JP2001191586A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2001191586A
JP2001191586A JP2000003669A JP2000003669A JP2001191586A JP 2001191586 A JP2001191586 A JP 2001191586A JP 2000003669 A JP2000003669 A JP 2000003669A JP 2000003669 A JP2000003669 A JP 2000003669A JP 2001191586 A JP2001191586 A JP 2001191586A
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JP2000003669A
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English (en)
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Akio Miyamoto
昭男 宮本
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式の欠点である画像形成材
料の制限とノズル詰まりの問題を解決し、熱転写方式の
欠点である熱による支持体の損傷と画像の不均一さを改
善し、耐光性、耐水性に優れ、ニジミの無い画像を、高
解像度で安価にムラ無く形成する。 【解決手段】 転写体9の転写記録層7表面又は受像体
15表面のいずれかに、転写記録層7を受像体7表面に
転写させるため、転写記録層7の転写温度を低下させる
溶液又は粘着性を有する溶液を画像様に付与して潜像を
形成し、転写体9の転写記録層7表面と受像体15表面
とを密着させて加熱し、潜像が形成された部分に対応す
る転写記録層7を受像体15上に転写する。このとき、
潜像を形成する転写温度を低下させる溶液又は粘着性を
有する溶液の表面と、潜像を形成する面とのなす接触角
を少なくとも40゜有するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】熱転写方式を応用した画像形
成方法及びそれに用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、フィルム等の転写体に画像を形成す
る方法の一つに熱転写方式がある。この熱転写方式は、
転写材料である顔料系トナーからなる転写層を支持体表
面に形成した転写体(トナーシート)を、紙、フィルム
等の受像体(受像シート)と重ね、トナーシートの支持
体の背面側からサーマルヘッド、レーザーヘッド等にて
画像様に熱を加え、トナーを受像シートヘ熱転写して、
受像シート上に画像を形成するものである。この熱転写
方式には更に色素を昇華させて受像シートに転写するも
のもある。
【0003】また、受像シートヘの画像の形成方法に
は、熱転写によらず、インクを液滴として吐出させて画
像を形成するインクジェット方式がある。インクジェッ
ト方式は、インクヘッドが並設した複数のノズル孔と、
このノズル孔に連通し、壁の一部が振動板となる独立の
吐出室と、振動板上に取り付けられた圧電素子と、吐出
室にインクを供給する共通のインクキャビティとから構
成され、画像情報に基づいたパルス電圧を圧電素子に印
加することにより、振動板を機械的に撓ませて吐出室の
容積を増減させ、瞬間的に変動する室内の圧力を利用し
て、ノズル孔から液滴を吐出することにより、受像シー
ト上に画像を形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した熱転写方式の
うち、サーマルヘッドを使用する方法は、ヘッドの発熱
体抵抗値のバラツキ、ヘッドと転写体との接触状態、熱
転写体の支持体の厚さムラ等に起因して、温度分布が不
均一になり易く、その結果、形成される画像にムラが発
生する問題があった。また、局部的な高温加熱により、
支持体が変形してシワが発生し易くなるといった問題点
を有していた。さらに、レーザー光を使用する方法は、
装置コストが高くなり、高温瞬間加熱による素材分解等
による画像ムラが発生し易い問題があった。
【0005】一方、インクジェット方式では、先に述べ
た記録時の熱による支持体の変形の問題はないものの、
インクのノズル詰まりを防止し、安定して均一なインク
のドロップを形成する必要がある。このため、液物性
上、画像形成素材の制限が多々有り、自由に画像形成素
材を選択することができなかった。例えば、カラー画像
を形成する場合であっても、ノズル詰まりを防ぐ為に、
染料又は特定の顔料等の限られた素材の中からインク材
料を選択する必要があり、そのために印刷インク顔料と
同一の色相を再現できず、高精度の印刷プルーフ用プリ
ンターには適用できなかった。また、形成した画像の耐
光性、耐水性が低く、さらに、受像体上で染料がニジミ
易く、高解像度の画像が得られない問題もあった。
【0006】これらの問題を解決するために、本発明者
等は従来の熱転写方式に用いる転写材料に、転写温度を
低下させる液状物質を画像様に噴射供給した後、加熱転
写を行うことにより、ノズル詰まりを防止しつつ、均一
で色相再現性に優れた画像を形成する技術を特願平11
−170702号に出願している。しかし、この方法に
よれば良質の転写画像が得られる一方、転写体、受像体
の種類によっては転写工程で転写ドットが広がることが
あり、形成される画像の解像度が低下することが懸念さ
れていた。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、インクジェット方式の欠点である画像形成
材料の制限とノズル詰まりの問題を解決し、熱転写方式
の欠点である熱による支持体の損傷と画像の不均一さを
改善し、さらに以下に示す各事項を達成することを目的
としている。 1)従来インクジェット方式では使用困難であった画像
形成素材を用いて画像形成を可能とする。 2)高価なレーザーヘッドを使用することなく、安価に
ムラの無い画像を形成する。 3)支持体を損傷させず、しわを発生させることなく画
像を形成する。 4)耐光性、耐水性に優れ、ニジミの無い画像を形成す
る。 5)高解像度の画像を形成する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係る請求項1記載の画像形成方法は、支持体上に
転写記録層を設けてなる転写体と、前記転写記録層が転
写される受像体とを用いる画像形成方法であって、前記
転写体の転写記録層表面又は受像体表面のいずれかに、
前記転写記録層を前記受像体表面に転写させるため、前
記転写記録層の転写温度を低下させる溶液又は粘着性を
有する溶液を画像様に付与して潜像を形成する潜像形成
