JP2002249603A - 脂肪族ポリエステルフィルム - Google Patents

脂肪族ポリエステルフィルム

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JP2002249603A JP2001051419A JP2001051419A JP2002249603A JP 2002249603 A JP2002249603 A JP 2002249603A JP 2001051419 A JP2001051419 A JP 2001051419A JP 2001051419 A JP2001051419 A JP 2001051419A JP 2002249603 A JP2002249603 A JP 2002249603A
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孝行 渡辺
Yasuhiro Kitahara
泰広 北原
Akinobu Takehara
明宣 竹原
Seiji Obuchi
省二 大淵
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    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた柔軟性、透明性、耐熱性及び密着性を
有する脂肪族ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 脂肪族ポリエステル100重量部に対
し、一般式(1) CR12CR2H(OCR3HCR4H)nH・・・(1) (式中、nは1〜10の整数、R1〜R4は炭素数1〜1
8のアシル基である)で示される化合物(A)、及びグ
リセリン1〜10分子の縮合物と炭素数6〜18のカル
ボン酸との反応生成物である化合物(B)から選ばれた
少なくとも1種の化合物10〜60重量部を含む層を少
なくとも一層有する、20℃における貯蔵弾性率
(E’)が1×107〜2×109Pa、損失正接(ta
nδ)が0.1〜1.0である脂肪族ポリエステルフィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルフィルム、及び該フィルムを用いた包装体に関する。
詳しくは、自然環境下で分解性を有し、優れた柔軟性と
密着性を有する脂肪族ポリエステルフィルム、及び該脂
肪族ポリエステルフィルムを用いた包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックの廃棄物問題がクロ
ーズアップされている。包装材料のようなプラスチック
廃棄物は、使用者が使い終わった後、廃棄され、焼却処
理されるか、または埋め立て等により処分されていた。
しかし、このようなプラスチック廃棄物を焼却処理した
場合、燃焼熱が高く、焼却炉の耐久性の問題や、ポリ塩
化ビニルのようなものでは有害なガスを発生し、公害問
題を引き起こしていた。さらに、埋め立てた場合には、
プラスチック成形物がそのまま分解せずに、原形のまま
ゴミとして半永久的に残り、自然環境への影響が問題と
なっていた。このような状況の中、自然環境下で微生物
により完全に消費され、自然的副産物である炭酸ガスや
水に分解する種々の生分解性プラスチックが発明され実
用レベルの段階に入っている。
【0003】特開平6−340753号公報には、ポリ
乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸を主成
分とする熱可塑性ポリマーからなる組成物が、例えば、
分解性のカードとして用い得ること、そして、それは機
械的強度が高く、実用に耐えうる耐久性を示すことが開
示されている。しかし、該ポリマーは弾性率および剛性
が高く、柔軟性に乏しいため、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル等の軟質フィルムが使用されて
いる用途には適していなかった。
【0004】一般に、樹脂を軟質化する方法として、
(1)可塑剤の添加、(2)コポリマー化、(3)軟質
ポリマーのブレンド、(4)軟質ポリマーとの積層等の
方法が知られている。その中で、(1)については、過
去に様々な可塑剤を用いた軟質化の検討がなされてい
る。例えば、特開平4−335060号公報には、ポリ
乳酸に可塑剤を添加した組成物が開示されている。その
中で具体的な例として、アジピン酸ジイソブチル、セバ
シン酸ジオクチル等が可塑剤として挙げられている。し
かし、これの化合物を可塑剤として用いたフィルムは、
柔軟性はかなり改善されるものの、経時につれて可塑剤
が浮き出す等の問題がある。
【0005】また、(3)の方法では、本課題の一つで
ある生分解性を考慮すると、ブレンドする樹脂として
は、柔軟性を有する生分解性樹脂に限定される。このよ
うな樹脂としては、例えば、ポリブチレンサクシネー
ト、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等
が挙げられ、既に特開平8−245866号公報、およ
び特開平9−111107号公報に開示されている。し
