JP2002256820A - 動弁装置のバルブクリアランス調整機構 - Google Patents

動弁装置のバルブクリアランス調整機構

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JP2002256820A
JP2002256820A JP2001048964A JP2001048964A JP2002256820A JP 2002256820 A JP2002256820 A JP 2002256820A JP 2001048964 A JP2001048964 A JP 2001048964A JP 2001048964 A JP2001048964 A JP 2001048964A JP 2002256820 A JP2002256820 A JP 2002256820A
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JP2001048964A
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Kazuchika Kawahara
和周 川原
Masahide Sakurai
雅英 櫻井
Masayuki Yamamoto
真之 山本
Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Manabu Tateno
学 立野
Koichi Shimizu
弘一 清水
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Toyota Motor Corp
Otics Corp
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Toyota Motor Corp
Otics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピボットを螺進させるための工具の回転中心
を任意に設定できるようにする。 【解決手段】 ピボット21には従動ギヤ24が同軸状
に且つ一体回転可能に設けられ、この従動ギヤ24に
は、調整用工具29との嵌合部である調整用嵌合孔28
を有する駆動ギヤ26を係合させた。バルブクリアラン
スの調整時には、調整用工具29を操作して駆動ギヤ2
6を回転させることによりピボット21を螺進させる。
駆動ギヤ26と従動ギヤ24の係合形態や駆動ギヤ26
の位置と向きを変えることにより、ピボット21を螺進
させるための調整用工具29の回転中心を任意に設定す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁装
置におけるバルブクリアランス調整機構に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の動弁装置では、高速運転時に
おける吸気弁及び排気弁の追従性を高めて動弁性能を向
上させるため、バルブクリアランス調整機構が設けられ
ている。機械式のバルブクリアランス調整機構として
は、特開平7−54617号公報に開示されているもの
がある。これは、ロッカーアームの揺動支点を支承する
ボルトタイプのピボットを、エンジンヘッドにねじ込ん
だ構造になり、ピボットを回転させてそのエンジンヘッ
ドからの突出高さを変えることにより、ロッカーアーム
の揺動支点の高さを調整するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のバルブクリ
アランス調整機構においてピボットを螺進させる際に
は、ピボットに嵌めた工具を回転操作するようになって
いるのであるが、このように工具を直接ピボットに嵌め
て操作する構造では、工具の回転中心がピボットの軸線
に限定されてしまうことになり、工具の回転操作の中心
をピボットの軸線以外に設定することはできなかった。
そのため、動弁レイアウトの形態によっては、工具を回
転操作するためのスペースを十分に確保されず、工具が
操作し難くなることがあった。
【0004】本願発明は上記事情に鑑みて創案され、ピ
ボットを螺進させるための工具の回転中心を任意に設定
できるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エン
ジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合したピボットにより
ロッカーアームの揺動支点を支承し、カムにより前記ロ
ッカーアームを揺動させることでバルブを駆動するよう
にした動弁装置において、前記ピボットを回転させて螺
進させることにより前記ロッカーアームの揺動支点の高
さを変えるようにしたバルブクリアランス調整機構にお
いて、前記ピボットに従動ギヤを同軸状に且つ一体回転
可能に設けるとともに、この従動ギヤに、工具の操作に
より回転される駆動ギヤを係合させ、その駆動ギヤを回
転させることにより前記ピボットを螺進させる構成とし
た。
【0006】尚、雌ネジ孔は、エンジンヘッドに直接形
成してもよく、エンジンヘッドに圧入又は挿入した筒状
のケースの内周に形成してもよい。請求項2の発明は、
請求項1の発明において、前記駆動ギヤ又は前記従動ギ
ヤを回転規制状態にロック可能なロック手段を備えてい
る構成とした。請求項3の発明は、請求項2の発明にお
いて、前記ロック手段が、前記従動ギヤに係合すること
でその従動ギヤを回転規制するようになっているととも
に、前記駆動ギヤが前記工具に一体回転するように設け
られている構成とした。
【0007】