工程と、該転写体の転写記録層表面と受像体表面とを密
着させて加熱し、前記潜像が形成された部分に対応する
前記転写記録層を受像体上に転写する転写工程とを含
み、前記潜像形成性工程における転写温度を低下させる
溶液又は粘着性を有する溶液の表面と、前記潜像が形成
される面とのなす接触角が少なくとも40゜有している
ことを特徴とする。
【0009】この画像形成方法では、潜像形成工程にお
いて、転写体の転写記録層表面又は受像体表面のいずれ
かに、前記転写記録層の転写温度を低下させる溶液又は
粘着性を有する溶液を画像様に付与して潜像を形成し、
次いで、転写工程において、転写体の転写記録層表面と
受像体表面とを密着させて加熱することで、潜像形成部
分に対応する転写記録層を受像体表面に転写する。この
とき、潜像形成工程における転写温度を低下させる溶液
又は粘着性を有する溶液の表面と、前記潜像が形成され
る面とのなす接触角が少なくとも40゜有するように、
溶液と潜像が形成される面とを設定することにより、形
成された潜像が転写体と受像体とを密着させたときに転
写ドットが広がることが防止され、受像体上に転写記録
層が高解像度で直接的に画像形成されるようになる。以
て、画像解像度が向上すると共に、画像形成工程が単純
化され、安価にしてムラのない画像を形成できる。ま
た、従来の熱転写方式のように、支持体の厚みムラ、サ
ーマルヘッドとの接触ムラ、及び熱の拡散ムラ等に起因
して温度分布が不均一となることがなく、従来のインク
ジェット方式のように画像形成材料の選択に制約を受け
たり、ノズル詰まりを生じることがなくなる。
【0010】請求項2記載の画像形成方法は、前記潜像
形成工程と前記転写工程との間で、前記形成された潜像
に含まれる溶媒の少なくとも一部を加熱して蒸発させる
加熱乾燥工程を行うことを特徴とする。
【0011】この画像形成方法では、加熱乾燥工程によ
り潜像に含まれる溶媒の少なくとも一部を蒸発させるこ
とにより、転写工程時に転写ドットが広がることが防止
され、より高解像度の画像を得ることができる。
【0012】請求項2記載の画像形成装置は、支持体上
に熱転写材料からなる転写記録層を設けてなる転写体の
該転写記録層を、画像様に受像体に転写する画像形成装
置であって、前記転写体の転写記録層表面又は受像体表
面のいずれかに、前記転写記録層を前記受像体表面に転
写させるため、転写温度を低下させる溶液又は粘着性を
有する溶液を画像様に吐出して潜像を形成する液滴吐出
ヘッドと、前記転写体の転写記録層表面と受像体表面と
を密着させて挟み込み、少なくとも一方に加熱温度の制
御が可能な加熱手段を有する一対の加圧ローラとを備
え、前記吐出ヘッドにより形成される潜像の転写温度を
低下させる溶液又は粘着性を有する溶液の表面と、前記
潜像が形成される面とのなす接触角が少なくとも40゜
有していることを特徴とする。
【0013】この画像形成装置では、液滴吐出ヘッドに
より、転写体の転写記録層表面又は受像体表面のいずれ
かに、転写温度を低下させる溶液又は粘着性を有する溶
液を画像様に付与して潜像を形成し、次いで、加熱手段
を有する一対の加圧ローラにより、転写体の転写記録層
表面と受像体表面とを密着させて加熱することで、潜像
形成部分に対応する転写記録層だけを受像体表面に転写
する。この吐出ヘッドにより形成され潜像となる、転写
温度を低下させる溶液又は粘着性を有する溶液の表面
と、前記潜像が形成される面とのなす接触角が少なくと
も40゜有するように、溶液と潜像が形成される面とを
設定することにより、形成された潜像が転写体と受像体
とを密着させたときに転写ドットが広がることが防止さ
れ、受像体上に転写記録層が高解像度で直接的に画像形
成される。以て、画像解像度が向上すると共に、簡単な
構成で画像形成工程が単純化され、安価にしてムラのな
い画像を形成できる
【0014】請求項4記載の画像形成装置は、前記加圧
ローラにより前記転写体と受像体とを密着させる前に、
前記転写体又は受像体のうち、少なくとも前記潜像が形
成された方を加熱して、潜像に含まれる溶媒の少なくと
も一部を蒸発させる加熱乾燥手段を備えたことを特徴と
する。
【0015】この画像形成装置では、加熱乾燥手段によ
り潜像に含まれる溶媒の少なくとも一部を蒸発させるこ
とにより、転写時に転写ドットが広がることが防止さ
れ、より高解像度の画像を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る画像形成方法
及び画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。本発
明に係る画像形成方法は、支持体上に熱転写材料からな
る転写記録層を設けてなる転写体と、受像体とを、転写
記録層の転写温度を低下させる溶液又は粘着性を有する
溶液により潜像を形成した後に重ね合わせて転写する方
法であり、概略的には次のような工程からなる。
【0017】先ず、転写体の転写記録層表面又は受像体
表面のいずれかに、転写記録層を受像体表面に転写させ
るため、転写温度を低下させる溶液(詳しくは、転写温
度を低下させる素材を含む溶液)又は粘着性を有する溶
液(詳しくは、粘着性を有する素材を含む溶液)を画像
様に付与して潜像を形成する(潜像形成工程)。次い
で、転写体の転写記録層表面と受像体表面とを密着させ
て加熱し、潜像が形成された部分に対応する転写記録層
を受像体上に転写する(転写工程)。なお、このときの
加熱温度は、潜像の非形成部分(転写温度を低下させる
溶液又は粘着性を有する溶液の付着しない部分)が転写
される温度よりも低く、且つ潜像形成部分が転写される
温度以上に設定する。また、必要に応じて、潜像形成工
程の後に、形成された潜像に含まれる溶媒の少なくとも
一部を加熱することにより蒸発させる加熱乾燥工程を導
入してもよい。このときの加熱温度は、転写記録層の転
写結果に応じて制御され、最適な転写が行い得る温度に
常に保つように制御する。この加熱乾燥工程により、転
写ドットの広がりが防止され解像度の低下を防止でき
る。上記潜像形成工程と転写工程、また、必要に応じて
導入される加熱乾燥工程を行った後、受像体から転写体
を剥離することで受像体表面に高解像度で画像様に転写
記録層が転写され、所望の画像が得られる。
【0018】ここで、潜像吐出工程における吐出溶液
の、潜像が形成される転写体面、又は受像体面に対する
接触角を制御することで、転写ドットの広がりを抑える
ことができる。即ち、転写性を向上させる溶液の、潜像
を形成する面(転写体の転写面又は受像体の受像面)に
対する接触角が少なくとも40゜有し、好ましくは、少
なくとも50゜有する場合、転写ドットの広がりを効果
的に抑制することができる。この接触角は、転写性を向
上させる素材の溶液が潜像形成面に対して、相対的に少
なくとも40゜有していればよく、この範囲内に入るよ
うに溶液や潜像形成面を選択する。このとき、適正な吐
