JP2002256355A - ガリウムおよびインジウムの回収方法 - Google Patents

ガリウムおよびインジウムの回収方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ga、InおよびAsを主成分とする化合物
半導体結晶屑からGaおよびInを高効率、低コストで
回収する。 【解決手段】 Ga、InおよびAsを主成分とする化
合物半導体結晶屑を減圧下、700〜900℃に加熱す
ることでAsの一部を昇華させた一次分解生成物を、1
56℃以上に加熱しながら濾過してInを分離回収し、
次に一次分解生成物の濾過残渣に鉛(Pb)を添加し、
減圧下、900〜1100℃に加熱することで残留As
を昇華させた二次分解生成物を、30℃以上に保持しな
がら濾過してGaを分離回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガリウム(G
a)、インジウム(In)および砒素(As)を主成分
とする化合物半導体結晶屑からGaおよびInを低コス
トで回収するガリウムおよびインジウムの回収方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】Ga、InおよびAsを主成分とする化
合物半導体結晶の代表的なものとして、InGaAs単
結晶が挙げられる。InGaAs単結晶は、光通信ダブ
ルヘテロ接合レーザー用基板として使用され、光通信機
器に必要不可欠な化合物半導体結晶素材である。
【0003】InGaAs単結晶は、通常Inx Ga
l-x As、X=0.3前後の組成で使用されることが多
い。X=0.3前後のInx Gal-x As結晶を成長さ
せるには、X=0.8〜0.9の融液が使用され非常に
広範囲なXを有する結晶屑が発生する。InGaAs単
結晶屑からのGaおよびInの回収は、従来ほとんど行
われていないが、GaAs結晶屑やInAs結晶屑から
GaおよびInを分離回収する技術を組み合わせ応用す
ることにより回収できるものと予想される。
【0004】GaAs結晶屑からGaを回収する方法と
しては、乾式法ならびに湿式法が一般に知られている。
乾式法は、GaAs結晶屑を真空加熱容器に入れ、10
-3Pa以下の真空度で1,000℃以上に加熱すること
で蒸気圧の高いAsを昇華分離する。分解速度は比較的
速いが、Asによる装置の腐食を抑制するため、装置材
質等に制限があり、バッチ当たりの処理量増大が難しい
という欠点がある。
【0005】また、1000℃以上に加熱するため、容
器から不純物が混入し易く、Gaと蒸気圧差の小さい不
純物がある場合にはGaの蒸発による損失を招来する。
さらに、不純物が金属間化合物を形成している場合に
は、不純物を数ppmより低い値にすることは難しい。
湿式法は、GaAs結晶屑をアルカリ溶融分解し、分解
生成物を水で浸出する。次に塩酸で浸出液のpHを調整
し水酸化ガリウム(Ga(OH)3 )を沈殿させ、その
Ga(OH)3 を水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液
に溶解し、これを電解液としてGaを電解採取する。
【0006】電解採取では、白金、カーボンまたはステ
ンレスを電極材とし、電気化学的還元により陰極にGa
を析出させ回収する。電解液中のGa濃度は30%以
下、NaOH濃度は30〜50%で、最大2000A/
2 の電流密度で電解する。しかし、電解採取は原料で
あるGa2 3 、Ga(OH)3 からGaを電析するの
が主目的で、得られるGaの純度は99%が限界であ
る。
【0007】一方、InAs結晶屑からInを回収する
方法にも乾式法と湿式法がある。乾式法は、GaAs結
晶屑からのGa回収と同様に、InAs結晶屑を真空加
熱分解する方法が一般的である。湿式法は、InAs結
晶屑を硫酸で溶解し、その溶解液をNaOHでpH調整
し水酸化インジウム(In(OH)3 )を沈殿させる。
In(OH)3 は硫酸で溶解され亜鉛粉末等を投入する
ことでInを還元析出させる。Inの精製には、再結晶
法等が適当である。
【0008】InGaAs結晶屑の場合も、上記処理法