【発明の作用及び効果】[請求項1の発明]工具を操作
して駆動ギヤを回転させると、従動ギヤが回転されると
ともにピボットが螺進してバルブクリアランスが調整さ
れる。駆動ギヤと従動ギヤの係合形態や駆動ギヤの位置
と向きを変えることにより、ピボットを螺進させるため
の工具の回転中心を任意に設定することができる。
【0008】[請求項2の発明]ロック手段によって駆
動ギヤ又は従動ギヤを回転規制すると、ピボットが回転
規制状態にロックされる。 [請求項3の発明]工具と駆動ギヤを一体化したので、
工具と駆動ギヤを別体部品にする場合に比べると、部品
点数が少なくて済む。
【0009】
【発明の実施の形態】[実施形態1]以下、本発明を具
体化した実施形態1を図1乃至図3を参照して説明す
る。まず、動弁装置について説明すると、動弁装置は、
エンジンヘッド10の上面からバルブクリアランス調整
機構20を構成するピボット21を突出させ。そのピボ
ット21の上端部によりロッカーアーム11の揺動支点
部11Aを下から支承するとともに、そのロッカーアー
ム11の揺動端部11Bを上下動可能に設けられたバル
ブステム12の上端に上から当接させ、ロッカーアーム
11の略中央部に設けたカムローラ13に対しその上方
からカムシャフト14のカム15を当接させた構造にな
る。カムシャフト14が回転すると、ロッカーアーム1
1がその揺動支点部11Aを支点として上下方向に揺動
し、そのロッカーアーム11の揺動にともなってバルブ
ステム12が上下動することによりバルブ(図示せず)
が開閉される。
【0010】この動弁装置におけるバルブクリアランス
調整機構20は、エンジンヘッド10からのピボット2
1の突出高さ、即ちロッカーアーム11の揺動支点部1
1Aの高さを変えることによってバルブクリアランスを
調整するようになっている。以下、その構成を詳しく説
明する。エンジンヘッド10には、その上面に開口する
とともに軸線を上下方向に向けた円形の調整用雌ネジ孔
22(本発明の構成要件である雌ネジ孔)が形成されて
いる。尚、調整用雌ネジ孔22は、エンジンヘッド10
に直接形成せずに、エンジンヘッド10に圧入した筒状
部材(図示せず)の内周に形成してもよい。さて、調整
用雌ネジ孔22内にはピボット21が螺合されている。
ピボット21は、全体として円柱形をなし、その上端部
の半球形部21Aにロッカーアーム11の揺動支点部1
1Aが載置されている。ピボット21の外周における略
下半分領域には調整用雄ネジ部23が形成されており、
ピボット21は、この調整用雄ネジ部23を調整用雌ネ
ジ孔22に対して同軸状に螺合させることにより軸線方
向の螺進可能に取り付けられている。取り付けられたピ
ボット21の略上半分領域は、調整用雌ネジ孔22(エ
ンジンヘッド10の上面)から上方へ突出されており、
その突出部分の外周には、いわゆる平歯車と称される形
態の従動ギヤ24が、ピボット21と同心(軸線を一致
させた形態)に設けられている。この従動ギヤ24は、
ピボット21と一体に回転するが、ピボット21に対す
る軸線方向への遊動は不能とされている。尚、従動ギヤ
24はピボット21に一体に形成してもよく、ピボット
21とは別体に形成した従動ギヤ24をピボット21に
組み付けてもよい。
【0011】一方、エンジンヘッド10の上面には、調
整用雌ネジ孔22に隣接するように軸受孔25が凹成さ
れている。この軸受孔25は円形をなし、その軸線は調
整用雌ネジ孔22の軸線と平行となっている。この軸受
孔25には、いわゆる平歯車と称される駆動ギヤ26が
支持されている。駆動ギヤ26の下端面には円形に突出
する嵌合部27が同軸状に形成されており、この嵌合部
27は、軸受孔25に対し、軸線周りの回転可能に、且
つ軸線と直交する径方向への遊動を規制された状態で嵌
合されている。軸受孔25に支持された駆動ギヤ26
は、ピボット21の従動ギヤ24に対し、その軸線同士
を互いに平行にした状態で係合されている。尚、本実施
形態では、駆動ギヤ26のピッチ円の径は従動ギヤ24
のピッチ円の径よりも小さいが、駆動ギヤ26のピッチ
円の径を従動ギヤ24のピッチ円の径より大きくしても
よい。
【0012】また、駆動ギヤ26には、その上端面に開
口する調整用嵌合孔28が同軸状に形成されている。調
整用嵌合孔28は、駆動ギヤ26の軸線方向に見て六角
形状をなし、この調整用嵌合孔28に嵌合させた調整用
工具29(本発明の構成要件である工具)を回転操作す
ると、駆動ギヤ26が回転されるようになっている。ま
た、駆動ギヤ26には、その下端面に開口するとともに
調整用嵌合孔28に連通するボルト孔30が、駆動ギヤ
26と同軸状に形成されている。このボルト孔30に
は、駆動ギヤ26を回転規制状態にロックするためのロ
ックボルト31(本発明の構成要件であるロック手段)
のロック用雄ネジ部31Aが貫通されている。また、ロ
ックボルト31の上端部には、ロック用雄ネジ部31A
よりも大径の円形をなすとともにボルト孔30から突出
して調整用嵌合孔28内に臨む頭部31Bが形成されて
おり、この頭部31Bの下面が、調整用嵌合孔28の底
面28Bに当接されるようになっている。
【0013】さらに、エンジンヘッド10には、駆動ギ
ヤ26が軸受孔25に支持された状態においてボルト孔
30と同軸状に対応するロック用雌ネジ孔32が形成さ
れている。このロック用雌ネジ孔32には、ロックボル
ト31のロック用雄ネジ部31Aが螺合されている。ロ
ックボルト31の頭部31Bの上端面(即ち、調整用嵌
合孔28内に臨む面)には、非円形(例えば、六角形や
四角形)をなすロック用嵌合孔31Cが形成されてい