出を得るために、溶液の表面張力をおよそ25〜50×
10―3[N/m]程度に設定する必要がある。この表
面張力が溶液としての接触角を決定する要因となり、潜
像形成面の表面特性が画像形成面の接触角を決定する要
因となる。この吐出液と潜像形成面を適切に選択して、
接触角を少なくとも40゜有するようにすることで、転
写ドットの広がりを抑えて解像度の低下を防ぐことがで
きる。また、潜像を形成する潜像形成工程と転写工程と
の間に、加熱乾燥工程を導入することで、解像度を向上
させる効果をより高めることができる。なお、接触角が
高すぎると、潜像形成面で液滴が移動しやすくなるた
め、接触角の上限は使用する装置の機構、転写体・受像
体の搬送速度等に応じて決定される。
【0019】ここでいう転写温度を低下させる素材の具
体例としては、水、有機溶剤類、界面活性剤類が挙げら
れる。有機溶剤類としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアル
コール、ter−ブチルアルコール等の炭素数1−4の
アルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類、エチレングリコール、1,
2,6ヘキサントリオール、チオジグリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、グリセリン等の1価又は多価アルコール類、
ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
モノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメ
チルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコー
ル等のケトン類又はケトアルコール類、Nメチル2ピロ
リドン、2ピロリドン、1,3ジメチル2イミダゾリジノ
ン等が挙げられる。
【0020】また、界面活性剤類として、アニオン、カ
チオン、ノニオン、両性の活性剤類が挙げられ、具体的
には、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルファン酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレ
ンスルフォン酸ホルマリン縮合物のNa塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルア
ルカノールアミン、アルキルアミン塩、アルキルベタイ
ン等が挙げられる。
【0021】そして、ここでいう粘着性の素材とは、常
温又は加熱時に粘着性を有する物質を指し、主として有
機重合体を挙げることができる。具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル等のアクリル系モノマーの単独重合体及びその
共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコ
ール、ポリ塩化ビニル等のようなビニル系モノマーの単
独重合体及びエチレン−酢酸ビニル等それらの共重合
体、ポリエステル、ポリアミド等のような縮合系ポリマ
ー、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体のようなゴム系ポリマーを挙げる
ことができる。これらの中でも、ガラス転移点(Tg)
が90℃よりも低いポリマーであることが好ましい。ま
た、これらは水への乳化分散体、所謂ラテックス状態で
存在するものであっても良い。
【0022】また、転写温度を低下させる溶液とは、転
写温度を低下させる素材を、水又は有機溶剤類の溶媒に
溶解又は分散した溶液をいい、粘着性を有する溶液と
は、粘着性を有する素材を、水又は有機溶剤類の溶媒に
溶解又は分散した溶液をいう。ここにいう有機溶剤類と
は、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール
のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、等のアミド類、エチレングリコー
ル、1,2,6ヘキサントリオール、チオジグリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、グリセリン等の1価又は多価ア
ルコール類、ジオキサン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリ
コールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、
メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン
類又はケトアルコール類等を挙げることができる。
【0023】これら水又は有機溶剤類は、転写温度を低
下させる素材又は粘着性を有する素材を溶解又は分散さ
せるために、各々単独に使用してもよく、複数種類の溶
剤を混合して使用してもよい。また、上記溶液には、吐
出適性、液の保存安定性、接着特性を改善するために、
表面張力調整材、防黴材、粘度調整材、pH調整材、消
泡材、可塑剤等を併用することができる。
【0024】次に、本発明に係る画像形成方法に用いら
れる転写体の材料について説明する。転写体は、支持体
上に熱転写材料からなる転写記録層を有するものであ
る。以下、転写体を構成する支持体、転写記録層、及び
必要に応じて設けられるその他の層について詳述する。
【0025】[支持体]転写体の支持体は、その材質に
は特に限定はないが、各種の支持体材料を目的に応じて
用いることができる。支持体材料の好ましい例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体等の合成樹脂材料
を挙げることができる。中でも、二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートが機械的強度に優れ、熱に対する寸法安
定性が高いために好ましい。
【0026】支持体には、支持体上に設けられる転写記
録層との密着性を向上させるために、表面の粗面化処理
を施したり、一層又は二層以上の下塗り層を付設するこ
とが好ましい。表面の粗面化処理の例としては、グロー
放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下
塗り層の材料としては、支持体と転写記録層の両表面に
高い接着性を示し、且つ耐熱性に優れたものであること
が好ましい。そのような下塗り層の材料の例としては、
スチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ゼラチン等
を挙げることができる。下塗り層全体の厚さは通常0.
