JP2002261380A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2002261380A
JP2002261380A JP2001390563A JP2001390563A JP2002261380A JP 2002261380 A JP2002261380 A JP 2002261380A JP 2001390563 A JP2001390563 A JP 2001390563A JP 2001390563 A JP2001390563 A JP 2001390563A JP 2002261380 A JP2002261380 A JP 2002261380A
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semiconductor device
ridge
ridge portion
layer
thickness
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Keiichi Yabusaki
慶一 藪▲崎▼
Norio Okubo
典雄 大久保
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置の加工精度および生産効率を高め
ること。 【解決手段】 半導体レーザ装置は、半導体基板2の上
面に、下側クラッド層3、活性層4、上側クラッド層
5、コンタクト層9、絶縁膜6が生成されている。ま
た、上側クラッド層5、コンタクト層9、絶縁膜6は、
エッチングによってリッジ部12をなしている。さら
に、半導体基板2の下面に負電極1が生成され、多層膜
基板31の上面には導電体層7が生成されている。ま
た、導電体層7は、リッジ部12の側面において少なく
とも150nmの厚みを有し、リッジ部12は砂時計形
の断面形状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置に関
し、特に半導体基板上に隆起したリッジ部の側面を覆う
被覆部における亀裂の発生を防止する半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体基板上に所定の多層膜
を生成し、エッチングなどを用いて加工し、所望の電気
回路や電気素子などの半導体装置を作成する技術が用い
られている。
【0003】図5は、従来の半導体装置である半導体レ
ーザ装置の断面図である。半導体レーザ装置は、ストラ
イプ状の隆起部であるリッジを有し、光および電流の閉
じ込めを行うので、簡便な構造で良好なレーザ特性を示
し、光通信、光記録、光計測の分野で、発光装置及び光
ファイバアンプ励起装置などに多用される。
【0004】この半導体レーザ装置は、半導体基板2の
上面に、下側クラッド層3、活性層4、上側クラッド層
5、コンタクト層9、および絶縁層6が成膜されてい
る。また、上側クラッド層5、コンタクト層9、絶縁層
6は、エッチングによってリッジ部12を形成する。さ
らに、半導体基板2の下面に負電極1が形成され、半導
体レーザ装置の上面には正電極として機能する導電体層
17が形成されている。
【0005】この従来の半導体レーザ装置は、図6
(a)〜6(c)、図7(a)〜7(c)に示す製造方
法によって製造される。まず、図6(a)に示すよう
に、下側クラッド層3、活性層4、上側クラッド層5お
よびコンタクト層9を、半導体基板2の上面に順次形成
する。つぎに、コンタクト層9の上に、レジスト10を
塗布および形成する。
【0006】その後、図6(b)に示すように、レジス
ト10をマスクとしてコンタクト層9および上側クラッ
ド層5をエッチングし、リッジ部12を形成する。さら
に、図6(c)に示すように、レジスト10を除去し、
上側クラッド層5の上面、リッジ部12の上面およびリ
ッジ部12の側面に絶縁層6を形成する。したがって、
絶縁層6は、リッジ部12を完全に覆うこととなる。
【0007】その後、図7(a)に示すように、絶縁層
6の上面にレジスト11を塗布する。このレジスト11
は、少なくともリッジ部12に比して高くなるように塗
布を行う。さらに、リッジ部12およびその周辺部分を
平坦化するために、レジスト11の上面に図示しないレ
ジストを塗布して形成する。その後、図7(b)に示す
ように、フォトリソグラフィ、酸素プラズマアッシング
処理を行い、リッジ部12の上面およびその周囲のレジ
スト11を、リッジ部12の絶縁層6の高さまで除去
し、リッジ部12上面の絶縁層6を露出させる。
【0008】その後、図7(c)に示すように、リッジ
部12上面の絶縁層6をプラズマエッチング処理によっ
て除去し、コンタクト層9を露出させる。さらに、レジ
スト11を完全に除去し、リッジ部12の上面および側
面に導電体層17(図5参照)を形成する。つぎに、半
導体基板2の下面をミリングおよびポリッシングにより
研磨して半導体基板2を薄くする。最後に、半導体基板
2の下面に負電極1(図5参照)を形成する。このよう
にして、従来のリッジ型半導体装置を得ることができ
る。
【0009】導電体層17は、フォトリソグラフィ工
程、堆積工程、メッキ工程を用いて形成する。ここで、
フォトリソグラフィ工程は、導電体層17の形成箇所を
露出するためのマスクの生成に用いる。このフォトリソ
グラフィ工程は、一般に、NaOH、KOH、水酸化テ
トラメチルアンモニウム、TMAHなどのイオンを用い
た処理工程を含む。
【0010】次に、堆積工程は、スパッタリングなどを
用いて行われ、導電体の整合層を形成する。この導電体
の整合層は、金の拡散を防止する障壁として機能する。
この導電体層のうち、最終的な半導体装置にとって必要
ではないマスクの上に形成された部分は、第2のフォト
リソグラフィ工程において、有機溶剤の洗浄によってマ
スクともに除去される。
【0011】つぎに、メッキ工程によって形成される金
属層は、通常、ウェハの表面上に形成される。なお、整
合層の表面に金を直接にメッキすることができる場合、
この工程は省略することができる。第3のフォトリソグ
ラフィ工程は、導電体層17に対応する露出パターンを
有するメッキマスクを半導体基板上面に形成する。この
フォトリソグラフィ工程は、メッキマスクに対するイオ
ン処理を含む。つぎに、メッキマスク上から金を厚くメ
ッキし、有機溶媒によってメッキマスクを除去する。ま
た、必要であれば、金の腐食液を用いて、メッキマスク
の下の不要な層を除去してもよい。
【0012】また、導電体層17を形成する工程に類似
の工程は、負電極1を形成するために用いられ、この工
程においてもイオンによる処理や有機溶媒による処理を
行う。また、半導体基板を薄くするミリング処理におい
ても、イオンによる処理が行われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の半導体レーザ装置は、導電体層17および負電
極1を形成するフォトリソグラフィ工程やメッキ工程に
おいて、コンタクト層9に侵食が発生する。コンタクト
層9に侵食が発生した場合、半導体レーザ装置の電流経
路が狭くなり、電気抵抗が上昇する。この結果、半導体
レーザ装置の光出力が低下する。すなわち、従来の半導
体レーザ装置では、コンタクト層9に生じる侵食によっ
て半導体レーザ装置の光出力が低下するという問題点が
あった。
【0014】ここで、本発明者は、図7(c)に示した
プラズマエッチング処理によって、絶縁層6が平坦な表
面ではなく、傾斜面23を形成することを見出した。図
8は、絶縁層6の傾斜面23を示す図であり、図11は
傾斜面23の拡大図である。この傾斜面23は、コンタ
クト層9のリッジ部と絶縁層6との間にギャップ24を
形成し、導電体層17を形成する表面に不連続を形成す
る。
【0015】発明者は、鋭意研究の結果、侵食22は、
コンタクト層9の上部、ギャップ24の近傍に存在する
ことを見出した。また、発明者は、図9に示すように、
導電体層17と絶縁層6との境界に生じた侵食22の近
傍に、導電体層17の亀裂21が存在することを見出し
た。なお、図9は、リッジの左側面に侵食22と亀裂2
1が生じた場合を示すが、同様の侵食および亀裂はリッ
ジの右側面においても発生する。
