JP2002254822A - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光記録媒体およびその製造方法

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JP2002254822A
JP2002254822A JP2001380408A JP2001380408A JP2002254822A JP 2002254822 A JP2002254822 A JP 2002254822A JP 2001380408 A JP2001380408 A JP 2001380408A JP 2001380408 A JP2001380408 A JP 2001380408A JP 2002254822 A JP2002254822 A JP 2002254822A
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optical recording
signal
dye
land
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JP2001380408A
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English (en)
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Norihiko Mihara
原 紀 彦 三
Shunsuke Murayama
山 俊 介 村
Ryosuke Nara
良 亮 介 奈
Masashi Koike
池 正 士 小
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アドレス情報を示すランドプレピット信号
が、記録データの再生時に、記録データを示すRF信号
へ漏れ込むのを抑え、エラーレートを低減させた光記録
媒体を提供する。 【解決手段】 記録層を形成する色素溶液の溶媒として
シクロオクタン以外の炭素原子数が6〜9の炭化水素1
種または2種以上とシクロオクタンとを混合したものを
用いて記録層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録層としての色
素膜が形成された光記録媒体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エロクトニクス産業の発達に伴い、パー
ソナルコンピュータの外部記憶装置として、また、ビデ
オの代替の映像記録媒体として、最近では、大容量光記
録媒体として、例えば、CD-R、DVD-R、DVD-RWのような
光で記録を行う大容量光記録ディスクが広範に使用され
るようになっている。光で記録を行う媒体の中で、通常
の再生専用CD-ROMと再生互換を持ち、記録が一度だけ可
能な追記型コンパクトディスクはCD-Rとよばれ多くの人
に利用されている。またCDよりも高い記録密度を有する
Digital Versatile Disk(DVD)でも記録可能な媒体の
開発が進められている。その中で追記型のDVD-RがDVD-R
OMとの互換性の高さから普及が期待されている。
【0003】このような大容量光記録ディスクでは、デ
ィスクの表面ではなく、ディスクの中に記録面を有する
のが通常であり、色素を主成分とする色素膜を記録層と
して用いるものがある。すなわち、例えば追記型の光記
録媒体では、記録層に有機色素を用い、レーザー光の照
射を受けた色素が局部的に加熱され、変質することでピ
ットを形成し情報の記録を可能としている。
【0004】このような記録層に用いる色素としては、
シアニン系、フタロシアニン系、含金属アゾ系色素等が
用いられている。これらの色素は、通常、適当な有機溶
剤に溶解し、スピンコーティング法により成膜され記録
層となる。この際、塗布溶液の溶媒の主成分としては、
室温環境下で、40〜200nmの範囲から選択された
所定の色素膜厚で、公差10%以下の均一成膜を形成す
ることを想定する際、適正な蒸発温度を有し、適正な色
素溶解度を有し、透明樹脂基板を溶解させないものが選
択されてきた。
【0005】例えば、炭素原子数6〜9の炭化水素系溶
媒を用いて有機色素をスピンコーティングした光記録媒
体の技術開示が多く、特開平9−267562号公報で
は炭化水素系溶媒を使用してフタロシアニン色素及びテ
