JP2002256916A - 巻掛伝動装置 - Google Patents

巻掛伝動装置

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JP2002256916A
JP2002256916A JP2001054206A JP2001054206A JP2002256916A JP 2002256916 A JP2002256916 A JP 2002256916A JP 2001054206 A JP2001054206 A JP 2001054206A JP 2001054206 A JP2001054206 A JP 2001054206A JP 2002256916 A JP2002256916 A JP 2002256916A
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JP
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tension
pulley
internal combustion
rotating
rotation
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JP2001054206A
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English (en)
Inventor
Yuichi Yano
裕一 矢野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/10Means for varying tension of belts, ropes, or chains by adjusting the axis of a pulley
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    • F16H7/1281Means for varying tension of belts, ropes, or chains by adjusting the axis of a pulley of an idle pulley without vibration damping means where the axis of the pulley moves along a substantially circular path
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンとモータジェネレータ(M/G)との
間の動力伝達を仲介する巻掛伝動装置において、予め巻
掛伝動部材を高張力とすることなく常に緩みを適切に防
止する。 【解決手段】自動始動時においてM/Gの駆動によりエ
ンジンが回転される場合には、M/G用プーリ56のベ
ルト引き込み側に配置されている第1オートテンショナ
104によるベルト52に対する張力付与を停止し、送
り出し側に配置されている第2オートテンショナ114
による張力付与を開始する。エンジンが運転を開始して
クランク軸用プーリ50によりM/G用プーリ56が回
転される場合には第1オートテンショナ104による張
力付与を開始し、第2オートテンショナ114による張
力付与を停止する。このようにすることで位置変化する
緩み側に対して選択的に張力を付与することができ、課
題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の回転出
力軸と該内燃機関とは独立して回転力を出力できる回転
手段の回転出力軸とを含む回転軸間の動力伝達を仲介す
る巻掛伝動部材を備えた巻掛伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用内燃機関において、エコノ
ミーランニングシステム(以下、「エコランシステム」
と称する)が知られている。このエコランシステムは、
燃費の改善などのために、自動車が交差点等で走行停止
した時に内燃機関を自動停止するとともに、発進操作時
にはモータを回転させて内燃機関を自動始動して自動車
を発進可能とさせる自動停止始動システムである。
【0003】このような内燃機関の自動始動において
は、ベルトを介して内燃機関のクランク軸と連動される
始動用電動機(発電機を兼ねた始動用電動機も含む)が
用いられている(特開平11−190222号公報)。
この従来技術では、始動用電動機の回転駆動力がベルト
を介してクランクプーリに伝達される時のベルトの緩み
側にテンショナを配置している。このことにより内燃機
関の始動においては必要な張力を始動用電動機のプーリ
とクランクプーリとの間で得ることができる。そして、
この従来技術では始動用電動機による駆動から内燃機関
による駆動に切り換わる際においては、始動用電動機が
空転することから始動用電動機のプーリとクランクプー
リとの間におけるベルトの急激な張力の低下が生じない
ので、始動用電動機のプーリではベルトのスリップが生
じないとしている。
【0004】更に、この従来技術においては、発電機を
兼ねた始動用電動機を用いた場合には、予めテンショナ
の張力は高張力に設定されているので、内燃機関の駆動
時においても、スリップさせずに発電機を回転させるだ
けの張力は十分に得られているとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内燃機関の始
動後に始動用電動機を空転させる場合においても、始動
用電動機においてフリクションや慣性力等の回転負荷は
発生している。したがって前記従来技術では、内燃機関
が運転開始した後においてはテンショナはベルトの緩み
側に存在していないことになる。このため内燃機関の運
転開始後にはベルト張力に不足を生じるおそれがある。
【0006】このように始動用電動機が発電機を兼ねて
いない場合においても、実際には予めテンショナの張力
を高張力に設定しておく必要が出てくる。ましてや、前
記従来技術でも記載しているごとく、発電機を兼ねた始
動用電動機を用いた場合には、テンショナの張力をより
高い設定として内燃機関の運転時におけるスリップに対
処しなくてはならない。
【0007】このことから、従来技術のごとく始動用電
動機が内燃機関を駆動している時のベルト緩み側にテン
ショナを配置した構成では、ベルト張力の上昇が避けら
れない。そして、このように予めベルトの張力を高くし
なくてはならないことから、高張力に対するベルトの耐
久性を考慮してベルトの幅を広くする必要がある。また
ベルト幅の拡大やベルト張力の上昇により、ベルトを受
けている各プーリの軸や軸受の大型化の必要が生じ、内
燃機関の高コスト化を招くおそれがある。
【0008】本発明は、内燃機関の回転出力軸と内燃機
関とは独立して回転力を出力できる回転手段の回転出力
軸とを含む回転軸間の動力伝達を仲介する巻掛伝動部材
を備えた巻掛伝動装置において、予め巻掛伝動部材を高
張力とすることなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防
止することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の巻掛伝動装置は、内燃機関の回転出力軸と該
内燃機関とは独立して回転力を出力できる回転手段の回
転出力軸とを含む回転軸間の動力伝達を仲介する巻掛伝
動部材を備えた巻掛伝動装置であって、前記内燃機関の
回転出力状態と前記回転手段の回転出力状態とに応じて
変化する前記巻掛伝動部材における緩み側に対して、選
択的に張力を付与する張力選択付与手段を備えたことを
特徴とする。
【0010】内燃機関が出力する回転力により他の装置
を回転させている場合と、内燃機関とは独立して回転力
を出力できる回転手段が内燃機関や他の装置を回転させ
ている場合とでは、巻掛伝動部材における緩み側が異な
る。したがって、従来技術のごとく張力を付与する位置
が固定されていると、緩み側の位置変化に対処するため
には予め巻掛伝動部材を高張力としなくてはならない。
しかし、本発明では、張力選択付与手段が、内燃機関の
回転出力状態と回転手段による回転出力状態とに応じて
変化する緩み側に対応して選択的に張力を付与するよう
にしている。このことから、予め巻掛伝動部材を高張力
とすることなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止す
ることができる。
【0011】請求項2記載の巻掛伝動装置では、請求項
1記載の構成において、内燃機関の回転出力軸と、前記
回転手段の回転出力軸との間の動力伝達を巻掛伝動部材
にて仲介することにより、前記回転手段の駆動による前
記内燃機関の始動処理を可能とすることを特徴とする。
【0012】このように巻掛伝動部材の動力伝達の仲介
により、回転手段の駆動による前記内燃機関の始動処理
を可能とする構成においても同様である。すなわち、張
力選択付与手段が、内燃機関の回転出力状態と内燃機関
始動も含めた回転手段による回転出力状態とに応じて変
化する緩み側に対応して選択的に張力を付与するように
している。このことから、予め巻掛伝動部材を高張力と
することなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止する
ことができる。
【0013】請求項3記載の巻掛伝動装置では、請求項
2記載の構成において、前記回転手段は、電動機と発電
機との機能を兼ねたモータジェネレータであることを特
徴とする。
【0014】回転手段が電動機と発電機との機能を兼ね
たモータジェネレータであることにより、内燃機関の回
転出力状態と内燃機関始動も含めた回転手段による回転
出力状態とに応じて緩み側が変化するとともに、モータ
ジェネレータが内燃機関により駆動される発電状態とな
れば巻掛伝動部材における緩みの程度も大きくなる。
【0015】この緩みを防止するためには、従来技術の
ごとく張力を付与する位置が固定されていると、予め巻
掛伝動部材を高張力にしなくてはならない。しかし本発
明では、張力選択付与手段が、内燃機関の回転出力状態
と回転手段による回転出力状態とに応じて変化する緩み
側に対応して選択的に張力を付与するようにしている。
このことによりモータジェネレータを用いた場合も予め
巻掛伝動部材を高張力とすることなく常に巻掛伝動部材
の緩みを適切に防止することができる。
【0016】請求項4記載の巻掛伝動装置では、請求項
3記載の構成において、前記張力選択付与手段は、前記
回転手段を回転させる発電処理を含めた前記内燃機関の
