JP2002264146A - プラスチック光学素子およびその製造方法 - Google Patents

プラスチック光学素子およびその製造方法

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JP2002264146A
JP2002264146A JP2001068146A JP2001068146A JP2002264146A JP 2002264146 A JP2002264146 A JP 2002264146A JP 2001068146 A JP2001068146 A JP 2001068146A JP 2001068146 A JP2001068146 A JP 2001068146A JP 2002264146 A JP2002264146 A JP 2002264146A
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plastic optical
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plastic
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JP2001068146A
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Yasuo Yamanaka
康生 山中
Jun Watabe
順 渡部
Kiyotaka Sawada
清孝 沢田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストで高精度、つまり形状精度が良く、複
屈折、屈折率分布が小さいプラスチック光学素子の製造
方法およびプラスチック光学素子を実現する。 【解決手段】プラスチック光学素子15の製造過程の樹
脂冷却工程で、少なくとも使用樹脂材料のガラス転移温
度よりそれ以下−40℃までの所定温度範囲でプラスチ
ック光学素子15の光学面11,12から優先的に冷却
する。その場合、上記所定温度範囲内での冷却が、毎分
3℃以下の徐冷工程を含む。例えば、(a)に示す光学
面11,12を、(b)の上部と下部に位置するように
光学素子15を配置し、両側面に断熱部材14を当接す
ることにより、光学面11,12を優先的に冷却させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ方式のデジ
タル複写機、レーザプリンター、またはファクシミリ装
置の光学走査系、ビデオカメラ等の光学機器等に適用さ
れるプラスチック光学素子の製造方法に関し、特に、内
部に均一な屈折率分布が要求されるプラスチック光学素
子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レンズ、プリズム等の光学素
子は、表面形状精度や内部の複屈折に高い精度が要求さ
れるため、ガラス製のものが主であった。しかし、近
年、形状の自由度や量産性に優れているなどの理由によ
り、プラスチック製のものが増加してきている。この理
由としては、低い複屈折特性の樹脂材料が開発されたこ
とと、形状精度が良く低複屈折である成形品を可能にす
る成形技術の向上がある。従来、光学部品に用いられる
樹脂材料としては、ポリカーボネートやアクリル樹脂が
主であったが、ポリカーボネートは複屈折が大きく、一
方、アクリルは吸水性に問題があるなどの理由から、使
用範囲が限られていた。しかし近年、光学部品用途とし
て低吸水性でかつ低い複屈折特性の樹脂材料が開発さ
れ、使用範囲が拡大された。このような樹脂材料として
は、例えば、日本ゼオン社製Zeonex、JSR社製
アートンなどがある。また、成形技術としても、樹脂を
低圧で充填し、金型全体もしくは入駒を介して圧縮を加
える射出圧縮成形法などを用いることで、形状精度が良
く、低複屈折の成形品が得られるようになった。以上の
ような理由から光学素子のプラスチック化が一層進む傾
向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、形状精
度が良く、低い複屈折特性の光学素子が得られるように
なったが、成形加工後の光学素子内部の屈折率分布が大
きく、特に高精度な光学素子に対しては、満足な光学性
能を実現するには未だ不十分であるという問題があっ
た。しかし、より高精度なプラスチック光学素子が求め
