JP2004103102A - 記録再生装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気漏洩の少ない磁気回路を構成し、レンズの固定方法を改善し、位置合わせを光路上で行うことで、容易に、かつ精度よく、高歩留まりに製造できる記録再生装置を得る。
【解決手段】磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイル4の両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とが各々の光路を利用し、光学的に位置決めされ、一体化された記録再生装置とする。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイル4の両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とが各々の光路を利用し、光学的に位置決めされ、一体化された記録再生装置とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気光学効果を応用した記録再生装置およびその製造方法に関し、特に磁界発生手段である磁界変調コイルと光学的集光手段のレンズを保持した基板構造とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像などの大容量データを扱うようになって、フロッピー(R)ディスクなどの磁気記録媒体に代わって光磁気を利用した光磁気記録媒体(光磁気ディスク)が使われるようになってきた。
【0003】
このような光磁気ディスクにおいては、データを記録する際は、最初に強力な外部磁界によって初期化し、磁化の方向を一方向に揃えておく。その後、記録する位置にレーザ光を照射して、記録媒体部分の温度をキュリー点近傍以上、もしくは補償点近傍以上に加熱し、その部分の保持力(Hc)をほとんどゼロとした上で、初期化の磁化の方向と逆向きの外部磁化を印加して磁化の向きを反転させる。レーザ光の照射をとめると、記録媒体は常温に戻り、磁化の向きは固定される。つまり、データが熱磁気的に記録される。再生の際は、直線偏光したレーザ光を記録媒体に照射し、その反射光や光透過光の偏光面が磁化の向きに応じて回転する現象(磁気光学効果)を利用して光学的にデータの読み出しを行う。
【0004】
従って、記録再生装置としての記録密度向上には、光の集光性能を上げビームスポットを小さくすることと、磁界変調コイルからの発生磁界を大きくし、極力狭い記録トラックで記録再生を可能にすることである。
【0005】
この分野の光学レンズの小型化の提案としては、特公昭61−46408号公報があり、所望の直径のレジストパターンを形成した後に、光学ガラス基板をリアクテイブイオンエッチングにより円形部の突起を作り、加熱して表面張力により球面状に加工する方法がある。
【0006】
また、光の集光に関するものとしては、特開平10−288702号公報に、記録面保護層と同じ屈折率を用いた材料を用いてレンズ形状を形成する方法で、マイクロボールの高さをボール中心からR/n(ただし、Rはボールの半径、nは屈折率)の高さで研磨し用いることが提示されている。前述の方法は、ガラスレンズの加工時間が長いこと、大掛かりな設備が必要となる問題点を有し、後述の方法は、ガラスの支持方法の提案がなされていないこと等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の光磁気ディスク装置において、狭い空間内に大きな電流が流れるコイルの中心を光路が通過する磁界発生手段と、この光路の光学的集光手段とを高精度かつ高密度に配設しなければないという問題点があった。
【0008】
また、光学的集光手段については、光の集光性能は光源波長と対物レンズの開口数(NA:Numerical apertureの略)とレンズの透過率とで決まり、外径が数百μmと小型で真球度が高いことが要求され、集光レンズを支持した構造が高価であるという問題点があった。
【0009】
また、磁界変調コイルも、非常に制約されたスペースの中で、コイルの磁界を大きくするために、磁気漏れの少ない磁気回路を構成し、磁界変調コイルの発生磁界の磁束密度を上げることが要求されており、製作が困難であった。
【0010】
本発明の目的は、磁気漏洩の少ない磁気回路を構成し、レンズの固定方法を改善し、位置合わせを光路上で行うことで、容易に、かつ精度よく、高歩留まりに製造できる記録再生装置およびその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイルの両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とが各々の光路を利用し、光学的に位置決めされ、一体化された記録再生装置である。
【0012】
