JP2002254866A - カード基材及び磁気カード - Google Patents

カード基材及び磁気カード

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JP2002254866A
JP2002254866A JP2001056634A JP2001056634A JP2002254866A JP 2002254866 A JP2002254866 A JP 2002254866A JP 2001056634 A JP2001056634 A JP 2001056634A JP 2001056634 A JP2001056634 A JP 2001056634A JP 2002254866 A JP2002254866 A JP 2002254866A
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Daisuke Yano
大輔 矢野
Yoshikazu Yamazaki
嘉一 山崎
Tesshu Miyahara
鉄州 宮原
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の、磁気カードリーダー/ライター内で
正常に走行することが可能であって、かつ、透明もしく
は半透明であることにより審美性の高いカード基材およ
びそれを用いた磁気カードの提供。 【解決手段】 カード基材を、その構成層のうちの少な
くとも一層が、赤外線遮断材料を含有した赤外線遮断層
であるものとする。そして、該・カード基材を用いて磁
気カードを作製する。また、複数層からなる磁気カード
は、そのうちの一層として印刷層を持ち、かつ、該・印
刷層より赤外線遮断層の方が磁気ストライプ層に近い側
に位置するようにし、印刷層の色調が赤外線遮断層の着
色に阻害されない構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカード基材および磁
気カードに関するものであり、さらに詳しくは、審美性
の高い磁気カードを得るためのカード基材およびそれを
使用した審美性の高い磁気カードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ストライプ層をその一部に有してい
る磁気カードは、クレジットカード、銀行カード、ID
カードなどの用途に広く用いられている。これらの磁気
カードでは、磁気ストライプ層の付設位置の相違から2
種類の構成がある。一つは、磁気ストライプ層をカード
基材表面に貼り付けたものであり、他は、磁気ストライ
プ層を貼り付けたカード基材を磁気ストライプ層ごと熱
圧プレスして、磁気ストライプ層をカード基材中に埋め
込んだものである。
【0003】そして、これら磁気カードのカード基材
は、通常、樹脂層および印刷層などからなる多層構成を
採っている。磁気カードは、一般的には、1)透明樹脂シ
ート、2)あらかじめ両面に文字情報などを印刷して印刷
層を設けた不透明樹脂シート、さらには、3)あらかじめ
磁気ストライプ層を設けた透明樹脂シートをこの順に重
ね合わせ、それを熱圧プレスし、その後、カード状に打
ち抜くことにより製造している。この際、最後の3)透明
樹脂シートは、磁気ストライプ層が表面に露出するよう
に重ねる。このようにして製造した磁気カードにおける
カード基材の層構成は、透明樹脂層、印刷層、不
透明樹脂層、印刷層、透明樹脂層の5層構成とな
り、透明樹脂層中に埋め込まれた形の磁気ストライプ
層は、見かけ上、6層目となって磁気カードを形成す
る。
【0004】同様に、6層構成のカード基材もまた、一
般的である。その場合は、両面に印刷層が設けられた1
枚の不透明樹脂シートを用いる代わりに、片面にのみ印
刷層が設けた2枚の不透明樹脂シートを用いる。磁気カ
ードの製造は、その片面印刷の不透明樹脂シート・2枚
を非印刷面が接するように重ね合わせることが相違する
だけで、他の工程は前記と同様である。よってこの場合
のカード基材は、透明樹脂層、印刷層、不透明樹
脂層、不透明樹脂層、印刷層、透明樹脂層の6層
構成となり、透明樹脂層中に埋め込まれた形の磁気ス
トライプ層は、見かけ上、7層目となって磁気カードを
形成する。
【0005】またここで、磁気ストライプ層を設けた透
明樹脂シートを用いずに、すなわち、磁気ストライプ層