【0016】さらに、発明者は、フォトリソグラフィ工
程およびメッキ工程において用いられるイオン溶液が亀
裂21からコンタクト層9に浸透し、電気化学反応によ
ってコンタクト層9を侵食することを見出した。
【0017】また、リッジ部12は、リッジ部12の幅
がコンタクト層9の上面から上側クラッド層5に向かっ
て逆メサ形状となる部分が形成されており、リッジ部1
2の側面が逆メサ形状となっていることから、この部分
に応力集中が生じてリッジ部12の側面の導電体層17
に歪みが発生し、亀裂21が発生するものと考えられ
る。
【0018】この発明は上記に鑑みてなされたものであ
って、導電体層における亀裂の発生を防止し、コンタク
ト層の侵食を防止し、高精度で効率良く生産することが
できる半導体装置およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる半導体装置は、半導体基板上に多
層膜構造のリッジ部を形成した半導体装置において、少
なくとも、前記リッジ部の上面と前記リッジ部の長手方
向側面の一方とを被覆する導電体層を備え、当該導電体
層の前記リッジ部の長手方向側面における膜厚は150
nm以上であることを特徴とする。
【0020】この請求項1の発明によれば、半導体装置
の導電体層は、150nm以上の膜厚をもって多層膜構
造のリッジ部の長手方向側面を覆う。
【0021】また、請求項2にかかる半導体装置は、前
記導電体層の前記リッジ部の長手方向側面における膜厚
は、前記リッジ部の上面における膜厚の50%以上であ
ることを特徴とする。
【0022】この請求項2の発明によれば、半導体装置
の導電体層は、リッジ部の上面における膜厚の50%以
上かつ150nm以上の膜厚をもってリッジ部の長手方
向側面を覆う。
【0023】また、請求項3にかかる半導体装置は、上
記の発明において、前記導電体層の前記リッジ部の長手
方向側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における
膜厚の60%以上であることを特徴とする。
【0024】この請求項3の発明によれば、半導体装置
の導電体層は、リッジ部の上面における膜厚の60%以
上の膜厚をもってリッジ部の長手方向側面を覆う。
【0025】また、請求項4にかかる半導体装置は、上
記の発明において、前記導電体層の前記リッジ部の長手
方向側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における
膜厚の120%以下であることを特徴とする。
【0026】この請求項4の発明によれば、半導体装置
の導電体層は、リッジ部の長手方向側面においてリッジ
部の上面における膜厚の120%以下の膜厚を有する。
【0027】また、請求項5にかかる半導体装置は、上
記の発明において、前記導電体層の前記リッジ部の長手
方向側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における
膜厚以下であることを特徴とする。
【0028】この請求項5の発明によれば、半導体装置
の導電体層は、リッジ部の長手方向側面においてリッジ
部の上面における膜厚に比して小さい膜厚を有する。
【0029】また、請求項6にかかる半導体装置は、上
記の発明において、前記導電体層の前記リッジ部の長手
方向側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における
膜厚と略同一であることを特徴とする。
【0030】この請求項6の発明によれば、半導体装置
は、リッジ部の上面と長手方向側面とを略同一の厚さで
被覆する導電体層を有する。
【0031】また、請求項7にかかる半導体装置は、上
記の発明において、前記導電体層の前記リッジ部の長手
方向側面における膜厚は、200nm以上であることを
特徴とする。
【0032】この請求項7の発明によれば、半導体装置
の導電体層は、リッジ部の長手方向側面において200
nm以上の膜厚を有する。
【0033】また、請求項8にかかる半導体装置は、上
記の発明において、前記導電体層は、1または複数のサ
ブレイヤーによって形成されることを特徴とする。
【0034】この請求項8の発明によれば、1または複
数のサブレイヤーによって形成された導電体層によっ
て、リッジ部の長手方向側面を被覆する。
【0035】また、請求項9にかかる半導体装置は、上
記の発明において、前記サブレイヤーの各々は、金の含
有率が重量比で5%に比して小さいことを特徴とする。
【0036】この請求項9の発明によれば、導電体層
は、金の含有率が重量比で5%に比して小さいサブレイ
ヤーによって形成され、リッジ部の長手方向側面を被覆
するようにしている。
【0037】また、請求項10にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記サブレイヤーの各々は、ビッ
カース硬度試験による硬度の値が結晶状態で30以上で
ある材質によって形成されることを特徴とする。
【0038】この請求項10の発明によれば、サブレイ
ヤーは、ビッカース硬度試験による硬度の値が結晶状態
で30以上である材質によって形成され、リッジ部の長
手方向側面を被覆するようにしている。
【0039】また、請求項11にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記サブレイヤーの各々は、結晶
状態における延性が金の結晶状態における延性に比して
小さい材質によって形成されることを特徴とする。
【0040】この請求項11の発明によれば、サブレイ
ヤーは、結晶状態における延性が金の結晶状態における
延性に比して小さい材質によって形成され、リッジ部の
長手方向側面を被覆するようにしている。
【0041】また、請求項12にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記リッジ部の上面の高さは、前
記半導体基板の上面に比して高いことを特徴とする。
【0042】この請求項12の発明によれば、半導体装
置は、半導体基板表面に対して隆起したリッジ部の側面
を導電体層によって被覆するようにしている。
【0043】また、請求項13にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記半導体基板の上面に溝を備
え、当該溝の側面によって前記リッジ部を形成したこと
を特徴とする。
【0044】この請求項13の発明によれば、半導体表
面に溝を形成し、溝と溝との間をリッジ部として利用し
た半導体装置において、リッジ部の側面を導電体層によ
って被覆するようにしている。
【0045】また、請求項14にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記リッジ部の側面と前記導電体
層との間に誘電体層を備えたことを特徴とする。
【0046】この請求項14の発明によれば、リッジ部
の長手方向側面に誘電体層を介して導電体層を形成する
ようにしている。
【0047】また、請求項15にかかる半導体装置の製
造方法は、半導体基板上に多層膜構造のリッジ部を有す
る半導体装置の製造方法において、前記リッジ部を形成
する多層膜を順次形成する多層膜形成工程と、少なくと
も前記リッジ部の上面と前記リッジ部の長手方向側面の
一方とを被覆し、前記リッジ部の長手方向側面における
膜厚が150nm以上である導電体層を堆積によって形
成する導電体層堆積工程と、を含むことを特徴とする。
【0048】この請求項15の発明によれば、多層膜形
成工程によって多層膜構造のリッジ部を形成し、導電体
層堆積工程によって150nm以上の膜厚をもってリッ
ジ部の長手方向側面を覆う導電体層を形成する。
【0049】また、請求項16にかかる半導体装置の製
造方法は、前記導電体層堆積工程は、前記リッジ部の長
手方向側面における膜厚が前記リッジ部の上面における
膜厚の50%以上である導電体層を形成することを特徴
とする。
【0050】この請求項16の発明によれば、多層膜形
成工程によって多層膜構造のリッジ部を形成し、導電体
層堆積工程によってリッジ部の上面における膜厚の50
%以上かつ150nm以上の膜厚をもってリッジ部の長
手方向側面を覆う導電体層を形成する。
