JP2002187348A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002187348A
JP2002187348A JP2000387790A JP2000387790A JP2002187348A JP 2002187348 A JP2002187348 A JP 2002187348A JP 2000387790 A JP2000387790 A JP 2000387790A JP 2000387790 A JP2000387790 A JP 2000387790A JP 2002187348 A JP2002187348 A JP 2002187348A
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JP2000387790A
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Akio Miyamoto
昭男 宮本
Toshiaki Endo
俊明 遠藤
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間調ベタ転写画像を形成する場合にも濃度
ムラの発生を防止し、また、同一受像シートに複数回転
写像を重ねて形成する場合にも二次色カブリを防止する
ことができる画像形成方法を提供する。 【解決手段】 該転写シート5の転写記録層表面又は該
受像シート11の受像面のいずれかに、転写記録層の転
写温度を低下させ得る転写性促進材料を吐出ヘッド13
を介して画像様に付与して潜像を形成する潜像形成工程
と、該転写シート5の転写記録層表面と該受像シート1
1の受像面とを密着させて加熱し、転写記録層の潜像に
対応する部分を該受像シート11上に転写する転写工程
と、潜像形成工程と転写工程との間、及び該転写工程と
前記潜像工程に続く次の潜像形成工程との間にそれぞれ
赤外線ランプ26、27、28等の加熱手段により乾燥
する乾燥工程と、を含むことを特徴とする画像形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写方式を応用
した画像形成方法及びそれに用いる画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】紙、フィルム等の記録媒体に画像を形成
する方法の一つに熱転写方式がある。この熱転写方式で
は、 色素及びバインダーを含む転写記録層を支持体上
に形成した転写シートを、記録媒体としての受像シート
と重ね、転写シートの受像シートと接触していない側か
らサーマルヘッド、レーザーヘッド等にて画像様に熱又
は光を加え、顔料を受像シートヘ転写して、受像シート
上に画像を形成する。色素としては昇華性の色素も用い
られる。
【0003】しかし、サーマルヘッドを使用する熱転写
方式では、ヘッドの表面温度が場所によってバラツキ易
く、その結果、形成される画像にむらが発生するおそれ
がある。また、画像部のみを一定時間加熱するため、加
熱部分の支持体が変形し、シワが発生しやすい。また、
レーザーヘッドを使用する熱転写方式では、一定の領域
に対する照射時間は短いが、サーマルヘッド使用時より
も瞬間的に高温となり、支持体の変形が起こる場合があ
る。また、装置が高価であり、また照射部がかなりの高
温になるため色素等の成分が分解し、最終的に形成され
た画像にムラが発生するおそれがある。
【0004】また、インク液滴を紙等に吐出して、画像
を形成するインクジェット方式が知られている。インク
ジェット方式には、ピエゾ型、サーマル型、ヘルツ型等
の種々の方法が存在し、「ジャーナル オブ サイエン
ス アンド テクノロジー」42巻、No.1(1996
年、米国)に詳述されている。このうちピエゾ型のイン
クジェット装置は、複数のノズル孔が形成されたインク
ヘッドと、このノズル孔に連通し、壁の一部が振動板と
なる独立の吐出室と、振動板上に取り付けられた圧電素
子と、吐出室にインクを供給する共通のインクキャビテ
ィとから構成され、画像情報に基づいたパルス電圧を圧
電素子に印加することにより、ノズル孔からインク液滴
を吐出して記録媒体上に画像を形成する。このインクジ
ェット方式では、熱転写方式と異なり、支持体の変形や
成分の分解の問題はない。
【0005】しかし、一般に使用されているインクジェ
ット用のインクは染料水溶液であり、記録媒体上で滲み
易いため、インク液滴の径よりも大きいドットが形成さ
れやすく、解像度に劣る。また、滲みを防止するには特
殊な記録媒体を用いる必要がある。さらに、得られた画
像は耐水性や耐光性に劣る。このような染料水溶液の欠
点を解消するインクとして、顔料を用いたインクも開発
されているが、インクの溶媒が蒸発した後で記録媒体か
ら顔料が剥離するのを防止する等のために、通常造膜性
の樹脂類がインクに添加されている。この樹脂類は、イ
ンク液滴が記録媒体に付着し、液滴中の溶媒が蒸発し始
めたときに造膜を開始するものであるが、吐出を停止し
たままキャップをしないでノズルを放置すると、その先
端での溶媒の蒸発により造膜を開始し、ノズルを詰まら
せる。このノズルの目詰まりは極めて短い時間ノズルを
放置するだけで起こるものであり、完全に防止するのは
困難である。そして、ノズルの一部が詰まっただけで
も、インク液滴の飛翔方向が変わってしまうため、イン
ク液滴の付着位置を制御するのが困難であり、精細な位
置合わせが必要な多色画像の形成に顔料を含むインクを
用いるインクジェット方式を適用することは困難であ
る。
【0006】また、像担持体上に、インクジェット記録
方式により液体と着色剤とを含む記録液からなる画像を
形成し、これを記録媒体上に転写するいわゆる転写型イ
ンクジェット方式もあるが(例えば、特開平5−427
55)、上記のインクジェット方式の問題は解決されて
いない。
【0007】さらに、インクジェット方式を応用した画
像形成方法としては、例えば、特開平11−70633
号公報に、架橋性材料からなる記録層にインクジェット
装置により架橋剤液滴を画像様に付与し、付与した部分
を架橋、硬化させ、架橋されていない部分の材料を洗浄
にて除去し、画像を形成する方法が開示されている。
【0008】しかし、この方法で得られる画像はいわゆ
るスクリーン印刷版上のレリーフ画像であり、紙等の記
録媒体上に形成された画像を得るには、上記方法による
印刷版の製版後、さらに、この印刷版を用いた印刷工程
を経なければならない。また、製版における洗浄により
生じた廃液を処理する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記問題
点を改善する画像形成方法として、支持体上に転写記録
層を有する転写シートと受像シートとを用いる画像形成
方法において、該転写シートの転写記録層表面又は該受
像シートの受像面のいずれかに、転写記録層の転写温度
を低下させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像
を形成する潜像形成工程と、該転写シートの転写記録層
表面と該受像シートの受像面とを密着させて加熱し、転
写記録層の潜像に対応する部分を該受像シート上に転写
する転写工程と有する画像形成方法を提案した。
【0010】この画像形成方法は、未公知であるが、中
間調ベタ転写画像を形成する場合、濃度ムラが発生する
場合があり、また、同一受像シートに複数回転写像を重
ねて形成する場合、先に形成された像の影響(二次色カ
ブリと称す)が出る場合があった。
【0011】本発明の目的は、インクジェット方式の欠
点である記録媒体や色材に対する制限とノズルの目詰ま
りを解決し、さらに、熱転写方式の欠点である熱による
支持体の損傷と画像のムラを防止しつつ、中間調ベタ転
写画像を形成する場合にも濃度ムラの発生を防止し、ま
た、同一受像シートに複数回転写像を重ねて形成する場
合にも二次色カブリを防止することができる画像形成方
法を提供することにある。さらに、本発明はこの画像形
成方法に使用する画像形成装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、下記の
画像形成方法及び下記の画像形成装置によって達成され
る。 (1) 支持体上に転写記録層を有する転写シートと受
像シートとを用いる画像形成方法において、該転写シー
トの転写記録層表面又は該受像シートの受像面のいずれ
かに、転写記録層の転写温度を低下させ得る転写性促進
材料を画像様に付与して潜像を形成する潜像形成工程
と、該転写シートの転写記録層表面と該受像シートの受
像面とを密着させて加熱し、転写記録層の潜像に対応す
る部分を該受像シート上に転写する転写工程と、潜像形
成工程と転写工程との間、及び該転写工程と前記潜像工
程に続く次の潜像形成工程との間にそれぞれ設けられた
乾燥工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法。 (2) 潜像形成工程と転写工程の間の乾燥工程の温度
(T1)、及び該転写工程と前記潜像工程に続く次の潜
像形成工程と間の乾燥工程の温度(T2)としたとき、
2>T1であることを特徴とする前記(1)に記載の画
像形成方法。 (3) 潜像形成工程と転写工程の間の乾燥工程の温度
(T1)、及び該転写工程と前記潜像工程に続く次の潜
像形成工程と間の乾燥工程の温度(T2)としたとき、
2≦T1であることを特徴とする前記(1)に記載の画
像形成方法。 (4) 支持体上に転写記録層を有する転写シートと受
像シートとを用いる画像形成装置であって、該転写シー
トの転写記録層表面又は該受像シートの受像面のいずれ
かに、転写記録層の転写温度を低下させ得る転写性促進
材料を画像様に付与して潜像を形成する潜像形成手段
と、該転写シートの転写記録層の潜像に対応する部分を
該受像シート上に転写する転写手段と、潜像形成手段に
よる潜像形成工程と前記転写手段による転写工程との
間、及び前記転写手段による転写工程と前記潜像形成手
段による潜像工程に続く次の潜像形成工程との間にそれ
ぞれ設けられた乾燥手段と、を含むことを特徴とする画
像形成装置。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の画像形成方法では、支持体上に転写記録層
を有する転写シートの該転写記録層表面及び受像シート
の受像面のいずれか一方に、転写記録層の転写温度を低
下させ得る転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形
成する。
【0014】転写性促進材料は、経時安定性やノズルの
詰まりの懸念がないなどの観点から、顔料粒子のような
固形分や経時的に析出する化合物などを含有せず、さら
に、転写記録層に色材を使用する場合には、色調に影響
を与えないという観点から、無色又は淡色で、その色材
に対して化学的に作用せず、加熱などのエネルギー付与
によっても発色反応などを起こさないことが好ましい。
【0015】具体的には、転写性促進材料は溶媒を含む
ことができる。溶媒としては、水や有機溶剤等が挙げら
れる。これらは単独で使用しても混合してもよい。安全
性及び環境に対する影響等の点からは、水、水及び有機
溶剤の混合物が好ましい。水と有機溶剤を併用する場合
には、使用する有機溶剤は水溶性であることが好まし
い。
