JPH08138223A - 薄膜磁気ヘッドスライダの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドスライダの製造方法

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JPH08138223A
JPH08138223A JP27625194A JP27625194A JPH08138223A JP H08138223 A JPH08138223 A JP H08138223A JP 27625194 A JP27625194 A JP 27625194A JP 27625194 A JP27625194 A JP 27625194A JP H08138223 A JPH08138223 A JP H08138223A
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JP
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slider
rail
chip
processing
air bearing
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Application number
JP27625194A
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English (en)
Inventor
Hideki Sonobe
秀樹 薗部
Yoshiharu Waki
義晴 脇
Atsushi Amatatsu
篤志 天辰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ヘッドスライダの加工方法において、直接的な
スライダレール面の形成やスライダ単位の加工を行うこ
とにより、量産性良く、低コストに、安定低浮上するヘ
ッドスライダを提供する。 【構成】空気ベアリング面を呈するレールを有する型の
磁気ヘッドスライダの製造方法であって、素子形成され
た基板から切り出されたスライダブロックを研削・ラッ
プする工程と、それを加工用治具に固定する工程と、高
エネルギービームの照射により直接的にスライダレール
面を形成する工程と、これをスライダチップ切断する工
程と、そのチップを加工用治具から脱離する工程と、ス
ライダチップを洗浄する工程と、その被加工面をラップ
する工程と、その被加工面に保護膜を形成する工程とか
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録装置に用いら
れる磁気ヘッドの製造方法に係わり、特に精密微細加工
を必要とする安定低浮上薄膜磁気ヘッド用スライダの製
造方法、及びそれを用いた薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置においては、情
報量の増大とともに高記録密度化が要求されている。こ
のため、記録媒体への記録、並びに記録媒体からの再生
を行う薄膜磁気ヘッドには、磁気ディスク面上で安定低
浮上することが要求され、これを達成するためのヘッド
スライダ加工の高精度化が重要となっている。
【0003】従来から薄膜磁気ヘッドのスライダ加工は
主として機械加工によって行われてきたが、微細化や曲
面を含む複雑なレール形状等の必要性から、機械加工に
は限界があり、新たな加工方法の開発が望まれていた。
すなわち、機械加工では非直線的な形状の加工を量産性
良く行うことが困難であることから、ヘッドスライダの
安定低浮上化の為に必要な曲線や複雑な直線の組み合わ
せからなるレール形状を量産加工することは不可能であ
った。
【0004】近年、ヘッド浮上量は0.1ミクロン以下
となっており、これを達成するためには、各種曲線形状
のレールを有する負圧型スライダなどが必要である。同
時に、ヘッドを0.05ミクロン程度の隙間で安定浮上
させるためにはレール幅やヘッド平面度が高精度に形成
される必要がある。具体的には数百ミクロンのレール幅
の場合、加工寸法のばらつきとしては、数ミクロン以下
が要求される。
【0005】また、ヘッド平面度については、ナノメー
ターオーダーでのコントロールが必要とされている。こ
の点からも新しい高精度加工法や新加工プロセスの開発
が望まれていた。また、当然のことながら、加工中に素
