JP5097985B2 - 電鋳型の製造方法、電鋳型及び電鋳部品の製造方法 - Google Patents

電鋳型の製造方法、電鋳型及び電鋳部品の製造方法 Download PDF

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Description

本願発明は微細部品を製造するための電鋳型の製造方法、電鋳型、及び電鋳部品の製造方法、特に2個の型構成層を厚さ方向に積み重ねた形状の電鋳型の製造方法、電鋳型及び電鋳部品の製造方法に関する。
電鋳法は、大量生産に適しており、様々な部品製造に用いられている。電鋳法を実施する際には、電鋳型が用いられる。電鋳型の中には、2個の型構成層を厚さ方向に積み重ねた、いわゆる2層構造のものがある。
このような2層構造の電鋳型の製造方法として、特許文献1には、1層目の型構成層となるレジスト層に対して第1のマスクにより所要部分を露光し、続いて、1層目のレジスト層上に形成された2層目の型構成層となるレジスト層に対して第2のマスクにより所要部分を露光し、その後それらレジスト層の不要な部分を現像により除去する技術が記載されている。
また、特許文献2には、回転式マスクを用い、1層目の型構成層となるレジスト層に対して回転式マスクの一部分を用いて所要部分を露光し、続いて、1層目のレジスト層上に形成された2層目の型構成層となるレジスト層に対して、前記回転式マスクを回転し、このマスクの前記とは異なる部分を用いて所要部分を露光し、その後それらレジスト層の不要な部分を現像により除去する技術が記載されている。
特開平11−15126号公報 特開平10−245692号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、第1のマスクと第2のマスクとを正確に位置合わせすることが難しく、これらマスク間に生じる相対的な位置ずれが、電鋳型の精度を向上させる上で大きな問題となっていた。
この点は、特許文献2に記載された技術でも同様であり、回転式マスクを回転する際に、1層目のレジスト層を覆う部分と2層目のレジスト層を覆う部分との間で位置ずれが生じ、この位置ずれが原因で、電鋳型の精度を向上させることができないという問題があった。
特に、このような2層構造の電鋳型によって例えば流体動圧軸受を製造する場合、流体動圧軸受の外形部分と渦巻状の溝部分とがずれて所望の同心度が出せなくなると、軸受け性能に支障を来たす。
本願発明は、このような従来の電鋳型の製造方法が有していた問題を解決しようとするものであり、1層目のパターンを形成するときと2層目のパターンを形成するときのマスクの正確な位置合わせが不要となり、しかも、1層目のパターンと2層目のパターンの位置ずれがほとんど生じることのない、電鋳型の製造方法、電鋳型及び電鋳部品の製造方法を提供するものである。
本願発明の電鋳型の製造方法は、2個の型構成層を厚さ方向に積み重ねた形状の電鋳型を製造する電鋳型の製造方法であって、透明基板の上側に、1層目と2層目とのそれぞれの型構成層を形成するときに用いる共通パターンと1層目の型構成層を形成するときのみ用いられ前記共通パターンの溝として形成される1層目固有パターンとを有するマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記マスクパターンの上側に1層目の型構成層となる第1のレジスト層を形成する第1のレジスト層形成工程と、前記透明基板の下側から前記マスクパターンを介して前記第1のレジスト層を露光する第1の露光工程と、
前記第1のレジスト層の上側に2番目の型構成層となる第2のレジスト層を形成する第2のレジスト層形成工程と、前記透明基板の下側から前記1層目固有パターンを覆った状態で、前記透明基板の下側から前記マスクパターンを介して前記第2のレジスト層を露光する第2の露光工程と、前記第1のレジスト層及び前記第2のレジスト層の未露光部分を除去する現像工程と、有することを特徴とする。
この電鋳型の製造方法によれば、固定されたマスクパターンに、1層目と2層目とのそれぞれの型構成層を形成するときに共通する共通パターンを有しており、第1の露光工程と第2の露光工程では、それぞれ共通の固定されたマスクパターンを介して露光を行うため、マスクパターンの位置合わせ工程が不要となり、しかも、1層目と2層目とのそれぞれの型構成層を形成するときのマスクパターン相互の位置ずれがほとんど生じない。
本願発明の電鋳型の製造方法は、前記第2の露光工程の後に、前記第2のレジスト層の上側から、補助マスクを介して前記第2のレジスト層及び前記第1のレジスト層の共通する一部分を露光する第3の露光工程を有することが好ましい。