かし、これらの樹脂をブレンドした場合、透明性や耐熱
性が低下する等の問題がある。また、(4)の方法で
は、(3)と同様に生分解性を考慮して、積層する樹脂
を選択することにより、柔軟性が付与される。しかし、
これらの樹脂と積層した場合、(3)の場合と同様に透
明性や耐熱性が低下する等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
自然環境下で分解性を有し、優れた柔軟性と密着性を有
し、しかも可塑剤がブリードアウトすることがない脂肪
族ポリエステルフィルム、及び該フィルムを用いた包装
体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、脂肪族ポリエステ
ルに対し、可塑剤として特定の化合物を用いることによ
り、可塑剤がブリードアウトすることがなく、優れた透
明性、耐熱性、柔軟性及び密着性を有する脂肪族ポリエ
ステルが得られることを見出し、本発明に到った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、脂肪族ポリエステ
ル100重量部に対し、一般式(1)〔化2〕
【0009】
【化2】
【0010】(式中、nは1〜10の整数、R1〜R4
炭素数1〜18のアシル基である)で示される化合物
(A)、及びグリセリン1〜10分子の縮合物と炭素数
6〜18のカルボン酸との反応生成物である化合物
(B)から選ばれた少なくとも1種の化合物10〜60
重量部を含む層を少なくとも一層有する単層または多層
の脂肪族ポリエステルフィルムであって、20℃におけ
る貯蔵弾性率(E’)が1×107〜2×109Pa、貯
蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E’’)の比
(E’’/E’)である損失正接(tanδ)が0.1
〜1.0の範囲にあることを特徴とする脂肪族ポリエス
テルフィルムである。また、本発明の他の発明は、前記
脂肪族ポリエステルフィルムを用いて被包装物を包装し
た包装体である。
【0011】本発明に係わる脂肪族ポリエステルフィル
ムは、優れた耐熱性、柔軟性、透明性及び密着性を有
し、しかも可塑剤がブリードアウトしない。更に、脂肪
族ポリエステルとして、ポリ乳酸、乳酸と他の脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸との共重合体等を用いた場合には、
加水分解性を有するので、使用した後に廃棄しても自然
環境下に蓄積することがない。そのため、食品、電子、
医療、薬品、化粧品等の各種包装用フィルム、農業用フ
ィルム、土建・建築用フィルム、粘着テープの基材フィ
ルム等の広範囲における資材として好適に使用し得る。
特に、食品類の包装材料として好適である。本発明の包
装体の被包装物が食品である場合、包装材料と被包装物
を分離することなしに、例えば、堆肥化処理等が可能で
ある。
【0012】尚、本発明における貯蔵弾性率(E’)、
及び貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E’’)
の比(E’’/E’)である損失正接(tanδ)は、
後述の実施例に記載した方法により測定した値を意味す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。先ず、本発明に係わる脂肪族ポリエステルフィル
ムに用いる脂肪族ポリエステル組成物について説明す
る。本発明に用いる脂肪族ポリエステル組成物は、脂肪
族ポリエステルに、可塑剤として前記化合物(A)及び
化合物(B)から選ばれた少なくとも1種の化合物を添
加、混合することにより製造される。
【0014】本発明に用いる脂肪族ポリエステルは、分
子中に乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルである。具体
的には、(1)ポリ乳酸、及び乳酸と他の脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸とのコポリマー、(2)多官能多糖類及
び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステル、(3)脂肪族多
価カルボン酸単位、脂肪族多価アルコール単位、及び乳
酸単位を含む脂肪族ポリエステル、及び(4)これらの
混合物である。以下、これらを総称して乳酸系ポリマー
という。これらの内、得られるフィルムの透明性、加水
分解性等を考慮すると、ポリ乳酸、及び乳酸と他の脂肪
族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマーが好ましい。
【0015】乳酸には、L−体とD−体とが存在する
が、本発明において単に乳酸という場合は、特にことわ
りがない限り、L−体とD−体との両者を指すこととす
る。また、ポリマーの分子量は特にことわりがない限
り、重量平均分子量を指すこととする。本発明に用いる
ポリ乳酸としては、構成単位がL−乳酸のみからなるポ
リ(L−乳酸)、D−乳酸のみからなるポリ(D−乳
酸)、及びL−乳酸単位とD−乳酸単位とが種々の割合
