JP2002256485A - コイルの製造方法 - Google Patents
コイルの製造方法Info
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】コイル部分の断面積が減少して、コイルの電気
抵抗値を十分に下げることができなかったり、コイルの
集積度を高めることが困難となる。 【解決手段】荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であ
り、基板上に電極用の金属層を形成し、その後、厚さが
0.1mm以上のレジストを塗布し、コイルを形成すべき領
域のレジストをリソグラフィーにより除去し、レジスト
が除去された領域に電鋳によって金属を成長させること
を特徴とするコイルの製造方法である。
抵抗値を十分に下げることができなかったり、コイルの
集積度を高めることが困難となる。 【解決手段】荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であ
り、基板上に電極用の金属層を形成し、その後、厚さが
0.1mm以上のレジストを塗布し、コイルを形成すべき領
域のレジストをリソグラフィーにより除去し、レジスト
が除去された領域に電鋳によって金属を成長させること
を特徴とするコイルの製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン、電子等の
荷電粒子線を用いた露光装置や観察装置に用いられるコ
イルの製造方法に関する。
荷電粒子線を用いた露光装置や観察装置に用いられるコ
イルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、半導体素子の微細化に伴い、電子ビームを使った露
光装置が開発されている。一方、電子顕微鏡、収束イオ
ンビームを使った顕微鏡や微細加工機も開発されてい
る。電子ビームは光に比べてビームの直進性が良いた
め、光よりも微細な形状を露光可能とされている。電子
線は数々の電磁レンズにより集光や偏向される。電磁レ
ンズとはコイルに電流を流し、それにより光軸上に磁場
を発生させ、ローレンツ力により荷電粒子の飛散方向を
制御するものである。
年、半導体素子の微細化に伴い、電子ビームを使った露
光装置が開発されている。一方、電子顕微鏡、収束イオ
ンビームを使った顕微鏡や微細加工機も開発されてい
る。電子ビームは光に比べてビームの直進性が良いた
め、光よりも微細な形状を露光可能とされている。電子
線は数々の電磁レンズにより集光や偏向される。電磁レ
ンズとはコイルに電流を流し、それにより光軸上に磁場
を発生させ、ローレンツ力により荷電粒子の飛散方向を
制御するものである。
【0003】しかし、近年、描画を行う線幅が微細化
し、露光装置に高い性能が要求されるようになった。一
方、コイルは一般にその製法が銅線をボビンに巻きつけ
ることにより製造されるため、コイル自身の位置精度を
高くすることができない。コイルの位置精度を高くする
事の可能なコイルとして、米国特許6153885号ではトロ
イダル型の偏向器を開示している。この偏向器は複数の
独立したコイル板(vane)を有しており、コイル板の両
面にコイルが配置されている。コイルは渦巻き形状であ
り、コイル基板を介して互いに電気的に接続されてい
る。このような構造によって機械的に高安定でかつ高精
度なコイルが供給される。ところで、コイルは電流を流
すことによって磁場を発生させるため、コイルの断面積
をできるだけ大きくとり抵抗率を下げることが好まし
い。このようなコイルの製法には種々の試みがなされて
いる。例えば、本出願人による出願である米国特許出願
09/471613ではアルミナ基板に無電解めっきにより薄い
銅層を形成し、その後、フォトリソグラフィーによりコ
イル形状にレジストをパターニングし、レジストをマス
クとし、レジストが露出された銅層を電極にして電気め
っきにより厚い銅層を形成する方法を開示している。そ
の他の手法としては、コイル状に形成された銅パターン
を基板に機械的にアライメントして熱膨張係数の低い接
着剤で接着する方法(米国特許出願09/325162)、基板
に形成された銅層をレーザマシニング技術で加工する方
法(米国特許出願09/589399)がある。
し、露光装置に高い性能が要求されるようになった。一
方、コイルは一般にその製法が銅線をボビンに巻きつけ
ることにより製造されるため、コイル自身の位置精度を
高くすることができない。コイルの位置精度を高くする
事の可能なコイルとして、米国特許6153885号ではトロ