回転出力状態と、前記内燃機関を回転させる始動処理を
含めた前記回転手段による回転出力状態とに応じて変化
する前記巻掛伝動部材における緩み側に対して、選択的
に張力を付与することを特徴とする。
【0017】より具体的には、モータジェネレータを用
いた場合には、モータジェネレータが発電状態にある場
合と内燃機関始動のための回転駆動状態にある場合とで
は、巻掛伝動部材における緩み側が位置変化する。この
ことから、上述のごとく選択的に張力を付与することに
より、モータジェネレータを用いた場合に巻掛伝動部材
を高張力とすることなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切
に防止することができる。
【0018】請求項5記載の巻掛伝動装置では、請求項
1〜4のいずれか記載の構成において、前記内燃機関の
回転出力軸と前記回転手段の回転出力軸とは、前記張力
選択付与手段を除いて、前記巻掛伝動部材による動力伝
達経路上で隣接して配置されていることを特徴とする。
【0019】より具体的には、このように内燃機関と回
転手段との2つの回転出力軸が、前記張力選択付与手段
を除けば、巻掛伝動部材による動力伝達経路上で隣接し
て配置されている構成を挙げることができる。このよう
な構成においても、巻掛伝動部材を高張力とすることな
く常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止することができ
る。
【0020】請求項6記載の巻掛伝動装置では、請求項
1〜5のいずれか記載の構成において、前記張力選択付
与手段は、前記回転手段を挟んで前記巻掛伝動部材に対
して配置され、前記巻掛伝動部材に対する張力付与状態
と張力非付与状態とを切り換え可能な2つの可変張力機
構を備えたことを特徴とする。
【0021】張力選択付与手段の、より具体的な構成と
しては上述した2つの可変張力機構を備えた構成を挙げ
ることができる。例えば、始動時に回転手段の回転駆動
により内燃機関が回転される場合には、回転手段を挟ん
で巻掛伝動部材に対して配置された2つの可変張力機構
の内で、緩み側の可変張力機構を張力付与状態とし、他
方の可変張力機構を張力非付与状態とする。このこと
で、予め巻掛伝動部材を高張力にすることなく巻掛伝動
部材の緩みを防止できる。そして、内燃機関が運転を開
始した後には、始動時に張力付与状態にした可変張力機
構を張力非付与状態とし、始動時に張力非付与状態にし
た可変張力機構を張力付与状態とする。このことにより
内燃機関の自立的駆動を開始してからも予め巻掛伝動部
材を高張力とすることなく巻掛伝動部材の緩みを防止で
きる。
【0022】このようにして予め巻掛伝動部材を高張力
とすることなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止す
ることができる。請求項7記載の巻掛伝動装置では、請
求項6記載の構成において、前記可変張力機構は、揺動
軸を介して前記内燃機関に対して揺動可能に取り付けら
れたアームと、該アームの先端に回転可能に設けられて
前記巻掛伝動部材を受ける回転体と、前記巻掛伝動部材
に張力を与える方向へ前記回転体が移動するように前記
アームを付勢する付勢手段と、前記アームの揺動と固定
とを切り換える揺動切換手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0023】可変張力機構における、より具体的な構成
としては、上述したアーム、回転体、付勢手段及び揺動
切換手段を備えた構成を挙げることができる。例えば、
始動時に回転手段の回転駆動により内燃機関が回転され
る場合には、回転手段を挟んで巻掛伝動部材に対して配
置された2つの可変張力機構の内で、緩み側の可変張力
機構における揺動切換手段をアーム揺動状態にすること
で張力付与状態に、他方の可変張力機構における揺動切
換手段をアーム固定状態にすることで張力非付与状態に
することができる。このことで予め巻掛伝動部材を高張
力とすることなく巻掛伝動部材の緩みを適切に防止する
ことができる。そして、内燃機関が運転を開始した後に
は、始動時に張力付与状態にした可変張力機構の揺動切
換手段をアーム固定状態に切り換えることで張力非付与
状態に、始動時に張力非付与状態にした可変張力機構の
揺動切換手段をアーム揺動状態に切り換えることでを張
力付与状態にすることができる。このことにより内燃機
関の自立的駆動を開始してからも予め巻掛伝動部材を高
張力とすることなく巻掛伝動部材の緩みを適切に防止す
ることができる。
【0024】こうして予め巻掛伝動部材を高張力とする
ことなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止すること
ができる。請求項8記載の巻掛伝動装置では、請求項7
記載の構成において、前記揺動切換手段は、前記アーム
側に設けられた第1摩擦部材と、前記内燃機関側に設け
られて前記第1摩擦部材に対して接触する位置へ相対移
動可能な第2摩擦部材と、前記第1摩擦部材と前記第2
摩擦部材とを相対移動させることにより両摩擦部材の接
続と遮断とを切り換え可能な摩擦接続切換手段とを備え
たことを特徴とする。
【0025】揺動切換手段における、より具体的な構成
としては、上述した第1摩擦部材、第2摩擦部材及び摩
擦接続切換手段を備えた構成を挙げることができる。摩
擦接続切換手段によって両摩擦部材を接続することで、
第1摩擦部材が第2摩擦部材により内燃機関側に固定さ
れる。このことによりアームが固定されて揺動切換手段
をアーム固定状態に切り換えることができる。そして、
摩擦接続切換手段によって両摩擦部材の間を遮断するこ
とで、第1摩擦部材が第2摩擦部材から解放される。こ
のことによりアームの揺動が可能となって揺動切換手段
をアーム揺動状態に切り換えることができる。
【0026】請求項9記載の巻掛伝動装置では、請求項
8記載の構成において、前記摩擦接続切換手段は、付勢
部材と該付勢部材の付勢力に対抗する液圧とにより、前
記第1摩擦部材と前記第2摩擦部材との接続と遮断とを
切り換え可能とすることを特徴とする。
【0027】摩擦接続切換手段における、より具体的な
構成としては、上述したごとく付勢部材とこの付勢部材
の付勢力に対向する液圧とにより、第1摩擦部材と第2
摩擦部材との接続と遮断とを切り換えるものを挙げるこ
とができる。この場合、液圧を制御することにより、付
勢部材の付勢力に抗して第1摩擦部材と第2摩擦部材と
の間を接続したりあるいは逆に遮断することが可能とな
る。
【0028】請求項10記載の巻掛伝動装置では、請求
項9記載の構成において、前記液圧は、前記内燃機関の
油圧ポンプにより発生される油圧であることを特徴とす
る。このように内燃機関の油圧ポンプにより発生した油
圧を用いることにより、摩擦部材を利用して、2つの可
変張力機構において巻掛伝動部材に対する張力付与状態
と張力非付与状態とを切り換えることができる。
【0029】例えば、始動時に油圧ポンプによる油圧が
発生していない場合には、緩み側の可変張力機構につい
ては付勢部材の付勢力により両摩擦部材の間を遮断して
揺動切換手段をアーム揺動状態にすることで張力付与状
態とし、他方の可変張力機構については付勢部材の付勢
力により両摩擦部材の間を接続して揺動切換手段をアー
ム固定状態にすることで張力非付与状態とする。そし
て、内燃機関が運転を開始した後には、始動時に張力付
与状態にした可変張力機構については油圧により両摩擦
部材の間を接続して揺動切換手段をアーム固定状態に切
り換えることで張力非付与状態とし、始動時に張力非付
与状態にした可変張力機構については油圧により両摩擦
部材の間を遮断して揺動切換手段をアーム揺動状態に切
り換えることでを張力付与状態とすることができる。
【0030】請求項11記載の巻掛伝動装置では、請求
項1〜5のいずれか記載の構成において、前記張力選択
付与手段は、前記巻掛伝動部材を受けると共に、前記回
転手段の回転出力軸の回転に対する連動と非連動とを切
り換え可能な2つの回転体と、該2つの回転体間の前記
巻掛伝動部材に対して張力を付与する張力機構とを備え
たことを特徴とする。
【0031】張力選択付与手段における、より具体的な
構成としては上述した2つの回転体及び張力機構を備え
た構成を挙げることができる。例えば、始動時に回転手
段の回転駆動により内燃機関が回転される場合には、2
つの回転体の内で、連動した場合に張力機構を緩み側に
配置できる回転体を、回転手段の回転出力軸の回転に対
して連動させ、他方の回転体は連動させない。このこと
で、予め巻掛伝動部材を高張力にすることなく巻掛伝動
部材の緩みを防止できる。そして、内燃機関が運転を開
始した後には、始動時に回転手段の回転出力軸に連動さ
せた回転体は非連動に切り換え、始動時に非連動とした
回転体を回転手段の回転出力軸に連動させる。このこと
により内燃機関の自立的駆動を開始してからも予め巻掛
伝動部材を高張力とすることなく巻掛伝動部材の緩みを
防止できる。
【0032】こうして予め巻掛伝動部材を高張力とする
ことなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止すること
ができる。請求項12記載の巻掛伝動装置では、請求項
11の構成において、前記回転体は、回転数の違いによ
り、前記回転手段の回転出力軸の回転に対する連動と非
連動とを切り換え可能な連動切換機構を備えたことを特
徴とする。
【0033】回転体は、上述した連動切換機構を備えた
ものとすることができる。回転手段の回転駆動時と内燃
機関の回転駆動時とで巻掛伝動部材にて伝達される回転
数は種々変化する。例えば、回転手段の回転駆動による
内燃機関始動時では始動時以外の内燃機関運転時に比較
して回転数は低い。このため、このような回転数の違い
により回転手段の回転出力軸への連動と非連動とを切り
換え可能な連動切換機構を備えることにより、回転体自
身により、内燃機関の回転出力状態と回転手段による回
転出力状態とに応じて位置変化する巻掛伝動部材におけ
る緩み側に対して選択的に張力を付与することができる
ようになる。このことにより予め巻掛伝動部材を高張力
とすることなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止す
ることができる。
【0034】請求項13記載の巻掛伝動装置では、請求
項12記載の構成において、前記連動切換機構は、遠心
力により連動と非連動とを切り換え可能な遠心クラッチ
であることを特徴とする。