【0051】また、請求項17にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体堆積工程前
にパターンマスクを形成するパターンマスク形成工程
と、前記導電体堆積工程後に処理溶液を用いて前記パタ
ーンマスクおよび不要な導電体層を除去するパターンマ
スク除去工程と、をさらに含むことを特徴とする。
【0052】この請求項17の発明によれば、多層膜形
成工程によって多層膜構造のリッジ部を形成し、パター
ンマスク形成工程によってパターンマスクを形成し、導
電体層堆積工程によって導電体層を形成し、パターンマ
スク除去工程によってパターンマスクおよび不要な導電
体層を除去する。
【0053】また、請求項18にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記多層膜形成工程
は、前記リッジ部の側面と前記導電体層との間に誘電体
層を形成する誘電体層形成工程を含むことを特徴とす
る。
【0054】この請求項18の発明によれば、多層膜形
成工程は、リッジ部の側面に誘電体層を形成し、誘電体
層の上面に導電体層を形成するようにしている。
【0055】また、請求項19にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体層堆積工程
は、前記リッジ部の長手方向側面における膜厚が200
nm以上の導電体層を形成することを特徴とする。
【0056】この請求項19の発明によれば、導電体層
堆積工程は、リッジ部の長手方向側面において200n
m以上の膜厚を有する導電体層を形成する。
【0057】また、請求項20にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体層堆積工程
は、前記リッジ部の長手方向側面における膜厚が前記リ
ッジ部の上面における膜厚の50%以上120%以下で
ある導電体層を形成することを特徴とする。
【0058】この請求項20の発明によれば、導電体層
堆積工程は、リッジ部の上面における膜厚の50%以上
120%以下の膜厚を有する導電体層を形成する。
【0059】また、請求項21にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体層堆積工程
は、前記リッジ部の長手方向側面における膜厚が前記リ
ッジ部の上面における膜厚の60%以上である導電体層
を形成することを特徴とする。
【0060】この請求項21の発明によれば、導電体層
堆積工程は、リッジ部の上面における膜厚の60%以上
の膜厚を有する導電体層を形成する。
【0061】また、請求項22にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体層堆積工程
は、前記リッジ部の長手方向側面における膜厚が前記リ
ッジ部の上面における膜厚以下である導電体層を形成す
ることを特徴とする。
【0062】この請求項22の発明によれば、導電体層
堆積工程は、リッジ部の上面における膜厚以下の膜厚を
有する導電体層を形成する。
【0063】また、請求項23にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体層堆積工程
は、前記リッジ部の長手方向側面における膜厚が前記リ
ッジ部の上面における膜厚と略同一である導電体層を形
成することを特徴とする。
【0064】この請求項23の発明によれば、導電体層
堆積工程は、リッジ部の上面とリッジ部の長手方向側面
とを略同一の膜厚によって被覆する導電体層を形成す
る。
【0065】また、請求項24にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体層形成工程
は、前記リッジ部の長手方向側面の上方から前記導電体
層を形成する導電体材料を供給することを特徴とする。
【0066】この請求項24の発明によれば、導電体層
堆積工程は、リッジ部の長手方向側面の上方から導電体
材料を供給し、リッジ部長手方向側面を被覆する導電体
層を形成する。
【0067】また、請求項25にかかる半導体装置の製
造方法は、上記の発明において、前記導電体層堆積工程
は、前記半導体基板の法線方向を前記導電体材料の供給
方向に対して傾けて前記半導体基板を保持し、前記半導
体基板の法線方向を軸として前記半導体基板を回転させ
ながら前記導電体層の形成を行うことを特徴とする。
【0068】この請求項25の発明によれば、半導体基
板の法線方向を導電体材料の供給方向に対して傾けて半
導体基板を保持し、半導体基板の法線方向を軸として回
転させながら導電体材料を供給して導電体層を形成す
る。
【0069】また、請求項26にかかる半導体装置は、
半導体基板上に多層膜構造のリッジ部を形成した半導体
装置において、前記リッジ部は、前記半導体基板に接す
るリッジ底面と、前記リッジ底面の上方に形成された第
1のボディセクションと、前記リッジ部の上面と前記第
1のボディセクションとの間に形成された第2のボディ
セクションと、前記第2のボディセクションの側面の一
部と前記第1のボディセクションの側面とを少なくとも
被覆する誘電体膜と、を備え、前記第1のボディセクシ
ョンの側面は、垂直メサ傾斜もしくは順メサ傾斜を形成
し、前記第2のボディセクションの側面は逆メサ傾斜を
形成することを特徴とする。
【0070】この請求項26の発明によれば、半導体装
置は、リッジ底面の上方に形成され、垂直メサ傾斜もし
くは順メサ傾斜の側面を有する第1のボディセクション
と、第1のボディセクションとリッジ部上面との間に形
成され、逆メサ傾斜の側面を有する第2のボディセクシ
ョンとを備えたリッジ部を形成し、リッジ部側面に誘電
体膜を形成している。
【0071】また、請求項27にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記誘電体層は、前記第1のボデ
ィセクションの側面と前記第2のボディセクションの側
面とを全て被覆することを特徴とする。
【0072】この請求項27の発明によれば、リッジ部
側面に形成した誘電体膜が、第1のボディセクションの
側面と第2のボディセクションの側面とを全て被覆する
ようにしている。
【0073】また、請求項28にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記リッジ部の上面近傍は、前記
誘電体層に比してプラズマエッチングに対して大きな耐
性を有する材質によって形成することを特徴とする。
【0074】この請求項28の発明によれば、リッジ底
面の上方に形成され、垂直メサ傾斜もしくは順メサ傾斜
の側面を有する第1のボディセクションと、第1のボデ
ィセクションとリッジ部上面との間に形成され、逆メサ
傾斜の側面を有する第2のボディセクションとを備えた
リッジ部の上面近傍を、誘電体層に比してプラズマエッ
チング速度の低い材質によって形成している。
【0075】また、請求項29にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記誘電体層、前記リッジ部の上
面および前記リッジ部側面の上面近傍の一部を被覆する
導電体層をさらに備えたことを特徴とする。
【0076】この請求項29の発明によれば、リッジ部
の上面と、上面近傍の側面の一部を被覆する導電体層を
形成するようにしている。
【0077】また、請求項30にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記リッジ部は、前記リッジ底面
において2.7μmから4.5μmまでの幅を備え、前
記リッジ部の上面は、前記リッジ底面の幅の40%以上
65%以下の幅を備え、前記第1のボディセクションと
前記第2のボディセクションとの接触面は、前記リッジ
部の上面の幅の80%以上95%以下の幅を備えたこと
を特徴とする。
【0078】この請求項30の発明によれば、リッジ底
面の幅を2.7μmから4.5μmまでの値とし、リッ
ジ上面の幅をリッジ底面の幅の40%以上65%以下の
値とし、前記第1のボディセクションと前記第2のボデ
ィセクションとの接触面の幅をリッジ上面の幅の80%
以上95%以下の値としている。
【0079】また、請求項31にかかる半導体装置は、