また、本発明は、前記支持基板は、光発生手段から光磁気記録媒体に光を照射するための光路を有し、前記光路は前記記録媒体に向かって口径を絞り込んだ円錐状の空間を有する基板から構成される記録再生装置である。
【0013】
また、本発明は、レンズを支持した光路を有する基板はレンズの半径をRとしたときに、レンズの高さが0.35R以上で0.5R以下の位置でガラス製レンズを固定できる基板からなる記録再生装置である。
【0014】
また、本発明は、前記レンズを支持する部分が階段状の切り欠きを有し固定できる基板からなる記録再生装置である。
【0015】
また、本発明は、前記レンズは、SiO2、Al2O3、BaO、B2O3を必須成分とし、BaO3、Na2O、K2O、ZnOからなる選択成分と不可避不純物からなり、かつ光透過率が80%以上のガラス材料からなる記録再生装置である。
【0016】
また、本発明は、磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置の製造方法において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイルの両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とが各々の光路を利用し、光学的に位置決めし、一体化する記録再生装置の製造方法である。
【0017】
また、本発明は、前記支持基板の光路を前記記録媒体に向かって口径を絞り込んだ円錐状の空間を有する基板から形成する記録再生装置の製造方法である。
【0018】
また、本発明は、前記レンズを支持した光路を有する基板は、レンズの半径をRとしたときに、レンズの高さが0.35R以上で0.5R以下の位置でガラス製レンズを固定できる基板にて形成する記録再生装置の製造方法である。
【0019】
また、本発明は、前記レンズを支持する部分が階段状の切り欠きを有し固定できる基板にて形成する記録再生装置に製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による記録再生装置およびその製造方法ついて、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態による記録再生装置の模式的な断面図である。1は記録再生装置を示し、2は磁気変調コイル基板、3はレンズ支持基板を示す。4は磁界変調コイルを示し、5は磁性体層である。レーザ光は磁界変調コイルの中心を光軸が通るように配置された光発生手段から光路7、レンズ6を通って、記録媒体の所定の位置に収束される。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態に係るレンズ支持基板の製造工程を示す図である。図2(a)はガラス球を基板にセットし接着した工程を示す図であり、図2(b)は矢印方向に研磨した後のレンズ支持基板を示す図である。
【0023】
ガラス材料の成分として、SiO2が50wt%、Al2O3が12wt%、BaOが23wt%、B2O3が13wt%、Na2Oが2wt%を含み、光透過度が90%のホウケイ酸ガラスを用いてガラス球を作製、これを研磨し、径250μmのガラス球を作製する。これを接着剤の漏れ防止とガラス球の位置決めをかねた切り欠きが配設され、ガラス球の外径より厚みが厚い270μmのレンズ支持基板3に挿入する[図2(a)参照]。
【0024】
ガラスとの接触部分については、角型、曲面、R面があり、特に限定するものではないが、図3には代表例として角型を示す。ここで、レンズの半径をRとした時、レンズの高さが0.35R以上で、0.5R以下の位置でレンズを固定する。レンズの固定位置が0.35R未満あるいは0.5Rを超えると、レンズの光を受光する面積が減少するからである。
【0025】
レンズ支持基板3とレンズ6との間に接着剤を流し、レンズ6とレンズ支持基板3を固着させる。次に、基板の高さが160μmになるように砥粒および研磨機を用いて精密研磨した。前記のレンズ支持基板3にセットした際に、レンズ6の研磨面側が接着剤で覆われていることで、研磨時に発生する応力が直接ガラス端部にかからず、ガラス端部のチッピングが起こらない利点もあり、平面研削面が平坦・平滑な仕上がり状態になる[図2(b)参照]。
【0026】
次に、磁界変調コイル4を支持する基板の製造方法を説明する。結晶面(100)のシリコン単結晶基板の光路7の出口となる部分をアルカリエッチング溶液で角度が54.7°となるように異方性エッチングを行い円錐状の光路7を形成した。また、光路7の入口となる方向からフッ酸−硝酸系で等方エッチングし、磁界変調コイル4を支持するシリコン層を残すように、エッチングストップした。シリコン基板に熱酸化の方法で酸化膜(SiO2)を形成し、磁界変調コイル基板2を支持するシリコン部分はフォトリソグラフィ技術を用いてSiO2膜を所定の形状に選択除去した。次に、フッ酸系エッチング液でSiO2膜を前面除去し、磁界変調コイル基板2を完成させた。
【0027】
