JP2002249890A - コイルの製造方法 - Google Patents

コイルの製造方法

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JP2002249890A
JP2002249890A JP2001046002A JP2001046002A JP2002249890A JP 2002249890 A JP2002249890 A JP 2002249890A JP 2001046002 A JP2001046002 A JP 2001046002A JP 2001046002 A JP2001046002 A JP 2001046002A JP 2002249890 A JP2002249890 A JP 2002249890A
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Japan
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coil
substrate
manufacturing
copper
masking
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JP2001046002A
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English (en)
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Ichirou Ono
五千郎 小野
Masami Masuko
正美 益子
Akira Okada
明 岡田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
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  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】荷電粒子線装置用のコイルは、できるだけ線を
密集させることができるように、断面形状は長方形にし
て、コイル側面の垂直性を高めることが好ましい。しか
し通常のリソグラフィーによるパターニングでは、厚い
金属の側面を急峻にすることは困難である。この点を解
決し、コイル断面積を大きくして電気抵抗値を十分に下
げ、コイルの集積度を高める。 【解決手段】基板上11にフォトレジスト等のマスキン
グによりコイル形状のパターンを形成し、このパターン
上に電鋳16によりコイルを形成した後マスキングを除
去する。マスキングの高さを所望のコイル断面高さより
も高くする。例として、薄い銅の層14を蒸着し、これ
を電極として、銅めっき16を電鋳した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン、電子等の
荷電粒子線を用いた露光装置や観察装置に用いられるコ
イルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、半導体素子の微細化に伴い、電子ビームを使った露
光装置が開発されている。一方、電子顕微鏡、収束イオ
ンビームを使った顕微鏡や微細加工機も開発されてい
る。電子ビームは光に比べてビームの直進性が良いた
め、光よりも微細な形状を露光可能とされている。電子
線は数々の電磁レンズにより集光や偏向される。電磁レ
ンズとはコイルに電流を流し、それにより光軸上に磁場
を発生させ、ローレンツ力により荷電粒子の飛散方向を
制御するものである。
【0003】しかし、近年、描画を行う線幅が微細化
し、露光装置に高い性能が要求されるようになった。一
方、コイルは一般にその製法が銅線をボビンに巻きつけ
ることにより製造されるため、コイル自身の位置精度を
高くすることができない。コイルの位置精度を高くする
事の可能なコイルとして、米国特許6153885号ではトロ
イダル型の偏向器を開示している。この偏向器は複数の
独立したコイル板(vane)を有しており、コイル板の両
面には互いに鏡像となる形状でコイルが配置されてい
る。コイルは渦巻き形状であり、コイル基板を介して互
いに電気的に接続されている。このような構造によって
機械的に高安定でかつ高精度なコイルが供給される。と
ころで、コイルは電流を流すことによって磁場を発生さ
せるため、コイルの断面積をできるだけ大きくとり抵抗
率を下げることが好ましい。このようなコイルの製法に
は種々の試みがなされている。例えば、本出願人による
出願である米国特許出願09/471613ではアルミナ基板に
無電解めっきにより薄い銅層を形成し、その後、フォト
リソグラフィーによりコイル形状にレジストをパターニ
ングし、レジストをマスクとし、レジストが露出された
銅層を電極にして電気めっきにより厚い銅層を形成する
方法を開示している。その他の手法としては、コイル状
に形成された銅パターンを基板に機械的にアライメント