【0035】連動切換機構における、より具体的な構成
としては上述した遠心クラッチを備えた構成を挙げるこ
とができる。このような回転体自身の機能により、内燃
機関の回転出力状態と回転手段による回転出力状態とに
応じて変化する巻掛伝動部材における緩み側に対して選
択的に張力を付与することができる。したがって予め巻
掛伝動部材を高張力とすることなく常に巻掛伝動部材の
緩みを適切に防止することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された内燃機関及びその制御系統の概略構
成を表すブロック図である。内燃機関(以下、「エンジ
ン」と称する)10は、車両に搭載された火花点火式筒
内噴射型のガソリンエンジンである。エンジン10のシ
リンダヘッド12には燃料噴射弁14が設けられ、シリ
ンダブロック16、ピストン18及びシリンダヘッド1
2により区画された燃焼室20内に直接燃料を噴射可能
としている。そして燃焼室20の天井部分には点火プラ
グ22が配置されて、燃料噴射弁14から噴射された燃
料により形成される混合気に対して点火可能としてい
る。なお燃料噴射弁14には高圧燃料ポンプ(図示略)
からデリバリパイプ14aを介して高圧燃料が供給され
ている。このことにより圧縮行程末期においても燃料噴
射弁14から燃焼室20内に燃料噴射が可能となってい
る。このデリバリパイプ14a内の燃料圧力は燃圧セン
サ14bにより検出される。
【0037】シリンダヘッド12に形成された吸気ポー
ト24は吸気バルブ26により開閉される。吸気ポート
24への吸気の供給は吸気通路28を介してなされる。
吸気通路28にはサージタンク30が設けられ、サージ
タンク30の上流にはスロットルバルブ32が設けられ
ている。スロットルバルブ32は電動モータ34により
開度(スロットル開度TA)が調整され、このスロット
ル開度TAはスロットル開度センサ36により検出され
ている。
【0038】又、シリンダヘッド12に形成された排気
ポート38は排気バルブ40により開閉される。燃焼室
20から排気ポート38に排出された排気は、排気通路
42及び排気浄化触媒(図示略)等を介して外部に排出
される。
【0039】燃焼室20内の混合気の燃焼に伴うピスト
ン18の往復運動は、コンロッド44を介してクランク
軸46の回転運動に変換される。クランク軸46は図示
しないトルクコンバータや変速機を介して車輪に動力を
伝達している。
【0040】又、このような動力伝達系とは別に、クラ
ンク軸46の一端は電磁クラッチ48を介してプーリ5
0に接続されている。このプーリ50は、ベルト52
(巻掛伝動部材に相当)により他の3つのプーリ53,
54,56との間で動力の伝達を可能としている。この
内、プーリ53の回転によりウォータポンプ59が駆動
可能とされ、プーリ54の回転によりエアコン用コンプ
レッサ60が駆動可能とされている。
【0041】もう一つのプーリ56は、モータジェネレ
ータ(以下「M/G」と称する)64に連結されてい
る。M/G64はプーリ56側から伝達されるエンジン
駆動力により発電を行う発電機としての機能と、プーリ
56からベルト52側へM/G64の駆動力を供給する
電動機としての機能とを併せ持っている。M/G64が
発電機として機能する場合は、発電した電力はインバー
タ66を介してバッテリ68へ送られる。この時、イン
バータ66の位相制御を通じてバッテリ68へ送られる
電力を調整することで、M/G64の発電量が調整され
る。一方、M/G64が電動機として機能する場合は、
バッテリ68に蓄電された電力がインバータ66を介し
てM/G64に供給される。この時のM/G64の駆動
制御はインバータ66の位相制御により行われる。
【0042】マイクロコンピュータを中心として構成さ
れているエンジン制御用電子制御装置(以下、「EC
U」と称する)70は、前述した燃圧センサ14bから
燃料圧力、スロットル開度センサ36からスロットル開
度TA、M/G64内蔵の回転数センサからM/G回転
数、バッテリ68の電圧あるいは充放電時の電流量、イ
グニッションスイッチ72のスイッチ状態、車速センサ
74から車速SPD、アクセル開度センサ76からアク
セルペダルの踏み込み量(アクセル開度ACCP)、ブ
レーキスイッチ78からブレーキペダルの踏み込み有
無、エンジン回転数センサ80からクランク軸46の回
転数(エンジン回転数NE)、エアフロメータ82から
吸入空気量GA、冷却水温センサ84からエンジン冷却
水温度THW、アイドルスイッチ86からアクセルペダ
ルの踏み込み有無状態、排気通路42に設けられた空燃
比センサ88から空燃比検出値Voxを検出している。
【0043】このようにして得られたデータに基づい
て、ECU70は、電動モータ34を駆動してスロット
ル開度TAを調整する。更に燃料噴射弁14の噴射時期
を調整することにより、吸気行程時に燃焼室20内に燃
料を噴射することにより均質燃焼を実行したり、圧縮行
程末期に燃焼室20内に燃料を噴射することにより成層
燃焼を実行する。更に後述するごとくの自動停止条件が
成立すると、燃料噴射弁14からの燃料噴射を停止し
て、エンジン10の運転を自動停止させる。又、後述す
るごとくの自動始動条件が成立するとM/G64の駆動
力により、プーリ56、ベルト52、プーリ50及び接
続状態の電磁クラッチ48を介してクランク軸46を回
転させ、エンジン10を始動させる。これ以外にECU
70は、点火時期制御、その他の必要な制御を実行して
いる。
【0044】又、ECU70は、後述するごとく巻掛伝
動装置102におけるベルト52の緩み側に選択的に張
力を付与する張力選択付与機構を作動させるための油圧
制御を、テンショナ作動油圧電磁切換弁のオン−オフ調
整により実行している。
【0045】ここで、巻掛伝動装置102の構成を図2
に示す。巻掛伝動装置102はエンジン10の前側に配
置されており、ベルト52は、クランク軸用プーリ5
0、M/G用プーリ56、ウォータポンプ用プーリ53
及びエアコンコンプレッサ用プーリ54の順序で順行す
る。そして、更に、クランク軸用プーリ50とM/G用
プーリ56との間において、ベルト52は第1オートテ
ンショナ104の揺動プーリ106により受けられてい
る。又、M/G用プーリ56とウォータポンプ用プーリ
53との間において、ベルト52は第2オートテンショ
ナ114の揺動プーリ116により受けられている。
【0046】ここで第1オートテンショナ104及び第
2オートテンショナ114は、ベルト52に対して張力
付与状態と張力非付与状態とを切り換え可能に構成され
ている。
【0047】第1オートテンショナ104の詳細な構成
を図3に示す。第1オートテンショナ104は、シリン
ダブロック16に固定されたハウジング108と、ハウ
ジング108の中心軸部108aに対して中心筒部11
0aにて揺動可能に軸支されているアーム110と、ア
ーム110の先端に設けられている揺動プーリ106と
を備えている。
【0048】更にハウジング108内には、螺旋状に形
成された捩りバネ108bが配置されている。この捩り
バネ108bの基端はハウジング108に固定されてお
り、先端はアーム110に固定されている。このことに
より、図2において反時計回りに回転する付勢力をアー
ム110に対して与えている。
【0049】更にハウジング108のシリンダブロック
16側には揺動切換機構112が形成されている。揺動
切換機構112はシリンダ112a、ピストン112b
及び圧縮バネ112cを備えている。シリンダ112a
内はピストン112bにより2つに区画されている。こ
の内、ハウジング108とは反対側の区画には圧縮バネ
112cが配置され、ピストン112bをハウジング1
08側に付勢している。又、ハウジング108側の区画
は、油圧室112dを形成し、油路112eにより必要
に応じて作動油が供給あるいは排出される。
【0050】ピストン112bには、ハウジング108
の基板108cを貫通してハウジング108内部まで伸
びるロッド112fが形成されており、ハウジング10
8内に存在するロッド112fの先端部には、リング状
の第2摩擦部材112gが設けられている。この第2摩
擦部材112gは、アーム110の中心筒部110aの
先端に設けられた第1摩擦部材110bに対向してい
る。
【0051】第1摩擦部材110bと第2摩擦部材11
2gとはそれぞれ対向する位置に摩擦面110c,11
2hを形成している。したがって油圧室112d内の作
動油が排出状態となっている場合には、圧縮バネ112
cの付勢力によりピストン112bが図3における左側
に移動し、第1摩擦部材110bと第2摩擦部材112
gとが摩擦面110c,112hが当接する。このこと
により生じた摩擦力によりアーム110が固定され揺動
は阻止される。一方、油圧室112d内への作動油が供
給状態となっている場合には、圧縮バネ112cの付勢
力に抗してピストン112bは図3の右側に移動し、第
1摩擦部材110bの摩擦面110cと第2摩擦部材1
12gの摩擦面112hとが離れる。このことにより摩
擦力が消失してアーム110の揺動が可能となる。
【0052】次に第2オートテンショナ114の詳細な
構成を図4に示す。第2オートテンショナ114は、揺
動切換機構122を除いては、第1オートテンショナ1
04の構成と同じである。すなわち、第2オートテンシ
ョナ114は、シリンダブロック16に固定されたハウ
ジング118と、ハウジング118の中心軸部118a
に対して中心筒部120aにて揺動可能に軸支されてい
るアーム120と、アーム120の先端に設けられてい
る揺動プーリ116とを備えている。そしてハウジング
118内には、螺旋状に形成された捩りバネ118bが
配置されている。この捩りバネ118bの基端はハウジ
ング118に固定されており、先端はアーム120に固
定されている。このことにより、図2において反時計回
りに回転する付勢力をアーム120に対して与えてい
る。
【0053】ハウジング118のシリンダブロック16
側に形成されている揺動切換機構122は次のような構
成をなしている。すなわち、揺動切換機構122はシリ
ンダ122a、ピストン122b及び圧縮バネ122c
を備えている。シリンダ122a内はピストン122b
により2つに区画されている。この内、ハウジング11
8側の区画には圧縮バネ122cが配置されて、ピスト
ン122bをハウジング118とは反対側に付勢してい
る。又、ハウジング118と反対側の区画は油圧室12
2dを形成し、油路122eにより必要に応じて作動油
が供給あるいは排出される。