これにより、補助マスクによって、同時に第1、第2のレジスト層の一部分を露光するので、例えば、第1層目の型構成層と第2層目の型構成層との間で、共通する部分、例えば電鋳型の中央に凸部を形成するような場合等に好適に用いることができ、これによって、効率がよくしかも第1のレジスト層と第2のレジスト層との間でずれが生じにくい露光が行える。
本願発明の電鋳型の製造方法は、前記透明基板の上面にアンカーメタル層を形成するアンカーメタル層形成工程を有し、前記マスクパターン形成工程では、前記アンカーメタル層の上面に前記マスクパターンを形成することが好ましい。
これにより、アンカーメタル層を、電鋳工程で、電極同士の通電部分として利用することができ、別途、通電部分を形成する場合に比べて、簡単な構成で通電部分を形成することができる。また、マスクパターンの透明基板への定着強度を高めることもできる。
本願発明の電鋳型の製造方法は、前記第1のレジスト層の上面であって前記1層目固有パターンの上方に対応する箇所に、電極用の導電層を形成する導電層形成工程を有することが好ましい。
これにより、電鋳工程で、金属が析出されて導電層に達した時点で、この導電層が新たに電鋳用の電極として機能することとなり、1層目固有パターンの近傍にいわゆる巣が生じるのを未然に防止できる。
本願発明の電鋳型の製造方法は、前記第1及び第2のレジスト層が、化学増幅型のフォトレジスト材料によって形成されることが好ましい。
これにより、化学増幅型のフォトレジスト材料では、PEBを実施する際に、酸が拡散するため、実質的に露光部分が拡がることとなり、マスクに通電用の微細な配線等が存するために生じがちな未露光部分を露光部分に代えるときなど有益である。
本願発明の電鋳型の製造方法は、前記電鋳型が流体動圧軸受を形成する型であり、前記1層目固有パターンを用いることで前記1層目の型形成層のうち前記流体動圧軸受の動圧溝に対応する型形成層が形成されることが好ましい。
また、本願発明の電鋳型の製造方法は、前記共通パターンを用いることで前記流体動圧軸受の外形の型形成層となる前記1層目の型形成層と前記2層目の型形成層とが形成されることが好ましい。
さらに、本願発明の電鋳型の製造方法は前記マスクパターン形成工が、円板状の前記共通パターンを有するマスクパターンを形成することが好ましい。
本願発明の電鋳型は、請求項1〜のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法によって作られる電鋳型が、流体動圧軸受形成用であることを特徴とする。
本願発明の電鋳型によれば、請求項1〜のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法で得られる効果を奏することができる。
本願発明の電鋳部品の製造方法は、請求項1〜のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法によって作られる電鋳型を用い、該電鋳型を電鋳液に浸す工程と、前記マスクパターンに電圧を印加する工程と、前記マスクパターンの表面に金属を析出させる工程と、を有することを特徴とする。
本願発明の電鋳部品の製造方法によれば、請求項1〜のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法で得られる効果を奏することができる。
本願発明の電鋳部品の製造方法は、前記電鋳部品が、流体動圧軸受を構成する部品であることが好ましい。
これにより、微細かつ高精度の流体動圧軸受を製造することができる。
本願発明は、1層目のパターンを形成するときと2層目のパターンを形成するとのマスクの正確な位置合わせが不要となり、しかも、1層目のパターンと2層目のパターンの位置ずれがほとんど生じることがない。
以下、本願発明に係る電鋳型の製造方法、電鋳型及び電鋳部品の製造方法の実施の形態を図1〜図12に基づいて説明する。
電鋳型の製造方法を説明する前に、まず、電鋳型及びこの電鋳型によって作られる電鋳部品について説明する。図1は電鋳型の斜視図、図2は電鋳型の断面図、図3は電鋳型によって作られる電鋳部品である流体動圧軸受を斜め上方から見た斜視図、図4は同流体動圧軸受けを斜め下方から見た斜視図である。
図3、図4に示すように、流体動圧軸受1は、円筒状に形成された軸受本体2の下面に、渦巻状の溝3が中心穴4の内周面から外周面に至る途中まで延びるように形成されている。