で存在するポリ(DL−乳酸)等が挙げられる。乳酸−
他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸コポリマーのヒドロキ
シカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ
酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5
−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙
げられる。
【0016】本発明に用いるポリ乳酸の製造方法とし
て、L−乳酸、D−乳酸、またはDL−乳酸を直接脱水
縮合する方法、これら各乳酸の環状2量体であるラクチ
ドを開環重合する方法等が挙げられる。開環重合は、高
級アルコール、ヒドロキシカルボン酸等の水酸基を有す
る化合物の存在下で行ってもよい。何れの方法によって
製造されたものでもよい。乳酸−他の脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸コポリマーの製造方法として、上記各乳酸と
上記ヒドロキシカルボン酸を脱水重縮合する方法、上記
各乳酸の環状2量体であるラクチドと上記ヒドロキシカ
ルボン酸の環状体を開環共重合する方法等が挙げられ
る。何れの方法によって製造されたものでもよい。共重
合体に含まれる乳酸単位の量は少なくとも40モル%で
あることが好ましい。
【0017】多官能多糖類及び乳酸単位を含む脂肪族ポ
リエステルの製造に用いる多官能多糖類としては、例え
ば、セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース、セルロイド、ビスコースレーヨン、
再生セルロース、セロハン、キュプラ、銅アンモニアレ
ーヨン、キュプロファン、ベンベルグ、ヘミセルロー
ル、デンプン、アクロペクチン、デキストリン、デキス
トラン、グリコーゲン、ペクチン、キチン、キトサン、
アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、ア
カシアガム等、及びこれらの混合物、及びこれらの誘導
体が挙げられる。これらの内で特に酢酸セルロース、エ
チルセルロースが好ましい。
【0018】多官能多糖類及び乳酸単位を含む脂肪族ポ
リエステルの製造方法として、上記多官能多糖類と上記
ポリ乳酸、乳酸−他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸コポ
リマー等を反応する方法、上記多官能多糖類と上記各乳
酸、環状エステル類等を反応する方法等が挙げられる。
何れの方法によって製造されたものでもよい。該脂肪族
ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なくとも50
モル%であることが望ましい。
【0019】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの
製造に用いる脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、
シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸等、及びこれらの無水物が挙げら
れる。これらは、酸無水物との混合物であってもよい。
また、脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペン
チルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0020】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの
製造方法として、上記脂肪族多価カルボン酸及び上記脂
肪族多価アルコールと、上記ポリ乳酸、乳酸−他の脂肪
族ヒドロキシカルボン酸コポリマー等を反応する方法、
上記脂肪族多価カルボン酸及び上記脂肪族多価アルコー
ルと、上記各乳酸、環状エステル類等を反応する方法等
が挙げられる。何れの方法によって製造されたものでも
よい。該脂肪族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は
少なくとも50モル%であることが好ましい。
【0021】脂肪族ポリエステルの分子量は、フィルム
の加工性、得られるフィルムの強度及び分解性に影響を
及ぼす。分子量が低いと得られるフィルムの強度が低下
し、使用する際に張力で破断することがある。また、分
解速度が早くなる。逆に分子量が高いと加工性が低下
し、フィルム製膜が困難となる。かかる点を考慮する
と、脂肪族ポリエステルの分子量は、約1万〜約100
万程度の範囲が好ましい。さらに好ましい範囲は10万
〜30万である。
【0022】本発明では、脂肪族ポリエステルの可塑剤
として、上記一般式(1)で表される化合物(A)、及
びグリセリン1〜10分子の縮合物と炭素数6〜18の
カルボン酸との反応生成物である化合物(B)から選ば
れた少なくとも1種の化合物が用いられる。これらの可
塑剤の添加量は、得られる延伸フィルムの結晶化度、柔
