JP2002258151A - 光ピックアップ用対物レンズおよびその作製方法、装置 - Google Patents

光ピックアップ用対物レンズおよびその作製方法、装置

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JP2002258151A
JP2002258151A JP2001057240A JP2001057240A JP2002258151A JP 2002258151 A JP2002258151 A JP 2002258151A JP 2001057240 A JP2001057240 A JP 2001057240A JP 2001057240 A JP2001057240 A JP 2001057240A JP 2002258151 A JP2002258151 A JP 2002258151A
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objective lens
lenses
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manufacturing
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Yoshiyuki Kiyozawa
良行 清澤
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つのレンズを貼り合わせた構造の対物レン
ズとし、接合部にレンズ間隔を調整する機構を設けた。 【解決手段】 1は第1のレンズ、2は第2のレンズ、
3は石英ガラス基板、4および6はレンズ部、5および
7は接合部、8および9はアライメントマークである。
第1のレンズ1の接合部5には、高さの異なる複数の接
合面5a、5b、5c、5dが形成されている。図示例
では、4つの高さの接合面をそれぞれ3面形成してお
り、3つある接合面5aは同じ高さとなっており、これ
は、他の接合面5b、5c、5dでも同様である。第2
のレンズ2の接合部7には、3つの凸部7aが形成され
ており、これらの高さはすべて同じ高さになっている。
光ピックアップ用対物レンズは、第1のレンズ1と第2
のレンズ2とを貼り合わせることによって構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ピックアップ用
対物レンズおよびその作製方法、より詳細には、光記録
媒体に対して情報の記録/再生を行う光ピックアップ装
置に用いられる対物レンズおよび該対物レンズの作製方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクの高記録密度化が要求
されており、その方法の1つとしてソリッドイマージョ
ンレンズや高NAレンズを用いた方法が提案されてい
る。従来の光ピックアップ装置では、2つのレンズで構
成される2群対物レンズ構成とすることにより、対物レ
ンズのNAを大きくし、レーザ光のスポット径を小さく
することが可能となり、光ディスクの高記録密度化が可
能となる。特開平8−315404号公報、特開200
0−11388号公報、特開2000−131508号
公報等に記載の発明では、2つのレンズで対物レンズを
構成しており、これにより対物レンズのNAが大きくな
り、光ディスクの高記録密度化を可能にしている。
【0003】図18、図19は、それぞれ従来の2つの
レンズで構成された対物レンズの構成図で、図中、10
1、111は第1のレンズ、102および112は第2
のレンズ、103および104はアクチュエータ、10
5は光ディスク、106は磁気コイルである。図18の
対物レンズでは独立した第1のレンズ101と第2のレ
ンズ102で対物レンズを構成し、高NAを実現してい
る。図19の対物レンズでは第1のレンズ111と第2
のレンズ112とを貼り合わせて対物レンズを構成し、
高NAを実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図18
(特開2000−11388号公報)に記載の発明のよ
うに、2つのレンズ101、102をそれぞれアクチュ