磁性体層は、Co−Fe−Si−B系でスパッタ法を用いて薄膜を形成した。磁界変調コイル4は、フォトレジストでコイルのフレーム形状のパターニングを行った後、めっき法で形成した。コイル、磁性体層間の絶縁は、フォトレジストを塗布、200℃で焼き付けた。
【0028】
光源をセットした盤上に磁界変調コイル基板2を載せ、光路7から通過した光を基点として、レンズ支持基板3のレンズの中心部に合うように重ね合わせ耐熱性接着剤で固定した。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態に係る磁界変調コイル基板とレンズ支持基板との接着工程を示す図である。図3(a)は光源を有する盤上に磁界変調コイル基板とレンズ支持基板とを初期セットした状態を示す。図3(b)はXY軸を移動し、光路軸を一致させた構造を示す図である。
【0030】
光路を用いた位置合わせには、目視を使った手動方法、センサー、パソコン、XYテーブルを組み合わせた自動機が利用できる。耐熱性接着剤塗布にも、手動やインクジェットプリンタや定量塗出装置が利用できる。
【0031】
本発明の実施の形態で試作した記録再生装置の主な各部の寸法を以下に示す。また、同様に200個の部品を作製した。
・磁界変調コイル:外径200μm、コイル幅5μm、コイル厚さ3μm、コイル巻数10ターン。
・磁性体層:外径400μm、厚さ5μm。
・シリコン層:10μm。
・光路:入口200μm、出口20μm(位置合わせに使う口径は20μm)。
・レンズ:外径290μm、レンズ厚み175μm。
・研磨前のレンズ支持基板:厚み270μm、レンズ支持切り欠き部の内径190μm。
・研摩しろ:115μm。
(位置合わせに使う口径は190μmであり、XY座標での位置合わせが必要)
【0032】
前記試作品の特性結果を下記に示す。
・磁界変調コイルの印加電流:75mA。
・磁界変調コイルの中心点における磁束密度:280ガウス。
・光源の波長:680nm。
・対物レンズの開口数:0・6。
・ビーム・スポット径:約0.1μm 。
・歩留まり:92%。
【0033】
(比較例)
比較品として、従来のガラス球のセット・支持方法を図4に示す。試作方法としては、ガラス材料を石英ガラス(SiO2)にし、ガラス球のレンズ支持基板位置決め方式を台盤に吸引式の位置決め方式(15、16)にして、磁気コイル基板とレンズ支持基板の接着に基板同士の外形基準で貼り合わせ部品に形成した。これも同じく500個の部品を作製した。この試作品は、レンズのかけが多く、また光軸がずれてしまう部品が多く、歩留まりが68%と低いレベルであった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気漏洩の少ない磁気回路を構成すること、レンズの固定方法を選択すること、位置合わせを光路上で行うことで、容易に、かつ精度よく、高歩留まりに製造できる記録再生装置およびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録再生装置の模式的な断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係るレンズ支持基板の製造工程を示す図。図2(a)はガラス球を基板にセットし接着した工程を示す図。図2(b)は矢印方向に研磨した後のガラス基板を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る磁界変調コイル基板とレンズ支持基板との接着工程を示す図。図3(a)は光源を有する盤上に磁界変調コイル基板とレンズ支持基板とを初期セットした状態を示す図。図3(b)はXY軸を移動し、光路軸を一致させた構造を示す図。
【図4】従来例でガラス球を基板にセットし、接着した工程を示す図。
【符号の説明】
1 記録再生装置
2 磁気変調コイル基板
3 レンズ支持基板
4 磁界変調コイル
5 磁性体層
6 レンズ
7 光路
8 レンズと基板の固定層
9 切り欠き部
11 研磨方向
12 位置合わせ用光源
13 穴明き接合盤
14 位置合わせの移動
15 真空吸引(従来法)
16 位置合わせ盤(従来法)
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気光学効果を応用した記録再生装置およびその製造方法に関し、特に磁界発生手段である磁界変調コイルと光学的集光手段のレンズを保持した基板構造とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像などの大容量データを扱うようになって、フロッピー(R)ディスクなどの磁気記録媒体に代わって光磁気を利用した光磁気記録媒体(光磁気ディスク)が使われるようになってきた。
【0003】
