JP2002253177A - 熱処理海老および熱処理海老の製造方法 - Google Patents

熱処理海老および熱処理海老の製造方法

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JP2002253177A JP2001209154A JP2001209154A JP2002253177A JP 2002253177 A JP2002253177 A JP 2002253177A JP 2001209154 A JP2001209154 A JP 2001209154A JP 2001209154 A JP2001209154 A JP 2001209154A JP 2002253177 A JP2002253177 A JP 2002253177A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間の保存の後でも生鮮海老と同様な味を
保持し、しかも冷凍や解凍処理を行っても劣化を起こし
にくい熱処理海老、および熱処理海老の製造方法を提供
する。 【解決手段】 本発明の熱処理海老は、海老の尾部筋肉
が不透明化しており、且つ該尾部筋肉から横方向に平行
切断して採取した厚さ5±0.2mmの試料の平行板型
加圧試験機による室温での縦方向圧潰強さが、前記試料
の断面積1cm2当たり15〜30Nであるもので、生
鮮海老を85℃以上の熱水又は飽和水蒸気に所要時間接
触させて熱処理するステップと、該熱処理後直ちに冷却
するステップとを含み、該接触の時間を、海老の尾部筋
肉が不透明化し、且つ該尾部筋肉から横方向に平行切断
して採取した厚さ5±0.2mmの試料の平行板型加圧
試験機による室温での縦方向圧潰強さが、前記試料の断
面積1cm2 当たり15〜30Nとなるに必要な時間と
することにより製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理海老に関す
るものであり、さらに詳しくは、生鮮海老のタンパク質
成分が変質を起こすことによる、海老本来の食味の経時
的劣化を、効果的に抑制できた熱処理海老、及びこうし
た新規な熱処理海老の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に魚介類のうちで海老やカニ等の甲
殻類は、死後の生活反応の停止により死後硬直が起き、
それ続き酸化が始まって硫化水素の発生による褐変現象
がおき、さらに軟化を経て腐敗に到る現象が見られる。
食品におけるこのような好ましくない劣化現象の発生を
遅らせ、または防止するためには、一般的に、食品を冷
凍保存する方法が採用されているが、海老、特に甘海老
や桜海老などを生で食する場合では、解凍した後に海老
の筋肉組織に含まれる結合水の1部が、比較的に速やか
にドリップを起こすうえ、筋肉組織が軟化してしまうた
め、冷凍は食味の劣化を防ぐのに適切な方法ではないと
されていた。
【0003】また、甘海老などの生の海老を冷蔵してお
いて、腐敗に到らないうちに食する場合でも、味の劣化
の進行を防ぐ有効な方法がなく、その一方で生の海老を
加熱して結合水を細胞組織に固定しようとすると、生の
味が失われて風味を損なうこととなり、生の海老の保存
管理は極めて困難とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】上述のような事情
のもとで、捕獲された新鮮な海老の鮮度と味とを、長時
間にわたって保持することができる方法の出現が待たれ
ていた。そこで本発明は、生鮮な海老の味を長時間にわ
たって劣化させることなく保存することを目的としたも
ので、長時間の保存の後でも生鮮な海老と同様な味を保
持し、しかも冷凍や解凍処理を行っても劣化を起こしに
くい熱処理海老、およびこのような熱処理海老の製造方
法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するこ
とができる本発明の熱処理海老は、海老の尾部筋肉が不
透明化しており、且つ該尾部筋肉から横方向に平行切断
して採取した厚さ5±0.2mmの試料の平行板型加圧
試験機による室温での縦方向圧潰強さが、前記試料の断
面積1cm2 当たり15〜30Nであるものである。