イダル型の偏向器を開示している。この偏向器は複数の
独立したコイル板(vane)を有しており、コイル板の両
面にコイルが配置されている。コイルは渦巻き形状であ
り、コイル基板を介して互いに電気的に接続されてい
る。このような構造によって機械的に高安定でかつ高精
度なコイルが供給される。ところで、コイルは電流を流
すことによって磁場を発生させるため、コイルの断面積
をできるだけ大きくとり抵抗率を下げることが好まし
い。このようなコイルの製法には種々の試みがなされて
いる。例えば、本出願人による出願である米国特許出願
09/471613ではアルミナ基板に無電解めっきにより薄い
銅層を形成し、その後、フォトリソグラフィーによりコ
イル形状にレジストをパターニングし、レジストをマス
クとし、レジストが露出された銅層を電極にして電気め
っきにより厚い銅層を形成する方法を開示している。そ
の他の手法としては、コイル状に形成された銅パターン
を基板に機械的にアライメントして熱膨張係数の低い接
着剤で接着する方法(米国特許出願09/325162)、基板
に形成された銅層をレーザマシニング技術で加工する方
法(米国特許出願09/589399)がある。
【0004】一般に、コイルはコイルの線が多い(つま
り、アンペアターン数が大きい)ほど大きな磁場を発生
させることができるため、できるだけ線を密集させるこ
とができるように断面形状はできうる限り長方形にし
て、コイル側面の垂直性(急峻性)を高めることが好ま
しい。
り、アンペアターン数が大きい)ほど大きな磁場を発生
させることができるため、できるだけ線を密集させるこ
とができるように断面形状はできうる限り長方形にし
て、コイル側面の垂直性(急峻性)を高めることが好ま
しい。
【0005】しかし、通常のリソグラフィーによるパタ
ーニングでは厚い金属の側面を急峻にしてパターニング
することは難しい。そのため、コイル部分の断面積が減
少して、コイルの電気抵抗値を十分に下げることができ
なかったり、コイルの集積度を高めることが困難とな
る。
ーニングでは厚い金属の側面を急峻にしてパターニング
することは難しい。そのため、コイル部分の断面積が減
少して、コイルの電気抵抗値を十分に下げることができ
なかったり、コイルの集積度を高めることが困難とな
る。
【0006】本発明は、コイルの位置決め制度が高く、
しかもコイルの断面積の大きなコイルを基板上に形成す
る事の可能な方法を提供する事を目的とする。
しかもコイルの断面積の大きなコイルを基板上に形成す
る事の可能な方法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、荷電粒子線装置用のコイルの製造方法
であり、基板上に電極用の金属層を形成し、その後、厚
さが0.1mm以上のレジストを塗布し、コイルを形成すべ
き領域のレジストをリソグラフィーにより除去し、レジ
ストが除去された領域に電鋳によって金属を成長させる
ことを特徴とするコイルの製造方法である。
の第1の手段は、荷電粒子線装置用のコイルの製造方法
であり、基板上に電極用の金属層を形成し、その後、厚
さが0.1mm以上のレジストを塗布し、コイルを形成すべ
き領域のレジストをリソグラフィーにより除去し、レジ
ストが除去された領域に電鋳によって金属を成長させる
ことを特徴とするコイルの製造方法である。
【0008】本手段によれば、厚膜レジストを用いるた
め厚い金属をパターニングする事が可能であるため、金
属の厚さを電気抵抗値を下げるために必要とされる0.1
mm以上の厚さとしても、急峻なコイル側面を形成する
ことが可能であり、集積度を高くし、かつ、コイルの断
面積を大きくする事が可能となる。
め厚い金属をパターニングする事が可能であるため、金
属の厚さを電気抵抗値を下げるために必要とされる0.1
mm以上の厚さとしても、急峻なコイル側面を形成する
ことが可能であり、集積度を高くし、かつ、コイルの断
面積を大きくする事が可能となる。
【0009】前記課題を解決するための第2の手段は、
荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であり、基板上に
金属板を形成し、当該金属板のコイルを形成しない領域
をリソグラフィーによりマスキングし、マスキングされ
ていない領域の金属を高圧スプレーエッチングにより除
去することを特徴とするコイルの製造方法である。
荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であり、基板上に
金属板を形成し、当該金属板のコイルを形成しない領域