トラアザポルフィリン色素の塗布を行っており、また特
開平10−226172号公報でもジメチルシクロヘキ
サン及びエチルシクロヘキサンを塗布溶媒とした成膜方
法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような色素膜から
なる記録層を有する光記録媒体においても、記録に際し
ては、アドレス等のディスク情報を正確に得る必要があ
る。例えば上記の追記型光記録媒体では、基板のランド
部分にプレピットが予め刻まれており、このランドプレ
ピットから得られる信号によってアドレス情報が得られ
る。ランドプレピット信号はランド部分に0.2μm〜
1.0μm程度のプレピットを形成して、プッシュプル
法でプレピットのある部分とない部分の反射率の違いを
利用して検出される。
【0007】このランドプレピットは、データ信号再生
時には光学ピックアップでデータ信号のピットとともに
読み込まれるが、光学ピックアップは、トラッキングガ
イドに沿ってトラッキングサーボされるため、通常の状
態ではランドプレピットと、グルーブ上に形成されるデ
ータ信号を記録したピットとは判別して読み取られる。
【0008】しかし、従来用いられている上記溶媒で実
際に色素膜を形成して得た光記録媒体では、ランドプレ
ピット信号がデータ信号記録用のピットの有無を検出す
るRF信号に漏れ込んでいた。ランドプレピットは、記
録時の光記録媒体上における位置情報等のアドレス情報
を得るのに必要なものであるが、再生時には必要のない
ものである。ところが、上記のようにランドプレピット
信号が、記録データを示すRF信号に漏れ込んでしまう
と、再生時のRF信号の読み取りにエラーを発生させる
要因となる。
【0009】本発明は、このような現状を考慮して、ラ
ンドプレピット信号のRF信号への漏れ込みを小さく
し、良好なエラーレート(信号検出誤り率)で記録再生
できる光記録媒体およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光記録媒体は、
渦巻き状または同心円状にグルーブとランドが形成され
た記録用基板上に、記録層、反射層および保護層含む光
記録媒体であって、前記記録層が前記グルーブとランド
の上面に色素の溶液を用いて形成されてなる色素膜であ
り、かつ前記基板側からみた前記グルーブ部における反
射率と前記ランド部における反射率とが実質同等である
ことを特徴とする。
【0011】ここで、実質同等とは、前記グルーブ部に
おける反射率をR20、前記ランド部における反射率をR22
とした場合に、R20とR22が、 0.90 ≦ R20/R22 ≦ 1.10 好ましくは 0.93 ≦ R20/R22 ≦ 1.07 の関係を満たす場合をいう。
【0012】また、前記色素溶液の溶媒が、シクロオク
タン以外の炭素原子数が6〜9の炭化水素1種または2
種以上とシクロオクタンとの混合物であることが好まし
く、さらに、前記溶媒におけるシクロオクタンの含有量
が1〜50重量%であることが好ましく、また、前記色
素がジピロメテン系金属錯体であることが好ましい。ま
た、ランドプレピット信号のRF信号への漏れ込み振幅
をX(V)、I3信号の振幅をY(V)とした場合に、XとY
が、 −0.3 ≦ X/Y ≦ 0.3 なる関係を満たすことが好ましい。
【0013】本発明の記録媒体の製造方法は、基板上に
色素の溶液を塗布して記録層を形成する光記録媒体の製
造方法において、前記色素溶液の溶媒として、シクロオ
クタン以外の炭素原子数が6〜9の炭化水素1種または
2種以上と、シクロオクタンとの混合物を用いることを
特徴とする。また、前記溶媒におけるシクロオクタンの
含有量が1〜50重量%であることが好ましく、また、
前記色素がジピロメテン系金属錯体であることが好まし
い。
【0014】本発明の光記録媒体の製造方法により得ら
れた光記録媒体は、ランドプレピット信号のRF信号へ
の漏れ込み振幅をX(V)、I3信号の振幅をY(V)とした
場合に、XとYが、 −0.3 ≦ X/Y ≦ 0.3 なる関係を満たすことが好ましい。
【0015】ここで、グルーブ部、ランド部の反射率が
実質的に同等であることが、ランドプレピット信号のR
F信号への漏れ込みを抑える理由を説明する。本願で
は、グルーブ深さとランドプレピットの深さとが等しい
ことが好ましい。記録されたデータの再生において、グ
ルーブ上の記録ピット列を再生レーザービームが走査す