上記の発明において、前記リッジ底面から前記第1のボ
ディセクションと前記第2のボディセクションとの接触
面までの高さは1.3μm以上1.4μm以下に形成さ
れ、前記第1のボディセクションと前記第2のボディセ
クションとの接触面から前記リッジ部の上面までの高さ
は0.4μm以上0.6μm以下に形成されることを特
徴とする。
【0080】この請求項31の発明によれば、リッジ底
面から第1のボディセクションと前記第2のボディセク
ションとの接触面までの高さは1.3μm以上1.4μ
mとし、第1のボディセクションと第2のボディセクシ
ョンとの接触面からリッジ部の上面までの高さは0.4
μm以上0.6μmとしている。
【0081】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係る半導体装置およびその製造方法の好適な実施
の形態を詳細に説明する。
【0082】(実施の形態)図1は、この発明の実施の
形態である半導体レーザ装置の概要構成を示す断面図で
ある。また、図4(c)は、図1に示したリッジ部12
の拡大断面図である。図1において、この半導体レーザ
装置を形成する多層膜基板31は、半導体基板2の上面
に、下側クラッド層3、活性層4、上側クラッド層5、
コンタクト層9、絶縁層6を生成している。上側クラッ
ド層5、コンタクト層9、絶縁層6は、リッジ部12を
形成している。加えて、正電極として機能する導電体層
7を半導体基板2の上面に形成し、負電極1を多層膜基
板31の下面に形成する。
【0083】この半導体レーザ装置は、図2(a)〜図
2(c)、図3(a)〜図3(c)、図4(a)〜図4
(c)に示す工程を用いて製造される。まず、図2
(a)に示すように、n型GaAsからなる半導体基板
2の上面に、MOCVD法、MBE法などの薄膜エピタ
キシャル成長方法を用いて、n型AlGaAsからなる
下側クラッド層3、活性層4、p型AlGaAsからな
る上側クラッド層5、コンタクト層9を順次形成する。
なお、コンタクト層9は、p型GaAsによって形成す
ることが望ましい。つぎに、コンタクト層9の上に、レ
ジスト10を塗布して形成する。
【0084】その後、図2(b)に示すように、クエン
酸系溶液を用いたウェットエッチング処理によりコンタ
クト層9および上側クラッド層5をエッチングし、レジ
スト10と同じ幅のリッジ部12を形成する。
【0085】さらに、多層膜基板31の上面のレジスト
10を、剥離液を用いて溶解して除去する。さらに、残
存したレジスト10を酸素プラズマアッシング処理によ
って除去する。図4(a)は、この酸素プラズマアッシ
ング処理後におけるリッジ部12の拡大断面図である。
図4(a)に示すように、リッジ部12は半導体基板に
接するリッジ底面を有し、リッジ底面とリッジ上面との
間に側面部を有する。この図から分かる様に、側面部は
リッジ中腹でくびれた「砂時計」形を有し、リッジ部1
2はこのくびれの下方である下部本体(下側ボディセク
ション)41と、くびれの上方である上部本体(上側ボ
ディセクション)42とに分割される。下側ボディセク
ション41の側面部は、下方に広がる順メサ傾斜を有す
る。ここで、「順メサ傾斜」とは、傾斜の上端が傾斜の
下端に比してリッジ中心線43に近いことをいうものと
する。上側ボディセクション42の側面部は、上方に広
がる逆メサ傾斜を有する。ここで、「逆メサ傾斜」と
は、傾斜の上端が傾斜の下端に比してリッジ中心線43
から遠いことをいうものとする。なお、レジスト10を
マスクとしてエッチングを行い、リッジ部12を形成す
る際に、リッジの上面の両端、すなわち上側ボディセク
ション42の上面の両端は、コンタクト層9の一部であ
るコンタクト層端部9Aが除去されて丸くなる。コンタ
クト層端部9Aが除去されることによって形成される傾
斜は、順メサ傾斜もしくは半導体基板2に対して垂直な
傾斜、すなわち垂直メサ傾斜となる。この場合、上側ボ
ディセクション42は、リッジのくびれ部分からコンタ
クト層端部9Aまでとなり、リッジ上面までは到達しな
い。
【0086】リッジの「砂時計」形は、厚さ400nm
のp型GaAsからなるコンタクト層9および厚さ14
00nm〜1500nmのAl0.3Ga0.7Asからなる
上側クラッド層5によってリッジ部12を構成し、この
リッジ部12をクエン酸エッチング処理することで得る
ことができる。この構成では、クエン酸エッチング処理
におけるコンタクト層9と上側クラッド層5とのエッチ
ング速度の違いによって、下側ボディセクション41に
順メサ傾斜を形成し、上側ボディセクション42に逆メ
サ傾斜を形成することができる。
【0087】半導体レーザ装置の次の製造工程として、
多層膜基板31の上面に、プラズマCVD法等を用いて
絶縁層6を成膜する。この絶縁層6は、上側クラッド層
5の上面、リッジ部12の上面およびリッジ部12の側
面に形成される。なお、絶縁層6には、窒化珪素膜など
を用い、約120nmの厚さに形成する。この絶縁層6
を形成した半導体装置の概要構成を図2(c)に示し、
リッジ部12の拡大図を図4(b)に示す。
【0088】つづいて、図3(a)に示すように、多層
膜基板31の上面に、少なくともリッジ部12の段差に
比して高くしたレジスト11を形成する。レジスト11
の形成にはスピンコートなどを用いればよい。
【0089】さらに、図3(b)に示すように、フォト
リソグラフィ、酸素プラズマエッチング処理によってレ
ジスト11を除去する。なお、エッチング処理を行う時
間を制御し、リッジ部12上面の絶縁層6が露出した状
態でエッチングを終了する。
【0090】その後、図3(c)に示すように、たとえ
ばフロン系ガスのプラズマエッチング処理を施して、リ
ッジ部12上面の絶縁層6を除去する。なお、エッチン
グ処理を行う時間を制御し、コンタクト層9が露出し、
さらに小さなオーバーエッチングが発生した状態でエッ
チングを終了する。ここで、レジスト11の膜厚は、リ
ッジ部12の高さ1.8〜2μmに対して、1.6〜
1.8μmである。このため、レジスト11は、リッジ
部12上面の絶縁層6をエッチングして除去する場合
に、リッジ部12以外の絶縁層6をエッチングから保護
する保護膜として機能する。しかしながら、図4(c)
に示すように、リッジ側面の絶縁層6は、上方の一部が
除去され、リッジ上面に比して約100nm低くなる。
【0091】その後、有機溶媒などの剥離液を用いてレ
ジスト11を溶解、除去し、さらに、酸素プラズマアッ
シング処理を施して、残存したレジスト11を除去す
る。なお、剥離液としては、芳香族炭化水素:フェノー
ル:アルキルベンゼンスルホン酸=6:2:2などを用
いることができる。
【0092】つぎに、リッジ部12のコンタクト層9の
露出面上、および絶縁層6の上に、フォトリソグラフィ
技術と蒸着装置またはスパッタ装置(例えば平行スパッ
タ装置)を用いて厚さ200nmの導電体層7(図1参
照)を形成する。フォトリソグラフィ工程において、フ
ォトレジストは通常2μm以上の厚さで基板上面に形成
され、形成する導電体層7に対応してパターニングおよ
び除去される。たとえば、リッジ上面およびリッジ側面
に導電体層7を形成する場合、リッジ上面およびリッジ
側面のフォトレジストを除去する。その後、導電体層7
を形成する導電体物質を、半導体基板の上面全体に堆積
させる。ここで、半導体基板の上面全体とは、リッジ上
面、リッジ側面およびリッジ両側に残ったフォトレジス
トの上面を指す。リッジ両側に残ったフォトレジストお
よびフォトレジスト上面の導電体物質は、剥離液を用い
て除去する。この剥離液としては、通常、有機溶媒を用
いる。導電体層7は、チタン層(第1サブレイヤー)、
プラチナ層(第2サブレイヤー)、チタン層および金層
を順次蒸着して形成する。または、チタン層(第1サブ
レイヤー)、プラチナ層(第2サブレイヤー)および金
層を順次蒸着して導電体層7としてもよい。ここで、第
1サブレイヤーは、厚さ75nm以上の高粘性金属層で
ある。また、第2サブレイヤーは、厚さ75nm以上の
金拡散防止層であり、金層から金が拡散することを防止
する。この第1サブレイヤーおよび第2サブレイヤー層
は、金の含有率が重量比で各々5.0%以下であること
が好ましい。この金の含有率は、さらに好ましくは0.