01〜2μmである。また、熱転写シートの転写記録層
付設側とは反対側の表面には、必要に応じて、離型層等
の各種機能層の付設、或いは処理を行うこともできる。
【0027】[転写記録層]転写記録層は、有色画像を
形成する場合には、受像シートに転写されて着色画像を
形成するための顔料を少なくとも含有し、更に、層を形
成するためのバインダー樹脂、及び必要に応じてその他
の成分を含有する。なお、本発明における転写記録層
は、必ずしも有色の記録層に限定されることはなく、例
えば、平版印刷版等の作製用としている場合は、有色の
顔料を含まずに無色の樹脂層であっても良い。また、電
子回路作製用としている場合は転写記録層が金属類であ
っても良い。ただし、前述の転写温度を低下させる溶液
又は粘着性を有する溶液により、転写の発生する特性を
有することが必要である。なお、一般に顔料は有機顔料
と無機顔料とに大別されるが、いずれの顔料であっても
転写記録層に用いることができる。
【0028】本実施形態の画像形成方法をカラープルー
フとして印刷校正用に用いる場合は、印刷インキに一般
に使用される黒(K)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)、又は特別色の顔料と一致する
か、或いは印刷インキに色調の近い顔料が使用される。
顔料類の具体例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン
系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、
キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ニトロ
系顔料、金属粉、蛍光顔料、無機鉱物系顔料等が挙げら
れる。これらの顔料を使用することで、形成される画像
の耐光性、耐水性を向上でき、ニジミの無い画像を得る
ことができる。
【0029】[バインダ樹脂]転写記録層のバインダ樹
脂としては、軟化点が40〜150℃の非晶質有機高分
子重合体を用いることが好ましい。具体例としては、ブ
チラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹
脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹
脂、石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、αメチルス
チレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニル
安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノス
チレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重合
体や共重合体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、塩ビ、酢酸ビニル等のビニル系単量体、或いは他
との共重合体等が挙げられる。この他にも必要に応じ
て、可塑剤類、界面活性剤類、粘度調整剤等が適宜使用
される。
【0030】転写記録層は、顔料と前記バインダー樹脂
等とを溶解又は分散した塗布液を調整し、これを支持体
上(支持体上の前記下塗り層上)に塗布し、乾燥するこ
とにより設けることができる。塗布液の調整に使用され
る溶媒としては、n−プロピルアルコール、メチルエチ
ルケトン、メタノール等が挙げられる。なお、転写記録
層の乾燥膜厚は0.1〜1.5μm程度である。
【0031】[受像体]本実施形態に用いる受像体とし
ては、アートコート紙、軽量コート紙、マットコート紙
等のコート紙、上質紙、中質紙等非コート紙、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、金属板、金属箔フィル
ム、ガラスエポキシシート、及び専用の受像シート等を
用いることができる。
【0032】以下に専用の受像シートの例について述べ
る。専用の受像シートは、支持体とその上に、1層以上
の受像層が設けられ、所望により、支持体と受像層との
間にクッション層、剥離層、及び中間層のいずか1層又
は2層以上を設けた構成とすることができる。この専用
受像紙を用いた場合は、転写体の転写面の接着強度を強
くすることができる。専用受像紙の支持体としては、プ
ラスチックシート、金属シート、ガラスシート、紙のよ
うな通常のシート状の基材が挙げられる。支持体が微少
な空隙を有すると、カールの発生を防止でき、画質を向
上させることができるので好ましい。このような支持体
は、例えば熱可塑性樹脂と、無機顔料や前記熱可塑性樹
脂と被相溶性の高分子からなる填料とを混合した混合溶
融物を溶融押し出し機によって単層又は多層のフィルム
とし、さらに1乃至2軸に延伸することにより作製する
ことができる。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、及びポリエチレンテレフタレ
ート樹脂を主成分とし、それに適宜少量の多の熱可塑性
樹脂を併用することが好ましい。
【0033】受像シートの支持体の厚さは、通常10〜
400μmであるのが好ましい。また、支持体の表面
は、受像層(或いはクッション層)との密着性、又は熱
転写シートの画像形成層との密着性を高めるために、コ
ロナ放電、グロー放電処理等の表面処理が施されても良