【0016】有機溶剤としては、具体的には、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、1,3−ブタンジオール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−
ヘキサンジオール、チオジエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン
等の1価又は多価アルコール類;ジオキサン、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエー
テル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケ
トン類及びケトアルコール類;N−メチル−2−ピロリ
ドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等がある。有機
溶剤を使用する場合、用いる有機溶剤は1種類以上とす
ることができ、その蒸発しやすさ、装置の乾燥能力等に
より決定される。
【0017】また、転写性促進材料とは、上記溶媒及び
上記溶媒に可溶の界面活性剤を含むことができる。界面
活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性
の界面活性剤が挙げられる。具体的には、脂肪酸塩、ア
ルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸とホルマ
リンの縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールア
ミン、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等が挙げら
れる。これらは単独で使用しても2種以上を併用しても
よく、使用する転写シートの転写特性や転写性促進材料
に含まれる溶媒の種類等に応じて適宜選択される。界面
活性剤を用いる場合、転写性促進材料中における界面活
性剤の使用量は、2次色カブリを防止するには、10重
量%以下であることが好ましい。
【0018】さらに、転写性促進材料は、吐出適性を調
整し、また液の保存安定性を向上するために、表面張力
調整材、防黴材、ポリマー等の粘度調整材、pH調整
材、消泡材、可塑剤、吸湿性素材等を含有することがで
きる。本発明の転写性促進材料の表面張力は20〜60
mN/mであることが好ましく、粘度は50mPa・s
以下であることが好ましい。
【0019】本発明に使用する転写シートは支持体上に
転写記録層を有している。転写シートの支持体の材料に
は特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用
いることができる。支持体材料の好ましい例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体等の合成樹脂材料を挙
げることができる。中でも、二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートが、機械的強度や熱に対する寸法安定性を考
慮すると好ましい。
【0020】支持体には、その上に設けられる転写記録
層との密着性を向上させるために、表面の粗面化処理及
び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を行なうこと
が好ましい。表面の粗面化処理の例としては、グロー放
電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下塗
層の材料としては、支持体と転写記録層の両表面に高い
接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に優
れたものであることが好ましい。そのような下塗層の材
料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体の
厚さは通常0.01〜2μmである。また、転写シート
の転写記録層付設側とは反対側の表面には、必要に応じ
て、離型層等の各種の機能層の付設、あるいは表面処理
を行なうこともできる。
【0021】転写記録層は、有色画像を形成する場合に
は、受像シートに転写されて着色画像を形成するための
顔料を少なくとも含有し、さらに、層を形成するための
バインダー樹脂、および所望により、その他の成分を含
有する。なお、本発明においては転写記録層は必ずしも
有色の記録層に限定されず、例えば、平版印刷版などの
形成に用いる場合には無色の樹脂層などであってもよい
が、前述の転写性促進材料により転写性が向上する特性
を有することが必要である。
【0022】顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別
され、前者は特に塗膜の透明性に優れ、後者は一般に隠
蔽性に優れる等の特性を有しているので、用途に応じ
て、適宜選択すればよい。転写シートをカラープルーフ
としての印刷色校正用に用いる場合には、印刷インキに
一般に使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、および
ブラックと一致するか、あるいは色調が近い有機顔料が
好適に使用される。またその他にも、金属粉、蛍光顔料
等も用いる場合がある。好適に使用される顔料の例とし
ては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキ
ノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げるこ
とができる。転写記録層に用いられる顔料を、色相別に
分けて、以下に列挙するが、これらに限定されるもので
はない。 1)黄色顔料 ハンザイエローG、ハンザイエロー5G、ハンザイエロ
ー10G、ハンザイエローA、ピグメントイエローL、
パーマネントイエローNCG、パーマネントイエローF
GL、パーマネントイエローHR。 2)赤色顔料 パーマネントレッド4R、パーマネントレッドF2R、
パーマネントレッドFRL、レーキレッドC、レーキレ
ッドD、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、
アリザリンレーキ、ローダミンレーキB。 3)青色顔料 フタロシアニンブルー、ビクトリアブルーレーキ、ファ
ストスカイブルー。 4)黒色顔料 カーボンブラック。
【0023】転写記録層のバインダー樹脂としては、軟
化点が40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合体が好
ましい。前記非晶質有機高分子重合体としては、例えば
ブチラール樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエチレンイミン
樹脂;スルホンアミド樹脂;ポリエステルポリオール樹
脂;石油樹脂;スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニ
ル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノ
スチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重
合体や共重合体;メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリ
ル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、α−エチルヘキシルアクリレート等の
アクリル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソ
プレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテ
ル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレ
イン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル
系単量体の単独あるいは他の単量体等との共重合体を用
いることができる。これらの樹脂は2種以上混合して用
いることもできる。
【0024】転写記録層は、顔料を30〜70重量%含
有しているのが好ましく、30〜50重量%含有してい
るのがより好ましい。また、転写記録層は、樹脂を70
〜30重量%含有しているのが好ましく、70〜50重
量%含有しているのがより好ましい。
【0025】また、同一の受像シート上に多数の画像層
(画像が形成された転写記録層)を繰返し重ね合せて多
色画像を作製する場合には、画像間の密着性を高めるた
めに転写記録層は可塑剤を含むことが好ましい。そのよ
うな可塑剤の例としては、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)、フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、フタル
酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル
酸エステル類;アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、
セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪族二塩基
酸エステル;リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2−エ
チルヘキシル)等のリン酸トリエステル類;ポリエチレ
ングリコールエステル等のポリオールポリエステル類;
エポキシ脂肪酸エステル等のエポキシ化合物が挙げられ
る。また、上記のような一般的な可塑剤以外にも、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブ
タントリオールトリメタクリレート、トリメチロールエ
タントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトール−ポリアクリレートのようなア
クリル酸エステル類も、用いられるバインダーの種類に
よっては好適に併用される。なお、可塑剤は二以上組合
せて用いてもよい。
【0026】前記可塑剤は、転写記録層において、顔料
と樹脂の総量と、可塑剤との重量比が、一般的には、1
00:1〜100:3、好ましくは100:1.5〜1
00:2となるように用いられる。転写記録層には、更
に必要に応じて、界面活性剤、増粘度剤等が添加され
る。
【0027】転写記録層は、顔料と前記バインダー樹脂
等とを溶解または分散した塗布液を調製し、これを支持
体上(支持体上の前記下塗り層上)に塗布し、乾燥する
ことにより設けることができる。塗布液の調製に使用さ
れる溶媒としては、n−プロピルアルコール、メチルエ
チルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル
(MFG)、メタノール等が挙げられる。塗布、乾燥
は、通常の塗布、乾燥方法を利用して行うことができ
る。
【0028】尚、転写記録層の層厚(乾燥層厚)は0.