る。このロック用嵌合孔31Cに嵌合したロック用工具
33を回転操作すると、ロックボルト31が、その頭部
31Bを調整用嵌合孔28の底面28Bに押し付けてそ
の摩擦により駆動ギヤ26の回転を規制するロック状態
と、頭部31Bを調整用嵌合孔28の底面28Bから離
間させて駆動ギヤ26の回転を許容するロック解除状態
との間で螺進する。
【0014】バルブクリアランスを調整する際には、ロ
ックボルト31を上方へ螺進させて(緩めて)ロック解
除状態にしておき、かかる状態で駆動ギヤ26の調整用
嵌合孔28に調整用工具29を嵌合し、その調整用工具
29を回転操作する。すると、その回転操作に伴って駆
動ギヤ26が回転され、この駆動ギヤ26に係合されて
いる従動ギヤ24とこの従動ギヤ24とが形成されてい
るピボット21が一体に回転する。回転したピボット2
1は、その調整用雄ネジ部23と調整用雌ネジ孔22と
の係合によって上方又は下方へ螺進する。尚、駆動ギヤ
26と従動ギヤ24の上下方向(軸線方向)の高さと寸
法については、ピボット21の高さがその調整範囲内に
ある状態において必ず従動ギヤ24と駆動ギヤ26が係
合状態を保つように設定されている。このピボット21
の上下方向への螺進により、バルブクリアランス(ロッ
カーアーム11の揺動支点部11Aの高さ)が調整され
る。
【0015】ピボット21が所定の高さに調整された
ら、調整用嵌合孔28から調整用工具29を外し、ロッ
クボルト31のロック用嵌合孔31Cにロック用工具3
3を嵌合し、そのロック用工具33の回転操作により、
ロックボルト31を下方へ螺進させる。すると、頭部3
1Bの下面が調整用嵌合孔28の底面28Bに対して軸
線方向に強く押し付けられたロック状態となり、この押
圧力に起因する頭部31Bと調整用嵌合孔28の底面2
8Bとの間の摩擦及びロック用雌ネジ孔32とロック用
雄ネジ部31Aとの間の摩擦により、駆動ギヤ26が回
転規制状態にロックされる。駆動ギヤ26がロックされ
ると、この駆動ギヤ26に係合されている従動ギヤ24
の回転が規制されるので、ピボット21も回転規制状態
にロックされる。
【0016】ピボット21を回転(螺進)させてバルブ
クリアランスを調整する手段として、工具を直接ピボッ
ト21に嵌めて回転操作する構造をとった場合には、工
具の回転中心がピボット21の軸線に限定されてしまう
ため、動弁系レイアウトの形態によっては、工具を回転
操作するためのスペースを十分に確保されず、工具が操
作し難くなることがある。その点、本実施形態では、ピ
ボット21に設けた従動ギヤ24に駆動ギヤ26を係合
させ、この従動ギヤ24に、調整用工具29との嵌合部
である調整用嵌合孔28を有する駆動ギヤ26を係合さ
せ、調整用工具29を操作して駆動ギヤ26を回転させ
ることによりピボット21を螺進させる(バルブクリア
ランスを調整する)ようにしているので、エンジンヘッ
ド10の上面における駆動ギヤ26の軸線の位置(駆動
ギヤ26の回転中心の位置)を動弁系レイアウトに応じ
て変更することにより、調整用工具29を操作するため
の空間を大きく確保することが可能となっている。
【0017】また、本実施形態では駆動ギヤ26を回転
規制状態にロック可能なロック手段としてのロックボル
ト31を備えているので、ロックボルトによって駆動ギ
ヤ26を回転規制すると、その駆動ギヤ26と従動ギヤ
24との係合によってピボット21を回転規制状態に確
実にロックすることができる。 [実施形態2]次に、本発明を具体化した実施形態2を
図4及び図5を参照して説明する。本実施形態2のバル
ブクリアランス調整機構40について説明する。エンジ
ンヘッド10の上面には、軸線を上下方向に向けた有底
筒体41が圧入などの手段によって固定され、この有底
筒体41の内周の調整用雌ネジ孔42内にはピボット4
3が螺合されている。ピボット43は、全体として円柱
形をなし、その上端部の半球形部43Aにロッカーアー
ム11の揺動支点部11Aが載置されている。ピボット
43の外周における略下半分領域には調整用雄ネジ部4
4が形成されており、ピボット43は、この調整用雄ネ
ジ部44を調整用雌ネジ孔42に螺合させることで、そ
の調整用雌ネジ孔42に対して軸線方向への螺進を可能
とされている。調整用雌ネジ孔42に取り付けられたピ
ボット43の略上半分領域は、調整用雌ネジ孔42(エ
ンジンヘッド10の上面)から上方へ突出されており、
その突出部分の外周には、いわゆる傘歯車と称される形
態の従動ギヤ45が、ピボット43と同心(軸線を一致
させた形態)に設けられている。この従動ギヤ45は、
ピボット43と一体に回転するが、ピボット43に対す
る軸線方向への遊動は不能とされている。尚、従動ギヤ
45はピボット43に一体に形成してもよく、ピボット
43とは別体に形成した従動ギヤ45をピボット43に
組み付けてもよい。
【0018】また、ピボット43の調整用雌ネジ孔42
から突出した部分における従動ギヤ45よりも下方の位
置には、ピボット43と同軸の円形をなす縮径部46が
形成されている。この縮径部46には、概ね円環形をな
すホルダ47が、ピボット43に対する軸線周りの相対
的な回転を可能に、且つピボット43に対する軸線方向
への遊動を規制された状態(ピボット43に対して常に
一定の高さを保つ状態)に取り付けられている。
【0019】このホルダ47の外周には、被ガイド部4
8が径方向外向きに突出する形態で形成されている。一
方、有底筒体41には、上下方向(ピボット43の軸線
即ち螺進方向と平行な方向)の溝状をなすガイド部49
が形成されており、このガイド部49に、被ガイド部4
