JP2002260952A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP2002260952A
JP2002260952A JP2001052236A JP2001052236A JP2002260952A JP 2002260952 A JP2002260952 A JP 2002260952A JP 2001052236 A JP2001052236 A JP 2001052236A JP 2001052236 A JP2001052236 A JP 2001052236A JP 2002260952 A JP2002260952 A JP 2002260952A
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cutting
heat treatment
manufacturing
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Hirotoshi Tanaka
博敏 田中
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断工程に要する時間を短縮でき、ひいて
は、製造コスト及び部品単価の低減に貢献できる積層セ
ラミック電子部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサを、グリーン
シートの形成工程(a),内部電極用導体層の形成工程
(b),積層工程(c),圧着工程(d),熱処理工程
(k1),切断工程(e),研磨工程(f),脱バイン
ダー工程(g),外部電極用導体層の形成工程(h),
焼成工程(i),メッキ工程(j)の工程順で製造す
る。前記の熱処理工程(k1)は、圧着後の積層グリー
ンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定時間熱処
理することにより、積層グリーンシート内のバインダー
の一部を除去するための工程であり、同工程(k1)を
経た後の積層グリーンシートは誘電体材料粉間に存在す
るバインダーの一部が除去されて気孔率が高まりシート
自体の粘りが低下して硬さが増すため、回転ブレードや
昇降ブレード等のブレードによる積層グリーンシートの
切断がし易くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサ等に有用な積層セラミック電子部品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミック電子部品の1種であると
ころの同時焼成タイプ(チップと内部電極用導体層と外
部電極用導体層の焼成を同時に行うタイプ)の積層セラ
ミックコンデンサは、下記(a)〜(j)の工程を経て
製造されている。 (a)グリーンシートの形成工程:予め用意されたスラ
リーをドクターブレード法等の塗工手法によってPET
等から成るベースフィルム上に所定厚で塗工する。 (b)内部電極用導体層の形成工程:予め用意された導
体ペーストをスクリーン印刷法等の印刷手法によってグ
リーンシート上に所定厚,所定形状及び所定配列で印刷
する。 (c)積層工程:印刷後のグリーンシートを所定の単位
寸法でカットしてベースフィルムから取り出し、取り出
されたグリーンシートを必要枚数積み重ねる。 (d)圧着工程:積み重ねられたグリーンシートを仮圧
着し、さらに本圧着する。 (e)切断工程:本圧着後の積層グリーンシートを回転
ブレードや昇降ブレード等のブレードによって個々のチ
ップに切断する。 (f)研磨工程:チップをバレル研磨機等の研磨機に投
入して、所定時間研磨する。 (g)脱バインダー工程:研磨後のチップを脱バイ炉に
投入して、所定の温度及び時間等の条件下でチップに含
まれているバインダーを除去する。 (h)外部電極用導体層の形成工程:予め用意された導
体ペーストをローラ塗布法やディップ法等の塗布手法に
よって脱バイ後のチップ両端部に所定厚及び所定形状で
塗布する。 (i)焼成工程:外部電極用導体層が形成された後のチ
ップを焼成炉に投入して、所定の温度及び時間等の条件
下でチップ,内部電極用導体層及び外部電極用導体層を
同時焼成する。 (j)メッキ工程:焼成後のチップの外部電極の表面に
電気メッキによってNi等から成る第1メッキ層と、S