【0006】そして、上記の熱処理海老を得るための、
本発明の熱処理海老の製造方法は、生鮮海老を85℃以
上の熱水又は飽和水蒸気に所要時間接触させて熱処理す
るステップと、該熱処理後直ちに冷却するステップとを
含み、該接触の時間を、海老の尾部筋肉が不透明化し、
且つ該尾部筋肉から横方向に平行切断して採取した厚さ
5±0.2mmの試料の平行板型加圧試験機による室温
での縦方向圧潰強さが、前記試料の断面積1cm2 当た
り15〜30Nとなるに必要な時間とすることを特徴と
する。
【0007】本発明の熱処理海老の製造方法において、
原料となる前記生鮮海老は、捕獲したままのものが好ま
しいが、捕獲した後急速冷凍したものでもよく、さらに
頭や殻を除去したものであってもよい。そして、生鮮海
老の生活反応があるか、又は生活反応が停止したときの
状態を維持している時点で、熱処理を開始することが好
ましい。更にこの熱処理には、前記のように85℃以上
の熱水又は飽和水蒸気を使用することができ、その際に
用いる熱水は真水でもよいが、塩類などを含有する水溶
液であることが、より好ましい。
【0008】さらに、本発明の熱処理海老の製造方法に
おける冷却するステップは、30℃以下、特に25℃以
下の冷水による冷却工程を含むことが好ましく、更に
は、50℃以下の温水と接触させる1次冷却工程と、3
0℃以下の冷水と接触させる2次冷却工程とを含むこと
がより好ましい。さらにこうした冷却工程の最終段階と
して、冷凍工程を含むことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる熱処理海
老の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。図1は
搬入コンベアC1により搬入されてから加熱と冷却を終
えて再び搬出コンベアC2で搬出されるまで、海老を熱
処理する装置の正面図である。ここで、熱処理装置D
は、計量部1、加熱部2、第一冷却部3、第二冷却部4
からなっており、搬入コンベアC1の終端は前記計量部
1の上方に臨んでいる。
【0010】前記計量部1には自動計量機14が設けら
れており、海老aがこぼれ落ちない程度の、小さい穴が
無数にあけられた容器からなるバスケットH1が、該自
動計量機14の上に載置されていて、前記搬入コンベア
C1で送り込まれた海老aを受けるようになっている。
該バスケットH1としては上記の構造を有するもののみ
ならず、ステンレス金網製のものを使用してもよく、同
様な機能を備えたものであれば、どのようなものであっ
てもよい。
【0011】この計量部1と前記加熱部2の間には、フ
レーム10が立設されており、該フレーム10の上には
バスケット駆動部11が設置されている。該バスケット
駆動部11は、前記フレーム10に対して水平に固定さ
れた回転軸12と、該回転軸12により回転駆動される
アーム13とから構成されていて、該アーム13は、図
示しない把持手段により前記バスケットH1を把持して
いる。そして、駆動源(図示せず)のスイッチを入れる
と、図中鎖線で示したように120度ほど回動して、該
バスケットH1内の海老aを、加熱部2に投入できるよ
うになっている。
【0012】一方、前記加熱部2は、熱水を入れる水槽
24と、該水槽24に蒸気を供給するスチームパイプ2
5と、該水槽24に両端が開口した循環パイプ26と、
該循環パイプ26の中程に設けた循環ポンプ27とから
構成されている。前記熱水は真水乃至塩水などでよく、
蒸気を吹き込むことで85℃乃至98℃に加熱され、循
環ポンプ27によって、水槽24内の熱水の温度が均一
になるよう循環している。そして、このような水槽24
内には、前記バスケットH1と同様の構造のバスケット
H2が沈置されており、前記バスケットH1により投入
された海老aを、受けることができるようになってい
る。
【0013】また、この加熱部2と前記第一冷却部3の
間には、フレーム20が立設されており、該フレーム2
0の上にはバスケット駆動部21が設置されている。該
バスケット駆動部21は、前記フレーム20に対して水
平に固定された回転軸22と、該回転軸22により回転
駆動されるアーム23とから構成されていて、該アーム
23は、図示しない把持手段により前記バスケットH2
