JP2002264208A - 多孔性フィルムの製造方法 - Google Patents

多孔性フィルムの製造方法

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JP2002264208A JP2001073340A JP2001073340A JP2002264208A JP 2002264208 A JP2002264208 A JP 2002264208A JP 2001073340 A JP2001073340 A JP 2001073340A JP 2001073340 A JP2001073340 A JP 2001073340A JP 2002264208 A JP2002264208 A JP 2002264208A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融粘度が高く溶融伸びの低い熱可塑性樹脂
を多く含む樹脂組成物から製造されるフィルムについて
も、延伸ムラの少ない、均質性の高い多孔性フィルムの
製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填
剤を10〜300重量部含む熱可塑性樹脂組成物からな
る樹脂製フィルム状物Fを、予熱部、延伸部および熱処
理部を有する延伸装置を用いて下記条件でTD方向に2
〜10倍延伸する多孔性フィルムの製造方法。 (条件1) T1/T2>1.05 (条件2) 1.5>T3/T2>1.2 (条件3) Tm>T3>(Tm−5) ここに、T1は延伸時の予熱部Aでの予熱温度、T2は
延伸部Bでの延伸温度、T3は熱処理部Cでの熱固定温
度、Tmは熱可塑性樹脂の融点である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多孔性フィルムの製
造方法に関し、詳しくは、延伸ムラが少なく均質な樹脂
製の多孔性フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の多孔性フィルム、例えば、ポリ
オレフィン樹脂を用いた多孔性フィルムは、フィルタ
ー、電池用あるいは電解コンデンサ用セパレータ、ろ過
膜、透湿防水衣料など、種々の用途のものとして開発、
使用されている。
【0003】多孔性フィルムの製造方法としては、従
来、結晶性ポリプロピレンを所定温度で溶融押出しをす
ると共に、押し出された樹脂フィルムを更に成形温度を
変化させて延伸することにより、熱安定性に優れた多孔
性フィルムを得る方法(特公昭50−2176)が知ら
れている。しかし、この方法により製造された多孔性フ
ィルムは、強度的に十分ではなく、その用途は限られた
ものであった。
【0004】そこで、より実用的である高強度な多孔性
フィルムの製造方法として、超高分子量ポリオレフィン
と流動パラフィンからなるゲル状シートを延伸し、これ
から流動パラフィンを除去して多孔性フィルムを得る方
法(特公昭63−273651)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法により得られた多孔性フィルムは、いずれ
も延伸ムラが少なからず認められ、特に溶融粘度が高く
溶融伸びの低い樹脂材料、例えば、長分子鎖ポリオレフ
ィン樹脂を含有した熱可塑性樹脂組成物から製造される
フィルムについては、そのことが顕著であり、均質性の
点では未だ十分ではなく、改良の余地があった。
【0006】そこで本発明の目的は、上記従来技術の有
する問題点に鑑みて、溶融粘度が高く溶融伸びの低い樹
脂材料、例えば、長分子鎖ポリオレフィン樹脂を多く含
有した熱可塑性樹脂組成物から製造されるフィルムにつ
いても、延伸ムラの少ない、均質性の高い多孔性フィル
ムの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は各請求項記載
の発明により達成される。すなわち、本発明に係る多孔
性フィルムの製造方法の特徴構成は、熱可塑性樹脂10
0重量部に対し、充填剤を10〜300重量部含む熱可
塑性樹脂組成物からなる樹脂製フィルム状物を、予熱
部、延伸部および熱処理部を有する延伸装置を用いて下
記条件でTD方向に2〜10倍延伸することにある。 (条件1) T1/T2>1.05 (条件2) 1.5>T3/T2>1.2 (条件3) Tm>T3>(Tm−5) ここに、T1は延伸時の予熱部での予熱温度、T2は延
伸部での延伸温度、T3は熱処理部での熱固定温度、T
mは熱可塑性樹脂の融点である。
【0008】この構成によれば、特に溶融粘度が高く溶
融伸びの低い樹脂組成物である超高分子量ポリオレフィ
ン樹脂を多く含有したポリオレフィン樹脂のような熱可
塑性樹脂から製造されるフィルムについても、延伸ムラ
の少ない、均質性の高い多孔性フィルムの製造方法を提
供することができる。
【0009】充填剤が10重量部未満では、通気性を有
する多孔性フィルムを得ることはできず、300重量部
を越える場合は、延伸時に延伸切れを生じるおそれがあ
る。充填剤の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し5
0〜200重量部であることがより好ましい。一層確実
に均質な多孔性フィルムを得ることができるからであ
る。
【0010】更に、上記(条件1)、(条件2)を満た
さない場合は、均一な延伸ができず、延伸ムラを生じる
可能性があり、上記(条件3)を満たさない場合は、得
られた多孔性フィルムの熱安定性が十分でなくなる可能
性がある。