のない透明樹脂シートを用いて磁気カードを製造する方
法としては、磁気ストライプ層の付設とカード状物への
打ち抜きの工程順序相違によって、次の二つの方法があ
る。すなわち、磁気ストライプ層のない2枚の透明樹脂
シートを用いて印刷層を設けた不透明樹脂シートを挟み
込み、熱圧プレスして、複数個のカード状物が得られる
面積を持ったカード基材を得たのち、(1)磁気ストライ
プ層をそのカード基材上に設けてから、個々のカード状
物に打ち抜いて磁気カードとする方法と、それとは順序
が逆で、(2)カード状に打ち抜いてから、個別に、磁気
ストライプを設ける方法とである。
【0006】磁気ストライプをあらかじめ設けた透明樹
脂シートは、例えば、転写型磁気テープを原料部品とす
ることによって調製できる。転写型磁気テープとは、P
ET等の仮支持体フィルム上に剥離層、磁性層、感熱接
着剤層をこの順に設け、所定の磁気ストライプ層幅にス
リットした磁気テープである。転写型磁気テープを使用
して、透明樹脂シート上に磁気ストライプ層を設ける方
法は次の様である。すなわち、転写型磁気テープの接着
剤層側を透明樹脂シートの表面に当接させて重ね合わ
せ、熱圧により両者を接着させたのち冷却して固着化さ
せる。次に、仮支持体フィルムを剥離して取り除くこと
で、転写型磁気テープにおける磁性層を含む剥離層以下
の部分を転写し、透明樹脂シート上に磁気ストライプ層
を形成する。また、転写型磁気テープは、カラー層、印
刷層等の機能層も具備可能である。
【0007】これまで述べてきた方法で作製された磁気
カードで共通していることは、カード基材が透明樹脂
層、不透明樹脂層、印刷層とからなる積層体であり、不
透明樹脂層がカード基材の厚み方向の中央部分に配置さ
れ、かつ、カード基材の最表層が透明樹脂層となってい
ることである。このような構成をとる理由としては、カ
ード基材の厚み方向の中央にあたる層を不透明樹脂層と
することにより、その両面に異なった印刷層を設けるこ
とができ、可視情報の情報量を増やすことが可能となる
ことが挙げられる。また、透明樹脂層をカード基材の最
表層に配置することにより、印刷層をカード基材表面に
露出させないようにし、印刷層に耐汚損性・等を持たせ
るためである。
【0008】ところで、従来から、磁気カードは、磁気
カード相互間および他種カード類との差別化を図るため
に印刷層デザインなどの意匠性を工夫し、他者に比べ見
栄えの良いカードとするための努力と競争を行なってき
た。さらに、近年、磁気カードの発行枚数の急激な増加
に伴い、カードデザイン等の一層の多様化が進み、カー
ド基材までをも含めた特異性の追求を実施するようにな
ってきた。その中でも特に、透明もしくは半透明のカー
ド基材が、これまで不透明なものしか存在しなかった磁
気カード基材の中で、取り分け、斬新なイメージを形成
できるものとして注目を集めている。
【0009】このような、透明もしくは半透明のカード
基材を得るためには、前述した不透明樹脂シートの代わ
りに、透明もしくは半透明の樹脂シートを採用してカー
ド基材を作製すれば良い。すなわち、カード基材を構成
する層として、不透明樹脂層を排し、その代わりに透明
樹脂層もしくは半透明樹脂層を設ける。これにより、カ
ード基材を透明もしくは半透明なものに変化させること
が可能である。
【0010】しかしながら、このような透明もしくは半
透明のカード基材からなる磁気カードは、磁気カードの
リーダー/ライター、市場にあって広範囲に使用されて
いるほぼ全機種に該当する、で正常に走行しない(作動
不可)という問題点が存在する。そのため、カード基材
の透明もしくは半透明化は困難であって、これまで、実
用に供されてこなかったというのが実情である。作動不
可となる理由は、透明もしくは半透明のカードではリー
ダー/ライターのセンサーが働かないからである。すな
わち、リーダー/ライターは、カード挿入口付近に赤外
線センサーを有していて、手動により、磁気カードをこ
のセンサー付近まで挿入すると、磁気カードの存在を赤
外線センサーが感知し、リーダー/ライターは駆動を開
始し、磁気カードを機械的に引き込み、走行させ、デー
タの記録・再生を行うという機構になっているからであ
る。これに対して、これまでの、透明もしくは半透明の
カード基材からなる磁気カードは、この赤外線センサー
