JP2002256585A - 油圧ショベルのブレード構造 - Google Patents

油圧ショベルのブレード構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げモーメント等が作用する作業においても
十分な強度を持ち、しかも整地作業や他の作業において
も作業が容易である油圧ショベルのブレード支持構造を
提供することを課題とする。 【構成】 油圧ショベルのブレードを3本のアームで支
持し、前記アームの一端をブレードに固設すると共に、
他端を連結固定部材に固設したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油圧ショベルの
ブレードの支持構造体に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から油圧ショベルには整地作業を行う
ためのブレード(排土板、以下ブレードという)が設け
られている。ブレードの支持構造や使用例については、
例えば公開特許公報(特開平8−246494)、公開
特許公報(特開平10−219723)等に開示されて
いる。
【0003】ブレード装置は整地作業に使用する他に、
重掘削作業をする場合等においては、大きなモーメント
が油圧ショベル本体に作用する。例えば、アームを抱き
こみながら斜め下方を掘削する場合は前方に回転する大
きなモーメントが作用する。この場合においては転倒防
止の支持装置としても使用されている。図3は大きなモ
ーメントM(図示の矢印)が作用する場合にも使用され
る従来のブレード装置を示す。図3(A)は側面図、図
3(B)は平面図を示す。図3において、油圧ショベル
50本体の端部にブラケット51が固設され、ブラケッ
ト51にアーム53,53がピン連結されている。アー
ム53の他端側にはブレード54が固設されている。ま
た、ブレード54の中央部に油圧シリンダ55の一端
(ロッド側端)がピン連結され、油圧シリンダ55の他
端(シリンダ側端)がブラケット51に連結されてい
る。なお、ブレード54の両端にはアウトリガ56,5
6が回動自在に設けられている。
【0004】また、図4はブームを下降させて深堀作業
をする場合を示す。なお、簡単のため図4の参照番号は
図3の参照番号と一致させてある。この図4において
は、ブレード54の下側に路面保護部材61を敷いて油
圧ショベル50の前側を持ち上げて、後ろ側に傾けるこ
とによりブーム62又はブームシリンダ63との干渉を
防止する。これによって、深堀作業が容易になる。この
他に、油圧ショベル50(又は下部走行体)の点検整備
や清掃を行う場合においても油圧ショベル50を持ち上
げて(いわゆるジャッキアップして)これらの作業を容
易にしたい場合もある。
【0005】以上に説明したようにブレードは整地作業
以外の他の作業に使用されるためブレード及びその支持
構造体に種々の力、モーメントが作用する。図2は従来
装置のブレード54(又はアーム53)に作用する力に
ついての説明した図である。ブレード54には圧縮力
(P)、ブレードの上下回転方向、即ちアーム軸の前後
方向回転に作用する曲げモーメント(M1)、ブレード
の左右回転方向、即ちアーム軸の左右方向回転に作用す
る曲げモーメント(M2)並びにブレード全体を捻る方
向に作用する捻りモーメント(T)が作用する。圧縮力
Pは、整地作業の際に大きな力が働く。曲げモーメント
M1は、ブレードを転倒支持点として用いた場合に生
じ,特に重掘削作業においてブレードが威力を発揮し、
ブレードは大きな曲げモーメントM1を受ける。捻りモ
ーメントTは、整地作業において地面の土質が一様でな
い場合、例えば土の中に石が混在し、圧縮力Pが一様に
作用しない場合や平坦でない地面又は傾斜地でブレード
に作用する反力が異なる場合に捻りモーメントTが生ず
る。
【0006】従来のブレード装置においては、図2に示
すように、ブレード54に固設された左右の2本のアー
ム53,53によって上記の圧縮力P及びモーメントM
1、M2、Tが支持され、油圧ショベルの取り付け部
(例えば上記のブラケット51)に伝達されていた。と
ころで、アーム53,53は整地作業の際に生じる圧縮
力Pに対してもアウトリガやジャッキアップの際に生じ
る曲げモーメントM1、捻りモーメントTに対しても十
分な剛性が得られるように設計、製造されなければなら
ない。しかし、従来のブレード支持構造では十分にこれ
らに対して考慮が払われていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特に、ジャッキアップ
やアウトリガとして使用する際にはアーム軸の前後方向
回転に作用する曲げモーメント(M1)や捻りモーメン
トTに対する剛性を大きくする必要がある。これを従来
の2本のアーム構造で満たすようにすると、外形寸法の
大きいアームや強度の高い材料が必要となる。また、上
記の用途に利用する場合に、油圧ショベル本体の重量が
重くなるとアーム53は更に曲げモーメントや捻りモー
メントに対する大きな剛性が要求される。この場合にも
外形寸法の大きいアームや強度の高い材料を使用する必
要が生じる。このために、外形寸法を大きくするとブレ
ードの動作範囲が制限され、作業範囲が狭くなるという
問題が生じる。また、剛性の高い材料を使用するとコス
トが高価になるだけでなく、入手も困難になる。本発明
は、上記事実に鑑みなされたものであり、作用する力や
モーメントに対して十分な強度(剛性)が得られ、しか
も広い作業範囲が得られるようにしたブレード構造を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの発明として以下のように構成した。即ち、請求項1
に記載の発明は、油圧ショベルのブレードを3本のアー
ムで支持し、前記アームの一端をブレードに固設すると
共に、他端を連結固定部材に固設したことを特徴とす
る。本発明は油圧ショベルのブレードを3本のアームで
支持する構造としたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記連結固定部材を両側に配置
された前記アームのピン連結部が突出した状態で懸架、
固設して、中央に設けたアームの前記他端を該連結固定
部材に固設したことを特徴とする。本発明は両側に配置
されたアームのピン連結部が、そのまま利用可能とした
ことを特徴としている。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は請求項2記載の発明において、前記ブレード支持構