子ダメージを与えたり、汚れや異物等が付着したりしな
いことも不可欠である。
【0006】従来の機械加工に替る加工法として、予め
形成されたエッチングマスクの上からサンドブラスト法
によりスライダを加工したり、最近では自由なレール形
状を精度良く加工する方法として、半導体製造プロセス
で行われているフォトエッチング技術(例えば、Vacuum,
38,(11),1007-9(1988))を用いるプロセスが提案され
ている。サンドブラスト法では、加工精度や加工深さば
らつき等の点で不十分であるものの、フォトエッチング
プロセスを用いる方法では精度良く加工することが可能
である。しかし、フォトエッチングプロセスにおいても
スライダが小型化されるに伴って、エッチングマスクの
形成などが量産上の隘路になりつつある。
【0007】磁気ヘッドスライダ材はディスクに対する
摺動性能から、通常、アルミナチタンカーバイト、酸化
チタン、アルミナなどのセラミック焼結体からなってお
り、これらは、一般的にドライエッチングされにくい材
料である。このため、ある程度深く加工するためには、
ドライエッチング時に使用するエッチングマスク材を厚
くする必要があった。また、スライダレール幅精度を上
げる為には、マスク材の膜厚ばらつきを小さくする必要
があった。
【0008】磁気ヘッドスライダ加工プロセスはウェハ
プロセスとは異なり、ウェハから砥石切断された細長い
ブロック上に加工する必要がある。この為、レジストを
均一に塗布すること、加工時のダメージ等を防止するた
めにブロック側面を保護すること、などウェハプロセス
にはない困難さを抱えている。また、量産性向上の観点
から、スライダブロックを多数個並べて加工することも
要求されている。スライダブロックは上述したように、
素子形成されたウェハより切り出される為、ある程度の
厚みばらつきが生じる。従って、レジストマスク材は凹
凸のある複数個のブロック上に形成される必要がある。
【0009】このようなスライダブロック上にレジスト
マスク材を形成する方法として、ウェハプロセスで用い
られているスピン塗布法が採用できないことから、例え
ば、液状レジストをロールコートする方法、スクリーン
印刷する方法、あるいはフィルム状レジストをラミネー
トする方法などが検討されている。液状レジストを塗布
する場合には、特に膜厚むらがないように、気泡を巻き
込んだりしないようにプロセスの適正化が必要である。
フィルム状レジストを使用する場合、汎用的なものは数
十ミクロンの厚みがあり、ドライエッチング耐性が小さ
い為、加工精度の低下がないように工夫することが必要
である。特に、スライダが小型化(ピコスライダ、サブ
ピコスライダなど)された場合、精度良くエッチングマ
スクを形成することは困難であった。
【0010】露出する際、複数個のスライダブロック
を同時に露光する方法と、スライダブロック単位で露
光する方法に大別される。方法では、スライダブロッ
クを加工用治具に精度良くセットすることが必要であ
り、方法では、スライダブロックを加工用治具にある
程度の精度でセットすれば良いが、露光装置としては高
価なステッパー(逐次投影露光装置)が必要となる。ド
ライエッチング装置は機械加工装置に比べて高価である
ため、量産的には高速エッチングが必要であるととも
に、安価な装置を用いて高精度に加工するプロセスの開
発が望まれていた。
【0011】更に、近年、磁気ヘッドの一層の安定低浮
上化、磁気ディスク円板への粘着防止等の観点から、ス
ライダ平面度(例えば、クラウン、キャンバー、ツイス
トなどで表現される。)の一層の安定化が要求されてい
る。このため、スライダ面の研削・ラッププロセスを適
正化し、スライダの平面度をナノメーターオーダーで管
理することが必要とされている。チップ切断により発生
する内部応力等によりスライダ平面度が劣化することを
防止する為に、チップ切断した後にスライダレール加工
を施したり、チップ切断した後、あるいはスライダチッ
プをサスペンションに接着した後HGAの状態でラップ
を施すことなども要求されている。
【0012】以上のような状況から、エッチングマスク
を用いることなく、高精度かつ簡便にスライダレール加
工を行なうプロセス開発が望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た従来技術のヘッドスライダの加工方法における問題点