して熱膨張係数の低い接着剤で接着する方法(米国特許
出願09/325162)、基板に形成された銅層をレーザマシ
ニング技術で加工する方法(米国特許出願09/589399)
がある。
【0004】一般に、コイルはコイルの線が多い(つま
り、アンペアターン数が大きい)ほど大きな磁場を発生
させることができるため、できるだけ線を密集させるこ
とができるように断面形状はできうる限り長方形にし
て、コイル側面の垂直性(急峻性)を高めることが好ま
しい。
【0005】しかし、通常のリソグラフィーによるパタ
ーニングでは厚い金属の側面を急峻にしてパターニング
することは難しい。そのため、コイル部分の断面積が減
少して、コイルの電気抵抗値を十分に下げることができ
なかったり、コイルの集積度を高めることが困難とな
る。
【0006】本発明は、コイルの位置決め精度が高く、
しかもコイルの断面積の大きなコイルを基板上に形成す
る事の可能な方法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、基板上にマスキングを形成し、該マス
キングをマスクとして金属をパターニングする事により
荷電粒子線装置用のコイルを製造する方法であって、前
記マスキングの高さを所望のコイル断面高さよりも高く
することを特徴とするコイルの製造方法である。
【0008】本手段では、コイルを構成する金属をパタ
ーニングするためのマスキングを製作すべきコイルの断
面高さよりも高くしているため、マスキングの側面の垂
直性にならったコイル側面を形成することができる。そ
のため、コイル側面の垂直性を向上させることができる
ので、厚い金属を用いることができ、断面積を大きくす
る事が可能となる。
【0009】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、前記マスキングの形成に光造
形技術を用いることを特徴とするコイルの製造方法であ
る。光造形技術を用いることにより、所望のマスキング
を所望の位置に配置することが可能となる。
【0010】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記マスキングの形成手法にフォトレジストを用いるこ
とを特徴とするコイルの製造方法である。レジストを製
造すべきコイルの断面高さよりも高くすることにより、
コイルの断面積を大きくする事が可能となる。
【0011】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1〜3の手段であって、前記マスキングを形成す
る前に薄い金属層を形成し、前記マスキングが施されて
いない領域に電鋳により金属を堆積させる事を特徴とす
る請求項1に記載のコイルの製造方法である。
【0012】電鋳により金属を堆積させるため、比較的
厚い金属層を形成することができ、また、マスキングに
より側面の垂直性を高めることができるので、断面積の
大きなコイルを作製することが可能となる。前記課題を
解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、
前記薄い金属層は活性金属層であることを特徴とするコ
イルの製造方法である。
【0013】活性金属層は基板との密着性が高いためコ
イルが基板からはがれにくくなる。例えば、Cu−Ag
−Tiを用いることができ、800−900℃で焼成す
ることにより密着性を高めることができる。例えば基板
にアルミナを用いて電鋳用の電極に銅を用いる場合に、
共晶結合により銅をアルミナに密着させる場合に必要な
温度よりも低くすることができる。高温で焼成すると電
極用の金属が劣化する可能性があるため、焼成温度を低
くすることができる事は好ましい。この様な手法は、例
えば、特開平6-264220号公報や特開平6-5763号公報に開
示されている。
【0014】前記課題を解決するための第6の手段は、
荷電粒子線装置用のコイルを製造する方法であって、基
板の片面または両面に凹面状溝を形成し、該溝内にコイ
ル材料を充填することによりコイルパターンを形成する
ことを特徴とするコイルの製造方法である。
【0015】凹面状溝の側壁を用いることによって、コ
イル側面の垂直性を高めることが可能となり、コイルの
高集積度及びコイルの断面積を大きくさせることが可能
となる。前記課題を解決するための第7の手段は、前記
第6の手段であって、前記溝に充填されるコイル材料は
前記溝の高さよりも高く充填され、その後、コイル断面
高さが所望の高さとなるように充填されたコイル材料の
上部を機械加工あるいは研磨により除去することを特徴
とするコイルの製造方法である。
【0016】本手段によれば、コイルの断面を矩形にし
てその面積を安定させることができるため高安定なコイ
ルを提供することが可能となる。前記課題を解決するた
めの第8の手段は、前記第6の手段であって、前記溝の深
さを所望のコイル断面高さよりも大きく形成することを
特徴とするコイルの製造方法である。