1〜5.0μm、好ましくは0.3〜3.0μmであ
る。また、転写シートは転写記録層の他、所望により他
の層を有していてもよい。
【0029】一方、本発明の方法に用い得る受像シート
としては、通常、支持体上に、1以上の受像層が設けら
れ、所望により、支持体と受像層との間にクッション
層、剥離層、および中間層のいずれか1層または2層以
上が設けられるが、転写シートの転写記録層との親和性
が良好な支持体を用いる場合には、受像層等を省略する
ことができる。
【0030】支持体としては、プラスチックシート、金
属シート、ガラスエポキシシート等のガラスシート、紙
等のような通常のシート状の基材が挙げられる。プラス
チックシートの例としては、ポリエチレンテレフタレー
トシート、ポリカーボネートシート、ポリエチレンシー
ト、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニリデンシー
ト、ポリスチレンシート、スチレン−アクリロニトリル
シート、ポリエステルシート等を挙げることができる。
また、紙支持体としては印刷本紙、普通紙、コート紙等
を用いることができる。
【0031】支持体が、微小な空隙(ボイド)を有する
と、カールを防止でき、画質を向上させることができる
ので好ましい。このような支持体は、例えば、熱可塑性
樹脂と、無機顔料や前記熱可塑性樹脂と非相溶性の高分
子等からなる填料とを混合した混合溶融物を、溶融押出
機によって単層または多層のフィルムとし、さらに1な
いし2軸に延伸することにより作製することができる。
この場合、樹脂および填料の選定、混合比率、延伸条件
などによって空隙率が決定される。
【0032】前記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン樹脂、およびポリエチレンテレフ
タレート樹脂が、結晶性が良く、延伸性が良く、ボイド
の形成も容易であるので好ましい。前記ポリオレフィン
樹脂、またはポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分
とし、それに適宜少量の他の熱可塑性樹脂を併用するこ
とが好ましい。前記填料として用いられる無機顔料とし
ては、平均粒径が1μm以上20μm以下のものが好ま
しく、炭酸カルシウム、クレー、けいそう土、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、シリカ等を用いることができ
る。また、填料として用いられる非相溶性の樹脂として
は、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用いる場合
は、ポリエチレンテレフタレートを用いるのが好まし
い。なお、支持体における、無機顔料等の填料の含有率
は、体積で2〜30%程度が一般的である。
【0033】受像シートの支持体の厚さは、通常10〜
400μmであり、25〜200μmであるのが好まし
い。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッショ
ン層)との密着性、または転写シートの転写記録層との
密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー放電処
理等の表面処理が施されていてもよい。
【0034】受像シートの支持体上には、転写記録層を
受け取り、固定するために、受像層を1以上設けること
が好ましい。受像層は有機重合体バインダーを主体とし
て形成される層であるのが好ましい。前記バインダー
は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、その例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの単独重
合体およびその共重合体;メチルセルロース、エチルセ
ルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系
ポリマー;ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニル等のようなビニル系モノマーの単独重合体およびそ
の共重合体;ポリエステル、ポリアミド等のような縮合
系ポリマー;ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴ
ム系ポリマーを挙げることができる。受像層のバインダ
ーは、転写記録層との間の適度な接着力を得るために、
ガラス転移温度(Tg)が90℃より低いポリマーであ
ることが好ましい。このために、受像層に可塑剤を添加
することも可能である。また、バインダーポリマーのT
gは、シート間のブロッキングを防ぐために、30℃以
上であることが好ましい。受像層のバインダーポリマー
としては、転写記録時の転写記録層との密着性を向上さ
せ、感度や画像強度を向上させる点で、転写記録層のバ
インダーポリマーと同一、若しくは類似のポリマーを用
いることが特に好ましい。
【0035】受像層の厚みは0.3〜7μm、好ましく
は0.7〜4μmである。厚みが0.3μm未満の場
合、膜強度が不足し破れ易く、7μmを超えると画像の
光沢が増し、印刷物への近似性が低下する。受像シート
の受像面とは反対側の面に、搬送性向上のためのバック
層を設けることが好ましい。
【0036】転写性促進材料を画像様に付与する方法と
しては、インクジェット用ヘッド、ディスペンサー等を
利用することができる。また、インクジェット用ヘッド
を使用する場合、単一のノズル孔が形成された吐出ヘッ
ド、ノズルが等間隔に一列に配置された吐出ヘッド、ノ
ズルがマトリックス状に配置された吐出ヘッドのいずれ
を使用してもよい。また、ピエゾ型、サーマル型、ヘル
ツ型等種々のものを使用できる。
【0037】ところで、デジタル式カメラ等では、一般
に、取りこんだ光画像は分光器でR(レッド)、G(グ
リーン)、B(ブルー)の各色の光に分けられ、各色の
光はその色に対応するフィルターを通過した後、CCD
等によりその光強度に対応する電圧を有する電気信号に
変換され、該電気信号がA/D(アナログ・デジタル)
変換器によりオン及びオフの2値で表されるデジタルデ
ータに変換され、これが各色毎の画像情報になる。例え
ば、被写体が青である場合、ブルー画像用の画像情報の
みがオンから構成され、レッド及びグリーン画像用の画
像情報はオフで構成される。この画像情報をそのまま使
用して転写性促進材料を付与すると、ブルーの画像情報
についてのみ、潜像が形成され、結果として、ブルーの
補色であるイエローの転写記録層が転写されてしまうの
で、得られた画像情報を反転させる等の必要な処理を施
した吐出情報を転写性促進材料の付与に使用する。
【0038】本発明の画像形成方法では、転写性促進材
料が付与された転写(受像)シートが、転写性促進材料
により濡れた状態のまま受像(転写)シートと密着する
と、ドットが大きくなる傾向があるため、これを防止す
るには、転写性促進材料の付与後転写シートと受像シー
トとを密着させる転写工程の間に転写性促進材料の少な
くとも一部を蒸発(乾燥)させるための乾燥工程を有す
る。この乾燥工程には用いられる装置としては、電気ヒ
ーター、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等を使用するこ
とができる。
【0039】本発明の画像形成方法では、潜像形成後、
転写シートの転写記録層と受像シートの受像面とを密着
させて加熱する。転写性促進材料により潜像が形成され
た部分の転写可能最低温度は、転写記録層の潜像以外の
部分のそれより低い。従って、加熱温度を、潜像が形成
された部分の転写可能最低温度以上で、かつ転写記録層
の潜像以外の部分の転写可能最低温度よりも低い温度に
設定すれば、潜像に対応する先鋭な画像を転写できる転
写シートと受像シートを密着する手段としては、ニップ
ローラ等が使用できる。
【0040】また、加熱には、潜像の乾燥に使用できる
装置として列挙したものを使用することができるが、加
熱温度を上記の温度に設定できるように、温度が可変な
ものを使用することが好ましい。なお、密着前に転写シ
ートや受像シートを予め加熱しておいてもよい。密着手
段と加熱手段は一体化されていてもよい。そのようなも
のとしては電気ヒーター等を内蔵した加熱ニップローラ
等がある。
【0041】潜像が形成された部分の転写可能最低温度
は、転写記録層の潜像以外の部分のそれより3℃以上低
いことが好ましい。転写可能最低温度は後述する図1の
装置と、支持ドラム3とピンチローラー7のニップ部に
配置した熱電対とを用い、転写記録層が受像シートに転
写されているか否かを観察しながら、ピンチローラー7
内の電気ヒーターの温度を除々に上げていき、初めて転
写記録層が受像シートに転写されたときの温度を熱電対
で測定することにより得られる。加熱後、転写シートと
受像シートとを剥離することで受像シート上に画像が転
写され、受像シート上の転写画像は乾燥される。
【0042】本発明の画像形成方法では、転写シートの
転写記録層の色相を変えながら、以上の潜像形成、転
写、及び乾燥を同一の受像シートについて繰り返すこと
により、多色画像を形成する。この多色画像形成方法に
おいて、画像を転写する毎にこの画像を乾燥し、乾燥後
に次の潜像を形成する。この場合、潜像形成工程と転写
工程の間の乾燥工程と、該転写工程と前記潜像工程に続
く次の潜像形成工程と間にそれぞれ乾燥工程を有してい
る。この場合、潜像形成工程と転写工程の間の乾燥工程
において、溶媒の一部を蒸散させることによって潜像部
のドット位置を固定することができ、不要なドット凍結
を防ぐことができ、画像の濃度ムラの発生を防止するこ
とができる。また、該転写工程と前記潜像工程に続く次
の潜像形成工程と間の乾燥工程によって、転写後の乾燥
によって転写画像に残留する溶媒を蒸散又は受像シート
の塗布層中深く拡散させ、2次色カブリを防止すること
ができる。
【0043】上記したそれぞれの乾燥工程における乾燥
温度は、転写性促進材料として用いられる溶媒の種類、
組み合わせ等により任意に選定することができる。 1)沸点の異なる溶媒を複数種使用する場合、例えば、
水と水よりも沸点の低い溶媒を用いる場合、潜像形成工