軟性、耐熱性等に影響を及ぼす。添加量が多すぎると結
晶化度及び耐熱性が低下する。少なすぎると十分な柔軟
性が得られない。かかる観点から、可塑剤としての上記
化合物(A)及び/又は(B)の添加量は、脂肪族ポリ
エステル100重量部に対し10〜60重量部であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは15〜50重量部であ
る。
【0023】本発明の脂肪族ポリエステル組成物には、
主成分である脂肪族ポリエステル、上記化合物(A)、
及び上記化合物(B)の他に、用途に応じて、本発明の
目的を損なわない範囲で、シリカ、炭酸カルシウム、チ
タニア、マイカ、タルク等のアンチブロッキング剤、流
動パラフィン、ポリエチレンワックス等の炭化水素類、
ステアリン酸等の脂肪酸類、オシキ脂肪酸類、脂肪酸ア
ミド類、アルキレンビス脂肪酸アミド類、脂肪酸低級ア
ルコールエステル類、脂肪酸多価アルコールエステル
類、脂肪酸ポリグリコールエステル類、脂肪族アルコー
ル類、多価アルコール類、ポリグリコール類、ステアリ
ン酸カルシウム等の金属石鹸類等の滑剤、脂肪酸塩類、
高級アルコール硫酸エステル類、液体脂肪油硫酸エステ
ル塩類、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイド硫酸塩類、
脂肪族アルコ−ルリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸
エステルのスルホン酸塩類、脂肪族アミドスルホン酸塩
類、アルキルアリルスルホン酸塩類、脂肪族アミン塩
類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩
類、ポリオキシエチエンアルキルエーテル類、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエス
テル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステ
ル類、イミダゾリン誘導体、高級アルキルアミン類等の
帯電防止剤、グリセリンモノステアレート等のグリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビ
タンモノオレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル等の防曇剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリ
アゾール類や、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン等のベンゾフェノン類、サリチル酸p−tert
−ブチルフェニル等のサリチル酸誘導体等の紫外線吸収
剤、パラメトキシフェノール等のフェノール系、トリフ
ェニルホスファイト等のホスファイト系、2−メルカプ
トベンズイミダゾール等の硫黄系、フェニルナフチルア
ミン等のアミン系の熱安定剤、酸化防止剤、着色防止
剤、硫酸バリウム、酸化チタン、カオリン、カーボンブ
ラック等の充填剤、顔料、デカブロモジフェニルエーテ
ル等のハロゲン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系
の難燃剤等の他の添加剤を添加してもよい。
【0024】次いで、本発明の脂肪族ポリエステルフィ
ルム、及びその製造方法の一例について説明する。脂肪
族ポリエステルに可塑剤を添加、混合する方法として
は、脂肪族ポリエステルと可塑剤、場合によっては他の
添加剤を高速攪拌機または低速攪拌機などを用いて均一
に混合した後、十分な混練能力を有する一軸あるいは多
軸の押出機を用いて溶融混練する方法等を採用すること
が出来る。本発明に係る樹脂組成物の形状は、通常、ペ
レット、棒状、粉末等が好ましい。
【0025】以上のようにして得られた樹脂組成物を、
Tダイが装着された押出機を用いる溶融押出法によりフ
ィルム状に成形する。好ましくは、得られたフィルムを
ロール延伸によって流れ方向(機械方向、以下、MD方
向)に延伸した後、テンター延伸によって横方向(機械
方向と直交する方向、以下、TD方向)に延伸する。延
伸の順序は上記の逆でもよい。延伸後、緊張下で熱処理
することにより脂肪族ポリエステル延伸フィルムが製造
される。一軸延伸する場合は、MD方向、TD方向のい
ずれに延伸してもよい。
【0026】上記各種の添加剤を含む脂肪族ポリエステ
ル組成物の溶融押出温度は、好ましくは100〜280
℃、より好ましくは130〜250℃の範囲である。成
形温度が低いと成形安定性が得難く、また過負荷に陥り
易い。逆に、成形温度が高いと脂肪族ポリエステルが分
解することがあり、分子量低下、強度低下、着色等が起
こるので好ましくない。
【0027】本発明の脂肪族ポリエステルフィルムは、
MD方向及びTD方向の少なくとも一軸方向に、1.5
〜5倍延伸することが好ましい。更に好ましくは、MD
方向及びTD方向に2軸延伸された2軸延伸フィルムで
ある。延伸フィルムを製造する場合、延伸倍率が1.5
倍未満であると、力学物性や寸法精度の経時安定性をも
たらす結晶化が進行し難い。また、5倍を超えると、フ