このような光磁気ディスクにおいては、データを記録する際は、最初に強力な外部磁界によって初期化し、磁化の方向を一方向に揃えておく。その後、記録する位置にレーザ光を照射して、記録媒体部分の温度をキュリー点近傍以上、もしくは補償点近傍以上に加熱し、その部分の保持力(Hc)をほとんどゼロとした上で、初期化の磁化の方向と逆向きの外部磁化を印加して磁化の向きを反転させる。レーザ光の照射をとめると、記録媒体は常温に戻り、磁化の向きは固定される。つまり、データが熱磁気的に記録される。再生の際は、直線偏光したレーザ光を記録媒体に照射し、その反射光や光透過光の偏光面が磁化の向きに応じて回転する現象(磁気光学効果)を利用して光学的にデータの読み出しを行う。
【0004】
従って、記録再生装置としての記録密度向上には、光の集光性能を上げビームスポットを小さくすることと、磁界変調コイルからの発生磁界を大きくし、極力狭い記録トラックで記録再生を可能にすることである。
【0005】
この分野の光学レンズの小型化の提案としては、特公昭61−46408号公報があり、所望の直径のレジストパターンを形成した後に、光学ガラス基板をリアクテイブイオンエッチングにより円形部の突起を作り、加熱して表面張力により球面状に加工する方法がある。
【0006】
また、光の集光に関するものとしては、特開平10−288702号公報に、記録面保護層と同じ屈折率を用いた材料を用いてレンズ形状を形成する方法で、マイクロボールの高さをボール中心からR/n(ただし、Rはボールの半径、nは屈折率)の高さで研磨し用いることが提示されている。前述の方法は、ガラスレンズの加工時間が長いこと、大掛かりな設備が必要となる問題点を有し、後述の方法は、ガラスの支持方法の提案がなされていないこと等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の光磁気ディスク装置において、狭い空間内に大きな電流が流れるコイルの中心を光路が通過する磁界発生手段と、この光路の光学的集光手段とを高精度かつ高密度に配設しなければないという問題点があった。
【0008】
また、光学的集光手段については、光の集光性能は光源波長と対物レンズの開口数(NA:Numerical apertureの略)とレンズの透過率とで決まり、外径が数百μmと小型で真球度が高いことが要求され、集光レンズを支持した構造が高価であるという問題点があった。
【0009】
また、磁界変調コイルも、非常に制約されたスペースの中で、コイルの磁界を大きくするために、磁気漏れの少ない磁気回路を構成し、磁界変調コイルの発生磁界の磁束密度を上げることが要求されており、製作が困難であった。
【0010】
本発明の目的は、磁気漏洩の少ない磁気回路を構成し、レンズの固定方法を改善し、位置合わせを光路上で行うことで、容易に、かつ精度よく、高歩留まりに製造できる記録再生装置およびその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイルの両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とが各々の光路を利用し、光学的に位置決めされ、一体化された記録再生装置である。
【0012】
また、本発明は、前記支持基板は、光発生手段から光磁気記録媒体に光を照射するための光路を有し、前記光路は前記記録媒体に向かって口径を絞り込んだ円錐状の空間を有する基板から構成される記録再生装置である。
【0013】
また、本発明は、レンズを支持した光路を有する基板はレンズの半径をRとしたときに、レンズの高さが0.35R以上で0.5R以下の位置でガラス製レンズを固定できる基板からなる記録再生装置である。
【0014】
また、本発明は、前記レンズを支持する部分が階段状の切り欠きを有し固定できる基板からなる記録再生装置である。
【0015】
また、本発明は、前記レンズは、SiO2、Al2O3、BaO、B2O3を必須成分とし、BaO3、Na2O、K2O、ZnOからなる選択成分と不可避不純物からなり、かつ光透過率が80%以上のガラス材料からなる記録再生装置である。
【0016】
また、本発明は、磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置の製造方法において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイルの両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とが各々の光路を利用し、光学的に位置決めし、一体化する記録再生装置の製造方法である。
【0017】
また、本発明は、前記支持基板の光路を前記記録媒体に向かって口径を絞り込んだ円錐状の空間を有する基板から形成する記録再生装置の製造方法である。
【0018】
また、本発明は、前記レンズを支持した光路を有する基板は、レンズの半径をRとしたときに、レンズの高さが0.35R以上で0.5R以下の位置でガラス製レンズを固定できる基板にて形成する記録再生装置の製造方法である。
【0019】