【0054】ピストン122bには、ハウジング118
の基板118cを貫通してハウジング118内部まで伸
びるロッド122fが形成されており、ハウジング11
8内に存在するロッド122fの先端部には、リング状
の第2摩擦部材122gが設けられている。この第2摩
擦部材122gは、アーム120の中心筒部120aの
先端に設けられた第1摩擦部材120bに対向してい
る。
【0055】第1摩擦部材120bと第2摩擦部材12
2gとはそれぞれ対向する位置に摩擦面120c,12
2hを形成している。したがって油圧室122d内の作
動油が排出状態となっている場合には、圧縮バネ122
cの付勢力によりピストン122bが図4における右側
に移動し、第1摩擦部材120bの摩擦面120cと第
2摩擦部材122gの摩擦面122hとが離れる。この
ことによりアーム120の揺動が可能となっている。一
方、油圧室122d内への作動油が供給状態となってい
る場合には、圧縮バネ122cの付勢力に抗してピスト
ン122bは図4の左側に移動し、第1摩擦部材120
bの摩擦面120cと第2摩擦部材122gの摩擦面1
22hとが当接する。このことにより発生した摩擦力に
よりアーム120の揺動が阻止される。
【0056】これら油圧室112d,122dへの作動
油の供給排出は、ECU70がテンショナ作動油圧電磁
切換弁130を切り換えることにより実行される。すな
わち、ECU70は、エンジン10に対して後述するご
とく自動停止制御及び自動始動制御する際に、第1オー
トテンショナ104又は第2オートテンショナ114が
ベルト52の緩み側でテンショナとして機能し、緩み側
でない場合にはテンショナとして機能しないように、テ
ンショナ作動油圧電磁切換弁130の切換制御を実行す
る。
【0057】ここで、ECU70にて実行される制御に
ついて説明する。図5は自動停止処理のフローチャート
を示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理
である。なお個々の処理内容に対応するフローチャート
中のステップを「S〜」で表す。
【0058】本自動停止処理が開始されると、まず自動
停止実行を判定するための運転状態が読み込まれる(S
110)。例えば、冷却水温センサ84から検出される
エンジン冷却水温THW、アイドルスイッチ86から検
出されるアクセルペダルの踏み込み有無、バッテリ68
の電圧、ブレーキスイッチ78から検出されるブレーキ
ペダルの踏み込み有無、及び車速センサ74から検出さ
れる車速SPD等を、ECU70内部のRAMの作業領
域に読み込む。
【0059】次に、これらの運転状態から自動停止条件
が成立したか否かが判定される(S120)。例えば、
(1)エンジン10が暖機後でありかつ過熱していない
状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値よりも低
く、かつ水温下限値より高い)、(2)アクセルペダル
が踏まれていない状態(アイドルスイッチ86がオ
ン)、(3)バッテリ68の蓄電量が必要なレベルに存
在する状態、(4)ブレーキペダルが踏み込まれている
状態(ブレーキスイッチ78がオン)、及び(5)車両
が停止している状態(車速SPDが0km/h)である
との条件(1)〜(5)が全て満足された場合に自動停
止条件が成立したと判定する。
【0060】上記条件(1)〜(5)の一つでも満足さ
れていない場合には自動停止条件は不成立として(S1
20で「NO」)、一旦本処理を終了する。一方、運転
者が、例えば交差点等にて自動車を停止させたことによ
り、自動停止条件が成立した場合には(S120で「Y
ES」)、次にエンジン停止処理が行われる(S13
0)。すなわち、燃料噴射弁14の燃料噴射が停止さ
れ、更にスロットルバルブ32は全閉状態とされる。こ
のことにより燃焼室20内での燃焼が停止して、エンジ
ン10の運転は停止する。
【0061】次に、エンジン10の運転時にオンされて
いたテンショナ作動油圧電磁切換弁130がオフされる
(S140)。このことにより、第1オートテンショナ
104の油圧室112dから油圧が抜けると、圧縮バネ
112cの付勢力により、ピストン112bがハウジン
グ108側に移動する。そして、第2摩擦部材112g
の摩擦面112hがアーム110側の第1摩擦部材11
0bの摩擦面110cに当接することで、アーム110
の揺動が停止する。このことにより揺動プーリ106の
位置が固定される。したがって、エンジン10の運転時
にはテンショナとして機能していた第1オートテンショ
ナ104は、エンジン10が停止するとベルト52に対
する張力付与機能を停止する。
【0062】更にテンショナ作動油圧電磁切換弁130
のオフにより、第2オートテンショナ114の油圧室1
22dから油圧が抜け、圧縮バネ122cの付勢力によ
り、ピストン122bがハウジング118とは反対側に
移動する。そして、第2摩擦部材122gの摩擦面12
2hがアーム120側の第1摩擦部材120bの摩擦面
120cから離れることで、アーム120の揺動が可能
となる。このことにより揺動プーリ116の位置はベル
ト52の張力を維持できるように移動する。したがっ
て、エンジン10の運転時にはテンショナとして機能し
ていなかった第2オートテンショナ114は、エンジン
10が停止するとベルト52に対する張力付与機能を開
始する。
【0063】次に、後述するエンジン停止時M/G駆動
処理(図6)の実行が設定される(S150)。こうし
て、一旦本処理を終了する。エンジン停止時M/G駆動
処理を図6のフローチャートに示す。本処理は前記ステ
ップS150の実行により開始され、短時間周期で繰り
返し実行される処理である。
【0064】エンジン停止時M/G駆動処理が開始され
ると、まずクランク軸回転処理完了前か否かが判定され
る(S210)。クランク軸回転処理は、エンジン停止
時の振動低減やブレーキブースタ圧の確保のためにエン
ジン10の自動停止直後になされるクランク軸46をM
/G64にてしばらく回転制御する処理である。
【0065】最初は、クランク軸回転処理完了前である
ことから(S210で「YES」)、まずエアコンオン
の禁止を実行する(S215)。このことにより、もし
エアコンがオンされていた場合には、ECU70はエア
コン用コンプレッサ60とプーリ54との間を遮断して
エアコンの駆動を停止する。
【0066】そして次にクランク軸回転処理(S22
0)が実行される。クランク軸回転処理の概要は上述し
たごとくであり、一時的にM/G64によりクランク軸
46が回転制御される。
【0067】このクランク軸回転処理(S220)が完
了するまでは、ステップS210にては「YES」との
判定を継続する。そしてクランク軸回転処理(S22
0)の繰り返しによりクランク軸46の回転制御が完了
すると、次の制御周期ではステップSS210で「N
O」と判定される。この結果、エアコンオンの許可を実
行する(S225)。このことにより、エアコン用コン
プレッサ60の駆動が可能となる。そして次に補機類
(ここではエアコン用コンプレッサ60やウォータポン
プ59)の駆動要求が有るか否かが判定される(S23
0)。ここで補機類の駆動要求が有れば(S230で
「YES」)、電磁クラッチ48をオフして(S24
0)、M/G64を駆動モードにする(S250)。
尚、ステップS240の処理は、既に電磁クラッチ48
がオフ状態であればオフ状態を維持する場合も含む。電
磁クラッチ48をオフ状態とする他の処理についても同
じである。
【0068】そしてM/G64の目標回転数NMGt
に、アイドル目標回転数NEidlをM/G64の回転
数に換算した値である回転数NMGidlを設定する
(S260)。そしてM/G64の実回転数NMGが目
標回転数NMGtとなるようにインバータ66によりM
/G64の出力制御を行う(S270)。こうして一旦
本処理を終了する。一方、補機類の駆動要求が無ければ
(S230で「NO」)、M/G64の機能を停止して
(S280)、一旦本処理を終了する。
【0069】なお、M/G64の機能停止(S280)
によってエンジン10の回転が停止した後に、補機類の
駆動要求が有る場合には(S230で「YES」)、M
/G64が駆動することにより、補機類をエンジン10
がアイドル回転にある場合と同等の回転をさせることが
できる。したがってエンジン10が運転停止していて
も、エアコンを要求に応じて駆動させることができる。
【0070】このようなエンジン10の自動停止時に
は、第1オートテンショナ104については揺動プーリ
106を固定してテンショナとしての機能を停止し、第
2オートテンショナ114については揺動プーリ116
を揺動可能としてテンショナとして機能させている。こ
のため、エンジン10の停止中にM/G64が回転駆動
しても、緩み側(M/G用プーリ56とウォータポンプ
用プーリ53との間)には第2オートテンショナ114
がテンショナとして機能しているので、ベルト52がス
リップしないように必要な張力が確保される。
【0071】次に、自動始動処理を図7のフローチャー
トに示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処
理である。本自動始動処理が開始されると、まず自動始
動実行を判定するための運転状態が読み込まれる(S5
10)。ここでは、例えば、自動停止処理(図5)のス
テップS110にて読み込んだデータと同じ、エンジン
冷却水温THW、アイドルスイッチ86の状態、バッテ
リ68の蓄電量、ブレーキスイッチ78の状態及び車速
SPD等をRAMの作業領域に読み込む。
【0072】次にこれらの運転状態から自動始動条件が
成立したか否かが判定される(S520)。例えば、自
動停止処理によるエンジン停止状態にあるとの条件下
に、(1)エンジン10が暖機後でありかつ過熱してい
ない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値よりも
低く、かつ水温下限値より高い)、(2)アクセルペダ
ルが踏まれていない状態(アイドルスイッチ86がオ
ン)、(3)バッテリ68の蓄電量が必要なレベルにあ
る状態、(4)ブレーキペダルが踏み込まれている状態
(ブレーキスイッチ78がオン)、及び(5)車両が停
止している状態(車速SPDが0km/h)であるとの
条件(1)〜(5)の内の1つでも満足されなかった場
合に自動始動条件が成立したと判定する。
【0073】自動停止処理によるエンジン停止状態では
ない場合、あるいは自動停止処理によるエンジン停止状
