JP2001287454A - 画像形成方法及びこれに用いる画像転写材料 - Google Patents

画像形成方法及びこれに用いる画像転写材料

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JP2001287454A
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Tamotsu Suzuki
保 鈴木
Akio Miyamoto
昭男 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写により、金属光沢やメタリック調の高
光沢画像を、色ムラがなく色再現性に優れ、かつ高解像
度に形成しうる画像形成方法、及び該方法に用いられる
材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層が高光沢色材
層である転写記録層及び接着層を有する画像転写材料と
受像材料とを用い、かつ画像転写材料の転写記録層表面
及び受像材料の受像面のいずれか一方に、熱転写材料の
転写感度を向上させる転写性促進材料を画像様に付与し
て潜像を形成する潜像形成工程と、画像転写材料の転写
記録層表面と受像材料の受像面とを密着させて加熱し、
潜像に対応して転写記録層を受像材料上に転写する転写
工程とを有する画像形成方法、及び該方法に用いられ、
支持体上に少なくとも1層の高光沢色材層を有する画像
転写材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写方式を応用
した画像形成方法、及びそれに用いる画像転写材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】紙、フィルム等の転写体に画像を形成す
る方法の一つに熱転写方式がある。この熱転写方式は、
転写材である顔料系色素からなる転写層を支持体表面に
形成した転写体(画像転写材料)を、紙、フィルム等の
受像体(受像材料)と重ね、画像転写材料の支持体の背
面側からサーマルヘッド、レーザーヘッド等にて画像様
に熱を加え、色素を受像材料ヘ転写して、受像材料上に
画像を形成するものである。このような熱転写方式の別
の態様として、転写体上に配置された色素を加熱により
昇華させて受像材料に転写するものもある。
【0003】熱転写方式で、画像様加熱にサーマルヘッ
ドを使用した方法では、ヘッド抵抗値のバラツキに起因
して、温度分布が不均一になり易く、その結果、形成さ
れる画像にむらが発生する問題があった。また、画像部
のみに局部高温加熱を行うことから、加熱部分の支持体
が変形し、シワが発生しやすい問題点を有していた。ま
た、画像の均一性を向上させる手段として、熱転写方式
における加熱にレーザー光を使用する方法があるが、装
置コストが高価であり、さらに局部的な高温瞬間加熱に
よって色素などの素材が分解し、最終的に形成された画
像にムラが発生しやすいという問題点があった。
【0004】これらの画像形成方法に対して、受像材料
や画像形成する着色材に影響を与えない非接触の画像形
成方法として、インクを液滴として吐出させ、画像を形
成するインクジェット方式がある。インクジェット方式
についてはピエゾ型、サーマル型、ヘルツ型等種種存在
するがこれらについては「ジャーナルオブサイエンスア
ンド テクノロジー」42巻 No.1(1996年 米国)に詳
述されている。ここではピエゾ型について説明する。こ
のピエゾ型では、インクヘッドが並設した複数のノズル
孔と、このノズル孔に連通し、壁の一部が振動板となる
独立の吐出室と、振動板上に取り付けられた圧電素子
と、吐出室にインクを供給する共通のインクキャビティ
とから構成され、画像情報に基づいたパルス電圧を、圧
電素子に印加することにより、ノズル孔からインク液滴
を吐出させて受像材料上に画像を形成するものである。
【0005】このインクジェット方式では、先に述べた
記録時の熱による支持体の変形や色材の変質の問題はな
いものの、インクのノズル詰まりを防止し、安定に均一
なインクのドロップを形成するためには液物性上、画像
形成素材の制限が多々有り、自由に画像形成素材を選択
出来なかった。カラー画像を形成する場合でも、ノズル
詰まりを防ぐ為に、染料又は特定の顔料を選択する必要
があり、画像における色相再現性に制限があり、例え
ば、印刷インク顔料と同一の色相を再現することを要求
される高精度の印刷プルーフ用プリンターには、適用で
きなかった。さらに、限定された画像形成材料を採用し
ても長期間使用しない場合、ノズル詰まりの問題があっ
た。また、形成した画像の耐光性、耐水性が低く、受像
材料上で染料がニジミ易い問題もあった。
【0006】このインクジェット方式を応用した画像形
成方法としては、例えば、特開平11−70633号公
報には、架橋性材料からなる記録層にインクジェット装
置により架橋剤液滴を画像様に付与し、付与した部分を
架橋、硬化させ、架橋されていない部分の材料を洗浄に
て除去し、画像を形成する方法が開示されている。この
方法は、いわゆるスクリーン印刷の版をインクジェット
を用いて形成し、その後、着色インクを用いて画像を形
成するもので、本発明の転写方式とは全く異なり、製
版、印刷の2工程を有し、また、製版において現像工程
を必要とするため、洗浄廃液処理等の問題もあり、複雑
な工程を必要としていた。
【0007】また、この他に像担持体上に、インクジェ
ット記録方式により液体と着色剤とを含む記録液からな
る画像を形成し、これを被転写体上に転写するいわゆる
転写型インクジェット方式がある(例えば特開平5-4275
5)。この方式は通常のインクジェット記録方式で、例え
ばドラム上の像担持体上に色素を含む像を一度記録し、
改めて被転写体に像を転写するもので、本出願とは異な
り、一般インクジェットと同様、色材の制限、ノズル詰
まり等の問題がそのまま残る。また、にじみやすく、解
像度の低い像しか得られない。
【0008】しかも、上記のようなインクジェット方式
では、液状インク中に着色材として金属粉末やパール顔
料等の、粒径や比重が比較的大きい顔料を使用しなけれ
ばならず、金属光沢などの高光沢感のある画像を色ムラ
等を生ずることなく形成することは非常に難しかった。
【0009】以上より、サーマルヘッドに起因する温度
バラツキ等の影響を受けず、しかも支持体の熱変形も伴
うことなく、金属光沢やメタリック調の高光沢感のある
画像を色ムラなく、色相再現性よく形成しうる画像形成
方法は、未だ提供されていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、支持体の熱変形を伴うこと
なく、熱転写により、金属光沢やメタリック調の高光沢
画像を色ムラなく均一に、かつ色再現性よく形成しうる
画像形成方法を提供することを目的とする。本発明は、
熱転写により、微細部の転写性が良好で解像度の高い高
光沢画像を安定に形成しうる画像形成方法を提供するこ
とを目的とする。本発明は、支持体上に少なくとも1層
の高光沢色材層と接着層とを有し、画像転写材料及び受
像材料のいずれか一方に転写性促進材料を画像様に付与
して潜像部を形成し、該潜像部に対応する転写記録層を
受像材料上に密着転写することにより、色ムラがなく色
再現性よい高光沢な画像を高解像度に形成しうる画像転
写材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 支持体上に熱転写材料からなる転写記録層と接
着層とをこの順に設けてなる画像転写材料と、受像材料
とを用いた画像形成方法であって、画像転写材料の転写
記録層表面及び受像材料の受像面のいずれか一方に、熱
転写材料の転写感度を向上させる転写性促進材料を画像
様に付与して潜像を形成する潜像形成工程と、画像転写
材料の転写記録層表面と受像材料の受像面とを密着させ
て加熱し、潜像に対応して転写記録層を受像材料上に転
写する転写工程と、を含み、かつ前記画像転写材料の転
写記録層の少なくとも1層が高光沢色材層であることを
特徴とする画像形成方法である。
【0012】<2> 高光沢色材層が金属蒸着よりなる
前記<1>に記載の画像形成方法である。 <3> 高光沢色材層が光沢顔料を含み、該光沢顔料
が、金属粉末及び無機化合物粉末の少なくとも一方であ
る前記<1>に記載の画像形成方法である。
【0013】<4> 金属粉末が、アルミニウム、金、
銀、銅クロム、錫及び亜鉛より選択される少なくとも一
種である前記<3>に記載の画像形成方法である。 <5> 無機化合物粉末がパール顔料である前記<3>
に記載の画像形成方法である。
【0014】<6> パール顔料が雲母である前記<5
>に記載の画像形成方法である。 <7> 支持体上に少なくとも高光沢色材層と接着層と
が設けられ、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の画
像形成方法に用いられることを特徴とする画像転写材料
である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成方法において
は、画像転写材料の転写記録層表面及び受像材料の受像
面のいずれか一方に、熱転写材料の転写感度を向上させ
る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形成する潜
像形成工程と、画像転写材料の転写記録層表面と受像材
料の受像面とを密着させて加熱し、潜像に対応して転写
記録層を受像材料上に転写する転写工程とを含み、少な
くとも1層の高光沢色材層を有する画像転写材料を用い
る。本発明の画像形成材料は、上記潜像形成工程と転写
工程とを含む画像形成方法に用いられ、支持体上に少な
くとも1層の高光沢色材層と接着層とを有する。以下、
本発明の画像形成方法について詳細に説明し、該説明を
通じて前記画像形成方法に用いられる画像形成材料の詳
細についても明らかにする。
【0016】<画像形成方法>本発明の画像形成方法
は、まず、支持体上に熱転写材料からなる転写記録層と
して少なくとも1層の高光沢色材層と接着層とを有する
画像転写材料、及び受像材料を準備し、該画像転写材料