8が、上下方向の移動可能に且つピボット43の軸線周
りの回転を規制された状態で嵌合されている。同じくホ
ルダ47の外周には、周方向において被ガイド部48と
は異なる位置から径方向外向きに突出する支持部50が
形成されている。この支持部50の突出端面には、円形
をなし、軸線をピボット43の軸線と直角に交差させる
径方向に向けた軸受孔51が凹成されている。この軸受
孔51には、いわゆる傘歯車と称される駆動ギヤ52が
同軸状に且つ回転可能に支持されている。即ち、駆動ギ
ヤ52の内側の面には円形に突出する嵌合部53が同軸
状に形成されており、この嵌合部53は、軸受孔51に
対し、軸線周りの回転可能に、且つ軸線と直交する径方
向への遊動を規制された状態で嵌合されている。この軸
受孔51に支持された駆動ギヤ52は、ピボット43の
従動ギヤ45に対し、その軸線同士を互いに直交させた
状態で互いに係合されている。
【0020】尚、本実施形態では、駆動ギヤ52のピッ
チ円の径は従動ギヤ45のピッチ円の径よりも小さい
が、駆動ギヤ52のピッチ円の径を従動ギヤ45のピッ
チ円の径より大きくしてもよい。また、駆動ギヤ52と
従動ギヤ45の軸線同士を直交させるようにしたが、軸
線同士を直角以外の角度で交差させるように両ギヤ4
5,52を配置してもよい。さて、駆動ギヤ52には、
その外面に開口する調整用嵌合孔54が同軸状に形成さ
れている。調整用嵌合孔54は、駆動ギヤ52の軸線方
向に見て六角形状をなし、この調整用嵌合孔54に嵌合
させた調整用工具55(本発明の構成要件である工具)
を回転操作すると、駆動ギヤ52が回転されるようにな
っている。また、駆動ギヤ52には調整用嵌合孔54に
連通するボルト孔56が同軸状に形成されており、この
ボルト孔56には、駆動ギヤ52を回転規制状態にロッ
クするためのロックボルト57(本発明の構成要件であ
るロック手段)のロック用雄ネジ部57Aが貫通されて
いる。また、ロックボルト57の外側の端部には、ロッ
ク用雄ネジ部57Aよりも大径の円形をなすとともにボ
ルト孔56から突出して調整用嵌合孔54内に臨む頭部
57Bが形成されており、この頭部57Bが、調整用嵌
合孔54の底面54Bに当接されるようになっている。
【0021】さらに、ホルダ47には、駆動ギヤ52が
軸受孔51に支持された状態においてボルト孔56と同
軸状に対応するロック用雌ネジ孔58が形成されてい
る。このロック用雌ネジ孔58には、ロックボルト57
のロック用雄ネジ部57Aが螺合されている。ロックボ
ルト57の頭部57Bの先端面(即ち、調整用嵌合孔5
4内に臨む面)には、非円形(例えば、六角形や四角
形)をなすロック用嵌合孔57Cが形成されている。こ
のロック用嵌合孔57Cに嵌合したロック用工具59を
回転操作すると、ロックボルト57が、その頭部57B
を調整用嵌合孔54の底面54Bに押し付けてその摩擦
により駆動ギヤ52の回転を規制するロック状態と、頭
部57Bを調整用嵌合孔54の底面54Bから離間させ
て駆動ギヤ52の回転を許容するロック解除状態との間
で螺進する。
【0022】バルブクリアランスを調整する際には、ロ
ックボルト57を外方へ螺進させて(緩めて)ロック解
除状態にしておき、かかる状態で駆動ギヤ52の調整用
嵌合孔54に調整用工具55を嵌合し、その調整用工具
55を回転操作する。すると、その回転操作に伴って駆
動ギヤ52が回転され、この駆動ギヤ52に係合されて
いる従動ギヤ45とこの従動ギヤ45が形成されている
ピボット43とが一体となって回転する。回転したピボ
ット43は、その調整用雄ネジ部44と調整用雌ネジ孔
42との係合によって上方又は下方へ螺進する。このと
き、ピボット43が上下動するのに伴って、ホルダ47
もピボット43と一体に上下動するので、そのホルダ4
7に支持されている駆動ギヤ52もピボット43と一体
に上下動する。したがって、ピボット43がいずれの高
さに移動しても、駆動ギヤ52と従動ギヤ45の係合状
態は保たれる。また、ホルダ47と駆動ギヤ52は、ホ
ルダ47がピボット43の縮径部46とガイド部49と
の2位置で係合されていてピボット43の軸線周りに回
転することがないので、駆動ギヤ52の回転力は従動ギ
ヤ45に確実に伝達されるようになっている。このよう
にしてピボット43が上下方向へ螺進することにより、
バルブクリアランス(ロッカーアーム11の揺動支点部
11Aの高さ)が調整される。
【0023】ピボット43が所定の高さに調整された
ら、調整用嵌合孔54から調整用工具55を外し、ロッ
クボルト57のロック用嵌合孔57Cにロック用工具5
9を嵌合し、そのロック用工具59の回転操作によりロ
ックボルト57を螺進させる。すると、頭部57Bが調
整用嵌合孔54の底面54Bに対して軸線方向に強く押
し付けられたロック状態となり、この押圧力に起因する
頭部57Bと調整用嵌合孔54の底面54Bとの間の摩
擦及びロック用雌ネジ孔58とロック用雄ネジ部57A
との間の摩擦により、駆動ギヤ52が回転規制状態にロ
ックされる。駆動ギヤ52がロックされると、この駆動
ギヤ52に係合されている従動ギヤ45が回転規制され
るので、ピボット43も回転規制状態にロックされる。
【0024】本実施形態では、ピボット43に設けた従
動ギヤ45に駆動ギヤ52を係合させ、この従動ギヤ4
5に調整用工具55との嵌合部である調整用嵌合孔54
を有する駆動ギヤ52を係合させ、調整用工具55を操
作して駆動ギヤ52を回転させることによりピボット4
3を螺進させる(バルブクリアランスを調整する)よう
にしているので、工具をピボット43に直接係合させる