この流体動圧軸受1は、主にHDD(ハードディスクドライブ)用のスピンドルモータに使用されるものである。すなわち、例えば、ここで示す流体動圧軸受1とこの流体動圧軸受1によって支持される図示せぬ軸との間で相対的な高速回転が生じると、両部材間に介在される流体が、動圧溝を構成する前記渦巻状の溝3に沿って流体動圧軸受の軸心方向へ流れ、結果的にこの流体を介して、流体動圧軸受1により図示せぬ軸をスラスト方向に支持することができる。
この流体動圧軸受1は、図1及び図2で示す電鋳型を用いて電鋳法により作られる。電鋳型10は、全体が平面視正方形状に形成されたものであって、透明基板11上に第1の型構成層12と、第2の型構成層13とを厚さ方向に積み重ねられている。第1の型構成層12には、軸受本体2の下部を形成するための環状の溝15と、渦巻状の溝3を形成するため、前記環状の溝15の一部を埋設してなる渦巻き状の突起16が形成されている。また、第2の型構成層13には、軸受本体2の中間部及び上部を形成するための環状の溝17が、上方から見て前記環状溝15と重なるように形成されている。
さらに、電鋳型10の側部には、平面視矩形状の縦溝18が、第1の型構成層12と第2の型構成層13をそれぞれ貫通するように形成されている。
前記透明基板11の上側にはアンカーメタル19およびマスクパターン20が形成され、また、渦巻状の突起16の上側には、電極用の導電層21が形成されている。
次に、上記構成の電鋳型の製造方法について説明する。
図5(a)〜(d)は本願発明に係る電鋳型の製造方法の前段の工程を順に説明する斜視図、図6(a)〜(d)は同工程を順に説明する断面図、図7は図5(a)のA部分の拡大図、図8は図5(d)のB部分の拡大図である。
本発明における電鋳型の製造方法は、まず、図5(a)、図6(a)及び図7に示すように、透明基板11の上にアンカーメタル19を形成し、アンカーメタル19の上にマスクパターン20を形成する(マスクパターン形成工程)。
アンカーメタル19は、後述する電鋳工程の際に電源を電気的に接続するための配線電極部19aと、電鋳型により形成される電鋳部品である流体動圧軸受の外形を形成するための中央の円板部19bと、それら配線電極部19aと円板部19bとを接続するブリッジ部19cとを有する。円板部19bには、前記渦巻状の突起16を形成するための渦巻状の溝部19baが形成されている。マスクパターン20は、配線電極部19a及び円板部19bの上側に、それぞれ同形状の矩形部パターン20a及び円板部パターン20bが形成されているが、前記ブリッジ部19cの上側にはパターンは形成されていない。円板部パターン20bの内側であって、アンカーメタルの渦巻状の溝部19baに対応する位置には渦巻状の溝パターン20cが形成されている。
円板部パターン20bは、電鋳部品である流体動圧軸受1の外形を形成するため部分であって、1層目の型形成層12と2層目の型形成層13を形成するときに用いられる共通パターンである。また、渦巻状の溝パターン20cは、1層目の型形成層12の下部を形成するときにのみ用いられる1層目固有パターンである。
なお、ここでは、上下方向を図5及び図6に示される線図を基準に定める。
前記透明基板11の材質は、サファイア、ガラス、石英、二フッ化マグネシウムなど紫外光を透過する材料を用いる。アンカーメタル19の材質は、クロム(Cr)やチタン(Ti)などの金属を用い、マスクパターン20の材質は、金(Au)や銅(Cu)などの金属を用いる。
透明基板11の厚さは、例えば0.3mm〜3mmであり、後述する電鋳工程において十分な強度を有する厚さであればよい。アンカーメタル19の厚さは、例えば2nm〜50nmであり、後述する電鋳工程においてマスクパターン20に電力を供給できる厚さであればよい。なお、前記ブリッジ部19cの光透過率を上げるためには、5nm以下であることが好ましい。また、マスクパターン20の厚さは、20nm以上、好ましくは50nm以上あればよく、後述する露光工程において、遮光性を有するような厚さであればよい。
アンカーメタル19およびマスクパターン20の形成方法は、アンカーメタル19およびマスクパターン20に相当する材料を真空蒸着法やスパッタ法などによって形成した後、フォトリソグラフィ工程によって形成する。
次に、図5(b)、図6(b)に示すように、マスクパターン20上にフォトレジストを堆積して第1のフォトレジスト層23を形成する(第1のレジスト形成工程)。第1のフォトレジスト層23の厚さは、例えば2μm〜1mmとする。このときのフォトレジストとしては、ネガ型のフォトレジストを用いる。また、化学増幅型のフォトレジストであっても良い。高アスペクト比な構造を作製する場合には、第1のフォトレジスト層23は、エポキシ系の樹脂をベースとする化学増幅型のフォトレジストを用いるのが望ましい。フォトレジストの堆積方法は、スピンコート、ディップコート、スプレーコートや、シート状のフォトレジストフィルムを貼り付けても良い。また、シート状のフォトレジストフィルムを複数枚重ね合わせて、所望の厚さの第1のフォトレジスト層23としても良い。