に感応しないものであった。そのため、リーダー/ライ
ターは駆動せず、データの記録・再生も行なえず、結果
的に、これまでの、透明もしくは半透明のカード基材か
らなる磁気カードは使用できない、という結論であっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、既存の、磁気カードリーダー/ライター内
で正常に走行することが可能であって、かつ、透明もし
くは半透明であるカード基材の提供およびそれを用いた
磁気カードの提供である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、磁気カー
ドに使用されるカード基材として、赤外線遮断材料を含
有するカード基材を用いることにより、上記課題が達成
されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、単層ないし複数層からなるカー
ド基材において、そのうちの少なくとも1つの層が、赤
外線遮断材料を含有しながら透明もしくは半透明を呈す
る、赤外線遮断層であるという層構成にした基材とす
る。さらには、その基材を用いて磁気カードを製造す
る、というものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカード基材および
磁気カードについて詳細に説明する。本発明において
は、カード基材が透明もしくは半透明であることが特徴
であり、使用する赤外線遮断材料は、可視領域の波長の
光をより多く透過させ、赤外領域の波長の光を透過させ
ない、すなわち、目で見た場合に、透明性が高く、か
つ、着色の少ない赤外線遮断材料である。
【0015】このような赤外線遮断材料としては、可視
領域の波長の光に対して透過性で、赤外領域の波長の光
に対しては反射性である、酸化亜鉛、酸化インジウム、
錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化インジ
ウム、硫化鉛、硫化第二銅、酸化錫等が挙げられる。ま
た、赤外領域に吸収のあるイモニウム塩系化合物、アミ
ニウム塩系化合物、ポリメチン系化合物、フタロニトリ
ル系化合物、スクアリウム系化合物、フタロシアニン系
化合物、ナフトキノン系化合物、シアニン系化合物、ナ
フタロシアニン系化合物、高分子縮合アゾ系化合物、ピ
ロール系化合物なども利用できる。さらには、有機銅化
合物、金属錯塩化合物、チオ尿素誘導体、チオアミド誘
導体、アミド誘導体、アントラキノン誘導体、チオール
ニッケル錯体、ジチオール系有機金属錯塩、メルカプト
ナフトール系有機金属錯塩等も利用可能である。
【0016】特にイモニウム塩系化合物、アミニウム塩
系化合物は可視領域波長の光透過率が高く、かつ、赤外
領域波長の光吸収率が大きいことにより有効である。こ
のような化合物としては、N,N,N’,N’−テトラ
キス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレン
ジアミン−ビス六弗化りん酸イモニウム塩、N,N,
N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニ
ル)−p−フェニレンジアミン−ビス過塩素酸イモニウ
ム塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチル
アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン−ビス六弗
化アンチモン酸イモニウム塩、N,N,N’,N’−テ
トラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニ
レンジアミン−過塩素酸アミニウム塩、N,N,N’,
N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p
−フェニレンジアミン−六弗化りん酸アミニウム塩など
が挙げられる。
【0017】上記の赤外線遮断材料を含有する赤外線遮
断層をカード基材中に設ける方法としては、カード基材
を構成する樹脂シートとして、これらの赤外線遮断材料
を含有させた樹脂シートを用いる方法がある。
【0018】カード基材が1層の樹脂層及び印刷層とか
ら構成される場合、カード基材の材料として、透明もし