構造とは異なり、ピボット43の軸線を中心とする周方
向における駆動ギヤ52の軸線の位置(駆動ギヤ52の
回転中心の位置)を動弁系レイアウトに応じて変更する
ことが可能であり、したがって、調整用工具55を操作
するための空間を大きく確保することが可能となってい
る。
【0025】尚、上記以外の構成については上記実施形
態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号
を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。 [実施形態3]次に、本発明を具体化した実施形態3を
図6及び図7を参照して説明する。本実施形態3のバル
ブクリアランス調整機構60について説明する。エンジ
ンヘッド10の上面には、軸線を上下方向に向けた有底
筒体61が圧入などの手段によって固定され、この有底
筒体61の内周に形成されている調整用雌ネジ孔62に
はピボット63が螺合されている。ピボット63は、全
体として円柱形をなし、その上端部の半球形部63Aに
ロッカーアーム11の揺動支点部11Aが載置されてい
る。ピボット63の外周における略下半分領域には調整
用雄ネジ部64が形成されており、ピボット63は、こ
の調整用雄ネジ部64を調整用雌ネジ孔62に螺合させ
ることで、調整用雌ネジ孔62に対して軸線方向への螺
進を可能とされている。この調整用雌ネジ孔62に取り
付けられたピボット63の略上半分領域は、調整用雌ネ
ジ孔62(エンジンヘッド10の上面)から上方へ突出
されており、その突出部分の外周には、いわゆるウォー
ムホイールと称される形態の従動ギヤ65が、ピボット
63と同心(軸線を一致させた形態)に設けられてい
る。この従動ギヤ65は、ピボット63と一体に回転す
るが、ピボット63に対する軸線方向への遊動は不能と
されている。尚、従動ギヤ65はピボット63に一体に
形成してもよく、ピボット63とは別体に形成した従動
ギヤ65をピボット63に組み付けてもよい。
【0026】有底筒体61の上端面には、一対の軸受け
部66が突出形成されており、この両軸受け部66に
は、いわゆるウォームと称される駆動ギヤ67の両端部
が回転自由に、且つ駆動ギヤ67の軸線方向の移動を規
制された状態で支持されている。この駆動ギヤ67の軸
線は、ピボット63及び従動ギヤ65の軸線に対し、そ
の軸線と直交する方向へ偏心した位置に配されていると
ともに、ピボット63の螺進方向に対して直交する方向
に向けられていて、かかる軸線の配置により駆動ギヤ6
7と従動ギヤ65が互いに係合されている。このウォー
ムホイールタイプの従動ギヤ65とウォームタイプの駆
動ギヤ67との係合構造においては、駆動ギヤ67側か
ら従動ギヤ65側へ回転力が付与されたときには従動ギ
ヤ65が回転駆動されるが、従動ギヤ65側から駆動ギ
ヤ67側へ回転力が付与されても駆動ギヤ67は回転し
ないようになっている。
【0027】この駆動ギヤ67の一方の端部には、その
端面に開口する調整用嵌合孔68が同軸状に形成されて
いる。調整用嵌合孔68は、駆動ギヤ67の軸線方向に
見て六角形状をなし、この調整用嵌合孔68に嵌合させ
た調整用工具69(本発明の構成要件である工具)を回
転操作すると、駆動ギヤ67が回転されるようになって
いる。また、駆動ギヤ67における他方の端部には、外
周に複数のラチェット突起70Aを有するラチェットリ
ング70が駆動ギヤ67と同軸状に且つ駆動ギヤ67と
一体回転するように固着されている。一方、有底筒体6
1の上端面にはバネ受け部71が突出形成されており、
このバネ受け部71には、板バネからなるスプリング7
2(本発明の構成要件であるロック手段)の基端部が支
持されている。スプリング72は、その先端部にラチェ
ット突起70Aとの係合爪72Aを形成したものであ
り、常には、スプリング72の弾力によって係合爪72
Aがいずれかのラチェット突起70Aに係合されてい
る。そして、スプリング72の弾力に起因する係合爪7
2Aとラチェット突起70Aとの係合力を超える回転力
がラチェットリング70に付与されると、スプリング7
2が弾性撓みするとともに係合爪72Aがラチェット突
起70Aを順次に乗り越えつつラチェットリング70と
駆動ギヤ67が回転するようになっている。
【0028】バルブクリアランスを調整する際には、係
合爪72Aがラチェット突起70Aに係合している状態
のままで、駆動ギヤ67の調整用嵌合孔68に調整用工
具69を嵌合し、その調整用工具69を回転操作するこ
とにより、駆動ギヤ67とラチェットリング70に対し
て係合爪72Aとラチェット突起70Aとの係合力を超
える回転力を付与する。すると、その回転操作に伴って
駆動ギヤ67が回転され、この駆動ギヤ67に係合され
ている従動ギヤ65とこの従動ギヤ65が形成されてい
るピボット63とが一体に回転する。回転したピボット
63は、その調整用雄ネジ部64と調整用雌ネジ孔62
との係合によって上方又は下方へ螺進する。このように
ピボット63が上下方向へ螺進することにより、バルブ
クリアランス(ロッカーアーム11の揺動支点部11A
の高さ)が調整される。
【0029】ピボット63が所定の高さに調整された
ら、スプリング72の弾力によって係合爪72Aがラチ
ェット突起70Aに係合するので、この係合力によって
ラチェットリング70及び駆動ギヤ67の回転が規制さ
れる。駆動ギヤ67が回転規制状態になると、駆動ギヤ
67から従動ギヤ65側へは回転力が伝達されないの
で、ピボット63が回転することはない。また、従動ギ
ヤ65側(ピボット63側)から駆動ギヤ67側へ回転