次に、図5(c)、図6(c)に示すように、第1のフォトレジスト層23を形成した面と逆側の面、つまり透明基板11の下側の面から、露光光Zaを該透明基板11に対して照射する(第1の露光工程)。このとき、露光光Zaは、マスクパターン20によって遮光されるため、マスクパターン20上の第1のフォトレジスト層23は、未露光部となる。ここでは、第1のフォトレジスト層の露光部を23a、未露光部を23bとする。
また、マスクパターン20が形成されていないアンカーメタル19のブリッジ部19cは、線幅が狭いため回折の影響で露光光が回り込むこと、また、アンカーメタル19の厚さが薄いため露光光が透過することから、マスクパターン20が形成されていないアンカーメタルのブリッジ部19c上の第1のフォトレジスト層23にも露光光が照射され、露光部23aとなる。第1のフォトレジスト層23として化学増幅型のレジストを用いる場合、露光後に、PEB(Post Exposure Bake)を実施する。このとき、熱によって酸が拡散されることとなり、前記ブリッジ部19c上の部分が露光部23aとなり易い。
次に、図5(d)、図6(d)、図8に示すように、第1のフォトレジスト層の露光部23aの一部である、渦巻状の溝パターン20cの上方に対応する位置に電極用の導電層21を形成する(導電層形成工程)。導電層21の材料は、金や銅などであり、その下にアンカーメタルとしてクロムやチタンを形成してもよい。導電層21は、リフトオフ法で用いるリフトオフ用レジストパターンを形成した後に、スパッタリング法や真空蒸着法などによって導電材料を堆積した後にリフトオフすることで形成される。また、導電層21は、抵抗加熱真空蒸着によって導電材料を堆積した後、フォトリソグラフィ工程によってパターニングされて形成される。抵抗加熱真空蒸着法を用いる場合、フォトレジストの材料は、波長400nm以上の波長領域で感光しない材料を用いる。
次に、図9(a)、図10(a)に示すように、第1のフォトレジスト層23の上側にフォトレジストを堆積して第2のフォトレジスト層26を形成する(第2のレジスト形成工程)。第2のフォトレジスト層26の厚さは、例えば2μm〜1mmである。第2のフォトレジスト層26は、ネガ型のフォトレジストを用いる。また、化学増幅型のフォトレジストでも良い。高アスペクト比な構造を作製する場合、第2のフォトレジスト層26は、エポキシ系の樹脂をベースとする化学増幅型のフォトレジストを用いるのが望ましい。第2のフォトレジスト層26の堆積方法は、スピンコート、ディップコート、スプレーコートや、シート状のフォトレジストフィルムを貼り付けても良い。また、シート状のフォトレジストフィルムを複数枚重ね合わせて所望の厚さの第2のフォトレジスト層26としても良い。
次に、図9(b)、図10(b)に示すように、渦巻状の溝パターン20cに相当する部分に露光光を照射させないよう、円板状のマスク27を用いて渦巻状の溝パターン20c及びその内側を覆って、透明基板11の下側から露光光Zbを照射する(第2の露光工程)。このとき、渦巻状の溝パターン20cは、円板状のマスク27によって遮光されるため、第2のフォトレジスト層26は、マスクパターン20の矩形部パターン20a及び円板部パターン20bによって覆われていない部分が露光されて露光部26aとなる。
次に、図9(c)、図10(c)に示すように、流体動圧軸受1の中心穴4に相当するマスク(補助マスク)28を第2のフォトレジスト層26の上方に設置し、その上方から露光光Zcをする(第3の露光工程)。これにより、第1及び第2のフォトレジスト層23、26の中心穴4に対応する部分は露光部23a、26aとなる。残りの部分が未露光部23b、26bとなる。また、第2のフォトレジスト層26として化学増幅型のレジストを用いる場合、図9(c)、図10(c)で説明した工程の後、再度、PEB(Post Exposure Bake)を実施する。
次に、現像を実施して、第1フォトレジスト層及び第2のフォトレジスト層のそれぞれの未露光部23b、26bを除去する(現像工程)。これにより、前記図1、図2に示した、、透明基板11上に、不要部分が除去された第1のフォトレジスト層からなる第1の型構成層12と、不要部分が除去された第1のフォトレジスト層からなる第2の型構成層13を有する電鋳型10を得ることができる。