程と転写工程の間の乾燥工程の温度(T1)、及び該転
写工程と前記潜像工程に続く次の潜像形成工程と間の乾
燥工程の温度(T2)としたとき、T2>T1であること
が好ましい。なお、これらの温度は、膜表面の温度をい
う。このような乾燥温度の関係にあると、潜像形成工程
と転写工程の間の乾燥工程中で速乾性の溶媒を蒸散させ
てドット位置を固定した後、該転写工程と前記潜像工程
に続く次の潜像形成工程と間の乾燥工程において、残る
水等の沸点の高い溶媒をより高温状態で蒸散させること
によって、次の潜像を形成する際に先に形成された潜像
の影響が受けににくなる。T2とT1の温度差は、5℃〜
50℃が好ましく、より好ましくはは5℃〜30℃、さ
らに好ましくは5℃〜20℃であるが、潜像を形成する
吐出液の構成、溶媒種により異なる。なお、T2は2次
色かぶりを防止する温度に設定する。T2とT1の温度差
が5℃よりも高いと急激な溶媒の蒸発を抑え、装置安定
性を増すことができる。この温度差が50℃よりも低い
と潜像部のドット広がりを抑え、高解像度の像を得るこ
とができる。シートの搬送速度等によって、同一溶媒を
用いる場合ないし沸点が同種の溶媒を使用する場合にも
前記のT2>T1とすることができる。潜像形成工程と転
写工程の間の乾燥工程中で溶媒の一部を蒸散させてドッ
ト位置を固定した後、該転写工程と前記潜像工程に続く
次の潜像形成工程と間の乾燥工程において、残る溶媒を
より高温状態で蒸散させることによって、次の潜像を形
成する際に先に形成された潜像の影響が受けににくな
る。
【0044】2)同一溶媒を用いる場合ないし沸点が同
種の溶媒を使用する場合、潜像形成工程と転写工程の間
の乾燥工程の温度(T1)、及び該転写工程と前記潜像
工程に続く次の潜像形成工程と間の乾燥工程の温度(T
2)としたとき、T2≦T1であることが好ましい。この
場合、上記した乾燥工程の温度の関係とすることによっ
て潜像形成工程と転写工程の間の乾燥工程中で溶媒の大
部分を蒸散させてドット位置を固定した後、該転写工程
と前記潜像工程に続く次の潜像形成工程と間の乾燥工程
において、残る一部の溶媒を蒸散させることによって、
次の潜像を形成する際に先に形成された潜像を影響を受
けににくなる。
【0045】乾燥の方法としては、転写画像に影響を与
えなければ、いかなる方法も使用でき、例えば、加熱、
風による乾燥等が挙げられる。乾燥は、2次色カブリを
防止できる程度に転写画像が乾けばよく、必ずしも画像
を完全に乾燥させる程度まで実施されなくてもよい。
【0046】本発明の画像形成方法により受像シート上
に形成された画像は、印刷本紙等の他の受像シートへ再
転写してもよい。再転写の方法としては、公知のものを
使用することができる。
【0047】図1〜5は本発明の第1から第5の実施の
形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。図1の画像
形成装置1は、転写手段として、反時計周りに回転可能
な支持ドラム3と、支持ドラム3の下に配置され、時計
周りに回転可能なピンチローラー7とを備える。ピンチ
ローラー7は電気ヒーターを内蔵している。この電気ヒ
ーターは設定温度の変更が可能であり、少なくとも支持
ドラム3とピンチローラー7のニップ部を加熱する。ま
た、この画像形成装置1は、転写シート5を搬送するロ
ーラー(図示省略)と、受像シート11を搬送するロー
ラー(図示省略)を備え、転写シート5は転写記録層が
下に配置されるようにこれらのローラと支持ドラム3に
巻きかけられ、受像シート11は受像面が上になるよう
に水平に搬送され、支持ドラム3とピンチローラー7の
間を通過する。支持ドラム3とピンチローラー7との間
隔は、転写シート5と受像シート11の厚みの和よりも
短く設定されており、転写シート5と受像シート11は
支持ドラム3とピンチローラー7との間を通過すること
により加圧され、密着される。
【0048】また、画像形成装置1は、転写シート5の
搬送路の支持ドラム3より上流側であって、転写シート
5の転写記録層側に、転写性促進材料の液滴を吐出する
付与手段としての吐出ヘッド13を備える。この吐出ヘ
ッド13はピエゾ型のインクヘッドであり、転写シート
5の進行方向に直交するように配置された図示しないレ
ールに沿って往復運動を繰り返す。この吐出ヘッド13
は複数のノズル孔を有し、往復運動の幅は転写シート5
の幅と等しくなっている。
【0049】さらに、画像形成装置1は、転写シート5
の搬送路の、吐出ヘッド13と支持ドラム3の間に、転
写シート5上に吐出された転写性促進材料の少なくとも
一部を蒸発させるための赤外線ランプ26を備える。ま
た、画像形成装置1は、受像シート11の搬送路の、ピ
ンチローラー7より下流側に転写された画像を乾燥する
ための乾燥手段としての赤外線ランプ27を備えてい
る。
【0050】また、画像形成装置1は、ピンチローラー
7内の電気ヒーターの温度を設定したり、装置からの情
報を表示したり、転写の開始又は停止を指示するための
図示しない操作パネル、画像情報を入力するための入力
装置(図示省略)、及び、入力された画像情報を処理し
てこれを各色毎の吐出情報に変換したり、前記全ての構
成部材を制御するためのコントローラー(図示省略)を
備えている。
【0051】次にこの画像形成装置1の作用を説明す
る。画像形成装置1の電源を入れ、操作パネルによりピ
ンチローラー7内の電気ヒーターの温度として、潜像が
形成された部分の温度がその転写可能最低温度以上でか
つ転写記録層の潜像以外の部分の転写可能最低温度より
も低い温度となるような温度を入力すると、この電気ヒ
ーターが設定された温度まで加熱され、赤外線ランプ2
6、27が所定温度まで加熱され、転写が可能である旨
が操作パネルに表示される。入力装置により画像情報を
入力し、操作パネルにより転写を開始させると、支持ド
ラム3とピンチローラー7が回転し、転写シート5と受
像シート11が搬送される。また、吐出ヘッド13が転
写シート5の色相に対応する吐出情報に従って転写性促
進材料の液滴を吐出する。この吐出ヘッド13による吐
出と、転写シート5の移動により転写シート5の転写記
録層に画像様の潜像が形成される。
【0052】転写シート5の転写記録層に形成された潜
像は、搬送に伴い、赤外線ランプ26近傍を通過して乾
燥される。さらなる搬送により転写シート5は支持ドラ
ム3に到達し、一方、受像シート11も搬送されてピン
チローラー7に到達する。転写シート5と受像シート1
1は支持ドラム3とピンチローラー7の間を通ることに
より密着され、加熱される。加熱は受像シート11及び
転写シート5の全面にわたって行われるが、ピンチロー
ラー7内の電気ヒーターの温度は上述の温度に設定され
ているため、転写記録層の潜像部分のみが転写可能とな
る。
【0053】転写シート5及び受像シート11が各々の
搬送路に沿ってさらに搬送されると、転写シート5が受
像シート11から剥離され、受像シート11の表面に、
潜像に対応した画像が形成される。この画像は電気ヒー
ター27により乾燥される。
【0054】この場合、転写シート5及び受像シート1
1のそれぞれの密着される面の膜面温度は、転写性促進
材料として用いられる溶媒の種類、溶媒の組み合わせ等
により予め設定されており、この設定温度に基づいて赤
外線ランプ26と赤外線ランプ27による加熱温度が設
定される。
【0055】上記操作により単色の画像が得られ、この
操作を、同一の受像シート11について転写シート5の
色相を変えながら繰り返すことにより、多色画像を形成
することができる。その際、次の潜像を形成する前に、
受像シート11上の転写画像を乾燥しているため、2次
色カブリが防止される。また、シートの密着前に潜像を
乾燥させているため、ドットの広がりを防止でき、解像
度の高い画像が得られる。
【0056】次に図2の画像形成装置20について説明
する。なお、図1の構成と同一の構成には同一の符号を
付して、説明を省略する。
【0057】この画像形成装置20は、受像シート11
の受像面に転写性促進材料の液滴を付与する付与手段と
しての吐出ヘッド21と、転写シート5の搬送路の最後
に設けられた巻き取りローラー25と、転写シート5の
搬送路の、支持ドラム3より下流側に配置された直方体
状の剥離バー23とを備える。吐出ヘッド21は図1中
の吐出ヘッド13と同様の構造を有し、受像シート11
の進行方向と直交する方向(幅方向)に往復運動を行
う。この往復運動の幅は受像シート11の幅と等しくな
っている。また、画像形成装置20は、受像シート11
の搬送路の、記録ヘッド21とピンチローラー7の間
に、受像シート11に吐出された転写性促進材料の少な
くとも一部を蒸発させるための赤外線ランプ28を備え
ている。
【0058】さらに、剥離バー23の下面は支持ドラム
3の下端部と略同じ高さに配置されており、支持ドラム
3とこの剥離バー23の間は転写シート5と受像シート
11が重なったまま搬送される。さらに、巻き取りロー
ラー25は、この巻き取りローラー25と剥離バー23
の間で転写シート5に所定の張力が加えられるように、
転写シート5を巻き取る。また、画像形成装置20は、
画像形成装置1と同様の図示しない操作パネル、入力装
置(図示省略)、及びコントローラー(図示省略)を備
えている。
【0059】この画像形成装置20では、操作パネルに
より転写を開始させると、支持ドラム3とピンチローラ
ー7が回転し、転写シート5と受像シート11が搬送さ
れる。また、吐出ヘッド21が転写シート5の色相に対
応する吐出情報に従って転写性促進材料の液滴を吐出す
る。この吐出ヘッド21による吐出と、受像シート11
の移動により受像シート11の受像面に画像様の潜像が
形成される。
【0060】受像シート11の受像面に形成された潜像
は、搬送に伴い、赤外線ランプ28近傍を通過して乾燥
される。さらなる搬送により受像シート11はピンチロ
ーラー7に到達し、一方、転写シート5も搬送されて支
持ドラム3に到達する。転写シート5と受像シート11
は支持ドラム3とピンチローラー7の間を通ることによ
り密着され、加熱され、これにより転写記録層の潜像部
分のみが転写可能となる。
【0061】転写シート5及び受像シート11はさらに
搬送されて、剥離バー23に到達する。さらなる搬送に
より転写シート5は剥離バー23を通過し、剥離バー2