力が付与されても、従動ギヤ65がウォームホイールか
らなり駆動ギヤ67がウォームからなるので、駆動ギヤ
67が回転することはない。
【0030】本実施形態では、ピボット63に設けた従
動ギヤ65に駆動ギヤ67を係合させ、この従動ギヤ6
5に調整用工具69との嵌合部である調整用嵌合孔68
を有する駆動ギヤ67を係合させ、調整用工具69を操
作して駆動ギヤ67を回転させることによりピボット6
3を螺進させる(バルブクリアランスを調整する)よう
にしているので、工具をピボット63に直接係合させる
構造とは異なり、ピボット63の軸線を中心とする周方
向における駆動ギヤ67の軸線の位置(駆動ギヤ67の
回転中心の位置)を動弁系レイアウトに応じて変更する
ことが可能であり、したがって、調整用工具69を操作
するための空間を大きく確保することが可能となってい
る。尚、上記以外の構成については上記実施形態1と同
じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、
構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0031】[実施形態4]次に、本発明を具体化した
実施形態4を図8を参照して説明する。本実施形態4の
バルブクリアランス調整機構80は、上記実施形態1の
変形例であって、動弁装置の構造、エンジンヘッド10
に対するピボット21の取り付け構造、及び動弁装置、
バルブクリアランス調整機構の作用・効果は実施形態1
と同じ構成であるため、説明は省略する。
【0032】エンジンヘッド10の上面には、調整用雌
ネジ孔22に隣接するように軸受孔81が凹成されてい
る。この軸受孔81は円形をなし、その軸線は調整用雌
ネジ孔22の軸線と平行となっている。この軸受孔81
には、いわゆる平歯車と称される中間ギヤ82が支持さ
れている。中間ギヤ82の下端面には円形に突出する嵌
合部83が同軸状に形成されており、この嵌合部83
は、軸受孔81に対し、軸線周りの回転可能に、且つ軸
線と直交する径方向への遊動を規制された状態で嵌合さ
れている。軸受孔81に支持された中間ギヤ82は、ピ
ボット21の従動ギヤ24に対し、その軸線同士を互い
に平行にした状態で係合されている。尚、本実施形態で
は、中間ギヤ82のピッチ円の径は従動ギヤ24のピッ
チ円の径よりも小さいが、中間ギヤ82のピッチ円の径
を従動ギヤ24のピッチ円の径より大きくしてもよい。
【0033】また、中間ギヤ82には、その上下両端面
に開口するボルト孔84が同軸状に形成されている。こ
のボルト孔84には、中間ギヤ82を回転規制状態にロ
ックするためのロックボルト85(本発明の構成要件で
あるロック手段)のロック用雄ネジ部85Aが貫通され
ている。また、ロックボルト85の上端部には、ロック
用雄ネジ部85Aよりも大径の六角形をなすとともにボ
ルト孔84から突出した頭部85Bが形成されており、
この頭部85Bの下面が、中間ギヤ82の上端面に当接
されるようになっている。
【0034】さらに、エンジンヘッド10には、中間ギ
ヤ82が軸受孔81に支持された状態においてボルト孔
84と同軸状に対応するロック用雌ネジ孔86が形成さ
れている。このロック用雌ネジ孔86には、ロックボル
ト85のロック用雄ネジ部85Aが螺合されている。ロ
ックボルト85の頭部85Bに嵌合したロック用工具
(図示せず)を回転操作すると、ロックボルト85が、
その頭部85Bを中間ギヤ82の上端面に押し付けてそ
の摩擦により中間ギヤ82の回転を規制するロック状態
と、頭部85Bを中間ギヤ82の上端面から離間させて
中間ギヤ82及び従動ギヤ24の回転を許容するロック
解除状態との間で螺進する。
【0035】また、エンジンヘッド10の上面には、軸
受孔87が形成され、この軸受孔87には、軸線をピボ
ット21及び中間ギヤ82と平行に向けた調整用工具8
8(本発明の構成要件である工具)の軸部88Aの下端
部が、軸線周りの回転を可能に、且つ軸線と直交する径
方向への遊動を規制された状態で嵌合し得るようになっ
ている。調整用工具88の軸部88Aの上端部には、径
方向に突出する一対の操作部88Aが形成されている。
また、軸部88Aには、軸受孔87に嵌合した状態にお
いて中間ギヤ82と係合する駆動ギヤ88Cが一体回転
し得るように(単一部品として)形成されている。
【0036】バルブクリアランスを調整する際には、ロ
ックボルト85を上方へ螺進させて(緩めて)ロック解
除状態にするとともに、軸受孔87に調整用工具88を
嵌合してその駆動ギヤ88Cを中間ギヤ82に係合させ
る。かかる状態で、操作部88Bを摘んで調整用工具8
8を回転操作すると、この調整用工具88と一体となっ
て回転する駆動ギヤ88Cと中間ギヤ82との係合、及
びこの中間ギヤ82と従動ギヤ24との係合により、ピ
ボット21が回転される。回転したピボット21は、そ
の調整用雄ネジ部23と調整用雌ネジ孔22との係合に
よって上方又は下方へ螺進し、このピボット21の上下
方向への螺進により、バルブクリアランス(ロッカーア
ーム11の揺動支点部11Aの高さ)が調整される。
【0037】ピボット21が所定の高さに調整された
ら、調整用工具88を軸受孔87から抜き取って駆動ギ
ヤ88Cを中間ギヤ82から外すとともに、ロックボル
ト85の頭部85Bにロック用工具(図示せず)を嵌合
し、そのロック用工具の回転操作により、ロックボルト
85を下方へ螺進させる。すると、頭部85Bの下面が
中間ギヤ82の上端面に対して軸線方向に強く押し付け
られたロック状態となり、この押圧力に起因する頭部8