られるにつれて、形状精度や低複屈折性の他に、光学素
子内部の屈折率分布が小さいことも要求されてきてい
る。屈折率分布は成形品の表面に近いほど大きく、逆に
中心に近づくほど小さくなっており、結像レンズとして
は結像位値ずれを起こす原因となる。例えば、光走査レ
ンズの場合、特開平10-288749号公報において
説明されているように、屈折率分布は被走査面上に集光
すべきビームスポットが設計上の位置よりも光偏向器か
ら遠ざかるように作用し、その結果、被走査面上におけ
るビームスポット径が設計値よりも大きくなり、光走査
により書き込まれる記録画像の品質低下を生じてしま
う。
【0004】成形加工時の金型壁面近傍、すなわち樹脂
外周部分の温度低下が急であるのに対して、樹脂中央部
分の温度低下は緩やかである。射出充填時や保圧初期の
高い圧力がかかった状態で、金型壁近傍が急冷され固体
状態となるため、レンズ表面は密度が大きくなる。しか
し、レンズの中央部が冷却され固体状態になる時には圧
力が低下しているため、レンズ内部は低密度になる。こ
の結果、レンズ表面ほど密度が大きく、内部にいくほど
密度が小さくなる。密度と屈折率には、高い相関性があ
るため、レンズ表面の屈折率が大きく、中央にいくほど
屈折率が小さくなり屈折率分布が生じることになる。前
記のように、屈折率分布が生じる主たる原因として、金
型壁面近傍で樹脂が急激に冷却される点にある。そこ
で、高温の金型に樹脂を射出充填した後、徐冷を行うこ
とで成形品内の温度分布を小さくし、これによって屈折
率分布の小さいレンズを得る方法がある。しかし、この
成形法によれば、成形サイクルが非常に長くなるため、
製造コストが非常に高くなるという問題点があった。
【0005】さらに、レンズ形状を規定し、屈折率分布
が小さい領域を使用する方法が提案されている。例えば
特開平08−201717号公報に記載の光走査装置で
開示されたものによれば、ビームの進行方向厚さ(t)
と、それと垂直方向の高さ(h)で、h/t>2となる
ようにレンズ形状を規定している。hを大きくすること
で、ビームが透過する領域において樹脂冷却時の温度分
布を小さくし、この限定された部分が屈折率分布が小さ
いことを利用して、結像位置のずれを小さくすることを
図るものである。しかし、この方法は、ビームが透過し
ない領域、つまり有効領域外の部分を増やすことになる
ため、必要な樹脂量の増加や、ひけ防止のため成形サイ
クル(冷却時間)を長くする必要があり、製造コスト高
となる。また、レンズ形状が限定されるため、光学設計
の自由度を損なうことになる。
【0006】また、屈折率分布を見込んだ光学設計を行
う方法として、特開平09−49976号公報において
開示された光学素子および走査光学装置がある。これ
は、結像レンズの屈折率分布による結像位置ずれを、結
像レンズの被走査面側の屈折を増し(形状補正)、結像
位置の設計値を回転多面鏡側におくことによって補正を
行い、被走査面上にビームを結像させる方法である。し
かし、この方法は、成形条件を固定した状態で成形加工
したレンズを評価した後、補正値を決めるものであるか
ら、例えば成形上の不具合等があり成形条件に変更があ
った場合には、補正値を変更しなければならず、鏡面駒
の再製作が必要となるという不具合があった。また、多
数個取りの金型を製作する場合には、キャビテイごとに
補正値を変える必要もあるため、加工用のプログラムを
キャビテイ数だけ作製する必要も生じる。従って、成形
トライ回数が非常に多くなることや、鏡面駒製作個数の
増加により、コスト高となるという問題点があった。
【0007】また、アニール工程にて屈折率分布を低減
させる方法として、特開平11−77842号公報にお
いて開示されたプラスチック光学素子およびその製造方
法がある。金型外で加熱し、所定範囲内の温度域で所定
時間保持し、さらに冷却するアニール工程を施すこと
で、プラスチック光学素子内部の屈折率分布を低減させ
る方法である。この方法は、短時間のアニール工程で一
定レベルの低減が可能であるため、前記手段よりも有効
な方法ではあるが、より高精度な光学素子が求められた
場合には不十分であり、さらに屈折率分布を低減させる
方法が必要である。
【0008】そこで、本発明の目的は、これら従来の課
題を解決し、低コストで高精度、つまり形状精度が良
く、複屈折、屈折率分布が小さいプラスチック光学素子
の製造方法およびプラスチック光学素子を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のプラスチック光学素子の製造方法は、製造