を把持している。そして、駆動源(図示せず)のスイッ
チを入れると、図中鎖線で示したように120℃程回動
して、該バスケットH2内の海老aを第1冷却部3に投
入できるようになっている。
【0014】前記第一冷却部3は、冷却用の温水を入れ
る水槽34と、該水槽34に両端が開口した循環パイプ
35と、該循環パイプ35の中程に設けた循環ポンプ3
6とから構成されている。前記温水は真水乃至塩水など
でよく、天然海水も用い得る。この温水として天然海水
を用いるときは、海水供給パイプを設けて天然海水を水
槽34にに供給するようにし、底部に接続した排出用パ
イプ37を介して、ポンプ38により、余分な海水を外
部に排出するように構成する。そして、この水槽34内
には、前記バスケットH1と同様の構造のバスケットH
3が沈置されており、前記バスケットH2により投入さ
れた海老aを、受けることができるようになっている。
【0015】また、この第一冷却部3と前記第二冷却部
4の間には、フレーム30が立設されており、該フレー
ム30の上にはバスケット駆動部31が設置されてい
る。該バスケット駆動部31は、前記フレーム30に対
して水平に固定された回転軸32と、該回転軸32によ
り回転駆動されるアーム33とから構成されていて、該
アーム33は、図示しない把持手段により前記バスケッ
トH3を把持している。そして、駆動源(図示せず)の
スイッチを入れると、図中鎖線で示したように120度
ほど回動して、該バスケットH3内の海老aを第二冷却
部4に投入できるようになっている。
【0016】該第二冷却部4は、海老aを最終的に冷却
する冷水を入れる水槽41からなっており、該水槽41
は第一冷却部3の水槽34より大きく形成されている。
該水槽41の中の冷水は真水乃至塩水などでよく、天然
海水も用い得る。この冷水として天然海水を用いるとき
は、通常の温度、好ましくは海洋の中層または深層から
汲み上げた低温の天然海水を、海水供給パイプを介して
水槽41に供給するのがよい。また、該水槽41の上方
には送風機F1が設けられ、さらに、水槽41の近傍に
は、搬出コンベアC2の端部が臨んでおり、水槽41か
ら冷水と共にすくい上げるなどして送出された海老a
を、搬出コンベアC2に載せて水を分離すると同時に、
送風機F2で余分の水分を除去しながら、冷凍室(図示
せず)に向けて搬出することができるようになってい
る。
【0017】上記の装置において、加熱部2の水槽24
に入れる熱水は、例えば食塩の1〜3%水溶液などであ
ってもよく、場合によってはアミノ酸塩などを含んでい
るものでもよい。また熱水の温度は、筋肉組織に含まれ
る蛋白質などを効率よく改質するために、85℃以上で
ある必要があるが、90℃以上、更には95℃以上であ
ることがより好ましく、例えば海老の熱処理中には、熱
水の温度が90〜98℃の範囲内にあるように、調整す
ることが望ましい。
【0018】また、海老の熱処理をするに当たって、こ
のような熱水または水蒸気等の加熱媒体と海老との接触
時間は、加熱媒体の種類や温度、海老のサイズ、加熱媒
体量と海老の量との割合等により、適宜に調整する必要
がある。、特には処理された後の海老の尾部筋肉から横
方向に平行切断して採取した厚さ5±1mmの試料の室
温での平行板型加圧試験機による縦方向圧潰強さが、前
記試料の断面積1cm 2 当たり15〜30Nとなるに必
要な時間の範囲で、接触させるのがよい。このような接
触時間は、通常1分から5分程度の間であり、しかも海
老の筋肉組織の温度が少なくとも70〜75℃に達する
ように選択することが望ましい。
【0019】こうして熱処理された海老は、30℃以下
の冷水により直ちに冷却されるが、該冷却工程において
は、海老の筋肉組織の温度が速やかに65℃以下、好ま
しくは55℃以下となり、必要以上に筋肉組織の改質が
進まないようにすることが望ましい。しかし、熱処理し
た海老の保存には更に完全に冷却することが好ましいの
で、冷水の温度は25℃以下、さらには20℃以下であ
ることがより好ましく、10℃以下であってもよい。そ
して、完全に冷却したのちに冷凍すると、改質された筋
肉組織の性質を更に長期間にわたって維持させることが
できる。
【0020】また、上記の30℃以下の冷水による冷却
効率をより高めるために、前記の熱水による熱処理を加