エータ103、104で駆動できるようにしている構成
では、2つのレンズの位置精度を確保するのは非常に困
難であるという問題があった。また、さらに、高密度化
を狙い、光記録媒体側のレンズをソリッドイマージョン
レンズとする場合には、光記録媒体側のレンズを光記録
媒体の極近傍(光源の波長以下)に近接しなければなら
ず、その手段として、レンズをスライダに搭載するなど
の構成が用いられている。しかしながら、図18(特開
2000−11388号公報)に記載の構成では、アク
チュエータがあるため、重くなり、スライダに搭載する
のが困難であるという問題があった。
【0005】特開平8−315404号公報に記載の発
明では、対物レンズの設計において、形状に制限を設け
ることで、2つのレンズの組み付け精度を緩和してい
る。しかしながら、レンズ形状に制限を設けているた
め、レンズ設計の自由度が小さくなり、レンズ設計が難
しくなるという問題があった。
【0006】更に、図19(特開2000−13150
8号公報)に記載の発明では、2つのレンズ111、1
12を貼り合わせる構造にすることで、それぞれのレン
ズを形成したウエハを貼り合わせるときにウエハに形成
したアライメントマークを用いて位置合わせを行ってお
り、光軸合わせについては非常に高い精度で位置合わせ
を行うことができる。レンズ間隔についても、レンズ支
持部を付き合わせて接合しているので高い精度で行うこ
とができる。しかしながら、レンズ形成工程において、
フォトレジストパターンにリフロー処理を行う工法やグ
レイスケールマスクを使ってフォトリソを行う工法など
のレジストでレンズ形状を形成する工程、また、レジス
トで形成されたレンズ形状を基板に転写するドライエッ
チング工程では、当然ながら、レジストで形成されたレ
ンズ形状および基板に転写されたレンズ形状にばらつき
が生じる。特に、ドライエッチング工程はばらつきを制
御するのは非常に困難である。ガラスのドライエッチン
グは一般的にCF4やC4 8、CHF3といったフロロカ
ーボンガスのプラズマを用いる。このようなドライエッ
チングでは、プラズマ中のイオン種やラジカル種の割合
を制御することで、重合膜の堆積とエッチングとのバラ
ンスをとり、所望の選択比(ガラスのエッチングレート
とレジストのエッチングレートとの比)を得ている。プ
ラズマ中のイオン種やラジカル種の割合は、ガス種やガ
スの混合比、あるいは印加する高周波のパワーによって
調整する。ところが、重合膜はガラスやレジストの上だ
けでなく、エッチング室の内壁などにも堆積してしまう
ので、ガス種やガスの混合比あるいは印加する高周波の
パワーを同じにしてもエッチング室の内壁に堆積した重
合膜状態によってプラズマ中のイオン種やラジカル種の
割合が変化し、選択比が変化してしまうという問題が生
じる。
【0007】特開2000−131508号公報に記載
の構成では、上述のようなレンズ製造工程でのばらつき
によって発生する収差を補正する手段を備えていないた
め、レンズの製造公差を厳しく管理する必要があり、そ
のため、歩留まりの低下やコストアップにつながるとい
った問題があった。
【0008】本発明は、高NAで、製造が容易で、か
つ、安価な対物レンズおよび対物レンズの製造方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光源
からの光を光記録媒体上に微小スポットとして集光し、
記録および/または再生を行うための光ピックアップ用
の対物レンズにおいて、該対物レンズが少なくとも2つ
以上のレンズを貼り合わせた構造となっており、レンズ
を接合する接合部にレンズの間隔を調整する機構を備え
ていることを特徴としたものである。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の対物レンズ
において、レンズの間隔を調整する機構が、一方のレン
ズの接合部には凸形状が形成されており、他方のレンズ
の接合部には高さの異なる接合面を少なくとも2つ以上
形成されていることを特徴としたものである。
【0011】請求項3の発明は、請求項1に記載の対物
レンズを作製する方法において、別々に形成されたレン