【0011】熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピ
レン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンの単独重合体ま
たは2種類以上のオレフィンの共重合体、および1種類
以上のオレフィンとこのオレフィンと重合可能な1種類
以上の重合性モノマーとの共重合体であるポリオレフィ
ン系樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタク
リレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体など
のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、ス
チレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イ
ソプレン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共
重合体等のスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリフ
ッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系
樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロ
ン等のアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リプリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹
脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン
樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルイミド、各種熱可塑性エラストマ
ー、あるいはこれらの架橋物などが挙げられる。
【0012】熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を
用いると、成形されたフィルム状物は、リサイクル性、
耐溶剤性に優れ、又、焼却してもダイオキシン等を発生
しないため、環境を悪化させることがない等の理由か
ら、ポリオレフィン樹脂を特に好適に使用できる。
【0013】ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン
としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンな
どが挙げられる。ポリオレフィン樹脂の具体例として
は、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン
−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等の
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ(4 −
メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)およびエチ
レン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0014】充填剤としては無機および有機の充填剤が
用いられ、例えば、無機充填剤としては炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタル
サイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫
酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイ
カ、ゼオライト、ガラス粉、酸化亜鉛などを使用でき
る。
【0015】有機充填剤としては、種々の樹脂粒子を使
用することができ、好ましくはスチレン、ビニルケト
ン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類
以上の重合体、メラミン、尿素などの重縮合樹脂などの
粒子が挙げられる。
【0016】以上の結果、本発明によれば、溶融粘度が
高く溶融伸びの低い樹脂材料、例えば長分子鎖ポリオレ
フィン樹脂を含有した難成形熱可塑性樹脂材料からも、
膜厚精度の高い樹脂製フィルム状物を製造することがで
きる方法を提供することができた。
【0017】尚、本発明においてフィルム状物とは、本
来的にフィルムと称されるもののみならず、多少厚手の
シート状のものをも含む概念として用いるものとする。
【0018】前記熱可塑性樹脂中に、分子鎖長が285
0nm以上のポリオレフィン(本発明において、長分子
鎖ポリオレフィンという)を10重量%以上含むことが
好ましい。
【0019】熱可塑性樹脂中に、分子鎖長が2850n
m以上の長分子鎖ポリオレフィンを含有するフィルムは
特に強度に優れ、このような長分子鎖ポリオレフィンを
10重量%以上、より好ましくは20重量%以上含有し
ている熱可塑性樹脂からなるフィルムは強度が顕著に優
れるので、このようなフィルムは多用途に利用でき、熱
可塑性樹脂が上記長分子鎖ポリオレフィンを30重量%
以上含有していると、より強度の高いフィルムが得られ
る。
【0020】ここに、ポリオレフィンの分子鎖長は、後
述するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、よ
り具体的には以下の手順で求められるパラメータであ
る。
【0021】すなわち、GPC測定の移動相としては、
測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶
解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異
なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各
標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンの
Qファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を
求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそ
れに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの
分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にあ
る。分子量=分子鎖長×Qファクター次に、未知試料の
GPC測定を行い、保持時間ー溶出成分量曲線を得る。
標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tで
あった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、未
知試料のGPC測定において保持時間Tであった成分の
「ポリスチレン換算の分子鎖長」をLとする。この関係
を用いて、当該未知試料の前記保持時間ー溶出成分量曲
線から、当該未知試料のポリスチレン換算の分子鎖長分
布(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶出成分量との関
係)が求められる。
【0022】前記樹脂製フィルム状物が、少なくとも一
対の成形工具を用いて前記熱可塑性樹脂組成物を圧延成
形し、その際の前記成形工具の表面温度Toを、下記条
件1、2を満たすように設定して圧延成形されたもので
あることが好ましい。
【0023】(条件4)熱可塑性樹脂組成物の溶融張力
MT、伸長度Lが以下の範囲となる温度T MT>10g かつ L>100% (条件5) To>Tm ここに、Tmは熱可塑性樹脂の融点である。
【0024】この構成によれば、厚み精度が高い樹脂製
フィルム状物が得られるため、このようなフィルム状物
を延伸すると、上記したように延伸ムラが少なく、均一
なフィルムが得られることに加えて、厚み精度の高い多
孔性フィルムが得られる。
【0025】前記一対の回転成形工具の周速を、略等速
にして圧延成形することが好ましい。
【0026】この構成によれば、得られたフィルム状物
の表面が平滑性に優れて美麗であり、膜厚精度の一層高
い樹脂製フィルム状物を製造することができるので、更
に延伸した場合により一層厚み精度の優れた多孔性フィ
ルムが得られる。この場合、一対の回転成形工具の周速
を略等速であるとは、必ずしも厳密に同一周速度である
必要はなく、両回転成形工具の周速度が異なっていて
も、それらの差異は±5%以内程度であればよい。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る多孔性フィルムの製
造方法について、以下に詳細に説明する。熱可塑性樹脂
100重量部と充填剤10〜300重量部とを含む熱可
塑性樹脂組成物から樹脂フィルム状物を製造し、これを
所定幅にスリットした後、後述する延伸装置により、T
D方向に2〜10倍に延伸し、その後必要に応じて充填
剤を酸などを用いて除去し多孔性フィルムを得る。
【0028】樹脂フィルム状物の製造では、まず、長分
子鎖ポリエチレン樹脂100重量部と充填剤10〜30
0重量部と、場合によっては更に非イオン系界面活性剤
とを含むものを、例えば、ロール型またはバンバリー型
の混練機あるいは押出機などを用いて強混練して樹脂組
成物を得る。次いで、この樹脂組成物をフィルム状物に
成形する。このとき、一対の圧延ロールを備えた圧延装
置を用い、圧延ロール表面の温度Toを上記(条件
4)、(条件5)を満たす温度に設定する。この条件下
で圧延すると、膜厚精度の高いフィルム状物が得られ
る。特に、一対の圧延ロールの周速度を略同一にするこ
とにより、厚み精度一層を高めることができる。
【0029】尚、融点は、DSC(示差走査熱量測定)
におけるピーク温度のことであり、複数のピークがある
場合は、最も融解熱量ΔH(J /g)が大きいピーク温
度を融点とする。又、融点を測定するときの昇温速度
は、5℃/分である。
【0030】上記圧延成形法によると共に、後述する延
伸方法を実施することにより、溶融粘度が高く溶融伸び
の低い樹脂を多く含む難成形熱可塑性樹脂組成物につい
ても、延伸ムラが少なく、かつ均質性が高い多孔性フィ
ルムを得ることができ、しかも200μm以下の厚さま
で延伸するときでさえも、±2%程度以内という高い厚
み精度の多孔性フィルムを得ることができる。
【0031】樹脂組成物を圧延装置に供給する方法は、
特に制限されるものではなく、例えば、押出機から押し
出された棒状の溶融樹脂などを供給することができる。
また、可能であれば、予めTダイ成形法などにより、厚
さ数mm〜数cm程度の予備成形体を形成し、これを供