態であっても上記条件(1)〜(5)のすべてが満足さ
れている場合には自動始動条件は不成立として(S52
0で「NO」)、一旦本処理を終了する。
【0074】自動停止処理によるエンジン停止状態にお
いて上記条件(1)〜(5)の一つでも満足されなくな
った場合には自動始動条件は成立したとして(S520
で「YES」)、前述したエンジン停止時M/G駆動処
理(図6)を停止する(S530)。そして後述するM
/G駆動発進始動処理及び走行時M/G制御処理の実行
が設定される(S540)。ここでM/G駆動発進始動
処理は、M/G64の駆動により車両の発進とエンジン
10の始動とを実行する処理である。また走行時M/G
制御処理は、通常走行時となるとエンジン10の出力に
てM/G64を回転させて発電させたりする処理であ
る。こうして、一旦、本処理を終了する。
【0075】M/G駆動発進始動処理を図8のフローチ
ャートに示す。本処理は前記ステップS540の実行に
より開始され、短時間周期で繰り返し実行される処理で
ある。M/G駆動発進始動処理が開始されると、まずエ
アコンオンを禁止する(S610)。このことにより、
もしエアコンがオンされていた場合には、M/G64の
負荷を軽減させるためにECU70はエアコンの駆動を
停止する。
【0076】次に電磁クラッチ48をオン状態とし(S
620)、M/G64を駆動モードとする(S63
0)。そして、M/G64の出力制御を実行して(S6
40)、M/G64の出力にてエンジン10のクランク
軸46を回転させ、アイドル目標回転数NEidlのレ
ベル、例えば600rpmまで即座に上昇させる制御を
開始する。
【0077】そして、次に、M/G駆動発進始動処理が
開始されてから、未だアクセルペダルの踏み込みが無い
か否かが判定される(S650)。アクセルペダルの踏
み込みが無ければ(S650で「YES」)、次に、エ
ンジン回転数NEがアイドル目標回転数NEidlに維
持され(S660)、所定時間が経過したか否かが判定
される(S670)。所定時間に達していなければ(S
670で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0078】このような処理を繰り返す内に、M/G6
4の出力によりエンジン回転数NEがアイドル目標回転
数NEidlに維持された状態で所定時間が経過すると
(S670で「YES」)、燃料噴射弁14からの燃料
噴射が開始される(S680)。このことにより、エン
ジン10は始動し運転を開始する。なお、この場合、エ
ンジン10はアイドル目標回転数NEidlでの燃料噴
射となるので、迅速に始動されると共に早期に安定した
エンジン回転に到達する。また燃料噴射に至るまでは、
M/G64の出力にてエンジン10のクランク軸46を
回転させるので、非ロックアップ状態のトルクコンバー
タにより生じるクリープ力により車両発進を開始させる
ことができる。このようにM/G64の出力により車両
が発進を開始する際にエンジン始動も並行して進められ
る。
【0079】尚、エンジン回転数NEがアイドル目標回
転数NEidlに達する前に、アクセルペダルが踏み込
まれた場合には(S650で「NO」)、直ちに燃料噴
射開始がなされる(S680)。したがって、迅速にエ
ンジン10が始動されて、運転者の要求に応じてエンジ
ン始動と車両発進を早めることができる。
【0080】このような発進始動時においては、第1オ
ートテンショナ104と第2オートテンショナ114と
は、自動停止処理(図5)のステップS140にてテン
ショナ作動油圧電磁切換弁130がオフされた状態に維
持されている。すなわち第1オートテンショナ104に
ついては揺動プーリ106を固定してテンショナとして
の機能を停止し、第2オートテンショナ114について
は揺動プーリ116を揺動可能としてテンショナとして
機能させている。このため、エンジン10の停止中にM
/G64が回転駆動しても、この場合の緩み側(M/G
用プーリ56とウォータポンプ用プーリ53との間)に
は第2オートテンショナ114がテンショナとして機能
しているので、ベルト張力が確保され、ベルト52はス
リップしない。
【0081】次に走行時M/G制御処理を図9のフロー
チャートに示す。本処理は前記ステップS540の実行
により開始され、短時間周期で繰り返し実行される処理
である。まず前述したM/G駆動発進始動処理(図8)
によってエンジン10の始動が完了したか否かが判定さ
れる(S710)。始動完了前であれば(S710で
「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0082】M/G駆動発進始動処理(図8)によって
エンジン10の始動が完了した場合には(S710で
「YES」)、M/G駆動発進始動処理(図8)を停止
する(S720)。
【0083】次に、テンショナ作動油圧電磁切換弁13
0をオンする(S730)。このことにより、エンジン
10の駆動により機能を開始した油圧ポンプ131によ
り作動油圧が第1オートテンショナ104の油圧室11
2d及び第2オートテンショナ114の油圧室122d
に供給される。このことで第1オートテンショナ104
においては、アーム110側の第1摩擦部材110bの
摩擦面110cから、第2摩擦部材112gの摩擦面1
12hが離れることにより、揺動プーリ106の揺動が
可能となる。そして第2オートテンショナ114におい
ては、アーム120側の第1摩擦部材120bの摩擦面
120cに、第2摩擦部材122gの摩擦面122hが
押圧されることにより、揺動プーリ116が固定され
る。
【0084】したがって、エンジン10の運転が開始し
た場合のベルト52の緩み側(クランク軸用プーリ50
とM/G用プーリ56との間)では第1オートテンショ
ナ104がテンショナとして機能するようになるので、
ベルト張力が確保され、ベルト52はスリップしない。
【0085】そして前記ステップS610にて禁止した
エアコンオンを許可する(S740)。このことにより
エアコンスイッチがオンであればエアコン用コンプレッ
サ60がプーリ54の回転に連動するように切り換えら
れて、エアコンを駆動する。
【0086】次に、M/G64は発電モードに設定され
(S760)、一旦本処理を終了する。このことによ
り、通常走行時においては、M/G64は、発電により
バッテリ68を蓄電させると共に、各種電気系統の電力
源となる。
【0087】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).クランク軸用プーリ50とM/G用プーリ56
とは、第1オートテンショナ104を除けば、ベルト5
2による動力伝達経路上にて隣接して配置されている。
したがって、エンジン10が出力する回転力によりエア
コン用コンプレッサ60、ウォータポンプ59及びM/
G64を回転させている場合では、緩み側はM/G64
に対してベルト52の引き込み側である。また、M/G
64がエンジン10を回転させている場合では、緩み側
はM/G64に対してベルト52の送り出し側である。
【0088】自動始動時においてM/G64の駆動によ
りエンジン10が回転される場合には、ECU70は既
にテンショナ作動油圧電磁切換弁130をオフしている
(図5:S140)。このため、M/G64に対してベ
ルト52の引き込み側に配置されている第1オートテン
ショナ104がベルト52に対する張力付与を停止して
いる。そして、M/G64に対してベルト52の送り出
し側に配置されている第2オートテンショナ114がベ
ルト52に対する張力付与を開始している。
【0089】更に、自動始動後にエンジン10が運転を
開始して、エンジン10の駆動力によりエアコン用コン
プレッサ60、ウォータポンプ59及びM/G64が回
転される場合には、テンショナ作動油圧電磁切換弁13
0がオンされる(図9:S730)。このことにより、
M/G64に対してベルト52の引き込み側に配置され
ている第1オートテンショナ104がベルト52に対す
る張力付与を開始する。そして、M/G64に対してベ
ルト52の送り出し側に配置されている第2オートテン
ショナ114がベルト52に対する張力付与を停止す
る。
【0090】このようにM/G64及びエンジン10の
回転出力状態に応じて位置が変化する緩み側に対して選
択的に張力を付与することが可能となる。したがって、
ベルト52を高張力にすることなく常にベルト52の緩
みを適切に防止することができる。
【0091】(ロ).特にエンジン10を回転させる回
転手段としてM/G64を用いている。このM/G64
はエンジン10の運転時は発電機として機能するため、
エンジン10の運転時におけるベルト52の緩みの程度
も大きくなる。このため従来技術のごとく張力を付与す
る位置が固定されている構成では、予めベルトを高張力
としなくてはならない。しかし本実施の形態では、緩み
側の位置変化に対応して選択的に張力を付与するように
していることから、M/G64を用いた場合も予めベル
ト52を高張力とすることなく、常にベルト52の緩み
を適切に防止することができる。
【0092】(ハ).始動時に油圧ポンプによる油圧が
発生していない場合においては、緩み側の第2オートテ
ンショナ114については圧縮バネ122cの付勢力に
より第1摩擦部材120bと第2摩擦部材122gとの
間を遮断してアーム120を揺動状態にすることで張力
付与状態としている。そして、第1オートテンショナ1
04については圧縮バネ112cの付勢力により第1摩
擦部材110bと第2摩擦部材112gとの間を接続し
てアーム110を固定状態にすることで張力非付与状態
としている。
【0093】そして、エンジン10が運転を開始した後
には、第2オートテンショナ114については油圧によ
り圧縮バネ122cの付勢力に抗して第1摩擦部材12
0bと第2摩擦部材122gとの間を接続してアーム1
20を固定状態にすることで張力非付与状態としてい
る。そして、第1オートテンショナ104については油
圧により圧縮バネ112cの付勢力に抗して第1摩擦部
材110bと第2摩擦部材112gとの間を遮断してア
ーム110を揺動状態にすることで張力付与状態として
いる。
【0094】このようにエンジン10の運転により発生
する作動油圧と圧縮バネ112c,122cの付勢力と
を利用して、容易に張力付与状態と張力非付与状態とを
切り換えることができる。したがって、予めベルト52
を高張力とすることなく常にベルト52の緩みを適切に
防止する機構を容易に実現することができる。