い。受像シートの表面には、画像形成層を転写し、これ
を固定するために支持体上に受像層を1層以上設けるこ
とが好ましい。受像層は、有機重合体バインダーを主体
として形成される層が好ましい。前記バインダーは、熱
可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル等のアクリル系モノマーの単独重合体、及びそ
の共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアルコール、ポリ塩化ビニル等ビニル系モノマーの単
独重合体及びその共重合体、ポリエステル、ポリアミド
等縮合系ポリマー、ブタジエン-スチレン共重合体等の
ゴム系ポリマーを挙げることができる。
【0034】受像層のバインダーは、画像形成層との適
度な接着力を得るために、ガラス転移点(Tg)が90
℃より低いポリマーであることが好ましい。このため
に、可塑剤を添加することも可能である。本発明の画像
形成方法により、受像層上に一旦画像を形成した後、印
刷用シート等へ再転写することができる。この受像層の
厚みは例えば0.3〜7μmにすることができる。本発
明に係る画像形成方法は、上述したように画像転写材
料、コート紙又は非コート紙或いは上記のような受像シ
ート、及び転写温度を低下させる溶液又は粘着性を有す
る溶液を用いて行われる。
【0035】次に、本発明に係る画像形成装置を図面を
参照して説明すると共に、各実施形態における画像形成
方法を順次説明する。図1は本発明に係る画像形成装置
の第1実施形態の概念的な構成を示す図である。画像形
成装置100には回転可能に軸支された支持ドラム3が
備えられ、支持体5上に転写材料からなる転写記録層7
を設けてなる転写体(トナーシート)9が、支持ドラム
3の外周の一部分に巻き付けられるようにして支持され
る。支持体5に形成される転写材料としては、顔料類、
金属類、樹脂等を用いることができる。この実施形態で
は、転写材料が顔料系トナーである場合を一例として説
明する。
【0036】トナーシート9は、支持体5側が加熱乾燥
ローラ11及び支持ドラム3に接触し、転写記録層7側
が表面となるようにして支持ドラム3に支持される。ま
た、画像形成装置100には支持ドラム3と同一軸方向
に軸支されたピンチローラ13を対向配置してある。こ
の加熱乾燥ローラ11及びピンチローラ13の内部には
加熱手段としてのヒータを内蔵している。また、支持ド
ラム3の内部にもヒータを内蔵させて熱分布をより均一
にする構成としてもよい。この支持ドラム3とピンチロ
ーラ13は一対の加圧ローラを構成している。そして、
支持ドラム3とピンチローラ13との間には、転写記録
層7の転写対象としての受像体(受像シート)15がト
ナーシート9と重ね合わされて挿入される。支持ドラム
3とピンチローラ13との間に挿入されたトナーシート
9と受像シート15とは、互いに密着し加熱されなが
ら、支持ドラム3とピンチローラ13の回転によって図
中右方向に移動するようになっている。受像体として
は、上質紙、コート紙、PETフィルム等をそのまま使
用する場合と、専用受像シートを使用する場合がある。
専用受像シートの支持体としては、紙、PETフィル
ム、ガラスエポキシ、金属板等を用いることができる。
【0037】また、画像形成装置100には支持ドラム
3の搬送上流側で、トナーシート9の転写記録層7側に
対向して液滴吐出ヘッド17を設けてある。液滴吐出ヘ
ッド17は図示しないヘッド移動機構によりトナーシー
ト9の幅方向に亘って自在に移動可能に構成されてい
る。この液滴吐出ヘッド17は、トナーシート9の転写
記録層7を転写させるための転写温度を低下させる溶液
又は粘着性を有する溶液の液滴を画像様に吐出して、支
持ドラム3に支持されたトナーシート9の転写記録層7
に潜像を形成するようになっている。この液滴吐出ヘッ
ド17の構造としては、上述した周知のインクヘッドと
同様のものを用いることができる。
【0038】液滴吐出ヘッド17により、転写記録層上
に転写温度を低下させる溶液又は粘着性を有する溶液に
よる潜像を形成する場合、潜像形成面に対する溶液の接
触角により、得られた転写画像の解像度が異なる。この
接触角が40゜より小さい場合は、画像を形成するドッ
トが広がり、解像度の低下を起こすことがある。また、
転写工程に入る前に、画像転写材料の背面を、温度制御
された加熱乾燥ローラ(加熱乾燥手段)11に接触さ
せ、潜像に含まれる溶媒量を制御することにより、さら
に転写された画像のドットの広がりを制御することがで
きる。この場合、加熱乾燥ローラ11の温度は室温以上
で、本来の転写記録層の転写温度以下に設定することが
好ましく、また、転写画像の状態をみて、装置の加熱温
度制御部12から転写状態が良好になるように適宜調整
できることが好ましい。
【0039】一方、ピンチローラ13の加熱条件とし
て、転写記録層7の潜像形成部分と受像シート15との
接触部分の温度が、転写記録層7の本来の転写温度より
低い温度で、且つ潜像部の転写が行われる温度以上とな
るように温度範囲を設定すれば、潜像形成部分と未形成
部分(粘着性素材を含む溶液の付着しない部分)とのオ
ン/オフがクリアな画像転写を行うことができる。
【0040】液滴吐出ヘッド17により潜像を形成し、
支持ドラム3とピンチローラ13との間で密着し加熱さ
れながら搬送されたトナーシート9及び受像シート15
は、剥離バー19によってトナーシート9が受像シート