nや半田等から成る第2メッキ層を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のスラリーは、一
般に、BaTiO3 系やPb系等の誘電体材料粉にバイ
ンダーと可塑剤と分散剤と溶剤等を加えてこれを撹拌,
混合することによって作られている。ちなみに、前記バ
インダーにはポリビニルブチラール樹脂やセルロース樹
脂やアクリル樹脂等が用いられ、前記可塑剤にはジオク
チルフタレートやジエチルフタレート等のエステル系可
塑剤等が用いられ、前記分散剤にはノニオン界面活性剤
やアニオン界面活性剤等が用いられ、前記溶剤にはケト
ン類や炭化水素類やアルコールやエステルやエーテルア
ルコールや塩化炭化水素類等が用いられている。
【0004】前記圧着工程後の積層グリーンシートには
前記のバインダーや可塑剤等が含まれシート自体に粘り
があるため、前記切断工程時に積層グリーンシートを切
断するときに回転ブレードや昇降ブレード等のブレード
にかかる負荷が大きく、この負荷の影響で切断速度を速
めることができず、切断工程に要する時間を短縮するこ
とが難しいといった不具合がある。
【0005】前記の不具合は同時焼成タイプの積層セラ
ミックコンデンサの製造に限らず、外部電極用導体層の
形成工程(h)と外部電極用導体層の焼成を工程(i)
と工程(j)との間で行うようにした非同時焼成タイプ
(チップと内部電極用導体層の焼成と外部電極用導体層
の焼成とを別々に行うタイプ)の積層セラミックコンデ
ンサの製造や、非同時焼成タイプの積層セラミックコン
デンサと同様の製造工程を有する積層セラミックインダ
クタ等の他の積層セラミック電子部品の製造においても
同様に生じ得る。
【0006】本発明は前記事情に鑑みて創作されたもの
で、その目的とするところは、切断工程に要する時間を
短縮できる積層セラミック電子部品の製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、導体層が印刷されたグリ
ーンシートを積み重ねて圧着する圧着工程の後に、圧着
後の積層グリーンシートをブレードによって個々のチッ
プに切断する切断工程を実施する積層セラミック電子部
品の製造方法において、前記圧着工程と前記切断工程と
の間で、圧着後の積層グリーンシートを焼成温度よりも
低い所定温度で所定時間熱処理して積層グリーンシート
内のバインダーの一部を除去する熱処理工程を実施す
る、ことをその特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、導体層が
印刷されたグリーンシートを積み重ねて圧着する圧着工
程の後に、圧着後の積層グリーンシートをブレードによ
って個々のチップに切断する切断工程を実施する積層セ
ラミック電子部品の製造方法において、前記圧着工程と
前記切断工程との間で、圧着後の積層グリーンシートを
焼成温度よりも低い所定温度で所定時間熱処理して積層
グリーンシート内の可塑剤の全部を除去する熱処理工程
を実施する、ことをその特徴とする。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明は、導体層
が印刷されたグリーンシートを積み重ねて圧着する圧着
工程の後に、圧着後の積層グリーンシートをブレードに
よって個々のチップに切断する切断工程を実施する積層
セラミック電子部品の製造方法において、前記圧着工程
と前記切断工程との間で、圧着後の積層グリーンシート
を焼成温度よりも低い所定温度で所定時間熱処理して積
層グリーンシートを焼結開始直前の状態とする熱処理工
程を実施する、ことをその特徴とする。
【0010】さらに、請求項4に記載の発明は、導体層
が印刷されたグリーンシートを積み重ねて圧着する圧着
工程の後に、圧着後の積層グリーンシートをブレードに
よって個々のチップに切断する切断工程を実施する積層
セラミック電子部品の製造方法において、前記圧着工程
と前記切断工程との間で、圧着後の積層グリーンシート
を還元性雰囲気下で焼成温度よりも低い所定温度で所定
時間熱処理して積層グリーンシート内のバインダーの少
なくとも一部を炭化させる熱処理工程を実施する、こと
をその特徴とする。
【0011】前記請求項1〜4に記載の製造方法によれ
ば、圧着後の積層グリーンシートを焼成温度よりも低い
所定温度で所定時間熱処理して積層グリーンシート内の