の転写記録表面或いは受像材料の受像面のいずれか一方
に、転写感度を向上せしめる液体素材、言い換えれば、
画像転写材料の転写温度を低下させ得る液状の転写性促
進材料の液滴を画像様に吐出して潜像を形成し、形成さ
れた潜像を挟んで前記画像転写材料の転写記録層と前記
受像材料の受像面とを密着させ、前記転写感度を向上す
る液状素材による潜像の非形成部が転写する温度よりも
低く、前記転写感度を向上する液状素材による潜像が転
写しうる温度に加熱、例えば、該温度に加熱した加圧ロ
ーラを通過させた後に、前記画像転写材料と前記受像材
料とを剥離することにより、受像材料上に高光沢な転写
像を形成する。この画像形成方法では、潜像を形成した
部分のみに対応する転写記録層及び接着層を支持体から
分離し、転写することで受像面に高光沢画像を形成す
る。
【0017】画像転写材料を転写する際の転写温度を低
下させ得る液状の転写性促進材料としては、例えば、
水、有機溶剤類、界面活性剤類、粘着性の素材等の単独
溶液、又はこれらを混合若しくは相互に溶解した溶液を
挙げることができる。中でも、常温で水と自由に混和す
る有機溶剤類及び水と混和しうる界面活性剤類及びこれ
らの混合物が望ましい。また、前記転写性促進材料は、
潜像形成に際してノズルから液滴状に画像様に吐出され
るので、経時安定性やノズルの詰まりの懸念がないなど
の観点から、固形の顔料や経時的に析出する化合物など
を含有せず、さらに、転写記録層に色材を使用する場合
には、色調に影響を与えないという観点から、その色材
に対して化学的に作用せず、過熱などのエネルギー付与
によっても発色反応などを起こさない材料であり、それ
自体無色若しくは淡色のものが望ましい。
【0018】水と自由に混和する有機溶剤類(有機溶剤
I)としては、具体的には、メチルアルコール、エチル
アルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、sec-ブチルアルコー
ル、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、
1,2−ヘキサンジオール、ジアセトンアルコール、チ
オジグリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の1
価又は多価アルコール類;ジオキサン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン
類又はケトアルコール類;N−メチル−2−ピロリド
ン、2−ピロリドン等のピロリドン類、等が挙げられ
る。
【0019】水と混和しうる界面活性剤類としては、ア
ニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤
類のいずれも、使用する熱転写材料の特性に応じて任意
に選択できるが、これらは水に溶解しうる範囲内の濃度
で使用できる。具体的には、脂肪酸塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキ
ルリン酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物
のNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、アルキルアルカノールアミン、アルキルアミ
ン塩、アルキルベタイン等が挙げられる。
【0020】前記界面活性剤類の中でもノニオン性界面
活性剤が好ましく、更には、親水基として、エチレンオ
キシド基を付加したノニオン系化合物が特に好ましい。
該化合物の使用することにより、形成された潜像部分の
転写温度の低下効果が大で、又、高解像度の画像を得る
ことができる。上記のようなノニオン系化合物として
は、下記一般式1〜一般式4で表す化合物等が挙げられ
る。
【0021】
【化1】
【0022】前記一般式1において、Rは、アルキル基
またはアルキレン基を表し、nは2〜30、好ましくは
2〜20整数を表す。前記一般式2において、Rはアル
キル基を表し、nは2〜30、好ましくは2〜20整数
を表す。前記一般式3において、Rはアルキル基を表
し、n及びlは2〜30、好ましくは2〜20整数を表
す。また、前記一般式4において、R1およびR2は、水
素原子、アルキル基、アルキレン基を表し、m及びnは
2〜30、好ましくは2〜20整数を表す。
【0023】また、前記一般式1〜4において、エチレ
ンオキシドの付加数としては、2〜30が好ましく、特
に好ましくは2〜20である。前記一般式1〜4の化合
物の具体例として、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリ
オキシエチレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシ
エチレン(5)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン
(10)ノニルフェニールエーテル、エチレンオキシドー
プロピレンオキシド共重合体(n=10,l=7),アセ
チレングリコールのエチレンオキシド付加体(n+m=
10)等が挙げられるが、本発明においては、これらに
限定されるものではない。
【0024】前記液状の転写性促進材料として、ノニオ
ン性界面活性剤及び水を含む溶液(吐出液)を用いる
と、転写温度を低下させる効果が大きく微細点の転写性
が良いので、解像度の高い転写画像を得ることができ
る。この理由は、必ずしも明確でないが、転写層又は受
像層に対する濡れ性、浸透性が良いため、微細ドットの
潜像をシャープに形成すること、又、転写層又は受像層
に浸透した場合、その層中に使用されている樹脂類に対
する可塑剤としての効果が高く、その結果熱による潜像
形成部の接着性が発現され、転写効果がでると考えられ
る。更に、浸透したノニオン型界面活性剤は転写層の支
持体と塗布層との界面に配向し剥離転写を促す効果も考
えられる。水の含有量に特に制限はないが、好ましく
は、溶液中5〜95重量%程度含まれる。
【0025】前記ノニオン界面活性剤は、吐出液(液状
の転写性促進材料)中に0.1〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%程度が添加される。前記添加量
が、20重量%を超えると、解像度が低下する傾向にあ
り、0.1重量%未満であると、転写性促進効果が得ら
れにくくなる。また、ノニオン界面活性剤に加え、適
宜、水溶性有機溶剤を添加することができる。水溶性有
機溶剤としては種々の溶剤が使用可能であるが、前記の
水と自由に混和しうる有機溶剤として挙げたものがより
好ましい。水溶性有機溶剤の含有量は溶液中0〜90重
量%程度が適切である。特に、沸点100℃以上の溶媒
含有量が多いと潜像形成時の吐出安定性が高くなるが、
転写像の乾燥性が低下する。最適溶媒種及びその使用量
は転写体の乾燥の必要性、及び装置の乾燥能力により決
定される。
【0026】前記粘着性の素材は、常温又は加熱時に粘
着性を有する物質を指し、主として有機重合体を挙げる
ことができる。具体的には、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のア
クリル系モノマーの単独重合体及びそれらの共重合体;
メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセ
テート等のセルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニル等のビニル系モノマーの単
独縮合体及びそれらの共重合体(例えば、エチレン−酢
酸ビニル等);ポリエステル、ポリアミド等の縮合系ポ
リマー;スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体等のゴム系ポリマー等を挙げ
ることができる。上記のうち、ガラス転移点(Tg)が
90℃よりも低いポリマーが好ましい。
【0027】前記粘着性の素材を用いた液状の転写性促
進剤は、上記の粘着性の素材を水若しくは有機溶剤類の
溶媒に溶解又は分散した溶液が挙げられ、ここで用いる
有機溶剤類としては、既述の「水と自由に混和する有機
溶剤類(有機溶剤I)」が好適である。
【0028】また、前記液状の転写性促進材料として、
水と、常温常圧下で100℃以上の沸点を有し、かつ水
と相溶性を有する有機溶剤との混合溶液を用いることに
より、転写性促進材料の吐出安定性が向上するので、潜
像形成時及び待機後再開始時の不吐出現象を防止でき
る。また、微細ドット部の転写性を向上させることがで
きるので、高解像度の転写画像を得ることができる。
【0029】ここで、常温常圧下で100℃以上の沸点
を有し、かつ水と相溶性を有する有機溶剤(有機溶剤I
I)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の1価又
は多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類;ジアセトンアルコール等のケトアルコール
類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の
ピロリドン類等が挙げられる。
【0030】上記有機溶媒IIの含有量としては、液状の
転写性促進材料の重量に対して、1〜90重量%が好ま
しい。前記含有量が、1重量%未満であると、吐出安定
性が損なわれたり、微細ドットの転写性を向上できない
ことがあり、90重量%を超えると、潜像形成時の吐出
安定性が高くなるものの、転写像の乾燥性が低下するこ
とがある。また、最適な含有量は、転写体の乾燥の必要
性や、装置の乾燥能力により決定される。
【0031】また、上記した液状の転写性促進材料のほ
か、下記一般式5で表される化合物を用いた溶液も好適
に使用できる。
【0032】
【化2】 式中、R1は水素原子又は下記構造の基を表し、R2はア
ルキル基を表す。
【0033】
【化3】 上記基中のR3は、アルキル基を表す。
【0034】前記R2、R3は、それぞれ独立にアルキル
基を表し、中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ま