る際、そのビーム端がランド部にもかかるためランドプ
レピット部での反射率変動がデータ信号上にかぶってき
てしまい、場合によってはランドプレピットを信号の一
部と認識してエラーレートの増加に繋がっていた。
【0016】そこで、この反射率変動は、ランドプレピ
ット部位における色素膜厚とランドプレピットの無い部
位の色素膜厚との差異に主として起因していると考えた
本発明者らは、ランドプレピット部位とプレピットの無
いランド部位で実質同一の反射率を与えるような色素膜
厚をそれぞれの部位で形成してやることにより、ランド
プレピット部位を再生ビーム端が走査してもRF信号上
では反射率が均一に見えるようにした。このとき、ラン
ドプレピット部位の色素膜厚はグルーブ部位での色素膜
厚と実質同じであるため、ランドプレピット部の反射率
はグルーブ反射率と等価になる。したがって、モニター
が容易なグルーブ部位での反射率とプレピットの無いラ
ンド反射率と等しくするような制御が媒体設計上重要と
なった。
【0017】このように、基板上のグルーブ部の反射率
とランド部の反射率が実質的に同等であれば、グルーブ
に追従する光ピックアップが、ランドプレピットのある
部位に位置付いたときの反射率と、ランドプレピットの
ない部位に位置付いたときの反射率とが実質的に同等に
なるため、ランドプレピット信号のRF信号への漏れ込み
を抑えることができる。
【0018】また、シクロオクタン以外の炭化水素系溶
媒に、適度に粘度が高く、主溶媒に比べ高沸点であるシ
クロオクタンを添加することにより、得られる色素膜形
状をコントロールできる。なお、グルーブ部の反射率
は、(a)入射光の波長、(b)基板についての光学定
数、(c)記録層についての光学定数(屈折率、減衰係
数)およびグルーブ中央部での膜厚、および(d)反射
層についての光学定数(屈折率、減衰係数)および膜
厚、から行列計算によって求められる。また、ランド部
の反射率は、(a′)入射光の波長、(b′)基板につ
いての光学定数、(c′)記録層についての光学定数
(屈折率、減衰係数)およびランド中央部での膜厚、お
よび(d′)反射層の光学定数(屈折率、減衰係数)お
よび膜厚、から行列計算によって求められる。
【0019】ここで、シクロオクタンの添加により色素
膜形状をコントロールできるということは、グルーブ部
の膜厚とランド部の膜厚をそれぞれ独立にコントロール
でき、基板上のグルーブ部の反射率とランド部の反射率
をそれぞれ独立にコントロールできるということであ
る。よって、シクロオクタンの添加量の調整により、基
板上のグルーブ部の反射率とランド部の反射率が実質的
に同等となるようにグルーブ部の膜厚とランド部の膜厚
をコントロールすることができ、これによりランドプレ
ピット信号のRF信号への漏れ込みを抑えることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光記録媒体および
その製造方法を実施の形態により詳細に説明する。図1
は、本発明の光記録媒体の断面を模式的に示す図であ
り、図2は、本発明の光記録媒体の断面を部分的に拡大
したものを模式的に示す図である。
【0021】図1において、符号10は、全体で本発明
の光記録媒体を示している。光記録媒体10は、渦巻き
状又は同心円状にグルーブ20とランド22が形成され
た記録用基板12上に、少なくとも記録層14、反射層
16および保護層18をこの順で有する構成となってい
る。前記記録層14は前記グルーブ20とランド22の
上面に色素の溶液を用いて形成されたものである。ま
た、前記基板12側からみた前記グルーブ部20におけ
る反射率と前記ランド部22における反射率とが実質同
等である。
【0022】本発明における記録用基板12は透明基板
であり、この材質としては、ポリカーボネート、ポリメ
タクリレート、ポリアクリレート、ポリオレフィンなど
のプラスチックおよびガラス等が挙げられ、特にポリカ
ーボネートが強度、耐湿熱特性、量産性の観点から好ま
しい。また、基板12の製造方法としては、特に限定さ
れるものではないが、大量生産が可能であるなどの生産
性の観点から、通常は射出成形法により製造される。な
おこの基板12は、その光入射面となる下面11側が鏡
面仕上げされている。
【0023】このような基板12は厚さが通常は0.6
〜1.2mm程度である。また、基板12上にグルーブ
(案内溝)20が渦巻き状または同心円状にピッチ0.