くは半透明であり、1枚で磁気カードとしての所定の厚
さを有し、かつ、その中に赤外線遮断材料を含有してい
る樹脂シートを使用する必要がある。このような樹脂シ
ートの片面もしくは両面に印刷層を設け、その後、磁気
ストライプ層を設けて磁気カードとする。磁気ストライ
プ層は磁気カードの裏面側に転写型磁気テープ等を使用
して設ける。また、磁気ストライプ層を設けた後に、必
要に応じて熱圧プレスを行い、磁気ストライプをカード
基材に埋め込んでも良い。この方法では、印刷層が磁気
カードの表面に露出するため、印刷層の耐汚損性は劣る
が、製造工程が単純であり、コスト、納期の面で有利な
製造方法である。
【0019】一方、カード基材が複数の樹脂層及び印刷
層とから構成される場合は、カード基材の材料として、
その中に赤外線遮断材料を含有させた樹脂シートを、少
なくとも1枚使用する必要がある。磁気カードは、印刷
層を設けた樹脂シート、磁気ストライプ層を設けた樹脂
シートおよび赤外線遮断材料を含有させた樹脂シートと
により、印刷層が最表層とならないように、かつ、磁気
ストライプ層がカード表面に露出するように重ね合わ
せ、これを熱圧プレスし、その後カード状に打ち抜いて
製造する。このとき、赤外線遮断材料を含有させた樹脂
シートに、印刷層を設けていても良く、また、磁気スト
ライプ層を設けていても良い。また、印刷層と磁気スト
ライプ層の両方をこの樹脂シートの表裏に設けても良
い。また、赤外線遮断材料を含有させていない樹脂シー
トに印刷層、磁気ストライプ層のどちらか一方、もしく
はその両方を設けても良い。このように複数の樹脂層を
有するカード基材の場合、印刷層が最表層とならない構
成をとることができるので、印刷層の耐汚損性が良好な
磁気カードを得ることができる。
【0020】また、この時、赤外線遮断層を印刷層より
も磁気ストライプ層側に位置させることにより、印刷層
外観を損うのを防止でき、磁気カードは、より意匠性の
高いものとなる。赤外線遮断層に使用している赤外線遮
断材料は、可視領域の波長の光に対して透過性が高いも
のの、完全に透過するわけではなく若干の吸収を示すも
のもある。そのため、赤外線遮断層が薄く着色してしま
うことがある。その場合は、赤外線遮断層を透して印刷
層を見るような層構成にするとその影響を受けることと
なる。すなわち、赤外線遮断層の着色の影響を受けて、
印刷層の色調が変化する。そして、通常は、磁気ストラ
イプ層は磁気カードの裏面側に配置される。そのため、
印刷層と赤外線遮断層および磁気ストライプ層の位置関
係を上述のように取ることにより、磁気ストライプ層が
ある面とは反対側のカード表面から磁気カードを見た場
合、赤外線遮断層の着色が印刷層の色調を阻害するとい
うことがなく、印刷層の色調は確保できることとなる。
【0021】樹脂シートを構成する樹脂としては、磁気
カードとしての特性を満たすものであれば、制限無く使
用できるが、その物性、加工適性などから塩化ビニル製
の樹脂シートが一般的に用いられている。また、脱塩化
ビニル樹脂の要請も強く、このような用途には、PET
−G、ポリ乳酸系生分解樹脂、ポリヒドロキシ酪酸/ポ
リヒドロキシ吉草酸系生分解性樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ABS樹脂等を用いることができる。赤外線遮断
材料を含有させる樹脂シートと、させない樹脂シートと
で、同一の樹脂を用いても良いし、また、異なった樹脂
を用いても良い。ただし、異なる種類の樹脂を用いた場
合は、カードの反り等の問題が生じることがある。その
予防の観点からは、同一種類の樹脂を用いることが好ま
しい。
【0022】カード基材中に赤外線遮断層を設ける方法
には、上記のように、赤外線遮断材料を直接樹脂シート
に含有させた樹脂シートを用いて作成する方法以外に、
樹脂シート表面に赤外線遮断材料樹脂組成物層を形成し
た樹脂シートを用いる方法がある。すなわち、溶剤に溶
解したバインダー樹脂中に赤外線遮断材料を混合・分散
して赤外線遮断層用塗布液を調製し、その塗布液を樹脂
シートの表面に塗布して乾燥する。そのようにして作製
した、シート表面に赤外線遮断層が形成された樹脂シー
トを用いる方法である。
【0023】赤外線遮断材料をバインダー樹脂中に混
合、分散する方法としては、二本ロールミル、三本ロー