バインダーの一部を除去する熱処理工程、圧着後の積層
グリーンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定時
間熱処理して積層グリーンシート内の可塑剤の全部を除
去する熱処理工程、圧着後の積層グリーンシートを焼成
温度よりも低い所定温度で所定時間熱処理して積層グリ
ーンシートを焼結開始直前の状態とする熱処理工程、ま
たは圧着後の積層グリーンシートを還元性雰囲気下で焼
成温度よりも低い所定温度で所定時間熱処理して積層グ
リーンシート内のバインダーの少なくとも一部を炭化さ
せる熱処理工程を、圧着工程と切断工程との間で実施す
ることにより、積層グリーンシートにおけるシート自体
の粘りを低下させて硬さを増すことができ、ブレードに
よる積層グリーンシートの切断をし易くすることができ
る。
【0012】本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構
成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって
明らかとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下に、本発明
を、同時焼成タイプ(チップと内部電極用導体層と外部
電極用導体層の焼成を同時に行うタイプ)の積層セラミ
ックコンデンサの製造に適用した第1実施形態について
説明する。
【0014】本第1実施形態の製造方法が、従来技術欄
で説明した(a)〜(j)の工程を有する製造方法と異
なる点は、圧着工程(d)と切断工程(e)との間で、
熱処理工程(k1)を実施する点にある。尚、(k1)
を除く(a)〜(j)の各工程内容は従来技術欄で説明
したものと同じであるためのその説明を省略する。
【0015】つまり、積層セラミックコンデンサは、グ
リーンシートの形成工程(a),内部電極用導体層の形
成工程(b),積層工程(c),圧着工程(d),熱処
理工程(k1),切断工程(e),研磨工程(f),脱
バインダー工程(g),外部電極用導体層の形成工程
(h),焼成工程(i),メッキ工程(j)の工程順で
製造される。
【0016】前記の熱処理工程(k1)は、圧着後の積
層グリーンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定
時間熱処理することにより、積層グリーンシート内のバ
インダーの一部を除去するための工程である。例えば、
バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂を用いられ
ている場合には、本圧着後の積層グリーンシートを加熱
炉に投入し、350℃及び3時間の条件下で熱処理し
て、積層グリーンシートに含まれるポリビニルブチラー
ル樹脂の一部を除去する。
【0017】このときのバインダー除去率は熱処理条件
を変えることにより任意に設定できるが、除去率が高く
なり過ぎるとシート自体の脆性が増して切断時にクラッ
クや欠け等が発生して品質が低下してしまうので、積層
グリーンシートに含まれるポリビニルブチラール樹脂の
全体積の40〜50%を除去できるような熱処理条件を
設定することが好ましい。また、熱処理を行うときに
は、ポリビニルブチラール樹脂の急激な分解を避けるた
めの昇温速度をできるだけ緩やかにするとよい。
【0018】前記の熱処理工程(k1)を経た後の積層
グリーンシートは誘電体材料粉間に存在するバインダー
の一部が除去されて気孔率が高まりシート自体の粘りが
低下して硬さが増すため、回転ブレードや昇降ブレード
等のブレードによる積層グリーンシートの切断がし易く
なる。これにより、積層グリーンシートをブレードによ
って個々のチップに切断するときの切断速度を向上させ
て切断工程に要する時間の短縮が可能となり、ひいて
は、製造コスト及び部品単価の低減に貢献できる。
【0019】ちなみに、前記の熱処理工程(k1)を経
た後に積層グリーンシートに残留しているバインダーの
残部は、後の脱バインダー工程(g)において完全に除
去される。
【0020】尚、前述の説明では、バインダーとしてポ
リビニルブチラール樹脂が用いられている場合を例に挙
げたが、ポリビニルブチラール樹脂以外の材料をバイン
ダーとして用いる場合でも、同材料の物性に合わせて熱
処理条件を適宜設定すれば前記と同様の作用効果を得る