5μm〜2μm、深さ50〜250nm、幅200〜7
00nm程度で形成されており、グルーブ20に挟まれ
た部分がランド22となっている。特に、4.7GB容
量を有するDVD−R媒体に使用する記録用基板12で
は、トラックピッチ0.74μmに対して、グルーブ2
0の深さは140nm〜250nm、好ましくは150
nm〜180nm、グルーブ20の幅は250nm〜4
50nm、好ましくは270nm〜350nmの範囲か
ら最適化される。
【0024】グルーブ20上およびランド22上に積層
する記録層14を形成する色素としては、記録レーザー
光を吸収して熱に変換するものであれば原則として何で
も使用できるが、高い屈折率を有する色素群としてシア
ニン系色素、フタロシアニン系色素、含金属アゾ系色
素、ポルフィリン系色素、含金属ピロメテン系色素など
が好ましい。
【0025】中でも、本発明で用いる色素としては、非
極性溶剤に可溶な、フタロシアニン系色素、ポルフィリ
ン系色素、および含金属ピロメテン系色素が好ましく、
特に含金属ピロメテン系色素が好ましい。とりわけ下記
式(1)で示される含金属ピロメテン系色素は、特にラ
ンドプレピット信号のRF信号への漏れ込み対策上重要
であった。
【0026】
【化1】
【0027】(式(1)のR1〜R13は、それぞれ独立
に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素
原子数1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素
原子数1〜12の置換または無置換のアルコキシ基、ア
ミノ基、炭素原子数7〜20の置換または無置換のアリ
ール基を示す。また中心金属は、ジピロメテン化合物と
錯体を形成する能力を有する金属であれば特に限定され
ないが、安定性、光学特性からは、Cu、Co、Ni、Mn、Z
n、Pdなどの遷移金属から選択されるのが好ましい。な
お、前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基の置換
基としてはメチル、エチル、n‐プロピル、i‐プロピ
ル、n‐ブチル、i‐ブチル、sec‐ブチル、ter
t‐ブチル、n‐ペンチル、i‐ペンチル等のアルキル
基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のア
ルコキシ基、フェニル、トルイル、キシリル等のアリー
ル基などが挙げられる。) このような記録層14は、スピンコート、スプレーコー
ト、ロールコート等の塗布方法で色素溶液を塗工するこ
とで成膜することが可能である。中でも特にスピンコー
ト法は量産性、工程タクト短縮の点から好ましい。この
ような記録層14は、上記基板12のグルーブ20上で
の膜厚が40〜200nm、好ましくは70〜150n
mに形成され、ランド22上での膜厚が20〜60nm
に形成される。
【0028】塗布に関しては、基板12にダメージを与
えない溶媒に溶かした色素溶液を準備し、これを基板1
2上にコーティングし乾燥して記録層14を形成させ
る。基板12にダメージを与えない塗布溶媒の主成分と
しては、溶媒中の水分濃度を徹底管理する観点からアル
コール系、ケトン系、セロソルブ系、ハロゲン系の溶剤
群はいずれも良好な溶剤とはいえない。本発明において
は、シクロオクタン以外の炭化水素系溶媒とシクロオク
タンとを混合させて用いることが好ましい。ここで、シ
クロオクタン以外の炭化水素系溶媒とは、直鎖若しくは
分岐側鎖を有した鎖状脂肪族炭化水素、直鎖若しくは分
岐したアルキル置換基を有しても良い脂環式炭化水素、
または直鎖若しくは分岐したアルキル置換基を有しても
良い芳香族炭化水素を意味する。
【0029】また、本発明において、前記溶媒における
シクロオクタンの含有量は1〜50重量%、好ましくは
3〜20重量%(但し、溶媒の総量を100重量%とす
る。)の範囲とすることが好ましい。このような範囲と
することにより、得られる光記録媒体のRF信号へのラ
ンドプレピット信号の漏れ込みが良好に低減される。こ
こでシクロオクタンの含有量が上記範囲の上限を超える
と色素溶液と基板12との濡れ性が悪くなり、均一な記
録層が形成できず、ノイズレベルが悪化しサーボ不良を
起こす。逆に上記範囲の下限を下回ると含有量が微量な
ためシクロオクタンを含有した効果が発現せずランドプ
レピット信号のRF信号への漏れ込みが抑え込めない。
【0030】シクロオクタンと組み合わせる溶媒として
は、塗布膜形状をコントロールすべく、所定の膜厚を均
一にスピンコート成膜させるためには溶剤蒸発速度の制
御が重要となる。そのため、このような溶媒では沸点が
80℃〜160℃の範囲をとることが必要であり、シク
ロオクタン以外の炭素原子数で6〜9の炭化水素系溶媒
からの選択が最適である。ここで、炭素原子数5以下で
は常温での沸点が低く蒸気圧が大きいため、例えば12
0mmφのディスク基板にスピンコート法で記録層を成
膜形成するとき、ディスク内・外での膜厚均一性の確保
が非常に困難である。一方、逆に炭素原子数が10以上
では概して沸点が高く通常のスピンコート乾燥条件では