15から剥離される。これにより、転写記録層7の潜像
形成部分が受像シート15上に転写されて、受像シート
15に画像様にトナーが形成され、潜像が顕在化され
る。
【0041】この装置を用いて多色画像を形成する場合
には、トナーシート9の転写記録層7に含まれる色剤と
して、K、C、M、Y等の各色を用い、各色の転写記録
層7を、例えばKCMYの順で繰り返し画像様に受像シ
ート15へ転写する。これにより受像シート15上に多
色画像が形成される。
【0042】上述の画像形成装置100を用いて、転写
温度を低下させる溶液又は粘着性を有する溶液を、潜像
形成面に対する接触角が少なくとも40゜有するよう
に、好ましくは、少なくとも50゜有するように液滴吐
出して画像形成を行うことにより、従来の熱転写方式の
ように、サーマルヘッドの抵抗値ムラ、接触ムラ、支持
体の厚みムラに起因する熱伝導ムラが無く、均一な品質
の画像を形成でき、また、高価なレーザヘッドを用いる
ことなく安価に画像形成が行え、より高解像の画像を得
ることができる。
【0043】さらに、転写記録層7の材料に顔料系のト
ナーを用いることができるため、インクジェット記録方
式におけるインクのように、物性の制限のために特別の
顔料や染料を選択する必要がなくなり、幅広い種類の顔
料系トナーの中から自由に選択できるようになる。この
ため、所望の色相が得られ、色再現性が特に重要視され
るカラープルーフ等に対しても、この画像形成方法を好
適に適用することができる。また、粘着性素材を含む溶
液の液滴による転写画像は、印刷プルーフ用途に使用す
る場合でも、専用の受像シート上に画像を転写すること
なく、実際に印刷が行われる用紙、フィルム、金属箔等
印刷用シートに直接的に転写することができ、画像形成
工程の単純化と画像の品質向上を図ることができる。さ
らに、多色転写像を形成する場合、先に転写された像に
よる2次色(多次色)増感に対する弊害が改善される。
【0044】次に、本発明に係る画像形成装置の第2実
施形態を説明する。図2は本実施形態の画像形成装置の
概念的な構成を示す図である。第1実施形態の画像形成
装置100の液滴吐出ヘッド17は、転写体(トナーシ
ート)9の転写記録層7に液滴を吐出していたが、本実
施形態の画像形成装置200の液滴吐出ヘッド17は、
受像体(受像シート)15に液滴を吐出する構成となっ
ている。また、液滴吐出ヘッド17と支持ドラム3との
間には加熱乾燥ローラ11が設けられている。他の構成
は第1実施形態と同様であり、同一の機能を有する部材
に対しては同一の番号を付与し、ここではその説明を省
略する。
【0045】この液滴吐出ヘッド17は、転写温度を低
下させる溶液又は粘着性を有する溶液の液滴を受像シー
ト15に向けて画像様に吐出し、受像シート15上に潜
像を形成する。その後に、加熱乾燥ローラにより潜像中
の溶媒分の一部又は全部が蒸発させられる。次いで、支
持ドラム3とピンチローラ13と間に挟まれ、潜像形成
部分に対応した転写記録層7が受像シート15上に転写
され、トナーシート9の剥離後に、受像シート15上に
潜像が顕在化される。
【0046】この実施形態では、受像シート15に転写
温度を低下させる溶液又は粘着性を有する溶液の液滴を
吐出するので、薄い転写体を用いた場合にも、吐出要因
による潜像の位置精度の低下を抑えることができる。ま
た、転写温度を低下させる溶液又は粘着性を有する溶液
が潜像形成面に対して少なくとも40゜、好ましくは、
少なくとも50゜の接触角を有することで、転写ドット
の広がりを抑制して、高解像度の画像を得ることができ
る。このように、転写温度を低下させる溶液又は粘着性
を有する溶液の吐出による潜像は、トナーシート9の転
写記録層7に形成されても、受像シート15に形成され
ても同様の効果を奏することができる。
【0047】次に、本発明に係る画像形成装置の第3実
施形態を説明する。図3は本実施形態の画像形成装置の
概念的な構成を示す図である。本実施形態の画像形成装
置300は、支持ドラム3と加熱乾燥ローラ11との間
に押さえローラ21を配し、この押さえローラ21と剥
離バー19とを共働させて、支持ドラム3とピンチロー
ラ13との間を通る転写体(トナーシート)9及び受像
体(受像シート)15を、ピンチローラ13に対して約
5度の抱き角θを持つように、図の下方向に押し下げた
構成としている。このような構成とすることで、ピンチ
ローラ13の抱き角が増え、トナーシート9や受像シー
ト15の搬送時におけるスリップ等を防止して、安定し
て搬送することができる。以て、送りムラを生じさせる
ことなく、多色記録の場合に重要となる位置精度を向上
できる。特に、受像体として比較的薄いシートを用いた
場合に受像体にシワが発生することを防止できる。ま
た、液滴吐出ヘッド17は、吐出方向を転写体9面、又
は受像体15面とに自在に変更できる構成となってい
る。このように、液滴吐出ヘッド17の向きを変更可能
にすることで、吐出液と潜像形成面とのなす接触角を見
て、吐出面を転写体面にするか受像体面にするかを適宜
選択することができ、常に最適な吐出を行うことができ
る。
【0048】以上説明した画像形成方法に基づいて、転
写体を次のようにして作製して、画像形成を行った結果
を示す。なお、以下の各実施例における「部」は、「重
量部」を表すものとする。