【0095】[実施の形態2]本実施の形態2は、前記
実施の形態1とは巻掛伝動装置が異なる。他の構成は、
特に説明しない限り前記実施の形態1の構成と同じであ
る。ここで本実施の形態2の巻掛伝動装置202の構成
を図10に示す。巻掛伝動装置202のベルト204
は、パワーステアリングポンプ用プーリ206、エアコ
ンコンプレッサ用プーリ208、ウォータポンプ用プー
リ210及びクランク軸用プーリ212の順序で順行す
る。そして、クランク軸用プーリ212とパワーステア
リングポンプ用プーリ206との間には、張力選択付与
機構214が設けられている。
【0096】張力選択付与機構214は、第1ギア21
6、第1プーリ218、第2ギア220、第2プーリ2
22及びオートテンショナ224を備えている。この
内、第1ギア216と第1プーリ218とが同軸にて回
転し、第2ギア220と第2プーリ222とが同軸にて
回転するように配置されている。ベルト204は、クラ
ンク軸用プーリ212からは、第1プーリ218、オー
トテンショナ224の揺動プーリ224a及び第2プー
リ222と送られ、第2プーリ222からパワーステア
リングポンプ用プーリ206へ送られる。
【0097】第1ギア216及び第2ギア220はそれ
ぞれM/G226の回転駆動軸に設けられたM/G側ギ
ア226aに噛み合うことにより、M/G側ギア226
aと連動して回転する。ここで図11に示すごとく第1
ギア216は第1プーリ218とは第1油圧クラッチ2
28を介して接続されている。又、第2ギア220は第
2プーリ222とは第2油圧クラッチ230を介して接
続されている。
【0098】第1油圧クラッチ228は油圧が供給され
ていない場合には、第1ギア216と第1プーリ218
とを接続状態とし、油圧が供給されている場合には遮断
状態とする。又、第2油圧クラッチ230は油圧が供給
されていない場合には、第2ギア220と第2プーリ2
22とを遮断状態とし、油圧が供給されている場合には
接続状態とする。第1油圧クラッチ228及び第2油圧
クラッチ230における、このような接続遮断動作は、
前記実施の形態1の図5〜図9にて説明した処理と同一
の処理にてECU234がクラッチ作動油圧電磁切換弁
232を調整することにより実行される。尚、自動停止
処理(図5)のステップS140においては、クラッチ
作動油圧電磁切換弁232をオフする処理を、走行時M
/G制御処理(図9)のステップS730においては、
クラッチ作動油圧電磁切換弁232をオンする処理を実
行するものとする。
【0099】尚、オートテンショナ224は、第1プー
リ218と第2プーリ222との間において、ベルト2
04に対して常に張力を付与している。したがって、自
動停止処理(図5)にて自動停止条件が成立した場合に
は(S120)、エンジンが停止されると共に(S13
0)、クラッチ作動油圧電磁切換弁232がオフされる
(S140)。このため、エンジン停止中に、M/G2
26によりパワーステアリングポンプ、エアコンコンプ
レッサ及びウォータポンプを駆動する場合には、M/G
側ギア226aの回転駆動力は第1ギア216から第1
プーリ218に伝達され、第2ギア220から第2プー
リ222には伝達されない。このことにより第1プーリ
218と第2プーリ222との間が緩み側となり、オー
トテンショナ224が適切に機能してベルト204の張
力が確保できる。
【0100】更に、自動始動処理(図7)およびM/G
駆動発進始動処理(図8)においても、M/G226に
よりエンジンを始動する場合においては、クラッチ作動
油圧電磁切換弁232がオフのままであることから、同
様に、M/G側ギア226aの回転駆動力は第1ギア2
16から第1プーリ218に伝達され、第2ギア220
から第2プーリ222には伝達されない。このことによ
り、第1プーリ218と第2プーリ222との間が緩み
側となり、オートテンショナ224が適切に機能してベ
ルト204の張力が確保できる。
【0101】更に、エンジンが始動した後には、走行時
M/G制御処理(図9)において、クラッチ作動油圧電
磁切換弁232がオンされる(S730)。このため、
発電のためにエンジンによりM/G226を駆動する場
合には、エンジンの回転駆動力は第2プーリ222から
第2ギア220に伝達され、第1プーリ218から第1
ギア216には伝達されない。このことにより、第1プ
ーリ218と第2プーリ222との間が緩み側となり、
オートテンショナ224が適切に機能してベルト204
の張力が確保できる。
【0102】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).M/G226がエンジンを回転させている場合
は、ベルト204の緩み側は、M/G226に対してベ
ルト204の送り出し側である。又、エンジンが出力す
る回転力によりM/G226を回転させている場合は、
ベルト204の緩み側は、M/G226に対してベルト
204の引き込み側である。
【0103】ECU234は、自動始動時においてM/
G226の駆動によりエンジンが回転される場合には、
既にクラッチ作動油圧電磁切換弁232をオフしている
(図5:S140)。このため、M/G226は第1プ
ーリ218にてベルト204を送り出すので、ベルト2
04の送り出し側にはオートテンショナ224が配置さ
れることになる。このことにより、ベルト204の緩み
側にオートテンショナ224が配置されることになり、
適切な位置でベルト204に張力を付与する。
【0104】更に、自動始動後にエンジンが運転を開始
して、エンジンの駆動力によりM/G226が回転され
る場合には、クラッチ作動油圧電磁切換弁232がオン
される(図9:S730)。このことにより、クランク
軸用プーリ212の回転力は第2プーリ222を介して
M/G226に伝達される。このため、M/G226に
対してベルト204の引き込み側にオートテンショナ2
24が配置されることになる。この場合も、ベルト20
4の緩み側にオートテンショナ224が配置されること
になり、適切な位置でベルト204に張力を付与する。
【0105】このようにM/G226及びエンジンの回
転出力状態に応じて位置が変化する緩み側に対して選択
的に張力を付与できる。したがって、予めベルト204
を高張力とすることなく、常にベルト204の緩みを適
切に防止することができる。
【0106】(ロ).前記実施の形態1の(ロ).の効
果を生ずる。 [実施の形態3]本実施の形態3の巻掛伝動装置302
は、前記実施の形態2とは、図12及び図13に示すご
とくの張力選択付与機構314が異なる。他の構成は、
特に説明しない限り前記実施の形態2の構成と同じであ
る。ここで巻掛伝動装置302のベルト304は、パワ
ーステアリングポンプ用プーリ306、エアコンコンプ
レッサ用プーリ308、ウォータポンプ用プーリ310
及びクランク軸用プーリ312の順序で順行する。そし
てクランク軸用プーリ312とパワーステアリングポン
プ用プーリ306との間には、張力選択付与機構314
が設けられている。
【0107】張力選択付与機構314は、第1プーリ3
18、第2プーリ322及びオートテンショナ324を
備えている。この内、第1プーリ318は第1油圧クラ
ッチ328を介してM/G326の回転駆動軸326a
に接続され、第2プーリ322は第2油圧クラッチ33
0を介してM/G326の回転駆動軸326aに接続さ
れている。
【0108】ベルト304は、クランク軸用プーリ31
2から第1プーリ318、オートテンショナ324の揺
動プーリ324a及び第2プーリ322と送られ、第2
プーリ322からパワーステアリングポンプ用プーリ3
06へ送られる。
【0109】第1油圧クラッチ328は油圧が供給され
ていない場合には、第1プーリ318とM/G326の
回転駆動軸326aとを接続状態とし、油圧が供給され
ている場合には遮断状態とする。又、第2油圧クラッチ
330は油圧が供給されていない場合には、第2プーリ
322とM/G326の回転駆動軸326aとを遮断状
態とし、油圧が供給されている場合には接続状態とす
る。第1油圧クラッチ328及び第2油圧クラッチ33
0における、このような接続遮断動作は、前記実施の形
態2にて説明したごとくECU334がクラッチ作動油
圧電磁切換弁332をオン−オフ調整することにより実
行される。オートテンショナ324は、第1プーリ31
8と第2プーリ322との間において、ベルト304に
対して常に張力を付与している。
【0110】したがって、自動停止処理(図5)にて自
動停止条件が成立した場合には(S120)、エンジン
が停止されると共に(S130)、クラッチ作動油圧電
磁切換弁332がオフされる(S140)。このため、
エンジン停止中に、M/G326によりパワーステアリ
ングポンプ、エアコンコンプレッサ及びウォータポンプ
を駆動する場合には、M/G326からの回転駆動力
は、回転駆動軸326aから第1プーリ318に伝達さ
れ、回転駆動軸326aから第2プーリ322には伝達
されない。このことにより、第1プーリ318と第2プ
ーリ322との間がベルト304の緩み側となり、オー
トテンショナ324が適切に機能してベルト304の張
力が確保できる。
【0111】更に、自動始動処理(図7)およびM/G
駆動発進始動処理(図8)においても、エンジンを始動
する場合においては、クラッチ作動油圧電磁切換弁33
2がオフのままであることから、M/G326によりエ
ンジンを始動させる場合には、同様に、M/G326の
回転駆動力は、回転駆動軸326aから第1プーリ31
8に伝達され、回転駆動軸326aから第2プーリ32
2には伝達されない。このことにより、第1プーリ31
8と第2プーリ322との間がベルト304の緩み側と
なり、オートテンショナ324が適切に機能してベルト
304の張力が確保できる。
【0112】更に、エンジンが始動した後には、走行時
M/G制御処理(図9)において、クラッチ作動油圧電
磁切換弁332がオンされる(S730)。このため、
発電のためにエンジンによりM/G326を駆動する場
合には、エンジンの回転駆動力は第2プーリ322から
回転駆動軸326aに伝達され、第1プーリ318から
回転駆動軸326aには伝達されない。このことによ
り、第1プーリ318と第2プーリ322との間が緩み
側となり、オートテンショナ324が適切に機能してベ
ルト304の張力が確保できる。
【0113】以上説明した本実施の形態3によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).上述したごとく、エンジンが運転されている場