5Bと中間ギヤ82との間の摩擦及びロック用雌ネジ孔
86とロック用雄ネジ部85Aとの間の摩擦により、中
間ギヤ82が回転規制状態にロックされる。中間ギヤ8
2がロックされると、この中間ギヤ82に係合されてい
る従動ギヤ24の回転が規制されるので、ピボット21
も回転規制状態にロックされる。本実施形態では駆動ギ
ヤ88Cを調整用工具88に一体形成したので、駆動ギ
ヤと調整用工具とを別体部品とした場合に比べると、部
品点数の数が少なくて済んでいる。
【0038】[実施形態5]次に、本発明を具体化した
実施形態5を図9及び図10を参照して説明する。本実
施形態5のバルブクリアランス調整機構90は、上記実
施形態1の変形例であって、動弁装置の構造、エンジン
ヘッド10に対するピボット21の取り付け構造、及び
動弁装置、バルブクリアランス調整機構の作用・効果は
実施形態1と同じ構成であるため、説明は省略する。
【0039】エンジンヘッド10の上面には、調整用雌
ネジ孔22に隣接するようにガイド孔91が形成されて
いる。このガイド孔91はピボットの軸線と平行に延び
ているが、断面形状は非円形(例えば、四角形や六角
形)とされている。尚、ロック部材94がロック位置と
ロック解除位置との間のいずれの高さにある状態でも、
歯状嵌合部98が、常に、逃がし凹部92に嵌合するこ
とによって周方向への変位を規制される構造とした場合
には、ガイド孔91の断面形状を円形としてもよい。ガ
イド孔91の上端部には、ピボット21側へ凹ませると
ともにエンジンヘッド10の上面に開口された形態の逃
がし凹部92が形成されているとともに、ピボット21
とは反対側へ凹ませるとともにエンジンヘッド10の上
面に開口された形態の取付用凹部93が形成されてい
る。
【0040】このガイド孔91には、ロック部材94
(本発明の構成要件であるロック手段)が上下方向への
移動を自由にガイドされ、且つ水平方向(ピボット21
の軸線と直交する方向)への遊動及び上下方向軸周りの
回転を規制された状態で嵌合されている。このロック部
材94は、その下端面とガイド孔91の底面との間に介
装したスプリング95によって上方のロック位置側へ付
勢されている。また、ロック位置にあるロック部材94
は、図9に示すように、その側面の段差状係止部96
を、取付用凹部93に固定したストッパ97に対して下
から係止させることにより、それ以上の上方への移動を
規制される。
【0041】このロック部材94には、ピボット21側
へ突出する歯状嵌合部98が形成されている。この歯状
嵌合部98は、ロック部材94がロック位置へ上昇する
とピボット21の従動ギヤ24に係合するようになって
いるとともに、ロック部材94が図10に示すロック解
除位置へ下降すると従動ギヤ24から外れて逃がし凹部
92内に収容されるようになっている。また、ロック部
材94の上端面には、軸線をピボット21と平行に向け
た円形断面の軸受孔99が形成されている。
【0042】この軸受孔99には、軸線をピボット21
及び中間ギヤ82と平行に向けた調整用工具100(本
発明の構成要件である工具)の軸部100Aの円柱形の
下端部が、軸線周りの回転を可能に、且つ軸線と直交す
る径方向への遊動を規制された状態で嵌合し得るように
なっている。調整用工具100の軸部100Aの上端部
には、径方向に突出する一対の操作部100Bが形成さ
れている。また、軸部100Aには、ロック部材94が
ロック解除位置へ下降し且つ軸部100Aが軸受孔99
に嵌合した状態において従動ギヤ27と係合する駆動ギ
ヤ100Cが一体回転し得るように(単一部品として)
形成されている。
【0043】バルブクリアランスを調整する際には、調
整用工具100を軸受孔99に嵌合し、その調整用工具
100の操作部100Bを摘んでロック部材94をスプ
リング95の付勢に抗してロック位置からロック解除位
置へ押し下げる。すると、歯状嵌合部98が従動ギヤ2
4から外れることによってピボット21が回転を許容さ
れるとともに、駆動ギヤ100Cが従動ギヤ24に係合
される。この状態から、スプリング95の付勢に抗して
ロック部材94をロック解除位置に保ったまま、操作部
10Bを摘んで調整用工具100を回転させる。する
と、この調整用工具100と一体となって回転する駆動
ギヤ100Cと従動ギヤ24との係合により、ピボット
21が回転される。回転したピボット21は、その調整
用雄ネジ部23と調整用雌ネジ孔22との係合によって
上方又は下方へ螺進し、このピボット21の上下方向へ
の螺進により、バルブクリアランス(ロッカーアーム1
1の揺動支点部11Aの高さ)が調整される。
【0044】ピボット21が所定の高さに調整された
ら、調整用工具100に付与している下向きの押圧力を
解除する。すると、スプリング95の弾性復元力によ
り、調整用工具100とロック部材94が押し上げら
れ、駆動ギヤ100Cが従動ギヤ24から外れると共
に、歯状嵌合部98が従動ギヤ24に係合する。ここ
で、ロック部材94はガイド孔91に嵌合されているこ
とによって水平方向の遊動も上下方向軸周りの回転も規
制されているので、この歯状嵌合部98と従動ギヤ24
との係合によってピボット21は回転規制状態にロック
される。あとは、調整用工具100を軸受孔99から抜
き取ればよい。
【0045】本実施形態では駆動ギヤ100Cを調整用
工具100に一体形成したので、駆動ギヤと調整用工具
とを別体部品とした場合に比べると、部品点数の数が少
なくて済んでいる。また、ピボット21を回転規制状態
にロックするためのロック部材94をスプリング95に
よってロック方向へ付勢しているので、調整用工具10