【0017】本手段によれば常にコイルの側面に溝側面
が位置されるためコイル側面の垂直性を向上させること
ができ、コイルの断面積を大きくする事が可能となる。
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第6〜8の
手段であって、前記溝を機械加工により形成することを
特徴とするコイルの製造方法である。
【0018】溝を機械加工により形成することにより、
機械加工精度に応じた溝側面を形成することが可能とな
る。前記課題を解決するための第10の手段は、前記第1
〜9の手段であって、前記基板の両面に前記コイルが形
成されていることを特徴とするコイルの製造方法であ
る。
【0019】基板の両面にコイルがあるため、アンペア
ターン数をかせぐことができ、より効率的なコイルを提
供することが可能となる。前記課題を解決するための第
11の手段は、前記第10の手段であって、前記基板の両面
に形成されるコイルは基板に設けられた基準パターンを
用いて位置合わせされることを特徴とするコイルの製造
方法である。
【0020】基準パターンを用いることによって両面に
形成されるコイル同士の位置合わせが精度良く行うこと
ができる。ここで言う基準パターンはフォトリソグラフ
ィーで用いられているアライメントマーク等の他に基板
に用いられた貫通穴や基板の側面等も含むものである。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のコイル製造工程
の一実施例を示す断面図であり、以下にその製造方法を
説明する。基板11の材料には石英材を用い、寸法は、
φ100mm厚さ2mmである。基板表面は研削加工に
より、Ra0.2(μm)に平滑化してある。
【0022】(1)レジスト塗布:まず、基板11の片
側表面上にネガ型ドライフィルム(日本応化製:α45
0)を垂下し、スピンナーを使用して一定条件にて基板
を回転させ、レジスト12を5μmの厚さに均一に塗布
する。塗布後は、80℃のオーブン中で10分間のベー
クを行なった後、オーブン中から取り出して冷却する。
冷却後、基板の他方の表面上に、同様の作業を繰り返す
(図1(a))。
【0023】(2)露光:次に、光の未透過部分が所望
のコイル形状を有する各表面用の露光マスク13aを用
い、前記基板の両面に形成されたフォトレジストを露光
する。マスクは、両面対称にパターンニングされたクロ
ム製のガラス乾板を使用した。露光時の両面の精度合わ
せは、位置合わせマークを使用することにより約10μ
mである(図1(b))。
【0024】(3)現像:露光後は、現像液にて前記フ
ォトレジストの現像を行うことで、所望のレジストパタ
ーンが形成される(図1(c))。 (4)蒸着:次に、前記レジストパターンを有する基板
の両面上に、厚さが500〜1000オングストローム
の銅14を蒸着させる(図1(d))。
【0025】(5)レジスト剥離:銅を蒸着させた後、
基板を専用のフォトレジスト剥離液に浸漬し、基板上か
ら、フォトレジストを除去する。この時に、フォトレジ
スト上に付着した銅も同時に除去される。これにより、
石英表面のみに蒸着した銅が残存し、厚さが500〜1
000オングストロームで幅が0.6mm銅製の所望の
コイル形状が基板の両面に形成される。これが銅めっき
時の導通膜(電極)となるものである。コイルの電気抵
抗値を小さくするためには、コイルの断面積を大きくす
る。即ち、このコイルの厚さを厚くする必要があるた
め、めっき法により前記銅製コイル上に銅めっき皮膜を
析出させる。しかしながら、このまま銅めっきを行って
も、めっきの特性として、厚さ方向よりも横方向にめっ
きが析出していくため、厚さ方向のみに銅めっきが析出
することを促すために、前記で形成した銅の周囲にマス
キングを行う。ここでは、フォトリソグラフィー法を用
いる(図1(e))。
【0026】(6)厚膜レジスト塗布と露光:基板の各
表面に、ネガ型フォトレジスト15(マイクロケミカル
社SU−8)を垂下し、スピンナーを使用して、レジス
トを0.5mmの厚さに均一に塗布する。スピンナーの
条件は、回転数500rpmで5〜15秒、次に回転数
の加速を200rpm/s2で上げていき、最終回転数
1200rpmで15秒とした。塗布後は、80℃のオ
ーブン中で10分間のベークを行なった後、オーブン中
から取り出して冷却する。次に、前記で使用した露光マ
スクと同じパターンのマスク13bを用い位置合わせマ
ークを使用して、合わせ精度1〜2μmにてセットす
る。前記基板のフォトレジストを露光する。露光には3
50〜400nmのUV光を使用した。また、露光エネ
ルギーは1300mJ/cm2とした。露光後は、ホッ
トプレート上で80℃5分行った(図1(f))。
【0027】(7)現像:その後、自然冷却させレジス
トが室温になったところで現像液に入れて現像する。現
像を行うことで、先に形成した、厚さが500〜100
0オングストロームで幅が0.6mmの銅製の所望コイ
