔料(三菱化成製、カー
ボンブラックMA−100)を用いた他は、上記イエロ
ー転写記録層塗布液と同様にしてブラック転写記録層塗
布液を調整し、前記ポリエステルフィルム支持体上のイ
エロー転写記録層とシアン転写記録層の間に所定の幅で
このブラック転写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が
0.36から0.38μmとなるようにブラック転写記
録層を形成して、画像転写材料を得た。
【0061】 <潜像形成工程> (潜像形成液1の調製) ポリエチレンオキシド(質量平均分子量=約50000) 10% 蒸留水 55% n−プロパノール 35% 上記成分を均一に攪拌し、潜像形成液1を得た。図4に
示す画像形成装置40の液滴吐出ヘッド13から潜像形
成液1を吐出し、イエローの画像転写材料に潜像を形成
した。
【0062】<転写工程>続いて、支持ドラム3とピン
チローラ7により、潜像形成した画像転写材料と、受像
体として普通紙を用いて、受像体にイエロー画像を転写
した。
【0063】<乾燥工程>最後に、100℃に設定した
加熱乾燥装置27を用いて、転写後の受像体を乾燥させ
た。
【0064】同様の操作を、同一の受像体及び各色につ
いて繰り返し、フルカラーの画像を得た。この際、ノズ
ルの詰まりは認められなかった。また、普通紙である受
像体に転写が良好に行われ、高画質の画像が得られた。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる画
像形成方法及び画像形成装置によれば、インクジェット
方式の欠点である画像形成材料の制限とノズルの詰まり
の問題が解決され、さらに、熱転写方式の欠点である熱
による支持体の損傷と画像の不均一さも改良され、色相
再現性に優れた画像を形成することができ、加えて微細
点の転写性・解像度においても優れており、特に多色画
像を形成する場合において、従来の熱転写法に比較し格
段に優れた画像を形成することができる。また、上述の
潜像形成液を用いて潜像形成するため、ノズルの詰まり
がなく、普通紙に対して良好に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる画像形成装置の一態様を示す
概念図である。
【図2】 本発明に係わる画像形成装置の吐出ヘッドが
受像体方向に配置された態様を示す概念図である。
【図3】 本発明に係わる画像形成装置の吐出ヘッドの
方向が切り替え可能に配置された態様を示す概念図であ
る。
【図4】 図1の画像形成装置に加熱乾燥装置を設けた
画像形成装置の一態様を示す概念図である。
【図5】 図2の画像形成装置に加熱乾燥装置を設けた
画像形成装置の一態様を示す概念図である。
【符号の説明】
1、20、30、40、50 画像形成装置 3 支持ドラム 5 画像転写材料 7 ピンチローラ 11 受像体 13、21、31 液滴吐出ヘッド 23 剥離部材(剥離バー) 27 加熱乾燥装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱転写材料からなる転写記録
    層を設けてなる画像転写材料と、受像体とを用いる画像
    形成方法であって、 画像転写材料の転写記録層表面又は受像体の受像面のい
    ずれかに、炭素数が2ないし4のアルキレン及び炭素数
    が2ないし4のアルキレンオキシドの少なくともいずれ
    か一方を主成分モノマーとするホモポリマー、ランダム
    コポリマー、グラフトコポリマー、及びブロックコポリ
    マーより選ばれる少なくとも1つを含む溶液又は分散液
    からなる潜像形成液の液滴を吐出して画像様に潜像を形
    成する潜像形成工程と、 該画像転写材料の転写記録層表面と受像体の受像面とを
    密着させて加熱し、潜像に対応した転写記録層を受像体
    上に転写する転写工程と、を含むことを特徴とする画像
    形成方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に熱転写材料からなる転写記録
    層を設けてなる画像転写材料の転写記録層を画像様に、
    受像体に転写する画像形成装置であって、 該転写記録層表面又は受像体の受像面のいずれかに、潜
    像形成液の液滴を吐出して画像様に潜像を形成する液滴
    吐出ヘッドと、 該画像転写材料の転写記録層表面と受像体の受像面とを
    密着させて、通過させることかでき、少なくとも一方に
    加熱温度の制御が可能な加熱手段を有する一対の加圧ロ
    ーラーと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の
    画像形成方法に用いるための画像形成装置。
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