をリソグラフィーによりマスキングし、マスキングされ
ていない領域の金属を高圧スプレーエッチングにより除
去することを特徴とするコイルの製造方法である。
【0010】高圧スプレーエッチングによる金属の除去
は0.1mm以上の厚い金属板であってもコイル側面を急峻
にすることが可能であるため、上記手段と同様の作用効
果を有する。前記課題を解決するための第3の手段は、
荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であり、基板上に
金属板を形成し、当該金属板のコイルを形成しない領域
をリソグラフィーによりマスキングし、マスキングされ
ていない領域の金属をサンドブラストにより除去するこ
とを特徴とするコイルの製造方法である。
は0.1mm以上の厚い金属板であってもコイル側面を急峻
にすることが可能であるため、上記手段と同様の作用効
果を有する。前記課題を解決するための第3の手段は、
荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であり、基板上に
金属板を形成し、当該金属板のコイルを形成しない領域
をリソグラフィーによりマスキングし、マスキングされ
ていない領域の金属をサンドブラストにより除去するこ
とを特徴とするコイルの製造方法である。
【0011】サンドブラストによる金属の除去は0.1mm
以上の厚い金属板であってもコイル側面を急峻にするこ
とが可能であるため、上記手段と同様の作用効果を有す
る。前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1〜
3の手段であって、前記コイルは前記基板の上下面に形
成されており、上下面のリソグラフィーを両面アライナ
ーを用いて位置決めすることを特徴とするコイルの製造
方法である。
以上の厚い金属板であってもコイル側面を急峻にするこ
とが可能であるため、上記手段と同様の作用効果を有す
る。前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1〜
3の手段であって、前記コイルは前記基板の上下面に形
成されており、上下面のリソグラフィーを両面アライナ
ーを用いて位置決めすることを特徴とするコイルの製造
方法である。
【0012】両面アライナーを用いて上下面に形成され
るコイルの合わせ精度を10μm程度と高くする事が可能
となる。コイルの合わせ精度が悪いとコイルにより発生
させる磁場が歪み像がぼけるという影響があるが、本手
段によれば、その影響を低減できる。
るコイルの合わせ精度を10μm程度と高くする事が可能
となる。コイルの合わせ精度が悪いとコイルにより発生
させる磁場が歪み像がぼけるという影響があるが、本手
段によれば、その影響を低減できる。
【0013】前記課題を解決するための第5の手段は、
荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であり、基板上に
金属板を形成し、該金属板をマイクロエンドミルにより
加工することを特徴とするコイルの製造方法である。マ
イクロエンドミルによる金属の除去は0.1mm以上の厚い
金属板であってもコイル側面を急峻にすることが可能で
あるため、上記手段と同様の作用効果を有する。
荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であり、基板上に
金属板を形成し、該金属板をマイクロエンドミルにより
加工することを特徴とするコイルの製造方法である。マ
イクロエンドミルによる金属の除去は0.1mm以上の厚い
金属板であってもコイル側面を急峻にすることが可能で
あるため、上記手段と同様の作用効果を有する。
【0014】前記課題を解決するための第6の手段は、
第5の手段であって、前記マイクロエンドミルによる加
工は金属板下部を残して加工し、その後エッチングによ
り残された金属板下部を除去することを特徴とするコイ
ルの製造方法である。マイクロエンドミルの刃が細くな
るため、金属板と基板あるいは接着剤等との切削抵抗の
違いがあると切削速度を高くできなかったり、場合によ
れば刃が折れる可能性がある。本手段によれば、このよ
うな問題を解決することが可能となる。
第5の手段であって、前記マイクロエンドミルによる加
工は金属板下部を残して加工し、その後エッチングによ
り残された金属板下部を除去することを特徴とするコイ
ルの製造方法である。マイクロエンドミルの刃が細くな
るため、金属板と基板あるいは接着剤等との切削抵抗の
違いがあると切削速度を高くできなかったり、場合によ