ル形状部分が露出する。それ以外の部分は、フォトレジ
スト部となり、これが銅めっき時のマスキングとなる
(図1(g))。
【0028】(8)電鋳:次に、銅製のコイル形状部分
の先端めっき接点部とメッキ治工具を固定し、所定のめ
っき前処理を行った後、硫酸銅を主成分とする銅めっき
液中で、100平方センチメートル当たり3アンペアの
割合で算出した電流で14時間めっきを行い、0.5m
mの膜厚の銅めっき16を基板の回路上に形成する(図
1(h)。
【0029】(9)剥離:めっき後に、基板を専用のフ
ォトレジストの剥離液に浸漬し、基板上から、フォトレ
ジストを除去する。これにより、片側のコイルが完成す
る。裏面のコイル作製は、同様な工程を行い、石英を基
板とした両面対象な銅製コイルが完成した(図1
(i))。
【0030】尚、本例では基盤として石英を用いたが、
同様に低熱膨張なアルミナ等のセラミックスを用いるこ
とも可能である。また、本例では、蒸着により薄い銅の
層14を形成したが、無電解めっき等の他の方法によっ
て形成しても良い。また、薄い銅の層14を電極として
銅めっき16を電鋳したが、銅の層14が予めパターニ
ングされていると局所的に電流が流れにくくなり電鋳に
よる銅の堆積が一様とならない場合がある。このような
場合には図2を用いた実施例の活性金属層を形成する工
程を本例の薄い銅層14を形成する工程に置き換えて、
図2の実施例による手順でコイルを製造することが好ま
しい。
【0031】図2は、本発明のコイル製造工程の他実施
例を示す断面図であり、以下にその製造方法を説明す
る。 (1)活性金属形成:まず、アルミナ基板21の両面に
活性金属のペーストを20μm程度形成し、その後80
0−900℃で焼成する(図2(a))。
【0032】(2)厚膜レジスト塗布:基板の各表面
に、ネガ型フォトレジスト15(マイクロケミカル社S
U−8)を垂下し、スピンナーを使用して、レジストを
0.5mmの厚さに均一に塗布する。スピンナーの条件
は、回転数500rpmで5〜15秒、次に回転数の加
速を200rpm/s2で上げていき、最終回転数12
00rpmで15秒とした。塗布後は、80℃のオーブ
ン中で10分間のベークを行なった後、オーブン中から
取り出して冷却する(図2(b))。
【0033】(3)露光:次に、前述の実施例で使用し
た露光マスクと同じパターンのマスク24を用い位置合
わせマークを使用して、合わせ精度1〜2μmにてセッ
トする。前記基板のフォトレジストを露光する。露光に
は350〜400nmのUV光を使用した。また、露光
エネルギーは1300mJ/cm2とした。露光後は、
ホットプレート上で80℃5分行った(図2(c))。
【0034】(4)現像:その後、自然冷却させレジス
トが室温になったところで現像液に入れて現像する。現
像を行うことで、先に形成した、活性金属層22のコイ
ルを形成すべき領域が露出する。それ以外の部分は、フ
ォトレジスト部となり、これが銅めっき時のマスキング
となる(図1(d))。
【0035】(5)電鋳:次に、活性金属層22のめっ
き接点部とメッキ治工具を固定し、所定のめっき前処理
を行った後、硫酸銅を主成分とする銅めっき液中で、1
00平方センチメートル当たり3アンペアの割合で算出
した電流で14時間めっきを行い、0.5mmの膜厚の
銅めっき25を活性金属層22上に形成する(図2
(e))。
【0036】(6)剥離:めっき後に、基板を専用のフ
ォトレジストの剥離液に浸漬し、基板上から、フォトレ
ジストを除去する。(図1(i))。 (7)エッチング:コイル形成部以外の活性金属層22
を除去するために液体ホーニング、ブラスト等の物理的
エッチングまたは化学的エッチング液に浸漬し、不要な
活性金属層22を除去する。この際、銅めっき25もエ
ッチングされるが、銅めっき25の厚さに比べて活性金
属層22の厚さが十分に薄いため問題とはならない(図
2(g))。
【0037】図3は、本発明のコイル製造工程の他実施
例を示す断面図であり、以下にその製造方法を説明す
る。基板31の材料には石英材を用い、寸法は、φ10
0mm厚さ2mmである。基板表面は研削加工により、
Ra0.2に平滑化してある。電鋳に必要な電極作製の
工程は、図1の実施例と同じであり、厚さ方向のみに銅
めっきが析出することを促すためのマスキングとして、
光造形法を用いる点のみが異なる。つまり、図3(a)-
(e)の工程は図1(a)-(e)の工程と同一である。そのた
め、ここでは図3(a)-(e)の説明は省略し、図3(f)の工
程から説明する。
【0038】(6)光造形:基板を光造形装置の樹脂
(例えば、ラジカル重合型アクリレート系樹脂)槽中
に、光造形を形成する表面側を上に向けて、樹脂の液面
から0.1mmの深さに浸漬する。次いで、所望のコイ
ル形状に基づいて作成した図形データによって、ビーム
光を走査し、前記コイル形状を成す銅部の周囲を囲う形
状に光造形樹脂の固化層35を形成する。固化層を形成
後、基板の方向はそのままで、再び樹脂の液面から0.