ィルムの柔軟性がなくなると共に、延伸時にフィルム破
れ等が生じ好ましくない。延伸温度は用いる脂肪族ポリ
エステルのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+50)℃
の範囲が好ましい。さらに好ましくは、Tg〜(Tg+
30)℃の範囲である。延伸温度がTg未満では延伸が
困難であり、(Tg+50)℃を超えると均一な延伸が
困難となり好ましくない。また、耐熱性及び寸法安定性
向上のため、延伸後緊張下にて(Tg+10)℃以上、
融点未満の温度で熱処理を行う。この際、延伸、熱処理
条件を変化させることにより、フィルムの結晶化度を制
御することができる。
【0028】上記条件で延伸及び熱処理を施すことによ
り、結晶化度が10〜60%である延伸フィルムが得ら
れる。好ましい結晶化度は20〜50%である。例え
ば、乳酸系ポリマー100重量部に対して、上記化合物
(A)のうち、R〜Rが全て炭素数1のアシル基、
nが1である化合物を20重量部添加し、Tダイを用い
て製膜した後、50℃にて、機械方向に2.5倍、幅方
向に2.5倍(以下、2.5×2.5と略記する)に延
伸する。その後、緊張下にて140℃で熱処理を行うこ
とにより、結晶化度30%程度の延伸フィルムが得られ
る。
【0029】本発明の脂肪族ポリエステルフィルムは、
目的に応じて工程条件を設定することにより、ロール
状、テープ状、カットシート状、筒状(シームレス状)
に製造することができる。
【0030】本発明の脂肪族ポリエステルフィルムは、
ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポストバッグ、食品
・菓子包装フィルム、食品包装用ラップフィルム、化粧
品・香粧品用ラップフィルム、医薬品用ラップフィル
ム、生薬用ラップフィルム、肩こりや捻挫等に適用され
る外科用貼付薬用ラップフィルム、農業用・園芸用フィ
ルム、農薬品用ラップフィルム、温室用フィルム、肥料
用袋、ビデオやオーディオ等の磁気テープカセット製品
包装用フィルム、フロッピー(登録商標)ディスク包装
用フィルム、製版用フィルム、粘着テープ、防水シー
ト、土嚢用袋、等として、好適に使用することができ
る。これらの用途の内、好ましくは包装用フィルムとし
て使用され、包装体が形成される。その場合の被包装物
としては、野菜類、果物類、菓子類等の食品、化粧品、
医薬品、農薬品、肥料、土壌、家庭ゴミ類、コンポス
ト、ビデオ、CD等の電子・電気製品等が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは用途に応じて適
宜替え得るが、通常、5〜1000μmの範囲である。
【0031】本発明の脂肪族ポリエステルフィルムは、
ヒートシール、高周波シールおよび溶断等の方法によっ
て、袋状に加工することができる。例えば、カットシー
ト状に製造されたフィルムを2つ折にし、折り目の側辺
の2辺をフィルムのTg(ガラス転移温度)以上の温度
のヒートシールバーを用いて、ヒートシールすることに
より、袋が得られる。また、ロール状のフィルムを解反
しながら、幅方向に2つ折にし、フィルムの融点以上の
温度の溶断バーを用いて、長さ方向に一定間隔で溶断す
ることにより、袋が得られる。また、筒状のフィルムを
解反しながら、Tg以上の温度のヒートシールバーを用
いて、長さ方向に一定間隔でヒートシールした後、シー
ル部の直近を同間隔でカットすることにより、袋が得ら
れる。
【0032】本発明の脂肪族ポリエステル延伸フィルム
は、必要に応じてフィルム表面に帯電防止性、防曇性、
粘着性、ガスバリヤー性、密着性および易接着性等の機
能を有する層をコーティングにより形成することができ
る。例えば、フィルムの片面あるいは両面に、帯電防止
剤を含む水性塗工液を塗布、乾燥することによって帯電
防止層を形成することができる。水性塗工液を塗布する
方法は、公知の方法が適用できる。すなわち、スプレー
コート方式、エアーナイフ方式、リバースコート方式、
キスコート方式、グラビアコート方式、マイヤーバー方
式、ロールブラッシュ方式等が適用できる。
【0033】また、アクリル樹脂系粘着剤、例えば、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート等を主成分とし、他のビニル系モノ
マーを共重合せしめたコポリマーを、有機溶剤中に均一
に溶解した溶剤系および水中に粒子状に分散させた水エ
マルジョン系の塗布液を公知の方法でフィルムに塗布、
乾燥させ、粘着性を付与することができる。
【0034】本発明の脂肪族ポリエステルフィルムは、
必要に応じて、他樹脂およびフィルムをラミネートする
ことにより、帯電防止性、防曇性、粘着性、ガスバリヤ
ー性、密着性および易接着性等の機能を有する層をコー
ティングにより形成することができる。その際、押出ラ
ミ、ドライラミ等の公知の方法を用いることができる。
【0035】本発明における脂肪族ポリエステルフィル
ムにおいては、20℃における貯蔵弾性率(E’)が1
×107〜2×109Paであり、良好な柔軟性を有す
る。また、20℃における損失正接(tanδ)が0.