を解決することにあり、量産性良く、低コストに、安定
低浮上するヘッドスライダを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、空気ベア
リング面を呈するレールを有する形の磁気ヘッドスライ
ダの形成方法、並びに安定低浮上する磁気ヘッドスライ
ダの製造プロセスについて種々検討した結果、スライダ
材の被加工面に加工用マスク等を形成することなく、エ
キシマレーザーやイオンビームを直接的に照射し、スラ
イダレールを形成すれば良いことを見い出した。また、
ヘッド製造プロセスをトータル的に検討し、本方法で
は、要求目的に応じスライダレールを形成した後、チッ
プ切断しても良く、先にチップ切断してからチップ単位
でスライダレール加工も可能であることを見出した。
【0015】具体的な検討結果について以下に述べる。
【0016】現在、ヘッドスライダ材としてはディスク
に対する摺動性から主にアルミナ、酸化チタン、アルミ
ナチタンカーバイトなどのセラミック焼結体からなって
おり、これらはエッチングされにくい材料である。特
に、アルミナチタンカーバイトのように2種以上の材料
の焼結体からなるものでは、それらの被加工性が異なる
為、均一に加工する為には加工プロセス条件を適正化す
ることが必要である。
【0017】このようなヘッドスライダ材を直接的に加
工する(アブレーション)方法として、エネルギー密度
の高いイオンビームやエキシマレーザービームを減圧下
で照射すれば良いことを見出した。イオンビームとして
は数十〜数百keVのアルゴンやガリウムを用いること
ができ、エキシマレーザービームとしては数J/cm2
以上のF2(157nm)レーザー、ArF(193n
m)レーザー、KrF(248nm)レーザー、Xec
l(308nm)レーザーなどを用いることができる。
被加工物の材質により照射強度、照射時間、周波数(レ
ーザーの場合、パルス繰り返し数)などを最適化すれ
ば、加工面を精度良く形成することができる。
【0018】なお、このようなセラミックスのアブレー
ションの場合、飛散物が加工面以外の所に付着し、外観
不良を来すことがある。これを防止する為に、発明者ら
は材料・プロセスを種々検討した結果、高エネルギービ
ームによるスライダレール面加工の前に、予めスライダ
ブロック(又はチップ)に溶剤除去(湿式除去)可能な
有機膜を形成すれば良いことを見出した。このような有
機膜を形成する方法として、有機ポリマーを有機(また
は水系)溶剤に溶かした溶液を用いたディップコート
法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、スピンコー
ト法などの湿式(ウェット)成膜法や有機物をプラズマ
重合させたり、蒸着重合させたりする乾式(ドライ)成
膜法があげられる。これらに使用する有機膜としては、
レール面加工後有機溶剤や水系溶剤等によって簡単に付
着物とともに除去(リフトオフ除去)されることが望ま
しい。湿式成膜法に使用される材料として、ポリアクリ
ル酸メチル等のアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル等のメタクリル酸樹脂、ポリビニルアルコール等の水
溶性樹脂やポリスチレン樹脂、ノボラック樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等の可溶性樹脂があげられる。また、乾式成膜法
に使用される材料として、メタクリル酸メチル、スチレ
ン等をプラズマ重合した膜、ジアミン化合物と酸二無水
化合物とから蒸着重合により得たポリアミック酸等があ
げられる。これらの有機被膜は目的に応じ、0.1〜1
0ミクロン厚で使用される。
【0019】また、同様に、レール加工後に被加工面を
ラップすることにより、飛散物の除去が可能である事を
見出し、外観不良のない清浄なスライダレール面を得る
ことができた。
【0020】以下、アルミナチタンカーバイドのエキシ
マレーザーアブレーションを例にとり、その概要を図1
に示したヘッドスライダ製造工程図に従って説明する。
同図1に示すスライダ材料として、アルミナチタンカー
バイドを用いた。素子形成された基板から切り出された
スライダブロック2を研削・ラップした後、加工用治具
4にワックス又はフィルム(又は液状)接着剤で固定し
た。
【0021】次に、得られたスライダチップに対し、こ
のスライダブロックを下記に示すエキシマレーザーアブ