3の角部により屈曲される。このとき、転写シート5の
支持体と転写記録層の許容曲げ半径の違いにより、両者
の剥離が促進される。さらなる搬送により転写シート5
と受像シート11は剥離され、転写シート5の支持体か
ら剥離した画像様の転写記録層が受像シート11に転写
される。この画像は赤外線ランプ27により乾燥され
る。
【0062】この場合、転写シート5及び受像シート1
1のそれぞれの密着される面の膜面温度は、転写性促進
材料として用いられる溶媒の種類、溶媒の組み合わせに
より予め設定されており、この設定温度に基づいて赤外
線ランプ28と電気ヒーター27による加熱温度が設定
される。
【0063】上記操作により単色の画像が得られ、この
操作を、同一の受像シート11について転写シート5の
転写記録層の色相を変えながら繰り返すことにより、多
色画像を形成することができる。この画像形成装置20
においても、電気ヒーター27、28により2次色カブ
リ、ドットの広がりが防止される。
【0064】なお、この画像形成装置20はロール状の
転写シート5を用いるため、この転写シート上に色相の
異なる複数の転写記録層を、受像シート11の長さと同
じ幅に一定の順序で繰り返し形成することにより、多色
画像を転写する場合の転写シート5の交換の手間を省く
ことができる。
【0065】また、この画像形成装置20では、転写性
促進材料を水平に配置された受像シート11に向けて真
下に吐出しているため、インクの飛翔方向を制御しやす
く、また、シートに付着した転写性促進材料が垂れるお
それがなく、潜像形成における位置精度を上げることが
できる。
【0066】なお、この画像形成装置20では、転写シ
ート5の支持体と転写記録層の剥離をより促進するため
に、巻き取りローラ25を剥離バー23の真上に近い位
置に配置し、直角に近い角度で転写シート5が受像シー
ト11から剥離されるようにすることが好ましい。
【0067】次に図3の画像形成装置30について説明
する。この画像形成装置30は、時計周りに回転可能な
中空の担持ドラム32と、担持ドラム32から離間され
た供給ドラム34と、供給ドラム34より担持ドラム3
2の回転方向の下流側に、担持ドラム32と離間して配
置された巻き取りドラム36とを備えている。供給ドラ
ム34と巻き取りドラム36には、転写シート5が、そ
の転写記録層が担持ドラム32側に配置されるように、
巻きつけられている。この転写シート5には、支持体上
に色相の異なる複数の転写記録層が所定の幅で繰り返し
形成されたものが使用される。
【0068】供給ドラム34と巻き取りドラム36の間
には、両端部がアーム38に連結された、電気ヒーター
を内臓した加熱押さえローラ40が転写シート5の転写
記録層とは反対側に配置されている。アーム38の加熱
押さえローラ40とは反対側の端部38Aは固定されて
いる。また、アーム38は図示しない駆動手段に連結さ
れており、これにより加熱押さえローラ40が、図中矢
印Aで示されるように、アーム38の固定された端部3
8Aを支点として、担持ドラム32と近接する位置から
担持ドラム32と離間した位置まで移動できるようにな
っている。
【0069】加熱押さえローラ40が担持ドラム32と
近接する位置に配置されたときの担持ドラム32と加熱
押さえローラ40との間隔は、転写シート5と受像シー
ト11の厚みの和よりも短く設定されており、転写シー
ト5と受像シート11は担持ドラム32と加熱押さえロ
ーラ40との間を通過することにより加圧され、密着さ
れる。
【0070】担持ドラム32内部には、加熱押さえロー
ラ40と担持ドラム32のニップ部と、このニップ部よ
り担持ドラム32の回転方向上流側を加熱するための温
度可変の電気ヒーター42が配置されている。
【0071】また、画像形成装置30は、この担持ドラ
ム32の、加熱押さえローラ40より回転方向上流側の
位置に配置された押さえローラ44と、この押さえロー
ラ44まで受像シート11を、その受像面とは反対側の
面が担持ドラム32側に配置されるように、搬送する図
示しない搬送ロールとを備えている。
【0072】この押さえローラ44は一端が固定された
支持板46に連結されている。また、支持板46は図示
しない駆動手段に連結されており、これにより押さえロ
ーラ44が、図中矢印Bで示されるように、担持ドラム
32と接触する位置から担持ドラム32と離間した位置
まで移動できるようになっている。
【0073】担持ドラム32の外周には円周方向に沿っ
て複数のスリットが形成されており、このスリットの底
には担持ドラム32の内部へ通じる図示しない複数の貫
通孔が穿設されている。また、担持ドラム32の内部は
図示しない排気ポンプに連結されており、排気ポンプで
その内部を減圧することによって外周面に受像シート1
1を吸着できるようになっている。
【0074】担持ドラム32の、押さえローラ44より
回転方向上流側には、受像シート11の受像面に転写性
促進材料の液滴を画像様に吐出するための吐出ヘッド4
8が配置されている。この吐出ヘッド48は図1中の吐
出ヘッド13と同様の構造で福数のノズルを有し、受像
シート11の幅方向に沿って往復運動を繰り返す。この
往復運動の幅は受像シート11の幅と等しくなってい
る。
【0075】また、この担持ドラム32の回転方向の、
吐出ヘッド48と押さえローラ44の間には、受像シー
ト11上に吐出された転写性促進材料を加熱するための
赤外線ランプ50が設けられている。さらに、担持ドラ
ム32の回転方向の、加熱押さえローラ40と吐出ヘッ
ド48の間には、楔形排出板52が担持ドラム32の軸
方向に沿って配置されている。
【0076】この楔形排出板52の担持ドラム32とは
反対側の縁部は固定されており、また、楔形排出板52
は、担持ドラム32側の縁部が担持ドラム32と接触で
きる大きさを有している。また、楔形排出板52は図示
しない駆動手段に連結されており、これにより図中矢印
Cで示されるように、担持ドラム32側の縁部が担持ド
ラム32に接触する位置から担持ドラム32と離間した
位置まで移動できるようになっている。
【0077】また、楔形排出板52より、担持ドラム3
2の回転方向上流側には、乾燥手段としての赤外線ラン
プ54が配置されている。また、画像形成装置30は、
画像形成装置1と同様の図示しない操作パネル、入力装
置(図示省略)、及びコントローラー(図示省略)を備
えている。
【0078】次にこの画像形成装置30の作用を説明す
る。この画像形成装置30では、操作パネルにより転写
を開始させると、担持ドラム32が回転され、また排気
ポンプが駆動される。所定のサイズに裁断された受像シ
ート11は図示しない搬送手段により担持ドラム32ま
で搬送される。このとき押さえローラ44は担持ドラム
32と接触する位置に配置されており、これにより押さ
えローラ44は受像シート11を担持ドラム32に押さ
えつける。押さえつけられた受像シート11は担持ドラ
ム32の外周面に吸着され、担持ドラム32の回転に伴
い加熱押さえローラ40の近傍に到達する。このとき、
加熱押さえローラ40は担持ドラム32と離間した位置
に配置されており、受像シート11は加熱押さえローラ
40と接触することなく、これを通過し、次いで赤外線
ランプ54を通過し、楔形排出板52の近傍に到達す
る。このとき、楔形排出板52の担持ドラム32側の縁
部は担持ドラム32と離間した位置に配置されており、
受像シート11は楔形排出板52と接触することなく、
これを通過する。
【0079】次いで、受像シート11は搬送されて吐出
ヘッド48の近傍に到達する。この吐出ヘッド48は、
転写シート5の担持ドラム32に対向する領域に配置さ
れた転写記録層の色相に対応する吐出情報に基づき、転
写性促進材料を受像シート11に向けて吐出する。幅方
向に移動するこの吐出ヘッド48による吐出と受像シー
ト11の移動により画像様の潜像が形成される。潜像が
形成された受像シート11は担持ドラム32の回転に伴
い、赤外線ランプ50の近くを通り、これにより潜像中
の成分の少なくとも一部が蒸発する。次いで、受像シー
ト11は押さえローラ44の近傍に到達する。このとき
押さえローラ44は担持ドラム32から離間した位置に
配置されており、受像シート11は押さえローラ44と
接触することなく、これを通過する。
【0080】次いで、受像シート11は担持ドラム32
の回転に伴い、電気ヒーター42の近傍に配置され、加
熱が開始され、潜像部に接着性が発現しはじめる。受像
シート11はさらなる搬送により加熱押さえローラ40
の近傍に到達する。このとき加熱押さえローラ40は担
持ドラム32の近傍に移動されており、受像シート11
は、潜像を挟むように転写シート5と密着され、加熱さ
れる。受像シート11は担持ドラム32の回転に伴い転
写シート5から剥離される。剥離後の受像シート11上
には潜像に対応する画像が転写され、この画像は赤外線
ランプ54により乾燥される。一方、転写シート5は受
像シート11の移動に伴って、移動し、巻き取りローラ
36に巻き取られる。別の色相(2色目)の転写記録層
が担持ドラム32に対向する領域に配置されたときに、
加熱押さえローラ40は担持ドラム32から離間した位
置に配置される。
【0081】乾燥された画像が形成された受像シート1
1は、担持ドラム32の回転に伴い楔形排出板52の近
傍に到達し、担持ドラム32から離間した位置に配置さ
れた楔形排出板52と接触することなく、これを通過す
る。
【0082】次いで、受像シート11は、担持ドラム3
2の回転に伴い、吐出ヘッド48の近傍に到達する。以
下、前述と同様に、潜像の形成、潜像の乾燥、転写、画
像の乾燥という一連の操作が転写シート5上の転写記録
層の残りの色相について行われる。
【0083】所望の多色画像が形成された受像シート1
1は担持ドラム32の回転に伴い、楔形排出板52の近
傍に到達する。このとき楔形排出板52の担持ドラム3
2側の縁部は担持ドラム32と接触する位置に配置され
ており、受像シート11は楔形排出板32により担持ド
ラム32から剥離される。
【0084】この画像形成装置30においても、転写シ
ート5及び受像シート11のそれぞれの密着される面の
膜面温度は、転写性促進材料として用いられる溶媒の種
類、溶媒の組み合わせ等により予め設定されており、こ
の設定温度に基づいて赤外線ランプ54と赤外線ランプ