次に、図11に示すように、電鋳を行い、余分な電鋳物を研削や研磨工程によって除去する。図11は本発明に係る電鋳部品の製造方法である、前記電鋳型を用いた電鋳工程を説明する図である。電鋳漕30には電鋳液31が満されており、この電鋳液31に、まず、電鋳型10と電極32をそれぞれ浸す。電鋳液31は、析出させる金属によって異なるが、たとえば、ニッケルを析出させる場合、スルファミン酸ニッケル水和塩を含む水溶液を使用する。また、電極32の材料は、析出させたい金属とほぼ同一の材料であり、ニッケルを析出させる場合は、ニッケルとし、ニッケル板や、チタンバスケットにニッケルボールを入れたものを電極として用いる。
なお、本発明の製造方法で析出する材料はニッケルに限定されるわけではない。銅(Cu)、コバルト(Co)、スズ(Sn)等、電鋳可能な材料すべてに適用可能である。
電鋳型10のマスクパターン20の一部は、電源Vに電気的に接続される。電源Vの電圧によって、マスクパターン20およびアンカーメタル19を通して電子が供給されることによって、マスクパターン20から徐々に金属が析出する。析出した金属は、透明基板11の厚さ方向に成長する。図12は、電鋳型の空洞部分に金属が析出されて電鋳部品が形成された状態を示す。
次に、電鋳部品を透明基板11および第1及び第2の型構成層12,13から分離することにより、図3及び図4に示す流体動圧軸受1を得ることができる。
この流体導体軸受1によれば、共通のマスクパターン20により形成された電鋳型10により形成されているため、それらを別々のマスクパターンで形成される電鋳型によって形成される場合に比べ、軸受本体2の外形中心と渦巻状の溝4の中心との同心度は極めて高い精度が得られる。このため、回転角に対する発生動圧のバラツキが低減し、回転が安定する。
また、不要な振動を抑えることもできる。
この電鋳型の製造方法によれば、固定されたマスクパターン20に、1層目と2層目とのそれぞれの型構成層12,13を形成するときに共通する共通パターンである円板部パターン20bを有しており、第1の露光工程と第2の露光工程では、それぞれ共通の固定されたマスクパターン20を介して露光を行うため、マスクパターンの位置合わせ工程が不要となる。また、1層目と2層目とのそれぞれの型構成層12,13を形成するときのマスクパターン相互の位置ずれがほとんど生じない。
また、第2の露光工程の後に、第2のフォトレジスト層26の上側から、マスク28を介して、第2のフォトレジスト層26及び第1のフォトレジスト層23の共通する一部分である、流体動圧軸受の中心穴4に相当する部分を露光する第3の露光工程を有しており、これにより、マスク27によって、同時に第1、第2のフォトレジスト層23、26の一部分を露光するので、効率がよく、しかも第1のフォトレジスト層23と第2のフォトレジスト層26との間でずれが生じにくい露光が行える。
さらに、第1のフォトレジスト層23の上面であって、渦巻状の溝パターン20cの上方に対応する位置に電極用の導電層21を形成しており、これにより、電鋳工程で、金属が析出されて導電層に達した時点で、この導電層21が新たに電鋳用の電極として機能することとなり、渦巻状の突起16の近傍にいわゆる巣が生じるのを未然に防止できる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、第2の露光工程の後に、第2のフォトレジスト層26の上側から、マスク27を介して、第2のフォトレジスト層26及び第1のフォトレジスト層23の共通する一部分を露光する第3の露光工程を備えているが、この工程は必ずしも必要ではなく、例えば、中実の電鋳部品を得る場合には不要である。
また、前記実施形態では、流体動圧軸受形成用の電鋳型を例に挙げて説明したが、本発明による電鋳型によって作るものは、なんら、流体動圧軸受に限定されない。
本発明の実施形態における電鋳型の斜視図である。 本発明の実施形態における電鋳型の断面図である。 本発明の実施形態における電鋳型によって作られた流体動圧軸受を斜め上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態における電鋳型によって作られた流体動圧軸受を斜め下方から見た斜視図である。 (a)〜(d)は本発明の実施形態における電鋳型の製造方法の工程を示す斜視図である。 (a)〜(d)は本発明の実施形態における電鋳型の製造方法の工程を示す断面図である。 図5(a)のA部分の拡大図である。 図5(d)のB部分の拡大図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態における電鋳型の製造方法の工程を示す斜視図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態における電鋳型の製造方法の工程を示す断面図である。 本発明の実施形態における電鋳型を用いた電鋳部品の製造方法を実施する状態を示す断面図である。 本発明の実施形態における電鋳型を用いた電鋳部品の製造方法を実施した後の断面図である。