ことができる。
【0021】また、前述の説明では、バインダーとして
単一材料を用いたものを示したが、沸点が異なる2種以
上の材料を混合したものをバインダーとして用いれば、
熱処理の温度を低沸点側材料の沸点以上で高沸点材料の
沸点未満に設定することにより、バインダーを構成する
低沸点側の材料のみを熱処理時に除去して高沸点側の材
料を残すことも可能である。このときのバインダー除去
率は除去される低沸点側材料の体積割合によって任意に
調整することができるので、前記と同様の作用効果を得
ることができる。
【0022】さらに、前述の説明では、熱処理工程にお
いてバインダーの一部を除去するようにしたが、前記熱
処理時の温度以下で除去可能な材料を可塑剤として用い
る場合には、熱処理時に同時に可塑剤の全てを除去して
シート自体の硬さを高めて積層グリーンシートをより切
断し易くすることができるので、前記の切断速度をより
一層向上させて、切断工程に要する時間をより短縮する
ことができる。
【0023】[第2実施形態]以下に、本発明を、同時
焼成タイプ(チップと内部電極用導体層と外部電極用導
体層の焼成を同時に行うタイプ)の積層セラミックコン
デンサの製造に適用した第2実施形態について説明す
る。
【0024】本第2実施形態の製造方法が、従来技術欄
で説明した(a)〜(j)の工程を有する製造方法と異
なる点は、圧着工程(d)と切断工程(e)との間で、
第1実施形態とは異なる熱処理工程(k2)を実施する
点にある。尚、(k2)を除く(a)〜(j)の各工程
内容は従来技術欄で説明したものと同じであるためのそ
の説明を省略する。
【0025】つまり、積層セラミックコンデンサは、グ
リーンシートの形成工程(a),内部電極用導体層の形
成工程(b),積層工程(c),圧着工程(d),熱処
理工程(k2),切断工程(e),研磨工程(f),脱
バインダー工程(g),外部電極用導体層の形成工程
(h),焼成工程(i),メッキ工程(j)の工程順で
製造される。
【0026】前記の熱処理工程(k2)は、圧着後の積
層グリーンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定
時間熱処理することにより、積層グリーンシート内の可
塑剤の全部を除去するための工程である。例えば、可塑
剤としてジオクチルフタレートが用いられている場合に
は、本圧着後の積層グリーンシートを加熱炉に投入し、
280℃及び4時間の条件下で熱処理して、積層グリー
ンシートに含まれるジオクチルフタレートの全部を除去
する。この場合には、前記の熱処理条件下で除去されな
いような物性を有する材料をバインダーとして用いる。
【0027】前記の熱処理工程(k2)を経た後の積層
グリーンシートは可塑剤が全て除去されてシート自体の
粘りが低下して硬さが増すため、回転ブレードや昇降ブ
レード等のブレードによる積層グリーンシートの切断が
し易くなる。これにより、積層グリーンシートをブレー
ドによって個々のチップに切断するときの切断速度を向
上させて切断工程に要する時間の短縮が可能となり、ひ
いては、製造コスト及び部品単価の低減に貢献できる。
【0028】尚、前述の説明では、可塑剤としてジオク
チルフタレートが用いられている場合を例に挙げたが、
ジオクチルフタレート以外の材料を可塑剤として用いる
場合でも、同材料の物性に合わせて熱処理条件を適宜設
定すれば前記と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】[第3実施形態]以下に、本発明を、同時
焼成タイプ(チップと内部電極用導体層と外部電極用導
体層の焼成を同時に行うタイプ)の積層セラミックコン
デンサの製造に適用した第3実施形態について説明す
る。
【0030】本第3実施形態の製造方法が、従来技術欄
で説明した(a)〜(j)の工程を有する製造方法と異
なる点は、圧着工程(d)と切断工程(e)との間で、
第1及び第2実施形態とは異なる熱処理工程(k3)を
実施する点にある。尚、(k3)を除く(a)〜(j)
の各工程内容は従来技術欄で説明したものと同じである
ためのその説明を省略する。
【0031】つまり、積層セラミックコンデンサは、グ
リーンシートの形成工程(a),内部電極用導体層の形
成工程(b),積層工程(c),圧着工程(d),熱処
理工程(k3),切断工程(e),研磨工程(f),脱