レーション法により、チップ単位でスライダレールの加
工を行なった。
【0022】すなわち、縮小光学系機能を有するエキシ
マレーザー照射装置を用い、所望のマスクパターン(薄
膜誘導体マスク又はメタルマスクを使用)から1/5〜
1/20に縮小したレーザー光を減圧下でスライダブロ
ック5に照射し、アルミナチタンカーバイトを直接的に
アブレーションし、スライダレールの加工を行なった。
エキシマレーザー光として、ArF(193nm)、K
rF(248nm)、Xecl(308nm)等につい
て検討したが、いずれの条件でも最適化すれば加工が可
能であることを確認した。
【0023】さらに、このレール加工されたスライダブ
ロック6を電鋳砥石によりスライダチップ7に切断し、
その後、スライダチップをラップして1とした。
【0024】最後に、MR(Magnetro Res
istive)素子端子の腐食防止や耐摺動性向上の観
点から、スパッタシリコン膜及びスパッタカーボン膜か
らなるABS(Air Bearing Surfac
e)保護膜を数〜十数nm厚で形成し、8とした。
【0025】一例として、KrF(248nm)エキシ
マレーザーを用いた場合、照射強度20J/cm2、周
波数100Hz、25ショットで約5ミクロン深さのレ
ール加工を行なうことができた。パルスレーザーのショ
ット数と加工深さとの間にはほぼ相関がある。また、ア
ルミナチタンカーバイドのように、2種以上の材料から
なるセラミックスではそれぞれの加工性が異なる為、加
工条件により加工面粗さが大きくなる場合が認められた
が、あるレーザー強度以上の光(この場合、15〜20
J/cm2以上)を用いることにより、加工面粗さ(R
a)を0.5ミクロン以下(条件により、0.1ミクロ
ン以下にすることも可能)にすることができた。
【0026】アブレーション時の蒸発物が被加工面以外
の所に付着するのを防止するために、図2に示すよう
に、溶剤除去可能な有機被膜(例えば、ポリメタクリル
酸メチルを約5ミクロン厚に塗布)を設け、エキシマレ
ーザーアブレーション後、付着物をリフトオフ的にアセ
トン等の有機溶剤に浸漬すれば良いことを見出した。
【0027】また、上記ABS(Air Bearin
g Surface)保護膜は、MR(Magnetr
o Resistive)素子端子の腐食防止や耐摺動
性向上の観点から、スパッタシリコン(Si)膜及びス
パッタカーボン(C)膜を数〜十数nm厚で形成する
が、その保護膜材料として、スパッタC、水素入りC、
CVD−C、スパッタSi、CVD−C、SiC、Si
N、F化C、SiO2等を、用いるディスク潤滑剤の濡
れ性が良いまたは悪いという観点から選択し、スライダ
表面に形成することにより、磁気ディスク円板への粘着
防止に効果があることを見出した。また、その形成工程
を、スライダチップのラップ工程後とすることにより、
ABS保護膜をレール面上のみならず、被加工面にも形
成でき、粘着防止効果(及び潤滑剤のスライダへの付着
防止効果)を高めることができた。
【0028】
【作用】本発明の薄膜磁気ヘッドスライダの製造方法及
びそれを用いた薄膜磁気ヘッドでは、高精度、高歩留
り、高スループットでスライダレールを形成することが
でき、このスライダを用いることにより安定低浮上可能
な薄膜磁気ヘッドを生産することが可能となる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を具体的実施例を用いて説明す
る。但し、これに限定される訳ではない。
【0030】(実施例1)図1に示したスライダの製造
工程図に従って説明すると、同図1に示すスライダ材料
として、アルミナチタンカーバイトを用いた。素子形成
された基板から切り出されたスライダブロック2を研削
・ラップした後、加工用治具4にワックス又はフィルム
(又は液状)接着剤で固定した。
【0031】次に、下記に示すエキシマレーザーアブレ
ーション法により、加工用レジストマスクを形成するこ
となく、直接的にスライダレールの加工を行なった。
【0032】すなわち、縮小光学系機能を有するエキシ
マレーザー照射装置を用い、所望のマスクパターンから
1/10に縮小したレーザー光をスライダブロック5に
照射し、アルミナチタンカーバイドを直接的にアブレー
ションし、スライダレールの加工を行なった後、このス
ライダブロックを電鋳砥石によりスライダチップ7に切