過程の樹脂冷却工程で少なくとも使用樹脂材料のガラス
転移温度以下の所定温度範囲で前記プラスチック光学素
子の光学面から優先的に冷却することを特徴としてい
る。また、所定温度範囲は、使用樹脂材料のガラス転移
温度から−40℃の範囲であること、および前記所定温
度範囲内での冷却が、毎分3℃以下の徐冷工程を含むこ
とも特徴としている。また、本発明のプラスチック光学
素子は、上記の製造方法を行うことで、プラスチック光
学素子の光線通過方向と直交する任意の方向で、プラス
チック光学素子内部の届折率分布が低減していることを
特徴としている。また、このプラスチック光学素子は、
熱可塑性の非晶性プラスチック材料から形成されること
も特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
より詳細に説明する。 (第1の実施例)図1(a)は、本発明の第1の実施例
(請求項1)を示すプラスチック光学素子の斜視図であ
る。ここでは、レーザービームプリンタなどの光走査装
置に用いられている結像プラスチック光学素子(結像レ
ンズ)を用いている。レーザービームプリンタの場合、
半導体レーザ等の光源から出射したビームは、コリメー
タレンズにより平行化され、回転多面鏡で偏向走査され
た後、図1(a)の結像レンズの光学面12側から光学
面11側に透過して収束され、被走査面上に結像する。
請求項1は、プラスチック光学素子15の製造方法にお
いて、製造過程の樹脂冷却工程で、少なくとも使用樹脂
材料のガラス転移温度以下の所定温度範囲でプラスチッ
ク光学素子の光学面11,12から優先的に冷却するこ
とを特徴としている。
【0011】屈折率分布は樹脂冷却時の温度分布により
形成されるので、通常の製造方法では、光学面11,1
2の近辺の届折率が大きく、結像レンズの中央部に向う
に従って届折率が小さくなる。しかし、本実施例によれ
ば、結像レンズのプラスチック材料のガラス転移温度以
下の温度範囲で光学面11,12から優先的に冷却され
ることにより、温度分布が光学素子の光線通過方向に発
生するため、屈折率分布もまた光線通過方向に形成され
ることになる。この時、屈折率分布が多少残存していた
としても、光線通過方向の屈折率分布は結像位置ずれに
ほとんど影響しないため、結像位置ずれの少ない高品位
な光学素子を得ることができる。なお、図1(a)の1
3は、プラスチック光学素子15を見る視点Aを示して
いる。
【0012】(第2の実施例)次に、本発明の第2の実
施例(請求項2)のプラスチック光学素子の製造方法に
ついて述べる。請求項2は、前記所定温度範囲が、使用
樹脂材料のガラス転移温度から−40℃の範囲であるこ
とを特徴としている。前述のアニール工程によるプラス
チック光学素子の製造方法では、使用するプラスチック
材料のガラス転移温度よりも所定範囲が−25℃低い温
度以上であるのに対して、本実施例では、結像レンズの
プラスチック材料のガラス転移温度以下−40℃の温度
範囲で光学面11,12から優先的に冷却するのであ
る。
【0013】(第3の実施例)次に、本発明の第3の実
施例(請求項3)のプラスチック光学素子の製造方法に
ついて述べる。請求項3は、前記所定温度範囲内での冷
却が、毎分3℃以下の徐冷工程を含むことを特徴として
いる。請求項2〜3は、度重なる実験の結果から、屈折
率分布が形成される温度域が、その使用樹脂のガラス転
移温度を基準に−40℃の範囲にあることがわかり、プ
ラスチック光学素子をこの温度範囲内で毎分3℃以下の
徐冷を行うことで、余分な温度領域まで徐冷することな
く、短時間で低屈折率分布のプラスチック光学素子を得
ることが可能となる。
【0014】(第4の実施例)図1(b)は、本発明の
第4の実施例(請求項4)を示すプラスチック光学素子
の製造方法の説明図である。請求項4は、前記プラスチ
ック光学素子の光学面以外の面の一部または全部に断熱
部材を当接しながら冷却することを特徴としている。す
なわち、図1(b)に示すように、光学素子15の上部
を光学面11に、下部を光学面12にして、左右両面に
断熱部材14を当接して冷却する。先ず、断熱部材14
を当接することで、光学面11,12が使用する樹脂の
ガラス転移温度を基準に−40℃の範囲になるように維
持し、次にプラスチック光学素子15がこの温度範囲内
で毎分3℃以下に徐冷されるように断熱部材14を制御
する。