ズを貼り合わせる工程で、別々に形成されたレンズをつ
き合わせ、レンズに光を入れ、レンズから出た光のスポ
ットを計測しながら、レンズ間隔を調整する機構でレン
ズ間隔を調整し、前記別々に形成されたレンズを貼り合
わせることを特徴としたものである。
【0012】請求項4の発明は、請求項1に記載の対物
レンズを作製する対物レンズ作製方法において、対物レ
ンズを構成する複数のレンズをそれぞれ保持する複数の
保持手段と、レンズ間隔の調整を制御する制御手段と、
光源と、光源からの光をレンズに導く光学系と、対物レ
ンズによって形成されたスポット形状を測定するスポッ
ト測定系を備えている対物レンズの貼り合わせ装置を特
徴としたものである。
【0013】請求項5の発明は、請求項1に記載の対物
レンズにおいて、対物レンズを構成する複数のレンズの
うち少なくとも1つのレンズに、屈折率の異なる部材で
一体的にもう1つのレンズが形成されていることを特徴
としたものである。
【0014】請求項6の発明は、請求項1に記載の対物
レンズにおいて、記録媒体に対向する面に磁気コイルが
形成されていることを特徴としたものである。
【0015】請求項7の発明は、請求項6に記載の対物
レンズにおいて、対物レンズに形成される磁気コイルが
薄膜で形成された薄膜コイルであることを特徴としたも
のである。
【0016】請求項8の発明は、請求項2に記載の対物
レンズを作製する対物レンズ作製方法において、貼り合
わせるレンズのレンズ部および接合部をウエハプロセス
で形成する際に、ウエハを4つの領域に分割して、それ
ぞれの領域の中では凸形状または接合面が形成されてい
る位置が同じで、かつ、隣り合う領域同士では凸形状ま
たは接合面が形成されている位置が異なっていることを
特徴としたものである。
【0017】請求項9の発明は、請求項8に記載の対物
レンズ作製方法の実施に使用する装置であって、レンズ
部および接合部が形成されたウエハを貼り合わせる装置
において、対物レンズを構成するレンズが形成された複
数のウエハをそれぞれ保持する複数の保持手段と、レン
ズ間隔の調整を制御する制御手段と、光源と、光源から
の光をレンズに導く光学系と、対物レンズによって形成
されたスポット形状を測定するスポット測定系を備えて
いることを特徴としたものである。
【0018】請求項10の発明は、請求項2に記載の対
物レンズにおいて、レンズ接合部の形成をレンズ形成プ
ロセスで同時に行うことを特徴としたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る対物レンズは、2つ
のレンズを貼り合わせた構造の対物レンズで、接合部に
レンズ間隔を調整する機構を設けたものであり、その手
段として、一方のレンズの接合部を凸型にし、もう一方
のレンズに高さの異なる複数の接合部を設けたもので、
これにより、2つ以上のレンズで構成される高NA対物
レンズにおいても、容易かつ簡便に複数のレンズの位置
合わせを高精度に行うことができ、かつ、レンズ形成工
程で生じる形状のばらつきを、容易かつ簡便に補正する
ことができるようにしたものである。
【0020】(実施例1)図1は、本発明による光ピッ
クアップ用対物レンズを説明するための図で、図1
(A)および図1(B)は本発明の光ピックアップ用対
物レンズを構成する第1のレンズおよび第2のレンズの
斜視図で、図中、1は第1のレンズ、2は第2のレン
ズ、3は石英ガラス基板、4および6はレンズ部、5お
よび7は接合部、8および9はアライメントマークであ
る。図1(A)に示した第1のレンズ1の接合部5は、
高さの異なる複数の接合面5a、5b、5c、5dが形
成されている。本実施例では、4つの高さの接合面をそ
れぞれ3面形成しており、3つある接合面5aは同じ高
さとなっており、これは、他の接合面5b、5c、5d
でも同様である。図1(B)に示した第2のレンズ2の
接合部7には、3つの凸部7aが形成されており、これ
らの高さはすべて同じ高さになっている。本実施例の光
ピックアップ用対物レンズは、図1(A)に示した第1
のレンズ1と図1(B)に示した第2のレンズ2とを貼
り合わせることによって構成される。
【0021】図2乃至図5は、第1のレンズ1と第2の
レンズ2の貼り合わせを説明するための図で、これらの