造において、中央に設けたアームは曲げモーメントに強
い構造体とし、両端に設けたアームは捻りモーメントに
強い構造体としたことを特徴とする。本発明は両側に配
置されたアームと中央に配置したアームの構造体を異な
らせたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を示す図
である。以下図1に基づいて説明する。本実施形態のブ
レード11には左右にアーム12,13を固設すると共
に中央に第3のアーム14を固設して、これら全てのア
ーム12〜14の他端を連結固定部材15に固設してい
る。また、アーム12,13にはブラケット12aを設
けて、ブレード11とアーム12、13との固定接続を
強化している。なお、ブラケット12bは油圧シリンダ
を連結するためのものである。また、左右アーム12,
13の他端に設けられた連結部16、17は連結固定部
材15を貫通して突出した状態で連結固定部材15に固
設されている。連結部16,17にはそれぞれピン穴1
6a、17aが設けられており、これによって油圧ショ
ベル10と上下方向回動自在に連結される。
【0012】なお、左右アーム12,13と中央アーム
は同一の構造体で構成する必要はなく、機能に応じて構
造体を異ならせてもよい。これにより、強度(剛性)が
単に増加するだけでなく、整地作業の場合や他の作業に
利用する場合においても十分な強度(剛性)が得られる
ように容易に構成できる。例えば、左右のアーム12、
13は捻りモーメントTに対して抵抗力の高い構造体と
し、中央アーム14は曲げモーメントM1に対して抵抗
力の高い構造体となるように構成する。即ち、ブレード
11に作用する捻りモーメントTは主として左右のアー
ム12、13が受け持ち、曲げモーメントM1は主とし
て中央アーム14が受け持つように構成している。この
実施形態の支持構造においては、連結固定部材15によ
ってそれぞれのアーム12〜14を固設しているので、
全体に曲げモーメントM1や捻りモーメントTが作用
し、一部のアームが曲げモーメントに強ければ、他の残
りのアームに作用する曲げモーメントは小さくなる。ま
た、捻りモーメントについても同様である。従って、全
体の強度のバランスをうまく取ることによって、全体を
コンパクトな形状に且つ軽量化することができる。
【0013】なお、本実施形態におけるアーム12、1
3はいわゆる捻り剛性を高め、且つ軽量化し、製造費の
コスト安とするために市場入手性のよい中空の鋼材、例
えば中空角形鋼材を使用している。また、アーム14は
中空丸形鋼材を使用している。これによって軽量化と必
要な強度の維持を図っている。
【0014】本実施形態は以上のように構成したので、
以下のように機能する。即ち、通常の整地作業において
は大きな圧縮力(P)と曲げモーメント(M1、M2)
が作用するが、曲げモーメントM1,M2は何れも小さ
い。圧縮力Pは3本のアーム12〜14に略均等に作用
する。従って、整地作業に対しては十分な強度が確保で
きる。また、アウトリガとして使用するときやジャッキ
アップのために使用する場合においては大きな曲げモー
メントM1が作用すると共に捻りトルクTが作用する可
能性がある。曲げモーメントM1に対しては中央アーム
14を設けているのでアーム12,13に作用するモー
メントは緩和され、サイズを大きくしたり、特別な材料
を使用しなくても十分な強度を得ることができる。ま
た、捻りトルクTに対しては連結固定部材15に3本の
アームを固設して、しかも左右のアーム12,13は捻
りに対して十分な強度の構造としたので大きな捻りトル
クTが作用した場合でも特別な材料を使用しなくても十
分な強度を得ることができる。また、本実施形態では左
右のアーム12,13に設けられた油圧ショベルの連結
部をそのまま使用しているので、従来装置に一部(連結
固定部材15と中央アーム14)を設けることにより実
現できるので、従来装置にも容易に適用できるという効
果もある。
【0015】なお、本発明の範囲は上記実施形態に記載
した技術的事項に限定されるものではなく、この発明の
要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明の
範囲に含まれる。例えば、支持アームは中空の棒材に限
られるものではなく、中実の材料を使用してもよい。ま
た、油圧ショベルとの連結部は連結固定部材に直接固設
してもよい。
【0016】
【発明の効果】本発明は3本のアームでブレードを支持
するようにしたので、従来装置のブレード支持構造に比
べて、曲げモーメントに強い、しかもコンパクトな支持
構造の実現が可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のブレード支持構造を示
す。
【図2】 従来のブレード支持構造並びに作用する力、
モーメントを示す。
【図3】 従来のブレード装置をアウトリガとして利用
する例を示す。
【図4】 従来のブレード装置をアウトリガとして利用
する別の例を示す。
【符号の説明】
11 ブレード 12 左アーム 13 右アーム 14 中央アーム 15 連結固定部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ショベルのブレードを3本のアー
    ムで支持し、前記アームの一端をブレードに固設すると
    共に、他端を連結固定部材に固設したことを特徴とする
    油圧ショベルのブレード構造。
  2. 【請求項2】 前記ブレード支持構造において、前記
    連結固定部材を両側に配置された前記アームのピン連結
    部が突出した状態で懸架、固設して、中央に設けたアー
    ムの前記他端を該連結固定部材に固設したことを特徴と
    する請求項1に記載の油圧ショベルのブレード構造。
  3. 【請求項3】 前記ブレード支持構造において、中央
    に設けたアームは曲げモーメントに強い構造体とし、両
    端に設けたアームは捻りモーメントに強い構造体とした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか1に記
    載の油圧ショベルのブレード構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011252298A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械の排土装置

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