断した。エキシマレーザー光として、ArF(193n
m)、KrF(248nm)、Xecl(308nm)
等について検討したが、いずれの条件でも最適化すれば
加工が可能であることを確認した。
【0033】一例として、KrF(248nm)エキシ
マレーザーを用いた場合、照射強度20mJ/cm2
周波数100Hz、25ショットで約5ミクロン深さの
レール加工を行なうことができた。パルスレーザーのシ
ョット数と加工深さとの間にはほぼ相関があり、この条
件下では約0.2ミクロン/ショットで加工された。ま
た、アルミナチタンカーバイドのように、2種以上の材
料からなるセラミックスではそれぞれの加工性が異なる
為、加工条件により加工面粗さが大きくなる場合が認め
られたが、あるレーザー強度以上の光(この場合、15
〜20J/cm2)を用いることにより、加工面粗さ
(Ra)を0.5ミクロン以下(条件により、0.1ミ
クロン以下にすることも可能)にすることができた。
【0034】上記エキシマレーザーアブレーションを行
なう際、蒸発物が被加工面以外の所に付着する場合も認
められたが、(1)減圧下で照射する、(2)予め、溶
剤除去可能な有機被膜を設け、エキシマレーザーアブレ
ーション後、付着物をリフトオフ的に除去できることを
確認した。例えば、このような有機被膜として、ポリビ
ニルアルコールの水溶液やポリメタクリル酸メチルの有
機溶液を約5ミクロン厚にコーティングしたり、メタク
リル酸メチルの気相重合膜やポリアミド等の蒸着膜を約
3ミクロン厚に被覆すれば良いことを確認した。
【0035】次に、7のレール面をラップして、レール
面が加工されたスライダ1を得た。最後に、スパッタシ
リコン膜及びスパッタカーボン膜からなるABS保護膜
を形成した。加工されたスライダレールは精度良く形成
され、スライダ側面やスライダ非加工面には付着物やダ
メージもなく、極めて良好なスライダが得られたことを
確認した。
【0036】また、従来の加工用レジストマスクを用い
てイオンミリング等で加工するプロセスに比べて、大幅
にプロセス合理化された。得られたスライダは平面度等
も安定しており、スライダを形成する上で極めて良好な
方法であることを確認した。また、このヘッドスライダ
を用いて作成したHGAを組み込んだ装置はスライダが
安定低浮上する磁気ディスクとなることを確認した。
【0037】(実施例2)本実施例では、チップ切断し
てから、スライダレールを形成するプロセスについて、
図3に示したスライダの製造工程図に従って、以下に具
体的に説明する。
【0038】素子形成された基板から切り出したスライ
ダブロック2を研削・ラップした後、加工用治具4にフ
ィルム接着剤で固定した後、ポリ(メタクリル酸メチ
ル)の被膜を約3ミクロン厚に形成した。次に、上記ス
ライダブロック12を砥石により、スライダチップ13
に切断した。次に、ArF(193nm)を用いた縮小
投影形(1/15)エキシマレーザー照射装置により、
照射強度15J/cm2、周波数50Hz、50ショッ
トでスライダチップ単位で照射し、約10ミクロン深さ
でレール加工を行なった。
【0039】その後、アセトン洗浄することによりポリ
(メタクリル酸メチル)被膜を除去した。このようにし
て得られたスライダチップのレール面(浮上面)を個別
にラップし、レール平面度(クラウン、ツイスト、キャ
ンバー)を安定化した。このようにして得られたスライ
ダ1は精度良くレール形成され、付着物やダメージもな
く、極めて良好なスライダが歩留り良く得られることを
確認した。最後に、MRヘッドの素子端子の腐食防止等
の観点から、スパッタ成膜法によりSiCからなるAB
S保護膜を10nm厚に形成した。得られたスライダ8
は、レール形状、平面度とも安定しており、極めて安定
して浮上するスライダであることを確認し、スライダを
形成する上で極めて良好な方法であることを確認した。
【0040】(実施例3)図4に示したスライダの製造
工程図に従って、以下に具体的に説明する。
【0041】素子形成された基板から切り出したスライ
ダブロック2を研削・ラップした後、加工用治具4にフ
ィルム接着剤で固定した。次に、ArF(193nm)
を用いた縮小投影形(1/15)エキシマレーザー照射
装置により、照射強度15J/cm2、周波数50H
z、33ショットでスライダチップ単位で照射し、約6
ミクロン深さでレール加工を行なった。次に、上記スラ
イダブロック6を砥石により、スライダチップ7に切断