図では石英ガラス基板3とアライメントマーク8、9は
省略してある。まず、第1のレンズ1の接合部5で接合
させる面を選択し、第2のレンズ2を接合部同士が対向
するように配置する。図2では、接合面5aを選択し、
第2のレンズ2の凸部7aを接合面5aに対向させてい
る。次に、第1のレンズおよび第2のレンズに形成され
たアライメントマークを合わせて、レンズの光軸を合わ
せる。レンズの光軸が一致したところで凸部7aと接合
部5aを付き合わせて接合する。
【0022】図3は、接合面5bを選択した場合で、第
2のレンズ2を左回りで90°回転させることにより、
凸部7aは接合面5bに対向する。同様に、図4、図5
はそれぞれ接合面5c、5dを選択した場合であり、さ
らに第2のレンズ2を左回りに90°ずつ回転させてい
る。
【0023】図1に示したように、アライメントマーク
9、10をレンズの光軸に対して回転対称で90°ずつ
回転させて4ヵ所形成することによって、接合面5a、
5b、5c、5dのいずれの面で接合させる場合にもレ
ンズ光軸合わせの際にアライメントマーク8、9を共通
して用いることができる。
【0024】第1のレンズ1と第2のレンズ2の製造は
フォトリソグラフィ工程とドライエッチング工程により
行われる。フォトリソグラフィ工程では、石英ガラスウ
エハ上にレンズ部4、6と接合部5、7およびアライメ
ントマーク8、9の形状をフォトレジストにより形成す
る。レンズ部4、6は曲面で構成され、また、接合部5
も高さの異なる面で構成されるので、フォトレジストを
塗布しプリベークを行った後、露光量に分布が生じるよ
うな露光方法を用いて露光する。露光量によって、現像
後のレジスト残膜量を制御することができるので、レン
ズ部4、6と接合部5、7およびアライメントマーク
8、9の形状に対応した露光量分布が生じるように露光
し、現像することによって石英ガラスウエハ上にレンズ
部4、6と接合部5、7およびアライメントマーク8、
9の形状のフォトレジストパターンが形成される。露光
量に分布が生じるような露光法としては、光学的濃淡の
分布があるフォトマスクを用いる方法や、微小ドットパ
ターンの密度に分布があるマスクを使い露光時に故意に
デフォーカスさせる方法などがある。次に、レンズ部
4、6と接合部5、7およびアライメントマーク8、9
の形状のフォトレジストパターンが形成された石英ガラ
スウエハをドライエッチングし、フォトレジストパター
ンを石英ガラスウエハに転写させる。
【0025】本実施例では、ドライエッチングを行うエ
ッチング装置としてECRエッチング装置を使用した。
エッチングガスはCF4を用い、これにH2やO2を添加
して、エッチングレートおよびエッチング選択比(石英
ガラスエッチングレート/フォトレジストエッチングレ
ート)を調整した。選択比をほぼ1に設定した場合は、
フォトレジストパターンがほぼそのままの形状および大
きさで石英ガラスウエハに転写される。選択比が1より
大きい場合はフォトレジストパターン形状の高さ方向を
拡大して転写され、選択比が1より小さい場合はフォト
レジストパターン形状の高さ方向を縮小して転写され
る。これらの工程はウエハプロセスで行うことができる
ので、一度のプロセスで多量に作製することができる。
レンズ部4、6と接合部5、7およびアライメントマー
ク8、9が形成された石英ガラスウエハはダイシングな
どにより分割され、先に説明したように貼り合わされ
る。
【0026】図6は、貼り合わせ装置におけるスポット
測定系の構成図で、図中、10はレーザ光源、11はレ
ーザ光を第2のレンズに入射する光学系、12スポット
測定用光学系、13はカメラ、14は第1のレンズを保
持するホルダ、15は第2のレンズを保持するホルダで
ある。ホルダ14およびホルダ15のうち少なくとも一
方は、上下左右および回転方向に動作可能な機構に連結
されている。また、これらのホルダ14、15は真空チ
ャックにより、レンズを保持しているので、容易にレン
ズの脱着が可能である。貼り合わせ装置には、図6に示
したスポット測定系のほかに、アライメントマークを認
識する光学系および画像処理機構と、画像処理の結果か
らホルダを移動して2つのアライメントマークを一致さ