合においても、M/G326が駆動されている場合にお
いても、ベルト304の緩み側は第1プーリ318と第
2プーリ322との間となるように制御されている。こ
のことにより、常にベルト304の緩み側にオートテン
ショナ324が配置されることになり、M/G326及
びエンジンの回転出力状態に応じて位置が変化する緩み
側に対して選択的に張力を付与できる。したがって予め
ベルト304を高張力とすることなく常にベルト304
の緩みを適切に防止することができる。
【0114】(ロ).前記実施の形態1の(ロ).の効
果を生ずる。 (ハ).本実施の形態3においては、第1油圧クラッチ
328及び第2油圧クラッチ330は直接、M/G32
6の回転駆動軸326aと第1プーリ318又は第2プ
ーリ322との間の接続遮断を実行しているので、前記
実施の形態2に比較して構成が一層簡易となり、張力選
択付与機構314全体を小型化することができる。
【0115】[実施の形態4]本実施の形態4では、前
記実施の形態2にて用いられていた油圧クラッチ22
8,230と異なり、図14に示すごとくの遠心クラッ
チ428,430を用いる。他の構成については特に説
明しない限り前記実施の形態2と同じである。
【0116】遠心クラッチ428,430は、プーリ4
18,422の回転時の遠心力により接続と遮断とが切
り換わるものである。この内、第1遠心クラッチ428
の構成を図15に示す。図15(A)は縦断面図、
(B)は(A)におけるD−D断面図を示す。ここで、
第1ギア416の先端軸部416aにはボルト416b
により軸受417が取り付けられている。この軸受41
7を介して、第1プーリ418は第1ギア416に対し
て回転可能に取り付けられている。
【0117】第1ギア416においては第1プーリ41
8との間に円柱状のクラッチドラム部416cが形成さ
れている。そして第1プーリ418においては、クラッ
チドラム部416cの外周面に沿ってリング状にクラッ
チウェイト収納部418aが形成されている。このクラ
ッチウェイト収納部418aの内部には、図15(B)
に示したごとく、第1プーリ418の回転軸方向に平行
に設けられた4つのウェイト軸部418bが形成されて
いる。これらウェイト軸部418bにはそれぞれクラッ
チウェイト418cが一端側にて揺動可能に取り付けら
れている。そして、これらクラッチウェイト418c
を、径方向外側からクラッチドラム部416cの摩擦面
416dに向けて付勢する圧縮バネ部材418dが設け
られている。
【0118】この圧縮バネ部材418dは、M/G42
6の回転駆動により第1プーリ418が回転する場合の
回転数(ここでは600rpm未満)では、図15
(B)に示したごとく、遠心力に抗してクラッチウェイ
ト418cの摩擦面418eを、クラッチドラム部41
6cの摩擦面416dに押圧して、第1遠心クラッチ4
28を接続状態に維持する。そしてエンジンの回転駆動
により第1プーリ418が回転する場合の回転数(ここ
では600rpm以上)では、図16に示すごとく、圧
縮バネ部材418dは、クラッチウェイト418cの遠
心力により圧縮される。このことにより、クラッチウェ
イト418cの摩擦面418eは、クラッチドラム部4
16cの摩擦面416dから離れるので、第1遠心クラ
ッチ428を遮断状態となる。
【0119】第2遠心クラッチ430の構成を図17に
示す。図17(A)は縦断面図、(B)は(A)におけ
るE−E断面図を示す。ここで、第2ギア420の先端
軸部420aにはボルト420bにより軸受421が取
り付けられている。この軸受421を介して、第2プー
リ422は第2ギア420に対して回転可能に取り付け
られている。
【0120】第2ギア420においては、第2プーリ4
22との間に円筒状のクラッチドラム部420cが形成
されている。そして第2プーリ422においては、クラ
ッチドラム部420cの内周面に沿ってリング状にクラ
ッチウェイト収納部422aが形成されている。このク
ラッチウェイト収納部422aの内部には、図17
(B)に示したごとく、第2プーリ422の回転軸方向
に平行に設けられた4つのウェイト軸部422bが形成
されている。これらウェイト軸部422bにはそれぞれ
クラッチウェイト422cが一端にて揺動可能に取り付
けられている。そして、これらクラッチウェイト422
cの一端側先端には、径方向内側から付勢する圧縮バネ
部材422dが設けられている。このことにより、ウェ
イト軸部422bを挟んで反対側に存在するクラッチウ
ェイト422c部分を、クラッチドラム部420cの摩
擦面420dとは反対側に向けて付勢している。
【0121】この圧縮バネ部材422dは、M/G42
6の回転駆動により第1プーリ418及びベルト404
を介して第2プーリ422が回転する場合の回転数(こ
こでは600rpm未満)では、図17(B)に示した
ごとく、クラッチウェイト422cに生じる遠心力に抗
してクラッチウェイト422cの摩擦面422eを、ク
ラッチドラム部420cの摩擦面420dから離して、
第2遠心クラッチ430を遮断状態に維持する。
【0122】そしてエンジンの回転駆動によりベルト4
04を介して第2プーリ422が回転する場合の回転数
(ここでは600rpm以上)では、図18に示したご
とく、クラッチウェイト422cの遠心力により圧縮さ
れてクラッチウェイト422cの摩擦面422eを、ク
ラッチドラム部420cの摩擦面420dに押圧し、第
2遠心クラッチ430を接続状態とする。
【0123】尚、本実施の形態4においても、前述した
自動停止処理(図5)、エンジン停止時M/G駆動処理
(図6)、自動始動処理(図7)、M/G駆動発進始動
処理(図8)及び走行時M/G制御処理(図9)は実行
されるが、遠心クラッチ428,430は回転数に応じ
て自動的に切り換わるので、自動停止処理(図5)のス
テップS140及び走行時M/G制御処理(図9)のス
テップS730は存在しない。又、エンジンの停止時か
ら始動時の間にて、M/G426が回転駆動される場合
には、プーリ418,422における回転数としては6
00rpm未満の回転数にて回転制御がなされ、エンジ
ンの運転中はプーリ418,422における回転数とし
ては600rpm以上の回転数にて回転制御がなされる
ものとする。
【0124】このことにより、M/G426が駆動回転
する場合、例えばエンジン始動時には、第1遠心クラッ
チ428は図15(B)に示したごとく接続状態にあ
り、第2遠心クラッチ430は図17(B)に示したご
とく遮断状態にある。このため、図19に示すごとく、
M/G426の駆動回転力によりクランク軸用プーリ4
12が回転されている場合には、M/G426の回転駆
動力はM/G側ギア426aに連動する第1ギア416
から第1プーリ418へ伝達され、第2ギア420から
第2プーリ422へは伝達されない。したがって、ベル
ト404の緩み側は第1プーリ418と第2プーリ42
2との間となり、オートテンショナ424が適切に機能
できる。
【0125】又、エンジンが運転を開始した場合には、
遠心力の増大により第1遠心クラッチ428は図16に
示したごとく遮断状態となり、第2遠心クラッチ430
は図18に示したごとく接続状態となる。このため、エ
ンジンの駆動回転力によりM/G426が回転されてい
る場合には、第2プーリ422の回転力は第2ギア42
0に伝達され、第1プーリ418の回転力は第1ギア4
16には伝達されない。したがってM/G426は第2
ギア420側からエンジンの回転駆動力を伝達されるこ
とになり、第1ギア416から伝達されない。この場合
も、ベルト404の緩み側は第1プーリ418と第2プ
ーリ422との間となり、オートテンショナ424が適
切に機能できる。
【0126】以上説明した本実施の形態4によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態2の(イ)及び(ロ)の効果を
生ずる。 (ロ).本実施の形態4では、M/G426の回転駆動
時とエンジンの回転駆動時との回転数の違いにより、第
1遠心クラッチ428と第2遠心クラッチ430とを切
り換えている。このことにより、遠心クラッチ428,
430自体の機能により、ベルト404の緩み側に選択
的に張力を付与することができるようになる。このよう
に油圧制御に依存しなくても適切に遠心クラッチ42
8,430を切り換えることが可能となり、巻掛伝動装
置402自体の構成や、ECUの処理を簡素化すること
ができる。
【0127】[その他の実施の形態] ・前記実施の形態1〜3においては、油圧アクチュエー
タを油圧制御により駆動してクラッチ等を切り換えた
が、電磁アクチュエータを用いて電磁的にクラッチを切
り換えるようにしても良い。この場合には、油圧の上昇
を考慮しなくても良いので、エンジン停止時あるいは油
圧の上昇が不十分な状態でもクラッチ等を切り換えるこ
とができる。
【0128】・前記各実施の形態においては、巻掛伝動
部材としてベルトを用いたベルト−プーリタイプの巻掛
伝動装置であったが、これ以外に、巻掛伝動部材として
チェーンを用いたチェーン−スプロケットタイプの巻掛
伝動装置であっても良い。このようなチェーン−スプロ
ケットタイプにおいても、ベルト−プーリタイプと同様
に、巻掛伝動部材を高張力とすることなく、常に巻掛伝
動部材の緩みを適切に防止することができる。
【0129】・前記各実施の形態においては、エンジン
として火花点火式筒内噴射型のガソリンエンジンを用い
たが、これ以外のエンジンであっても良い。例えば、火
花点火式ポート噴射型ガソリンエンジンやディーゼルエ
ンジンにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての内燃機関及びその制御系
統の概略構成を表すブロック図。
【図2】実施の形態1の巻掛伝動装置の構成図。
【図3】実施の形態1の第1オートテンショナの構成
図。
【図4】実施の形態1の第2オートテンショナの構成
図。
【図5】実施の形態1のECUが実行する自動停止処理
のフローチャート。
【図6】同じくエンジン停止時M/G駆動処理のフロー
チャート。
【図7】同じく自動始動処理のフローチャート。
【図8】同じくM/G駆動発進始動処理のフローチャー
ト。
【図9】同じく走行時M/G制御処理のフローチャー
ト。
【図10】実施の形態2の巻掛伝動装置の構成図。
【図11】実施の形態2の張力選択付与機構の構成図。
【図12】実施の形態3の巻掛伝動装置の構成図。
【図13】実施の形態3の張力選択付与機構の構成図。