溶剤の蒸発除去が非常に困難であり、仮に成膜できても
その厚みを確保するのは非常に困難である。
【0031】本発明において用いることのできる、沸点
が80℃〜160℃の範囲にある、シクロオクタン以外
の炭素原子数6〜9よりなる炭化水素系溶剤として具体
的には、例えば、n−ヘプタン、n−オクタン、イソヘ
プタン、イソオクタンなどの鎖状脂肪族炭化水素系溶
剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、1,2−ジメ
チルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサ
ン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘ
プタン等の脂環式炭化水素系溶剤、さらには、トルエ
ン、p−キシレン、o−キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
【0032】これらの有機溶媒は、色素の溶解性向上、
蒸発速度の調整などを目的に、単独でも、あるいは2種
類以上混合して用いてもよい。例えば、上記の芳香族炭
化水素系溶剤はポリカーボネートやアクリル基板などの
透明性基板との相溶性が高いため、実質主溶剤としては
用いられずに、主として鎖状脂肪族炭化水素、脂環式炭
化水素に色素溶解性の向上等を目的に少量混合させて用
いることが望ましい。
【0033】反射層16の材料としては、読み出しレー
ザー光の波長に対して高反射率となるものであれば特に
限定されないが、好ましくは金、銀、アルミニウム、白
金、ロジウム、パラジウムなどの金属またはこれら2種
以上の合金が望ましい。反射層16は、通常、スパッタ
法により形成され、50〜200nmの膜厚とするのが
好適である。
【0034】さらに、反射層16の表面に形成される保
護層18の材料としては、紫外線硬化樹脂が用いられ、
好ましくは(メタ)アクリル系の紫外線硬化樹脂が用い
られる。これらの材料は、例えば、スピンコート法によ
り厚さ2〜20μm程度に塗布され、紫外線照射等によ
り硬化される。なお、CD-Rのように単板形態のディスク
の場合にはこの保護層18上にレーベル印刷層を設けて
も良い。またDVD-Rのように接着層を介してダミー基板
またはシートを貼合わせた構造を採択することもでき
る。
【0035】このような本発明の光記録媒体10は、前
記基板12側からみた前記グルーブ部20における反射
率と前記ランド部22における反射率とが実質同等であ
る。具体的には、グルーブ部20における反射率とラン
ド部22における反射率とが実質同等であるとは、グル
ーブ部20における反射率をR20、ランド部22におけ
る反射率をR22とした場合に、R20とR22が、 0.90 ≦ R20/R22 ≦ 1.10 好ましくは 0.93 ≦ R20/R22 ≦ 1.07 の関係を満たす場合をいう。
【0036】このようなグルーブ部20における反射率
は、(a)入射光の波長、(b)基板12についての光
学定数(屈折率、減衰係数)、(c)記録層14につい
ての光学定数(屈折率、減衰係数)およびグルーブ中央
部での膜厚d20、および(d)反射層16についての光
学定数(屈折率、減衰係数)およびd20上の膜厚d30
から行列計算によって求められる。
【0037】また同様に、ランド部22における反射率
は、(a′)入射光の波長、(b′)基板12について
の光学定数(屈折率、減衰係数)、(c′)記録層14
についての光学定数(屈折率、減衰係数)およびランド
中央部での膜厚d22、および(d′)反射層16につい
ての光学定数(屈折率、減衰係数)およびd22上の膜厚
32、から行列計算によって求められる。
【0038】よって、主溶媒に比べ適度に粘度が高く高
沸点であるシクロオクタンを主溶媒に適量添加すること
により、得られる色素膜形状をグルーブ部とランド部で
独立にコントロールできる。例えば、スピンコート時の
回転数とシクロオクタンの添加比を変えることにより、
グルーブ部の色素膜厚をほぼ一定にして、ランド部の膜
厚を変えることができる。こうしてグルーブ部20にお
ける反射率と、ランド部22における反射率とが実質同
等となる膜形状を選択することができる。
【0039】このように、グルーブ部20における反射
率と、ランド部22における反射率とが実質同等であれ
ば、グルーブに追従する光ピックアップが、ランドプレ
ピットのある部分に位置付いたときの反射率と、ランド
プレピットのない部位に位置付いたときの反射率とが実
質的に同等になるため、ランドプレピット信号のRF信
号への漏れ込みを抑えることができる。
【0040】このような本発明の光記録媒体は、ランド
プレピット信号のRF信号への漏れ込み振幅をX(V)、
I3信号の振幅をY(V)とすると、XとYが、 −0.3 ≦ X/Y ≦ 0.3 好ましくは −0.2 ≦ X/Y ≦ 0.2 を満たす。この範囲内であれば、信号中、最も出現頻度
の大きく(個数が多い)、かつ最も振幅が小さく信号波
形歪の影響を最も受けやすいI3信号波形における、ラン
ドプレピット信号の漏れ込みによる信号波形の歪程度が