ルミル、ボールミル、ヘンシェルミキサー、コボルミ
ル、サンドミル、ディスパー、高速ミキサー、超音波分
散機、ニーダー等の混練分散機を使用した方法が挙げら
れる。
【0024】赤外線遮断層用塗布液の塗布方法として
は、グラビア方式、リバース方式、エアドクター方式、
ブレードコーター方式、エアナイフコーター方式、スク
イズコーター方式、含浸コーター方式、トランスファロ
ールコーター方式、キスコーター方式、キャストコータ
ー方式、スプレイコーター方式、ダイコーター方式など
が挙げられる。
【0025】また、印刷方式によっても赤外線遮断層を
設けることができ、その印刷方式としては、グラビア印
刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷な
どが挙げられる。
【0026】ここで、樹脂シートとして、あらかじめ赤
外線遮断層が形成された樹脂シートを使用する場合であ
って、かつ、その赤外線遮断層が、カード基材の表面に
現れる場合には、赤外線遮断層を構成するバインダー樹
脂としては、カード表面に対する保護機能をも有するバ
インダー樹脂を選定する必要がある。
【0027】そのようなバインダー樹脂としては、例え
ば、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、
エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、メラミン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等、およびこ
れらの樹脂の混合物を挙げることができる。
【0028】バインダー樹脂を溶解する溶剤としては、
例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチ
ルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等
のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等のアルコール系溶剤、ヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の炭化水素、グリコールジメチルエ
ーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤を挙げることが
でき、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用する
こともできる。
【0029】さらに、赤外線遮断層には、必要に応じ
て、皮膜改質剤として大豆レシチン、フタル酸系可塑
剤、マイクロシリカ、あるいはワックス等を添加するこ
とができる。また、ポリイソシアネート化合物などの硬
化剤を添加して、バインダー樹脂の分子間を架橋するこ
とは、赤外線遮断層の耐摩擦性、耐摩耗性等の耐久性を
向上させるために好ましい。
【0030】一方、カード基材が複数の層からなり、そ
のうちの1つの層が塗布方式もしくは印刷方式により設
けられた赤外線遮断層であって、かつ、その赤外線遮断
層がカード基材の最表面に現れない場合には、赤外線遮
断層のバインダー樹脂としては、他の樹脂シートないし
は印刷層との接着性が良好であるものを選択・使用しな
ければならない。
【0031】そのようなバインダー樹脂としては、ブチ
ラール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹
脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。そしてこれらの樹
脂には、必要に応じてニトリルゴム等のゴム系樹脂ある
いはウレタンエラストマー等を添加することもできる。
また、イソシアネート化合物を用いて熱硬化することも
できる。
【0032】上記した、あらかじめ赤外線吸収層を樹脂
シート上に設け、その樹脂シートを使用してカード基材
を作成する場合にも、赤外線遮断層を印刷層よりも磁気
ストライプ層側に位置させることにより、印刷層外観を
損うのを防止でき、磁気カードは、より意匠性の高いも
のとなる。その理由は既に述べたように赤外線遮断層の
着色によるものであり、印刷層と赤外線遮断層および磁
気ストライプ層との位置関係が上述の関係であれば、カ