せレンズの光軸を合わせるアライメント機構とからなる
光軸合わせ機構を備える。また、紫外線硬化型樹脂を塗
布する機構と紫外線を照射する機構とからなる接着機構
を備える。
【0027】次に、貼り合わせ手順について説明する。
まず、ホルダ14、15にレンズ1、2を装着し、図2
に示したように、凸部7aが接合面5aに対向する向き
に合わせ、光軸合わせ機構により光軸を合わせながら付
き合わせる。このとき、紫外線硬化樹脂はまだ塗布して
いない。この状態で、スポット測定系によりスポットを
測定しスポットプロファイルデータを記憶する。次に、
一旦、レンズ1、2を引き離し、どちらか一方のレンズ
を90°回転させて、図3に示したように、凸部7aが
接合面5bに対向する向きに合わせ、同様に光軸合わせ
機構により光軸を合わせながら付き合わせ、スポットを
測定しデータを記憶する。これらの操作を接合面5cお
よび接合面5dについても行う。すべての接合面で測定
を終了後、最適な接合面を選択し、その面が凸部7aに
対向する向きに回転する。今度は、紫外線硬化型樹脂を
塗布した後、再度、光軸合わせ機構により光軸を合わせ
ながら付き合わせ、この状態で保持したまま、紫外線照
射機構で紫外線を照射させ、紫外線硬化樹脂を硬化させ
て第1のレンズ1と第2のレンズ2を接着させる。以上
の手順によって貼り合わせを行う。
【0028】上述のように、本実施例で説明した構造の
光ピックアップ用対物レンズとすることで、光ピックア
ップ用対物レンズを構成する2つのレンズの間隔を調整
する機構を持たせることができ、本実施例で説明した貼
り合わせ装置を用いて、本実施例で説明した貼り合せ手
順により貼り合わせることにより、レンズ製造工程で生
じる製造ばらつきによる特性の変動を補正することが可
能となり、歩留まりが飛躍的に向上し、対物レンズの製
造コストを下げることができる。また、非常に小型で軽
量にすることができるので、スライダに搭載し浮上ヘッ
ドに用いることも容易である。
【0029】なお、本実施例では、第1のレンズ1の接
合部5において、同じ高さの面を3面形成しているが、
何面でも良い。ただし、3面以上あったほうが望まし
い。また、本実施例では、対物レンズの材質を石英ガラ
スとしているが、光ピックアップの光源波長に対して透
明な材質であれば、石英ガラス以外のガラスやガラス以
外の材質でもよい。当然ではあるが、ドライエッチング
の条件はエッチングガスの種類を含めて、材質に合わせ
て変更する必要がある。
【0030】また、本実施例では、ドライエッチング装
置として、ECRエッチング装置を使用しているが、I
CPエッチング装置など他の方式によるエッチング装置
でも良い。当然ではあるが、方式や装置が異なると、エ
ッチングレートおよび選択比が異なるので、エッチング
条件を変更する必要がある。
【0031】更に、本実施例では、第1のレンズ1と第
2のレンズ2を接着するのに紫外線硬化型樹脂を用いて
いるが、熱硬化型など他の接着剤でも良い。特に、対物
レンズの材質として紫外線を透過しにくい材質や紫外線
を照射することによって変質してしまう材質を使用する
場合は、紫外線硬化型樹脂以外の接着剤を使用するほう
が望ましい。
【0032】図7は、本発明の第2の実施例における光
ピックアップ用対物レンズの断面図で、図中、16は第
3のレンズである。第1のレンズ1を形成した石英ガラ
ス基板の裏面に第3のレンズ16が形成されている。第
3のレンズ16は石英ガラス基板(屈折率1.46)に
凹形状を形成し、高屈折材料を埋め込むことで構成され
ている。
【0033】次に、第3のレンズ16の形成方法につい
て説明する。石英ガラス基板に凹形状を形成する方法
は、第1の実施例で述べた第1のレンズ1および第2の
レンズ2の形成方法と同じフォトリソグラフィ工程とド
ライエッチング工程で行う。光学的濃淡の分布があるフ
ォトマスクを用いる方法や、微小ドットパターンの密度
に分布があるマスクを用いる方法など、露光量に分布が
生じるような露光方法を用いると、第1のレンズ1や第
2のレンズ2のような凸曲面形状だけでなく、凹曲面形
状も形成可能である。凹部に埋め込む高屈折材料として
は、LaF2(屈折率1.74)やSFS1(屈折率1.