しい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペン
チル基等が挙げられる。
【0035】前記一般式5で表される化合物の具体例と
しては、以下のものが挙げられる。但し、本発明におい
ては、これらに何ら限定されるものではない。
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】これらは単独で使用しても2種以上を併用
してもよい。液状の転写性促進材料中における、前記一
般式(1)で表される化合物の含有率としては、0.1
〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%がより好
ましい。前記含有率が、0.1重量%未満であると、転
写性促進効果が低下することがあり、20重量%を超え
ると、2次色カブリが起こりやすくなり、また解像度が
低下することがある。
【0039】前記一般式5で表される化合物を用いて液
状の転写性促進材料を調製する場合には、該化合物を溶
解する溶媒として、既述の「水と自由に混和する有機溶
剤類」と同様のものを用いることができる。
【0040】前記液状の転写性促進剤には、吐出適性、
液の保存安定性、乾燥性を改良するために、表面張力調
整材、防黴材、ポリマー等粘度調整材、pH調整材、消
泡材、可塑材、吸湿性素材等を併用することができる。
【0041】本発明の画像形成方法においては、上述し
た液状の転写性促進材料を画像転写材料の画像転写層又
は受像材料の受像面のいずれか少なくとも一方の表面上
に液滴状にノズルから噴射するが、噴射対象となる画像
転写材料等の特性に応じて、液状の転写性促進材料の成
分を適宜選択することができる。
【0042】上記のように構成される転写性促進材料
は、熱転写材料からなる転写記録層の任意の部分の転写
性を向上させ、より低い転写温度で容易にかつ完全に転
写させることができるようにする目的で用いられる。そ
の好ましい物性としては、転写記録層又は受像層に浸透
して、各層の支持体からの剥離を容易にするものが望ま
しく、特に液状の転写性促進材料の表面張力が25〜6
0dyne/cm、粘度50cps以下の物性を有する
液状物質であり、かつ転写記録層自体を可溶化させない
ものが好ましい。転写性促進材料が転写記録層を溶解さ
せると、画像部と非画像部との界面で転写性促進材料の
浸透、転写記録層の溶解が生じ、画像界面の鮮鋭度が低
下するおそれがある。
【0043】前記転写性促進材料を画像様に付与する方
法としては、インクジェット方式等を利用することがで
きる。また、インクジェット方式を使用する場合、単一
のノズル孔が形成された吐出ヘッド、ノズルが等間隔に
一列に配置された吐出ヘッド、ノズルがマトリックス状
に配置された吐出ヘッドのいずれを使用してもよい。ま
た、ピエゾ型、サーマル型、ヘルツ型等種々のものを使
用できる。
【0044】潜像が形成された部分の転写可能最低温度
は、転写記録層の潜像以外の部分のそれより3℃以上低
いことが好ましい。前記転写可能最低温度は、後述する
図1の装置と、支持ローラ3とピンチローラー7のニッ
プ部に配置した熱電対とを用い、転写記録層が受像材料
に転写されているか否かを観察しながら、ピンチローラ
ー7内の電気ヒーターの温度を除々に上げていき、初め
て転写記録層が受像材料に転写されたときの温度を熱電
対で測定することにより得られる。
【0045】本発明の画像形成方法では、転写性促進材
料が付与された転写(受像)材料が、転写性促進材料に
より濡れた状態のまま受像(転写)材料と密着される
と、ドットが大きくなる傾向があるため、これを防止す
るには、転写性促進材料の付与後画像転写材料と受像材
料の密着前に転写性促進材料の少なくとも一部を蒸発
(乾燥)させることが好ましい。この潜像を乾燥するた
めの装置としては、電気ヒーター、ハロゲンランプ、温
風乾燥機、赤外線ヒーター等を使用することができる。
【0046】本発明の画像形成方法では、潜像形成後、
画像転写材料の転写記録層と受像材料の受像面とを密着
させて加熱する。転写性促進材料により潜像が形成され
た部分の転写可能最低温度は、転写記録層の潜像以外の
部分のそれより低い。従って、加熱温度を、潜像が形成
された部分の転写可能最低温度以上で、かつ転写記録層
の潜像以外の部分の転写可能最低温度よりも低い温度に
設定すれば、潜像に対応する鮮鋭な画像を転写できる。
【0047】画像転写材料と受像材料を密着する手段と
しては、ニップローラ等が使用できる。また、密着時の
加熱には、潜像の乾燥に使用できる装置として列挙した
ものを使用することができるが、加熱温度を上記温度に
設定できるように温度が可変なものを使用することが好
ましい。尚、密着前に画像転写材料や受像材料を予め加
熱しておいてもよい。
【0048】上記のように、支持体上に設けられた高光
沢色材層の表面、或いは、後述する受像材料の受像面に
転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形成すると、
該潜像部分の転写記録層内に転写性促進材料が浸透し、
該部分の層を構成するバインダ樹脂の結合が緩み受像材
料への転写性が向上し、より低い温度での転写が可能と
なる。
【0049】更に、本発明の画像形成方法は、受像材料
上に転写された転写画像を乾燥させる工程を含んでもよ
い。該工程により、転写画像が形成された受像材料を重
ねるときに、受像材料同士が付着するのを防止できる。
また、多色画像を形成する場合であって、各色の画像が
転写される度に画像を乾燥する場合には、いわゆる2次
色カブリを効果的に防止できる。2次色カブリとは、1
色目の転写像上の、2色目の潜像が形成されていない部
分に2色目の転写記録層が転写される現象をいう。
【0050】前記工程おける乾燥方法としては、転写画
像に影響を与えなければ、いかなる方法も使用でき、例
えば、温風乾燥、赤外線照射等が挙げられる。ここでの
乾燥は、2次色カブリ等を防止可能な程度に転写画像が
乾けばよく、必ずしも画像を完全に乾燥させる程度まで
実施されなくてもよい。
【0051】また、本発明の画像形成方法により受像層
上に形成された画像は、印刷本紙等の他の受像材料へ再
転写することもできる。最終の受像材料に多色画像を形
成する場合、中間の受像材料上に形成される画像は単色
画像でも多色画像でもよい。再転写の方法としては、公
知の方法を使用することができる。
【0052】<画像形成材料> [画像転写材料]前述の画像形成方法においては、支持
体上に、転写記録層として少なくとも1層の高光沢色材
層と、接着層とを備えた画像転写材料(以下、「高光沢
転写材料」ということがある。)を用いる。必要に応じ
て、剥離層、中間層、プライマー層、背面層等の他の層
を有していてもよい。また、画像転写材料として、光沢
顔料を含まない非光沢色材層を有する画像転写材料(以
下、「非光沢転写材料」ということがある。)も併用で
きる。
【0053】−高光沢色材層− 前記高光沢色材層は、金属粉末、無機化合物粉末等の光
沢顔料を含み、蒸着等により得られる場合と白色色相の
場合とがある。前者は、金色や銀色等を含む金属光沢や
メタリック光沢などの一定の高い光沢性を示す層であ
り、後者は、高い白色度を有する白色色相の層である。
該層は、光沢顔料、バインダ樹脂等の熱転写材料を含ん
で構成され、目的に応じて、可塑剤、非光沢着色剤等を
含有していてもよい。
【0054】一定の光沢性を有する高光沢色材層とは、
後述する光沢顔料を含んで金属光沢や、メタリック調の
光輝や光沢(メタリック光沢)を有する層、あるいは金
属蒸着層をいい、特に以下の方法によりその表面の光沢
度を測定した場合に、その光沢度が1.2以上を示す層
をいう。 〔光沢度の測定〕光沢度測定用分光測色計(例えば、C
M−512m3,ミノルタ(株)製)を使用し、試料面
の垂直軸方向から25度、75度の角度の方向からキセ
ノンパルス光を照射し、垂直軸から45度の方向の受光
センサで反射光を受光、分光測色してそのL*値を求
め、25度及び75度の入射時の値の比(L*(25度)
/L*(75度))を光沢度として定義した。
【0055】(光沢顔料)高光沢色材層の色材としては
光沢顔料を用いるが、該光沢顔料とは無機若しくは金属
顔料を指す。中でも、本発明においては、前記光沢顔料
としては、金属粉末、無機化合物粉末が好ましい。
【0056】前記金属粉末としては、例えば、アルミニ
ウム、金、銀、銅、錫、クロム、亜鉛等の微粉末顔料が
挙げられ、中でも、光沢、価格等の点で、アルミニウム
が特に好ましい。前記無機化合物粉末としては、パール
顔料等のメタリック光沢を示す顔料や、酸化物や炭酸塩
等の無機白色顔料が挙げられ、適宜目的に応じて選択で
きる。
【0057】前記パール顔料としては、例えば、天然パ
ールエッセンス、塩化水銀、塩基性炭酸鉛、酸塩化ビス
マス、雲母等が挙げられ、中でも、安全性、価格の点か
ら、雲母が特に好ましい。
【0058】上記雲母及び無機白色顔料を除く、金属粉
末及び無機化合物粉末の粒度としては、0.5〜50μ
mが好ましく、1〜30μmがより好ましい。前記粒度
は、顔料粒子の平均粒径を指し、例えば、光学顕微鏡や
電子顕微鏡により測定できる。
【0059】上記雲母及び無機白色顔料を除く、金属粉
末及び無機化合物粉末の形態としてはそれぞれ種々の形
態をとることができ、目的に応じて適宜選択できるが、
少ない充填量で高い光沢度を得る観点からは、さらにそ
の形態が平板状の粒子であるものがより好ましい。上記
顔料のうち、平板状の形態を持つ顔料である観点からも
特に雲母顔料が好ましく、その中でも、雲母粒子に二酸
化チタン膜を積層した構造の二酸化チタン被覆雲母が最
も好ましい。
【0060】その雲母顔料の具体的な形態としては、厚
み0.05〜0.7μm、粒度1〜50μmのものが好
ましい。中でも、前記粒度は5〜30μmがより好まし
い。前記厚みが0.7μmを越えると、雲母と二酸化チ
タンとの境界面における光反射による光の干渉効果が低
下し、光沢度が低下することがある。また、前記粒度が
1μm未満であると、光沢度が低下することがあり、5
0μmを越えると、色材層の表面平滑性が損なわれ、均