を外すだけで、自動的にピボット21をロック部材94
による回転規制状態(ロック状態)に復帰させることが
できる。即ち、独立したロック操作を必要としないの
で、作業性に優れている。
【0046】[他の実施形態]本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記実施形態1〜3のロック手段は駆動ギヤを回
転規制することによってピボットを間接的に回転規制状
態にロックするようにしたが、本発明によれば、ロック
手段がピボットに直接係合してそのピボットを回転規制
状態にロックするようにしてもよい。この場合、ロック
手段は、従動ギヤに係合させてもよく、ピボットにおけ
る従動ギヤ以外の部分に係合させてもよい。
【0047】(2)上記実施形態1〜3ではピボットを
回転規制するためのロック手段を設けたが、本発明によ
れば、従動ギヤ側(ピボット側)から駆動ギヤ側へ回転
力が付与されただけでは駆動ギヤが回転されることがな
いように、駆動ギヤと従動ギヤのギヤ比を設定し、その
ギヤ比によってピボットの回転規制を図るようにしても
よい。この場合には、他の部材が駆動ギヤに干渉して回
転力を付与することがないように、駆動ギヤを他の部材
から保護するための保護手段を設けることが望ましい。 (3)上記実施形態1及び2において、ロックボルトに
よるロック手段に替えて、実施形態3のスプリングによ
る弾性的なロック手段を適用することもできる。 (4)上記実施形態3において、スプリングによる弾性
的なロック手段に替えて、実施形態1又は2のボルトに
よるロック手段を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の動弁装置の断面図
【図2】バルブクリアランス調整機構の拡大断面図
【図3】バルブクリアランス調整機構の部分拡大平面図
【図4】実施形態2のバルブクリアランス調整機構の部
分拡大断面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】実施形態3のバルブクリアランス調整機構の部
分拡大断面図
【図7】バルブクリアランス調整機構の部分拡大平面図
【図8】実施形態4のバルブクリアランス調整機構の部
分拡大断面図
【図9】実施形態5のバルブクリアランス調整機構にお
いてバルブクリアランスを調整している状態をあらわす
部分拡大断面図
【図10】実施形態5のバルブクリアランス調整機構に
おいてピボットを回転不能にロックした状態をあらわす
部分拡大断面図
【符号の説明】
10…エンジンヘッド 11…ロッカーアーム 12…バルブステム 15…カム 20…バルブクリアランス調整機構 21…ピボット 22…調整用雌ネジ孔(雌ネジ孔) 24…従動ギヤ 26…駆動ギヤ 29…調整用工具(工具) 31…ロックボルト(ロック手段) 40,60,80,90…バルブクリアランス調整機構 42,62…調整用雌ネジ孔(雌ネジ孔) 43,63…ピボット 45,65…従動ギヤ 52,67,88C,100C…駆動ギヤ 55,69,88,100…調整用工具(工具) 57,85…ロックボルト(ロック手段) 72…スプリング(ロック手段) 94…ロック部材(ロック手段)
フロントページの続き (72)発明者 櫻井 雅英 愛知県西尾市中畑町浜田下10番地 株式会 社オティックス内 (72)発明者 山本 真之 愛知県西尾市中畑町浜田下10番地 株式会 社オティックス内 (72)発明者 吉原 裕二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 立野 学 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 清水 弘一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G016 AA02 AA06 AA19 BA18 BB18 BB22 CA04 CA10 CA27 CA41 CA52 DA13 DA15 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合
    したピボットによりロッカーアームの揺動支点を支承
    し、カムにより前記ロッカーアームを揺動させることで
    バルブを駆動するようにした動弁装置において、前記ピ
    ボットを回転させて螺進させることにより前記ロッカー
    アームの揺動支点の高さを変えるようにしたバルブクリ
    アランス調整機構において、 前記ピボットに従動ギヤを同軸状に且つ一体回転可能に
    設けるとともに、この従動ギヤに、工具の操作により回
    転される駆動ギヤを係合させ、その駆動ギヤを回転させ
    ることにより前記ピボットを螺進させる構成としたこと
    を特徴とする動弁装置のバルブクリアランス調整機構。
  2. 【請求項2】 前記駆動ギヤ又は前記従動ギヤを回転規
    制状態にロック可能なロック手段を備えていることを特
    徴とする請求項1記載の動弁装置のバルブクリアランス
    調整機構。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記ロック手段が、前記従動ギヤに係合することでその
    従動ギヤを回転規制するようになっているとともに、 前記駆動ギヤが前記工具に一体回転するように設けられ
    ていることを特徴とする動弁装置のバルブクリアランス
    調整機構。
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