JP2002249997A

JP2002249997A - クラフト袋離解パルプ配合ライナー及びその製造方法

Info

Publication number: JP2002249997A
Application number: JP2001047925A
Authority: JP
Inventors: Shuji Ando; 安藤周二; Yoshihiko Sakamoto; 坂本吉彦; Hideaki Takada; 高田英明
Original assignee: TAISEI SEISHI KK
Current assignee: TAISEI SEISHI KK
Priority date: 2001-02-23
Filing date: 2001-02-23
Publication date: 2002-09-06

Abstract

(57)【要約】【課題】使用済みの樹脂フィルム及びアルミフィルム入
りクラフト袋を廃棄処分することなく、段ボール及び／
又は雑誌古紙と共に、ライナーの製造に用い資源の有効
活用を図る。【解決手段】使用済みの樹脂フィルム及びアルミフィル
ム入りクラフト袋を段ボール古紙及び／又は雑誌古紙に
固形分重量で０．５重量％以上の割合で配合し、パルパ
ーにて水温５０℃以上で分散・離解した後、粉砕されな
い樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムをパルプスラ
リー中から分離し、さらに前記パルプスラリーを分散・
離解し前記樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムを更
に細かく粉砕して得られたクラフト袋離解パルプ配合原
料にて、中層及び／又は裏面層に使用されるライナーを
抄紙する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、中間に樹脂フィル
ム及び／又はアルミフィルムが重ね合わされたクラフト
袋の離解パルプを、ライナーの中層及び／又は裏面層に
配合したクラフト袋離解パルプ配合ライナー及びその製
造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】セメント、食品等の包装では、内容物の
品質を保持するために樹脂フィルム及びアルミフィルム
を内層に有するクラフト袋が使用されている。

【０００３】この種のクラフト袋は、防水、防湿等、包
装内容物の品質保持を目的としてクラフト紙からなる表
裏層の間に樹脂フィルム及び／又はアルミフィルム（以
下、単にフィルムともいう。）からなる層を重ね合わせ
た複層構成となっている。このクラフト袋に使用される
フィルムは、パルパー等の離解機で離解しようとして
も、離解せず小さく砕けるだけである。

【０００４】従って、このフィルム含有パルプスラリー
を製紙原料として抄紙しても、粉砕されたフィルムがパ
ルプスラリー中に多く混入するため、抄紙してもパルプ
繊維同士間における繊維結合が困難となり紙力の低下が
生ずる。また、乾燥時の熱により、パルプスラリーに混
入した樹脂が溶け出し、紙の浮き出しが発生したり、フ
ィルム自体が硬い異物となってしまい、カレンダー等で
高いニップ圧を掛けながら通過させて平滑化を図って
も、カレンダー焼け等が発生し見栄えの悪い粗悪品とな
ってしまうなどの問題があった。

【０００５】こうした事情により、使用済みのフィルム
入りクラフト袋はリサイクル使用されることなく、生活
ごみの処理と同様に埋められるか焼却炉で焼却されるか
であった。しかし、近年のように地球資源保護や地球環
境保護が強く叫ばれるようになるに至って、使用済みの
フィルム入りクラフト袋をただワンウェイで大量に廃棄
してしまうことは地球資源を無駄にし、環境破壊を増大
させる原因となり、かつ紙生産におけるコストアップの
要因にもなっている。このような観点から、使用済みの
フィルム入りクラフト袋を使い捨てにすることなく、再
びリサイクルして使用することが検討され始めている。

【０００６】一方、近年は段ボール古紙の価格高騰か
ら、段ボール古紙に置き換わる代替品として雑誌古紙の
利用が進んでいるものの、雑誌古紙は段ボール古紙と比
較してパルプ強度が低く、雑誌古紙を単に段ボール古紙
と置き換えただけでは品質維持が困難であるなどの問題
があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第１課
題は、フィルム入りクラフト袋が所定の割合で配合され
た原料パルプにより中層及び／又は裏面層が構成された
クラフト袋離解パルプ配合ライナーを提供することにあ
る。