一光沢が得られないことがある。該雲母顔料の粒度は平
板状粒子の長径を指し、上記同様、例えば、光学顕微鏡
や電子顕微鏡により測定できる。
【0061】前記無機白色顔料としては、金属酸化物、
金属炭酸塩等の無機化合物が挙げられる。前記金属酸化
物としては、例えば、二酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等が好適
であり、前記金属炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシ
ウム等が好適である。前記無機白色顔料の粒径として
は、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜5μmが
より好ましい。
【0062】高光沢色材層中における光沢顔料の含有量
としては、形成する画像の色相や光沢度等の目的に応じ
て適宜選択しうるが、0.1〜10g/m2が好まし
く、0.3〜3g/m2がより好ましい。
【0063】高光沢色材層の態様としては、前記金属粉
末を真空蒸着して得られる金属蒸着層や、金属粉末や雲
母等の光沢顔料がバインダに分散され塗布形成された層
などが挙げられる。高光沢色材層の層厚としては、前者
の金属蒸着層では約800μm程度であり、後者の塗布
による層では、0.1〜10μm(乾燥層厚)が好まし
い。
【0064】(バインダ樹脂)前記バインダ樹脂として
は、軟化点が40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合
体が好ましい。前記非晶質有機高分子重合体としては、
例えば、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレ
ンイミン樹脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリ
オール樹脂、石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、置換
体の単独重合体や共重合体、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類及
びメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、α−エチルヘキシルアクリ
レート等のアクリル酸エステル及びアクリル酸、ブタジ
エン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビ
ニルエーテル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル
類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル等のビニル系単量体の単独若しくは他の単量体等との
共重合体を用いることができる。これらの樹脂は2種以
上混合して用いることもできる。高光沢色材層における
バインダ樹脂の含有量としては、0.1〜10g/m2
が好ましい。
【0065】(可塑剤)同一の受像材料上に、多数の転
写画像(画像様に形成された転写記録層)を繰返し重ね
合せて多色画像を形成する場合には、各画像間の密着性
を高めるために各転写記録層は可塑剤を含むことが好ま
しい。前記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチ
ルヘキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、
フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジル等の
フタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪族
二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
(2−エチルヘキシル)等のリン酸トリエステル類、ポ
リエチレングリコールエステル等のポリオールポリエス
テル類、エポキシ脂肪酸エステル等のエポキシ化合物が
挙げられる。
【0066】また、用いるバインダーの種類によって
は、上記の一般的な可塑剤以外にも、例えば、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブタン
トリオールトリメタクリレート、トリメチロールエタン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトール−ポリアクリレート等のアクリル酸
エステル類も好適に併用できる。尚、可塑剤は2以上組
合せて用いてもよい。
【0067】前記可塑剤の含有量としては、高光沢色材
層(転写記録層)において、光沢顔料及び後述の非光沢
顔料とバインダ樹脂との総量と、可塑剤との重量比が、
一般に100:1〜100:3であることが好ましく、
100:1.5〜100:2であることがより好まし
い。更に、高光沢色材層には、必要に応じて、界面活性
剤、増粘度剤等が添加される。
【0068】(非光沢着色剤)また、画像の色相を調整
する目的で、前記光沢顔料のほか、有機若しくは無機の
非光沢着色剤を併用することも好ましい態様である。適
宜併用する量を変えることにより、種々の色相に配色す
ることができる。
【0069】前記非光沢着色剤は、色材として該非光沢
着色剤のみを含んで構成される色材層、即ち、非光沢色
材層の光沢度が、既述の光沢度測定方法により測定した
光沢度(L*(25度)/L*(75度))が1.2未満を示
す着色剤を指し、公知の顔料及び染料等の色材の中から
適宜選択できる。中でも、印刷色校正用に用いられる顔
料(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラッ
ク(K))と一致するか、或いは、色調が近い有機顔料が
好適であり、目的に応じて適宜種類と量を選択すること
ができる。前記非光沢着色剤の詳細については、例え
ば、特開昭59−97140号公報に記載がある。例え
ば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノ
ン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、
イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料等が好適であ
り、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0070】(1)黄色顔料としては、ハンザイエロー
G、ハンザイエロー5G、ハンザイエロー10G、ハン
ザイエローA、ピグメントイエローL、パーマネントイ
エローNCG、パーマネントイエローFGL、パーマネ
ントイエローHR等が挙げられる。 (2)赤色顔料としては、パーマネントレッド4R、パ
ーマネントレッドF2R、パーマネントレッドFRL、
レーキレッドC、レーキレッドD、ピグメントスカーレ
ット3B、ボルドー5B、アリザリンレーキ、ローダミ
ンレーキB等が挙げられる。 (3)青色顔料としては、フタロシアニンブルー、ビク
トリアブルーレーキ、ファストスカイブルーが挙げられ
る。 (4)黒色顔料としては、カーボンブラック等が挙げら
れる。
【0071】前記非光沢着色剤の平均粒径としては、
0.03〜1μmが好ましく、0.05〜0.5がより
好ましい。
【0072】高光沢色材層は、金属の蒸着による方法
や、光沢顔料やバインダ樹脂等を溶解、分散した塗布液
を支持体上に塗布、乾燥することにより設ける方法、等
により形成できる。中でも、金属の蒸着による方法から
得られる金属層が好ましい。後者では、塗布液の調製に
用いる溶媒としては、n−プロピルアルコール、メチル
エチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル(MFG)、メタノール等が挙げられる。塗布、乾燥
は、公知の塗布方法、乾燥方法を利用して行うことがで
きる。
【0073】−接着層− 前記接着層(表面層)は、熱接着性の樹脂を有してな
り、画像転写材料の走行性の良化、地汚れの防止、ある
いは巻き取り後のブロッキングの防止などの目的で、他
の樹脂や微細粒子等を添加することもできる。前記熱接
着性の樹脂としては、比較的低融点の熱可塑性樹脂が挙
げられる。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブテ
ン、石油樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
酢酸ビニル等が挙げられる。
【0074】更に、熱接着性の樹脂として、ワックス、
前記熱可塑性樹脂とワックスとの混合物、ワックスと乾
性油、鉱油又はセルロースやゴムの誘導体等との混合物
も使用できる。前記ワックスとしては、例えば、マイク
ロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィ
ンワックス等が挙げられる。更に、フィッシャートロプ
スワックス、各種低分子量ポリエチレン、木蝋、蜜蝋、
鯨蝋、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、オペトロラクタム、ポリエステルワ
ックス、部分変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸ア
ミドなどの各種ワックスも挙げることができる。熱可塑
性樹脂とワックスとの混合物の場合、比較的低融点の熱
可塑性樹脂を用いると、耐摩擦性や被転写体に対する接
着性を向上させることができる。
【0075】接着層に含有させる微細粒子としては、例
えば、ベンゾグアナミン樹脂粉;尿素樹脂粉等の熱可塑
性樹脂の微細粒子;シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、クレー、アルミナホワイト、カオリン、ゼオ
ライト等の無機質の微細粒子等が挙げられる。該微細粒
子を含有させることにより、接着層表面に凹凸を形成
し、画像転写材料をロール状に巻き取った時の、接着層