5%以下であり、全く含まないのが理想的である。
【0093】ここで、堆積工程は、CVD装置やスパッ
タリング装置などの堆積装置によって行うドライデポジ
ション、およびそれに類するものを指す。堆積装置は、
低圧もしくは真空中で堆積物質を流す堆積軸と、基板を
保持するホルダとを有する。ホルダは、ホルダに載置し
た基板表面の法線方向に設けたホルダの中心軸によって
自転可能とする。また、ホルダは、その中心軸を堆積物
質の流れる方向に対して傾けて設ける。この傾きとして
は、例えば、堆積物質の流れる方向に対して鋭角に設け
るようにする。この構成によれば、リッジ部12の上面
における電極の厚さと、リッジ部12側面における電極
の厚さとをほぼ同じとすることができる。リッジ部12
を有する多層膜基板31をホルダに載置し、ホルダを傾
けて組付け、ホルダを回転させながら堆積工程を行う。
その結果、導電体材料は、リッジ部12上面、リッジ部
12側面および絶縁層6の上面に付着し、導電体層7を
形成する。この方法では、導電体層7は、メッキ溶液な
どのイオン溶液、有機溶媒、その他の液体対して露出さ
れることなく、150nm以上、より好適には200n
m以上の厚さに形成することができる。
【0094】つぎに、従来技術に示した半導体基板と同
様に、導電体層7を金(Au)によって厚くメッキし、
正電極を形成する。このメッキ工程では、メッキマスク
のパターニングにイオン水溶液を使用し、金メッキにイ
オンメッキ溶液を使用する。イオン水溶液およびイオン
メッキ溶液は、導電体層7に接触し、導電体層7から浸
透した場合にリッジに腐食部分を発生させる。しかしな
がら、この発明においては、リッジ側面の導電体層7の
厚さによって浸透および侵食の発生を防止することがで
きる。
【0095】金は、導電体層7に含まれる第1サブレイ
ヤーおよび第2サブレイヤーに比して柔らかく、延性が
高い。(言い換えれば、第1サブレイヤーおよび第2サ
ブレイヤーに用いた物質は、金に比して硬く、延性が低
い。)結晶状態の金はビッカース硬度試験において約2
5の硬度を有するが、プラチナの硬度は約40であり、
チタン硬度は約60である。堆積させた場合における物
質の硬度の値は結晶構造における値とは異なるが、硬度
の大小関係は同一である。導電体層7は、リッジ側表面
から150nmまでを第1サブレイヤーおよび第2サブ
レイヤーによって形成し、第1サブレイヤーおよび第2
サブレイヤーの硬度は、結晶状態のビッカース硬度試験
において30〜60の値であることが望ましい。
【0096】つぎに、半導体基板2の下面を削って薄く
した後、さらに研磨して鏡面化する。さらに、この鏡面
化した面に負電極1を形成する。ここで、負電極1の形
成においては、少なくとも一回のイオン溶液処理および
有機溶媒処理が含まれる。また、半導体基板2を薄くす
る工程においても有機溶媒が用いられ、さらにイオン溶
液処理が用いられることがある。この負電極1を形成し
た後の半導体装置を図1に示し、拡大断面図を図4
(c)に示す。
【0097】多層膜基板31は、上述のように形成さ
れ、モジュールとして組み立てられ、その後、実装を行
って半導体レーザ装置を完成させる。
【0098】したがって、この発明の実施の形態によれ
ば、導電体層7は、リッジ部12上面およびリッジ部1
2側面において同じ厚さを有することとなる。ここで同
じ厚さとはそれぞれの厚さの差が10%以内であること
とする。特に、この実施の形態では、リッジ部12上面
およびリッジ部12側面において、200nmの厚さを
有する導電体層7を形成している。発明者は、リッジ部
12側面における導電体層7の厚さ、すなわち図4
(c)においてT1として表示した厚さを150nm以
上とすることで、導電体層7と絶縁層6との間における
亀裂の発生を防止し、コンタクト層9における侵食の発
生を防止可能であることを見出した。図9は、リッジ部
12側面における導電体層7の厚さT1が150nmを
下回る従来の半導体レーザ装置において、亀裂21およ
び侵食22が発生した状態を示す。図9に示したリッジ
部12において、リッジ部12の上側ボディセクション
42が有する逆メサ傾斜は、応力の集中を引き起こし、
この応力の集中によって導電体層17に歪みが発生し、
亀裂21を生じる。導電体層7のリッジ部12側面にお
ける厚さT1を150nm以上とすることで、この応力
集中と歪みに対抗することができる。
【0099】つぎに、リッジ部12の断面形状について
説明する。上述したように、図4(a)〜図4(c)に
示したリッジ部は、下側ボディセクション41および上
側ボディセクション42によって形成され、砂時計形の
断面形状を有する。以降、図7(c)および図3(c)
を参照して、プラズマエッチング処理におけるオーバー
エッチングとリッジ部の砂時計形断面形状との関係につ
いて説明する。
【0100】半導体装置を製造する場合、ウェハ表面上
に複数の半導体装置を一括して形成し、劈開して個々の
半導体装置を得ることが一般的である。ウェハ上に複数
の半導体装置を形成する場合、ウェハ中心部において形
成した半導体装置と、ウェハ周辺部おいて形成した半導
体装置が完全に同一であるのが理想的であるが、現実に
はレジストの塗布量、エッチング量などの均一性に差が
生じる。たとえば、図7(a)に示した従来の半導体装
置においてレジスト11が堆積する厚さは、ウェハ表面
上の場所によって大きく異なる。また、図3(b)、図
7(b)、図3(c)、図7(c)に示したプラズマア
ッシングプロセスおよびプラズマエッチングプロセスに
おいて、このようなレジスト11の厚さの差、およびエ
ッチング量の差によってオーバーエッチングがしばしば
生じる。言い換えれば、エッチング処理の時間は、これ
らの層の最も厚い部分を完全にエッチングするために要
する時間に、マージンを加えて設定される。結果とし
て、被エッチング層の最も薄い部分は、大きくオーバー
エッチングされることとなる。
【0101】リッジ部12は、従来のリッジの順メサ形
状に比して、オーバーエッチングに対する耐性を高め、
許容量を増大させることができるという利点を持つ。従
来の順メサ形状のリッジに対してプラズマアッシング処
理を施した状態を図10に示す。図10において、リッ
ジの上面からレジスト11の最も低い点までの距離を、
オーバーエッチング距離OE1としている。レジスト1
1のもっとも低い点は、絶縁層6に隣接して生じ、リッ
ジ側面の絶縁層の一部を露出する。図11は、従来の順
メサ形状のリッジに対するプラズマエッチング処理後の
構造を示す図である。比較的長い時間オーバーエッチン
グされた場合、その結果として比較的大きいオーバーエ
ッチング距離OE2が生じる。このオーバーエッチング
距離OE2は、リッジの上面からギャップ24の底まで
である。ギャップ24は比較的深く、リッジ側面におい
て上側クラッド層5およびコンタクト層9を露出する。
上側クラッド層5とコンタクト層9とでは化学組成が異
なるため、フォトリソグラフィに用いるイオン溶液がギ
ャップ24に流入した場合に、これらの層の間で電気化
学反応が生じ、リッジに侵食を形成する。上述したよう
に、フォトリソグラフィ溶液は、導電体層17および負
電極1を形成するためのフォトリソグラフィ工程におい
て、図8に示した亀裂21を通ってギャップ24に流入
する。加えて、フォトリソグラフィに用いるイオン溶液
は、ギャップ24に長時間溜まった場合に、隣接する上
側クラッド層5およびコンタクト層9をエッチングす
る。
【0102】図12は、砂時計形であるリッジ部12
に、レジスト11のプラズマアッシング処理を施した状
態を示す図である。図12におけるオーバーエッチング
距離は、図10に示した従来技術で用いるオーバーエッ
チング距離OE1とほぼ同じとしている。図13は、砂
時計形であるリッジ部12に、プラズマエッチング処理
後の構造を示す図であり、オーバーエッチング距離OE
3が生じている。従来技術と同じオーバーエッチング時
間を用いたにも関わらず、リッジ上面から被エッチング
領域の底までのオーバーエッチング距離OE3は、オー
バーエッチング距離OE2に比して遥かに小さい。加え
て、プラズマエッチング処理後の構造において、ギャッ
プ24は形成されない。また、上側ボディセクション4
2の逆メサ傾斜によって、絶縁層6はその内側面ではな
く、外側面をエッチングされる。結果として、絶縁層6
の外側面とコンタクト層9の側面とは比較的滑らかに連
続することとなり、亀裂21の発生を抑制する。エッチ
ングがオーバーエッチング距離OE3に到達した後、絶
縁層6の残存部分はコンタクト層9によって保護され、
絶縁層6にさらなるエッチングが生じることを防止す
る。
【0103】したがって、新規な形状を有するリッジ部
12は、リッジ側面に比較的滑らかな連続面を形成し、
この滑らかな連続面によってさらに大量のオーバーエッ
チングを許容することができる。図14は、ギャップの
ない滑らかな側面を有するリッジ部12に、導電体層7
を形成した状態を示す図である。なお、コンタクト層9
の材質は、絶縁層6の材質に比してプラズマエッチング
対して高い耐性を持つことが望ましい。