低減され、これにより、エラーレート(信号検出誤り
率)が抑えられる。なお、I3信号は、最短ピット(3
T)で記録した信号を表す。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例により限定されるものでは
ない。
【0042】
【実施例1】透明樹脂基板として、DVD-R用に周期的に
蛇行したトラッキング溝(ピッチ:0.74μm、深
さ:160nm、幅(半値幅):350nm)を設けた
直径120mm,厚さ0.6mmのポリカーボネート基
板を用いた。記録層の形成としては、下記式(2)記載
のジピロメテン金属錯体色素を20g/l用い、1,2−
ジメチルシクロヘキサン(DMCH)にシクロオクタンを1
0重量%混合した溶媒に溶解し、ろ過した後、前記基板
上にスピンコート法によりグルーブ中央部での色素膜厚
(記録層厚)が120nmとなるように回転数を調整し
て塗布を行った。
【0043】
【化2】
【0044】形成した色素膜は80℃で1時間乾燥処理
し、続いてバルザース社製スパッタ装置(CDI-900)を
用いて、反射層としてAuを厚さ100nmに形成した。
さらにこの反射層の上にはUV硬化樹脂:SD1700(大日本
インク化学工業社製)を塗布しUV硬化して保護層を形成
後、この表面に前記と同様に0.6mm厚のポリカーボ
ネート基板を重ね合わせJSR社製UV硬化型ラジカル性接
着剤(Z8421H)によりUV光で貼合わせた光記録媒体を作
製した。
【0045】この光記録媒体をパルステック工業社製デ
ィスクテスター(DDU1000:波長=657nm,NA=
0.6)にて線速度=3.5m/sでDVD互換となる8−
16変調記録を施した(ベーシック・ストラテジーType
3)。この後、同様にDDU1000鏡体に標準のROM再生光学
系(波長=650nm、NA=0.6)を搭載したディス
クテスターにて上記記録部位の信号を再生しエラーレー
ト(PIエラー)を評価した。また、その際I3信号振幅及
びランドプレピット信号のRF信号への漏れ込み振幅を
同時に評価した。また、その際I3信号振幅およびランド
プレピット信号のRF信号への漏れ込み振幅、またグル
ーブ部の反射率とランド部の反射率を同時に評価した。
この反射率は前述の方法により計算で求めたものであ
る。これらの結果を表1に示す。
【0046】
【実施例2】実施例1に記載の色素と基板を用い、当該
色素を、エチルシクロヘキサン(ECH)に3重量%のo
−キシレンを添加し、さらにシクロオクタンを10重量
%添加した混合溶剤に、25g/lの濃度で溶解した。グ
ルーブ中央部での色素膜厚(記録層厚)が120nmと
なるような回転条件を調整し成膜した。実施例1と同様
の処方で光記録媒体を作製し信号評価を行った。これら
の結果を表1に示す。
【0047】
【実施例3】実施例1に記載の基板を用い、下記式
(3)のピロメテン金属錯体色素を、エチルシクロヘキ
サン(ECH)とシクロヘキサン(CH)の重量比が3:1
の混合溶剤にシクロオクタンを5重量%添加した混合溶
剤に、15g/lの濃度で溶解した。グルーブ中央部での
色素膜厚(記録層厚)が120nmとなるような回転条
件を調整し成膜した。実施例1と同様の処方で光記録媒
体を作製し信号評価を行った。これらの結果を表1に示
す。
【0048】
【化3】
【0049】
【比較例1】実施例1に記載の色素と基板を用い、当該
色素を、エチルシクロヘキサン(ECH)に20g/lの濃
度で溶解し、シクロオクタンは添加せずに、グルーブ中
央部での色素膜厚(記録層厚)が120nmとなるよう
な回転条件を調整し成膜した。実施例1と同様の処方で
光記録媒体を作製し信号評価を行った。これらの結果を
表1に示す。
【0050】
【比較例2】実施例1に記載の色素と基板を用い、当該
色素を、エチルシクロヘキサン(ECH)にシクロオクタ
ンを60重量%添加した混合溶剤に、20g/lの濃度で
溶解し、グルーブ中央部での色素膜厚(記録層厚)が1
20nmとなるような回転条件を調整し成膜した。実施
例1と同様の処方で光記録媒体を作製し信号評価を行っ
た。これらの結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果から明らかように、本発明によ
る光記録媒体は、ランドプレピット信号のRF信号への
漏れ込みが低減され、エラーレートについても良好なも
のとなっていた。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、基板側からみたグルー
ブ部における反射率とランド部における反射率とが実質
同等であるので、ランドプレピット信号のRF信号への漏
れ込みを小さくすることができ、エラーレートを低くす
ることができる。また、樹脂基板上に塗布する色素溶液
の溶媒として、シクロオクタン以外の炭素原子数6〜9
の炭化水素1種または2種以上と、シクロオクタンとの
混合物を用いることによって、塗布された色素膜の形状
をコントロールすることができるため、基板上のグルー
ブ部の反射率とランド部の反射率を実質的に同等とする
ことができ、これにより、得られた光記録媒体における
ランドプレピット信号のRF信号への漏れ込みを小さく