【０００８】また第２課題は、従来の古紙処理設備及び
抄紙設備を有効活用し、最小限の設備投資にて、フィル
ム含有クラフト袋を所定の割合で段ボール古紙及び／又
は雑誌古紙と混合した原料パルプにより、ライナーの中
層及び／又は裏面層に使用される良質ライナーを抄紙す
るためのクラフト袋離解パルプ配合ライナーの製造方法
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、使用済み
のフィルム入りクラフト袋の再資源化について色々な角
度から検討、研究を行ってきた結果、フィルム入りクラ
フト袋を所定の割合で段ボール古紙及び／又は雑誌古紙
とともに所定の工程を経て離解させパルプスラリーに調
製し、これをライナーの中層及び／又は裏面層に使用し
ても、品質上のトラブルを発生させることなく、良質の
ライナーが得られることを確認した。本発明はこうした
知見に基づいてなされたものである。

【００１０】そこで、前記第１課題に対応する第１発明
として、表面層、１または複数の中層および裏面層を含
む少なくとも３層以上の構成からなるライナーであっ
て、樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムを含有する
クラフト袋の離解パルプが、前記ライナーの中層及び／
又は裏面層中に０．５重量％以上含有されていることを
特徴とするクラフト袋離解パルプ配合ライナーが提供さ
れる。

【００１１】古紙のみを段ボール古紙に代る代替品とし
て使用した場合には、強度が低くなってしまうが、強度
の高いバージンパルプが使用されているフィルム入りク
ラフト袋離解パルプを配合することにより強度維持を図
る事が可能となる。これにより、使用済みのフィルム入
りクラフト袋を使い捨てにすることなく、有効活用する
ことが可能となる。

【００１２】次いで前記第２課題に対応する第２発明と
して、樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムを含むク
ラフト袋を段ボール及び／又は雑誌古紙に対し固形分重
量で０．５重量％以上の割合で配合し、５０℃以上の温
度条件で分散・離解するとともに、前記樹脂フィルム及
び／又はアルミフィルムを粉砕する第１工程と、前記第
１工程で粉砕されない樹脂フィルム及び／又はアルミフ
ィルムをパルプスラリー中から分離する第２工程と、前
記第２工程を経たパルプスラリーを更に分散・離解する
とともに、含有される樹脂フィルム及び／又はアルミフ
ィルムを更に細かく粉砕する第３工程とを経て得られ
た、樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムを含有する
クラフト袋離解パルプ配合原料により、中層及び／又は
裏面層に使用されるライナーを抄紙することを特徴とす
るクラフト袋離解パルプ配合ライナーの製造方法が提供
される。

【００１３】本第２発明においては、前記第１工程でフ
ィルム入りクラフト袋を５０℃以上の温水で離解するこ
とでクラフトパルプの離解促進効果が発現し、樹脂フィ
ルム、アルミフィルムが細かく破砕される前に離解でき
るようになる。

【００１４】前記第１工程によって粉砕されていないフ
ィルムは、前記第２工程にてパルパーに設置してあるラ
ガーロープや、スクリーン、クリーナー等の異物を選別
する精選設備にて分離され系外に放出される。この工程
により、フィルムのパルプスラリーへの混入を最小限に
押さえることが出来るようになる。

【００１５】その後の第３工程において、パルプスラリ
ーをパワーリファイナー等の離解機にて分散・離解する
とともに、混入されているフィルムをさらに細かく粉砕
することで、フィルムがパルプスラリー中に混入してい
ても問題が出ないようにする。

【００１６】また、前記フィルム含有パルプスラリーを
抄紙機にて抄紙する際、乾燥工程での加熱により、含有
されている樹脂分が溶けて、浮き出し、カレンダー焼け
等が発生するのを防止するため、カレンダーのニップ圧
を下げるとともに、グロスカレンダーの昇温により平滑
度を確保するようにし、ライナー品質を確保するように
するのが望ましい。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。

【００１８】〔第１工程〕使用済みのフィルム入りクラ
フト袋は、ベルトコンベアー等の搬送手段により、パル
パー内に、段ボール古紙及び／又は雑誌古紙とともに混
合定量投入され、パルパーにより離解・分散（パルプ濃
度６〜８％）される。また、フィルムは細かく粉砕され
る。パルパーは、既に市場に提供されているもの、例え
ば石川島産業機械社製の型番：１４ＤＨＰ（５６型レイ
ズドローター）などを用いることができる。