した。
【0042】このようにして得られたスライダは精度良
くレール形成され、付着物やダメージもなく、極めて良
好なスライダが歩留り良く得られることを確認した。
【0043】このようにして得られたスライダチップを
サスペンションに接着した後、スライダの素子端子にデ
ィスク装置との接続用配線を接続しヘッドジンバルアセ
ンブリ(HGA)15とした。その後、HGAのスライ
ダ上のレール面(浮上面)を個別にラップし、レール平
面度(クラウン、ツイスト、キャンバー)を安定化し
た。最後に、MRヘッドの素子端子の腐食防止等の観点
から、スパッタ成膜法によりSiCからなるABS保護
膜を8nm厚に形成した。得られたスライダは、レール
形状、平面度とも安定しており、極めて安定して浮上す
るスライダであることを確認し、スライダを形成する上
で極めて良好な方法であることを確認し、また、このH
GA16を組み込んだ装置はスライダが安定低浮上する
磁気ディスク装置となることを確認した。
【0044】(実施例4)図5に示したスライダの製造
工程図に従って、以下に具体的に説明する。
【0045】素子形成された基板から切り出したスライ
ダブロック2を研削・ラップした後、加工用治具4にフ
ィルム接着剤で固定した後、ポリアミド樹脂の被膜を約
5ミクロン形成した。このスライダブロックを電鋳砥石
によりスライダチップ13に切断した。
【0046】次に、KrF(248nm)を用いた縮小
投影形(1/15)エキシマレーザー照射装置により、
照射強度20mJ/cm2、周波数100Hz、32シ
ョットでスライダチップ単位で照射し、約6ミクロン深
さでレール加工を行なった。
【0047】その後、N−メチル−2−ピロリドン洗浄
することによりポリアミド樹脂被膜を除去した。このよ
うにして得られたスライダ1は精度良くレール形成さ
れ、付着物やダメージもなく、極めて良好なスライダが
歩留り良く得られることを確認した。
【0048】このようにして得られたスライダチップ1
をサスペンションに接着した後、スライダの素子端子に
ディスク装置との接続用配線を接続しヘッドジンバルア
センブリ(HGA)15とした。その後、HGAのスラ
イダ上のレール面(浮上面)を個別にラップし、レール
平面度(クラウン、ツイスト、キャンバー)を安定化し
た。最後に、MRヘッドの素子端子の腐食防止等の観点
から、スパッタ成膜法によりC/Si2層膜からなるA
BS保護膜を15nm厚に形成した。得られたスライダ
は、レール形状、平面度とも安定しており、極めて安定
して浮上するスライダであることを確認し、スライダを
形成する上で極めて良好な方法であることを確認し、ま
た、このHGA16を組み込んだ装置はスライダが安定
低浮上する磁気ディスク装置となることを確認した。
【0049】以下に比較例を示し、本発明の有効性評価
の資料とする。
【0050】比較例 実施例1と同様にして得たスライダチップに、液状レジ
スト(東京応化工業製OFPR−800)でエッチング
マスクを形成し、アルゴンイオンミリングによりスライ
ダレール加工を行なった。実施例に比べてプロセスが長
くなり、レジストを均一に塗布することが困難である為
か、加工精度も充分とは言えなかった。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、比
較的簡便な加工プロセスで曲線や直線の組み合わせから
なる複雑な形状のレールを得ることができ、安定低浮上
する磁気ヘッドスライダが得られ、これを用いることに
より高記録密度な磁気ディスク装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例のスライダレール加工方法の
工程説明図である。
【図2】本発明のスライダレール加工方法の工程説明図
である。
【図3】実施例2のスライダレール加工方法の工程説明
図である。
【図4】実施例3のスライダレール加工方法の工程説明
図である。
【図5】実施例4のスライダレール加工方法の工程説明
図である。
【符号の説明】
1…レール形成されたスライダ、 2…素子形成された基板から切り出されたスライダブロ
ック、 3…研削・ラップされたスライダブロック、 4…加工用治具、 5…治具上に接着されたスライダブロック、 6…レール加工されたスライダブロック、 7…レール加工されたスライダチップ、 8…ABS保護膜が形成されたスライダ、 9…溶剤除去可能な有機被膜が形成されたスライダチッ