1〜1.0であり、良好な自己密着性および被包装体等
との密着性を有する。また、ヘイズが0.05〜3%、
耐熱温度が100〜170℃、結晶化度が10〜60%
である。本発明の脂肪族ポリエステルフィルムを少なく
とも1軸方向に延伸して得られる脂肪族ポリエステル延
伸フィルムの特性についても上記とほぼ同様である。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
詳細に説明する。尚、〔表1〕〜〔表3〕に記載した記
号は下記を意味する。 A1:一般式(1)におけるR〜Rが全て炭素数1
のアシル基、nは1。 A2:一般式(1)におけるR〜Rが全て炭素数8
のアシル基、nは1。 A3:一般式(1)におけるR〜Rが全て炭素数1
8のアシル基、nは2。 A4:一般式(1)におけるR〜Rが全て炭素数2
2のアシル基、nは9。 B1:デカグリセリンプロピオネート。 B2:テトラグリセリンカプリレート。 B3:デカグリセリンベヘネート。
【0037】また、この実施例に示す結晶化度、貯蔵弾
性率、tanδ、ヘイズ、および耐熱温度の評価は、以
下に示す方法で行った。
【0038】(1)結晶化度(%) 示差走査熱量計〔リガク(株)製、形式:TAS10
0〕を用い、融解曲線のピーク面積より、融解熱量(Δ
H)を求め、完全結晶の融解熱量(ΔH0)より下記数
式(数1)により結晶化度(Xc)を算出する。なお、
標準物質としてはインジウムを用いる。 XC =ΔH/ΔH0・・・(数1)
【0039】(2)貯蔵弾性率 E’(Pa)、tan
δ 動的固体粘弾性測定装置〔レオメトリクス社製、型式:
RSAII〕を用いて、長さ40mm(MD方向)、幅
5mm(TD方向)、厚み約10μmのフィルムについ
て、測定温度範囲−100〜230℃、昇温速度5℃/
min.、周波数1Hzの条件下で測定を行ない、20
℃における貯蔵弾性率(E’)を読み取り、損失弾性率
(E’’)と貯蔵弾性率(E’)との比(E’’/
E’)であるtanδを算出する。
【0040】(3)ヘイズ(%) 東京電色(株)製、ヘイズ Meterを使用して測定
し、ヘイズ値(%)を求める。
【0041】(4)耐熱温度(℃) MD方向14cm、TD方向3cmのフィルムと同じ幅
の板目紙をフィルムと重ねてフィルムの機械方向の両端
部2.5cmの部分を粘着テープで板目紙と貼り合わせ
て固定したものを試料とする。板目紙で補強した試料フ
ィルムのそれぞれの両端2.5cmの部分の上部を全幅に
わたって治具に固定し、下端中央部に10gの荷重をか
け、一定温度に調製したエアーオーブン中に迅速に入
れ、1時間加熱したときの試料の切断の有無を調べる。
試験温度は5℃刻みに上昇させた。1時間経過後、試料
が切断しなかった場合は、温度を5℃上げ前記の操作を
繰り返す。試料が切断しない最高温度を耐熱温度とす
る。
【0042】調製例1 Dien−Starkトラップを設置した100リット
ル反応容器に、90モル%L−乳酸(不純物の含有量
0.5モル%)10kgを150℃、7000Paにお
いて3時間攪拌しながら水を留出させた後、錫末6.2
gを加え、150℃、4000Paにおいてさらに2時
間攪拌してオリゴマー化した。このオリゴマーに錫末2
8.8gとジフェニルエーテル21.1kgを加え、1
50℃、4700Paにおいて共沸脱水反応を行い留出
した水と溶媒を水分分離機で分離して、水層を逐次抜き
出し、溶媒のみを反応器に戻した。2時間後(この時点
で不純物の含有量は0.05モル%であった)、反応器
に戻す有機溶媒を4.6kgのモレキュラーシーブ3A
を充填したカラムに通してから反応器に戻すようにし
て、150℃、4700Paにおいて反応を行い、ポリ
スチレン換算重量平均分子量12万のポリ乳酸溶液を得
た。この溶液に脱水したジフェニルエーテル44kgを
加え希釈した後、40℃まで冷却して、析出した結晶を
ろ過し、10kgのn−ヘキサンで3回洗浄して60
℃、7000Paにおいて乾燥した。この粉末を0.5
N塩酸12kgとエタノール12kgを加え、35℃で
1時間攪拌した後ろ過し、60℃、7000Paで乾燥
して、平均粒径30μmのポリ乳酸粉末6.1kg(収
率85重量%)を得た。このポリマーのポリスチレン換
算重量平均分子量は約12万であった。
【0043】実施例1 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A1:30重量部および化合物B1:5重量部を含む
ペレットを、180℃においてTダイが装着された押出
機を用いて混練、溶融して押出し、厚さ80μmの未延
伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを長さ方向に
2.5倍、次いで横方向に3倍延伸し、130℃で熱処
理を行った後、30℃の空気を用いてフィルムを冷却し
平均厚み10μmの延伸フィルムを得た。得られたフィ
ルムの結晶化度は15%であった。弾性率、tanδ、
ヘイズ、および耐熱温度の評価を行った結果を[表1]
に示す。
【0044】実施例2 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A1:25重量部を含むペレットを、180℃におい
てTダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押
出し、厚さ60μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムを長さ方向に2倍、次いで横方向に2.5倍
延伸し、130℃で熱処理を行った後、30℃の空気を
用いてフィルムを冷却し平均厚み10μmの延伸フィル
ムを得た。得られたフィルムの結晶化度は25%であっ
た。弾性率、tanδ、ヘイズ、および耐熱温度の評価
を行った結果を[表1]に示す。
【0045】実施例3 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物B1:15重量部および化合物を含むペレットを、1
80℃においてTダイが装着された押出機を用いて混
練、溶融して押出し、厚さ60μmの未延伸フィルムを
得た。この未延伸フィルムを長さ方向に2倍、次いで横
方向に3倍延伸し、130℃で熱処理を行った後、30
℃の空気を用いてフィルムを冷却し平均厚み10μmの
延伸フィルムを得た。得られたフィルムの結晶化度は1
5%であった。弾性率、tanδ、ヘイズ、および耐熱
温度の評価を行った結果を[表1]に示す。
【0046】実施例4 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A2:55重量部を含むペレットを、180℃におい
てTダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押
出し、厚さ50μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムを長さ方向に1.5倍、次いで横方向に2.