1mmの深さに浸漬し、同様に固化層の形成を行い、こ
れを全部で6回行うことで、厚さが0.6mmの固化層
が形成される。更に、基板の他方の表面にも同様の作業
を繰り返し行い、固化層を形成する。これが、銅めっき
時のマスキングとなる(図3(f))。
【0039】(7)電鋳:次に、銅製のコイル形状部分
の先端めっき接点部とメッキ治工具を固定し、所定のめ
っき前処理を行った後、硫酸銅を主成分とする銅めっき
液中で、100平方センチメートル当たり3アンペアの
割合で算出した電流で14時間めっきを行い、0.5m
mの膜厚の銅めっき36を基板の回路上に形成する(図
3(g))。
【0040】(8)剥離:めっき後に、基板を専用の光
造形樹脂専用の剥離液に浸漬し、基板上から、光造形樹
脂を除去する。これにより、コイルが完成する(図3
(h))。図4は、本発明のコイル製造工程の他実施例を
示す断面図であり、以下にその製造方法を説明する。
【0041】基板31の材料には快削性セラミックスを
用いた。 (1)セラミックスへの溝加工:先ず、基板41の片側
表面上に、マシニングセンターを用い所望のコイル形状
と同形状の溝42を加工する所定のプログラムに基づい
て、溝を砥石にて形成する。溝形成を開始するときの基
準位置は、予め決めておく。この時の溝の寸法は幅が
0.6mm、深さは0.5mmである。次いで、基板の
他方の表面上にも、基準位置から反対面と対称となる所
望のコイル形状と同形状の溝を同じ寸法で加工する。基
準位置を決めておくことによる両面の位置精度は、約1
0μmである。基準位置としては基準用に貫通孔を設け
ても良いし、基板の側面垂直性が高ければ基板の側面を
基準位置に用いても良い(図4(a))。
【0042】(2)蒸着:次に、前記溝加工した基板の
両面上に、厚さが500〜1000オングストロームの
銅43を蒸着させる。所望のコイルを得るためには、前
記溝内の銅の厚さを厚くする必要があるため、めっき法
により前記溝内の銅製コイル上に銅めっき皮膜を析出さ
せる(図4(b))。
【0043】(3)電極の形成:上記の状態で銅めっき
を行っても、溝以外の部分に銅めっきが析出するため、
溝の底部位外の銅を除去する。先ず、基板の表面部に析
出した銅を研磨加工して除去する。更に、溝の側壁部に
析出した銅を、マシニングセンターを用い所定のプログ
ラムに基づいて、除去加工を行う。これによって、溝の
底部のみに銅が残存した状態となり、これが銅めっき時
の導通膜(電極)となるものである(図4(c))。
【0044】(4)電鋳:次に、前記溝内の銅の先端め
っき接点部とメッキ治工具を固定し、所定のめっき前処
理を行った後、硫酸銅を主成分とする銅めっき液中で、
100平方センチメートル当たり3アンペアの割合で算
出した電流で14時間めっきを行い、0.5mmの膜厚
の銅めっき44を基板の回路上に形成する(図4
(d))。
【0045】(5)研磨:めっき後に、基板表面上に突
出して析出した銅は、研磨加工して除去する。これによ
り、コイルが完成する(図4(e))。尚、本例では、電
鋳させる銅めっき44の高さを溝の高さよりも高くし、
研磨によってコイルの断面高さを調節したが、溝の高さ
の方を高くし、銅めっきの析出時間を制御することによ
ってコイルの断面高さを制御しても良い。また、研磨を
用いているが他の機械的な加工方法によって銅めっき層
を除去しても良い。
【0046】上述の通り、図1−4を用いて本発明の実
施例を説明したが、本例におけるコイルは例えば、基板
の両面に渦巻き状に互いに鏡像となる関係で配置されて
おり、上下のコイルを電気的に接続するため、基板の一
部に穴を設け、この穴を介して2つのコイルが電気的に
接続されるよう処理が行われている。
【0047】本発明のコイルは電磁偏向器、非点補正器
等の各種電磁レンズに使用することが可能である。この
ようなコイルを電子線等の荷電粒子線を用いた露光装
置、観察装置に用いることによって精度の高い露光や観
察が行うことが可能となる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光造形
技術および厚膜フォトレジストによるマスキング手法と
電鋳技術を合わせた手法を用い、また基板に凹状の溝を
形成しそこへ銅を充填させる手法を用いて、高精度でか
つコイルの断面積を大きくして電気抵抗値を小さくでき
る、電磁レンズの製造方法が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の実施例によるコイルの製造方法を
示す。
【図2】は、本発明の実施例によるコイルの製造方法を