【0015】(第5の実施例)図2は、本発明の第5の
実施例(請求項5)を示すプラスチック光学素子の製造
過程の斜視図である。請求項5は、前記断熱部材14
が、プラスチック光学素子15の光学面11,12以外
の面を重ね合わせて当接するプラスチック光学素子であ
ることを特徴としている。すなわち、図2に示すよう
に、プラスチック光学素子15の光学面11,12(図
2の上面と下面)以外の側面を複数個重ね合わせた形に
した後、その両面から断熱部材14を当接する。
【0016】(第6の実施例)図3は、本発明の第6の
実施例(請求項6)を示すプラスチック光学素子の製造
方法の説明図である。請求項6は、前記プラスチック光
学素子15の光学面11,12以外の面の一部または全
部に温度制御手段(ヒータ16)を有する部材を当接し
ながら冷却することを特徴としている。すなわち、図3
に示すように、光学素子15の光学面11,12をそれ
ぞれ上部と下部に位置させ、両側面にヒーター16を当
接しながら冷却する。図1(b)の実施例では断熱部材
14により冷却しているが、本実施例では温度制御手段
(例えば、ヒーター16)により冷却する。請求項4〜
6は、プラスチック光学素子15の光学面11,12か
ら優先的に冷却するための具体的手段を示したものであ
る。請求項5は、特別な治具を用いることなく簡便な方
法で、光学素子15の光学面11,12から優先的に冷
却することができる。また、屈折率分布をより低減した
い場合には、請求項6の方法により冷却をより緻密に制
御する方法がある。温度制御手段としては、各種加熱ヒ
ーター16を用いることができる。
【0017】(第7の実施例)次に、本発明の第7の実
施例(請求項7)のプラスチック光学素子の製造方法に
ついて述べる。請求項7は、前記所定温度範囲以下にあ
るプラスチック光学素子15を前記所定温度範囲内まで
加熱してから、冷却することを特徴としている。例え
ば、図3に示すように、光学素子15の光学面11,1
2以外の面にヒーター16を当接して、例えば室温のプ
ラスチック光学素子15を、ヒーター16を制御して所
定温度範囲(使用樹脂のガラス転移温度を基準に−40
℃の範囲)まで加熱して上昇させ、次に光学面11,1
2を優先して毎分3℃以下に徐冷するのである。
【0018】(第8の実施例)次に、本発明の第8の実
施例(請求項8)のプラスチック光学素子の製造方法に
ついて述べる。請求項8は、前記所定温度範囲内まで加
熱してから冷却開始するまでに、前記所定温度範囲内で
温度保持工程を設けることを特徴としている。例えば、
図3に示すように、プラスチック光学素子15の両側面
をヒーター16に当接して、室温から所定温度範囲内ま
でヒーター16を制御して加熱上昇させた後、一定時間
(例えば、所定時間t)だけその温度を保持する。そし
て、一定時間経過後に冷却する。これにより、一度冷却
され大きな屈折率分布をもった光学素子の内部まで均一
に加熱してから冷却することで、屈折率分布低減効果を
向上させることができる。
【0019】(第9の実施例)図4は、本発明の第9の
実施例(請求項9)を示すプラスチック光学素子の製造
方法の説明図である。請求項9は、前記所定温度範囲以
上にあるプラスチック光学素子を前記所定温度範囲内ま
で冷却してから、前記冷却工程を行うことを特徴として
いる。つまり、成形中の金型内で光学素子が所定温度範
囲以上の高温域にある状態から、前記所定温度範囲内ま
で冷却した後に、光学素子の光学面以外の面に断熱層を
設けて、光学面から優先的に冷却工程することで屈折率
分布が低減できる。この時、光学面以外の面に断熱層を
設ける方法としては、この面を形成する金型部材を成形
中に可動して空隙を設ける方法がある。すなわち、先ず
光学素子の樹脂17を成形中の金型内で所定温度以上の
高温の状態から、図4(a)に示すような可動入子19
の温度制御手段を当接することにより、樹脂17の光学
面11,12と両側面を所定温度範囲内まで冷却した
後、図4(b)に示すように、光学素子15の両側面の
可動入子19のみを後退21させ、その空隙で断熱層2
0を形成することにより光学面11,12から優先的に
冷却する。
【0020】(第10の実施例)次に、本発明の第10
の実施例(請求項10)を示すプラスチック光学素子に
ついて述べる。請求項10は、請求項1〜9記載のプラ
スチック光学素子の製造方法を行うことにより、プラス
チック光学素子の光線通過方向と直交する任意の方向
で、プラスチック光学素子内部の屈折率分布が低減した