プ、 10…有機被膜上に加工時の蒸発物が付着したスライダ
チップ、 11…付着物をリフトオフ的に除去したスライダチッ
プ、 12…溶剤除去可能な有機被膜が形成されたスライダブ
ロック、 13…溶剤除去可能な有機被膜が形成されたスライダチ
ップ、 15…ヘッドジンバルアセンブリ、 16…ABS保護膜が形成されたヘッドジンバルアセン
ブリ、 17…溶剤除去可能な有機被膜が形成されたスライダチ
ップ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レールを有する形の磁気ヘッドスライダの
    製造方法であって、ヘッド素子が形成された基板から切
    り出されたスライダブロックの少なくとも浮上面を研削
    する工程と、高エネルギービームを照射してスライダレ
    ール面を加工する工程と、このスライダブロックをスラ
    イダチップに切断する工程と、切断されたスライダチッ
    プを洗浄する工程と、このスライダチップの浮上面をラ
    ップする工程と、スライダ材に保護膜を形成する工程と
    を有することを特徴とする磁気ヘッドスライダの製造方
    法。
  2. 【請求項2】空気ベアリング面を呈するレールを有する
    形の磁気ヘッドスライダの製造方法であって、ヘッド素
    子の形成された基板から切り出されたスライダブロック
    の被加工面を研削する工程と、そのスライダブロックを
    加工用治具に固定する工程と、スライダブロックをスラ
    イダチップに切断する工程と、切断されたスライダチッ
    プを治具に固定したままで洗浄する工程と、高エネルギ
    ービームをチップ単位で照射し、直接的にスライダレー
    ル面を加工する工程と、このレール形成されたスライダ
    チップを前記加工用治具から脱離する工程と、スライダ
    チップを洗浄する工程と、このスライダチップの浮上面
    をラップする工程と、スライダ材に保護膜を形成する工
    程とからなることを特徴とする磁気ヘッドスライダの製
    造方法。
  3. 【請求項3】磁気ヘッドのスライダレールを形成する方
    法において、素子が形成された基板から切り出されたス
    ライダブロックの被加工面を研削する工程と、高エネル
    ギービームを照射し、直接的にスライダレール面を加工
    する工程と、このスライダブロックをスライダチップに
    切断する工程と、スライダチップを洗浄する工程と、こ
    のスライダチップの浮上面をラップする工程と、このス
    ライダチップをサスペンションに接着する工程と、スラ
    イダの素子端子にディスク装置との接続用配線を接続す
    る工程と、このヘッドジンバルアセンブリ(HGA)に
    保護膜を形成する工程とからなることを特徴とする磁気
    ヘッドジンバルアセンブリの製造方法。
  4. 【請求項4】空気ベアリング面を呈するレールを有する
    形の磁気ヘッドスライダの製造方法であって、スライダ
    材の被加工面に加工用マスク等を形成することなく、直
    接的にスライダレールを形成する方法において、素子形
    成された基板から切り出されたスライダブロックの浮上
    面と裏面を研削・ラップする工程と、そのスライダブロ
    ックを被加工面(ヘッド浮上面)を上にして加工用治具
    に固定する工程と、スライダブロックをスライダチップ
    に切断する工程と、切断されたスライダチップを治具上
    で洗浄する工程と、高エネルギービーム(イオンビーム
    又はエキシマレーザービーム)をチップ単位で照射し、
    直接的にスライダレール面を加工する工程と、このレー
    ル形成されたスライダチップを前記加工用治具から脱離
    する工程と、スライダチップを洗浄する工程と、このス
    ライダチップの浮上面をラップする工程と、このスライ
    ダチップをサスペンションに接着する工程と、スライダ
    の素子端子にディスク装置との接続用配線を接続する工
    程と、このヘッドジンバルアセンブリ(HGA)に保護
    膜を形成する工程とからなることを特徴とする磁気ヘッ
    ドジンバルアセンブリの製造方法。
  5. 【請求項5】空気ベアリング面を呈するレールを有する
    形の磁気ヘッドスライダの製造方法であって、スライダ