えた海老を、50℃以下の温水と接触させる1次冷却工
程によって、筋肉組織の改質の進行を止めたのち、30
℃以下の冷水と接触させる2次冷却工程によって、2段
階で冷却するようにすれば、低温の冷水を有効に利用す
ることができ、さらに効率よく冷却することができる。
【0021】以下、工船上に設置された上記の構成を備
えた装置を用いて、本発明の熱処理海老の製造方法を実
施することにより、生鮮甘海老から熱処理甘海老を製造
する例を説明する。
【0022】甘海老は、水面下300乃至500mの海
底に生息しており、この10℃以下の低温の海底を、ト
ロール網で平均3時間30分程度かけて引回し、甘海老
を捕獲する。そして網を船甲板上に引き揚げて、甘海老
を船の魚溜に入れるが、2℃乃至10℃の天然海水で満
たされた金属製の魚溜の中で、海老は生きた状態で泳い
でいる。
【0023】これらの甘海老は、魚溜からすくい上げら
れた後、第一次選別により他の混獲魚を甘海老から手作
業で除去する。さらに引き続いて、等級及びサイズ別選
別のための自動選別機による第二次選別が行われる。こ
うして選別された甘海老は、その形態のまま、或いは頭
を取るか、さらに殻を除くなどして、自動搬入コンベア
C1の上に載せ、熱処理装置Dに搬入される。
【0024】まず、搬入コンベアC1により逐次搬入さ
れる甘海老aを、計量部1の自動計量機14上に載置さ
れたバスケットH1に投入し、甘海老aが所定の量に達
したら前記搬入コンベアC1を停止させる。それと同時
にバスケット駆動部11のスイッチが入り、前記バスケ
ットH1を約120℃回動させることにより、加熱部2
の水槽24内に沈置されたバスケットH2に、甘海老a
が投入される。
【0025】前記水槽24内には、85℃乃至98℃に
温度設定された、例えば1〜3%の食塩水などの熱水が
満たされており、バスケットH2の中に投入された甘海
老aを、20秒乃至10分間、好ましくは1〜3分間程
度熱処理すると、甘海老aの筋肉組織に不可逆的な変化
がおきて、組織結合水が離脱しにくくなる。そこで、前
記バスケット駆動部21のスイッチ(図示せず)を入れ
ると、アーム23が作動して、水槽24内のバスケット
H2を図中点線の位置にまで回動させると共に、バスケ
ットH2の内部に保持していた甘海老aを、1次冷却部
3の水槽34内に沈置されたバスケットH3内に投入す
る。
【0026】該水槽34内には、45℃乃至50℃に温
度設定された、例えば天然海水などの温水が満たされて
おり、バスケットH3内に投入された甘海老aを、温水
中に少なくとも30秒以上浸漬して、甘海老aの筋肉組
織の熱処理によるそれ以上の変化を停止させる。その
後、前記バスケット駆動部31のスイッチ(図示せず)
を入れると、アーム33が作動して、水槽34内のバス
ケットH3を図中点線の位置まで回動させ、バスケット
H3の内部に保持していた甘海老aを,送風機F1で水
分を除去しながら、2次冷却部4の水槽41内に投入す
る。
【0027】前記水槽41内には、1℃乃至23℃に維
持された冷水、例えば天然海水や低濃度食塩水などの塩
水、ミネラル水、清水などが満たされており、投入され
た甘海老aを少なくとも10秒間浸漬して冷却する。こ
のように冷却された甘海老aを、一匹ずつ搬出コンベア
C2にすくい上げ、付着水分を分離すると共に送風機F
2で余分の水分を除去しながら、冷凍室(図示せず)へ
向けて搬送する。こうして、必要に応じて適宜に小分け
して冷凍された甘海老aは、さらに箱詰めなどによって
包装し、製品として例えば−20℃の冷凍庫等に保管さ
れる。
【0028】
【実施例】(第1実施例)捕獲後に1kg当たり90〜
120尾のサイズに選別した活甘海老A0を、水槽から
すくい上げた後に、直ちに95℃の2%食塩水中に投入
し、筋肉温度が71℃に達するまで約2分間熱処理した
後直ちに掬い上げ、10℃の海水中に投入して冷却する
が、海老の筋肉はこの段階で透明性を失い、曇化乃至は
白化している。このように処理した海老を、更に脱水し
た後−20℃以下に急速冷凍して、本発明の熱処理甘海
老B1を製造した。
【0029】こうして得た熱処理甘海老B1を、ポリエ
チレンフィルムからなる袋に水と共に入れて、5〜10
℃の流水中に約10分間程度浸漬して半解凍し、海老の
殻を剥き、室内で完全に解凍させた後直ぐに、尾部筋肉