することができ、エラーレートを低くすることができ
る。
【0054】従って、本発明によれば、記録時にはラン
ドプレピットからアドレス信号を確実に読み取ることが
でき、再生時には記録されたデータ信号を光学的に読み
取る際に、アドレス情報を示すランドプレピット信号の
記録データを示すRF信号への漏れ込みによる読み取り
の誤りを少なくすることができる光記録媒体を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光記録媒体の断面を模式的に
示す図である。
【図2】図2は、本発明の光記録媒体の断面を部分的に
拡大したものを模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 光記録媒体 12 記録用基板 14 記録層 20 グルーブ 22 ランド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奈 良 亮 介 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 小 池 正 士 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 2H111 FA01 FA12 FA14 FB42 5D029 JA04 JA10 JC02 5D121 AA01 EE21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦巻き状または同心円状にグルーブとラ
    ンドが形成された記録用基板上に、記録層、反射層およ
    び保護層を含む光記録媒体であって、 前記記録層が前記グルーブとランドの上面に色素の溶液
    を用いて形成されてなる色素膜であり、かつ前記基板側
    からみた前記グルーブ部における反射率と前記ランド部
    における反射率とが実質同等であることを特徴とする光
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記色素溶液の溶媒が、シクロオクタン
    以外の炭素原子数が6〜9の炭化水素1種または2種以
    上とシクロオクタンとの混合物であることを特徴とする
    請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記溶媒におけるシクロオクタンの含有
    量が1〜50重量%であることを特徴とする請求項2に
    記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記色素がジピロメテン系金属錯体であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 ランドプレピット信号のRF信号への漏
    れ込み振幅をX(V)、I3信号の振幅をY(V)とした場合
    に、XとYが、 −0.3 ≦ X/Y ≦ 0.3 なる関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 基板上に色素の溶液を塗布して記録層を
    形成する光記録媒体の製造方法において、前記色素溶液
    の溶媒として、シクロオクタン以外の炭素原子数が6〜
    9の炭化水素1種または2種以上と、シクロオクタンと
    の混合物を用いることを特徴とする光記録媒体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記溶媒におけるシクロオクタンの含有
    量が1〜50重量%であることを特徴とする請求項6に
    記載の光記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記色素がジピロメテン系金属錯体であ
    ることを特徴とする請求項6に記載の光記録媒体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の製造方法により製造さ
    れた光記録媒体が、ランドプレピット信号のRF信号へ
    の漏れ込み振幅をX(V)、I3信号の振幅をY(V)とした
    場合に、XとYが、 −0.3 ≦ X/Y ≦ 0.3 なる関係を満たすことを特徴とする光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100785708B1 (ko) * 2003-12-26 2007-12-18 다이요 유덴 가부시키가이샤 광정보기록매체
US7799403B2 (en) 2006-07-05 2010-09-21 Victor Company Of Japan, Ltd. Optical storage medium

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KR100785708B1 (ko) * 2003-12-26 2007-12-18 다이요 유덴 가부시키가이샤 광정보기록매체
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