バインダー工程(g),外部電極用導体層の形成工程
(h),焼成工程(i),メッキ工程(j)の工程順で
製造される。
【0032】前記の熱処理工程(k3)は、圧着後の積
層グリーンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定
時間熱処理することにより、積層グリーンシートを焼結
開始直前の状態とするための工程である。例えば、誘電
体材料粉としてBaTiO3(チタン酸バリウム)が用
いられている場合には、本圧着後の積層グリーンシート
を加熱炉に投入し、焼結開始温度である600℃及び1
0時間の条件下で熱処理して、積層グリーンシートを焼
結開始直前の状態とする。チタン酸バリウムの焼結温度
は1300℃前後であるため前記の熱処理によって積層
グリーンシートは焼結されることはなく、内部電極用導
体層も焼結には至らない。また、積層グリーンシート内
のバインダー及び可塑剤の沸点は前記焼結開始温度より
も通常低いので、前記の熱処理によってそれらの全ては
除去される。
【0033】前記の熱処理(k3)を経た後の積層グリ
ーンシートは低温度ではあるが一度は焼成されているた
め未焼成のものよりも硬く、しかも、積層グリーンシー
ト内のバインダー及び可塑剤の殆ど或いは全部が除去さ
れてシート自体の粘りが低下して硬さが増すため、回転
ブレードや昇降ブレード等のブレードによる積層グリー
ンシートの切断がし易くなる。これにより、積層グリー
ンシートをブレードによって個々のチップに切断すると
きの切断速度を向上させて切断工程に要する時間の短縮
が可能となり、ひいては、製造コスト及び部品単価の低
減に貢献できる。
【0034】ちなみに、前記の熱処理工程(k3)を経
た後の未完全焼成の積層グリーンシートは、後の焼成工
程(i)において内部電極用導体層及び外部電極用導体
層と一緒に完全に焼成される。
【0035】尚、前述の説明では、誘電体材料粉として
チタン酸バリウムが用いられている場合を例に挙げた
が、チタン酸バリウム以外の材料を誘電体材料粉として
用いる場合でも、同材料の焼結開始温度に合わせて熱処
理条件を適宜設定すれば前記と同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0036】[第4実施形態]以下に、本発明を、同時
焼成タイプ(チップと内部電極用導体層と外部電極用導
体層の焼成を同時に行うタイプ)の積層セラミックコン
デンサの製造に適用した第4実施形態について説明す
る。
【0037】本第4実施形態の製造方法が、従来技術欄
で説明した(a)〜(j)の工程を有する製造方法と異
なる点は、圧着工程(d)と切断工程(e)との間で、
第1〜第3実施形態とは異なる熱処理工程(k4)を実
施する点にある。尚、(k4)を除く(a)〜(j)の
各工程内容は従来技術欄で説明したものと同じであるた
めのその説明を省略する。
【0038】つまり、積層セラミックコンデンサは、グ
リーンシートの形成工程(a),内部電極用導体層の形
成工程(b),積層工程(c),圧着工程(d),熱処
理工程(k4),切断工程(e),研磨工程(f),脱
バインダー工程(g),外部電極用導体層の形成工程
(h),焼成工程(i),メッキ工程(j)の工程順で
製造される。
【0039】前記の熱処理工程(K4)は、圧着後の積
層グリーンシートを還元性雰囲気下で焼成温度よりも低
い所定温度で所定時間熱処理することにより、積層グリ
ーンシート内のバインダーの少なくとも一部を炭化させ
るための工程である。例えば、バインダーとしてポリビ
ニルブチラール樹脂が用いられている場合には、本圧着
後の積層グリーンシートを加熱炉に投入し、水素や一酸
化炭素等の還元雰囲気下で、400℃及び5時間の条件
下で熱処理して、積層グリーンシートに含まれるポリビ
ニルブチラール樹脂の殆ど或いは全部を炭化させる。
【0040】前記の熱処理(K4)を経た後の積層グリ
ーンシートはバインダーの殆ど或いは全部が炭化されて
シート自体の粘りが低下して硬さが増すため、回転ブレ
ードや昇降ブレード等のブレードによる積層グリーンシ
ートの切断がし易くなる。これにより、積層グリーンシ
ートをブレードによって個々のチップに切断するときの
切断速度を向上させて切断工程に要する時間の短縮が可
能となり、ひいては、製造コスト及び部品単価の低減に
貢献できる。