【0104】図15は、リッジ部12の形状を示す断面
図である。図15において、リッジ底面の幅をリッジ底
面幅A3、リッジのくびれ部分の幅をくびれ幅A2、リ
ッジ上面の幅をリッジ上面幅A1、リッジ底面からくび
れ部分までの高さをH1、くびれ部分からリッジ上面ま
での高さをH2と定義する。リッジ部12のリッジ上面
幅A1は、リッジ底面幅A3の40%以上65%以下で
あることが望ましい。また、くびれ幅A2は、リッジ上
面幅A1の80%以上95%以下であることが望まし
い。
【0105】A1〜A3の値の好適な値としては、例え
ば、A3を4μm、A2を1.8μm、A1を2.0μ
mとする。高さH2の値は、0.4μm〜0.6μmで
あることが望ましく、0.5μmとするのが好適であ
る。高さH1は、1.3μm〜1.4μmであることが
望ましい。
【0106】以上説明したように、この実施の形態にか
かる理想的なリッジ部12は、リッジ側面で第1の厚さ
1を有し、リッジ部12上面で第2の厚さT2を有する
導体層を備える。導体層の第1の厚さT1は150nm
以上、または第2の厚さT2の50%以上であり、従来
の半導体装置における導電体層の厚さに比して著しく大
きい。この従来に比して著しく大きい膜厚は、堆積工程
において、半導体基板およびリッジ部12を堆積物質の
射出方向に対して傾けて保持し、基板を回転させながら
堆積工程を行うことによって実現する。この従来の半導
体装置に比して著しく大きいリッジ部12側面の膜厚に
よって、導電体層における亀裂の発生を防止することが
できる。
【0107】また、この実施の形態にかかる理想的なリ
ッジ部12は、垂直メサ傾斜または順メサ傾斜の側面を
有する下側ボディセクション41、逆メサ傾斜の側面を
有する上側ボディセクション42によって形成され、砂
時計形の断面形状を有する。また、リッジ部12は、プ
ラズマエッチング処理に先だって形成され、下側ボディ
セクション41および上側ボディセクション42の側面
を覆う誘電体層を備える。ここで、誘電体層はリッジ部
12上面をさらに覆うことが好ましい。また、リッジ部
12上面を覆う誘電体層は、プラズマエッチング処理の
後、除去する。リッジ部12上面近傍において側面を覆
う誘電体層は、表面を滑らかにする工程において除去さ
れる。リッジ部12の材質は、そのプラズマエッチング
速度が誘電体層のプラズマエッチング速度に比して小さ
いものであることが望ましい。このリッジ部12の砂時
計形状によって、オーバーエッチングに対する許容量を
増大し、絶縁層のギャップを減少し、防止することがで
きる。
【0108】なお、この実施の形態においては、リッジ
部12は、砂時計形の断面形状と、150nm以上もし
くはリッジ部12上面における膜厚の50%以上の膜厚
を有する導電体層と、をともに備えているが、砂時計形
の断面形状と、150nm以上もしくはリッジ部12上
面における膜厚の50%以上の膜厚を有する導電体層
と、はそれぞれ独立して半導体装置に適用することがで
きる。
【0109】また、この実施の形態では、ウェットエッ
チングによってリッジ部12を作成したが、ドライエッ
チングによってリッジ部12を作成する場合において
も、本発明を用いることができる。
【0110】なお、この実施の形態では、単純なリッジ
ストライプ構造を用いて半導体レーザ装置を構成してい
るが、本発明の利用はこれに限られるものではなく、ダ
ブルチャンネル構造を有する埋込ヘテロ型半導体レーザ
装置においても本発明を利用することができる。単純な
リッジストライプ構造を用いる場合、リッジ部12は半
導体基板の上面の上に形成する。ダブルチャンネル構造
を用いる場合、半導体基板の上面に溝を設け、この溝に
よってリッジを形成する。この場合、一般に、リッジの
一方の側面を形成する溝と、リッジを取り囲む溝との2
つの溝を形成し、この溝の側面をリッジの側面とするこ
とで2つの溝の間をリッジとして利用する。
【0111】さらに、この実施の形態では、リッジ型半
導体レーザ装置において本発明を利用しているが、本発
明の利用はこれに限られるものではなく、たとえば、リ
ッジ導波路型半導体受光装置に適用することができる。
【0112】なお、この実施の形態では、半導体レーザ
装置において本発明を利用しているが、本発明の利用は
これに限られるものではなく、多層膜をエッチングによ
って加工する工程において広く用いることができる。
【0113】上述のように本発明を実施の形態によって
記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこ
の発明を限定するものであると理解するべきではない。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例
および運用技術が明らかになると思われる。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、半導体装置の導電体層は、150nm以上の膜
厚をもって多層膜構造のリッジ部の長手方向側面を覆う
ので、リッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や
侵食の発生を防止し、高精度な半導体装置を歩留まり良
く得ることできるという効果を奏する。
【0115】また、請求項2の発明によれば、半導体装
置の導電体層は、リッジ部の上面における膜厚の50%
以上かつ150nm以上の膜厚をもってリッジ部の長手
方向側面を覆うので、リッジ側面において生ずる応力に
対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精度な半導体装
置を歩留まり良く得ることできるという効果を奏する。
【0116】また、請求項3の発明によれば、半導体装
置の導電体層は、リッジ部の上面における膜厚の60%
以上の膜厚をもってリッジ部の長手方向側面を覆うの
で、リッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵
食の発生を防止し、高精度な半導体装置を歩留まり良く
得ることできるという効果を奏する。
【0117】また、請求項4の発明によれば、半導体装
置の導電体層は、リッジ部の長手方向側面においてリッ
ジ部の上面における膜厚の120%以下の膜厚を有する
ので、リッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や
侵食の発生を防止し、高精度な半導体装置を歩留まり良
くかつ容易に得ることできるという効果を奏する。
【0118】また、請求項5の発明によれば、半導体装
置の導電体層は、リッジ部の長手方向側面においてリッ
ジ部の上面における膜厚に比して小さい膜厚を有するの
で、リッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵
食の発生を防止し、高精度な半導体装置を歩留まり良く
かつ容易に得ることできるという効果を奏する。
【0119】また、請求項6の発明によれば、半導体装
置は、リッジ部の上面と長手方向側面とを略同一の厚さ
で被覆する導電体層を有するので、リッジ側面において
生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精
度な半導体装置を歩留まり良くかつ容易に得ることでき
るという効果を奏する。
【0120】また、請求項7の発明によれば、半導体装
置の導電体層は、リッジ部の長手方向側面において20
0nm以上の膜厚を有するので、リッジ側面において生
ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精度
な半導体装置を歩留まり良く得ることできるという効果
を奏する。
【0121】また、請求項8の発明によれば、1または
複数のサブレイヤーによって形成された導電体層によっ
て、リッジ部の長手方向側面を被覆するので、リッジ側
面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防
止し、高精度な半導体装置を歩留まり良く得ることでき
るという効果を奏する。
【0122】また、請求項9の発明によれば、導電体層
は、金の含有率が重量比で5%に比して小さいサブレイ
ヤーによって形成され、リッジ部の長手方向側面を被覆
するようにしているので、リッジ側面において生ずる応
力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精度な半導
体装置を歩留まり良く得ることできるという効果を奏す
る。
【0123】また、請求項10の発明によれば、サブレ
イヤーは、ビッカース硬度試験による硬度の値が結晶状
態で30以上である材質によって形成され、リッジ部の
長手方向側面を被覆するようにしているので、リッジ側
面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防
止し、高精度な半導体装置を歩留まり良く得ることでき
るという効果を奏する。
【0124】また、請求項11の発明によれば、サブレ
イヤーは、結晶状態における延性が金の結晶状態におけ