50による加熱温度が設定され、これにより2次色カブ
リ、ドットの広がりが防止される。なお、電気ヒーター
42、赤外線ランプ50、54は、これらの設定温度が
同じである場合には、担持ドラム32の表面全体を加熱
する一つの電気ヒーターで置換することができる。
【0085】次に図4の画像形成装置60について説明
する。なお、図3の画像形成装置30の構成と同一の構
成には同一の符号を付して説明を省略する。この画像形
成装置60は、時計周りに回転可能で、担持ドラム32
の軸方向とその軸方向が平行になっている供給ドラム6
2を備える。この供給ドラム62は、Y(イエロー)、
M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の転写
記録層を有する転写シート5がそれぞれ巻きつけられた
ボビン62A〜D、と予備ボビン62Eを備えている。
【0086】また、画像形成装置60は、担持ドラム3
2上であって、楔形排出板52より担持ドラム32の回
転方向上流側に、上下方向に移動可能で、反時計周りに
回転可能な押さえドラム64を備えている。押さえドラ
ム64が担持ドラム32と近接する位置に配置されたと
きの担持ドラム32と押さえドラム64との間隔は、転
写シート5と受像シート11の厚みの和よりも短く設定
されており、転写シート5と受像シート11は担持ドラ
ム32と押さえドラム64との間を通過することにより
加圧され、密着される。
【0087】この押さえドラム64にも、担持ドラム3
2と同様、スリットと貫通孔が形成されている。また、
押さえドラム64の内部は図示しない排気ポンプに連結
されており、排気ポンプでその内部の減圧が可能となっ
ている。
【0088】この押さえドラム64内には、担持ドラム
32と押さえドラム64のニップ部と、このニップ部よ
り押さえドラム64の回転方向上流側を加熱するための
温度可変の電気ヒーター66が配置されている。
【0089】また、担持ドラム32内には、担持ドラム
32と押さえドラム64のニップ部と、このニップ部よ
り担持ドラム32の回転方向上流側を加熱するための温
度可変の電気ヒーター68が配置されている。
【0090】さらに、押さえドラム64より、担持ドラ
ム32の回転方向上流側には、押さえローラ70が配置
されている。この押さえローラ70は、一端は固定され
た支持板72の他端と連結されている。また、この支持
板72は図示しない駆動手段に連結されており、これに
より押さえローラ70は、図中矢印Dで示されるよう
に、担持ドラム32と接触する位置から担持ドラム32
と離間した位置まで移動できるようになっている。
【0091】また、画像形成装置60は、供給ドラム6
2から供給された転写シート5を転写記録層が上に配置
された状態で押さえローラ70まで搬送する搬送ローラ
74と、転写シート5の搬送路上、且つ供給ドラム62
近傍に配置されたカッター76を備えている。
【0092】さらに、画像形成装置60は、押さえドラ
ム64の上に押さえローラ78を備えている。この押さ
えローラ78は、一端が固定された支持板80の他端と
連結されている。また、この支持板80は図示しない駆
動手段に連結されており、これにより押さえローラ78
は、図中矢印Eで示されるように、押さえドラム64と
接触する位置から押さえドラム64と離間した位置まで
移動できるようになっている。押さえローラ78より、
押さえドラム64の回転方向の下流側には、楔形排出板
82が押さえドラム64の軸方向に沿って配置されてい
る。
【0093】この楔形排出板82の押さえドラム78と
は反対側の縁部は固定されており、また、楔形排出板8
2は、押さえドラム64側の縁部が押さえドラム64と
接触できる大きさを有している。さらに、楔形排出板8
2は図示しない駆動手段に連結されており、図中矢印F
で示されるように、押さえドラム64側の縁部が押さえ
ドラム64に接触する位置から押さえドラム64と離間
した位置まで移動できるようになっている。
【0094】さらに、押さえローラ78の楔形排出板8
2とは反対側には、受像シート11が巻きつけられた供
給ドラム84、受像シート11を、受像面が上に配置さ
れた状態で、供給ドラム84から押さえローラ78まで
搬送する搬送ローラ86、供給ドラム84の近傍に配置
されたカッター88を備えている。
【0095】また、画像形成装置60は、担持ドラム3
2より、押さえドラム64の回転方向下流側に配置され
た乾燥手段としての赤外線ランプ90を備えている。画
像形成装置60は、画像形成装置1と同様の図示しない
操作パネル、入力装置(図示省略)、及びコントローラ
ー(図示省略)を備えている。
【0096】次にこの画像形成装置60の作用を説明す
る。この画像形成装置60では、操作パネルにより転写
を開始させると、押さえドラム64が担持ドラム32か
ら離間した位置に配置され、押さえドラム64は反時計
周りに、担持ドラム32は時計周りにそれぞれ回転され
る。また、排気ポンプが駆動される。次いで供給ドラム
62が回転されて、所望の色相の転写シート5が巻かれ
たボビン62がカッター76の近傍に配置され、供給ド
ラム62の回転が停止される。
【0097】次いで、このボビン62が回転され、転写
シート5が搬送され、所定の長さの転写シート5がボビ
ン62から引き出されたときに、カッター76により切
断される。ボビン62の回転は停止され、切断された転
写シート5は搬送ローラ74により搬送されて、押さえ
ローラ70の近傍に配置される。このとき、押さえロー
ラ70は担持ドラム32に接触する位置に配置されてお
り、転写シート5は押さえローラ70によって担持ドラ
ム32に押さえつけられ、担持ドラム32に吸着され
る。
【0098】吸着された転写シート5は担持ドラム32
の回転に伴い、楔形排出板52の近傍に到達する。この
とき、楔形排出板52は担持ドラム32から離間した位
置に配置されており、転写シート5は楔形排出板52と
接触することなく、これを通過する。
【0099】次いで、転写シート5は吐出ヘッド48の
近傍に配置され、吐出ヘッド48は転写シートの色相に
対応する吐出情報に応じて転写性促進材料を吐出し、吐
出ヘド48による吐出と転写シート5の移動により転写
シート5上に画像様の潜像が形成される。潜像が形成さ
れた転写シート5は担持ドラム32の回転に伴い、赤外
線ランプ50の近傍を通過し、これにより潜像が乾燥さ
れる。さらなる搬送により、転写シート5は電気ヒータ
ー68の近傍に到達し、加熱が開始され、次いで押さえ
ローラ70の近傍に搬送される。
【0100】このとき、押さえローラ70は担持ドラム
32から離間した位置に配置されており、転写シート5
は押さえローラ70と接触することなく、これを通過
し、押さえドラム64とのニップ部に向けて移動され
る。
【0101】一方、供給ドラム84が回転されると、受
像シート11が搬送され、所定の長さの受像シート11
がこの供給ドラム84から引き出されたときに、カッタ
ー88により切断される。供給ドラム84の回転は停止
され、切断された受像シート11は搬送ローラ86によ
り搬送されて、押さえローラ78の近傍に配置される。
このとき、押さえローラ78は押さえドラム64に接触
する位置に配置されており、受像シート11は押さえロ
ーラ78によって押さえドラム64に押さえつけられ、
押さえドラム64に吸着される。
【0102】吸着された受像シート11は押さえドラム
64の回転に伴い、楔形排出板82の近傍に到達する。
このとき、楔形排出板82は押さえドラム64から離間
した位置に配置されており、受像シート11は楔形排出
板82と接触することなく、これを通過する。次いで、
さらなる搬送により、受像シート11は電気ヒーター6
6の近傍に到達し、加熱が開始され、さらに担持ドラム
32とのニップ部に向けて移動される。
【0103】受像シート11と転写シート5が所定のタ
イミングで押さえドラム64と担持ドラム32の間に搬
送されると、押さえドラム64は担持ドラム32の近傍
に移動される。受像シート11と転写シート5はそれぞ
れ押さえドラム64、担持ドラム32の回転に伴い、押
さえドラム64と担持ドラム32の間を同時に通過し、
これらのドラムにより加圧されて、密着され、加熱され
る。密着された受像シート11と転写シート5はそれぞ
れ押さえドラム64、担持ドラム32の回転に伴い、剥
離され、受像シート上に潜像に対応した画像が形成され
る。
【0104】剥離後、押さえドラム64は担持ドラム3
2から離間した位置に移動される。受像シート11は押
さえドラム64の回転に伴い、赤外線ランプ90の近傍
を通過し、これにより転写画像が乾燥される。次いで、
乾燥された転写画像を有する受像シート11は押さえロ
ーラ78の近傍に到達する。このとき押さえローラ78
は押さえドラム64から離間した位置に配置されてお
り、受像シート11は押さえローラ78と接触すること
なく、これを通過する。
【0105】引き続き、受像シート11は押さえドラム
64の回転に伴い、楔形排出板82の近傍に到達し、押
さえドラム64から離間した位置に配置された楔形排出
板82と接触することなく、これを通過し、担持ドラム
32とのニップ部に向けて搬送される。押さえドラム6
4は、潜像が形成された次の転写シート5が押さえドラ
ム64と担持ドラム32の間に搬送されるまで、必要に
応じて回転を停止してもよい。
【0106】他方、剥離後、転写シート5は担持ドラム
32の回転に伴い、楔形排出板52の近傍に到達する。
このとき楔形排出板52の担持ドラム32側の縁部が担
持ドラム32と接触する位置に配置されており、転写シ
ート5は楔形排出板52により担持ドラム32から剥離
される。
【0107】次いで供給ドラム62が回転されて、別の
色相の転写シート5が巻かれたボビン62がカッター7
6の近傍に配置される。このボビン62から供給された
転写シート5は、上記と同じ手順により、切断され、搬
送され、担持ドラム32に吸着され、潜像を形成され、
潜像が乾燥されて、押さえドラム64とのニップ部に向
けて搬送される。
【0108】転写画像が形成された受像シート11と潜
像が形成された転写シート5が所定のタイミングで押さ
えドラム64と担持ドラム32の間に搬送されると、押
さえドラム64は担持ドラム32の近傍に移動される。