【0049】 [実施例1] (転写体の作製) 母液の調整 ブチラール樹脂 12.0部 (積水化学工業(株)製 エスレックFPD-1) マゼンタ顔料 12.0部 (東洋インキ(株)製リオノールレッドLX−235) n−プロピルアルコール 110.4部 分散助剤 0.8部 (ICI(株)製ソルスパースS−20000)
【0050】上記母液を分散機で十分に分散させた分散
液10部に対して、ステアリン酸アミド0.24部、n
−プロピルアルコール60部を加え希釈液とし、裏面に
離型処理された厚み5μmのポリエステルフィルムに乾
燥膜厚が0.38μmになるように塗布した。
【0051】(受像体の作製) 「第1層用塗布液」 塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体 160部 (日信化学(株)製、ソルバインCL2) エチレン、酢酸ビニル共重合体 61部 (三井ディユポンケミカル(株)製 エルバロイ742) セバシン酸ポリエステル 28部 (日本曹達(株)製 FN-G25) パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 4部 (大日本インキ化学工業(株)製 メガファックF-178
K) メチルエチルケトン 630部 トルエン 210部 ジメチルホルムアミド 30部
【0052】 「第2層用塗布液」 ポリビニルブチラール樹脂 16部 (電気化学工業(株)製 デンカブチラール#2000-L) N,N-ジメチルアクリルアミド・ブチルアクリレート共重合体 4部 パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.5部 (大日本インキ化学工業(株)製 メガファックF-177) n-プロピルアルコール 200部
【0053】厚さ130μmのPETフィルム上に回転
塗布機を使用して上記第1層用塗布液を塗布し、100
℃で乾燥時の膜厚が20μmになるように調整した。さ
らに、上記第2層塗布液を、前記第1層用塗布液による
膜上に回転塗布機を使用して塗布し、100℃で乾燥さ
せて、第2層の膜厚が2μmになるように調整し受像体
を作製した。
【0054】(転写温度を低下させる溶液1の作製) 蒸留水 100部 ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル 2部
【0055】図3に示す画像形成装置300を用いて、
同図に示されるように、上記転写体の転写材面を下に向
け、また、上記受像体の受像面を上に向け、支持ドラム
3とピンチローラとの間に挟み通過させる。その際、吐
出ヘッド17を下側の受像体側に向け、上記の転写温度
を低下させる溶液1を受像体の受像面に画像様に噴射さ
せ、潜像を形成した。このとき、転写温度を低下させる
溶液1の受像面に対する接触角は54゜であった。80
℃に温度を設定した加熱乾燥ローラと、80℃に設定し
たピンチローラとの加圧ローラ間を通過させた後、転写
体と受像体とを剥離させると、潜像形成部に対応した受
像面上に転写材が得られた。得られた画像は、解像度が
高く、均一で色ムラが無く、受像シートのしわや歪みは
見られなかった。
【0056】[実施例2]図1に示す画像形成装置を用
い、加熱乾燥ローラの温度を70℃、ピンチローラの温
度を65℃に設定し、次の粘着性素材を含む溶液を用
い、転写体上に潜像を形成した。この場合、粘着性素材
を含む溶液と転写体面に対する接触角は64゜であっ
た。また、受像体としてアートコート紙(128g/m
2)を用いた。 蒸留水 65部 エチレン酢ビ共重合体ラテックス(固形分50%) 35部 このとき得られた画像は、実施例1の場合よりも一層解
像度が高く、均一で、色ムラが無く、しわの発生も無か
った。
【0057】[実施例3]実施例2において、粘着性を
有する素材として、エチレンメタクリル酸共重合体ラテ
ックス(固形分45%)を同量使用する以外は同様に処
理した。この場合、粘着性を有する溶液の転写体面に対
する接触角は42゜であった。このとき得られた画像は
解像度の劣化が殆どなく、ムラのない良好なものであっ
た。
【0058】[比較例]本比較例においては、実施例1
における受像体にアートコート紙(128g/m2)を
使用する以外は同様に処理を行った。この場合、転写温
度を低下させる溶液と、受像体であるアートコート紙上
の潜像形成面との接触角は34゜であった。この場合で
は、得られた転写画像はドットの広がりが認められ、ま
た、紙面も不均一でムラが発生していた。さらに同様に
して、転写温度を低下させる溶液と、受像体であるアー
トコート紙上の潜像形成面に対して、種類・性状を変更
することにより、接触角が36゜、38゜、40゜につ
いても処理した結果、接触角が36゜、38゜の場合で
は依然として転写画像のドットの広がりが認められる
が、接触角が40゜になると、ドットの広がりが特に見
られない許容できる画質となった。以上のように、接触
角を少なくとも40゜有するように溶液と転写面を設定
することで、ドットの広がりの殆どない高解像度の画像
が形成できることを確認できた。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像
形成方法によれば、転写体の転写記録層表面又は受像体
表面のいずれかに、転写記録層の転写温度を低下させる
溶液又は粘着性を有する溶液を画像様に付与して潜像を
形成し、転写体の転写記録層表面と受像体表面とを密着
させて加熱することで、潜像が形成された部分に応じた
転写記録層を転写できる。このとき、潜像形成工程にお