れば刃が折れる可能性がある。本手段によれば、このよ
うな問題を解決することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】第1の実施例を図1を用いて説明す
る。第1の実施例では厚膜レジストと電鋳法を使い高精
度なコイルを作製する方法を説明する。まず、基板には
絶縁物であり、熱的に安定な石英を使用した。基板とし
ては熱膨張率が低い絶縁物であればアルミナ等の他の材
料であっても構わない。その石英1の上下面に、電鋳用
の電極である銀2をフォトリソグラフィーによりパター
ニングする(図1(a))。このパターニングは両面アライ
ナーを用いるため、面内のパターニング精度は1〜2μ
m、上下面のパターン合わせ制度は10μm程度であ
る。次に厚膜レジスト3を基板上面に0.5mm塗布し、アラ
イナーにてコイルとなる部分以外の部分がマスキングさ
れるようにパターニングする(図1(b))。マスクパター
ンの幅は0.25mm、パターン開口部の幅は0.5mmとした。
次に、基板全体を銅イオンを含むめっき溶液に浸し、銀
パターンに電流を流して銅4を厚み0.4mmで電鋳する(図
1(c))。この際、電流量とめっき処理の時間をコントロ
ールすることにより電鋳により堆積させた銅の厚みを1
0μm程度で制御できる。ここで、厚膜レジスト3の役
割であるが、通常の電鋳は等方的に進行するため、厚膜
レジスト3が無いと電鋳が横方向にも進行してしまい、
前述の垂直性(急峻性)が失われ好ましくない。厚膜レ
ジスト3で横方向の電鋳の成長方向を制限することによ
り、所望の銅コイルの形状を高精度に鋳造できる。その
後レジストを除去し、下面を再度上面と同様なプロセス
で、厚膜レジスト3で電鋳のマスク部分をパターニング
する(図1(d))。その後同様に電鋳を行って銅4を形
成し(図1(e))、レジスト3を除去すると、基板上に断
面積の大きな銅のコイルパターンを高精度に形成するこ
とができる(図1(f))。尚、銀2の変わりに他の材料を
用いても良いが、できるだけ基板1との密着度がよく、
電気低効率の低い材料が好ましい。例えば銅を用いるこ
とができる。また、銅4の変わりに他の材料を用いても
良いが、電鋳できる材料であり、抵抗率が低い材料が好
ましい。また、本例では銀2をパターニングして設けた
が、電鋳の電極として用いる点から鑑みると、パターニ
ングを最初に行わず、電鋳の電極としての役目を果たし
た後に除去することが好ましい。つまり、図1(f)の工程
まで銀層2を基板全体に設けておき、厚い銅4が形成さ
れた後に銀層2をウエットエッチング等により除去すれ
ば良い。この際、厚い銅4もエッチングされる可能性が
あるが、銀層2を薄い層(例えば、数μm程度)とすれ
ば、銅4は相対的に厚いので問題とならない。
る。第1の実施例では厚膜レジストと電鋳法を使い高精
度なコイルを作製する方法を説明する。まず、基板には
絶縁物であり、熱的に安定な石英を使用した。基板とし
ては熱膨張率が低い絶縁物であればアルミナ等の他の材
料であっても構わない。その石英1の上下面に、電鋳用
の電極である銀2をフォトリソグラフィーによりパター
ニングする(図1(a))。このパターニングは両面アライ
ナーを用いるため、面内のパターニング精度は1〜2μ
m、上下面のパターン合わせ制度は10μm程度であ
る。次に厚膜レジスト3を基板上面に0.5mm塗布し、アラ
イナーにてコイルとなる部分以外の部分がマスキングさ
れるようにパターニングする(図1(b))。マスクパター
ンの幅は0.25mm、パターン開口部の幅は0.5mmとした。
次に、基板全体を銅イオンを含むめっき溶液に浸し、銀
パターンに電流を流して銅4を厚み0.4mmで電鋳する(図
1(c))。この際、電流量とめっき処理の時間をコントロ
ールすることにより電鋳により堆積させた銅の厚みを1
0μm程度で制御できる。ここで、厚膜レジスト3の役
割であるが、通常の電鋳は等方的に進行するため、厚膜
レジスト3が無いと電鋳が横方向にも進行してしまい、
前述の垂直性(急峻性)が失われ好ましくない。厚膜レ
ジスト3で横方向の電鋳の成長方向を制限することによ
り、所望の銅コイルの形状を高精度に鋳造できる。その
後レジストを除去し、下面を再度上面と同様なプロセス
で、厚膜レジスト3で電鋳のマスク部分をパターニング
する(図1(d))。その後同様に電鋳を行って銅4を形
成し(図1(e))、レジスト3を除去すると、基板上に断
面積の大きな銅のコイルパターンを高精度に形成するこ
とができる(図1(f))。尚、銀2の変わりに他の材料を
用いても良いが、できるだけ基板1との密着度がよく、