これにより転写シート5と受像シート11は、上記と同
様に密着され、加熱され、剥離される。剥離後、受像シ
ート11に形成された転写画像は上記と同様に乾燥さ
れ、一方転写シート5は排出される。
【0109】以上の操作を繰り返し、所望の多色画像が
受像シート上に転写され、乾燥されると、楔形排出板8
2の押さえドラム64側の縁部が押さえドラム64と接
触する位置に配置され、受像シート11は楔形排出板8
2により押さえドラム64から剥離される。
【0110】この画像形成装置60においても、転写シ
ート5及び受像シート11のそれぞれの密着される面の
膜面温度は、転写性促進材料として用いられる溶媒の種
類、溶媒の組み合わせ等により予め設定されており、こ
の設定温度に基づいて赤外線ランプ90と赤外線ランプ
50による加熱温度が設定され、これにより2次色カブ
リ、ドットの広がりが防止される。なお、赤外線ランプ
50、電気ヒーター68は、これらの設定温度が同じで
ある場合には、担持ドラム32の表面全体を加熱する一
つの電気ヒーターで置換することができる。また、電気
ヒーター66は省略してもよいが、電気ヒーター66が
ある場合には受像層への転写が確実に行われるという効
果が得られる。
【0111】次に図5の画像形成装置100について説
明する。この画像形成装置100は時計周りに回転可能
な担持ドラム102を備えている。担持ドラム102
も、担持ドラム32と同様、スリットと貫通孔が形成さ
れている。また、担持ドラム102の内部は図示しない
排気ポンプに連結されており、排気ポンプでその内部の
減圧が可能となっている。
【0112】この担持ドラム102の周りには、4つの
転写部104、即ち、第1転写部104A、第2転写部
104B、第3転写部104C、及び第4転写部104
Dが時計周りに配置されている。各転写部104は、担
持ドラム102の回転方向上流側から順に、吐出ヘッド
106、支持ローラ108、及び赤外線ランプ110を
備えている。吐出ヘッド106は図1中の吐出ヘッド1
3と同様の構造を有し、担持ドラム102の軸方向に沿
って往復運動を行う。また、この吐出ヘッド106は複
数のノズル孔を有している。
【0113】また、支持ローラ108は温度可変の電気
ヒーターを内蔵しており、担持ドラム102と近接した
位置に配置されている。担持ドラム102と支持ローラ
108との間隔は、転写シート5と受像シート11の厚
みの和よりも短く設定されており、転写シート5と受像
シート11は担持ドラム102と支持ローラ108との
間を通過することにより加圧され、密着される。
【0114】支持ローラ108の両側には、転写シート
5を搬送するための搬送ローラ112が配置されてお
り、転写シート5は転写記録層が担持ドラム102側に
配置されるようにこれらの搬送ローラ112及び支持ロ
ーラ108に巻き掛けられている。なお、各転写部10
4はそれぞれ色相の異なる転写シート5を備えている。
【0115】第1転写部104A、第2転写部104
B、第3転写部104C、第4転写部104Dにおける
吐出ヘッド106と支持ローラ108との間にはそれぞ
れ赤外線ランプ109が設けられている。第1転写部1
04Aの吐出ヘッド106より担持ドラム102の回転
方向上流側には、押さえローラ114が配置されてい
る。この押さえローラ114は、一端が固定された支持
板116の他端と連結している。この支持板116は図
示しない駆動手段に連結されており、これにより押さえ
ローラ114は、図中矢印Gで示されるように、担持ド
ラム102と接触する位置から担持ドラム102と離間
した位置まで移動できるようになっている。
【0116】また、画像形成装置100は、この押さえ
ローラ114まで、受像シート11を搬送する図示しな
い搬送ロールを有している。受像シート11は、各転写
部104の吐出ヘッド106の往復運動の幅と等しい幅
を有し、受像面とは反対側が担持ドラム102側に配置
されるように搬送される。
【0117】また、第2転写部104Bと第3転写部1
04Cの間には、楔形排出板118が担持ドラム102
の軸方向に沿って配置されている。この楔形排出板11
8の担持ドラム102とは反対側の縁部は固定されてお
り、また、楔形排出板118は、担持ドラム102側の
縁部が担持ドラム102と接触できる大きさを有してい
る。さらに、楔形排出板118は図示しない駆動手段に
連結されており、これにより、図中矢印Hで示されるよ
うに、担持ドラム118側の縁部が担持ドラム102に
接触する位置から担持ドラム102と離間した位置まで
移動できるようになっている。また、画像形成装置10
0は、画像形成装置1と同様の図示しない操作パネル、
入力装置(図示省略)、及びコントローラー(図示省
略)を備えている。
【0118】次にこの画像形成装置100の作用を説明
する。この画像形成装置100では、操作パネルにより
転写を開始させると、担持ドラム102が回転され、排
気ポンプが駆動される。次いで、図示しない搬送ローラ
により受像シート11が押さえローラ114まで搬送さ
れる。このとき、押さえローラ114は担持ドラム10
2と接触する位置に配置されており、受像シート11は
押さえローラ114により担持ドラム102に押さえつ
けられ、担持ドラム102に吸着される。
【0119】担持ドラム102の回転に伴い、受像シー
ト11は第1転写部104Aの吐出ヘッド106の近傍
に到達する。この吐出ヘッド106は、第1転写部10
4Aの転写シート5の色相に対応する吐出情報に基づき
転写性促進材料を受像シート11に向けて吐出する。吐
出ヘッド106による吐出と受像シート11の移動によ
り受像シート11上に画像様の潜像が形成される。潜像
が形成された受像シート11は、赤外線ランプ109に
より乾燥された後、第1転写部104Aの支持ローラ1
08に到達し、ここで転写シート5と密着され、支持ロ
ーラ108内の電気ヒーターにより加熱される。さらな
る搬送により、受像シート11は転写シート5と剥離さ
れ、受像シート11上には潜像に対応した画像が形成さ
れる。画像が形成された受像シート11は、担持ドラム
102の回転に伴い、第1転写部104Aの赤外線ラン
プ110の近傍を通過し、この赤外線ランプ110によ
り画像が乾燥される。
【0120】画像が乾燥された受像シート11は、さら
なる搬送により、第2転写部104Bに到達し、ここで
前記と同様により、潜像形成、転写、乾燥が行われる。
2色の画像が形成された受像シート11は、担持ドラム
102の回転に伴い、楔形排出板118の近傍に到達す
る。このとき、楔形排出板118の担持ドラム102側
の縁部は担持ドラム102と離間した位置に配置されて
おり、受像シート11は楔形排出板118と接触するこ
となく、これを通過し、第3転写部104Cに到達す
る。ここで、同様に潜像形成、転写、乾燥が行われ、続
く第4転写部104Dでも、同様に画像が転写され、乾
燥される。
【0121】所望の多色画像が形成された受像シート1
1は、さらなる搬送により、押さえローラ114に到達
する。このとき、押さえローラ114は担持ドラム10
2と離間した位置に配置されており、受像シート11は
押さえローラ114と接触することなく、これを通過す
る。
【0122】受像シート11はさらに搬送されて、第1
転写部104Aに到達する。このとき第1転写部104
Aの吐出ヘッド106は転写性促進材料を吐出せず、受
像シート11は吐出ヘッド106を通過し、さらに支持
ローラ108と担持ドラム102のニップ部を通過す
る。しかし、受像シート11上には新たな潜像が形成さ
れていないため、画像は転写されない。引き続いて、受
像シート11は赤外線ランプ110を通過し、第2転写
部104Bに到達する。
【0123】受像シート11はこの第2転写部104B
も同様に素通りし、楔形排出板118の近傍に到達す
る。このとき、楔形排出板118の担持ドラム102側
の縁部は担持ドラム102と接触する位置に配置されて
おり、受像シート11は楔形排出板118により担持ド
ラム102から剥離される。
【0124】この画像形成装置100においても、転写
シート5及び受像シート11のそれぞれの密着される面
の膜面温度は、転写性促進材料として用いられる溶媒の
種類、溶媒の組み合わせにより予め設定されており、こ
の設定温度に基づいて赤外線ランプ109と赤外線ラン
プ110による加熱温度が設定され、これにより2次色
カブリ、ドットの広がりが防止される。なお、各転写部
104を直線状に配置し、受像シート11をこれらの転
写部104の下で水平に搬送してもよい。その場合に
は、吐出ヘッド106は下向きに転写性促進材料を吐出
できるため、位置精度を向上させることができ、また、
受像シート11は各転写部104を一度通過するだけな
ので、時間を短縮でき、転写シート5の無駄を省くこと
もできる。しかしながら、画像形成装置100の構成に
よれば、装置を小型化することができる。この画像形成
装置100において、転写シート5の無駄を省くため
に、第1転写部104Aと、第2転写部104Bの支持
ローラ108を移動可能にしてもよい。
【0125】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。な
お、本実施例においては、特に断りのない限り、「部」
は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。 実施例1 <転写性促進材料1の作製> 蒸留水 10部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 90部 上記成分を均一に攪拌し、転写性促進材料1を得た。 <転写シートの作製> (1) イエロー転写記録層の形成 ブチラール樹脂 12.0部 (積水化学工業(株)製、エスレックFPD−1、 軟化点70℃、平均重合度300以下) イエロー顔料 12.0部 (東洋インキ(株)製、CI.P.Y14) n−プロピルアルコール 110.4部 分散助剤 0.8部 (ICIジャパン(株)製 ソルスパースS−20000) 上記成分を分散機で十分分散させた分散液10部に対し
てステアリン酸アミド0.24部、n−プロピルアルコ
ール60部を加えイエロー転写記録層塗布液を形成し、
裏面に離型処理された厚み5μmのロール状のポリエス