また、本発明は、前記レンズを支持する部分が階段状の切り欠きを有し固定できる基板にて形成する記録再生装置に製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による記録再生装置およびその製造方法ついて、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態による記録再生装置の模式的な断面図である。1は記録再生装置を示し、2は磁気変調コイル基板、3はレンズ支持基板を示す。4は磁界変調コイルを示し、5は磁性体層である。レーザ光は磁界変調コイルの中心を光軸が通るように配置された光発生手段から光路7、レンズ6を通って、記録媒体の所定の位置に収束される。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態に係るレンズ支持基板の製造工程を示す図である。図2(a)はガラス球を基板にセットし接着した工程を示す図であり、図2(b)は矢印方向に研磨した後のレンズ支持基板を示す図である。
【0023】
ガラス材料の成分として、SiO2が50wt%、Al2O3が12wt%、BaOが23wt%、B2O3が13wt%、Na2Oが2wt%を含み、光透過度が90%のホウケイ酸ガラスを用いてガラス球を作製、これを研磨し、径250μmのガラス球を作製する。これを接着剤の漏れ防止とガラス球の位置決めをかねた切り欠きが配設され、ガラス球の外径より厚みが厚い270μmのレンズ支持基板3に挿入する[図2(a)参照]。
【0024】
ガラスとの接触部分については、角型、曲面、R面があり、特に限定するものではないが、図3には代表例として角型を示す。ここで、レンズの半径をRとした時、レンズの高さが0.35R以上で、0.5R以下の位置でレンズを固定する。レンズの固定位置が0.35R未満あるいは0.5Rを超えると、レンズの光を受光する面積が減少するからである。
【0025】
レンズ支持基板3とレンズ6との間に接着剤を流し、レンズ6とレンズ支持基板3を固着させる。次に、基板の高さが160μmになるように砥粒および研磨機を用いて精密研磨した。前記のレンズ支持基板3にセットした際に、レンズ6の研磨面側が接着剤で覆われていることで、研磨時に発生する応力が直接ガラス端部にかからず、ガラス端部のチッピングが起こらない利点もあり、平面研削面が平坦・平滑な仕上がり状態になる[図2(b)参照]。
【0026】
次に、磁界変調コイル4を支持する基板の製造方法を説明する。結晶面(100)のシリコン単結晶基板の光路7の出口となる部分をアルカリエッチング溶液で角度が54.7°となるように異方性エッチングを行い円錐状の光路7を形成した。また、光路7の入口となる方向からフッ酸−硝酸系で等方エッチングし、磁界変調コイル4を支持するシリコン層を残すように、エッチングストップした。シリコン基板に熱酸化の方法で酸化膜(SiO2)を形成し、磁界変調コイル基板2を支持するシリコン部分はフォトリソグラフィ技術を用いてSiO2膜を所定の形状に選択除去した。次に、フッ酸系エッチング液でSiO2膜を前面除去し、磁界変調コイル基板2を完成させた。
【0027】
磁性体層は、Co−Fe−Si−B系でスパッタ法を用いて薄膜を形成した。磁界変調コイル4は、フォトレジストでコイルのフレーム形状のパターニングを行った後、めっき法で形成した。コイル、磁性体層間の絶縁は、フォトレジストを塗布、200℃で焼き付けた。
【0028】
光源をセットした盤上に磁界変調コイル基板2を載せ、光路7から通過した光を基点として、レンズ支持基板3のレンズの中心部に合うように重ね合わせ耐熱性接着剤で固定した。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態に係る磁界変調コイル基板とレンズ支持基板との接着工程を示す図である。図3(a)は光源を有する盤上に磁界変調コイル基板とレンズ支持基板とを初期セットした状態を示す。図3(b)はXY軸を移動し、光路軸を一致させた構造を示す図である。
【0030】
光路を用いた位置合わせには、目視を使った手動方法、センサー、パソコン、XYテーブルを組み合わせた自動機が利用できる。耐熱性接着剤塗布にも、手動やインクジェットプリンタや定量塗出装置が利用できる。
【0031】
本発明の実施の形態で試作した記録再生装置の主な各部の寸法を以下に示す。また、同様に200個の部品を作製した。
・磁界変調コイル:外径200μm、コイル幅5μm、コイル厚さ3μm、コイル巻数10ターン。
・磁性体層:外径400μm、厚さ5μm。
・シリコン層:10μm。
・光路:入口200μm、出口20μm(位置合わせに使う口径は20μm)。
・レンズ:外径290μm、レンズ厚み175μm。
・研磨前のレンズ支持基板:厚み270μm、レンズ支持切り欠き部の内径190μm。
・研摩しろ:115μm。
(位置合わせに使う口径は190μmであり、XY座標での位置合わせが必要)
【0032】
前記試作品の特性結果を下記に示す。
・磁界変調コイルの印加電流:75mA。
・磁界変調コイルの中心点における磁束密度:280ガウス。
・光源の波長:680nm。
・対物レンズの開口数:0・6。
・ビーム・スポット径:約0.1μm 。