る延性に比して小さい材質によって形成され、リッジ部
の長手方向側面を被覆するようにしているので、リッジ
側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を
防止し、高精度な半導体装置を歩留まり良く得ることで
きるという効果を奏する。
【0125】また、請求項12の発明によれば、半導体
装置は、半導体基板表面に対して隆起したリッジ部の側
面を導電体層によって被覆するようにしているので、リ
ッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発
生を防止し、高精度な半導体装置を歩留まり良く得るこ
とできるという効果を奏する。
【0126】また、請求項13の発明によれば、半導体
表面に溝を形成し、溝と溝との間をリッジ部として利用
した半導体装置において、リッジ部の側面を導電体層に
よって被覆するようにしているので、リッジ側面におい
て生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高
精度な半導体装置を歩留まり良く得ることできるという
効果を奏する。
【0127】また、請求項14の発明によれば、リッジ
部の長手方向側面に誘電体層を介して導電体層を形成す
るようにしているので、リッジ側面において生ずる応力
に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精度な半導体
装置を歩留まり良く得ることできるという効果を奏す
る。
【0128】また、請求項15の発明によれば、多層膜
形成工程によって多層膜構造のリッジ部を形成し、導電
体層堆積工程によって150nm以上の膜厚をもってリ
ッジ部の長手方向側面を覆う導電体層を形成するので、
半導体装置のリッジ側面において生ずる応力に対抗し、
亀裂や侵食の発生を防止し、高い歩留まりで生産するこ
とができるという効果を奏する。
【0129】また、請求項16の発明によれば、多層膜
形成工程によって多層膜構造のリッジ部を形成し、導電
体層堆積工程によってリッジ部の上面における膜厚の5
0%以上かつ150nm以上の膜厚をもってリッジ部の
長手方向側面を覆う導電体層を形成するので、半導体装
置のリッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵
食の発生を防止し、高い歩留まりで生産することができ
るという効果を奏する。
【0130】また、請求項17の発明によれば、多層膜
形成工程によって多層膜構造のリッジ部を形成し、パタ
ーンマスク形成工程によってパターンマスクを形成し、
導電体層堆積工程によって導電体層を形成し、パターン
マスク除去工程によってパターンマスクおよび不要な導
電体層を除去するので、半導体装置のリッジ側面におい
て生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高
い歩留まりで生産することができるという効果を奏す
る。
【0131】また、請求項18の発明によれば、多層膜
形成工程は、リッジ部の側面に誘電体層を形成し、誘電
体層の上面に導電体層を形成するようにしているので、
半導体装置のリッジ側面において生ずる応力に対抗し、
亀裂や侵食の発生を防止し、高い歩留まりで生産するこ
とができるという効果を奏する。
【0132】また、請求項19の発明によれば、導電体
層堆積工程は、リッジ部の長手方向側面において200
nm以上の膜厚を有する導電体層を形成するので、半導
体装置のリッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂
や侵食の発生を防止し、高い歩留まりで生産することが
できるという効果を奏する。
【0133】また、請求項20の発明によれば、導電体
層堆積工程は、リッジ部の上面における膜厚の50%以
上120%以下の膜厚を有する導電体層を形成するの
で、半導体装置のリッジ側面において生ずる応力に対抗
し、亀裂や侵食の発生を防止し、高い歩留まりで生産す
ることができるという効果を奏する。
【0134】また、請求項21の発明によれば、導電体
層堆積工程は、リッジ部の上面における膜厚の60%以
上の膜厚を有する導電体層を形成するので、半導体装置
のリッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食
の発生を防止し、高い歩留まりで生産することができる
という効果を奏する。
【0135】また、請求項22の発明によれば、導電体
層堆積工程は、リッジ部の上面における膜厚以下の膜厚
を有する導電体層を形成するので、半導体装置のリッジ
側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を
防止し、高い歩留まりで生産することができるという効
果を奏する。
【0136】また、請求項23の発明によれば、導電体
層堆積工程は、リッジ部の上面とリッジ部の長手方向側
面とを略同一の膜厚によって被覆する導電体層を形成す
るので、半導体装置のリッジ側面において生ずる応力に
対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高い歩留まりで生
産することができるという効果を奏する。
【0137】また、請求項24の発明によれば、導電体
層堆積工程は、リッジ部の長手方向側面の上方から導電
体材料を供給し、リッジ部長手方向側面を被覆する導電
体層を形成するので、半導体装置のリッジ側面において
生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高い
歩留まりで生産することができるという効果を奏する。
【0138】また、請求項25の発明によれば、半導体
基板の法線方向を導電体材料の供給方向に対して傾けて
半導体基板を保持し、半導体基板の法線方向を軸として
回転させながら導電体材料を供給して導電体層を形成す
るので、半導体装置のリッジ側面において生ずる応力に
対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高い歩留まりで生
産することができるという効果を奏する。
【0139】また、請求項26の発明によれば、半導体
装置は、リッジ底面の上方に形成され、垂直メサ傾斜も
しくは順メサ傾斜の側面を有する第1のボディセクショ
ンと、第1のボディセクションとリッジ部上面との間に
形成され、逆メサ傾斜の側面を有する第2のボディセク
ションとを備えたリッジ部を形成し、リッジ部側面に誘
電体膜を形成しているので、リッジ側面において生ずる
応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精度な半
導体装置を歩留まり良く得ることできるという効果を奏
する。
【0140】また、請求項27の発明によれば、リッジ
部側面に形成した誘電体膜が、第1のボディセクション
の側面と第2のボディセクションの側面とを全て被覆す
るようにしているので、リッジ側面において生ずる応力
に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精度な半導体
装置を歩留まり良く得ることできるという効果を奏す
る。
【0141】また、請求項28の発明によれば、リッジ
底面の上方に形成され、垂直メサ傾斜もしくは順メサ傾
斜の側面を有する第1のボディセクションと、第1のボ
ディセクションとリッジ部上面との間に形成され、逆メ
サ傾斜の側面を有する第2のボディセクションとを備え
たリッジ部の上面近傍を、誘電体層に比してプラズマエ
ッチング速度の低い材質によって形成しているので、リ
ッジ側面において生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発
生を防止し、高精度な半導体装置を歩留まり良く得るこ
とできるという効果を奏する。
【0142】また、請求項29の発明によれば、リッジ
部の上面と、上面近傍の側面の一部を被覆する導電体層
を形成するようにしているので、リッジ側面において生
ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、高精度
な半導体装置を歩留まり良く得ることできるという効果
を奏する。
【0143】また、請求項30の発明によれば、リッジ
底面の幅を2.7μmから4.5μmまでの値とし、リ
ッジ上面の幅をリッジ底面の幅の40%以上65%以下
の値とし、前記第1のボディセクションと前記第2のボ
ディセクションとの接触面の幅をリッジ上面の幅の80
%以上95%以下の値としているので、リッジ側面にお
いて生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、
高精度な半導体装置を歩留まり良く得ることできるとい
う効果を奏する。
【0144】また、請求項31の発明によれば、リッジ
底面から第1のボディセクションと前記第2のボディセ
クションとの接触面までの高さは1.3μm以上1.4
μmとし、第1のボディセクションと第2のボディセク
ションとの接触面からリッジ部の上面までの高さは0.