テルフィルム支持体上に所定の幅に等間隔でこの塗布液
を塗布して、乾燥膜厚が0.36から0.38μmとな
るようにイエロー転写記録層を形成した。
【0126】(2) マゼンタ転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、マゼンタ顔料(東洋インキ
製、CI.P.R.57:1)を用いた他は、上記イエ
ロー転写記録層塗布液と同様にしてマゼンタ転写記録層
塗布液を調整し、前記ポリエステルフィルム支持体上の
イエロー転写記録層に隣接するように所定の幅でこのマ
ゼンタ転写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が0.3
6から0.38μmとなるようにマゼンター転写記録層
を形成した。
【0127】(3) シアン転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、シアン顔料(東洋インキ製、
CI.P.B.15:4)を用いた他は、上記イエロー
転写記録層塗布液と同様にしてシアン転写記録層塗布液
を調整し、前記ポリエステルフィルム支持体上のマゼン
タ転写記録層に隣接するように所定の幅でこのシアン転
写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が0.36から
0.38μmとなるようにシアン転写記録層を形成し
た。
【0128】(4) ブラック転写記録層の形成 イエロー顔料の代わりに、黒色顔料(三菱化成製、カー
ボンブラックMA−100)を用いた他は、上記イエロ
ー転写記録層塗布液と同様にしてブラック転写記録層塗
布液を調整し、前記ポリエステルフィルム支持体上のイ
エロー転写記録層とシアン転写記録層の間に所定の幅で
このブラック転写記録層塗布液を塗布して、乾燥膜厚が
0.36から0.38μmとなるようにブラック転写記
録層を形成して、転写シートを得た。 <受像シートの作製> 「第一層用塗布液」 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 160部 (日信化学(株)製、ソルバインCL2) エチレン−酢酸ビニル共重合体 61部 (三井デュポンケミカル(株)製、エルバロイ742) セバシン酸ポリエステル 28部 (日本曹達(株)製、FN−G25) パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4部 (大日本インキ化学工業(株)製、メガフアックF−178K) メチエチルケトン 630部 トルエン 210部 ジメチルホルムアミド 30部 「第二層用塗布液」 ポリビニルブチラール樹脂 16部 (電気化学工業(株)製、デンカブチラール#2000−L) N,N−ジメチルアクリルアミド−ブチルアクリレート共重合体 4部 パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.5部 (大日本インキ化学工業(株)製、メガフアックF−177) n−プロピルアルコール 200部 厚さ130μmのPETフイルム支持体上に回転塗布機
を使用して上記第一層用塗布液を塗布し、100℃で乾
燥させ、乾燥時の膜厚が20μmの第1層を形成した。
上記第一層上に回転塗布機を使用して、上記第二層用塗
布液を塗布し、100℃で乾燥させ、乾燥時の膜厚が2
μmの第二層を形成して、受像シートを作製した。 <転写>受像シートに向けて下向きに転写性促進材料1
を吐出する図2に示した画像形成装置20でピンチロー
ラ7の温度を80℃に設定し、上記の転写シート及び受
像シートを用いて、まず、受像シートの第2層上にイエ
ロー画像を転写した。このとき、転写シート上の潜像形
成面の温度が70℃になるように、赤外線ランプ28を
調整し、転写画像形成面の温度が80℃になるように赤
外線ランプ27を調整した。
【0129】同様の操作を、同一の受像シート及び各色
について繰り返し、フルカラーの画像を得た。得られた
画像には、2次色カブリが見られなかった。また、中間
調ベタ転写画像に濃度ムラがなかった。さらに、支持体
のしわや変形は見られなかった。また、吐出ヘッド21
をキャップをしないで96時間放置してもノズルの目詰
まりは発生しなかった。
【0130】実施例2 転写シート上の潜像形成面の温度が70℃になるよう
に、赤外線ランプ28を調整し、転写画像形成面の温度
が85℃になるように赤外線ランプ27を調整した他
は、実施例1と同様にして画像を形成した。得られたフ
ルカラー画像には、2次色カブリが見られなかった。ま
た、中間調ベタ転写画像に濃度ムラがなかった。さら
に、支持体のしわや変形は見られなかった。また、吐出
ヘッド21をキャップをしないで96時間放置してもノ
ズルの目詰まりは発生しなかった。
【0131】実施例3 転写性促進材料を下記に示すものに変えた他は、実施例
1と同様に、フルカラーの画像を得た。 <転写性促進材料2> ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル 5.0部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 35.0部 蒸留水 60部 得られたフルカラー画像には、2次色カブリが見られな
かった。また、中間調ベタ転写画像に濃度ムラがなかっ
た。さらに、支持体のしわや変形は見られなかった。さ
らに、吐出ヘッド21をキャップをしないで96時間放
置してもノズルの目詰まりは発生しなかった。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、転写記録層の転写温度
を低下させ得る転写性促進材料を転写シート又は受像シ
ートに画像様に付与して潜像を形成し、転写記録層の潜
像に対応する部分のみを受像シートに転写できるので、
インクジェット方式の欠点である記録媒体や色材に対す
る制限とノズルの目詰まりを解決でき、さらに、熱転写
方式の欠点である熱による支持体の損傷と画像のムラを
防止できる。また、同一受像シートに複数回転写像を重
ねて形成する場合にも二次色カブリを防止することがで
き、中間調ベタ転写画像に濃度ムラが発生することを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装
置を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装
置を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装
置を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装
置を示す概略構成図である。
【図5】 本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装
置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1、20、30、60、100 画像形成装置 3 支持ドラム(転写手段) 5 転写シート 7 ピンチローラー(転写手段) 11 受像シート 13、21、48、106 吐出ヘッド(付与手段) 26、27、28、50、54、90、109、110
赤外線ランプ 32、102 担持ドラム(転写手段) 40 押さえローラ(転写手段) 42、66、68 電気ヒーター(転写手段) 64 押さえドラム(転写手段) 108 支持ローラ(転写手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B44C 1/165 B44C 1/17 K 1/17 L B41J 3/00 E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に転写記録層を有する転写シー
    トと受像シートとを用いる画像形成方法において、 該転写シートの転写記録層表面又は該受像シートの受像
    面のいずれかに、転写記録層の転写温度を低下させ得る
    転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形成する潜像
    形成工程と、 該転写シートの転写記録層表面と該受像シートの受像面
    とを密着させて加熱し、転写記録層の潜像に対応する部
    分を該受像シート上に転写する転写工程と、 潜像形成工程と転写工程との間、及び該転写工程と前記
    潜像工程に続く次の潜像形成工程との間にそれぞれ設け
    られた乾燥工程と、を含むことを特徴とする画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 潜像形成工程と転写工程の間の乾燥工程
    の温度(T1)、及び該転写工程と前記潜像工程に続く
    次の潜像形成工程と間の乾燥工程の温度(T 2)とした
    とき、T2>T1であることを特徴とする請求項1に記載
    の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 潜像形成工程と転写工程の間の乾燥工程
    の温度(T1)、及び該転写工程と前記潜像工程に続く
    次の潜像形成工程と間の乾燥工程の温度(T 2)とした
    とき、T2≦T1であることを特徴とする請求項1に記載
    の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に転写記録層を有する転写シー
    トと受像シートとを用いる画像形成装置であって、 該転写シートの転写記録層表面又は該受像シートの受像
    面のいずれかに、転写記録層の転写温度を低下させ得る
    転写性促進材料を画像様に付与して潜像を形成する潜像
    形成手段と、 該転写シートの転写記録層の潜像に対応する部分を該受
    像シート上に転写する転写手段と、 潜像形成手段による潜像形成工程と前記転写手段による
    転写工程との間、及び前記転写手段による転写工程と前
    記潜像形成手段による潜像工程に続く次の潜像形成工程
    との間にそれぞれ設けられた乾燥手段と、を含むことを
    特徴とする画像形成装置。
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