91)などを用いることができる(屈折率は波長63
2.8nmでの値)。これらの高屈折材料をスパッタリ
ング法などで堆積し、エッチバックおよび平坦化によっ
て凹部に選択的に残存させる。これらの工法もウエハプ
ロセスで行うことができる。高屈折材料はこれ以外に
も、紫外線硬化型樹脂をコーティングしても良い。この
ようにして本実施例で説明した構造の対物レンズにする
ことで、さらに高NAの対物レンズとすることができ
る。
【0034】図8は、本発明の第3の実施例における光
ピックアップ用対物レンズの断面図で、図中、17は薄
膜磁気コイルである。薄膜磁気コイル17は、スパッタ
リングや蒸着などの薄膜形成プロセスと、フォトリソグ
ラフィプロセスとエッチングプロセスにより第1のレン
ズを形成する石英ガラス基板に形成される。これらのプ
ロセスもウエハプロセスで行うことができる。このよう
に、本実施例で説明した構造の対物レンズにすること
で、光磁気記録用の対物レンズとして使用することがで
きる。
【0035】図9、図10は、本発明の第4の実施例を
説明するための図で、図9は第1のレンズを形成した石
英ガラスウエハの上面図であり、図10は第2のレンズ
を形成した石英ガラスウエハの上面図である。図9に示
した石英ガラスウエハ18および図10に示した石英ガ
ラスウエハ19は、X−X′の線とY−Y′の線で区切
られた4つの領域に分けられ、接合部の接合面の位置を
1つの領域内では同じにし、領域Iと領域IIでは接合面
の位置をレンズの光軸に対して180°回転させ、領域
Iと領域IIIは同じ位置に、領域IIと領域IVは同じ位置に
している。
【0036】図11、図12は、接合面の位置を詳しく
説明するための図で、各領域それぞれ1つだけ拡大して
示してある。図11は図9の第1のレンズを形成した石
英ガラスウエハの接合部を示す図で、a〜dで接合面の
高さが異なり、同じ記号(アルファベット)が記された
ところは同じ高さとなっている。図12は図10の第2
のレンズを形成した石英ガラスウエハの接合部を示す図
で、凸部の場所を示している。この状態で、図12の石
英ガラスウエハを裏返して図11の石英ガラス基板に貼
り合わせると、図13のようになり、4つすべての領域
で、接合面aと凸部が接合する。次に、第2のレンズを
形成した石英ガラス基板を90°回転させて貼り合わせ
ると図14のようになり、今度は4つすべての領域で接
合面bと凸部が接合する。同様に、接合面cと凸部(図
15)、接合面dと凸部(図16)をすべての領域で接
合させることができる。
【0037】従って、第2のレンズを形成した石英ガラ
スウエハを90°ずつ回転させることで、ウエハ内のす
べてレンズで同じレンズ間隔に調整することができる。
フォトリソグラフィ工程やドライエッチング工程におけ
るウエハ内のばらつきは、ウエハ間のばらつきに比べて
非常に小さく抑えることができるので、同一のウエハ内
であればレンズ間隔を同じにしても、対物レンズとして
の特性のばらつきは非常に小さなもので、実用上問題に
ならないレベルである。
【0038】図17は、ウエハ貼り合わせ装置の例を説
明するための図で、22および23はホルダ、24はア
ライメントマーク撮影用カメラである。基本的構成は、
図6に示した貼り合わせ装置と同じであるが、ホルダ2
2、23はウエハ18、19が保持できるようになって
いる。貼り合せ手順も基本的には前述の実施例で説明し
た手順と同じである。手順の中のスポット測定は、ウエ
ハ内のすべてのレンズについて行う必要はなく、数点、
少なくても1点測定すれば良い。なお、実施例1では貼
り合わせる前にダイシングで分割しているが、本実施例
では、当然ながら、接着後に分割を行う。このように、
本実施例で説明した対物レンズ作製方法にすることで、
レンズ間隔調整をウエハ単位で一括でできるので、スル
ープットが飛躍的に短くなり、大幅なコストダウンにつ
ながる。
【0039】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、複数の
レンズを貼り合わせる構造の光ピックアップ用高NA対
物レンズにおいて、接合部に貼り合わせるレンズの間隔
を調整する機構を設け、貼り合わせる際にスポットプロ
ファイルを測定しながらレンズ間隔を調整することで、
製造ばらつきにより発生する収差を補正することがで
き、歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0040】レンズ間隔の調整は、一方のレンズには凸
形状の接合部を形成し、もう一方のレンズに高さの異な