5倍延伸し、130℃で熱処理を行った後、30℃の空
気を用いてフィルムを冷却し平均厚み10μmの延伸フ
ィルムを得た。得られたフィルムの結晶化度は12%で
あった。弾性率、tanδ、ヘイズ、および耐熱温度の
評価を行った結果を[表1]に示す。
【0047】実施例5 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物B1:50重量部および化合物を含むペレットを、1
80℃においてTダイが装着された押出機を用いて混
練、溶融して押出し、厚さ80μmの未延伸フィルムを
得た。この未延伸フィルムを長さ方向に2.5倍、次い
で横方向に3倍延伸し、130℃で熱処理を行った後、
30℃の空気を用いてフィルムを冷却し平均厚み10μ
mの延伸フィルムを得た。得られたフィルムの結晶化度
は15%であった。弾性率、tanδ、ヘイズ、および
耐熱温度の評価を行った結果を[表1]に示す。
【0048】実施例6 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A3:40重量部を含むペレットを、180℃におい
てTダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押
出し、厚さ40μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムの両面に、調製例1で得られたポリマーから
なる厚さ10μmのフィルムを張り合せた後、長さ方向
に2.5倍、次いで横方向に3倍延伸し、130℃で熱
処理を行った後、30℃の空気を用いてフィルムを冷却
し平均厚み10μmの延伸フィルムを得た。弾性率、t
anδ、ヘイズ、および耐熱温度の評価を行った結果を
[表1]に示す。
【0049】実施例7 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A3:30重量部を含むペレットを、180℃におい
てTダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押
出し、厚さ60μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムの両面に、ポリブチレンサクシネートからな
る厚さ10μmのフィルムを張り合せた後、この未延伸
フィルムを長さ方向に2.5倍、次いで横方向に3倍延
伸し、130℃で熱処理を行った後、30℃の空気を用
いてフィルムを冷却し平均厚み10μmの延伸フィルム
を得た。弾性率、tanδ、ヘイズ、および耐熱温度の
評価を行った結果を[表1]に示す。
【0050】実施例8 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A1:20重量部を含むペレットを、40mmのイン
フレーション成形機(ダイス径40mm)にて、170
℃で成形し、折り径150mm、厚み12μmのインフ
レーションフィルムを得た。得られたフィルムを140
℃で熱処理を行った後、30℃の空気を用いてフィルム
を冷却した。このフィルムの結晶化度は18%であっ
た。評価結果を[表1]に示す。
【0051】比較例1 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A1:5重量部を含むペレットを、180℃において
Tダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押出
し、厚さ80μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸
フィルムを長さ方向に2.5倍、次いで横方向に3.5
倍延伸し、130℃で熱処理を行った後、30℃の空気
を用いてフィルムを冷却し平均厚み10μmの延伸フィ
ルムを得た。得られたフィルムの結晶化度は30%であ
った。評価結果を[表2]に示す。
【0052】比較例2 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物B1:5重量部を含むペレットを、180℃において
Tダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押出
し、厚さ80μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸
フィルムを長さ方向に2.5倍、次いで横方向に3倍延
伸し、130℃で熱処理を行った後、30℃の空気を用
いてフィルムを冷却し平均厚み11μmの延伸フィルム
を得た。得られたフィルムの結晶化度は35%であっ
た。評価結果を[表2]に示す。
【0053】比較例3 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A1:70重量部を含むペレットを、180℃におい
てTダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押
出し、厚さ70μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムを長さ方向に2倍、次いで横方向に3倍延伸
し、130℃で熱処理を行った後、30℃の空気を用い
てフィルムを冷却し平均厚み10μmの延伸フィルムを
得た。得られたフィルムの結晶化度は15%であった。
評価結果を[表2]に示す。
【0054】比較例4 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A1:50重量部および化合物B1:30重量部を含
むペレットを、180℃においてTダイが装着された押
出機を用いて混練、溶融して押出し、厚さ50μmの未
延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを長さ方向に
1.5倍、次いで横方向に2.5倍延伸し、130℃で
熱処理を行った後、30℃の空気を用いてフィルムを冷
却し平均厚み10μmの延伸フィルムを得た。得られた
フィルムの結晶化度は12%であった。評価結果を[表
2]に示す。
【0055】比較例5 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A4:20重量部を含むペレットを、180℃におい
てTダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押