を応用することでAsを分離することは容易である。し
かしながら、その結果得られるInx Gal-x 合金、X
=0.3〜0.9をInとGaに分離するのは難しく、
電解精製もしくは再結晶等で分離を行わなければならな
い。
【0009】電解精製では、アノードにIn−Ga合金
を使用し、カソードにInのみを電析させるが、Ga3+
とIn3+の還元電位が近いため精密な電極電位の制御が
必要で、電解液の付着や巻き込み防止さらに電解条件の
精密制御が困難なため高い分離効率を期待することはで
きない。再結晶法は、In−Ga融液から結晶を晶出さ
せる際に偏析係数の差を利用して融液中にどちらか一方
の金属を濃縮し、固化部分の純度を高くする方法であ
る。ところが、In−Ga二元系合金はInx
l-x 、X=0.165で共晶となるため、一回の操作
でInとGaを完全に分離するのは非常に難しく、多数
回の繰り返し操作を行う場合には生産効率が極めて低下
する。
【0010】再結晶の手法には、一方向凝固、ゾーンメ
ルティング、単結晶成長がある。一方向凝固は、例えば
Inx Gal-x 、X=0.165未満の場合、ボート等
の容器に入れたIn−Ga融液を一端からゆっくり冷
却、固化してゆき、In−Ga融液中にInを濃縮させ
る。Inの偏析には冷却速度が影響し、冷却速度が遅い
ほど精製効率が向上する。しかし、冷却速度を遅くする
と生産性が低下するためコスト上昇は避けられない。
【0011】ゾーンメルティングは、多数回の一方向凝
固を一回の操作で連続的に行う方法であるため一方向凝
固の生産性の低さを改善できるが、一方向凝固と同様に
処理量が多くなると制御が難しく、生産性の大幅な改善
には至っていない。単結晶成長は、成長速度が遅く大量
生産には不適当である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、Ga、I
nおよびAsを主成分とする化合物半導体結晶屑からG
aおよびInを回収する場合、従来のGaAs結晶屑ま
たはInAs結晶屑から、GaまたはInを回収する技
術の組み合わせで対応するのでは、GaとInの分離が
難しく、多くの工程が必要となり回収コストが高くなる
という問題がある。
【0013】本発明は、Ga、InおよびAsを主成分
とする化合物半導体結晶屑からのGaおよびInの回収
における上記課題を解決するものであって、小規模な設
備でGaおよびInを高い効率で回収可能であり、低コ
ストなガリウムおよびインジウムの回収方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のガリウムおよび
インジウムの回収方法では、Ga、InおよびAsを主
成分とする化合物半導体結晶屑を減圧下、700〜90
0℃に加熱することでAsの一部を昇華させた一次分解
生成物について、156℃以上に加熱しながら濾過して
Inを分離回収し、次に一次分解生成物の濾過残渣に鉛
(Pb)を添加し、減圧下、900〜1100℃に加熱
することで残留Asを昇華させた二次分解生成物につい
て、30℃以上に保持しながら濾過してGaを分離回収
することにより上記課題を解決している。
【0015】このガリウムおよびインジウムの回収方法
は、真空加熱分解法と、In−Pb合金に対するGaの
分配係数が小さいという性質を組み合わせ利用してい
る。Ga、InおよびAsを主成分とする化合物半導体
結晶屑(Inx Gal-x As、X=0.3〜0.9)
は、粒径を2〜3mm以下にすると加熱分解が促進され
るので、塊状の屑は予め粉砕するのが好ましい。
【0016】化合物半導体結晶屑は、石英もしくは炭素
製容器に入れ真空加熱炉を使用し、減圧下、700〜9
00℃に加熱すると、化合物半導体結晶屑に固溶してい
るInと等モル量のAsが昇華し、一次分解生成物とし
てGaAsとIn融液を生成する。減圧条件は、30〜
0.1Paが最適であるが、分解速度とInの蒸発損失
を考慮しなければならない。
【0017】加熱温度が700℃未満の場合、化合物半
導体結晶屑は分解速度が遅く実用的でない。ただし、真
空度を上げれば分解は促進されるが、設備が高価になる
だけでなく、所定の真空度に達するまでの時間が長くな