【００１９】前記フィルム入りクラフト袋の混合割合
は、段ボール古紙及び／又は雑誌古紙に対して固形分重
量で０．５重量％以上の割合で混合される。前記フィル
ム入りクラフト袋の混合割合が、固形分重量で０．５重
量％以上の場合には、後述の実施例に示されるように、
強度特性等に優れたフィルム入りクラフト袋離解パルプ
含有ライナーが提供できるようになる。一方、前記の固
形分重量は、０．５重量％未満の場合には、所要のライ
ナー強度が確保されないとともに、フィルム入りクラフ
ト袋の再利用の途を提供せんとする本発明の目的が失わ
れる。

【００２０】また、特に雑誌古紙を混合使用する場合に
は、雑誌古紙由来の填料が、樹脂成分の他、ピッチを吸
着凝集する機能を発揮し，原料パルプスラリー中の異物
をクリーナー等の精選設備にて容易に系外に放出可能に
なり、より品質向上に寄与する効果を発揮する。

【００２１】離解に使用する温水の温度は、高いほど好
ましいが、その熱エネルギーの費用、付帯設備費用のコ
ストを考慮すると、５０℃以上が好ましく、６０℃前後
が最適とされる。水温が５０℃未満の場合は、フィルム
入りクラフト袋のクラフトパルプの離解時間が長くな
り、クラフトパルプが離解する前にフィルムが破砕され
てしまい、フィルムがパルプスラリー中に多く混入する
ようになり、カレンダーのニップ圧を下げても紙の浮き
出し、カレンダー焼け等のトラブルが発生し易くなり好
ましくない。

【００２２】〔第２工程〕次に、前記離解工程で粉砕さ
れないフィルムは、パルパーに設けられたラガーロープ
に巻き付き系外に放出され、次いで離解・分散したフィ
ルム入りクラフト袋離解パルプ混合スラリーは、精選工
程に送られて精選処理（スリットは１０カット以下、異
物の存在は欠陥検出量で０個以下）が行われて異物が除
去される。

【００２３】精選設備としては、平板式、回転式、遠心
式などのスクリーン型精選設備や、比重差を利用して異
物分離を行うクリーナー型精選設備等の従来より一般に
使用されているものを用いることができる。

【００２４】この分離工程によって、フィルムのパルプ
スラリーへの混入を最小限に抑えることが出来るように
なる。

【００２５】〔第３工程〕前記精選工程を経たフィルム
混入パルプスラリーは、パワーリファイナー等の離解機
に投入される。ここで、パルプスラリーは分散・離解さ
れるとともに、前記精選設備によって除去されずパルプ
スラリー中に混入しているフィルムは、更に細かく粉砕
される。

【００２６】これらの工程（第１工程〜第３工程）を経
て得られたフィルム入りクラフト袋パルプ混合スラリー
は、多層構成のライナーの中層及び／又は裏面層に使用
されるライナーとして抄紙される。

【００２７】このパルプスラリーを抄紙する際には、乾
燥工程での加熱により含有されている樹脂が溶けること
により、浮き出し、カレンダー焼け等が発生することが
あるため、カレンダーのニップ圧を下げ、前記浮き出し
やカレンダー焼け等によって見栄えが損なわれないよう
にする。また、このニップ圧を下げると表面平滑性は低
下するが、グロスカレンダーの昇温により表面平滑性を
回復させることができる。なお、前記ニップ圧は４０〜
６０Kg/mとするのが望ましい。また、前記グロスカレン
ダーのニップ圧は８０〜１４０Kg/mとし、温度は８０〜
１４０℃とするのが望ましい。

【００２８】一方、表面層形成のための原料パルプスラ
リーは、新しく調製されたものが使用される。この原料
パルプスラリーにおける原料パルプには、特に制限が無
く、通常のフィルム入りクラフト袋製造で使用される木
材パルプが使用可能である。具体的には、針葉樹未晒ク
ラフトパルプ（ＮＵＫＰ）、広葉樹未晒クラフトパルプ
（ＬＵＫＰ）等の木材パルプなどが使用される。

【００２９】前記フィルム入りクラフト袋離解パルプ配
合スラリーおよび表面層形成用原料パルプスラリーに
は、サイズ剤、紙力増強剤、染顔料、歩留まり向上剤、
填料、ｐＨ調整剤、防腐剤、防かび剤、離燃剤等を必要
に応じ単独又は組み合わせて添加することができる。ラ
イナーの抄紙は、従来公知の抄紙機、抄紙方法を利用で
き、カレンダー、グロスカレンダーについても従来公知
の設備を使用することができる。