出し、厚さ60μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムを長さ方向に2倍、次いで横方向に2.5倍
延伸し、130℃で熱処理を行った後、30℃の空気を
用いてフィルムを冷却し平均厚み10mの延伸フィルム
を得た。得られたフィルムの結晶化度は20%であっ
た。評価結果を[表2]に示す。
【0056】比較例6 調製例1で得られたポリマー100重量部に対し、化合
物A1:30重量部を含むペレットを、180℃におい
てTダイが装着された押出機を用いて混練、溶融して押
出し、厚さ10μmの未延伸フィルムを得た。得られた
フィルムの結晶化度は4%であった。評価結果を[表
2]に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】実施例9 実施例1で得られたフィルムを、長さ180mm、幅5
00mmに切り、幅方向に2つ折にした後、折り目の側
辺の二辺を100℃でヒートシールすることにより、開
口部の幅約175mm、深さ250mmの袋を得た。得
られた袋にトマト約500gを充填し、袋の開口部を絞
り、結束テープで固定し、包装体を得た。
【0060】実施例10 実施例8で得られた折り径150mm、厚み12μmの
インフレーションフィルムを長さ方向に、250mm間
隔で、溶断温度280℃にて溶断シールした後、同間隔
でカットすることにより、開口部の幅150mm、深さ
約245mmの袋を得た。得られた袋に人参約500g
を充填し、袋の開口部を絞り、結束テープで固定し、包
装体を得た。
【0061】
【発明の効果】本発明に係わる脂肪族ポリエステルフィ
ルムは、脂肪族ポリエステルが乳酸系ポリマーである場
合、乳酸系ポリマーが本来有する自然環境下での分解性
を維持し、優れた耐熱性、柔軟性、透明性及び密着性を
有し、しかも表面に可塑剤がブリードアウトすることが
ない。そのため、食品、電子、医療、薬品、化粧品等の
各種包装用フィルム、農業用フィルム、土建・建築用フ
ィルム、粘着テープ等の広範囲における資材として好適
に使用し得る。使用した後、廃棄されても産業廃棄物、
家庭廃棄物として蓄積することがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/103 C08K 5/103 C08L 67/04 ZBP C08L 67/04 ZBP (72)発明者 北原 泰広 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 竹原 明宣 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 大淵 省二 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 3E064 AA03 AA09 BA54 BC01 BC13 BC16 BC20 3E086 AB01 AD01 BA04 BA15 BB57 BB90 CA01 CA27 CA28 CA31 4F071 AA43 AA89 AC06 AC10 AF13 AF30Y AF45Y AH04 BB07 BC01 BC12 4F100 AH02A AK41A AK41B AK41C AL01A AL05A BA03 BA06 BA10A BA10C EH01 EJ37A EJ38 GB15 JA20A JB20A JC00 JJ03A JK07A YY00A 4J002 CF031 CF181 ED026 EH047 GG02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリエステル100重量部に対
    し、一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、nは1〜10の整数、R1〜R4は炭素数1〜1
    8のアシル基である)で示される化合物(A)、及びグ
    リセリン1〜10分子の縮合物と炭素数6〜18のカル
    ボン酸との反応生成物である化合物(B)から選ばれた
    少なくとも1種の化合物10〜60重量部を含む層を少
    なくとも一層有する単層または多層の脂肪族ポリエステ
    ルフィルムであって、20℃における貯蔵弾性率
    (E’)が1×107〜2×109Pa、貯蔵弾性率
    (E’)に対する損失弾性率(E’’)の比(E’’/
    E’)である損失正接(tanδ)が0.1〜1.0の
    範囲にあることを特徴とする脂肪族ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸、及び
    乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との共重合体か
    ら選ばれた少なくとも1種のポリエステルである請求項
    1記載の脂肪族ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも一軸方向に1.5〜5倍延伸
    された請求項1記載の脂肪族ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ヘイズが0.05〜3%である請求項1
    記載の脂肪族ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 耐熱温度が100〜170℃である請求
    項1記載の脂肪族ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 結晶化度が10〜60%である請求項
    1記載の脂肪族ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 厚みが5〜1000μmである請求項1
    記載の脂肪族ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 包装用フィルムである請求項1記載の脂
    肪族ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂
    肪族ポリエステルフィルムを用いて、被包装物を包装し
    た包装体。
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