と該接着層の設けられていない側の表面とのブロッキン
グを防止できる。また、微細画像のつながりを防止する
こともできる。
【0076】上記のほか、接着層(表面層)には、必要
に応じて、帯電防止剤等の他の添加剤を添加することも
できる。前記接着層(表面層)の層厚としては、0.1
〜20μm程度が好ましい。
【0077】−その他の層− 以下に示す各種層は、必要に応じて適宜設けることがで
きる。 (剥離層)剥離層は、例えば、支持体/剥離層/中間層
/高光沢色材層/接着層などのように、支持体と被転写
体へ転写される最下層との間に設けられ、熱転写時に加
熱された領域の熱溶融する高光沢色材層や接着層を、受
像材料等の被転写体に転写を容易にするための層であ
る。該層は、支持体に対して被転写体へ転写される最下
層の剥離性が十分な場合には設ける必要はなく、剥離性
の不十分な場合や不安定な場合に設けられる。
【0078】前記剥離層は、例えば、ワックス類、シリ
コーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリ
ル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の離型性を有
する樹脂類により構成される。該層は、上記樹脂類を、
必要に応じて添加剤を加えて適当な溶剤に溶解、分散し
て調製した塗布液状の溶液を支持体上に、グラビアコー
ト等の公知の塗布方法により塗布、乾燥して形成でき
る。前記剥離層の層厚としては、0.1〜10μmが好
ましく、0.1〜5μmがより好ましい。
【0079】(中間層)中間層は、無色若しくは着色さ
れたポリマー層として構成され、最終的に形成される画
像色調に調整を加えたり、層間における水分や界面活性
剤等の浸透を防止する機能を担う。無色の場合には、転
写画像は高光沢色材層の色相そのものの色調で画像形成
され、有色の場合には、金属光沢感にその色相が加えら
れた色調の画像が形成される。
【0080】また、画像の解像度を向上させる目的で、
熱可塑性樹脂やワックス等を併用することもできる。具
体的には、熱可塑性樹脂として、ポリメチルメタアクリ
レート樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ウレタン樹脂、塩化
酢化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレンアクリロ
ニトリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、スチレン樹脂等の単独重合体若しくはこれらの
共重合体、アニオン、カチオン変性物が挙げられる。そ
の他、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等、又はこ
れらの混合物や共重合体も挙げられる。前記ワックスと
して、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナ
バワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。更
に、シリカ、クレイ等の多孔質材料を添加することもで
きる。
【0081】(プライマー層)プライマー層は、高光沢
色材層の保護など目的で必要に応じて設けられ、高光沢
色材層と接着層との間に設けることができる。該層の構
成成分としては、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル/マ
レイン酸共重合体等が好適に挙げられる。
【0082】(背面層)本発明の画像形成方法において
は、熱転写の際、画像転写材料をその高光沢色材層の設
けられていない側の表面より加熱して転写を行う。その
ため、支持体の材質によっては、軟化や粘着性を生じた
りして画像転写材料の走行性が悪化することがある。こ
のような場合には、耐熱性、走行性、離型性を向上させ
る目的で、高光沢色材層の設けられていない側の支持体
の表面に背面層を設けてもよい。
【0083】背面層は、バインダ樹脂と、必要に応じて
他の添加剤とから構成される。前記バインダ樹脂として
は、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢
酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿等のセルロー
ス系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニ
ルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ア
クリロニトリル−質連共重合体等のビニル系樹脂;ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又は
フッ素変性ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0084】上記バインダ樹脂より構成される背面層の
中でも、若干の反応基(例えば、水酸基等)を有するバ
インダ樹脂を用い、これにポリイソシアネート等の架橋
剤を併用した架橋樹脂層であることが好ましい。また、
シリコーン樹脂塗布膜も使用できる。前記背面層は薄膜
でよく、その層厚としては、0.01〜2μm程度であ
れば有効である。上記のような背面層を設けることによ
り、熱に対して比較的弱い樹脂フィルムをも使用が可能
となる。一方、支持体自身が耐熱性、離型性、走行性等
に優れる場合には、必ずしも背面層を設ける必要はな
い。
【0085】(支持体)前記支持体としては、例えば、
ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢
酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、
ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオ
ノマー等のプラスチックフィルム類;グラシン紙、コン
デンサー紙、パラフィン紙等の紙類;セロファン、不織
布等が挙げられる。また、これらは、単独で使用するほ
か、二種以上の複合体として使用してもよい。前記支持
体の厚みとしては、必要とされる強度や熱伝導性等が適
切となるように、材料に応じて適宜決定することがで
き、通常、1〜150μm程度である。
【0086】支持体には、その上に設けられる転写記録
層との密着性を向上させる目的で、表面の粗面化処理及
び/又は一層又は二層以上の下塗り層の付設を行うこと
が好ましい。表面の粗面化処理の例としては、例えばプ
ラスチックフィルム類の場合、グロー放電処理、コロナ
放電処理等を挙げることができる。
【0087】支持体上に層を形成するに当っては、塗布
液状の熱溶融性インキの形態、即ち、ホットメルトタイ
プ、ホットラッカータイプ、溶液、分散液、エマルジョ
ン等の形態で、ホットメルトコート、ホットラッカーコ
ート、通常のグラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート等の公知の方法を利用することができ
る。
【0088】画像転写材料の構成としては、例えば、支
持体上の一方の表面に、該支持体側から順に剥離層(離
型層)、中間層(無色若しくは着色されたポリマー
層)、高光沢色材層、プライマー層、接着層(表面層)
を積層配置してなるものであってもよい。更に、高光沢
色材層等が形成されていない側の支持体の表面(即ち、
裏面側)に背面層が設けられていてもよい。
【0089】また、既述の通り、画像形成に際して、上
記の高光沢色材層を有する高光沢転写材料と共に、光沢
顔料を含まない非光沢色材層を有する非光沢転写材料も
併用できる。この前記非光沢転写材料は、前記高光沢色
材層に用いる光沢顔料に代えて、Y、M、C、Kの非光沢
着色剤を用いて非光沢色材層とすることにより、前記高
光沢転写材料と同様にして作製することができる。
【0090】上記のように、高光沢色材層を有する画像
転写材料を用いることにより、光沢性の画像を、色ムラ
のない均一な濃度で色再現性よく、しかも高解像度に形
成することができる。具体的な画像形成方法に付いては
後述する。
【0091】[受像材料]本発明の方法に用い得る受像
材料としては、通常、支持体と、その上に、1以上の受
像層が設けられ、所望により、支持体と受像層との間に
クッション層、剥離層、および中間層のいずれか1層ま
たは2層以上を設けた構成をとるものが好ましいが、前
記した転写記録層との親和性が良好であれば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)等の樹脂シート、普通
紙、コート紙、ガラスエポキシシート、金属板などを用
いることもできる。支持体上に受像層を設けてなる受像
材料の場合、支持体の受像層とは反対側の面に、搬送性
向上のためのバック層を設けることが好ましい。
【0092】前記支持体としては、プラスチックシー
ト、金属シート、ガラスシート、紙等のような通常のシ
ート状の基材が挙げられる。プラスチックシートの例と
しては、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリカー
ボネートシート、ポリエチレンシート、ポリ塩化ビニル
シート、ポリ塩化ビニリデンシート、ポリスチレンシー
ト、スチレン−アクリロニトリルシート、ポリエステル
シート等を挙げることができる。また、紙支持体として
は印刷本紙、コート紙等を用いることができる。
【0093】支持体が、微小な空隙(ボイド)を有する
と、カールを防止でき、画質を向上させることができる
ので好ましい。このような支持体は、例えば、熱可塑性
樹脂と、無機顔料や前記熱可塑性樹脂と非相溶性の高分
子等からなる填料とを混合した混合溶融物を、溶融押出
機によって単層または多層のフィルムとし、さらに1な
いし2軸に延伸することにより作製することができる。
この場合、樹脂および填料の選定、混合比率、延伸条件
などによって空隙率が決定される。
【0094】前記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン樹脂、およびポリエチレンテレフ