電気低効率の低い材料が好ましい。例えば銅を用いるこ
とができる。また、銅4の変わりに他の材料を用いても
良いが、電鋳できる材料であり、抵抗率が低い材料が好
ましい。また、本例では銀2をパターニングして設けた
が、電鋳の電極として用いる点から鑑みると、パターニ
ングを最初に行わず、電鋳の電極としての役目を果たし
た後に除去することが好ましい。つまり、図1(f)の工程
まで銀層2を基板全体に設けておき、厚い銅4が形成さ
れた後に銀層2をウエットエッチング等により除去すれ
ば良い。この際、厚い銅4もエッチングされる可能性が
あるが、銀層2を薄い層(例えば、数μm程度)とすれ
ば、銅4は相対的に厚いので問題とならない。
【0016】次に、第2の実施例について図2を使い説
明する。第2の実施例ではスプレーエッチングという方
法によりコイルパターンを形成する。まず基板としては
第1の実施例と同様に石英1を使用する。その石英基板の
上下面に厚さ0.4mmの銅板5をエポキシ6により接着す
る(図2(a))。エポキシ6は基板1、銅5と同様な熱膨
張係数を有し、この係数が低いことが好ましい。その
後、基板1上面にレジスト7を塗布し、アライナーによ
り銅をエッチング除去したい部分に開口ができるように
パターニングする(図2(b))。次に、基板上面に銅をエ
ッチングできるエッチング液(塩化第2鉄溶液等)を高
圧でスプレーし、レジストから露出している部分の銅を
エッチング除去する(図2(c))。ここで、高圧のスプ
レーエッチングを用いることにより、銅のエッチング側
面を急峻にできる。その後、裏面にも同様なプロセスを
使い銅板をパターニングすることにより、基板上に断面
積の大きな銅のコイルパターンを高精度に形成すること
ができる(図2(d))。
明する。第2の実施例ではスプレーエッチングという方
法によりコイルパターンを形成する。まず基板としては
第1の実施例と同様に石英1を使用する。その石英基板の
上下面に厚さ0.4mmの銅板5をエポキシ6により接着す
る(図2(a))。エポキシ6は基板1、銅5と同様な熱膨
張係数を有し、この係数が低いことが好ましい。その
後、基板1上面にレジスト7を塗布し、アライナーによ
り銅をエッチング除去したい部分に開口ができるように
パターニングする(図2(b))。次に、基板上面に銅をエ
ッチングできるエッチング液(塩化第2鉄溶液等)を高
圧でスプレーし、レジストから露出している部分の銅を
エッチング除去する(図2(c))。ここで、高圧のスプ
レーエッチングを用いることにより、銅のエッチング側
面を急峻にできる。その後、裏面にも同様なプロセスを
使い銅板をパターニングすることにより、基板上に断面
積の大きな銅のコイルパターンを高精度に形成すること
ができる(図2(d))。
【0017】次に、第3の実施例について説明する。第2
の実施例では銅をエッチング除去したが、第3の実施例
ではサンドブラスト法により銅をブラスト処理する。こ
の点のみ異なり、その他のプロセスは第2の実施例と同
様である。ただし、図2(b)で使用したレジスト7はサ
ンドブラスト耐性の高いレジストを使う。その後、砂や
その他の砥粒を圧搾空気を使い基板上面に吹き付けるこ
とにより、レジストから露出している部分の銅5をブラ
スト除去する(図2(c))。裏面のプロセスは上面のプロ
セスと同様なため省略するが、サンドブラストを使って
も、銅5の加工側面を急峻にできる。そのため、基板上
に断面積の大きな銅のコイルパターンを高精度に形成す
ることができる(図2(d))。
の実施例では銅をエッチング除去したが、第3の実施例
ではサンドブラスト法により銅をブラスト処理する。こ
の点のみ異なり、その他のプロセスは第2の実施例と同
様である。ただし、図2(b)で使用したレジスト7はサ
ンドブラスト耐性の高いレジストを使う。その後、砂や
その他の砥粒を圧搾空気を使い基板上面に吹き付けるこ
とにより、レジストから露出している部分の銅5をブラ
スト除去する(図2(c))。裏面のプロセスは上面のプロ
セスと同様なため省略するが、サンドブラストを使って
も、銅5の加工側面を急峻にできる。そのため、基板上
に断面積の大きな銅のコイルパターンを高精度に形成す
ることができる(図2(d))。
【0018】次に、第4の実施例について図3を用いて
説明する。第4の実施例では、マイクロエンドミルを使
い銅板を加工することによりコイルを形成する。第2,
3の実施例と同様に、石英基板1上に厚さ0.4mmの銅
板5をエポキシ6を使い接着する(図3(a))。その後、
基板上面をマイクロエンドミル8によりコイルパターン