【００３０】

【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明する。

【００３１】（実施例１）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入した。このク
ラフト袋０.５％と雑誌古紙９９．５％をパルパーに投
入して離解・分散した後、精選処理を行い、さらにパワ
ーリファイナにより離解・精砕を行い、中層用抄紙原料
を調製した。この中層用抄紙スラリーを使用してＪＩＳ
Ｐ８２０９に基づく手抄きシートを作成した。な
お、離解に使用する温水温度は３０℃と５０℃の２ケー
スとし、各ケースについて手抄きシートを作成した。

【００３２】（実施例２）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入する。このク
ラフト袋０.５％と段ボール古紙５０％と雑誌古紙４９.
５％をパルパーに投入して離解・分散した後、精選処理
を行い、さらにパワーリファイナにより離解・精砕を行
い、中層用抄紙原料を調製した。この中層用抄紙スラリ
ーを使用してＪＩＳＰ８２０９に基づく手抄きシー
トを作成した。なお、離解に使用する温水温度は、１０
℃、２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０℃、７０℃
の７ケースとし、各ケースについて手抄きシートを作成
した。

【００３３】（実施例３）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入する。このク
ラフト袋５％と段ボール古紙５０％と雑誌古紙４５％を
パルパーに投入して離解・分散した後、精選処理を行
い、さらにパワーリファイナにより離解・精砕を行い、
中層用抄紙原料を調製した。この中層用抄紙スラリーを
使用してＪＩＳＰ８２０９に基づく手抄きシートを
作成した。なお、離解に使用する温水温度は、１０℃、
２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０℃、７０℃の７
ケースとし、各ケースについて手抄きシートを作成し
た。

【００３４】（実施例４）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入する。このク
ラフト袋１０％と段ボール古紙５０％と雑誌古紙４０％
をパルパーに投入して離解・分散した後、精選処理を行
い、さらにパワーリファイナにより離解・精砕を行い、
中層用抄紙原料を調製した。この中層用抄紙スラリーを
使用してＪＩＳＰ８２０９に基づく手抄きシートを
作成した。なお、離解に使用する温水温度は、１０℃、
２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０℃、７０℃の７
ケースとし、各ケースについて手抄きシートを作成し
た。

【００３５】（実施例５）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入する。このク
ラフト袋２５％と段ボール古紙４０％と雑誌古紙３５％
をパルパーに投入して離解・分散した後、精選処理を行
い、さらにパワーリファイナにより離解・精砕を行い、
中層用抄紙原料を調製した。この中層用抄紙スラリーを
使用してＪＩＳＰ８２０９に基づく手抄きシートを
作成した。なお、離解に使用する温水温度は、１０℃、
２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０℃、７０℃の７
ケースとし、各ケースについて手抄きシートを作成し
た。

【００３６】（実施例６）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入する。このク
ラフト袋５０％と段ボール古紙２５％と雑誌古紙２５％
をパルパーに投入して離解・分散した後、精選処理を行
い、さらにパワーリファイナにより離解・精砕を行い、
中層用抄紙原料を調製した。この中層用抄紙スラリーを
使用してＪＩＳＰ８２０９に基づく手抄きシートを
作成した。なお、離解に使用する温水温度は、１０℃、
２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０℃、７０℃の７
ケースとし、各ケースについて手抄きシートを作成し
た。

【００３７】（実施例７）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入する。このク
ラフト袋７５％と段ボール古紙１５％と雑誌古紙１０％
をパルパーに投入して離解・分散した後、精選処理を行
い、さらにパワーリファイナにより離解・精砕を行い、
中層用抄紙原料を調製した。この中層用抄紙スラリーを
使用してＪＩＳＰ８２０９に基づく手抄きシートを
作成した。なお、離解に使用する温水温度は、１０℃、
２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０℃、７０℃の７
ケースとし、各ケースについて手抄きシートを作成し
た。