4μm以上0.6μmとしているので、リッジ側面にお
いて生ずる応力に対抗し、亀裂や侵食の発生を防止し、
高精度な半導体装置を歩留まり良く得ることできるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態である半導体レーザ装置
の断面図である。
【図2】図1に示した半導体レーザ装置の製造工程を示
す断面図である(その1)。
【図3】図1に示した半導体レーザ装置の製造工程を示
す断面図である(その2)。
【図4】図1に示したリッジ部12の拡大断面図であ
る。
【図5】従来の半導体装置である半導体レーザ装置の断
面図である。
【図6】図5に示した半導体レーザ装置の製造工程を示
す断面図である(その1)。
【図7】図5に示した半導体レーザ装置の製造工程を示
す断面図である(その2)。
【図8】図5に示した絶縁層6の傾斜面23を示す図で
ある。
【図9】導電体層17と絶縁層6との境界に生じた侵食
22を示す図である。
【図10】導電体層17と絶縁層6との境界に生じた侵
食22および導電体層17の亀裂21を説明する図であ
る。
【図11】図8に示した傾斜面23の拡大図である。
【図12】砂時計形であるリッジ部12に、レジスト1
1のプラズマアッシング処理を施した状態を示す図であ
る。
【図13】砂時計形であるリッジ部12に、プラズマエ
ッチング処理後の構造を示す図である。
【図14】ギャップのない滑らかな側面を有するリッジ
部12に、導電体層7を形成した状態を示す図である。
【図15】リッジ部12の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1 負電極 2 半導体基板 3 下側クラッド層 4 活性層 5 上側クラッド層 6 絶縁層 7 導電体層 9 コンタクト層 9A コンタクト層端部 10,11 レジスト 12 リッジ部 21 亀裂 22 侵食 23 傾斜面 24 ギャップ 31 多層膜基板 41 下側ボディセクション 42 上側ボディセクション 43 リッジ中心線

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に多層膜構造のリッジ部を
    形成した半導体装置において、 少なくとも、前記リッジ部の上面と前記リッジ部の長手
    方向側面の一方とを被覆する導電体層を備え、当該導電
    体層の前記リッジ部の長手方向側面における膜厚は15
    0nm以上であることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記導電体層の前記リッジ部の長手方向
    側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における膜厚
    の50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記導電体層の前記リッジ部の長手方向
    側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における膜厚
    の60%以上であることを特徴とする請求項2に記載の
    半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記導電体層の前記リッジ部の長手方向
    側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における膜厚
    の120%以下であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか一つに記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記導電体層の前記リッジ部の長手方向
    側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における膜厚
    以下であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装
    置。
  6. 【請求項6】 前記導電体層の前記リッジ部の長手方向
    側面における膜厚は、前記リッジ部の上面における膜厚
    と略同一であることを特徴とする請求項4に記載の半導
    体装置。
  7. 【請求項7】 前記導電体層の前記リッジ部の長手方向
    側面における膜厚は、200nm以上であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体装
    置。
  8. 【請求項8】 前記導電体層は、1または複数のサブレ
    イヤーによって形成されることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか一つに記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記サブレイヤーの各々は、金の含有率
    が重量比で5%に比して小さいことを特徴とする請求項
    8に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記サブレイヤーの各々は、ビッカー
    ス硬度試験による硬度の値が結晶状態で30以上である
    材質によって形成されることを特徴とする請求項8また
    は9に記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記サブレイヤーの各々は、結晶状態
    における延性が金の結晶状態における延性に比して小さ
    い材質によって形成されることを特徴とする請求項8〜
    10のいずれか一つに記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記リッジ部の上面の高さは、前記半
    導体基板の上面に比して高いことを特徴とする請求項1
    〜11のいずれか一つに記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】 前記半導体基板の上面に溝を備え、当
    該溝の側面によって前記リッジ部を形成したことを特徴
    とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の半導体装
    置。
  14. 【請求項14】 前記リッジ部の側面と前記導電体層と
    の間に誘電体層を備えたことを特徴とする請求項1〜1
    3のいずれか一つに記載の半導体装置。
  15. 【請求項15】 半導体基板上に多層膜構造のリッジ部
    を有する半導体装置の製造方法において、 前記リッジ部を形成する多層膜を順次形成する多層膜形
    成工程と、 少なくとも前記リッジ部の上面と前記リッジ部の長手方
    向側面の一方とを被覆し、前記リッジ部の長手方向側面
    における膜厚が150nm以上である導電体層を堆積に
    よって形成する導電体層堆積工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記導電体層堆積工程は、前記リッジ
    部の長手方向側面における膜厚が前記リッジ部の上面に
    おける膜厚の50%以上である導電体層を形成すること
    を特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記導電体堆積工程前にパターンマス
    クを形成するパターンマスク形成工程と、 前記導電体堆積工程後に処理溶液を用いて前記パターン
    マスクおよび不要な導電体層を除去するパターンマスク
    除去工程と、 をさらに含むことを特徴とする請求項15または16に
    記載の半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記多層膜形成工程は、前記リッジ部
    の側面と前記導電体層との間に誘電体層を形成する誘電
    体層形成工程を含むことを特徴とする請求項15〜17
    のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記導電体層堆積工程は、前記リッジ
    部の長手方向側面における膜厚が200nm以上の導電
    体層を形成することを特徴とする請求項15〜18のい
    ずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記導電体層堆積工程は、前記リッジ
    部の長手方向側面における膜厚が前記リッジ部の上面に
    おける膜厚の50%以上120%以下である導電体層を
    形成することを特徴とする請求項15〜19のいずれか
    一つに記載の半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記導電体層堆積工程は、前記リッジ
    部の長手方向側面における膜厚が前記リッジ部の上面に
    おける膜厚の60%以上である導電体層を形成すること
    を特徴とする請求項15〜20のいずれか一つに記載の
    半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記導電体層堆積工程は、前記リッジ
    部の長手方向側面における膜厚が前記リッジ部の上面に
    おける膜厚以下である導電体層を形成することを特徴と
    する請求項15〜21のいずれか一つに記載の半導体装
    置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記導電体層堆積工程は、前記リッジ
    部の長手方向側面における膜厚が前記リッジ部の上面に
    おける膜厚と略同一である導電体層を形成することを特
    徴とする請求項20に記載の半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記導電体層形成工程は、前記リッジ
    部の長手方向側面の上方から前記導電体層を形成する導
    電体材料を供給することを特徴とする請求項15〜23
    のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記導電体層堆積工程は、前記半導体
    基板の法線方向を前記導電体材料の供給方向に対して傾
    けて前記半導体基板を保持し、前記半導体基板の法線方
    向を軸として前記半導体基板を回転させながら前記導電
    体層の形成を行うことを特徴とする請求項15〜24の
    いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 半導体基板上に多層膜構造のリッジ部
    を形成した半導体装置において、 前記リッジ部は、前記半導体基板に接するリッジ底面
    と、前記リッジ底面の上方に形成された第1のボディセ
    クションと、前記リッジ部の上面と前記第1のボディセ
    クションとの間に形成された第2のボディセクション
    と、前記第2のボディセクションの側面の一部と前記第
    1のボディセクションの側面とを少なくとも被覆する誘
    電体膜と、を備え、 前記第1のボディセクションの側面は、垂直メサ傾斜も
    しくは順メサ傾斜を形成し、前記第2のボディセクショ
    ンの側面は逆メサ傾斜を形成することを特徴とする半導
    体装置。
  27. 【請求項27】 前記誘電体層は、前記第1のボディセ
    クションの側面と前記第2のボディセクションの側面と
    を全て被覆することを特徴とする請求項26に記載の半
    導体装置。
  28. 【請求項28】 前記リッジ部の上面近傍は、前記誘電
    体層に比してプラズマエッチングに対して大きな耐性を
    有する材質によって形成することを特徴とする請求項2
    6または27に記載の半導体装置。
  29. 【請求項29】 前記誘電体層、前記リッジ部の上面お
    よび前記リッジ部側面の上面近傍の一部を被覆する導電
    体層をさらに備えたことを特徴とする請求項26〜28
    のいずれか一つに記載の半導体装置。
  30. 【請求項30】 前記リッジ部は、前記リッジ底面にお
    いて2.7μmから4.5μmまでの幅を備え、 前記リッジ部の上面は、前記リッジ底面の幅の40%以
    上65%以下の幅を備え、 前記第1のボディセクションと前記第2のボディセクシ
    ョンとの接触面は、前記リッジ部の上面の幅の80%以
    上95%以下の幅を備えたことを特徴とする請求項26
    〜29のいずれか一つに記載の半導体装置。
  31. 【請求項31】 前記リッジ底面から前記第1のボディ
    セクションと前記第2のボディセクションとの接触面ま
    での高さは1.3μm以上1.4μm以下に形成され、 前記第1のボディセクションと前記第2のボディセクシ
    ョンとの接触面から前記リッジ部の上面までの高さは
    0.4μm以上0.6μm以下に形成されることを特徴
    とする請求項26〜30のいずれか一つに記載の半導体
    装置。
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