を機械加工する(図3(b))。この時の加工位置精度は10
μm程度である。ここで、マイクロエンドミルとは、通
常のエンドミル機械と同様の加工原理の機械に、直径が
0.25mm程度の非常に細いエンドミルの刃具を付け、それ
により加工を行うものであり、0.25mm幅の銅を加工除
去できる。ここで図3(b)に示すように、マイクロエンド
ミル加工時には、銅板5の最下部を10μm程度残して
加工する。これはマイクロエンドミルの刃8が細いた
め、銅5とエポキシ接着剤6あるいは石英基板1との切削
抵抗の違いがあると、切削速度を高くできなかったり、
場合によれば、刃8が折れてしまうためである。そのた
め、加工時には銅5部分のみ加工を行う。その後基板1裏
面も同様なマイクロエンドミル加工を行う。ここで、上
下面の加工位置合わせ制度は30μm程度である(図3
(c))。最後に塩化第2鉄溶液等のウエットエッチングに
より上下面の銅を数十μm程度(残した最下部の銅が全
てエッチングできる程度)エッチング除去することによ
り、加工したコイルパターンを分離する(図3(d))。こ
れにより基板上に断面積の大きな銅のコイルパターンを
高精度に形成することができる。
説明する。第4の実施例では、マイクロエンドミルを使
い銅板を加工することによりコイルを形成する。第2,
3の実施例と同様に、石英基板1上に厚さ0.4mmの銅
板5をエポキシ6を使い接着する(図3(a))。その後、
基板上面をマイクロエンドミル8によりコイルパターン
を機械加工する(図3(b))。この時の加工位置精度は10
μm程度である。ここで、マイクロエンドミルとは、通
常のエンドミル機械と同様の加工原理の機械に、直径が
0.25mm程度の非常に細いエンドミルの刃具を付け、それ
により加工を行うものであり、0.25mm幅の銅を加工除
去できる。ここで図3(b)に示すように、マイクロエンド
ミル加工時には、銅板5の最下部を10μm程度残して
加工する。これはマイクロエンドミルの刃8が細いた
め、銅5とエポキシ接着剤6あるいは石英基板1との切削
抵抗の違いがあると、切削速度を高くできなかったり、
場合によれば、刃8が折れてしまうためである。そのた
め、加工時には銅5部分のみ加工を行う。その後基板1裏
面も同様なマイクロエンドミル加工を行う。ここで、上
下面の加工位置合わせ制度は30μm程度である(図3
(c))。最後に塩化第2鉄溶液等のウエットエッチングに
より上下面の銅を数十μm程度(残した最下部の銅が全
てエッチングできる程度)エッチング除去することによ
り、加工したコイルパターンを分離する(図3(d))。こ
れにより基板上に断面積の大きな銅のコイルパターンを
高精度に形成することができる。
【0019】上述の通り、図1〜3を用いて本発明の実
施例を説明したが、本例におけるコイルは例えば、基板
1の両面に渦巻き状に配置されており、上下のコイルを
電気的に接続するため、基板1の一部に穴を設け、この
穴を介して電気的に接続されるよう処理が行われてい
る。
施例を説明したが、本例におけるコイルは例えば、基板
1の両面に渦巻き状に配置されており、上下のコイルを
電気的に接続するため、基板1の一部に穴を設け、この
穴を介して電気的に接続されるよう処理が行われてい
る。
【0020】本発明のコイルは電磁偏向器、非点補正器
等の各種電磁レンズに使用することが可能である。
等の各種電磁レンズに使用することが可能である。
【0021】
【発明の効果】上述した通り、従来の巻き線型コイルと
比べ位置精度が高く、また、コイルを構成する金属の厚
さを厚くしてもコイル側面を急峻にすることが可能なた
め、コイルの集積度を高くすることができ、また、コイ
ルの断面積を大きくすることができる。
比べ位置精度が高く、また、コイルを構成する金属の厚
さを厚くしてもコイル側面を急峻にすることが可能なた
め、コイルの集積度を高くすることができ、また、コイ
ルの断面積を大きくすることができる。
【図1】本発明の第1の実施形態によるコイルの製造方
法を示す。
法を示す。
【図2】本発明の第2の実施形態によるコイルの製造方
法を示す。
法を示す。
【図3】本発明の第3の実施形態によるコイルの製造方
法を示す。
法を示す。
1…石英基板 2…銀の層 3…厚膜レジスト 4…銅の厚い層 5…銅板 6…エポキシ 7…レジスト 8…マイクロエンドミルの刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23F 4/00 C23F 4/00 Z C25D 5/02 C25D 5/02 B H01J 37/141 H01J 37/141 Z 37/147 37/147 C H01L 21/027 H01L 21/30 541A