給することもできる。また、圧延装置としては、例えば
圧延ロール、連続プレス、あるいはカレンダーロール等
の装置を用いることができ、好ましくは略等速で回転す
る一対のロールで圧延することのできる圧延ロール装置
を用いることが好ましい。成形されたフィルム状物の表
面が平滑かつ美麗で、膜厚精度の高いフィルム状物を確
実に製造することができるからである。この場合、両ロ
ールの周速度は必ずしも厳密に同一周速度である必要は
なく、両ロールの周速度は異なっていても、それらの差
異は±5%以内程度であればよい。圧延装置の圧延部位
は複数個あってもよい。そして、フィルム状物におい
て、使用する熱可塑性樹脂組成物は本発明の目的を妨げ
ない範囲で脂肪酸エステルや安定化剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、難燃剤などの他の添加剤を含有してもよ
い。
【0032】多孔性フィルムを得るため、圧延されたフ
ィルム状物をTD方向(フィルム幅方向)に2〜10倍
に延伸させる延伸装置としては、二軸展伸法であるテン
ター法を使用できる。図1に、テンター装置Tの例を示
す。このテンター装置Tは、上流側から送給されてきた
フィルム状物Fを入口1から取り込み、このフィルム状
物Fを加熱して延伸可能とする予熱部A、TD方向にフ
ィルム状物を延伸する延伸部B、延伸による内部応力を
除去して熱固定する熱処理部Cの3つのゾーンに分割さ
れており、各部を経ると共に、充填剤除去装置(図示
略)により充填剤が除去されて、所定厚みの多孔性フィ
ルムが製造されるようになっている。そして、各ゾーン
を(条件1)〜(条件3)に従う温度条件に設定して延
伸を行うことにより、前記フィルム状物を均一に延伸で
き、かつ延伸ムラのない多孔性フィルムを製造すること
ができる。
【0033】
【実施例】本発明の実施の形態を、更に実施例に基づい
て説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。まず、用いた測定方法、測定装置などにつ
いて説明する。
【0034】〔溶融張力〕測定装置として東洋精機製作
所製(株)Capirograph 1B PC−98
01VMを使用し、径D=2.095mm、長さL=1
4.75mmのオリフィスを使用する。まず、樹脂を5
mm/分の速度で押出し、引取り速度を変化させて樹脂
を引き取り、樹脂が切れたときの引取り速度を「最大引
取り速度」する。この最大引取り速度での溶融張力をそ
の温度での溶融張力とする。
【0035】〔伸長度〕測定装置として東洋精機製作所
(株)製Capirograph 1B PC−980
1VMを使用し、径D=2.095mm、長さL=1
4.75mmのオリフィスを使用する。まず、樹脂を5
mm/分の速度で押出し、樹脂の直径D1(mm)を求
める。次いで、引取り速度を変化させて樹脂を引き取
り、樹脂が切れたときの樹脂の直径D2 (mm)を求
め、下記式により伸長度を求める。
【0036】 伸長度(%)=[(D1 2 −D2 2)/D1 2 ]×100 〔GPCによる分子鎖長および分子量の測定〕 測定装置としてウォーターズ社製ゲルクロマトグラフA
lliance GPC2000型を使用した。その他
の条件を以下に示す。
【0037】カラム :東ソー社製TSKgel GM
HR−H(S)HT 30cm×2、TSKgel G
MH6 −HTL 30cm×2 移動相 :o−ジクロロベンゼン 検出器 :示差屈折計 流 速 :1.0mL/分 カラム温度:140℃ 注入量 :500μL 試料30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145
℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が0.45μm
の焼結フィルターでろ過し、そのろ液を供給液とした。
【0038】尚、較正曲線は、分子量既知の16種の標
準ポリスチレンを用いて作成した。ポリスチレンのQフ
ァクターとして41.3を用いた。
【0039】〔フィルム厚み測定〕得られたフィルムの
厚みは、山文電気社製、オフラインシート厚み計(TO
F2 Var3.22)を用いて、幅方向、長さ方向に
わたり、複数点を測定して求めた。全測定値の平均値を
算出し、更に、測定値の中の最大値と平均値との差の、
平均値に対する割合(正符号)を算出した。更に、測定
値の中の最小値と平均値との差の、平均値に対する割合
(負符号)を算出した。これらの割合で厚み精度を表示
する。
【0040】〔ガーレ値測定〕多孔性フィルムのガーレ
値TGUR (秒/100cc )は、JIS P8117に準じ
てB型デンソメータ((株)東洋精機製作所製)にて測
定した。
【0041】〔実施例1〕長分子鎖ポリエチレン粉末7
0重量%(ハイゼックスミリオン340M、三井化学
(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均
分子量300万、融点136℃)、低分子量ポリエチレ
ン粉末30重量%(ハイワックス110P、三井化学
(株)製、重量平均分子量1000、融点110℃)を
2軸混練機にて混練し、押出機の途中から樹脂混合物1
00重量部に対して120重量部の炭酸カルシウム(白
石カルシウム(株)製、スターピゴット15A、平均粒
子径0.15μm)を添加して230℃で溶融混練して
樹脂組成物を得た。この組成物中の樹脂中の分子鎖長2
850nm以上のポリエチレンの含有量は27重量%で