示す。
【図3】は、本発明の実施例によるコイルの製造方法を
示す。
【図4】は、本発明の実施例によるコイルの製造方法を
示す。
【符号の説明】
11,21,31,41…基板 12,15,23,32…レジスト 13,24,33…マスク 35…光造形樹脂 42…溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H05K 1/16 B 5E343 H05K 1/16 3/00 P 5F056 3/00 3/10 E 3/10 3/18 D 3/18 G 3/22 B 3/22 H01L 21/30 541B Fターム(参考) 2H097 GA00 LA20 4E351 AA07 BB09 BB26 BB31 BB32 BB33 CC01 CC06 CC11 CC16 CC20 CC21 DD04 GG09 GG20 5C033 GG01 5E062 DD01 FF01 5E070 AA01 AB04 BA01 CB01 5E343 AA23 BB02 BB03 BB14 BB24 BB71 BB72 CC62 DD02 DD43 DD76 ER12 ER18 ER49 ER58 FF12 GG06 GG08 GG13 5F056 EA05 EA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にマスキングを形成し、該マスキン
    グをマスクとして金属をパターニングする事により荷電
    粒子線装置用のコイルを製造する方法であって、 前記マスキングの高さを所望のコイル断面高さよりも高
    くすることを特徴とするコイルの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法であって、 前記マスキングの形成に光造形技術を用いることを特徴
    とするコイルの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の製造方法であって、 前記マスキングの形成手法にフォトレジストを用いるこ
    とを特徴とするコイルの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製
    造方法であって、 前記マスキングを形成する前に薄い金属層を形成し、前
    記マスキングが施されていない領域に電鋳により金属を
    堆積させる事を特徴とする請求項1に記載のコイルの製
    造方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の製造方法であって、 前記薄い金属層は活性金属層であることを特徴とするコ
    イルの製造方法。
  6. 【請求項6】荷電粒子線装置用のコイルを製造する方法
    であって、基板の片面または両面に凹面状溝を形成し、
    該溝内にコイル材料を充填することによりコイルパター
    ンを形成することを特徴とするコイルの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の製造方法であって、 前記溝に充填されるコイル材料は前記溝の高さよりも高
    く充填され、その後、コイル断面高さが所望の高さとな
    るように充填されたコイル材料の上部を機械加工あるい
    は研磨により除去することを特徴とするコイルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の製造方法であって、 前記溝の深さを所望のコイル断面高さよりも大きく形成
    することを特徴とするコイルの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項6乃至8のいずれか1項に記載の製造
    方法であって、 前記溝を機械加工により形成することを特徴とするコイ
    ルの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製
    造方法であって、 前記基板の両面に前記コイルが形成されていることを特
    徴とするコイルの製造方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の製造方法であって、 前記基板の両面に形成されるコイルは基板に設けられた
    基準パターンを用いて位置合わせされることを特徴とす
    るコイルの製造方法。
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