・歩留まり:92%。
【0033】
(比較例)
比較品として、従来のガラス球のセット・支持方法を図4に示す。試作方法としては、ガラス材料を石英ガラス(SiO2)にし、ガラス球のレンズ支持基板位置決め方式を台盤に吸引式の位置決め方式(15、16)にして、磁気コイル基板とレンズ支持基板の接着に基板同士の外形基準で貼り合わせ部品に形成した。これも同じく500個の部品を作製した。この試作品は、レンズのかけが多く、また光軸がずれてしまう部品が多く、歩留まりが68%と低いレベルであった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気漏洩の少ない磁気回路を構成すること、レンズの固定方法を選択すること、位置合わせを光路上で行うことで、容易に、かつ精度よく、高歩留まりに製造できる記録再生装置およびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録再生装置の模式的な断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係るレンズ支持基板の製造工程を示す図。図2(a)はガラス球を基板にセットし接着した工程を示す図。図2(b)は矢印方向に研磨した後のガラス基板を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る磁界変調コイル基板とレンズ支持基板との接着工程を示す図。図3(a)は光源を有する盤上に磁界変調コイル基板とレンズ支持基板とを初期セットした状態を示す図。図3(b)はXY軸を移動し、光路軸を一致させた構造を示す図。
【図4】従来例でガラス球を基板にセットし、接着した工程を示す図。
【符号の説明】
1 記録再生装置
2 磁気変調コイル基板
3 レンズ支持基板
4 磁界変調コイル
5 磁性体層
6 レンズ
7 光路
8 レンズと基板の固定層
9 切り欠き部
11 研磨方向
12 位置合わせ用光源
13 穴明き接合盤
14 位置合わせの移動
15 真空吸引(従来法)
16 位置合わせ盤(従来法)
Claims (9)
- 磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイルの両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とが一体化されたことを特徴とする記録再生装置。
- 前記支持基板は光発生手段から光磁気記録媒体に光を照射するための光路を有し、前記光路は前記記録媒体に向かって口径を絞り込んだ円錐状の空間を有する基板から構成されることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
- 前記レンズを支持した光路を有する基板は、レンズの半径をRとしたときに、レンズの高さが0.35R以上で0.5R以下の位置でレンズを固定できる基板からなることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
- レンズを支持する部分が階段状の切り欠きを有することを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
- 前記レンズは、SiO2、Al2O3、BaO、B2O3を必須成分とし、BaO3、Na2O、K2O、ZnOからなる選択成分と不可避不純物からなり、かつ光透過率が80%以上のガラス材料からなることを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
- 磁気光学効果を応用した記録媒体に磁界と光とを印加してデータの記録再生を行う記録再生装置の製造方法において、磁界の発生手段である扁平な磁気変調コイルの両面に磁性体層を形成した光路を有する支持基板と、光学的集光手段であるレンズを支持した光路を有する基板とを各々の光路を利用し、光学的に位置決めし、一体化することを特徴とする記録再生装置の製造方法。
- 前記支持基板の光路を前記記録媒体に向かって口径を絞り込んだ円錐状の空間を有する基板から形成することを特徴とする請求項6に記載の記録再生装置の製造方法。
- 前記レンズを支持した光路を有する基板は、レンズの半径をRとしたときに、レンズの高さが0.35R以上で0.5R以下の位置でガラス製レンズを固定できる基板にて形成することを特徴とする請求項6に記載の記録再生装置の製造方法。
- 前記レンズを支持する部分が階段状の切り欠きを有し固定できる基板にて形成することを特徴とする請求項6に記載の記録再生装置の製造方法。
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2002
- 2002-09-09 JP JP2002262737A patent/JP2004103102A/ja active Pending
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