あった。この樹脂組成物をロール表面温度149℃で同
周速度で回転する一対のロールで圧延し、膜厚約58μ
mのフィルムを作製した。このフィルムの厚み精度は、
±2%以内であり、又、融点は136℃であった。尚、
溶融張力は正確な値を測定することこそできなかった
が、140g以上あり、又、伸張度は約300%であっ
た。
【0042】次に、このフィルムを表1に示す条件で、
テンター延伸機にて5倍に延伸した。
【0043】〔実施例2〕実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作製し、次に表1に示す条件でテンター延伸機に
て5倍に延伸した。
【0044】〔比較例1〕実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作製し、次に表1に示す条件でテンター延伸機に
て5倍に延伸した。
【0045】〔比較例2〕実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作製し、次に表1に示す条件でテンター延伸機に
て5倍に延伸した。但し、この場合、延伸切れを生じた
ため、ガーレ値は測定できなかった。
【0046】
【表1】 表1に示すように、比較例1のものは、ガーレ通気度が
大きく不均一な孔分布を示すと共に、幅方向でのバラツ
キが大きく、更に、外観においても延伸ムラが発生して
いるのに対して、実施例ではそのような欠陥がなく、均
質な多孔性フィルムが得られることがわかる。
【0047】次に、熱固定温度の影響を調べるため、テ
ンター装置における予熱温度を116℃、延伸温度を1
10℃とすると共に、熱固定温度を110、120、1
30、134、135℃に変化させた場合、加熱時の熱
安定性を寸法維持率により評価した結果について、図2
に示す。
【0048】図2から明らかなように、上記条件1〜3
を満たす熱固定温度130、134、135℃のものに
ついては、寸法維持率が高くなっており、熱安定性に優
れ均質なフィルムが得られた。
【0049】〔寸法維持率の測定〕3cm(MD方向)
×4.8cm(TD方向)の大きさの試験片を、フリー
な状態でオーブン中に10分間入れ加熱する。その後、
オーブンから試験片を取り出し20分間、室温(25
℃)で放冷し、ノギスで試験片のTD方向の長さY(m
m)を測定した。
【0050】寸法維持率は、下式により求めた。 寸法維持率(%)=(Y/48)×100
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多孔性フィルムの製造方法に使用
するテンター装置を示す概略平面図
【図2】本発明方法により得られたフィルムの熱収縮維
持率を測定した結果を示すグラフ
【符号の説明】
A 予熱部 B 延伸部 C 熱処理部 F フィルム状物
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 花田 暁 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 山田 武 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA16 AA17 AA97 AA98 AB01 AC26 AG01 CA02 CA06 CA07 CC02Y CC04X CC04Y CC04Z CC32X CC32Y CC32Z CC61 DA10 DA23 DA38 DA43 DA49 4F210 AA04 AB11 AB16 AG01 AG20 AR06 QC03 QD25 QG01 QG18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填
    剤を10〜300重量部含む熱可塑性樹脂組成物からな
    る樹脂製フィルム状物を、予熱部、延伸部および熱処理
    部を有する延伸装置を用いて下記条件でTD方向に2〜
    10倍延伸する多孔性フィルムの製造方法、 (条件1) T1/T2>1.05 (条件2) 1.5>T3/T2>1.2 (条件3) Tm>T3>(Tm−5) ここに、T1は延伸時の予熱部での予熱温度、T2は延
    伸部での延伸温度、T3は熱処理部での熱固定温度、T
    mは熱可塑性樹脂の融点である。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹中に、分子鎖長が285
    0nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含む請求
    項1の多孔性フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂製フィルム状物が、少なくとも
    一対の成形工具を用いて前記熱可塑性樹脂組成物を圧延
    成形し、その際の前記成形工具の表面温度Toを、下記
    条件1、2を満たすように設定して圧延成形されたもの
    である請求項1又は2の多孔性フィルムの製造方法、 (条件4)熱可塑性樹脂組成物の溶融張力MT、伸長度
    Lが以下の範囲となる温度T MT>10g かつ L>100% (条件5) To>Tm ここに、Tmは熱可塑性樹脂の融点である。
  4. 【請求項4】 前記一対の回転成形工具の周速を略等速
    にして圧延成形する請求項3の多孔性フィルムの製造方
    法。
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