タレート樹脂が、結晶性が良く、延伸性が良く、ボイド
の形成も容易であるので好ましい。前記ポリオレフィン
樹脂、またはポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分
とし、それに適宜少量の他の熱可塑性樹脂を併用するこ
とが好ましい。前記填料として用いられる無機顔料とし
ては、平均粒径が1μm以上20μm以下のものが好まし
く、炭酸カルシウム、クレー、けいそう土、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、シリカ等を用いることができ
る。また、填料として用いられる非相溶性の樹脂として
は、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用いる場合
は、ポリエチレンテレフタレートを填料として組み合わ
せるのが好ましい。なお、支持体における、無機顔料等
の填料の含有率は、体積で2〜30%程度が一般的であ
る。
【0095】受像材料の支持体の厚さは、通常10〜4
00μmであり、25〜200μmであるのが好まし
い。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッショ
ン層)との密着性、または熱画像転写材料の画像形成層
との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー放
電処理等の表面処理が施されていてもよい。
【0096】受像材料の表面には、画像形成層を転写
し、これを固定するために、支持体上に、受像層を1以
上設けることが好ましい。受像層は有機重合体バインダ
ーを主体として形成される層であるのが好ましい。前記
バインダーは、熱可塑性樹脂であることが好ましく、そ
の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル系モノマ
ーの単独重合体およびその共重合体、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、セルロースアセテートのような
セルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル等のようなビニル系モノマーの単独
重合体およびその共重合体、ポリエステル、ポリアミド
等のような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重
合体のようなゴム系ポリマーを挙げることができる。受
像層のバインダーは、画像形成層との間の適度な接着力
を得るために、ガラス転移温度(Tg)が90℃より低
いポリマーであることが好ましい。このために、受像層
に可塑剤を添加することも可能である。また、バインダ
ーポリマーは、シート間のブロッキングを防ぐために、
そのTgが30℃以上であることが好ましい。受像層の
バインダーポリマーとしては、転写記録時の画像形成層
との密着性を向上させ、感度や画像強度を向上させる点
で、画像形成層のバインダーポリマーと同一、若しくは
類似のポリマーを用いることが特に好ましい。本発明の
方法により、受像層上に一旦画像を形成した後、印刷本
紙等へ再転写することもできる。
【0097】受像層の厚みは0.3〜7μm、好ましく
は0.7〜4μmである。0.3μm以下の場合、印刷
本紙への再転写の際に膜強度が不足し破れ易い。厚すぎ
ると、本紙再転写後の画像の光沢が増し、印刷物への近
似性が低下する。本発明の画像形成方法は、上記の如き
画像転写材料、受像材料及び転写性促進材料を用いて行
われる。
【0098】次に、本発明の画像形成方法を図1から図
5により説明する。図1〜5は、本発明の画像形成方法
を実施可能な画像形成装置の例として、その概略構成を
示す。図1の画像形成装置1は、反時計周りに回転可能
な支持ドラム3と、支持ドラム3下部に対向配置され、
時計周りに回転可能なピンチローラー7とを備える。ピ
ンチローラー7は電気ヒーターを内蔵し、該電気ヒータ
ーは設定温度の変更が可能であり、少なくとも支持ドラ
ム3とピンチローラー7のニップ部を加熱する。
【0099】また、この画像形成装置1は、画像転写材
料5を搬送するローラー(図示省略)と、受像体11を
搬送するローラー(図示省略)を備え、画像転写材料5
はその転写記録層が下側(即ち、受像材料と対向する
側)に配置されるように、これらのローラと支持ドラム
3に巻きかけられ、受像材料11は受像面が上側(即
ち、画像転写材料と対向する側)になるように水平に搬
送され、支持ドラム3とピンチローラー7の間を通過す
る。支持ドラム3とピンチローラー7との間隔は、画像
転写材料5と受像材料11の厚みの和よりも短く設定さ
れており、画像転写材料5と受像材料11は支持ドラム
3とピンチローラー7との間を通過することにより加圧
され、密着される。
【0100】また、画像形成装置1は、画像転写材料5
の搬送路の支持ドラム3より上流側であって、画像転写
材料5の転写記録層側に、転写性促進材料の液滴を吐出
する吐出ヘッド13を備える。この吐出ヘッド13はピ
エゾ型のインクヘッドであり、画像転写材料5の幅方向
に沿って等間隔で配置された複数のノズル孔を有し、両
端のノズル孔の間隔は画像転写材料5の幅と等しくなっ
ている。
【0101】さらに、画像形成装置1は、画像転写材料
5の搬送路の、吐出ヘッド13と支持ドラム3の間に、
画像転写材料5上に吐出された転写性促進材料の少なく
とも一部を蒸発させるための電気ヒーター26を備え
る。また、画像形成装置1は、受像材料11の搬送路
の、ピンチローラー7より下流側に転写された画像を乾
燥するための電気ヒーター27を備えている。
【0102】また、画像形成装置1は、ピンチローラー
7内の電気ヒーターの温度を設定したり、装置からの情
報を表示したり、転写を開始又は停止するための図示し
ない操作パネル、画像情報を入力するための入力装置
(図示省略)、及び、入力された画像情報を処理してこ
れを各色毎の吐出情報に変換したり、前記全ての構成部
材を制御するためのコントローラー(図示省略)を備え
ている。
【0103】次に、この画像形成装置1の作用を説明す
る。画像形成装置1の電源を入れ、操作パネルによりピ
ンチローラー7内の電気ヒーターの温度として、支持ド
ラム3とピンチローラー7のニップ部の温度が、潜像が
形成された部分の転写可能最低温度以上で、かつ転写記
録層の潜像以外の部分の転写可能最低温度よりも低い温
度となるような温度を入力すると、この電気ヒーターが
設定された温度まで加熱され、電気ヒーター26、27
が所定温度まで加熱され、転写が可能である旨が操作パ
ネルに表示される。入力装置により画像情報を入力し、
操作パネルにより転写を開始させると、支持ドラム3と
ピンチローラー7が回転し、画像転写材料5と受像材料
11が搬送される。また、吐出ヘッド13が画像転写材
料5の色相に対応する吐出情報に従って転写性促進材料
の液滴を吐出する。この吐出ヘッド13による吐出と、
画像転写材料5の移動により画像転写材料5の転写記録
層に画像様の潜像が形成される。即ち、潜像形成工程で
ある。
【0104】画像転写材料5の転写記録層に形成された
潜像は、搬送に伴い、電気ヒーター26近傍を通過して
乾燥される。さらに搬送され、画像転写材料5は支持ド
ラム3に到達し、一方、受像材料11も搬送されてピン
チローラー7に到達する。画像転写材料5と受像材料1
1は支持ドラム3とピンチローラー7の間を通ることに
より密着され、加熱される。加熱は受像材料11及び画
像転写材料5の全面にわたって行われるが、ピンチロー
ラー7内の電気ヒーターの温度は上述の温度に設定され
ているため、転写記録層の潜像部分のみが転写可能とな
る。
【0105】画像転写材料5及び受像材料11が各々の
搬送路に沿ってさらに搬送されると、画像転写材料5が
受像材料11から剥離され、受像材料11の表面に、潜
像に対応した画像が形成される。この画像は電気ヒータ
ー27により乾燥される。上記操作により単色の画像が
得られる。この操作を、同一の受像材料11について画
像転写材料5の色相を変えながら繰り返した場合には、
多色画像を形成することができる。ここで、黒色
(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)又はイエロー
(Y)の非光沢着色剤を含む非光沢転写材料を併用する
こともできる。即ち、転写工程である。
【0106】このように、物性的に顔料や染料に制限が
あるインクジェット記録用インクの場合と異なり、転写
記録層には金属顔料やパール顔料等の比較的粒径や比重
の大きい顔料も使用できるため、高光沢性の画像につい
ても、色ムラ等がなくかつ色相再現性よく形成でき、し
かも耐久性の向上をも図ることができる。このため、色
相再現性が重要視されるカラープルーフなどにも好適に
応用することができる。
【0107】また、上述の画像形成装置1を用いた画像
形成方法によれば、画像転写材料5及び受像材料11
を、全面的に加熱することで、転写性促進材料が付着し
た潜像部分のみの転写性が向上し、潜像部分のみが選択
的に画像転写材料11へ転写、定着させるので、従来の
剥離転写方式のように、サーマルヘッドの抵抗値ムラ、
接触ムラ、支持体の厚みムラに起因する熱伝導ムラがな
く、均一な画像を形成することができ、支持体の変形を
伴うこともない。また、次の潜像を形成する前に、受像
材料11上の転写画像を乾燥しているため2次色カブリ
が防止される。また、両材料の密着前に潜像を乾燥させ
ているため、ドットの広がりを防止でき、解像度の高い
画像が得られる。
【0108】次に、図2に示す態様の画像形成装置20
を使用した場合について説明する。尚、図1の構成と同
一の構成には同一の符号を付して、説明を省略する。こ
の画像形成装置20は、受像材料11の受像面に転写性
促進材料の液滴を付与する吐出ヘッド21と、画像転写
材料5の搬送路の最後に設けられた巻き取りローラー2
5と、画像転写材料5の搬送路の、支持ドラム3より下
流側に配置された直方体状の剥離バー23とを備える。
吐出ヘッド21は、図1中の吐出ヘッド13と同様の構