り効率的でない。また、900℃より高温の場合は、G
aAsの分解も始まるのでInの他Gaまでもが生成
し、冷却するとIn−Ga合金を生成してしまうためI
nの効率的な回収ができない。
【0018】昇華したAsは、真空加熱炉と真空ポンプ
との間に水冷トラップを取り付けると、金属As(α型
及びβ型)として凝集するので、後で回収する。一次分
解生成物は、156℃以上に保持した状態で濾過する
が、156℃より低温ではInが凝固し、GaAsと分
離不可能である。温度の上限は特に限定しないが、一次
分解生成物の酸化防止や作業性を考慮すると250℃以
下の温度で行うのが良い。
【0019】雰囲気は乾燥した大気中、窒素(N2 )も
しくはアルゴン(Ar)雰囲気中が最適である。濾過に
は156℃以上に加熱保温したセラミックスフィルター
等の耐熱性素材でできた濾過フィルターを利用する。一
次分解生成物の濾過によって化合物半導体結晶屑から9
2%以上のInを分離回収することが可能となる。濾過
フィルター上に残留する一次分解生成物の濾過残渣は、
Inが付着したGaAs結晶である。この濾過残渣を石
英もしくは炭素製容器に入れ、Pbを添加したした後、
真空加熱炉を使用し、減圧下、900〜1100℃に加
熱すると、GaAsはGa融液とAs蒸気に分解する。
【0020】一方PbはGaおよび微量のInと混合融
液を形成するが、GaAsやGaよりもInと結合しや
すい性質があるため、冷却時にはIn−Pb合金を形成
し、最終的に二次分解生成物としてGaとIn−Pb合
金の混合物が生成する。In−Pb合金は、全組成領域
で固溶体を形成するが、一次分解生成物の濾過残渣に添
加するPbの質量の最低値は、濾過残渣に付着している
Inの質量の0.28倍すなわちInx Pbl-x 、X=
0.13となるように制御することが好ましい。
【0021】0.28倍未満ではIn−Pb合金がIn
に近似した物性を示すため、InxGal-x 、X=0.
165共晶合金にPbが溶解した(In、Pb)x Ga
l-x、X=0.165合金が形成される可能性があり、
Gaとの分離が困難になる。ただし、Pb添加量が多す
ぎるとPbがGaを汚染するだけでなく、後工程で濾過
分離する処理量が増加し、非効率的である。
【0022】減圧下、900〜1100℃での加熱を終
了した後の冷却速度は、15℃/min以下とし、ゆっ
くりとした冷却過程を通してInがPbに分配されるの
を完結させ、さらにInの融点である156℃とPbの
融点である327℃の間で一定時間保持して、In−P
b合金を成長させることが好ましい。例えば、冷却速度
が15℃/minより大きい場合には、Ga−In合金
が生成し、156〜327℃の間で一定時間保持しても
Ga−In合金を消滅させるためには長時間を要し、生
産性の低下を引き起こす原因となる。
【0023】また、156℃より低温では、Inおよび
Pbが凝固するため拡散速度が遅く、一方327℃より
高温ではGa、In、Pbが融液のままである。減圧条
件は、30〜0.1Paが適当であるが、分解速度とG
aの蒸発損失を考慮して決定しなければならない。加熱
温度が900℃未満の場合、一次分解生成物の濾過残渣
の分解速度が遅く実用的でない。ただし、真空度を上げ
れば分解は促進されるが、設備が高価になるだけでな
く、所定の真空度に達するまでの時間が長くなり効率的
でない。また、1100℃より高温の場合は、分解が促
進される反面、Gaの蒸発損失が大きく、回収率を低下
させる。
【0024】二次分解生成物は、30℃以上に保持しな
がら濾過する。Gaの融点が29.6℃であるため、3
0℃未満ではGaが凝固し易く、仮にGaが融液状態を
維持していても粘度が高いためIn−Pb合金にGa融
液が多く付着し効率よく分離することができない。雰囲
気は乾燥した大気中、N2 もしくはAr中とし、温度の
上限を100℃未満とすることでGaの酸化が抑制でき
る。濾過フィルターはポリプロピレン製の不織布、セラ
ミックスフィルターなどが良いが耐熱性、耐食性および
濾過性能に問題がなければこれら以外の材質でもよい。
【0025】以上の方法で、二次分解生成物の濾過によ
って化合物半導体結晶屑から92%以上のGaを分離回
収することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】Ga、InおよびAsを主成分と
する化合物半導体結晶屑(Inx Gal-x As、X=
0.3〜0.9)を、粒径を2〜3mm以下に粉砕す
る。粉砕には、ジョークラッシャー、ロールミル等が適
しているが、これらの粉砕機に限定されるものではな
い。
【0027】粉砕した化合物半導体結晶屑は、石英製容
器に入れ真空加熱炉に設置する。真空加熱炉と真空ポン
プとの間には水冷トラップを取り付ける。真空ポンプ
は、30〜0.1Paが維持できれば油回転ポンプでも
十分である。真空加熱炉を30〜0.1Paまで減圧に
し、炉内温度を700〜900℃に昇温すると、Inx
Gal-x Asは分解を開始し、石英製容器にIn融液が
生成すると同時に、昇華したAsはトラップに凝集す
る。加熱時間は、Inx Gal- x Asの仕込み量、石英
製容器への仕込み深さによってコントロールしなければ
ならないが、通常Inx Gal-x Asの仕込み量1kg
当たり1〜3hが適当で、加熱時間が短いと分解が不十
分となり、加熱時間が長いとInの蒸発損失を引き起こ
す。
【0028】石英製容器の内容物を156〜250℃ま
で炉冷した後、真空加熱炉から石英製容器を取り出し、
内容物を156〜250℃に加熱保温した細孔径10〜
20μmのセラミックスフィルターで吸引濾過する。セ
ラミックスフィルターの加熱保温は、温風循環炉やリボ
ンヒーターを使用すればよい。セラミックスフィルター
上にはInが付着したGaAs結晶が残留するのでセラ
ミックス製のへらで掻き集める。Inはセラミックスフ
ィルターで濾別し、石英もしくは炭素製容器に回収す
る。
【0029】次にInが付着したGaAs結晶と、Ga
As結晶に付着しているInの質量に対し0.28倍の
Pbを石英製容器に入れ、真空加熱炉に設置した後、3
0〜0.1Paまで減圧にし、炉内温度を900〜11
00℃に昇温する。Pbは粒径5mm以下のショットが
良いが、微粉末は表面酸化量が多く、真空加熱の際に低
沸点のPbOが蒸発し真空加熱炉を汚染したり、Ga中
にPbOが混入するので使用は避けるべきである。
【0030】真空加熱炉は900〜1100℃までゆっ
くりと昇温する。加熱時間は通常Inが付着したGaA
s結晶粒の仕込み量1kg当たり1〜3hが適当である
が、加熱時間が短いと分解が不十分となり易く、加熱時
間が長いとGaの蒸発損失を引き起こすので、仕込み量
および仕込み深さを考慮し制御しなければならない。真
空加熱炉はゆっくり昇温しないとGaAs結晶が分解を
開始する前にPbが蒸発してしまうため、昇温速度は1
0℃/minが最適である。
【0031】加熱終了後、真空加熱炉は15℃/min
以下で冷却を開始し、156〜327℃で1〜2h保持
した後、石英製容器の内容物を30〜100℃まで炉冷
する。真空加熱炉から石英製容器を取り出し、内容物を
30〜100℃に加熱保温した細孔径10〜20μmの
セラミックスフィルターで吸引濾過する。セラミックス
フィルターの加熱保温は、リボンヒーター等がよい。
【0032】セラミックスフィルター上には、Gaが付
着したIn−Pb合金が残留するのでセラミックス製の
へらで掻き集める。Gaはセラミックスフィルターで濾
別し、石英もしくは炭素製容器に回収する。In−Pb
合金には少量のGaが付着するが、Gaは希塩酸に浸漬
すれば融液塊として剥がれ落ち、デカンテーション等で
回収すればGaの回収率は93%以上に上昇する。ま
た、In−Pb合金からInを回収する場合には再結晶
または電解精製が適当であるが、低コストで回収率の高
い方法があればこの方法に特定されるものではない。た
だし、一次分解生成物を得る段階でInの分離回収率を
上げておけば、In−Pb合金の発生量は微量であり、
In−Pb合金は半田合金としても使用可能である。
【0033】
【実施例】〔実施例1〕化合物半導体結晶屑(Inx
l-x As、X=0.3)を、ジョークラッシャーで粒
径を3mm以下に粉砕した。粉砕したInx Gal-x
s1kgを秤量し、石英製容器(内径φ200mm×高
さ150mm)に入れ真空加熱炉に設置した。真空加熱