ことを特徴としている。これにより、結像位値ずれの少
ない光学素子が得られ、例えば光走査レンズの場合、被
走査面上に集光すべきビームスポットが設計上の位置に
近くなり、書き込まれる記録画像の品質を向上すること
ができる。
【0021】(第11の実施例)次に、本発明の第11
の実施例(請求項11)を示すプラスチック光学素子に
ついて述べる。請求項11は、熱可塑性の非晶性プラス
チック材料から形成されていることを特徴としている。
熱可塑性の非晶性プラスチック材料は、比容積や熱容量
の微分係数が急激に変化するガラス転移温度域Tgを有
し、Tg以上では応力に対して液体となり、Tg以下で
は固体となり、かつ成形良好性、強靱性、耐疲労性、耐
クリープ性、耐摩耗性、耐衝撃性、寸法安定性、透明
性、耐候性、耐寒性等を有する。
【0022】また、本発明の製造方法を以下の方法と組
み合わせることでも、同様の屈折率低減効果は得られ
る。 1)キャビティ内に樹脂が充填された後、一定の段階で
金型を成形機から切り離し、その後自然放冷、あるいは
温度制御装置内での温度制御により、前記冷却工程を実
施すれば、成形サイクルが長くなる分を金型数を増加さ
せることで、生産性を落とすことなく、低屈折率分布の
プラスチック光学素子を低コストで得ることができる。
【0023】2)成形し離型した直後のプラスチック光
学素子に対し、光学素子が所定温度範囲内にある状態か
ら、前記温度保持工程および冷却工程、または冷却工程
のみを連続して実施することで、より短時間で屈折率分
布低減効果を得ることができる。この時、光学素子を金
型から自動で取り出すための取出機に断熱部材を具備
し、離型して直ちに光学素子の光学面以外の面に断熱部
材を押し当てて冷却することで、屈折率分布の少ない光
学素子が得られる。
【0024】3)内部を移動可能で移動方向に温度分布
を制御された装置内に、光学素子またはキャビティ内に
樹脂が充填されている金型を通過させることで、前記冷
却工程を実施することにより、全工程を全自動で行い、
低コストで低屈折率分布のプラスチック光学素子を得る
ことができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光学素子内部の屈折率分布を大幅に低減させることが
できる(請求項1〜3)。また、プラスチック光学素
子の光学面から優先的に冷却することが可能になり、光
学素子内部の屈折率分布を大幅に低減させることができ
る(請求項4)。また、特別な治具を用いることな
く、簡便な方法で、プラスチック光学素子の光学面から
優先的に冷却することができる(請求項5)。また、
プラスチック光学素子の光学面から優先的に冷却するこ
とが可能になる(請求項6)。
【0026】また、一度冷却され大きな屈折率分布を
もった光学素子の屈折率分布を大幅に低減できる(請求
項7)。また、樹脂内の温度分布が均一化されてから
徐冷工程を経るので、一度冷却され大きな屈折率分布を
もった光学素子の屈折率分布を低減することができる
(請求項8)。また、より短時間で屈折率分布低減効
果を得ることができる(請求項9)。
【0027】また、(10)プラスチック光学素子の光線通
過方向と直交する任意の方向で、プラスチック光学素子
内部の屈折率分布が低減でき、結像位置ずれの少ない高
品位な光学素子が提供できる(請求項10)。さらに、(11)
熱可塑性の非晶性プラスチック材料から形成されている
ことで、実際に上記(10)の高精度なプラスチック光学素
子を得ることができる(請求項11)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第4の実施例(請求項1,
4)を示すプラスチック光学素子の製造方法の説明図で
ある。
【図2】本発明の第5の実施例(請求項5)を示すプラ
スチック光学素子の製造方法の説明図である。
【図3】本発明の第6の実施例(請求項6)を示すプラ
スチック光学素子の製造方法の説明図である。
【図4】本発明の第9の実施例(請求項9)を示すプラ
スチック光学素子の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
11,12…光学面、13…A視点、14…断熱部材、
15…プラスチック光学素子、16…ヒーター、17…
樹脂、18…非転写面、19…可動入子、20…空隙