符号の説明
1 流体動圧軸受
2 軸受本体
3 渦巻状の溝
4 中心穴4
10 電鋳型
11 透明基板
12 第1の型構成層(1層目の型形成層)
13 第2の型構成層(2層目の型形成層)
15 環状の溝
16 渦巻き状の突起
19 アンカーメタル
20 マスクパターン
20b 円板部パターン(共通パターン)
20c 渦巻状の溝パターン(1層目固有パターン)
21 導電層
23 第1のフォトレジスト層(第1のレジスト層)
26 第2のフォトレジスト層(第2のレジスト層)
27 円板状のマスク
28 マスク(補助マスク)

Claims (11)

  1. 2個の型構成層を厚さ方向に積み重ねた形状の電鋳型を製造する電鋳型の製造方法であって、
    透明基板の上側に、1層目と2層目とのそれぞれの型構成層を形成するときに用いる共通パターンと1層目の型構成層を形成するときのみ用いられ前記共通パターンの溝として形成される1層目固有パターンとを有するマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
    前記マスクパターンの上側に1層目の型構成層となる第1のレジスト層を形成する第1のレジスト層形成工程と、
    前記透明基板の下側から前記マスクパターンを介して前記第1のレジスト層を露光する第1の露光工程と、
    前記第1のレジスト層の上側に2番目の型構成層となる第2のレジスト層を形成する第2のレジスト層形成工程と、
    前記透明基板の下側から前記1層目固有パターンを覆った状態で、前記透明基板の下側から前記マスクパターンを介して前記第2のレジスト層を露光する第2の露光工程と、
    前記第1のレジスト層及び前記第2のレジスト層の未露光部分を除去する現像工程と、
    を有することを特徴とする電鋳型の製造方法。
  2. 前記第2の露光工程の後に、
    前記第2のレジスト層の上側から、補助マスクを介して前記第2のレジスト層及び前記第1のレジスト層の共通する一部分を露光する第3の露光工程を有することを特徴とする請求項1記載の電鋳型の製造方法。
  3. 前記透明基板の上面にアンカーメタル層を形成するアンカーメタル層形成工程を有し、
    前記マスクパターン形成工程では、前記アンカーメタル層の上面に前記マスクパターンを形成することを特徴とする請求項1または2に記載の電鋳型の製造方法。
  4. 前記第1のレジスト層の上面であって前記1層目固有パターンの上方に対応する箇所に、電極用の導電層を形成する導電層形成工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  5. 前記第1及び第2のレジスト層が、化学増幅型のフォトレジスト材料によって形成されることを特徴とする請求項4に記載の電鋳型の製造方法。
  6. 前記電鋳型が流体動圧軸受を形成する型であり、前記1層目固有パターンを用いることで前記1層目の型形成層のうち前記流体動圧軸受の動圧溝に対応する型形成層が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  7. 前記共通パターンを用いることで前記流体動圧軸受の外形の型形成層となる前記1層目の型形成層と前記2層目の型形成層とが形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  8. 前記マスクパターン形成工程は、円板状の前記共通パターンを有するマスクパターンを形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法によって作られる電鋳型が、流体動圧軸受形成用であることを特徴とする電鋳型。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電鋳型の製造方法によって作られる電鋳型を用い、
    該電鋳型を電鋳液に浸す工程と、
    前記マスクパターンに電圧を印加する工程と、
    前記マスクパターンの表面に金属を析出させる工程と、
    を有することを特徴とする電鋳部品の製造方法。
  11. 前記電鋳部品が、流体動圧軸受を構成する部品であることを特徴とする請求項10に記載の電鋳部品の製造方法。
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