炉と油回転ポンプとの間には水冷トラップを取り付け
た。
【0034】真空加熱炉を15Paまで減圧にし、炉内
温度を900℃に昇温した。加熱時間は2hとした。加
熱後、石英製容器内容物を200℃まで炉冷した後、真
空加熱炉から石英製容器を取り出し、内容物を温風循環
炉で200℃に加熱保温した細孔径20μmのセラミッ
クスフィルターで吸引濾過した。セラミックスフィルタ
ー上に残留したInが付着したGaAs結晶をセラミッ
クス製のへらで掻き集めた。セラミックスフィルターで
濾別されたInは、石英製容器に回収した。この時のI
n回収率は、93%であった。
【0035】GaAs結晶に付着しているInの質量は
約5gと分析され、Inが付着した残渣とPb(平均粒
径4mm)50gを石英製容器に入れ、真空加熱炉に設
置した後、15Paまで減圧にし、炉内温度を1050
℃に昇温した。真空加熱炉の昇温速度は5.5℃/mi
nとし、加熱時間は1.5hとした。加熱終了後、真空
加熱炉は15℃/min以下で冷却を開始し、327℃
で2h保持した後、石英製容器の内容物を50℃まで炉
冷した。真空加熱炉から石英製容器を取り出した後、内
容物を50℃に加熱保温した細孔径20μmのセラミッ
クスフィルターで吸引濾過した。
【0036】セラミックスフィルター上に残留したGa
が付着したIn−Pb合金をセラミックス製のへらで掻
き集めた。セラミックスフィルターを通過したGaは石
英製容器に回収した。Gaの回収率は93%であった。 〔実施例2〕Inが付着したGaAs結晶に添加するP
b(平均粒径4mm)が300gである以外は実施例1
と同様に操作した。この時のInの回収率は93%、G
aの回収率は91%であった。
【0037】〔実施例3〕粉砕したInx Gal-x As
1kgを真空加熱炉で15Paまで減圧にし、一次分解
生成物を生成させる時の炉内温度を800℃に昇温した
以外は実施例1と同様に操作した。この時のInの回収
率は90%、Gaの回収率は93%であった。
【0038】〔実施例4〕Inが付着したGaAs結晶
に添加するPb(平均粒径4mm)が300gであり、
真空加熱炉にて炉内温度を昇温速度は5.5℃/min
で1100℃まで昇温した以外は実施例1と同様に操作
した。この時のInの回収率は93%、Gaの回収率は
91%であった。
【0039】
【発明の効果】本発明のガリウムおよびインジウムの回
収方法によれば、Ga、InおよびAsを主成分とする
化合物半導体結晶屑からGaおよびInを小規模な設備
で高い効率で回収可能であり、廃棄物量が極めて少な
く、ガリウムおよびインジウムを低コストで回収するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガリウム、インジウムおよび砒素を主成
    分とする化合物半導体結晶屑を減圧下、700〜900
    ℃に加熱することで砒素の一部を昇華させた一次分解生
    成物について、156℃以上に加熱しながら濾過してイ
    ンジウムを分離回収し、次に一次分解生成物の濾過残渣
    に鉛を添加し、減圧下、900〜1100℃に加熱する
    ことで残留砒素を昇華させた二次分解生成物について、
    30℃以上に保持しながら濾過してガリウムを分離回収
    することを特徴とするガリウムおよびインジウムの回収
    方法。
  2. 【請求項2】 一次分解生成物の濾過残渣に添加する鉛
    の質量が、濾過残渣に付着しているインジウムの質量の
    0.28倍以上であることを特徴とする請求項1記載の
    ガリウムおよびインジウムの回収方法。
  3. 【請求項3】 一次分解生成物の濾過残渣に鉛を添加し
    減圧下、900〜1100℃での加熱を終了した後、毎
    分15℃以下で冷却し、156〜327℃で所定時間保
    持して二次分解生成物を生成させることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のガリウムおよびインジウム
    の回収方法。
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