造を有し、受像材料11の幅方向に沿って等間隔で配置
された複数のノズル孔を有し、両端のノズル孔の間隔は
受像材料11の幅と等しくなっている。
【0109】また、画像形成装置20は、受像材料11
の搬送路の、記録ヘッド21とピンチローラー7の間
に、受像材料11に吐出された転写性促進材料の少なく
とも一部を蒸発させるための電気ヒーター28を備えて
いる。さらに、剥離バー23の下面は支持ドラム3の下
端部と略同じ高さに配置されており、支持ドラム3とこ
の剥離バー23の間は画像転写材料5と受像材料11が
重なったまま搬送される。さらに、巻き取りローラー2
5は、この巻き取りローラー25と剥離バー23の間で
画像転写材料5に所定の張力が加えられるように、画像
転写材料5を巻き取る。
【0110】また、画像形成装置20は、画像形成装置
1と同様の図示しない操作パネル、入力装置(図示省
略)、及びコントローラー(図示省略)を備えている。
この画像形成装置20では、操作パネルにより転写を開
始させると、支持ドラム3とピンチローラー7が回転
し、画像転写材料5と受像材料11が搬送される。ま
た、吐出ヘッド21が画像転写材料5の色相に対応する
吐出情報に従って転写性促進材料の液滴を吐出する。こ
の吐出ヘッド21による吐出と、受像材料11の移動に
より受像材料11の受像面に画像様の潜像が形成され
る。
【0111】受像材料11の受像面に形成された潜像
は、搬送に伴い、電気ヒーター28近傍を通過して乾燥
される。さらなる搬送により受像材料11はピンチロー
ラー7に到達し、一方、画像転写材料5も搬送されて支
持ドラム3に到達する。画像転写材料5と受像材料11
は支持ドラム3とピンチローラー7の間を通ることによ
り密着、加熱され、これにより転写記録層の潜像部分の
みが転写可能となる。
【0112】画像転写材料5及び受像材料11はさらに
搬送されて、剥離バー23に到達する。さらなる搬送に
より画像転写材料5は剥離バー23を通過し、剥離バー
23の角部により屈曲される。このとき、画像転写材料
5の支持体と転写記録層の許容曲げ半径の違いにより、
両者の剥離が促進される。さらなる搬送により画像転写
材料5と受像材料11は剥離され、画像転写材料5の支
持体から剥離した画像様の転写記録層が受像材料11に
転写される。この画像は電気ヒーター27により乾燥さ
れる。上記操作により単色の画像が得られる。この操作
を、同一の受像材料11について画像転写材料5の色相
を変えながら繰り返した場合には、多色画像を形成する
ことができる。
【0113】この場合も、高光沢の画像について、色ム
ラ等がなくかつ色相再現性よく形成でき、しかも耐久性
の向上をも図ることができる。また、画像様の加熱が不
要で全面加熱すれば足り、転写性促進材料で形成された
潜像部分においてのみ転写性が向上し、潜像部分のみが
選択的に画像転写材料11へ転写、定着させるので、サ
ーマルヘッドの抵抗値ムラ、接触ムラ、支持体の厚みム
ラに起因する熱伝導ムラ等の影響を受けることなく、色
ムラのない均一な画像を形成できる。しかも支持体の変
形を伴うこともない。
【0114】なお、この画像形成装置20はロール状の
画像転写材料5を用いるため、この画像転写材料上に色
相の異なる複数の転写記録層を、受像材料11の長さと
同じ幅に一定の順序で繰り返し形成することにより、多
色画像を転写する場合の画像転写材料5の交換の手間を
省くことができる。
【0115】また、この画像形成装置20では、転写性
促進材料を水平に配置された受像材料11に向けて真下
に吐出しているため、インクの飛翔方向を制御しやす
く、また、シートに付着した転写性促進材料が垂れるお
それがなく、潜像形成における位置精度を上げることが
できる。なお、この画像形成装置20では、画像転写材
料5の支持体と転写記録層の剥離をより促進するため
に、巻き取りローラ25を剥離バー23の真上に近い位
置に配置し、直角に近い角度で画像転写材料5が受像材
料11から剥離されるようにすることが好ましい。
【0116】次に、図3に示す態様の画像形成装置30
を使用した場合について説明する。この画像形成装置3
0は、吐出ヘッドの態様が異なる以外、図2に示す画像
形成装置20と同様の構成を有する。画像形成装置30
に備えられた吐出ヘッド31は、その吐出方向が画像転
写材料5及び受像材料11のいずれの方向に対向し得る
ように、切り換え自在に設けられ、材料特性や転写条件
に応じて、適宜吐出方向を変更し得るように配置してあ
る。
【0117】吐出ヘッド31の方向切り換え構造として
は、単一又は複数の吐出孔を有する吐出ヘッド31を回
動自在に構成されたもの(図3に示したもの)の他、予
めそれぞれの方向に吐出孔を設けておき、必要に応じて
いずれか一方の吐出孔を開閉制御するもの等が考えられ
る。上記構成により、画像転写材料5又は受像材料11
と液滴との適性に基づき、いずれか好適な表面に対し
て、吐出ヘッド31の吐出方向を切り換えて潜像を形成
することが可能となる。
【0118】本発明の画像形成方法においては、図1及
び図2のように、転写性促進材料の吐出後及び転写工程
後の両方に加熱乾燥する工程を設けてもよいし、図3の
ように、転写工程の後のみに加熱乾燥する工程を設けて
もよいし、転写性促進材料の吐出後及び転写工程後のい
ずれにも設けなくてもよい。しかしながら、既述の通
り、ドットの広がりを防止して高解像度の画像を形成し
うる点で、転写性促進材料の吐出後に加熱乾燥する工程
を加えることが好ましく、2次色カブリをも防止し、色
ムラのない画像を形成し得る点で、転写性促進材料の吐
出後及び転写工程後の両方に加熱乾燥する工程を設ける
ことがより好ましい。
【0119】また、本発明の画像形成方法の応用とし
て、画像転写材料5として親油性樹脂層を支持体に形成
した画像転写材料を用い、受像材料11に代えて、外周
面が刷版面となるドラム状の版胴を用て、同様の手順に
より画像形成を行うことにより、版胴の外周面等、曲面
上にも、所望の精細な画像を形成することができ、少な
い製造工程にて、版を植設した版胴を形成することがで
きる。
【0120】吐出ヘッドの変形例として、前述のような
液滴吐出タイプではなく、液状の転写性促進材料を面状
又は線状に吐出できる吐出ヘッドを用い、その吐出ヘッ
ドと画像転写材料或いは受像材料との間に、画像様に透
孔を形成したマスクを配設する態様を用いても、同様の
効果を得ることができる。面状に液滴を吐出する手段と
しては、例えば、複数の吐出孔を設けるもの、或いは、
拡散ノズルを設けるものが挙げられ、線状に液滴を吐出
する手段としては、主走査方向に線状に並べた吐出孔
を、副走査方向に移動させるもの等が挙げられる。本態
様によれば、液滴を面状若しくは線状に吐出するので、
高速な画像の形成を可能にすることができる。
【0121】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
尚、本実施例においては、特にことわりのない限り、
「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0122】(実施例1) <画像転写材料(1)の作製>厚さ10μmのポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムを準備し、その
一方の表面上に、下記組成の剥離層用塗布液をバーコー
ト法により塗布、乾燥して、層厚0.3μmの剥離層を
形成し、該層上に更に、下記組成の中間離層用塗布液
(1)を同様にして塗布、乾燥して、層厚0.1μmの
中間層を積層した。
【0123】 [剥離層用塗布液の組成] ・エチレン−酢酸ビニル共重合体 6部 ・トルエン溶液 94部 [中間層用塗布液(1)の組成] ・PMMA 2部 ・ステアリン酸アミド 2部 ・黄色染料 0.1部 ・酢酸イソプロピル溶液 96部
【0124】上記中間層上に、蒸着により800Å厚の
アルミニウム膜(高光沢色材層)を形成した後、該層上
に、それぞれ下記組成より調製したプライマー層用塗布
液、接着層用塗布液をこの順にバーコート法により積層
塗布し、乾燥して、層厚0.2μmのプライマー層、層
厚0.5μmの接着層を形成した。
【0125】 [プライマー層用塗布液の組成] ・塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体 3部 ・メチルエチルケトン溶液 97部 [接着層用塗布液の組成] ・アクリル樹脂 1部 ・エチレン−酢酸ビニル共重合体(熱接着性の樹脂) 1部 (EVA#150,三井デュポンポリケミカル(株)製) ・エチレン−酢酸ビニル共重合体(熱接着性の樹脂) 1部 (EVA KA−10,住友化学工業(株)製) ・酸化チタン 4部 ・酢酸イソプロピル(溶剤) 93部
【0126】次いで、支持体の他方の表面(高光沢色材
層等が形成されてない側の支持体の表面)に下記組成よ
りなる背面層用塗布液を に
より塗布し、乾燥して層厚0.1μmの背面層を形成し
た。 [背面層用塗布液の組成] ・アクリル樹脂(BR108,三菱レイヨン(株)製) 8部 ・シリコーン変性アクリル樹脂(久保孝ペイント(株)製) 2部 ・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) 90部
【0127】以上より、支持体上の一方の表面に、剥離
層、中間層、高光沢色材層、プライマー層及び接着層が
この順に積層して設けられ、他方の表面に背面層が設け
られた、本発明の画像転写材料(1)を作製した。
【0128】<受像材料の作製>厚さ130μmのPE
Tフイルム支持体上に、回転塗布機を使用して下記組成
よりなる第一層用塗布液を塗布し、100℃で乾燥時の
層厚が20μmになるように調整した。次に、この第一
層塗布層上に、回転塗布機を使用して下記組成の第二層
用塗布液を積層塗布し、100℃で乾燥させて、第二層
の層厚が2μmになるように調整して受像材料を得た。