ードの表面から磁気カードを見た場合、赤外線遮断層の
着色が印刷層の色調を阻害するということがなく、印刷
層の色調は確保できることとなる。
【0033】その表面に赤外線遮断層を設けた樹脂シー
トは、これまで述べてきた、赤外線遮断材料を含有させ
た樹脂シートと全く同じように磁気カードの製造に使用
することができる。すなわち、赤外線遮断層を設けた樹
脂シートがそれ1枚で磁気カードとしての厚みを満たす
場合には、赤外線遮断層の上及び/又は樹脂シートの赤
外線遮断層を設けた側とは反対側の面に印刷層を設け、
その後磁気ストライプを設け、これを打ち抜いて磁気カ
ードが得る。また、複数の樹脂シートを使用してカード
基材を作成する場合には、使用する樹脂シートの少なく
とも1枚に赤外線遮断層を設けておき、その後、これま
で述べてきた方法と同様に他の層と積層することによ
り、カード基材とすることができる。
【0034】本発明において印刷層は、樹脂シート上に
公知の印刷インクを用い、公知の印刷方式で形成するこ
とができる。本発明は、カード基材が透明もしくは半透
明であることが特徴であるため、印刷層に関しても、印
刷インクとして隠蔽力の低い、すなわち透明性の高い印
刷インクを用い、樹脂シートの全面、もしくはその一部
を被覆するように、透明性の高い印刷層を設けること
が、カード基材が透明、もしくは半透明であるというメ
リットを最大限に生かすことができて好ましい。また、
隠蔽力の高い、不透明な印刷インクを使用して印刷層を
設ける場合は、樹脂シートの全面を印刷インクで被覆す
るのではなく、部分的に印刷インクで被覆するようにす
ると、印刷インクの設けられていない部分では、カード
基材の透明性を生かすことができて好ましい。また、当
然、隠蔽性の高い印刷インクと、隠蔽性の低い印刷イン
クとを同時に使用することも可能である。樹脂シートの
全面を隠蔽力の高い不透明な印刷インクで被覆して印刷
層を設けることは、カード基材が透明もしくは半透明で
あるというメリットを無くすこととなる。
【0035】印刷層を設ける印刷方式としては、公知の
方法が使用でき、例えばグラビア印刷、オフセット印
刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷などが使用できる。
【0036】印刷層に用いられる印刷インクとしては、
公知の印刷インクを使用することができる。特に、印刷
インクとして隠蔽性の低い、すなわち透明性の高い印刷
インクを用いることは、カード基材の透明性を生かす上
で好ましい。
【0037】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定され
るものではない。なお、以下で「部」は質量部を表すも
のとする。 (実施例1)100μm厚の透明塩ビ樹脂シート(太平
化学社製)の片面上に下記aの塗布液を用い、赤外線遮
断層を、乾燥後膜厚が1μmとなるようにバーコーダー
により設けた。また、別の100μm厚の透明塩ビ樹脂
シート上にオフセット印刷を施し、印刷層を設けた。そ
の後、この2枚の透明樹脂シートを、赤外線遮断層と印
刷層とがお互いに外側を向くように重ね合わせ、この2
枚の樹脂シートの両側に100μm厚の透明塩ビシート
を各々3枚ずつ重ね、この積層物をカード作成機(イン
ターライン社製「LX−EM4」)を使用して、140
℃、0.13MPaの条件下で熱圧プレスし、カード基
材とした。その後、カード基材の赤外線遮断層に近い面
上に転写型磁気テープを使用して磁気ストライプ層を設
け、これをカード状に打ち抜くことにより、磁気カード
を得た。
【0038】 a 赤外線遮断層用塗布液 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 10部 (ユニオンカーバイド社製 VAGH) 赤外線遮断材料 5部 (日本カーリット社製 CIR−1080) MEK 40部 トルエン 40部 酢酸エチル 5部
【0039】(実施例2)100μm厚の透明塩ビ樹脂
シート(太平化学社製)の片面上に上記aの塗布液を用
い、赤外線遮断層を、乾燥後膜厚が1μmとなるように
バーコーダーにより設けた。また、別の100μm厚の
透明塩ビ樹脂シート上にオフセット印刷を施し、印刷層
を設けた。その後、この2枚の透明樹脂シートを、赤外