    材の被加工面に加工用マスク等を形成することなく、直
    接的にスライダレールを形成する方法において、素子形
    成された基板から切り出されたスライダブロックの浮上
    面と裏面を研削・ラップする工程と、そのスライダブロ
    ックを被加工面(ヘッド浮上面)を上にして加工用治具
    に固定する工程と、高エネルギービーム(イオンビーム
    又はエキシマレーザービーム)の照射により直接的にス
    ライダレール面を加工する工程と、このレール形成され
    たスライダブロックをスライダチップに切断する工程
    と、切断されたスライダチップを前記加工用治具から脱
    離する工程と、スライダチップを洗浄する工程と、この
    スライダチップをサスペンションに接着する工程と、ス
    ライダの素子端子にディスク装置との接続用配線を接続
    する工程と、このヘッドジンバルアセンブリ(HGA)
    の状態でスライダチップの浮上面をラップする工程と、
    このHGAに保護膜を形成する工程とからなることを特
    徴とする磁気ヘッドジンバルアセンブリの製造方法。
  6. 【請求項6】空気ベアリング面を呈するレールを有する
    形の磁気ヘッドスライダの製造方法であって、スライダ
    材の被加工面に加工用マスク等を形成することなく、直
    接的にスライダレールを形成する方法において、素子形
    成された基板から切り出されたスライダブロックの浮上
    面と裏面を研削・ラップする工程と、そのスライダブロ
    ックを被加工面(ヘッド浮上面)を上にして加工用治具
    に固定する工程と、スライダブロックをスライダチップ
    に切断する工程と、切断されたスライダチップを治具上
    で洗浄する工程と、高エネルギービーム(イオンビーム
    又はエキシマレーザービーム)をチップ単位で照射し、
    直接的にスライダレール面を加工する工程と、このレー
    ル形成されたスライダチップを前記加工用治具から脱離
    する工程と、スライダチップを洗浄する工程と、このス
    ライダチップをサスペンションに接着する工程と、スラ
    イダの素子端子にディスク装置との接続用配線を接続す
    る工程と、このヘッドジンバルアセンブリ(HGA)の
    状態でスライダチップの浮上面をラップする工程と、こ
    のHGAに保護膜を形成する工程とからなることを特徴
    とするヘッドジンバルアセンブリの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6における、高エネルギービー
    ムの照射により直接的にスライダレール面を加工する方
    法において、予めスライダブロック又はチップに溶剤除
    去(湿式除去)可能な有機被膜を形成し、高エネルギー
    ビームによる加工の際の付着物の除去を可能とする方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG90178A1 (en) * 1999-11-04 2002-07-23 Tdk Corp Ic chip, head suspension assembly with the ic chip, manufacturing method of the ic chip and manufacturing method of the head suspension assembly
US6667854B2 (en) 1999-09-16 2003-12-23 Alps Electric Co., Ltd. Magnetic head having head element protected from electrostatic damage, and production method therefor
US6757964B2 (en) 1998-05-06 2004-07-06 Tdk Corporation Apparatus for manufacturing sliders
JPWO2009069230A1 (ja) * 2007-11-30 2011-04-07 東芝ストレージデバイス株式会社 ヘッドスライダの製造方法、ヘッドスライダ、および記憶装置

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