を軸に対して略直角方向に切断し、厚さ5±0.2mm
の筋肉試料を作成すると共に、その直径を測定した。続
いて、この筋肉試料を平行板型加圧試験機(サン科学、
COMPAC−100、円板状アダプタ使用)に挟み、
厚さが50%になるまで縦方向に圧し潰す間における最
大荷重値(N)を求め、筋肉試料の断面積1cm2 当た
りの縦方向圧潰強さ(N/cm2 )を計算したうえ、1
0個の筋肉試料について得た圧潰強さの平均値を算出し
た。そして、海老の処理条件と試験結果とを、表1に示
した。
【0030】また、上記と同様にして熱処理甘海老B1
を解凍し、7±2℃の冷蔵庫中に保存し、保存時間が経
過するにつれて、食感と食味がどのように変化するかを
調べて、食品としての品質、及びその品質の保持時間を
評価した。この結果は、表2に示した。
【0031】また比較のために、95℃の2%食塩水中
で約2分間熱処理する代わりに、4分間、又は15分間
加熱したほかは上記と同様に処理して、それぞれ冷凍熱
処理甘海老B2と冷凍熱処理甘海老B3とを製造した。
そして更に、前記の水槽からすくい上げた活甘海老A0
を用意したほか、その活甘海老A0を一旦水で洗浄した
後に熱処理を加えることなく、そのまま−20℃以下に
急速冷凍した冷凍甘海老A1も製造した。
【0032】そして、この熱処理も冷凍処理も加えない
活甘海老A0を殻剥きした筋肉試料と、冷凍熱処理甘海
老B2及びB3を、上記と同様にして解凍して殻剥きし
た筋肉試料とを作成し、縦方向圧潰強さを求めると共
に、7±2℃の冷蔵庫の中に保存した海老の食感と食味
の経時変化を調べ、食品としての評価を行った。これら
の試験結果も、表1と表2とにそれぞれ併せて示した。
【0033】(第2実施例)次に、第1実施例において
作成した冷凍甘海老A1を、解凍した後に殻付きの状態
で、97℃の2%食塩水中に投入し、それぞれ1分間熱
処理、3分間熱処理、及び15分間熱処理をしたほかは
第1実施例と同様に処理し、冷却し、更に冷凍して、そ
れぞれ冷凍熱処理甘海老C1、C2、及びC3を製造し
た。
【0034】また、冷凍甘海老A1を、半解凍した後に
殻剥きし、90℃の2%食塩水中に投入し、それぞれ2
分間熱処理、5分間熱処理、及び15分間熱処理をした
ほかは第1実施例と同様に処理し、冷却し、更に冷凍し
て、それぞれ凍熱処理甘海老D1、D2、及びD3を製
造した。
【0035】これらの冷凍甘海老A1と、冷凍熱処理甘
海老C1、C2、及びC3と、冷凍熱処理甘海老D1、
D2、及びD3とを、第1実施例と同様にして解凍し、
それぞれ筋肉試料を作成して縦方向圧潰強さを求めると
共に、更にこれらの冷凍した甘海老を解凍して、前記の
解凍甘海老と同様に7±2℃の冷蔵庫の中に保存し、海
老の食感と食味との経時変化を調べ、食品としての評価
を行った。これらの試験結果を、表1と表2にそれぞれ
併せて示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】上記の結果をみると、本発明の熱処理海老
は、適度の熱処理により筋肉組織が改質されているた
め、弾性が保たれて軟化脱水などの劣化を起こしにく
く、また味の変化も緩やかであって、食味と共に食感も
優れており、明らかに保存性が改良されていること、ま
た、本発明の範囲を超えて熱処理が行われると、海老の
筋肉組織が硬くなり過ぎて、食味や食感が低下するの
で、保存性が改良できる範囲で熱処理が過度にならない
ように抑制することが好ましいことがわかる。
【0039】このように、生鮮な海老の味と食感とを保
持している本発明の熱処理海老は、そのまま生と同様に
そのまま食材として利用することができるほか、乾燥し
ても豊富な味覚成分をそのまま保持しているので、冷凍
保存食材として有用であるばかりでなく、乾燥保存食材
として利用することもできる。従って、生鮮状品或いは
乾燥品の形態で、種々の加工食品用の配合材料として、
或いは各種の調味料用材料や、各種の蛋白質やアミノ酸
等の製造用原料などとして利用することもでき、それぞ
れの用途に応じて破砕、細断、粉砕等の2次加工を加え
て、製品とすることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の熱処理海老は、生鮮海老を85