【0041】尚、前述の説明では、バインダーとしてポ
リビニルブチラール樹脂が用いられている場合を例に挙
げたが、ポリビニルブチラール樹脂以外の材料をバイン
ダーとして用いる場合でも、同材料の物性に合わせて熱
処理条件を適宜設定すれば前記と同様の作用効果を得る
ことができる。
【0042】以上、前述の第1〜第4実施形態では、本
発明を同時焼成タイプの積層セラミックコンデンサの製
造に適用したものを例示したが、外部電極用導体層の形
成工程(h)と外部電極用導体層の焼成を工程(i)と
工程(j)との間で行うようにした非同時焼成タイプ
(チップと内部電極用導体層の焼成と外部電極用導体層
の焼成とを別々に行うタイプ)の積層セラミックコンデ
ンサの製造や、非同時焼成タイプの積層セラミックコン
デンサと同様の製造工程を有する積層セラミックインダ
クタ等の他の積層セラミック電子部品の製造に対しても
本発明は適用でき、前記同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
積層グリーンシートをブレードによって個々のチップに
切断するときの切断速度を向上させて切断工程に要する
時間の短縮が可能となり、ひいては、製造コスト及び部
品単価の低減に貢献できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体層が印刷されたグリーンシートを積
    み重ねて圧着する圧着工程の後に、圧着後の積層グリー
    ンシートをブレードによって個々のチップに切断する切
    断工程を実施する積層セラミック電子部品の製造方法に
    おいて、 前記圧着工程と前記切断工程との間で、圧着後の積層グ
    リーンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定時間
    熱処理して積層グリーンシート内のバインダーの一部を
    除去する熱処理工程を実施する、 ことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 導体層が印刷されたグリーンシートを積
    み重ねて圧着する圧着工程の後に、圧着後の積層グリー
    ンシートをブレードによって個々のチップに切断する切
    断工程を実施する積層セラミック電子部品の製造方法に
    おいて、 前記圧着工程と前記切断工程との間で、圧着後の積層グ
    リーンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定時間
    熱処理して積層グリーンシート内の可塑剤の全部を除去
    する熱処理工程を実施する、 ことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 導体層が印刷されたグリーンシートを積
    み重ねて圧着する圧着工程の後に、圧着後の積層グリー
    ンシートをブレードによって個々のチップに切断する切
    断工程を実施する積層セラミック電子部品の製造方法に
    おいて、 前記圧着工程と前記切断工程との間で、圧着後の積層グ
    リーンシートを焼成温度よりも低い所定温度で所定時間
    熱処理して積層グリーンシートを焼結開始直前の状態と
    する熱処理工程を実施する、 ことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 導体層が印刷されたグリーンシートを積
    み重ねて圧着する圧着工程の後に、圧着後の積層グリー
    ンシートをブレードによって個々のチップに切断する切
    断工程を実施する積層セラミック電子部品の製造方法に
    おいて、 前記圧着工程と前記切断工程との間で、圧着後の積層グ
    リーンシートを還元性雰囲気下で焼成温度よりも低い所
    定温度で所定時間熱処理して積層グリーンシート内のバ
    インダーの少なくとも一部を炭化させる熱処理工程を実
    施する、 ことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017168488A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサの製造方法
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