【図14】実施の形態4の張力選択付与機構の構成図。
【図15】実施の形態4の第1遠心クラッチの構成図。
【図16】実施の形態4の第1遠心クラッチの作動説明
図。
【図17】実施の形態4の第2遠心クラッチの構成図。
【図18】実施の形態4の第2遠心クラッチの作動説明
図。
【図19】実施の形態4の巻掛伝動装置の構成図。
【符号の説明】
10…エンジン、12…シリンダヘッド、14…燃料噴
射弁、14a…デリバリパイプ、14b…燃圧センサ、
16…シリンダブロック、18…ピストン、20…燃焼
室、22…点火プラグ、24…吸気ポート、26…吸気
バルブ、28…吸気通路、30…サージタンク、32…
スロットルバルブ、34…電動モータ、36…スロット
ル開度センサ、38…排気ポート、40…排気バルブ、
42…排気通路、44…コンロッド、46…クランク
軸、48… 電磁クラッチ、50…クランク軸用プー
リ、52…ベルト、53…ウォータポンプ用プーリ、5
4…エアコンコンプレッサ用プーリ、56…M/G用プ
ーリ、59…ウォータポンプ、60…エアコン用コンプ
レッサ、64…M/G、66…インバータ、68…バッ
テリ、70…ECU、72…イグニッションスイッチ、
74…車速センサ、76…アクセル開度センサ、78…
ブレーキスイッチ、80…エンジン回転数センサ、82
…エアフロメータ、84…冷却水温センサ、86…アイ
ドルスイッチ、88…空燃比センサ、102…巻掛伝動
装置、104…第1オートテンショナ、106…揺動プ
ーリ、108…ハウジング、108a…中心軸部、10
8b…捩りバネ、108c…基板、110…アーム、1
10a…中心筒部、110b…第1摩擦部材、110c
…摩擦面、112…揺動切換機構、112a…シリン
ダ、112b…ピストン、112c…圧縮バネ、112
d…油圧室、112e…油路、112f…ロッド、11
2g…第2摩擦部材、112h…摩擦面、114…第2
オートテンショナ、116…揺動プーリ、118…ハウ
ジング、118a…中心軸部、118b…捩りバネ、1
18c…基板、120…アーム、120a…中心筒部、
120b…第1摩擦部材、120c…摩擦面、122…
揺動切換機構、122a…シリンダ、122b…ピスト
ン、122c…圧縮バネ、122d…油圧室、122e
…油路、122f…ロッド、122g…第2摩擦部材、
122h…摩擦面、130…テンショナ作動油圧電磁切
換弁、131…油圧ポンプ、202…巻掛伝動装置、2
04…ベルト、206…パワーステアリングポンプ用プ
ーリ、208…エアコンコンプレッサ用プーリ、210
…ウォータポンプ用プーリ、212…クランク軸用プー
リ、214…張力選択付与機構、216…第1ギア、2
18…第1プーリ、220…第2ギア、222…第2プ
ーリ、224…オートテンショナ、224a…揺動プー
リ、226…M/G、226a…M/G側ギア、228
…第1油圧クラッチ、230…第2油圧クラッチ、23
2…クラッチ作動油圧電磁切換弁、234…ECU、3
02…巻掛伝動装置、304…ベルト、306…パワー
ステアリングポンプ用プーリ、308…エアコンコンプ
レッサ用プーリ、310…ウォータポンプ用プーリ、3
12…クランク軸用プーリ、314…張力選択付与機
構、318…第1プーリ、322…第2プーリ、324
…オートテンショナ、324a…揺動プーリ、326…
M/G、326a…回転駆動軸、328…第1油圧クラ
ッチ、330…第2油圧クラッチ、332…クラッチ作
動油圧電磁切換弁、334…ECU、402… 巻掛伝
動装置、404…ベルト、412…クランク軸用プー
リ、416…第1ギア、416a…先端軸部、416b
…ボルト、416c… クラッチドラム部、416c…
クラッチドラム部、416d…摩擦面、417…軸受、
418…第1プーリ、418a…クラッチウェイト収納
部、418b…ウェイト軸部、418c…クラッチウェ
イト、418d…圧縮バネ部材、418e…摩擦面、4
20…第2ギア、420a…先端軸部、420b…ボル
ト、420c…クラッチドラム部、420c…クラッチ
ドラム部、420d…摩擦面、421…軸受、422…
第2プーリ、422a…クラッチウェイト収納部、42
2b…ウェイト軸部、422c…クラッチウェイト、4
22d…圧縮バネ部材、422e…摩擦面、424…オ
ートテンショナ、426…M/G、426a…M/G側
ギア、428…第1遠心クラッチ、430…第2遠心ク
ラッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 7/12 F16H 7/12 G Fターム(参考) 3G084 BA00 BA28 CA01 DA28 EC01 EC03 FA05 FA06 FA07 FA10 FA20 FA33 3G093 AA01 BA04 BA21 CA01 DA00 DA01 DA05 DA06 DA09 DA12 DA13 DB05 DB15 EA00 EB08 EC01 EC04 3J049 AA01 BB15 BB17 BC04 BC08 BG10 CA03 CA04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の回転出力軸と該内燃機関とは独
    立して回転力を出力できる回転手段の回転出力軸とを含
    む回転軸間の動力伝達を仲介する巻掛伝動部材を備えた
    巻掛伝動装置であって、 前記内燃機関の回転出力状態と前記回転手段の回転出力
    状態とに応じて変化する前記巻掛伝動部材における緩み
    側に対して、選択的に張力を付与する張力選択付与手段
    を備えたことを特徴とする巻掛伝動装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の構成において、内燃機関の
    回転出力軸と、前記回転手段の回転出力軸との間の動力
    伝達を巻掛伝動部材にて仲介することにより、前記回転
    手段の駆動による前記内燃機関の始動処理を可能とする
    ことを特徴とする巻掛伝動装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の構成において、前記回転手
    段は、電動機と発電機との機能を兼ねたモータジェネレ
    ータであることを特徴とする巻掛伝動装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の構成において、前記張力選
    択付与手段は、前記回転手段を回転させる発電処理を含
    めた前記内燃機関の回転出力状態と、前記内燃機関を回
    転させる始動処理を含めた前記回転手段による回転出力
    状態とに応じて変化する前記巻掛伝動部材における緩み
    側に対して、選択的に張力を付与することを特徴とする
    巻掛伝動装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の構成におい
    て、前記内燃機関の回転出力軸と前記回転手段の回転出
    力軸とは、前記張力選択付与手段を除いて、前記巻掛伝
    動部材による動力伝達経路上で隣接して配置されている
    ことを特徴とする巻掛伝動装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載の構成におい
    て、前記張力選択付与手段は、前記回転手段を挟んで前
    記巻掛伝動部材に対して配置され、前記巻掛伝動部材に
    対する張力付与状態と張力非付与状態とを切り換え可能
    な2つの可変張力機構を備えたことを特徴とする巻掛伝
    動装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の構成において、前記可変張
    力機構は、 揺動軸を介して前記内燃機関に対して揺動可能に取り付
    けられたアームと、 該アームの先端に回転可能に設けられて前記巻掛伝動部
    材を受ける回転体と、 前記巻掛伝動部材に張力を与える方向へ前記回転体が移
    動するように前記アームを付勢する付勢手段と、 前記アームの揺動と固定とを切り換える揺動切換手段
    と、 を備えたことを特徴とする巻掛伝動装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の構成において、前記揺動切
    換手段は、 前記アーム側に設けられた第1摩擦部材と、 前記内燃機関側に設けられて前記第1摩擦部材に対して
    接触する位置へ相対移動可能な第2摩擦部材と、 前記第1摩擦部材と前記第2摩擦部材とを相対移動させ
    ることにより両摩擦部材の接続と遮断とを切り換え可能
    な摩擦接続切換手段と、 を備えたことを特徴とする巻掛伝動装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の構成において、前記摩擦接
    続切換手段は、付勢部材と該付勢部材の付勢力に対抗す
    る液圧とにより、前記第1摩擦部材と前記第2摩擦部材
    との接続と遮断とを切り換え可能とすることを特徴とす
    る巻掛伝動装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の構成において、前記液圧
    は、前記内燃機関の油圧ポンプにより発生される油圧で
    あることを特徴とする巻掛伝動装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜5のいずれか記載の構成にお
    いて、前記張力選択付与手段は、 前記巻掛伝動部材を受けると共に、前記回転手段の回転
    出力軸の回転に対する連動と非連動とを切り換え可能な
    2つの回転体と、 該2つの回転体間の前記巻掛伝動部材に対して張力を付
    与する張力機構と、 を備えたことを特徴とする巻掛伝動装置。
  12. 【請求項12】請求項11の構成において、前記回転体
    は、回転数の違いにより、前記回転手段の回転出力軸の
    回転に対する連動と非連動とを切り換え可能な連動切換
    機構を備えたことを特徴とする巻掛伝動装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の構成において、前記連
    動切換機構は、遠心力により連動と非連動とを切り換え
    可能な遠心クラッチであることを特徴とする巻掛伝動装
    置。
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