Claims (6)
- 【請求項1】荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であ
り、基板上に電極用の金属層を形成し、その後、厚さが
0.1mm以上のレジストを塗布し、コイルを形成すべき領
域のレジストをリソグラフィーにより除去し、レジスト
が除去された領域に電鋳によって金属を成長させること
を特徴とするコイルの製造方法。 - 【請求項2】荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であ
り、基板上に金属板を形成し、当該金属板のコイルを形
成しない領域をリソグラフィーによりマスキングし、マ
スキングされていない領域の金属を高圧スプレーエッチ
ングにより除去することを特徴とするコイルの製造方
法。 - 【請求項3】荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であ
り、基板上に金属板を形成し、当該金属板のコイルを形
成しない領域をリソグラフィーによりマスキングし、マ
スキングされていない領域の金属をサンドブラストによ
り除去することを特徴とするコイルの製造方法。 - 【請求項4】請求項1,2,3のいずれか1項に記載の
方法において、 前記コイルは前記基板の上下面に形成されており、上下
面のリソグラフィーを両面アライナーを用いて位置決め
することを特徴とするコイルの製造方法。 - 【請求項5】荷電粒子線装置用のコイルの製造方法であ
り、基板上に金属板を形成し、該金属板をマイクロエン
ドミルにより加工することを特徴とするコイルの製造方
法。 - 【請求項6】請求項5に記載の製造方法において、 前記マイクロエンドミルによる加工は金属板下部を残し
て加工し、その後エッチングにより残された金属板下部
を除去することを特徴とするコイルの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001056098A JP2002256485A (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | コイルの製造方法 |
US10/080,885 US20020112963A1 (en) | 2001-02-22 | 2002-02-22 | Methods for fabricating high-precision thermally stable electromagnetic coils |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001056098A JP2002256485A (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | コイルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002256485A true JP2002256485A (ja) | 2002-09-11 |
Family
ID=18916174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001056098A Pending JP2002256485A (ja) | 2001-02-22 | 2001-03-01 | コイルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002256485A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269217A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Rohm Co Ltd | 電子装置、ならびにそれを利用した表示装置およびセンサ |
-
2001
- 2001-03-01 JP JP2001056098A patent/JP2002256485A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269217A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Rohm Co Ltd | 電子装置、ならびにそれを利用した表示装置およびセンサ |
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