る接合面を有する接合部を形成することで可能となり、
接合する際に接合面を選択することで容易にレンズ間隔
調整を行うことができる。
【0041】また、レンズ間隔の調整機構は、ウエハプ
ロセスで形成可能であり、かつ、レンズ形成プロセスで
同時に形成可能であるので、コストアップなしで形成す
ることができる。
【0042】さらに、レンズを形成するウエハを4つの
領域に分割し、接合部の凸形状または接合面の位置を、
領域の中では同じ位置にして、隣り合う領域では異なる
位置にすることで、ウエハ単位でレンズ間隔の調整が可
能となるので、大幅なコストダウンとなる。
【0043】これにより、安価で小型で高性能な光ピッ
クアップ用対物レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の光ピックアップ用対物レンズ
を構成する第1のレンズ及び第2のレンズの斜視図であ
る。
【図2】 第1の実施例における第1のレンズと第2の
レンズとの貼り合わせを説明するための斜視図である。
【図3】 第1の実施例における第1のレンズと第2の
レンズとの貼り合わせを説明するための斜視図である。
【図4】 第1の実施例における第1のレンズと第2の
レンズとの貼り合わせを説明するための他の斜視図であ
る。
【図5】 第1の実施例における第1のレンズと第2の
レンズとの貼り合わせを説明するための他の斜視図であ
る。
【図6】 第1の実施例の対物レンズを作製するレンズ
貼り合わせ装置の構成図である。
【図7】 第2の実施例の光ピックアップ用対物レンズ
の断面図である。
【図8】 第3の実施例の光ピックアップ用対物レンズ
の断面図である。
【図9】 第4の実施例の第1のレンズを形成した石英
ガラスウエハの上面図である。
【図10】 第4の実施例の第2のレンズを形成した石
英ガラスウエハの上面図である。
【図11】 図9に示した石英ガラスウエハの接合面の
配置を説明するための図である。
【図12】 図10に示した石英ガラスウエハの凸部の
配置を説明するための図である。
【図13】 第4の実施例における第1のレンズを形成
した石英ガラスウエハと第2のレンズを形成した石英ガ
ラスウエハとの貼り合わせを説明するための図である。
【図14】 第4の実施例における第1のレンズを形成
した石英ガラスウエハと第2のレンズを形成した石英ガ
ラスウエハとの他の貼り合わせを説明するための図であ
る。
【図15】 第4の実施例における第1のレンズを形成
した石英ガラスウエハと第2のレンズを形成した石英ガ
ラスウエハとの他の貼り合わせを説明するための図であ
る。
【図16】 第4の実施例における第1のレンズを形成
した石英ガラスウエハと第2のレンズを形成した石英ガ
ラスウエハとの他の貼り合わせを説明するための図であ
る。
【図17】 第4の実施例の対物レンズを作製するウエ
ハ貼り合わせ装置の構成図である。
【図18】 従来の2つのレンズで構成される対物レン
ズの例を示す構成図である。
【図19】 従来の2つのレンズで構成される対物レン
ズの他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…第1のレンズ、2…第2のレンズ、3…石英ガラス
基板、4,6…レンズ部、5,7…接合部、5a,5
b,5c,5d…接合面、7a…凸部、8,9,20,
21…アライメントマーク、10…レーザ光源、11…
レーザ光を第2のレンズに入射する光学系、12…スポ
ット測定光学系、13…カメラ、14,15…ホルダ、
16…第3のレンズ、17…薄膜コイル、18…第1の
レンズを形成した石英ガラスウエハ、19…第2のレン
ズを形成した石英ガラスウエハ、22,23…ウエハホ
ルダ、24…アライメントマーク撮影用カメラ、10
1,111…第1のレンズ、102,112…第2のレ
ンズ、103,104…アクチュエータ、105…光デ
ィスク、106…磁気コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/22 G11B 7/22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を光記録媒体上に微小スポ
    ットとして集光し、記録および/または再生を行うため
    の光ピックアップ用の対物レンズにおいて、該対物レン
    ズが少なくとも2つ以上のレンズを貼り合わせた構造と
    なっており、レンズを接合する接合部にレンズの間隔を
    調整する機構を備えていることを特徴とする対物レン