(断熱層)、21…後退。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 清孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C362 BA84 BA86 4F203 AH73 AR06 DA14 DB01 DC01 DC27 DK01 DK07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック光学素子の製造方法におい
    て、製造過程の樹脂冷却工程で、少なくとも使用樹脂材
    料のガラス転移温度以下の所定温度範囲で前記プラスチ
    ック光学素子の光学面から優先的に冷却することを特徴
    とするプラスチック光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記所定温度範囲が、使用樹脂材料のガ
    ラス転移温度から−40℃の範囲であることを特徴とす
    る請求項1記載のプラスチック光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記所定温度範囲内での冷却が、毎分3
    ℃以下の徐冷工程を含むことを特徴とする請求項1また
    は2記載のプラスチック光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記プラスチック光学素子の光学面以外
    の面の一部または全部に、断熱部材を当接しながら冷却
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記
    載のプラスチック光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記断熱部材の当接は、複数個のプラス
    チック光学素子の光学面以外の面を重ね合わせて当接す
    ることを特徴とする請求項4記載のプラスチック光学素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記プラスチック光学素子の光学面以外
    の面の一部または全部に温度制御手段を有する部材を当
    接しながら冷却することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか一つに記載のプラスチック光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記プラスチック光学素子を、所定温度
    範囲以下にある状態から該所定温度範囲内まで加熱して
    から、冷却することを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か一つに記載のプラスチック光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記プラスチック光学素子を所定温度範
    囲内まで加熱してから冷却開始するまでに、前記所定温
    度範囲内で温度保持工程を設けることを特徴とする請求
    項7記載のプラスチック光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記プラスチック光学素子を所定温度範
    囲以上の状態から該所定温度範囲内まで冷却した後に、
    前記冷却工程を行うことを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか一つに記載のプラスチック光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一つに記載の
    プラスチック光学素子の製造方法を行うことにより、プ
    ラスチック光学素子の光線通過方向と直交する任意の方
    向で、プラスチック光学素子内部の屈折率分布が低減し
    ていることを特徴とするプラスチック光学素子。
  11. 【請求項11】 熱可塑性の非晶性プラスチック材料か
    ら形成されていることを特徴とする請求項10記載のプ
    ラスチック光学素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010061164A (ja) * 2009-12-14 2010-03-18 Ricoh Co Ltd 光学素子の位置決め方法、光学素子、光走査装置および接着方法

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