線遮断層と印刷層とがお互いに外側を向くように重ね合
わせ、この積層物の両側に100μm厚の透明塩ビシー
トを各々3枚ずつ重ね、この積層物をカード作成機(イ
ンターライン社製「LX−EM4」)を使用して、14
0℃、0.13MPaの条件下で熱圧プレスし、カード
基材とした。その後、カード基材の印刷層に近い面上に
転写型磁気テープを使用して磁気ストライプ層を設け、
これをカード状に打ち抜くことにより、磁気カードを得
た。
【0040】(比較例1)100μm厚の透明塩ビシー
ト上にオフセット印刷を施し、印刷層を設けた。その
後、この透明樹脂シートの両側に各々3枚、4枚の10
0μm厚の透明塩ビシートを重ね、この積層物をカード
作成機(インターライン社製「LX−EM4」)を使用
して、140℃、0.13MPaの条件下で熱圧プレス
し、カード基材とした。その後、転写型磁気テープを使
用して磁気ストライプ層を設け、これをカード状に打ち
抜くことにより、磁気カードを得た。
【0041】(試験項目および結果)実施例1、実施例
2、比較例1により得られた磁気カードにおけるカード
基材の透明性の評価、印刷層の色調の評価を目視にて行
った。また、走行可否の試験を磁気カードのリーダー/
ライター(オムロン製3S4YR−MMW2)を用いて
行った。
【0042】カード基材の透明性に関しては、印刷領域
以外の領域の透明性を評価したが、赤外線遮断層を設け
た実施例1、実施例2は若干の着色は見られるものの、
透明性が高く、十分、実用的なレベルであった。一方、
赤外線遮断層を設けていない比較例1は、当然ながら、
透明性が高く、かつ、無色であった。
【0043】印刷層の色調は、実施例1、比較例1で
は、ほぼ印刷層そのものの色が再現されており、優れて
いた。一方、実施例2は赤外線遮断層を透して印刷層を
見ることになるため、赤外線遮断層の着色に影響を受
け、印刷層の彩度、明度が阻害されて若干暗い色調にな
っていた。また、色相も変化した。
【0044】リーダー/ライターを用いた磁気カードの
走行試験では、実施例1、実施例2の磁気カードは、通
常の不透明カード基材を使用した磁気カードと同様に、
リーダー/ライター内で走行し、磁気データの記録・再
生も可能であった。一方、比較例1の磁気カードは、リ
ーダー/ライターのカード挿入口部分に設けられている
赤外線センサーに感応せず、磁気カードの機械的な引き
込みがなされなかった。その結果、磁気データの記録・
再生は不可能であった。
【0045】
【発明の効果】透明もしくは半透明のカード基材を用い
た磁気カードにおいて、カード基材に赤外線遮断材料を
含有させたことにより、その基材を用いた磁気カード
は、既存の磁気カードリーダー/ライター内で正常に走
行することが可能となった。これにより、透明もしくは
半透明の磁気カードの実用化が可能となったという効果
と共に、高い審美性を備えた磁気カードを希求する市場
要求に答えられるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA06 HA10 JA02 KA06 KA40 KA70 LA02 LA05 LA09 5D006 CB01 CB07 DA01 EA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明もしくは半透明のカード基材であっ
    て、該基材が、単層ないし複数層からなり、かつ、その
    うちの少なくとも1つの層が赤外線遮断材料を含有した
    赤外線遮断層であることを特徴とするカード基材。
  2. 【請求項2】 カード基材面ないし基材中に磁気ストラ
    イプ層を有している磁気カードにおいて、該基材が請求
    項1記載のカード基材であることを特徴とする磁気カー
    ド。
  3. 【請求項3】 複数層からなる磁気カードにおいて、少
    なくとも1つの層は、印刷部分の一部が不透明であって
    も良い印刷層であることを特徴とする請求項2記載の磁
    気カード。
  4. 【請求項4】 磁気カードの層構成順序において、印刷
    層よりも、赤外線遮断層の方が磁気ストライプ層に近い
    側にあることを特徴とする請求項3記載の磁気カード。
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