    ズ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の対物レンズにおいて、
    前記レンズの間隔を調整する機構が、一方のレンズの接
    合部には凸形状が形成されており、他方のレンズの接合
    部には高さの異なる接合面を少なくとも2つ以上形成さ
    れて構成されていることを特徴とする対物レンズ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の対物レンズを作製する
    対物レンズ作製方法において、別々に形成されたレンズ
    を貼り合わせる工程で、該別々に形成されたレンズをつ
    き合わせ、レンズに光を入れ、レンズから出た光のスポ
    ットを計測しながら、レンズの間隔を調整する機構でレ
    ンズ間隔を調整し、前記別々に形成されたレンズを貼り
    合わせることを特徴とする対物レンズの作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の対物レンズの作製装置
    において、対物レンズを構成する複数のレンズをそれぞ
    れ保持する複数の保持手段と、レンズ間隔調整を制御す
    る制御手段と、光源と、光源からの光をレンズに導く光
    学系と、対物レンズによって形成されたスポット形状を
    測定するスポット測定系と、レンズを貼り合わせる手段
    とを備えていることを特徴とする対物レンズの作製装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の対物レンズにおいて、
    対物レンズを構成する複数のレンズのうち少なくとも1
    つのレンズに、屈折率の異なる部材で一体的にもう1つ
    のレンズが形成されていることを特徴とする対物レン
    ズ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の対物レンズにおいて、
    記録媒体に対向する面に磁気コイルが形成されているこ
    とを特徴とする対物レンズ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の対物レンズにおいて、
    対物レンズに形成される磁気コイルが薄膜で形成された
    薄膜コイルであることを特徴とする対物レンズ。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の対物レンズを作製する
    対物レンズ作製方法において、貼り合わせるレンズのレ
    ンズ部および接合部をウエハプロセスで形成する際に、
    ウエハを4つの領域に分割して、それぞれの領域の中で
    は凸形状または接合面が形成されている位置が同じで、
    かつ、隣り合う領域同士では凸形状または接合面が形成
    されている位置が異なっていることを特徴とする対物レ
    ンズの作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の対物レンズ作製方法の
    実施に使用する装置であって、前記レンズ部および接合
    部が形成されたウエハを貼り合わせる装置において、対
    物レンズを構成するレンズが形成された複数のウエハを
    それぞれ保持する複数の保持手段と、レンズ間隔の調整
    を制御する制御手段と、光源と、光源からの光をレンズ
    に導く光学系と、対物レンズによって形成されたスポッ
    ト形状を測定するスポット測定系を備えていることを特
    徴とするウエハを貼り合わせる装置。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載の対物レンズを作製す
    る対物レンズ作製方法において、レンズ接合部の形成を
    レンズ形成プロセスで同時に行うことを特徴とする対物
    レンズ作製方法。
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JP2006186082A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Sharp Corp 投影露光装置

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JP4572111B2 (ja) * 2004-12-27 2010-10-27 シャープ株式会社 投影露光装置

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