【0129】 [第一層用塗布液の組成] ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 160部 (ソルバインCL2,日信化学(株)製) ・エチレン−酢酸ビニル共重合体 61部 (エルバロイ742,三井ディユポンケミカル(株)製) ・セバシン酸ポリエステル 28部 (FN−G25,日本曹達(株)製) ・パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4部 (メガフアックF−178K,大日本インキ化学工業(株)製) ・メチルエチルケトン 630部 ・トルエン 210部 ・ジメチルホルムアミド 30部
【0130】 [第二層用塗布液] ・ポリビニルブチラール樹脂 16部 (デンカブチラール#2000−L,電気化学工業(株)製) ・N,N−ジメチルアクリルアミド−ブチルアクリレート共重合体 4部 ・パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.5部 (メガフアックF−177,大日本インキ化学工業(株)製) ・n−プロピルアルコール 200部
【0131】<転写性促進材料(i)の調製>下記組成
の素材を均一に攪拌混合した後、0.45μmのミクロ
フィルタを通過させて転写性促進材料(i)を得た。 [転写性促進材料(i)の組成] ・ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル 4部 ・プロピレングリコール 10部 ・蒸留水 86部
【0132】<画像形成>受像材料に向かって下向きに
液状の転写性促進材料を吐出する、図2と同様の構造を
有する画像形成装置20を準備し、その吐出ヘッド21
に繋がる収容部(図示していない)に上記より得た転写
性促進材料(i)を装填した。この装置に、画像転写材
料5として上記画像転写材料(1)をその接着層が受像
材料と対向するように配置し、更に受像体11として上
記受像材料をその第二層(受像面)が画像転写材料
(1)と対向するように配置し、それぞれを同一速度で
図2中の矢印の方向に搬送した。このとき、吐出ヘッド
21から転写性促進材料(i)を受像材料の第二層の表
面(受像面)上に吐出して画像様に潜像が形成され、支
持ドラム3とニップ部の温度が75℃に設定されたピン
チローラ7とが互いに対向する位置まで送られると、潜
像部分を有する接着層の表面と受像面(第二層)と密着
され、更に剥離部材23まで搬送されて剥離される。そ
の結果、受像材料の第二層の表面には、潜像に対応して
画像転写材料(1)の中間層、高光沢色材層、プライマ
ー層及び接着層が転写され、金色の金属光沢を有する転
写像が形成された。画像転写材料5の潜像部では、支持
体上に剥離層のみが残存しており、更に搬送されて巻き
取りローラー25で巻き取られた。
【0133】形成された金色の金属光沢画像は、色ムラ
や混色等がなく均一な濃度を有しており、色相再現性に
も優れていた。しかも、微細部の転写性に優れ、高解像
度の高光沢画像が得られた。また、支持体の熱変形を伴
うこともなかった。
【0134】(実施例2)実施例1で用いた画像転写材
料(1)を下記画像転写材料(2)に代え、更に転写性
促進材料(i)を下記転写性促進材料(ii)に代えたこ
と以外、実施例1と同様にして画像形成(転写)を行っ
た。その結果、受像材料の受像面(受像材料の第二層)
上に、潜像に対応して画像転写材料(2)の中間層、高
光沢色材層、プライマー層及び接着層が転写され、銀色
の金属光沢を有する転写像が形成された。
【0135】<画像転写材料(2)の作製>実施例1の
画像転写材料(1)の作製に用いた中間層用塗布液
(1)に代えて、下記組成よりなる中間層用塗布液
(2)を用いたこと以外、画像転写材料(1)と同様に
して、本発明の画像転写材料(2)を作製した。 [中間層用塗布液(2)の組成] ・ポリウレタン樹脂 10部 (N−2301,日本ポリウレタン工業(株)製) ・エチレン−酢酸ビニル共重合体 10部 (EVA#150,三井デュポンケミカル(株)製) ・ステアリン酸アミド 10部 ・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1) 70部
【0136】<転写性促進材料(ii)の作製>実施例1
の転写性促進材料(i)の組成を、下記組成に代えたこ
と以外、実施例1と同様にして転写性促進材料(ii)を
調製した。 [転写性促進材料(ii)の組成] ・エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス(固形分50%) 35部 ・蒸留水 65部
【0137】更に、銀色の金属光沢を有する転写像が転
写された受像面(第二層)をアートコート紙(128g
/m2)と重ね合わせ、120℃に加熱された熱ニップ
ローラ間を通過させることにより、前記アートコート紙
上に銀色の金属光沢を有する転写像を再転写した。
【0138】アートコート紙上に形成された銀色の金属
光沢画像は、色ムラや混色等がなく均一な濃度を有して
おり、色相再現性にも優れていた。しかも、微細部の転
写性に優れ、高解像度の高光沢画像が得られた。また、
支持体の熱変形を伴うこともなかった。
【0139】
【発明の効果】本発明によれば、支持体の熱変形を伴う
ことなく、熱転写により、金属光沢やメタリック調等の
高光沢画像を色ムラなく均一に、かつ色再現性よく形成
しうる画像形成方法を提供することができる。また、高
光沢画像においても、微細点の転写性に優れ、解像度の
高い高光沢画像を安定に形成しうる画像形成方法を提供
することができる。また、本発明によれば、支持体上に
少なくとも1層の高光沢色材層と接着層とを有し、画像
転写材料及び受像材料のいずれか一方に転写性促進材料
を画像様に付与して潜像部を形成し、該潜像部に対応す
る転写記録層を受像材料上に密着転写することにより、
色ムラがなく色再現性よい高光沢画像を高解像度に形成
しうる画像転写材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法の実施が可能な画像形
成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の画像形成方法の実施が可能な画像形
成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の画像形成方法の実施が可能な画像形
成装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1、20、30 画像形成装置 3 支持ドラム 5 画像転写材料 7 ピンチローラー 11 受像体(受像材料) 13、21、31 吐出ヘッド 23 剥離部材(剥離バー) 26、27、28 加熱乾燥部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C065 AA01 AB02 AC04 AE05 AF01 AF02 DC05 DC19 DC29 DC31 2H086 BA02 BA12 BA15 BA26 BA31 BA33 BA52 BA53 3B005 EA04 EB05 EC30 FB25 FB42 FF06 GA02 GB05 GC03 GC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱転写材料からなる転写記録
    層と接着層とをこの順に設けてなる画像転写材料と、受
    像材料とを用いた画像形成方法であって、 画像転写材料の転写記録層表面及び受像材料の受像面の
    いずれか一方に、熱転写材料の転写感度を向上させる転
    写性促進材料を画像様に付与して潜像を形成する潜像形
    成工程と、画像転写材料の転写記録層表面と受像材料の
    受像面とを密着させて加熱し、潜像に対応して転写記録
    層を受像材料上に転写する転写工程と、を含み、かつ前
    記画像転写材料の転写記録層の少なくとも1層が高光沢
    色材層であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 高光沢色材層が金属蒸着よりなる請求項
    1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 高光沢色材層が光沢顔料を含み、該光沢
    顔料が、金属粉末及び無機化合物粉末の少なくとも一方
    である請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 金属粉末が、アルミニウム、金、銀、
    銅、クロム、錫及び亜鉛より選択される少なくとも一種
    である請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 無機化合物粉末がパール顔料である請求
    項3に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 パール顔料が雲母である請求項5に記載
    の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 支持体上に少なくとも高光沢色材層と接
    着層とが設けられ、 請求項1から6のいずれかに記載の画像形成方法に用い
    られることを特徴とする画像転写材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013075362A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Toshiba Corp 転写型保護層、転写型保護層の製造方法、個人認証媒体、及び個人認証媒体の製造方法
JP2013075408A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Seiko Epson Corp 光輝性画像の記録方法
US8506070B2 (en) 2008-07-29 2013-08-13 Seiko Epson Corporation Recording method, recorded matter, ink jet recording apparatus, and identification method

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