【００３８】（実施例８）使用済みのフィルム入りクラ
フト袋をそのままの状態でパルパーに投入する。このク
ラフト袋１００％をパルパーに投入して離解・分散した
後、精選処理を行い、さらにパワーリファイナにより離
解・精砕を行い、中層用抄紙原料を調製した。この中層
用抄紙スラリーを使用してＪＩＳＰ８２０９に基づ
く手抄きシートを作成した。なお、離解に使用する温水
温度は、１０℃、２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６
０℃、７０℃の７ケースとし、各ケースについて手抄き
シートを作成した。

【００３９】（比較例１）雑誌古紙５０％と段ボール古
紙５０％をパルパーに投入して離解・分散し、さらに精
選処理を行い、中層用抄紙原料を調製した。この中層用
抄紙スラリーを使用してＪＩＳＰ８２０９に基づく
手抄きシートを作成した。なお、離解に使用する温水温
度は、１０℃、２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０
℃、７０℃の７ケースとし、各ケースについて手抄きシ
ートを作成した。

【００４０】これらのクラフト袋離解パルプ配合スラリ
ーの手抄きシート（実施例１〜８）および古紙離解パル
プ配合スラリーの手抄きシート（比較例１）の試験結果
は表１の通りである。

【００４１】

【表１】

【００４２】〈評価基準〉〔夾雑物〕ＥＳＫシステムクリエイト製の夾雑物測定器
を用い、各実施例、比較例の手抄きシートを測定した。
測定値のダート面積率が９００[mm^２/ｍ^２]未満の場
合：◎、９００〜１５００[mm^２/ｍ^２]未満の場合：
○、１５００〜５０００[mm^２/ｍ^２]未満の場合：△、
５０００[mm^２/ｍ^２]以上の場合：×とした。

【００４３】この夾雑物測定器は異物、未溶解物などを
欠点として測定する測定器であり、離解によるフィルム
の粉砕状態、未溶解物の状態を確認することができ、こ
れを溶解度として確認した。

【００４４】〔ライナー強度特性〕各実施例、比較例の
手抄きシート（米坪１００ｇ／ｍ^２）と表面層原料を用
いた表面層手抄きシート（米坪１００ｇ／ｍ^２）とを湿
紙段階で重ね合わせ、１３ｋｇのローラーでプレスした
試験ライナーを作成し、リングクラッシュ、高圧破裂試
験を行って、各試験剥離強さ、撥水性などの特性を総合
評価し、十分である場合：○、不十分である場合：×と
した。

【００４５】

【発明の効果】以上、本発明によれば、従来から廃棄処
分されていたフィルム入りクラフト袋を再利用により多
層構成のライナー中層及び／又は裏面層を提供できるも
のであり、品質を維持しながら、資源のリサイクルを図
り得るとともに、段ボールの製造コストを低減させるこ
とができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｄ２１Ｄ 5/00 Ｂ０９Ｂ 5/00 ＺＡＢＲ (72)発明者高田英明岡山県津山市川崎200番地１大成製紙株式会社内Ｆターム(参考） 4D004 AA07 AA12 BA09 CA04 CA12 CA22 DA03 DA06 DA10 DA11 4L055 AA11 BA11 BB03 BB04 BD18 EA04 EA20 FA20 GA06 GA35

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】表面層、１または複数の中層および裏面層
を含む少なくとも３層以上の構成からなるライナーであ
って、樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムを含有するクラ
フト袋の離解パルプが、前記ライナーの中層及び／又は
裏面層中に０．５重量％以上含有されていることを特徴
とするクラフト袋離解パルプ配合ライナー。
【請求項２】樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムを
含むクラフト袋を段ボール及び／又は雑誌古紙に対し固
形分重量で０．５重量％以上の割合で配合し、５０℃以
上の温度条件で分散・離解するとともに、前記樹脂フィ
ルム及び／又はアルミフィルムを粉砕する第１工程と、前記第１工程で粉砕されない樹脂フィルム及び／又はア
ルミフィルムをパルプスラリー中から分離する第２工程
と、前記第２工程を経たパルプスラリーを更に分散・離解す
るとともに、含有される樹脂フィルム及び／又はアルミ
フィルムを更に細かく粉砕する第３工程とを経て得られ
た、樹脂フィルム及び／又はアルミフィルムを含有する
クラフト袋離解パルプ配合原料により、中層及び／又は
裏面層に使用されるライナーを抄紙することを特徴とす
るクラフト袋離解パルプ配合ライナーの製造方法。