℃以上の熱水又は飽和水蒸気と接触させるに当たり、処
理後の海老の尾部筋肉から横方向に平行切断して採取し
た厚さ5±0.2mmの試料の室温での平行板型加圧試
験機による縦方向圧潰強さが、前記試料の断面積1cm
2 当たり15〜30Nとなるに必要な時間だけ接触さ
せ、その後直ちに急冷することにより製造されるもので
あり、食材としての海老の味が劣化せずに維持される時
間を、大幅に延長できるという効果が得られる。
【0041】そして、冷凍や解凍による筋肉組織の部分
的な破壊に耐えて、食味を維持することができるほか、
乾燥によっても味成分の損失が起こらないので、各種の
保存食品、または加工食品用の材料、或いは各種の加工
食品や調味料、栄養補助食品等の材料若しくは原料とし
て広く利用でき、経済的効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱処理海老の製造方法を実施す
る装置の説明図である。
【符号の説明】
1 計量部 2 加熱部 3 1次冷却部 4 2次冷却部 C1 搬入コンベア C2 搬出コンベア H1 バスケット H2 バスケット H3 バスケット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海老の尾部筋肉が不透明化しており、且
    つ該尾部筋肉から横方向に平行切断して採取した厚さ5
    ±0.2mmの試料の平行板型加圧試験機による室温で
    の縦方向圧潰強さが、前記試料の断面積1cm2 当たり
    15〜30Nであることを特徴とする熱処理海老。
  2. 【請求項2】 前記海老が甘海老である、請求項1に記
    載の熱処理海老。
  3. 【請求項3】 生鮮海老を85℃以上の熱水又は飽和水
    蒸気に所要時間接触させて熱処理するステップと、該熱
    処理後直ちに冷却するステップとを含み、該接触の時間
    を、海老の尾部筋肉が不透明化し、且つ該尾部筋肉から
    横方向に平行切断して採取した厚さ5±0.2mmの試
    料の平行板型加圧試験機による室温での縦方向圧潰強さ
    が、前記試料の断面積1cm2 当たり15〜30Nとな
    るに必要な時間とすることを特徴とする熱処理海老の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記生鮮海老は、捕獲後に急速冷凍した
    ものである、請求項3に記載の熱処理海老の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記生鮮海老は、殻を除去したものであ
    る、請求項3または4に記載の熱処理海老の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理するステップは、前記生鮮海
    老の生活反応がある時点で開始することを特徴とする請
    求項3ないし5のいずれかに記載の熱処理海老の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記熱水は、塩類を含有する水溶液であ
    ることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載
    の熱処理海老の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記冷却するステップは、30℃以下の
    冷水による冷却工程を含むことを特徴とする請求項3な
    いし7のいずれかに記載の熱処理海老の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記冷却するステップは、50℃以下の
    温水と接触させる1次冷却工程と、30℃以下の冷水と
    接触させる2次冷却工程とを含むことを特徴とする請求
    項8に記載の熱処理海老の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記冷却するステップは、冷凍工程を
    含むことを特徴とする請求項8または9に記載の熱処理
    海老の製造方法。
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