ける転写温度を低下させる溶液又は粘着性を有する溶液
の表面と、前記潜像が形成される面とのなす接触角が少
なくとも40゜有していることにより、形成された潜像
が転写体と受像体とを密着させたときに転写ドットが広
がることが防止でき、受像体上に転写記録層を画像様に
高解像度で直接的に形成することができる。以て、形成
された潜像が受像体上に直接的に画像形成され、画像形
成工程が単純化されると共に、安価にしてムラのない画
像を形成できる。
【0060】また、従来の熱転写方式のように、転写体
及び支持体の温度分布が不均一となることがなく、均一
な画像を安定して形成することができ、従来のインクジ
ェット方式のように画像形成材料の選択に制約を受けた
り、ノズル詰まりを生じることがなくなる。このため、
画像形成材料の選択幅が大幅に広げられ、耐光性、耐水
性の強い各種色相の顔料等を用いて高品位な画像形成が
行える。
【0061】また、本発明に係る画像形成装置によれ
ば、液滴吐出ヘッドにより、転写体の転写記録層表面又
は受像体表面のいずれかに、転写記録層を受像体表面に
転写させるため、転写記録層の転写温度を低下させる溶
液又は粘着性を有する溶液を画像様に吐出して潜像を形
成し、少なくとも一方に加熱温度の制御が可能な加熱手
段を有する一対の加圧ローラにより、転写体の転写記録
層表面と受像体表面とを密着させて挟み込むことで転写
する。このとき、潜像を形成する、転写温度を低下させ
る溶液又は粘着性を有する溶液の表面と、潜像を形成す
る面とのなす接触角が少なくとも40゜有していること
により、転写体と受像体とを密着させたときに転写ドッ
トが広がることが防止され、潜像形成部分に対応する転
写記録層だけを受像体表面に高解像で転写することがで
きる。これにより、高価なレーザーヘッドを使用するこ
となく、受像体上の潜像が受像体に直接的に画像形成さ
れ、画像形成工程が単純化されると共に、安価にしてム
ラのない画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態にお
ける概念的な構成を示す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態にお
ける概念的な構成を示す図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態にお
ける概念的な構成を示す図である。
【符号の説明】 3 支持ドラム(加圧ローラ) 5 支持体 7 転写記録層 9 トナーシート(転写体) 11 加熱乾燥ローラ(加熱乾燥手段) 13 ピンチローラ(加圧ローラ) 15 受像シート(受像体) 17 液滴吐出ヘツド 100,200,300 画像形成装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に転写記録層を設けてなる転写
    体と、前記転写記録層が転写される受像体とを用いる画
    像形成方法であって、 前記転写体の転写記録層表面又は受像体表面のいずれか
    に、前記転写記録層を前記受像体表面に転写させるた
    め、前記転写記録層の転写温度を低下させる溶液又は粘
    着性を有する溶液を画像様に付与して潜像を形成する潜
    像形成工程と、 該転写体の転写記録層表面と受像体表面とを密着させて
    加熱し、前記潜像が形成された部分に対応する前記転写
    記録層を受像体上に転写する転写工程とを含み、 前記潜像形成性工程における転写温度を低下させる溶液
    又は粘着性を有する溶液の表面と、前記潜像が形成され
    る面とのなす接触角が少なくとも40゜有していること
    を特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記潜像形成工程と前記転写工程との間
    で、前記形成された潜像に含まれる溶媒の少なくとも一
    部を加熱して蒸発させる加熱乾燥工程を行うことを特徴
    とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に熱転写材料からなる転写記録
    層を設けてなる転写体の該転写記録層を、画像様に受像
    体に転写する画像形成装置であって、 前記転写体の転写記録層表面又は受像体表面のいずれか
    に、前記転写記録層を前記受像体表面に転写させるた
    め、前記転写記録層の転写温度を低下させる溶液又は粘
    着性を有する溶液を画像様に吐出して潜像を形成する液
    滴吐出ヘッドと、 前記転写体の転写記録層表面と受像体表面とを密着させ
    て挟み込み、少なくとも一方に加熱温度の制御が可能な
    加熱手段を有する一対の加圧ローラとを備え、 前記吐出ヘッドにより形成される潜像の転写温度を低下
    させる溶液又は粘着性を有する溶液の表面と、前記潜像
    が形成される面とのなす接触角が少なくとも40゜有し
    ていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記加圧ローラにより前記転写体と受像
    体とを密着させる前に、前記転写体又は受像体のうち、
    少なくとも前記潜像が形成された方を加熱して、潜像に
    含まれる溶媒の少なくとも一部を蒸発させる加熱乾燥手
    段を備えたことを特徴とする請求項3記載の画像形成装
    置。
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